JP4223534B2 - 脱臭シート及びハニカム形フィルタ - Google Patents

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Description

本発明は脱臭シート及びハニカム形フィルタに関し、特にあらゆる種類の悪臭ガスを脱臭できる脱臭シート及びハニカム形フィルタに関する。
悪臭と感じられるガスの成分は、1)酸性ガス、2)中性ガス、3)塩基性ガスに大きく分けられる。これらの悪臭ガスを除去するために、活性炭、ゼオライト、シリカ、アルミナ、活性白土などの多孔性物質が利用されているが、これらの多孔性物質の吸着には悪臭ガスの種類に選択性があり、1種類の多孔性物質では、全ての悪臭ガスを除くことができない。数種類の多孔性物質を混合すればある程度吸着除去できるが、吸着容量が小さく実用的でない。
現在、吸着速度と吸着容量を増大するために、これらの悪臭ガスを化学的に吸着できる吸着剤を添着する方法が多用されている。例えば、酢酸、酪酸、硫化水素などの酸性の悪臭ガスの除去には、アニリン、ポリエチレンイミンなどの有機アミン類や水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウムなどの無機化合物が、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどの塩基性ガスの除去には、リン酸、硫酸などの無機酸類又は酒石酸、クエン酸などの有機酸類が使用されている。しかし、有機アミンや無機の塩基性水酸化合物と無機酸や有機酸を混合すると、中和反応が生じて吸着不活性になる。
このように同一多孔性物質に化学的性質の異なる2種類の吸着剤を同時に添着できないので、これを解消する目的で、従来は、有機アミン類やアルカリ金属の水酸化合物を添着した多孔性物質を造粒あるいはハニカム、又はシート状に加工した吸着材と、無機酸類や有機酸類を添着した多孔性物質を造粒あるいはハニカム、又はシート状に加工した吸着材とを併用している。さらに、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなどの中性物質を吸着できる薬剤を添着した多孔性物質を造粒あるいはハニカム、又はシート状に加工して前記吸着材に併用することが多い。
異なる機能を持った吸着材を併用する際、従来方法としては、以下のような工夫がなされている。例えば、通気抵抗を軽減し、吸着速度を高める目的でシート状に加工したのち、機能の異なる脱臭シートを積層して、これを通気性の包装材により構成された偏平状の袋(特許文献1参照)に同封したもの、外装体に同封したのち熱融着性不織布で一体化(特許文献2参照)したもの、あるいは機能性シートを交互にコルゲート加工して複合コルゲート化(特許文献3参照)したもの、さらには、アニオン性基を有する消臭剤を含浸したシートとカチオン基を有する消臭剤を含浸したシート間にホットメルト層を設けて、消臭シート間の反応を阻害した消臭シート(特許文献4参照)したものなどがある。
特開2000−279497「脱臭袋及び脱臭消臭袋」 特開2000−141553「脱臭消臭袋」 特開平11−262612「脱臭フィルター」 特開2000−84339「消臭シート材」
しかしながら、上記従来技術であれば、いずれの方法も積層により嵩高になるため賦形性に乏しく、プリートやハニカム状に加工できない。その結果、臭気成分をすばやく高効率に除去できず、保有する吸着性能を充分発揮できない課題がある。
また、前記したように、複数の脱臭材を組み合わせて1つのハニカムを製造する場合、例えば図5に示すように、平板シート40を第1消臭シートで構成するとともに、波形シート41を第2消臭シートで構成することも行われている。この構成であれば、同一ハニカム内に2種類の悪臭成分に作用する消臭シートが存在することになるので、ハニカムを一回通過する際に、ガス中の悪臭成分を除去する効率(以下、1パス性能と称する)を高めることができる。
