JP4222645B2 - 有機性廃棄物の資源化方法及び資源化装置 - Google Patents

有機性廃棄物の資源化方法及び資源化装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機性廃棄物の資源化に係わり、特に、都市ごみ、廃プラスチック、廃FRP、バイオマス廃棄物、自動車廃棄物、低品位石炭、廃油ならびにこれらを固形化あるいはスラリー化した燃料代替品等をガス化し、上記の廃棄物中に含まれる金属や灰分をリサイクル利用可能な状態で回収するとともに、得られるCO(一酸化炭素)及びH2 (水素)含有気体をH2 やNH3 (アンモニア)合成用の原料ガスにする有機性廃棄物の資源化方法と装置に関する。
上記の燃料代替品には、都市ごみを破砕選別後、生石灰等を添加して圧縮成形したRDF(固形化燃料)と称するもの、都市ごみを破砕後水スラリーとし、高圧下で水熱分解したスラリー化燃料が含まれる。FRPは繊維強化プラスチックのことであり、廃バイオマスには上下水廃棄物(夾雑物、し渣、下水汚泥等)、農産廃棄物(もみがら、稲わら、余剰産物等)、林産廃棄物(のこくず、バーク、間伐材等)、産業廃棄物(パルプチップダスト等)、建築廃材等がある。低品位石炭には、石炭化度の低い泥炭、もしくは選炭時に出るボタ等が含まれる。
また、本発明は、オイルシェール、厨芥、獣類の屍体、廃衣料、紙ごみその他いかなる有機物でも適用可能である。
【0002】
【従来の技術】
NH3 (アンモニア)は硝酸、各種肥料(硝安、硫安、尿素)、アクリロニトリル、カプロラクタム等の原料として、大量生産される化学工業上の基礎原料である。NH3 はN2 (窒素)とH2 (水素)から高圧下で触媒を用いて合成されるが、H2 は天然ガス、ナフサなどのスチームリフォーミングか、原油、重油、減圧残渣油、石炭、ピッチ、石油コークスなどの炭化水素の部分燃焼、いわゆるガス化により得られてきた。
2 原料の多くは海外から輸入されるため、二度にわたる石油ショック以降、アンモニア工業製品は国際競争力を失うに至った。このため、安価でしかも自国内で調達可能な原料が久しく切望されてきた。
一方、都市ごみ、廃プラスチック、廃FRP、バイオマス廃棄物、自動車廃棄物に代表される有機性廃棄物は、焼却処理により減容化されるか、あるいは未処理のまま最終処分(埋立)されてきた。直接、間接をとわず、これらがリサイクル利用される量は全体から見ればごく僅かだった。
【0003】
一方、有機性廃棄物の焼却処理にも次のような問題や課題があった。これまで焼却処理にはストーカー炉や流動層炉が用いられてきたが、環境保全や資源/エネルギーのリサイクル上不都合な点を生じた。すなわち、燃焼時の空気比が高いため排ガス量が多いこと、排ガス中に有害なダイオキシンなどが含まれること、炉から排出された金属類は酸化されているためリサイクルに適さないこと、そして灰埋立地の払底等である。灰の減量化を目的に溶融設備等の減容設備を設置するところも最近は増えつつあるが、装置全体の建設コストや運転コストを上昇させる結果を招いた。さらに、最近は廃棄物自身のエネルギーを最大限に有効利用しようという気運が高まってきた。
廃棄物を未処理のまま陸上投棄することは、投棄場所の確保が困難になるとともに、環境保護上とうてい容認されるべきことでなくなった。このため、廃車シュレッダーダスト等はその処分に困窮を極める状態となった。
さらに、流動層ガス化炉のガス化剤として大量のスチームをO2 (酸素)とともに、使用すると、ランニングコストが上昇する。一方、入手の容易な空気を使用した場合には、NH3 合成に必要なN2 量により使用する空気量が制限されるといった問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記した従来技術の問題点を解決し、利用方法の確立により廃棄物中の資源を回収してリサイクルするルートを開き、特に不完全燃焼状態にしてガス化することで、H2 やNH3 合成に適した組成のガスを経済的に生成させ、有機性廃棄物の焼却や投棄に伴う諸問題を解決すると共に、安価なH2 やNH3 合成用ガスに利用する有機性廃棄物の資源化方法と装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、有機性廃棄物を流動層ガス化炉でガス化し、得られるガス状物質とチャーを溶融炉に導入して高温でガス化し、得られたガスをガススクラバーへ導入して少なくともHClとダストとを除去し、次いでガススクラバーを経由したガスから酸性ガスを除去した後に、酸性ガスを除去したガスをCO転化し、引続き水素分離して水素を得る際に、水素分離後の残ガスを前記流動層ガス化炉の流動層に導入すると共に、流動層ガス化炉内から不燃物と流動媒体とを排出させ、次いで不燃物を除去した後、流動媒体を前記流動層ガス化炉内に戻すことを特徴とする有機性廃棄物の資源化方法としたものである。前記方法で水素分離は、圧力スイング吸着法又は水素分離膜を用いて行うのが良い。
