JP4223434B2 - 食肉加工食品用品質改良剤 - Google Patents

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本発明は、食肉加工食品の品質改良剤、および該品質改良剤を含有する食肉加工食品に関する。
従来、ベーコン類、ハム類、プレスハム、ソーセージ等の食肉加工食品の製造においては、品質の安定化、品質の改良、歩留り向上を目的として動物性蛋白質、植物性蛋白質、澱粉等を添加することが広く行われている。
特に、澱粉はベーコン類、ハム類においては食感の改良、歩留まり向上を目的として、またプレスハム、ソーセージ等においては弾力性、保水性、結着性を増す目的で添加されており、例えば、魚肉及び畜肉練製品を製造する際に、30%以下の置換度を有するオキシアルキルエーテル化でん粉を配合することを特徴とする魚肉及び畜肉練製品の製造方法(例えば、特許文献1参照)、架橋度0.01〜1.0の架橋エーテル化澱粉および架橋エステル化澱粉の少なくとも1種をつなぎ肉に添加することを特徴とするプレスハムの製造法(例えば、特許文献2参照)、加工澱粉と1種または2種以上の糊料を含有することを特徴とする食肉加工用ピックル液組成物(例えば、特許文献3参照)、ヨウ素染色されうる程度に限定分解された冷水可溶性澱粉を10〜100%と結晶構造を持つβ澱粉を0〜90%含有することを特徴とする食肉加工ピックル用澱粉(例えば、特許文献4参照)、などが知られている。
更に澱粉と食用油脂および/または食品用乳化剤を組み合わせたものについては、例えば、油脂、その類縁物質、脂肪酸又はその誘導体の中1種又は2種以上をでん粉粒に接触吸着せしめ、通常の乾燥をおこなった後に更に、30〜150℃の熱源を与えて熟成することを特徴とする加工でん粉の製造法(例えば、特許文献5参照)、とうもろこし澱粉に界面活性剤を0.1〜20%添加し、更に水分含量が20〜40%となるように水あるいは蒸気にて調湿し、高温高圧化にて捏和したものをダイの細孔より急速に押し出すことにより膨化させ、ついで乾燥、冷却、粉砕して得られた化工とうもろこしでん粉を畜肉および水産加工食品原料に0.5〜10.0%の範囲で添加し、常法により加工することを特徴とする畜肉および水産加工食品の製造方法(例えば、特許文献6参照)、ジアセチル酒石酸モノグリセライドを含有してなる魚畜肉練製品用組成物(例えば、特許文献7参照)、含油食品の製造に際し、オクテニルコハク酸エステル化澱粉を使用することを特徴とする含油食品の製造方法(例えば、特許文献8参照)、ソーセージ類の製造に際し、平均分子量約600〜3000の糖重合体を脂肪で予め混合した混合物を用いることを特徴とするソーセージ類の製造法(例えば、特許文献9参照)、などが知られている。
一方、油脂加工澱粉の製造方法に関しては、油脂、その類縁物質、脂肪酸又はその誘導体の中1種又は2種以上をでん粉粒に接触吸着せしめ、通常の乾燥をおこなった後に更に、30〜150℃の熱源を与えて熟成することを特徴とする加工でん粉の製造法(例えば、特許文献10参照)、油脂を澱粉粒に接触、固着せしめ、通常の乾燥を行った後に更に、30〜140℃の熱源を与えて熟成する油脂加工澱粉において、脂肪酸のモノグリセリドを付着油脂量に対し0.5〜3.5倍併用することを特徴とする油脂加工澱粉の製造法(例えば、特許文献11参照)、生大豆粉と水を混合しpH6.0〜7.5の範囲に調整したものを澱粉に加え、120〜140℃の温度で乾燥・加熱を行い、120℃以上に到達後2時間以上処理した後、水分を12〜18%に調湿することを特徴とする加工澱粉の製造法(例えば、特許文献12参照)などが知られている。
特公昭45−31347号公報 特公昭51−20577号公報 特開平9−84555号公報 特開平9−308462号公報 特公昭45−32898号公報,応用例3 特開昭51−136857号公報 特開昭58−201964号公報 特開平6−296462号公報,実施例10 特開平7−132067号公報 特公昭45−32898号公報 特公昭56−46387号公報 特開平4−51854号公報
