JP7017026B2 - 脱臭濾材およびフィルター - Google Patents

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Description

本発明はアルデヒド類ガス除去性能に対して吸着性能に優れた濾材に関するものである。
近年、空調用、エアコン用、自動車用等のフィルターにおいて、濾材の高性能化、低コストの要求が高まってきており、除塵性能と脱臭性能を両立するフィルター用濾材の検討が多くなされている。一般に脱臭性能を付与するには、粒子状あるいは繊維状の吸着材と接着剤を用いてシート化する方法が多く採用されている。例えば、基材間に粉体吸着剤と粉体結着剤との混合物を散布し、これを加熱接着してなる濾材が開発されている(例えば、特許文献1)。
臭気物質のうち、排気ガスやタバコ煙などから発生するアセトアルデヒドに代表されるアルデヒド類は臭気閾値が低く、有害性も高いため、脱臭フィルターによる高効率な除去が期待されている。アセトアルデヒドやホルムアルデヒドは沸点が低く、極性も高いので通常の活性炭では除去しにくい。このことから、吸着材である活性炭による低級アルデヒドの吸着除去性能を向上させる手段として、アニリンなどのアミン類や、ヒドラジン誘導体を活性炭に添着させて、吸着除去性能を向上させる方法が開示されている(例えば、特許文献2および3)。
特開平11-5058号公報 特開平3-98642号公報 特開2001-218824号公報
しかし、従来のアミン化合物が添着された吸着材では、低級脂肪族アルデヒドに対する脱臭性能が十分ではなかった。そのため、従来の技術を用いた消臭材や空気清浄フィルターでは、アルデヒドの吸着性能が低いという問題がある。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みなされ、アルデヒド類の吸着性能に優れた脱臭濾材およびそれを用いたフィルターを提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。すなわち本発明は以下のとおりである。
(1)脱臭濾材であって、基材層間にアミン系化合物が1~30重量%担持された吸着材及び接着剤が挟み込まれた積層構造を有し、前記吸着材はシリカゲルを含み、前記基材層のうち通気方向の上流に配置される基材層は第一酸解離定数が4以下の薬剤が添着されている不織布から成る、ことを特徴とする脱臭濾材。
(2)前記第一酸解離定数が4以下の薬剤は、クエン酸、安息香酸、イソフタル酸、およびギ酸から選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする上記(1)に記載の脱臭濾材。
(3)前記接着剤は、球状または破砕状の熱可塑性樹脂が用いられていることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の脱臭濾材。
(4)上記(1)~(3)のいずれか1つに記載の脱臭濾材を備えたことを特徴とするフィルター。
本発明の脱臭濾材は、上記構成により、アルデヒド類の吸着性能に優れる。よって、脱臭フィルターに好適に用いることができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の脱臭濾材は、基材層間にアミン系化合物が担持された吸着材及び接着剤からなる吸着層を挟み込んだ積層構造体を有し、吸着材はシリカゲルを含み、基材層のうち通気方向の上流に配置される基材層は第一酸解離定数が4以下の薬剤が添着されている不織布から成る。
本実施形態の脱臭濾材に用いられる吸着材は、シリカゲルを含んでいればよく、シリカゲル単独で用いてもよいし、シリカゲルに、活性炭やゼオライト等の他の種類の吸着材を混合して用いてもよい。種類は問わない。
本実施形態の脱臭濾材に用いられる吸着材は、BET法による測定で比表面積は100m/g~2000m/gであることが好ましく、200m/g~2000m/gがより好ましい。比表面積が200m/g未満であると、吸着性能が乏しく、2000m/gよりも大きいと吸着材の強度が弱くなる。