しかしながら、図5に示す構成を採用しても平板シート40に比べて波形シート41は長いので、平板シート40と波形シート41の使用量は1:1にならず、1:1.5程度になってしまう課題がある。したがって、2種類の悪臭に対してほぼ均等に脱臭効果を実現しようとすると、第1吸着剤の添着量と、第2吸着剤の添着量とを上記シートの長さの違いに応じて調整する必要が生じる。
また、図5に示すように平板シート40と波形シート41を交互に積層する場合、波形シート41の山部の頂部、谷部の底部において平板シート40と接着する必要がある。その際、接着部の成分を介して第1吸着剤と第2吸着剤とが反応してしまう組み合わせの場合には、接着剤の選定と接着方法に細心の注意を払う必要がある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、上記課題を解決できる、脱臭シート及びその脱臭シートを利用したハニカム形フィルタを提供することにある。
具体的な目的の一例を示すと、以下の通りである。
(a)あらゆる種類の悪臭ガスの除去性に優れ、かつ、加工性、賦形性にすぐれた脱臭シートを提供する。
(b)圧力損失を小さく保持したまま、前記脱臭シートの長さの違いを解決し、前記1パス性能をさらに向上させたり、又は前記接着における課題を解決するハニカム形フィルタを提供する。
なお、上記に記載した以外の発明の課題、その解決手段及びその効果は、後述する明細書内の記載において詳しく説明する。
本発明は多面的に表現できるが、例えば、代表的なものを挙げると、次のように構成したものである。
本発明の脱臭シートは、多孔性シリカゲル又は多孔性活性白土を混抄して形成したシートにジヒドラジド類からなる中性ガス吸着剤を担持させてなる多孔性無機物質混抄シートと活性炭混抄シートとを加熱圧着した一体的シートである。
この構成においても、各混抄シートにはそれぞれ熱融着性繊維バインダーを含ませることが好ましい。
前記脱臭シートにおいて、前記中性ガス吸着剤に加えて塩基性ガス吸着剤を前記多孔性無機物質混抄シートに添着し、前記活性炭混抄シートに酸性ガス吸着剤を添着することもできる。
前記多孔性無機物質混抄シートはシリカゲル又は活性白土を50〜95重量%含有していることが好ましい。
前記多孔性無機物質の比表面積は200〜1500m/g、細孔容量が0.5〜2.0ml/g(ミリリットル/g)であることが好ましい。
また、熱融着性繊維バインダーを含む多孔性無機物質混抄シートの片面と熱融着性繊維バインダーを含む活性炭混抄シートの片面を加熱圧着して一体的シートに成形することもできる。その理由は製造された脱臭シートの層厚を薄くできるとともに、製造コストを安くできるからである。
前記塩基性ガス吸着剤は無機酸又は有機酸の中から選択される1種類又は複数種類の酸であることが好ましい。
前記酸性ガス吸着剤はアルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物、若しくは炭酸塩又は/及びジアミンであることが好ましい。
前記熱融着性繊維バインダーの融点は70〜150℃のポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミドなどの合成繊維バインダーであることが好ましい。
前記熱融着繊維バインダーは前記混抄シートの5〜15重量%含有することが好ましい。
前記活性炭混抄シートは粉末活性炭を50〜95重量%含有していることが好ましい。
前記粉末活性炭の比表面積は500〜2000m/g、細孔容量は0.3〜1.5ml/g(ミリリットル/g)であることが好ましい。