しかしながら前記したこれらの技術にはそれぞれ一長一短があり、これらの技術が必ずしも食肉加工食品の品質の安定化、品質の改良、歩留まり向上等を満足させ得るものではない。本発明は、より優れた食肉加工食品の品質改良剤、および該品質改良剤を含有する食肉加工食品を提供するためになされたものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、油脂およびグリセリン有機酸脂肪酸エステルを澱粉に含有せしめた油脂加工澱粉を用いることにより、品質の優れた食肉加工食品が得られることを見出し、この知見に基づいてさらに検討を重ねて本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、次の1〜4からなっている。
1.油脂およびグリセリン有機酸脂肪酸エステルを含有する油脂加工澱粉を含むことを特徴とする食肉加工食品用品質改良剤。
2.グリセリン有機酸脂肪酸エステルの有機酸がジアセチル酒石酸であることを特徴とする、前記1に記載の食肉加工食品用品質改良剤。
3.前記1または2に記載の食肉加工食品用品質改良剤を含むことを特徴とする食肉加工食品。
4.ベーコン類、ハム類、プレスハム、ソーセージ、焼豚である前記3に記載の食肉加工食品。
本発明は、油脂およびグリセリン有機酸脂肪酸エステルを含有する油脂加工澱粉であることを特徴とする食肉加工食品用品質改良剤を提供することができる。本発明の食肉加工食品用品質改良剤を用いて食肉加工食品を調製することにより、食感が良く、歩留りの向上したベーコン類、ハム類、また弾力性、保水性、結着性に優れたプレスハム、ソーセージが得られる。
本発明は、油脂およびグリセリン有機酸脂肪酸エステルを含有する油脂加工澱粉を含むことを特徴とする食肉加工食品用品質改良剤に関するものである。
本発明に係る食肉としては特に限定されず、例えば豚肉、牛肉、馬肉、めん羊肉、山羊肉、家兎肉、家禽肉、魚肉またはこれらの混合肉が挙げられ、好ましくは豚肉、牛肉または鶏肉などである。また、使用可能な部位としては特に限定されず、例えば豚肉の場合、肩肉、ロース肉、ばら肉、もも肉、ウデ肉、半丸枝肉または胴肉など何れの部位も使用し得る。
本発明に従う食肉加工食品とは、食肉を原料として調製される食品であって、例えばベーコン、ロースベーコン、ショルダーべーコン、ミドルベーコンまたはサイドベーコンなどのベーコン類、骨付きハム、ボンレスハム、ロースハム、ショルダーハム、ベリーハム、生ハム、プレスハムまたはラックスハムなどのハム類、ボロニアソーセージ、フランクフルトソーセージ、ウィンナソーセージ、リオナソーセージ、セミドライソーセージまたはドライソーセージなどのソーセージ類、焼豚またはスモークチキンなどが挙げられる。
本発明の食肉加工食品用品質改良剤は、油脂加工澱粉を含有する。前記油脂加工澱粉は、澱粉に油脂およびグリセリン有機酸脂肪酸エステルを添加し、均一に混合した後必要に応じて乾燥し、さらに加熱・熟成することにより得られる。
油脂加工澱粉に使用する原料澱粉としては、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、米澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉、緑豆澱粉、サゴ澱粉またはエンドウ豆澱粉、あるいはこれらの澱粉にエステル化処理(例えば、酢酸澱粉など。)、エーテル化処理(例えば、ヒドロキシプロピル澱粉など。)、架橋処理(例えば、リン酸架橋澱粉など。)、酸化処理(例えば、ジアルデヒド澱粉など。)、酸処理または湿熱処理等の処理を単一でまたは組み合わせて施した加工澱粉などが挙げられる。これら澱粉は単独でまたは二以上を組み合わせて使用することができるが、好ましくはリン酸架橋タピオカ澱粉である。
本発明において澱粉に添加される油脂としては、食用可能な油脂であれば特に制限はなく、例えば大豆油、菜種油、綿実油、サフラワー油、ヒマワリ油、米糠油、コーン油、椰子油、パーム油、パーム核油、落花生油、オリーブ油、ハイオレイック菜種油、ハイオレイックサフラワー油、ハイオレイックコーン油またはハイオレイックヒマワリ油などの植物油脂や牛脂、ラード、魚油または乳脂等の動物油脂、さらにこれら動植物油脂を分別、水素添加またはエステル交換したものあるいは中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)などが挙げられる。好ましくは大豆サラダ油、サフラワー油、ヒマワリ油またはコーンサラダ油などである。また、上記食用油脂の一部または全部の代替品として油分を多く含む穀紛、例えば生大豆粉などを用いてもよい。