本発明における吸着材の形状は、特に限定されるものではなく、粉末状、不定形の破砕状、繊維状、円柱状、球状等に成型された粒状物、またはハニカム状に成型されたもの等のいずれでもよい。
本実施形態の脱臭濾材に用いられる吸着材の粒径範囲は、通気性、吸着材の脱落、シート加工性等を考慮して、JIS標準ふるい(JIS Z8801)による値で60~1000μmが好ましく、100~900μmがより好ましい。粒径範囲が60μm未満では、一定の高吸着容量を得るのに圧力損失が大きくなりすぎ、またシート充填密度が高くなるために粉塵負荷時の圧力損失の上昇が早くなり、粉塵保持量が低下する。1000μmを超える場合には、シートからの脱落が生じ易くなり、またワンパスでの初期吸着性能が極端に低くなり、さらにはプリーツ形状及び波状等の空気浄化用フィルターユニットとしたときの折り曲げ、及び波状加工時の加工性が悪くなる。なお、上記の粒状粉粒状吸着材は、通常の分級機を使用して所定の粒度調整をすることにより、得ることが可能である。
本実施形態の脱臭濾材に用いられる吸着材は、アミン化合物が含有されることにより、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒド等のアルデヒド類に対する化学吸着能が向上し、アルデヒド類を選択的に吸着することができる。
アミン化合物としては分子中に少なくとも1個のアミノ基を有するものが好ましい。例えば第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンを用いることができる、特にアルデヒドとの反応性から第一級アミンが好ましい。第一級アミンとしては例えば、アルキルの一級アミン、ピロリジン類、ピペリジン類、酸ヒドラジド類があげられる。生産性、実用性の点からは、可溶性のアミンや、耐熱性が高く加工温度で分解しないアミン、アミン臭が弱いアミンなどが好ましく、これらも含め総合的には酸ヒドラジドが好ましい。酸ヒドラジドとしてはホルムヒドラジド、アセトヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、安息香酸ヒドラジド等、分子中に2個の酸ヒドラジド基を有する酸ジヒドラジドとしては、カルボジヒドラジド、グルタミン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド等、分子中に3個以上の酸ヒドラジド基を有する酸ポリヒドラジドとしては、ポリアクリル酸ヒドラジド等が挙げられる。中でも水溶性のジヒドラジド類が好ましい。アジピン酸ジヒドラジドがアルデヒド類の吸着性能の点で好ましい。また、用いる酸ヒドラジド化合物は一種類に限らず複数種を併用することも好ましい。
本実施形態の脱臭濾材に用いられる吸着材において、アミン化合物の含有量は、吸着材重量に対して1%~30%が好ましく、3~15%がより好ましい。含有量が1%未満であると、含有量が少なすぎるため、十分なアルデヒド除去性能が発現できず、含有量が30%を超えると、過剰に含有されるため、十分なアルデヒド除去性能が発現できない。
本実施形態の脱臭濾材の基材層(カバー層)は、吸着層を挟持する二つの層であり、以下では、空気清浄時の通気方向の上流側に配置される基材層を上流層と称し、空気清浄時の通気方向の下流側に配置される基材層を下流層と称する。上流層と下流層との区別をする必要がない場合には基材層と称する。基材層は、不織布状繊維構造体、織布状繊維構造体いずれでも構わない。
空気清浄時の通気方向の上流側に配置される上流層を構成する繊維の平均繊維径は、1~100μmが好ましく、5~50μmがより好ましい。上流層は、被処理空気の流入面であるため、構成繊維の平均繊維径が1μmよりも小さいと、繊維間の空隙も狭くなり、空気中の塵埃がカバー層上に堆積し、通気抵抗が急上昇する。構成繊維の平均繊維径が100μmよりも大きいと、特にプリーツ時に吸着材粒子が飛び出すあるいは脱落する。