本発明に係るハニカム形フィルタ1は、例えば図1に示すように、前記脱臭シート2を用いて山部8と谷部9が交互に連続する波形シート6と平板シート7を作り、前記波形シート6と前記平板シート7を交互に積層することによってハニカム構造とし、前記波形シート6の配置を一方側から順に多孔性無機物質混抄シート3、活性炭混抄シート4のように配置するとともに、前記平板シート7の配置を前記一方側から順に多孔性無機物質混抄シート3、活性炭混抄シート4のように配置して、ハニカム構造に形成される山部空間10と谷部空間11の各空間において、多孔性無機物質混抄シート3と活性炭混抄シート4の両方が存在するように構成したことを特徴とする。
上記ハニカム形フィルタであれば、波形シートは前記脱臭シートで構成されているので、ハニカム構造において、通過するガスと最も接触面積が大きい波形シートの両面に多孔性無機物質混抄シートと活性炭混抄シートを偏りなく分布させることができるので、1パス性能を向上させることができる。さらに、波形シートにおいて多孔性無機物質混抄シートと活性炭混抄シートの使用長さは同一になる。したがって、多孔性無機物質に担持させた吸着剤と活性炭に担持させた吸着剤の脱臭効果を均等に発揮させやすくなる。
また、平板シートと波形シートの間に形成される山部空間と谷部空間の各空間には、多孔性無機物質混抄シートと活性炭混抄シートの両方が存在することになるので、前記各空間を通過するガスは、多孔性無機物質混抄シートによる作用と活性炭混抄シートによる作用を受けることになり、1パス性能を高めることができる。
本発明に係るハニカム形フィルタ1は、例えば図2に示すように、前記脱臭シート2を用いて山部8と谷部9が交互に連続する波形シート6と平板シート7を作り、前記波形シート6と前記平板シート7を交互に積層することによってハニカム構造とし、前記波形シート6の配置を一方側から順に多孔性無機物質混抄シート3、活性炭混抄シート4のように配置するとともに、前記平板シート7の配置を前記一方側から順に活性炭混抄シート4、多孔性無機物質混抄シート3のように順序を逆に配置して構成したことを特徴とする。
この構成では、前記した吸着剤の脱臭効果を均等に発揮させやすくなる効果と1パス性能を高めることができる効果を享受できるとともに、波形シートの山部空間には活性炭混抄シートのみ存在し、谷部空間には多孔性無機物質混抄シートのみ存在することになり、波形シートと平板シートの接着部において塩基性と酸性のように相反する吸着剤を担持させたシートは接近又は接着することがないので、両方の吸着剤が接着剤の成分を介して反応又は変質するという不都合を低減することができる。したがって、接着剤の選択の範囲が広がり、接着の仕方に注意を払う必要がないという利点がある。
本発明に係るハニカム形フィルタ1は、例えば図3に示すように、前記脱臭シート2を用いて山部8と谷部9が交互に連続する波形シート6を作り、別途、所定機能の平板シート7aを用意し、前記波形シート6と前記平板シート7aを交互に積層することによってハニカム構造としたことを特徴とする。
この構成によれば、本発明に係る脱臭シートを使用したことによる種々の悪臭を消臭できる効果と平板シートの所定機能を共に有したハニカム形フィルタを提供できる。
以上説明した本発明に係るハニカム形フィルタに使用する各多孔性無機物質混抄シート、各活性炭混抄シートは、それぞれ前記した本発明に係る脱臭シートの各構成例を適宜選択して使用することが可能である。
図4は本発明に係るハニカム形フィルタの一構成例を示す斜視図である。
さらに、本発明の脱臭シートについて説明する。
本発明者は、あらゆる臭気成分を効率よく除去し、長期間安定して保持できる脱臭シートの製造法について種々検討した結果、本発明を完成した。
即ち、本発明は、多孔性シリカゲル又は多孔性活性白土を混抄して形成したシートにジヒドラジド類からなる中性ガス吸着剤を担持させてなる多孔性無機物質混抄シートと活性炭混抄シートとを加熱圧着した一体的シートとしたことを特徴とする脱臭シートである。
これらの脱臭シートは、容易にプリーツ加工やハニカム加工に成形でき、吸着速度、吸着容量の大きい脱臭材を提供することを可能にするものである。混抄シートとしては、パルプ等の繊維成分を含む混抄紙が例示できる。