本発明において澱粉に添加されるグリセリン有機酸脂肪酸エステルの有機酸としては、酢酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、ジアセチル酒石酸またはコハク酸等が挙げられる。好ましくはジアセチル酒石酸である。グリセリン有機酸脂肪酸エステルとしては、例えば食品用乳化剤として『食品添加物公定書第7版』に記載されている、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステルまたはグリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルなどが挙げられる。これら乳化剤は、単独で、または2種以上の混合物として用いることができる。好ましくはグリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルである。グリセリン有機酸脂肪酸エステルの好ましい脂肪酸としては、パルミチン酸、ステアリン酸またはオレイン酸等が挙げられる。
澱粉に対する油脂およびグリセリン有機酸脂肪酸エステルの合計添加量は、約0.003〜10質量%、好ましくは約0.05〜5.0質量%、より好ましくは約0.1〜1.0質量%である。また油脂とグリセリン有機酸脂肪酸エステルとの添加割合(油脂/グリセリン有機酸脂肪酸エステル)は、約1/99〜99/1(W/W)の範囲を示すことができ、好ましくは約60/40〜20/80(W/W)の範囲である。
本発明において、澱粉に油脂およびグリセリン有機酸脂肪酸エステルを添加する方法としては、例えば油脂またはグリセリン有機酸脂肪酸エステルをそれぞれ別々に澱粉に添加する方法、あるいは予め油脂およびグリセリン有機酸脂肪酸エステルを混合し、必要であれば加熱・溶融した油脂およびグリセリン有機酸脂肪酸エステルの混合物(以下、油脂組成物という。)を澱粉に添加する方法などが挙げられる。なかでも、加熱・溶融した油脂およびグリセリン有機酸脂肪酸エステルの混合物を澱粉に添加する方法が好ましい。
例えば、油脂とグリセリン有機酸脂肪酸エステルは、約1/99〜99/1(W/W;油脂/グリセリン有機酸脂肪酸エステル)、好ましくは約60/40〜20/80(W/W;油脂/グリセリン有機酸脂肪酸エステル)の割合で混合し、あるいはグリセリン有機酸脂肪酸エステルが油脂に溶融するまで加熱(50〜90℃)し、油脂組成物が調製される。次いで、調製された油脂組成物は、澱粉に対し約0.003〜10質量%、好ましくは約0.05〜5.0質量%、より好ましくは約0.1〜1.0質量%となるよう添加されるのが好ましい。油脂組成物が添加された澱粉は、混合、乾燥される。
澱粉と油脂組成物とを混合および乾燥する方法は特に限定されないが、例えば平衡水分を保った澱粉、または水分約20〜40%に調湿した澱粉を流動層乾燥機中で流動状態とし、そこに該油脂組成物を噴霧し混合、乾燥する方法、水分約50%程度に調湿した澱粉のケーキに該油脂組成物を添加し、混合・分散させた後、例えば棚式通風乾燥機などを用いて乾燥し粉末を得る方法、水分約60〜70%に調湿したスラリー状の澱粉に該油脂組成物を添加・混合し、その後噴霧乾燥機あるいはドラムドライヤーなどを用いて乾燥し粉末を得る方法などが挙げられる。いずれにせよ、澱粉粒が破壊されない状態で澱粉の表面に該油脂組成物が吸着される方法であれば、どのような方法であっても良い。
該油脂組成物が吸着された澱粉は、次に加熱・熟成が行われる。熟成は乾燥工程をそのまま延長・継続してもよいが、高温で処理することにより比較的短時間で行うことができる。熟成は、通常例えば棚段式通風乾燥機を用いて、約30〜180℃、好ましくは約30〜140℃の温度範囲で行われる。熟成を約120℃以上で行う場合には、澱粉がデキストリン化しないよう注意が必要である。熟成に要する時間は、澱粉に対する油脂組成物の吸着量、熟成温度、熟成装置の熱効率等により異なるが、例えば水分約35質量%に調湿したコーンスターチに油脂組成物を約0.1%添加、混合し、室温で約20時間、乾燥した澱粉では、約60℃で約5時間程度、あるいは約140℃で約1時間程度などである。
加熱・熟成終了後、得られた加工澱粉は水分約8〜18%、好ましくは約10〜14%に調湿され、製品とされる。