アミン系薬剤が担持された吸着材だけでは脱臭性能が十分得られない。そこで、本実施形態では上流層には第一酸解離定数4以下の薬剤が添着されてなる不織布を使用する。このことにより、後述の実施例からも分かるように、低級脂肪族アルデヒドの性能を飛躍的に向上させることが可能となる。明確な要因は不明であるが、上流層の酸性薬剤によって、低級脂肪族アルデヒドの電子的な偏りが生じ、低級脂肪酸の化学反応性が高まることで性能を飛躍的に向上させていると考えられる。
ここで、吸着材に活性炭を使用する場合、活性炭に酸性薬剤を添着すると、酸とアミン化合物が反応してしまい、化学吸着能が低下してしまうため、上流層に酸性薬剤を添着することが重要である。
本実施形態の脱臭濾材の上流層に添着させる酸性薬剤は、25℃の水溶液中で第一酸解離定数(pKa)が4以下であれば特に限定されるものではない。第一酸解離定数が4を超えると、低級脂肪族アルデヒドの反応性が上がらず、十分な脱臭性能が得られない。第一酸解離定数が4以下の酸性薬剤は、例えば、クエン酸、安息香酸、イソフタル酸、ギ酸等が挙げられる。しかし、脱臭濾材の上流層に添着させる酸性薬剤は、これらには限定されない。
本実施形態の脱臭濾材の上流層に添着させる酸性薬剤の添着量は、0.1g/m~20g/mが好ましい。0.1g/mよりも少ないと十分な脱臭性能が得られず、20g/mよりも多いと、基材層に添着できない。
酸性薬剤の添着加工は、基材層の表面付近に通常のコーティング法等で添着加工する方法やシート全体に含浸添着する方法等で行うことが可能である。添着加工は、アルギン酸ソーダやポリエチレンオキサイド等の増粘剤を混入した薬品水溶液をつくり、これを担持、添着させる方法を利用してもよい。この方法では水への溶解度が低い薬剤を担持、添着させ、さらに薬剤の脱落を抑制するのにも有効である。
空気清浄時の通気方向の下流側に配置される下流層を構成する繊維の平均繊維径は、特に限定されないが、吸着材の脱落を考慮し10~30μmが好ましい。構成繊維の平均繊維径が10μmよりも小さいと通気抵抗が高く、30μmよりも大きいと吸着材の脱落が生じる。
本実施形態の脱臭濾材の基材層を構成する繊維構造体の充填密度は、0.05g/cc以上であることが好ましい。0.05g/ccよりも充填密度が低いと、脱臭濾材をプリーツ加工する際に熱セットが効かず、プリーツ形状を保つことが難しくなる。より好ましくは0.15g/cc以上である。
本実施形態の脱臭濾材の基材層は、厚みが0.1~3.0mmであることが好ましい。厚みが0.1mmよりも小さいと目付斑も考慮すると吸着材の抜けや脱落の懸念が生じる。厚みが3.0mmよりも大きいと濾材全体の厚みが大き過ぎ、プリーツ状ユニットとした場合に構造抵抗が大きくなり、結果としてフィルター(フィルターユニット)全体での通気抵抗が高くなり過ぎ、実用上問題がある。
本実施形態の脱臭濾材の基材層は、目付量が15~100g/mであることが好ましく、20~80g/mがより好ましい。目付が15g/m未満であれば吸着材及び接着剤の抜けが多くなる。目付が100g/mを越えると、シート厚み大きくなり、プリーツ加工した際の構造抵抗が大きくなる。
本実施形態の脱臭濾材の基材層を構成する繊維構造体の素材は、特に限定されず、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等の素材を用いることができる。基材層を構成する繊維構造体として、低融点成分を鞘成分に、高融点成分を芯成分に用いた芯鞘型複合繊維を用いれば、後述する加熱シート化時に鞘成分が溶融して吸着材との結合力が高まり好ましい。
また、本実施形態の脱臭濾材の基材層に、タバコ煙粒子、カーボン粒子、海塩粒子をはじめとするサブミクロン粒子に対する除去効果も増大することができる帯電した不織布、いわゆるエレクトレットシートを使用することもできる。
本実施形態の脱臭濾材の基材層の繊維配向は、特に限定はなく、例えば不織布状であればランダム状、クロス状、パラレル状いずれでも構わない。