活性炭はその大きな表面積と微細な細孔が多量に存在するため、多種類の悪臭ガスの吸着性能にすぐれていることは既知の事実である。しかし、その吸着力は主として物理吸着に基づいているため、低分子量で蒸気圧の大きい、アンモニアやホルムアルデヒドガスなどに対する吸着性能は小さい。また、吸着が物理的な力に依存しているため非吸着ガスの濃度が低い場合には効果的でない。特に、居住空間で問題となっている、たばこの臭いの主成分であるアンモニア、アセトアルデヒドに対する吸着性能に乏しいので、化学的な吸着性能にすぐれた化学物質を添着して性能を強化している。
例えば、活性炭素繊維にアニリンと有機酸を添着したり、活性炭にアミンとアルカリ土類金属を添着したり、活性炭にアミンとカルボン酸を添着したり、環状飽和第二アミンと不揮発酸を添着したり、金属塩とヒドラジンを含む混合液に鎖状珪酸マグネシウムの微粉末を加え懸濁させた後、活性炭からなる担持体に塗着するなどアセトアルデヒド吸着能を増強した吸着材が提案されているが、アセトアルデヒド除去剤として用いられたいずれのアミノ化合物も、活性炭の酸化触媒能により空気中の酸素で酸化され、その吸着性能を急激に消失する。アニリンは室温(空気中)では、3000時間で初期吸着能の80%を消失すると報告されている(添着活性炭のアセトアルデヒド吸着性の劣化、林敏昭、汲田幹夫、大谷吉生、化学工学論文集、32(No1)72〜78(2006)参照)。即ち、アミノ化合物と活性炭との組み合わせはアセトアルデヒド吸着剤として適当でない。
アセトアルデヒドを化学的に吸着除去できるジヒドラジド類を、酸化触媒能を示さない多孔性無機物質混抄シート(具体的には多孔性シリカゲル混抄シート又は多孔性活性白土混抄シート)に添着し、活性炭混抄シートと複合化すれば、活性炭の多種類の中性ガスに対する吸着能を付加でき、あらゆる中性ガス(VOC)を除去できる脱臭シートが製造できる。
さらに、ジヒドラジド類からなる中性ガス吸着剤に加えて塩基性ガス吸着剤を前記多孔性無機物質混抄シートに添着し、活性炭混抄シートに酸性ガス吸着剤を添着し一体化すれば、あらゆる種類の悪臭ガスを除去できるすばらしい脱臭材を製造することができる。
以上、説明したように本発明によれば、アミノ化合物が活性炭の酸化触媒能により空気中の酸素で酸化され、その吸着性能を急激に消失する課題を解決して、あらゆる種類の悪臭ガスの除去性に優れ、かつ加工性、賦形性にすぐれた脱臭シートを提供できる。
また、前記した本発明に記載した各種脱臭シートを利用したハニカム形フィルタであれば、本脱臭シートの効果に加えて、前記各脱臭シートの長さの違いを解決し、1パス性能をさらに向上させたり、又は接着剤選定における課題を解決することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本実施形態では、前記本発明のコンセプトに基づいて、熱融着性繊維バインダーを含む活性炭混抄シートに所定ガス吸着剤を添着した脱臭シートと、ジヒドラジド類からなる中性ガス吸着剤を担持させてなる多孔性無機物質混抄シート(具体的には多孔性シリカゲル混抄シート又は多孔性活性白土混抄シート)とを加熱圧着して一体化して脱臭シートを構成する。
まず、アセトアルデヒドとアンモニアを吸着するために、優れた性能を発揮する新規な多孔性無機物質混抄シートと、無添着又は酸性ガス吸着剤を担持した活性炭混抄シートとを製造する。多孔性無機物質混抄シートと活性炭混抄シートは、共に熱融着繊維バインダーを含んでいる。
アセトアルデヒドとアンモニア吸着用の多孔性無機物質混抄シートは、ジヒドラジド類を多孔性無機物質混抄シートに添着して製造する。
ジヒドラジド化合物としてはシュウ酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジドなどの脂肪族ジヒドラジドとフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジドなどの芳香族ジヒドラジド類が使用可能である。