前記油脂組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲で、グリセリン脂肪酸エステル(例、モノステアリン、モノオレイン等)、ショ糖脂肪酸エステル(例、ショ糖ステアリン酸エステル,ショ糖パルミチン酸エステル等)、ソルビタン脂肪酸エステル(例、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノオレート等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル(例、プロピレングリコールモノステアレート等)またはレシチン(例、大豆レシチン、卵黄レシチン等)などの食品用乳化剤を加えることができる。ここで、グリセリン脂肪酸エステルには、グリセリンと脂肪酸のエステルの外、グリセリン酢酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルまたはポリグリセリン縮合リシノール酸エステルなどが含まれる。またレシチンには、分別レシチン、酵素分解レシチンまたは酵素処理レシチンなどが含まれる。さらに、油脂組成物には、必要に応じてトコフェロール、アスコルビン酸パルミチン酸エステルまたは茶抽出物などの酸化防止剤を加えてもよい。
本発明に係る油脂加工澱粉を用いて食肉加工食品を製造する場合、その配合量は食肉に対して約0.5〜10.0質量%の範囲が好ましく、さらに好ましくは約1.0〜3.0質量%の範囲である。該油脂加工澱粉は単独で食肉加工食品の品質改良剤になり得るが、必要に応じて、食塩、砂糖、香辛料または亜硝酸塩などの外、通常食肉の加工に使用されている材料を配合し、食肉加工食品用品質改良剤とすることもできる。
このような材料としては、例えば、粉末卵白またはホエー蛋白質などの動物性蛋白質、分離大豆蛋白または小麦グルテンなどの植物性蛋白質、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、米澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉またはワキシーコーンスターチなどの澱粉、アラビアガム、アルギン酸及び/又はその塩、カシアガム、ガティガム、カラギナン、カラヤガム、キサンタンガム、キチン、キトサン、グアーガム、サイリウムシードガム、ジェランガム、タマリンドシードガム、デキストラン、トラガントガム、ファーセレラン、プルラン、ペクチンまたはローカストビーンガムなどの増粘安定剤、ピロリン酸四カリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、ポリリン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウムまたはメタリン酸ナトリウムなどの重合リン酸塩、トコフェロール、アスコルビン酸ナトリウムまたは茶抽出物などの酸化防止剤、ソルビン酸カリウムなどの保存料、グリセリン脂肪酸エステル(例、モノステアリン、モノオレイン等)、ショ糖脂肪酸エステル(例、ショ糖ステアリン酸エステル,ショ糖パルミチン酸エステル等)、またはレシチン(例、大豆レシチン、卵黄レシチン等)などの食品用乳化剤、赤色3号または青色4号などの着色料、カゼインナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、核酸系調味料(例、5’−イノシン酸二ナトリウム、5’−ウリジル酸二ナトリウム等)または甘味料(例、ショ糖、アスパルテーム等)などが挙げられ、これらは必要に応じて適宜用いることができる。
本発明に従う食肉加工食品用品質改良剤を用いて食肉加工食品を製造するには、自体公知の方法を用いればよい。すなわち、ブロック状の食肉を加工して得られるベーコン、ハムまたは焼豚などの食肉加工食品は、例えば、以下の方法により製造される。まず、食肉加工食品用品質改良剤を、通常の塩漬液(ピックル液)に含まれる他の成分(食塩、糖類、重合リン酸塩、亜硝酸塩、動植物性蛋白質、増粘安定剤、調味料、香辛料など)と共に分散させたピックル液を調製する。前記ピックル液は、食肉用インジェクターによって、原料肉に対して約20〜80質量%の量を原料肉に注入される。次に、食肉用タンブラーを用いて、ピックル液成分を十分に肉中に分散、浸透させる方法(インジェクション法)、あるいは、原料肉をピックル液に浸漬し、原料肉中にピックル液を浸透させる方法(湿塩漬法)などにより、ピックル液を原料肉に均一に含浸させることができる。ピックル液を含浸させた原料肉は、必要に応じて、ケーシングまたはリテイナーなどに充填され、またはそのまま、熱処理される。熱処理は、乾燥、燻煙、蒸煮または湯煮などを適宜組み合わせて実施できる。好ましくは、良好な食味を獲得する観点から、肉塊の中心温度を約65℃以上に加熱調理されるのがよい。