本実施形態の脱臭濾材では、基材層と吸着材との接着には接着剤が用いられる。接着剤として熱可塑性樹脂が用いることができる。熱可塑性樹脂の素材としてはポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリウレタン系、エチレンーアクリル共重合体、ポリアクリレート、ポリアーレン、ポリアクリル、ポリジエン、エチレン-酢酸ビニル、PVC、PS等の樹脂があげられる。中でもポリエステル系樹脂を用いれば、酸素指数(LOI値)が高いので濾材としての難燃性向上に大きな効果があり好ましい。また、接着剤が基材層と同一素材であればより接着性が向上する効果がある。
接着剤の形状は特に規定はないが、球状、破砕状、繊維状等があげられる。当然ながら、2種以上の接着剤を併用もできる。さらには、薬剤担持した吸着材あるいは薬剤担持した基材層を使用した場合でもこの処方であれば、吸着材表面に接着剤がドライ状態の混合時から仮接着した状態になるため、仮に該薬剤が相異なる性質のものであっても後のシート化工程でも互いに干渉することを避けることができるので充分な効果が発揮される。接着剤の融点は、移動車両等の室内の環境温度等考慮すると80℃以上が好ましく、90℃以上がより好ましい。
本実施形態の脱臭濾材において、接着剤の大きさは、球状、破砕状の場合、平均粒子径で1~40μmが好ましく、5~30μmがより好ましい。さらに好ましくは1~40μmの範囲に95重量%以上が含まれることである。かかる範囲の平均粒子径であれば、熱可塑性樹脂が、粉粒状吸着材の表面細孔を塞ぐことを低減できる一方、吸着材との混合時にファンデルワールス力や静電気力による粉粒状吸着材への予備接着が有効になされ、均一に分散することができ、吸着材層と基材層の部分的剥離を効果的に防止することができるからである。
本実施形態の脱臭濾材の接着剤は、吸着材に対して1~40重量%使用するのが好ましく、3~30重量%使用するのがより好ましい。かかる範囲内であれば、基材層と吸着層との接着力、圧力損失、脱臭性能に優れる脱臭濾材が得られるからである。
本実施形態の脱臭濾材は、アルデヒド以外の脱臭機能をもつ脱臭薬剤、抗菌剤、抗かび剤、抗ウイルス剤、難燃剤等の付随的機能を有する成分等を含有させて構成してもよい。これらの成分は繊維類や不織布中に練り込んでもよいし、後加工で添着及び担持して付与してもよい。例えば、難燃剤を含有させて構成することにより、FMVSS.302で規定されている遅燃性の基準やUL難燃規格に合致した脱臭濾材を製造することが可能である。
本実施形態の脱臭濾材の製造において熱プレスしシート化する方法としては、ロール間熱プレス法、上下ともフラットな熱ベルトコンベヤー間にはさみこむフラットベッドラミネート法が挙げられる。より均一な厚み、接着状態をつくりだすには後者の方がより好ましい。本実施形態の基材層と上記シート化する方法とを組み合わせにより、吸着材同士の過度の結着を抑制することができると同時に、基材層との実用上充分な接着強力を得ることができる。なお、シート化する方法は上記に限定されない。
本実施形態の脱臭濾材は、必要な寸法とした後に、単体もしくは他の濾材や枠材等と組み合わせてフィルター(またはフィルターユニット)として用いることができる。
本実施形態の濾材を備えた本実施形態のフィルターは、例えば、プリーツ加工、支持体や枠などへの取付加工などが施されていてもよい。また、本実施形態のフィルターは、本実施形態の濾材に他の材料を組み合わせて形成されていてもよい。本実施形態のフィルターは、例えば、エアコン、空気清浄機、自動車用等に取り付けられ、公共の場を含む室内、車両内といった空間内の空気を浄化するのに使用される。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に記載されたものに限定されない。まず、実施例および比較例で用いた吸着材のアルデヒド除去性能の測定方法について説明する。
[アルデヒド除去性能]