また、本発明では、有機性廃棄物を流動層ガス化炉でガス化し、得られるガス状物質とチャーを溶融炉に導入して高温でガス化し、得られたガスをガススクラバーへ導入して少なくともHClとダストとを除去し、次いでガススクラバーを経由したガスをCO転化し、引続き酸性ガスを除去して水素を得ると共に、流動層ガス化炉内から不燃物と流動媒体とを排出させ、次いで不燃物を除去した後、流動媒体を前記流動層ガス化炉内に戻すことを特徴とする有機性廃棄物の資源化方法としたものである。前記方法でCO転化は、高温でガス化して得られたガスから酸性ガスを除去した後に行うこともできる。
【0006】
さらに、本発明では、有機性廃棄物の供給口と、酸素含有ガスの供給口と、不燃物と流動媒体を排出する排出口と、該排出口から排出される上記不燃物と上記流動媒体との混合物から分離回収した流動媒体を流動層ガス化炉に戻すための流動媒体の供給口を備える、有機性廃棄物をガス化させる流動層ガス化炉と、該流動層ガス化炉からのガス状物質とチャーを高温でガス化させる溶融炉と、該溶融炉からのガスを冷却する冷却室と、該冷却室からのガスから少なくともHClとダストとを除去するガススクラバーと、該ガススクラバーを経由したガスから酸性ガスを除去する酸性ガス除去装置と、除去後のガスをH2とCO2に転換するCO転化器と、得られたガスから水素を分離する水素分離装置を有し、該水素分離装置の水素分離後の残ガスを流動層ガス化炉の流動層に導入する経路を設けたことを特徴とする有機性廃棄物の資源化装置としたものである。
また、本発明では、有機性廃棄物の供給口と、酸素含有ガスの供給口と、不燃物と流動媒体を排出する排出口と、該排出口から排出される上記不燃物と上記流動媒体との混合物から分離回収した流動媒体を流動層ガス化炉に戻すための流動媒体の供給口を備える、有機性廃棄物をガス化させる流動層ガス化炉と、該流動層ガス化炉からのガス状物質とチャーを高温でガス化させる溶融炉と、該溶融炉からのガスを冷却する冷却室と、該冷却室からのガスから少なくともHClとダストとを除去するガススクラバーと、該ガススクラバーを経由したガスをH2とCO2に転換するCO転化器と、得られたガスから酸性ガスを除去する酸性ガス除去装置を有することを特徴とする有機性廃棄物の資源化装置としたものである。
本発明の装置では、冷却室とCO転化器の間に、冷却されたガスから酸性ガスを除去する酸性ガス除去装置を配備することもできる。
【0007】
本発明における二段のガス化は、常圧下においても可能であるが、経済性の面から5〜90気圧好ましくは10〜40気圧の加圧下で行うのがよい。該有機性廃棄物のガス化剤としては、空気及び空気を分離することにより得られるO2 を単独又はこれにスチーム又はCO2 (炭酸ガス)を混合して用いることができる。
前記流動層ガス化炉の流動層温度は450〜950℃であるのが良い。
本発明で用いる有機性廃棄物は、低位発熱量が平均値として3500kcal/kg以上あるのが良く、もし不足する場合は、補助燃料を添加して低位発熱量の平均値を3500kcal/kg以上とするのが良い。補助燃料としては、通常用いる化石燃料、特に、石炭、オイルコークス等が好適に用いられる。
【0008】
本発明で用いる流動層ガス化炉としては、特に内部循環式流動層ガス化炉を用いるのが好適である。この内部循環式流動層ガス化炉とは、流動層中に流動媒体の循環流を形成させるもので、該循環流は、流動化ガスの部分的な強弱部位を設定することにより生じさせることができる。従って、流動化ガスに部分的な強弱部位のないバブリング式流動層と異なり生成チャーの分散、破砕機能に優れ、あるいは外部循環式流動層のように複雑で大型化することもない。圧力条件が加圧となることから内部循環式流動層ガス化炉はタテ型円筒形状のものが好ましい。また、本発明の溶融炉とは、流動層ガス化炉からの灰分を含むガス状物質とチャーを、該灰分が溶融する温度以上の温度でガス化する炉であり、前記溶融炉は、内部温度が1200℃以上であるのがよい。