熱処理後、肉塊は冷却され、必要であれば、スライスされ、商品単位ごとに包装される。
またプレスハムまたはソーセージなどの食肉加工食品は、食肉加工食品用品質改良剤を、通常含まれる他の成分(食塩、糖類、重合リン酸塩、亜硝酸塩、動植物性蛋白質、増粘安定剤、調味料、香辛料など)と共に畜肉、家禽肉または家兎肉などの挽き肉に添加し、通常実施されている方法、例えば、食肉用グラインダー・ミキサー等によりペースト状にし、これをケーシングまたはリテイナーなどに充填し、熱処理される。熱処理は、乾燥、燻煙、蒸煮または湯煮などの処理工程を適宜組み合わせて実施される。熱処理後、食肉加工品は冷却され、必要であれば、スライスされ、商品単位ごとに包装される。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明する。
[リン酸架橋タピオカ澱粉の作製]
水180Lにトリメタリン酸ナトリウム2kgおよび炭酸ナトリウム3kgを溶解し、タピオカ澱粉100kgを懸濁させた後、さらに炭酸ナトリウムを加えpHを10.2に調整した。50℃で6時間攪拌下反応させた後、500Lの水を加えて希釈し、5質量%塩酸溶液でpH7.0に中和した。続いて、脱水、水洗および乾燥した後、リン酸架橋タピオカ澱粉(参考例1)100kgを得た。
[油脂加工澱粉の作製]
サフラワー油50質量%とグリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル(商品名:ポエムW−10;理研ビタミン社)50質量%からなる油脂組成物を60℃に加温・溶解した。水分12.5%に調湿したリン酸架橋タピオカ澱粉100質量部に対して前記油脂組成物0.5質量部を添加し、高速攪拌混合機(レーディゲミキサーFM130D;松坂技研社)で10分間混合した。得られた混合物をトレーに広げて機内温度60℃の棚段式通風乾燥機で水分約12.0%まで乾燥し、乾燥物を粉砕し、得られた粉末をポリ袋に詰めて60℃で2週間熟成し、油脂加工澱粉(本発明品1)を得た。
実施例1のグリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルをグリセリンコハク酸脂肪酸エステル(商品名:ポエムB−10;理研ビタミン社)に替えて、以下実施例1と同様に処理し油脂加工澱粉(本発明品2)を得た。
実施例1のグリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルをグリセリンクエン酸脂肪酸エステル(商品名:ポエムK−30;理研ビタミン社)に替えて、以下実施例1と同様に処理し油脂加工澱粉(本発明品3)を得た。
〔比較例1〕
実施例1のグリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルをグリセリン脂肪酸エステル(商品名:エマルジーOL−100H;モノエステル含量約90質量%以上、理研ビタミン社)に替えて、以下実施例1と同様に処理し油脂加工澱粉(比較品1)を得た。
〔比較例2〕
実施例1のグリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルをグリセリン脂肪酸エステル(商品名:エマルジーOL−200V;モノエステル含量約55質量%、理研ビタミン社)に替えて、以下実施例1と同様に処理し油脂加工澱粉(比較品2)を得た。
〔比較例3〕
実施例1のグリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルをレシチン(商品名:レシオンP;高純度品、理研ビタミン社)に替えて、以下実施例1と同様に処理し油脂加工澱粉(比較品3)を得た。
ソーセージの作製と評価
1.ソーセージの作製
[試験区1]
冷蔵庫(庫内温度4℃)に保存しておいた豚ウデ挽肉100質量部に、食塩1.9質量部、砂糖1.0質量部、ポリリン酸ナトリウム0.4質量部、グルタミン酸ナトリウム0.1質量部を添加し、氷水40.0質量部を少しずつ混入しながら約1分間フードプロセッサー(型式:MK−K58;松下電気産業社)で練り合わせた。その際、原材料の品温が10℃以下に保たれるよう注意した。次に粉末状大豆蛋白質(商品名:ニューフジプロ2000;不二製油社)1.0質量部、実施例1の油脂加工澱粉(本発明品1)3.0質量部を添加し、均一なペースト状になるまでさらに約1分間練り合わせた。