濾過面積36cmのカラムに脱臭濾材から切り出した単板試験サンプルをフォルダで挟み込み配置する。アセトアルデヒド濃度3ppmの空気を、面風速20cm/s、温度25℃、湿度50%RHの条件で上記カラムに供給する。カラムの出口のアセトアルデヒド濃度を5分ごとに測定し、下記式で表される除去率(η[-])を、下記式にアセトアルデヒド入口濃度(Ci[ppm])、アセトアルデヒド出口濃度(Co[ppm])を代入して算出する。なお、アセトアルデヒド濃度はFID(水素炎イオン化検出器)付きガスクロマトグラフで測定する。
除去率η(%)=〔1-(Co/Ci)〕×100
測定開始後1分の除去率をアセトアルデヒド初期効率とする。
除去率が10%に低下するまで測定を継続し、5分毎に測定したカラム出口のアセトアルデヒド濃度から算出した除去率と、カラムの入口のアセトアルデヒド濃度および風量から5分毎のアセトアルデヒド吸着量とを求め、それらを積算してカラムに充填した脱臭濾材面積で除して吸着容量とする。
〔実施例1〕
ポリプロピレン繊維(2.2dtex、51mm)とポリエステル繊維(1.7dtex、44mm)とを1:1の重量比で混綿及びカーディングして目付25g/mの混繊ウェブを作製後、3MPaの高圧水を連続的に噴霧して交絡、乾燥し、混繊シートを作成した。この混繊シートを、ニードルパンチにより積層一体化し、さらに摩擦帯電を行い、エレクトレットシートを得た。これを下流層とした。
得られた下流層に、吸着材としてヤシガラ活性炭及びシリカゲルと、接着剤として熱可塑性粉末樹脂(セイシン企業製 SK-PE20L)とを、重量比1:0.1の混合粉末とし、この混合粉末を、目付220g/mになるように散布した。ヤシガラ活性炭の平均粒径350μmであった。シリカゲルは、アジピン酸ジヒドラジドが5重量%添着されており、粒径200μm以下であった。上記のように下流層に混合粉末を散布した上から、上流層として、クエン酸が1g/m添着された目付70g/mのサーマルボンド不織布を重ね合わせ、加熱処理にてシート化を行ない、実施例1の脱臭濾材を得た。脱臭濾材は、サーマルボンド不織布が上流層、エレクトレットシートが下流層となるように設置して各測定を行った。
〔実施例2〕
実施例1と同じエレクトレットシートを下流層とし、これに、吸着材として実施例1と同じシリカゲルと、接着剤として実施例1と同じ熱可塑性粉末樹脂とを、重量比1:0.1の混合粉とし、この混合粉末を、目付220g/mになるように散布した。このように下流層に混合粉末を散布した上から、実施例1と同じ上流層を重ね合わせ、加熱処理にてシート化を行ない、実施例2の脱臭濾材を得た。
〔実施例3〕
実施例1と同じエレクトレットシートを下流層とし、これに、吸着材としてシリカゲルと、接着剤として実施例1と同じ熱可塑性粉末樹脂とを、重量比1:0.1の混合粉末とし、この混合粉末を、目付220g/mになるように散布した。シリカゲルは、アジピン酸ジヒドラジドが15重量%添着されており、粒径200μm以下であった。このように下流層に混合粉末を散布した上から、実施例1と同じ上流層を重ね合わせ、加熱処理にてシート化を行ない、実施例3の脱臭濾材を得た。
〔比較例1〕
実施例1と同じエレクトレットシートを下流層とし、これに、吸着材として実施例1と同じヤシガラ活性炭及び実施例1のシリカゲルと、接着剤として実施例1と同じ熱可塑性粉末樹脂とを、重量比1:0.1の混合粉末とし、この混合粉末を、目付220g/mになるように散布した。このように下流層に混合粉末を散布した上から、上流層として、薬剤未添着の目付70g/mのサーマルボンド不織布を重ね合わせ、加熱処理にてシート化を行ない、比較例1の脱臭濾材を得た。
〔比較例2〕
実施例1と同じエレクトレットシートを下流層とし、これに、吸着材としてシリカゲルと、接着剤として実施例1と同じ熱可塑性粉末樹脂とを、重量比1:0.1の混合粉末とし、この混合粉末を、目付220g/mになるように散布した。シリカゲルは、アジピン酸ジヒドラジドが25重量%添着されており、粒径200μm以下であった。このように下流層に混合粉末を散布した上から、実施例1と同じ上流層を重ね合わせ、加熱処理にてシート化を行ない、比較例2の脱臭濾材を得た。
〔比較例3〕