酸としては、硫酸、塩酸、リン酸、ポリリン酸などの無機酸及び酢酸、シュウ酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸などの有機酸が利用できるが、多孔性無機物質混抄シートに対する強度劣化性、皮膚に触れた場合の安全性を考慮し、好ましくは1モル水溶液のpHが1以上の中〜弱酸性の酸が好ましく、より好ましくは、リン酸、シュウ酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸など安全性が確認されているものが望ましい。
活性炭混抄シートに、酸性ガス吸着剤としての塩基性化合物を添着する場合は、耐酸化性にすぐれたモルホリン、ピペラジン及びその誘導体又はアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物や炭酸塩がより好ましい。
ジヒドラジド類を多孔性無機物質混抄シートに添着するには、塗布法、浸漬法、スプレー法など通常用いられている担持法を採用できる。これらの吸着剤を添着・乾燥した得た脱臭シートと、活性炭混抄シート又は活性炭混抄シートにアルカリ金属の炭酸塩又はアルカリ土類金属の水酸化物を添着・乾燥して得た脱臭シートを加熱圧着装置で一体化した脱臭シートを製造する。
当該製造方法は、ポリアクリルエマルションやポリ酢酸ビニルエマルションのような接着剤を使用した場合に生ずる、接着剤に含まれる合成高分子物質による多孔性物質表面の被覆に起因する吸着能の低下、また接着剤の溶媒と共に移動する添着された性能の異なる吸着剤同士の中和反応に基づく吸着性能の低下は起こらない。
また、本実施形態では熱融着シート、熱融着メッシュ、熱融着バインダーを用いないので、融着一体化操作が簡単で、低コストである。
混抄シートに用いる熱融着繊維バインダーには、通常用いられるポリエステル繊維バインダー、ポリアミド繊維バインダー、ポリオレフィン繊維バインダーなどの繊維バインダーが使用できるが、熱融着時に発生する添着剤の飛散、熱変質を考慮すると、好ましくは融点150℃以下の、より好ましくは120〜80℃の繊維バインダーが望ましい。添加量は混抄シートの強度と融着速度、生成した脱臭シートの剥離強度を勘案して決めるが、多孔性物質を除いたシート形成材料(繊維、バインダー、その他)の10〜30重量%を使用できる。好ましくは15〜25重量%である。30重量%以上添加すると紙力強度が低下し、10重量%以下になると生成した脱臭シートが剥離し易くなる。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて、前記実施形態をさらに具体的に説明する。なお、記載した部はいずれも重量部を表す。
剥離強度の測定は、島津製作所製引張試験機(AGS−H500N)を使用し、50×200mmの試料について、300mm/分の引張速度で測定した。脱臭性能の測定は、16.7〜18.2cmの試料を12Lのテドラーバッグに入れ、これにアンモニア、アセトアルデヒド、酢酸、トルエンガスの所定濃度をそれぞれ注入し、20℃で24時間後の濃度を測定して評価した。アンモニアは検知管、その他のガスはガスクロマトグラフを用いて測定した。
(実施例1)
多孔性シリカゲル70部、パルプ4部、ポリエステル繊維8部、ポリエステル繊維バインダー7部、その他11部の割合で混抄して得た多孔性シリカゲル混抄シートをアジピン酸ジヒドラジド5.0%、尿素2.0%、リン酸2.85%を含む水溶液に浸漬し、余剰液を除去した後100〜120℃で数分間乾燥して、アジピン酸ジヒドラジド、尿素、リン酸添着多孔性シリカゲル混抄シートを得た。当該多孔性シリカゲル混抄シートと、粉末活性炭70部、パルプ4部、ポリエステル繊維8部、ポリエステル繊維バインダー7部、その他11部の割合で混抄して得た活性炭混抄シートとを熱融着装置を用いて、トップロールの温度120℃、ボトムロールの温度130℃、7.0m/分の速度で熱融着し、接合・一体化して脱臭シートを得た。