得られた肉ペースト約500gを約80〜90kPaの減圧下で約60秒間脱気した後、充填器を用いて折径3cmの塩化ビリニデンケーシングに充填し、たこ糸で結束し約75℃で約1時間湯煮した。湯煮後直ちに約0℃の氷水で約1時間冷却してソーセージを得た。ソーセージは試験に供するまで冷蔵庫(庫内温度約4℃)に保存した。
尚、ソーセージ1本の重さは約100gとした。
[試験区2]
試験区1で添加した実施例1の油脂加工澱粉(本発明品1)3.0質量部に替えてリン酸架橋タピオカ澱粉(参考例1)3.0質量部を添加し、以下[試験区1]と同様に作製してソーセージを得た。
[試験区3]
試験区1で添加した実施例1の油脂加工澱粉(本発明品1)3.0質量部に替えてグリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル(商品名:ポエムW−10;理研ビタミン社)0.01質量部を添加し、以下[試験区1]と同様に作製してソーセージを得た。
[試験区4]
試験区1で添加した油脂加工澱粉(本発明品1)3.0質量部に替えて、リン酸架橋タピオカ澱粉(参考例1)3.0質量部およびグリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル(商品名:ポエムW−10;理研ビタミン社)0.01質量部を添加し、以下[試験区1]と同様に作製してソーセージを得た。
2.ソーセージの評価
1)離水量の測定
冷蔵庫(庫内温度約4℃)に約12時間保存したソーセージを取りだし、ケーシング表面の湿気を乾いた布でふき取り重さを量る。次にケーシングを剥ぎ、ケーシングの内側に付着している水分をろ紙で吸い取り、同様にソーセージ表面に付着している水分をろ紙で吸い取る。ケーシングおよびソーセージそれぞれの重さを量り、以下の計算式より離水量(%)を求める。
離水量(%)=[(A−B−C)/(A−B)]×100
A:ケーシング詰めソーセージの重さ(g)
B:水分をろ紙で吸い取った後のケーシングの重さ(g)
C:水分をろ紙で吸い取った後のソーセージの重さ(g)
2)ゲル特性の測定
冷蔵庫(庫内温度約4℃)に約12時間保存したソーセージを取りだし、厚さ約2cmにスライスし、塩化ビニリデン製袋に入れて密封し、約10℃の恒温器中に約1時間保持し試験片とした。レオメーター(型式:NPM−2010J−CW;不動工業社)を用い、テーブルスピード毎分約20mmで試験片を上昇させ、底部が円形で直径約5mmのプランジャーが試料片に貫入する時の降伏応力と降伏歪を定法により求めた。
3.結果
試験は、一つの試験区で10検体行い、結果は平均値で表1に表した。表1から明らかなように、本発明品はソーセージの離水量を減少させ、降伏応力、降伏歪とも増大し、ゲル物性を良好にした。また、この効果は、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルをそのままあるいは単に澱粉と併用しただけでは得られないことも明らかである。
Figure 0004223434
プレスハムの作製と評価
1.プレスハムの作製
[試験区5]
食塩3.0質量部、砂糖2.6質量部、ポリリン酸ナトリウム0.4質量部、亜硝酸塩(商品名:亜硝酸ナトリウム製剤Z,亜硝酸ナトリウム10質量%含有;オルガノ工業社)0.14質量部、アスコルビン酸ナトリウム0.06質量部、グルタミン酸ナトリウム0.4質量部、粉末状大豆蛋白質(商品名:ニューフジプロ2000;不二製油社)3.0質量部、乳清蛋白質(商品名:エンラクトHG;日本新薬社)2.0質量部、卵白(商品名:粉末卵白;理研ビタミン社)2.0質量部、カゼインナトリウム1.5質量部、カラギーナン(商品名:J2380;三栄源エフエフアイ社)0.7質量部を水84.2質量部に溶解してピックル液を作製した。
このピックル液50質量部を冷凍庫に保存しておいた豚もも肉50質量部にインジェクションし、1.5mmの目のついたプレートを装填したチョッパーを用いて挽肉とした。次に油脂加工澱粉(本発明品1)2.5質量部を添加し、卓上型万能ミキサー(商品名:ケンミックスKM−300;ケンウッド社)で3分間練り合わせた。その際、原材料の品温が10℃以下に保たれるよう注意した。
得られた肉ペースト約2.5kgを約80〜90kPaの減圧下で約60秒間脱気した後、充填器を用いて折径約3cmの塩化ビリニデンケーシングに充填し、たこ糸で結束して冷蔵庫(庫内温度約4℃)中に1晩保存した。これをスモークチャンバー内に移し、まず約50℃で約60分間乾燥し、次いで約55℃で約90分間燻煙し、最後に約80℃で約60分間蒸煮した。蒸煮後直ちに約0℃の氷水で約1時間冷却してプレスハムを得た。プレスハムは試験に供するまで冷蔵庫(庫内温度約4℃)に保存した。