実施例1と同じエレクトレットシートを下流層とし、これに、吸着材としてシリカゲルと、接着剤として実施例1と同じ熱可塑性粉末樹脂とを、重量比1:0.1の混合粉末とし、この混合粉末を、目付220g/mになるように散布した。シリカゲルは、アジピン酸ジヒドラジドが1重量%添着されており、粒径200μm以下であった。このように下流層に混合粉末を散布した上から、実施例1と同じ上流層を重ね合わせ、加熱処理にてシート化を行ない、比較例3の脱臭濾材を得た。
〔比較例4〕
実施例1と同じエレクトレットシートを下流層とし、これに、吸着材として実施例1と同じヤシガラ活性炭及び実施例1と同じシリカゲルと、接着剤として実施例1と同じ熱可塑性粉末樹脂とを、重量比1:0.1の混合粉末とし、この混合粉末を、目付220g/mになるように散布した。このように下流層に混合粉末を散布した上から、上流層として、アジピン酸が1g/m添着された目付70g/mのサーマルボンド不織布を重ね合わせ、加熱処理にてシート化を行ない、比較例4の脱臭濾材を得た。
〔比較例5〕
実施例1と同じエレクトレットシートを下流層とし、これに、吸着材として実施例1と同じヤシガラ活性炭及び実施例1と同じシリカゲルと、接着剤として実施例1と同じ熱可塑性粉末樹脂とを、重量比1:0.1の混合粉末とし、この混合粉末を、目付220g/mになるように散布した。このように下流層に混合粉末を散布した上から、上流層として、クエン酸が0.05g/m添着された目付70g/mのサーマルボンド不織布を重ね合わせ、加熱処理にてシート化を行ない、比較例5の脱臭濾材を得た。
〔実施例6〕
実施例1と同じエレクトレットシートを下流層とし、これに、吸着材としてヤシガラ活性炭と、接着剤として実施例1と同じ熱可塑性粉末樹脂とを、重量比1:0.1の混合粉末とし、この混合粉末を、目付220g/mになるように散布した。ヤシガラ活性炭は、アジピン酸ジヒドラジドが5重量%添着されており、平均粒径350μmであった。このように下流層に混合粉末を散布した上から、実施例1と同じ上流層を重ね合わせ、加熱処理にてシート化を行ない、実施例6の脱臭濾材を得た。
上記実施例1~3および比較例1~6で得られた脱臭濾材についての物性を表1に示す。
Figure 0007017026000001
表1から分かるように、実施例1~3は、上流層と下流層との間にアミン系化合物が1~30重量%担持された吸着材及び接着剤が挟み込まれ、吸着材はシリカゲルを含んでおり、上流層が第一酸解離定数が4以下の薬剤が0.1g/m~20g/m添着されている不織布であり、そうではない比較例1~6よりもアルデヒド類の吸着除去性能に優れている。
なお、上記開示した実施の形態および各実施例はすべて例示であり制限的なものではない。また、実施の形態および各実施例で開示した構成を適宜組み合わせた実施の形態や実施例も本発明に含まれる。つまり、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって有効であり、特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内のすべての変更・修正・置き換え等を含むものである。
本発明の脱臭濾材は、経時であってもアルデヒドの除去性能に対して優れており、産業上の有用性は高い。

Claims (3)

  1. 濾材であって、
    基材層間にアミン系化合物が3~15重量%担持された吸着材及び接着剤が挟み込まれた積層構造を有し、
    前記吸着材はシリカゲルを含み、
    前記基材層のうち通気方向の上流に配置される基材層は、クエン酸0.1g/m~20g/m添着されている不織布から成る、ことを特徴とする濾材。
  2. 前記接着剤は、球状または破砕状の熱可塑性樹脂が用いられていることを特徴とする請
    求項1に記載の濾材。
  3. 請求項1または2に記載の濾材を備えたことを特徴とするフィルター。
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