(実施例2)
多孔性活性白土70部、パルプ4部、ポリエステル繊維9部、ポリエステル繊維バインダー6部、その他11部の割合で混抄した多孔性活性白土混抄シートをアジピン酸ジヒドラジド5.0%、尿素1.5%クエン酸5.5%を含む水溶液に浸漬し、余剰液を除去した後100〜120℃で数分間乾燥して、アジピン酸ジヒドラジド、尿素、クエン酸添着多孔性活性白土混抄シートを得た。当該多孔性活性白土混抄シートと、粉末活性炭70部、パルプ4部、ポリエステル繊維9部、ポリエステル繊維バインダー6部、その他11部の割合で混抄して得た活性炭混抄シートを0.3モル濃度の炭酸カリウム水溶液に浸漬し、余剰液を除去した後100〜120℃で数分間乾燥して得た炭酸カリウム添着活性炭鉱抄紙とを熱融着装置を用いて、トップロールの温度120℃、ボトムロールの温度120℃で7.0m/分の速度で熱融着し、接合・一体化して脱臭シートを得た。
(比較例1)
多孔性シリカゲル70部、パルプ4部、ポリエステル繊維13部、ポリエステル繊維バインダー2部、その他11部の割合で混抄して得た多孔性シリカゲル混抄シートをアジピン酸ジヒドラジド5.0%、尿素2.0%、リン酸2.85%を含む水溶液に浸漬し、余剰液を除去した後100〜120℃で数分間乾燥して、アジピン酸ジヒドラジド、尿素、リン酸添着多孔性シリカゲル混抄シートを得た。当該多孔性シリカゲル混抄シートと、粉末活性炭70部、パルプ4部、ポリエステル繊維13部、ポリエステル繊維バインダー2部、その他11部の割合で混抄した活性炭混抄シートとを熱融着装置を用いて、トップロールの温度120℃、ボトムロールの温度120℃で5.0m/分の速度で熱融着し、接合・一体化して脱臭シートを得た。
(比較例2)
多孔性シリカゲル70部、パルプ4部、ポリエステル繊維8部、ポリエステル繊維バインダー7部、その他11部の割合で混抄した多孔性シリカゲル混抄シートをアジピン酸ジヒドラジド5.0%、尿素2.0%、リン酸2.85%を含む水溶液に浸漬し、余剰液を除去した後100〜120℃で数分間乾燥して、アジピン酸ジヒドラジド、尿素、リン酸添着多孔性シリカゲル混抄シートを得た。
(比較例3)
多孔性酸酸性白土70部、パルプ4部、ポリエステル繊維8部、ポリエステル繊維バインダー7部、その他11部の割合で混抄した多孔性酸性白土混抄シートをアジピン酸ジヒドラジド5.0%、尿1.5%、クエン酸5.5%の水溶液に浸漬し、余剰液を除去した後100〜120℃で数分間乾燥して、アジピン酸ジヒドラジド、尿素、クエン酸添着多孔性シリカゲル混抄シートを得た。
(比較例4)
粉末活性炭70部、パルプ4部、ポリエステル繊維8部、ポリエステル繊維バインダー7部、その他11部の割合で混抄して活性炭混抄シートを得た。
(比較例5)
粉末活性炭70部、パルプ4部、ポリエステル繊維8部、ポリエステル繊維バインダー7部、その他11部の割合で混抄して得た活性炭混抄シートを0.3モル濃度の炭酸カリウム水溶液に浸漬し、余剰液を除去した後100〜120℃で数分間乾燥して得た炭酸カリウム添着活性炭混抄シートを得た。
表1は本実施形態に係る脱臭シートと比較例の剥離強度比較の表である。
表2はアンモニア(NH)、アセトアルデヒド(CHCHO)、酢酸(CHCOOH)、トルエン(CH)のそれぞれの悪臭成分において、それぞれ高濃度と低濃度の場合に各脱臭シートの吸着後の濃度を測定することで各シートの吸着性能を比較した表である。なお、アンモニア、アセトアルデヒド、酢酸の各初濃度は100ppmと600ppmの2種類を用意し、トルエンの初濃度は250ppmと1200ppmの2種類を用意した。
Figure 0004223534
Figure 0004223534
表1から実施例1,2の脱臭シートは充分な剥離強度を備えていることが分かる。また、表2から実施例1,2の脱臭シートは、高濃度と低濃度において、全ての悪臭成分に対して優れた脱臭性能を有していることが分かる。