尚、プレスハム1本の重さは約150gとした。
[試験区6]
試験区1で添加した油脂加工澱粉(本発明品1)3.0質量部に替えて油脂加工澱粉(本発明品2)3.0質量部を添加し、以下[試験区5]と同様に作製してプレスハムを得た。
[試験区7]
試験区1で添加した油脂加工澱粉(本発明品1)3.0質量部に替えて油脂加工澱粉(本発明品3)3.0質量部を添加し、以下[試験区5]と同様に作製してプレスハムを得た。
[試験区8]
試験区1で添加した油脂加工澱粉(本発明品1)3.0質量部に替えて油脂加工澱粉(比較品1)3.0質量部を添加し、以下[試験区5]と同様に作製してプレスハムを得た。
[試験区9]
試験区1で添加した油脂加工澱粉(本発明品1)3.0質量部に替えて油脂加工澱粉(比較品2)3.0質量部を添加し、以下[試験区5]と同様に作製してプレスハムを得た。
[試験区10]
試験区1で添加した油脂加工澱粉(本発明品1)3.0質量部に替えて油脂加工澱粉(比較品3)3.0質量部を添加し、以下[試験区5]と同様に作製してプレスハムを得た。
2.プレスハムの評価
実施例4に準じて、得られた各試験区のプレスハムを評価した。
3.結果
試験は、一つの試験区で5検体行い、結果は平均値で表2に表した。表2から明らかなように、本発明品はプレスハムの離水量を減少させ、降伏応力、降伏歪とも増大し、ゲル物性を良好にした。この効果は、グリセリン有機酸脂肪酸エステル以外の食品用乳化剤で処理した油脂加工澱粉では認められなかった。
Figure 0004223434
ロースハムの作製と評価
1.ロースハムの作製
[試験区11]
食塩3.0質量部、砂糖2.6質量部、ポリリン酸ナトリウム0.4質量部、亜硝酸塩(商品名:亜硝酸ナトリウム製剤Z,亜硝酸ナトリウム10質量%含有;オルガノ工業社)0.14質量部、アスコルビン酸ナトリウム0.06質量部、グルタミン酸ナトリウム0.4質量部、粉末状大豆蛋白質(商品名:ニューフジプロ2000;不二製油社)3.0質量部、乳清蛋白質(商品名:エンラクトHG;日本新薬社)2.0質量部、卵白(商品名:粉末卵白;理研ビタミン社)2.0質量部、カゼインナトリウム1.5質量部、カラギーナン(商品名:J2380;三栄源エフエフアイ社)0.9質量部、油脂加工澱粉(本発明品1)0.1質量部を水84.0質量部に溶解してピックル液を作製した。
このピックル液50質量部を豚ロース肉50質量部にインジェクションし、タンブラー(商品名:タンブラー100;双葉電気工業社)を用いて、冷蔵庫(庫内温度約5℃)内で約5時間タンブリングした。次に、折径約5cmのファイブラスケーシングに原料肉を充填し、たこ糸で結束してスモークチャンバー内に移し、これをまず温度約55℃、湿度約40%で約60分間乾燥し、次いで温度約55℃、湿度約40%で約90分間燻煙し、最後に温度約85℃で約90分間蒸煮した。加熱調理したロースハムを冷蔵庫(庫内温度約4℃)内で冷却し、試験に供するまで保存した。
尚、ロースハム1本の重さは約2.5kgとした。
[試験区12]
試験区1で添加した油脂加工澱粉(本発明品1)0.1質量部に替えて油脂加工澱粉(本発明品2)0.1質量部を添加し、以下[試験区11]と同様に作製してロースハムを得た。
[試験区13]
試験区1で添加した油脂加工澱粉(本発明品1)0.1質量部に替えて油脂加工澱粉(本発明品3)0.1質量部を添加し、以下[試験区11]と同様に作製してロースハムを得た。
[試験区14]
試験区1で添加した油脂加工澱粉(本発明品1)0.1質量部に替えて油脂加工澱粉(比較品1)0.1質量部を添加し、以下[試験区11]と同様に作製してロースハムを得た。
[試験区15]
試験区1で添加した油脂加工澱粉(本発明品1)0.1質量部に替えて油脂加工澱粉(比較品2)0.1質量部を添加し、以下[試験区11]と同様に作製してロースハムを得た。
[試験区16]
試験区1で添加した油脂加工澱粉(本発明品1)0.1質量部に替えて油脂加工澱粉(比較品3)0.1質量部を添加し、以下[試験区11]と同様に作製してロースハムを得た。
2.ロースハムの評価
1)加熱歩留り
ケーシングに充填し、たこ糸で結束した時の重さと、これを乾燥、燻煙、蒸煮、冷却などの工程を経て製造したハムを冷蔵庫(庫内温度約4℃)に入れ、約12時間保存したハムの重さを量り、以下の計算式より加熱歩留り(%)を求める。
加熱歩留り(%)=(B/A)×100
A:未加熱のケーシング詰めハムの重さ(g)
B:加熱処理後のケーシング詰めハムの重さ(g)
2)官能評価
冷蔵庫(庫内温度約4℃)に約12時間保存したロースハムを取りだし、厚さ約2mmにスライスし、パネル10名により官能評価を行った。評価基準を以下に示した。結果は10名の評価点の平均値で示した。
〔評価基準〕
5:弾力性がある
4:やや弾力性がある
3:ふつう
2:やや弾力性がない
1:弾力性がない
3.結果
ロースハムの官能評価を表4に示した。表3から明らかなように、本発明品を添加したロースハムは加熱歩留りが大きく、また食感も優れていた。一方、グリセリン有機酸脂肪酸エステル以外の食品用乳化剤で処理した油脂加工澱粉を添加したロースハムでは、食感が相対的に劣っていた。
Figure 0004223434
*試験区11の加熱歩留まりの数値は試験区14の数値
に比して危険率5%で有意差あり。
焼豚の作製と評価
1.焼豚の作製
[試験区17]
食塩9.0質量部、砂糖1.0質量部、グルタミン酸ナトリウム2.0質量部、卵白(商品名:粉末卵白;理研ビタミン社)3.0質量部、炭酸水素ナトリウム2.0質量部、油脂加工澱粉(本発明品1)3.0質量部を水40.0質量部に溶解してピックル液を作製した。
このピックル液60質量部を豚肩ロース肉50質量部にインジェクションし、タンブラー(型式:タンブラー100;双葉電気工業社)を用いて、冷蔵庫(庫内温度約5℃)内で5時間タンブリングした。次に、折径約13cmのファイブラスケーシングに原料肉を充填し、たこ糸で結束してスモークチャンバー内に移し、まず温度約55℃、湿度約40%で約60分間乾燥し、次いで温度約55℃、湿度約40%で約90分間燻煙し、最後に温度約85℃で約90分間蒸煮した。加熱調理した焼豚を冷蔵庫(庫内温度約4℃)内で冷却し、試験に供するまで保存した。
尚、焼豚1本の重さは約2kgとした。
[試験区18]
試験区1で添加した油脂加工澱粉(本発明品1)3.0質量部に替えてリン酸架橋タピオカ澱粉(参考例1)3.0質量部を添加し、以下[試験区17]と同様に作製して焼豚を得た。
[試験区19]
試験区1で添加した油脂加工澱粉(本発明品1)3.0質量部に替えて油脂加工澱粉(比較品1)3.0質量部を添加し、以下[試験区17]と同様に作製して焼豚を得た。
2.焼豚の評価
実施例6に準じて、得られた各試験区の焼豚を評価した。
3.結果
焼豚の官能評価を表4に示した。表4から明らかなように、本発明品を添加した焼豚は加熱歩留まりが大きく、また食感もすぐれていた。一方、この効果は、グリセリン有機酸脂肪酸エステル以外の食品用乳化剤で処理した油脂加工澱粉あるいは単に加工澱粉を使用しただけでは得られないことも明らかとなった。
Figure 0004223434
凍結乾燥焼豚の作製と評価
1.凍結乾燥焼豚の作製
冷蔵庫(庫内温度約4℃)に約12時間保存した焼豚を取りだし、厚さ約5mmにスライスし、約−30℃の冷凍庫に入れ冷凍した。この凍結焼豚を、真空凍結乾燥機(型式:RLE−103;共和真空社)を用いて常法により凍結乾燥し、凍結乾燥焼豚を得た。
2.凍結乾燥焼豚の評価
凍結乾燥焼豚約10gを200ml容のビーカーに入れ、熱湯約100gを加えて約3分間放置した。次に湯戻しした焼豚を取り出し、キツチンペーパーで表面の水気を吸いとった後、パネル10名により官能評価を行った。結果は10名の評価点の平均値で示した。
〔評価基準〕
5:柔らかい
4:やや柔らかい
3:ふつう
2:やや硬い
1:硬い
3.結果
凍結乾燥焼豚の官能評価を表5に示した。表5から明らかなように、本発明品を添加した凍結乾燥焼豚は、食感がすぐれていた。
一方、この効果は、グリセリン有機酸脂肪酸エステル以外の食品用乳化剤で処理した油脂加工澱粉あるいは単に加工澱粉を使用しただけでは得られないことも明らかとなった。
Figure 0004223434
本発明の食肉加工食品用品質改良剤は、食肉加工食品、例えばベーコン類、ハム、ソーセージ類、焼豚などの添加剤として有用である。

Claims (1)

  1. 澱粉に油脂およびグリセリン有機酸脂肪酸エステルを添加し、均一に混合した後乾燥し、乾燥物を袋詰めしてさらに加熱・熟成することにより得られる油脂加工澱粉を含むことを特徴とする食肉加工食品用品質改良剤。
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