図1は本発明の一実施形態に係るハニカム形フィルタの断面を拡大した部分縦断面図である。 図2は本発明の一実施形態に係るハニカム形フィルタの断面を拡大した部分縦断面図である。 図3は本発明の一実施形態に係るハニカム形フィルタの断面を拡大した部分縦断面図である。 図4は本発明に係るハニカム形フィルタの一構成例を示す斜視図である。 図5は従来のハニカム形フィルタの断面を拡大した部分縦断面図である。
符号の説明
1…ハニカム形フィルタ、2…一体的シート、3…多孔性無機物質混抄シート、4…活性炭混抄シート、6…波形シート、7,7a…平板シート、8…山部、9…谷部、10…山部空間、11…谷部空間。

Claims (8)

  1. 多孔性シリカゲル又は多孔性活性白土を混抄して形成したシートにジヒドラジド類からなる中性ガス吸着剤を担持させてなる多孔性無機物質混抄シートと活性炭混抄シートとを加熱圧着した一体的シートとしたことを特徴とする脱臭シート。
  2. 請求項1に記載の脱臭シートにおいて、前記中性ガス吸着剤に加えて塩基性ガス吸着剤を前記多孔性無機物質混抄シートに添着し、前記活性炭混抄シートに酸性ガス吸着剤を添着した脱臭シート。
  3. 請求項1から請求項2のいずれか一項に記載の脱臭シートにおいて、前記多孔性無機物質混抄シートはシリカゲル又は活性白土を50〜95重量%含有している脱臭シート。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の脱臭シートにおいて、前記前記多孔性無機物質の比表面積は200〜1500m/g、細孔容量が0.5〜2.0ml/gである脱臭シート。
  5. 請求項1から請求項2のいずれか一項に記載の脱臭シートにおいて、熱融着性繊維バインダーを含む前記多孔性無機物質混抄シートの片面と熱融着性繊維バインダーを含む前記活性炭混抄シートの片面を加熱圧着して一体的シートに成形した脱臭シート。
  6. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載の脱臭シートを使用したハニカム形フィルタであって、前記脱臭シートを用いて山部と谷部が交互に連続する波形シートと平板シートを作り、前記波形シートと前記平板シートを交互に積層することによってハニカム構造とし、前記波形シートの配置を一方側から順に多孔性無機物質混抄シート、活性炭混抄シートのように配置するとともに、前記平板シートの配置を前記一方側から順に多孔性無機物質混抄シート、活性炭混抄シートのように配置して、ハニカム構造に形成される山部空間と谷部空間の各空間において、多孔性無機物質混抄シートと活性炭混抄シートの両方が存在するように構成したことを特徴とするハニカム形フィルタ。
  7. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載の脱臭シートを使用したハニカム形フィルタであって、前記脱臭シートを用いて山部と谷部が交互に連続する波形シートと平板シートを作り、前記波形シートと前記平板シートを交互に積層することによってハニカム構造とし、前記波形シートの配置を一方側から順に多孔性無機物質混抄シート、活性炭混抄シートのように配置するとともに、前記平板シートの配置を前記一方側から順に活性炭混抄シート、多孔性無機物質混抄シートのように順序を逆に配置して構成したことを特徴とするハニカム形フィルタ。
  8. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載の脱臭シートを使用したハニカム形フィルタであって、前記脱臭シートを用いて山部と谷部が交互に連続する波形シートを作り、別途、所定機能の平板シートを用意し、前記波形シートと前記平板シートを交互に積層することによってハニカム構造としたことを特徴とするハニカム形フィルタ。
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