【0009】
本発明において、ガス化のために流動層ガス化炉及び溶融炉へ送入するガス化剤は、トータルとして含有する酸素量が原料である有機性廃棄物を完全燃焼するのに必要な理論燃焼酸素量の0.1〜0.6の範囲とするのがよく、このうち流動層ガス化炉に供給される酸素量は、同じく理論燃焼酸素量の0.1〜0.3の範囲とするのがよい。
前記流動層ガス化炉は、炉内が還元雰囲気であるため、炉底より廃棄物中の金属を未酸化でクリーンな状態で回収することができ、また、前記溶融炉は内部温度が1200℃以上と灰の溶流温度より50〜100℃高い温度に設定されるため、灰分を溶融スラグ化して炉底より排出することができる。
本発明において、別に、N2 とO2 を分離するための空気分離器を備え、NH3 を製造する場合は、分離されたN2 をNH3 合成反応器に導入する手段と、分離されたO2 を流動層ガス化炉及び/又は溶融炉に導入させる手段等を配備することもできる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明では、有機性廃棄物のうち、都市ごみ、固形化燃料、スラリー化燃料、廃プラスチック、廃FRP、バイオマス廃棄物、自動車廃棄物、低品位石炭、廃油のうちの1種以上を用いることができる。
前記有機性廃棄物には、用いる性状によって石炭及び/又はオイルコークスといった化石燃料等を補助原料として添加することもできる。
前記ガス化燃焼は、低温ガス化と高温ガス化を組合せたもので、低温ガス化に流動層ガス化炉、高温ガス化に溶融炉を用いる。該低温ガス化に用いる流動層ガス化炉は、流動層部が450〜950℃に維持され、供給された廃棄物の部分燃焼すなわちガス化を行う。炉底からは廃棄物中の鉄、銅等の金属が未酸化でクリーンな状態で回収される。金属が酸化されないのは、ガス化炉内が還元雰囲気に保たれているためである。金属とプラスチックの複合材の代表的なものが銅線であるが、表面の被覆がガス化により分解除去されるため、銅線のみがクリーンなリサイクル可能な状態で回収できる。前記高温ガス化に用いる溶融炉は、ガス化炉から供給されるチャー、タールを含むガスを1200℃以上の高温下で瞬時に部分燃焼すなわちガス化すると共に灰分を溶融スラグ化して炉底より排出する。
【0011】
この時、溶融炉を旋回式溶融炉とすると、高負荷燃焼が可能になって炉がコンパクトになると共に、旋回流による遠心力のため、チャーの燃焼により生ずるスラグミストは炉壁に集められ、壁面にスラグ相が形成される。このため80〜90%という高いスラグ回収率が得られる。このことは後段の熱回収装置や集塵装置の負荷を小さくする。従って、溶融炉に旋回式溶融炉を採用することが好ましい。
さらに、NH3 の合成を目的とする場合は、前記ガス化用のガス化剤としては空気分離により得られるO2 とスチームの混合ガスを用い、一方、空気分離により得られるN2 はNH3 合成に用いることも可能である。空気分離には深冷分離法、PSA、TSA法等の吸着法、分離(富活)膜による方法がいずれも適用できる。
また、ガス化剤の一部に空気を用いて、H2 とN2 のモル比が3:1となる混合ガスを得、これをこのままNH3 合成用とすることもできる。即ち、流動層ガス化炉に供給するガス化剤は塊状化やクリンカーのトラブルを避けるため、酸素濃度を20〜30%に下げる必要がある。このためO2 とスチームを混合して用いると、膨大なスチームを必要とする。ところが、最終生成物がNH3 の場合は、スチームの代りに空気を用いることが可能となる。それは最終ガス中にN2 が残留しても、H2 とN2 のモル比が3:1であればそのままNH3 合成に用いることができるからである。
【0012】
さらに、本発明では、有機性廃棄物を部分燃焼する流動層ガス化炉と、該流動層ガス化炉からのガス状物質とチャーを高温にて部分燃焼する溶融炉の高温ガス化室と、該高温ガス化室からのガスを冷却する冷却室を有することとしたものである。前記冷却手段としては、水と直接接触して急冷するのが好ましい。
次いで、冷却室の下流に、ガス中のHCl等及びダストを除去するための洗浄スクラバ、及びガス中のCOとH2 OをCO2 とH2 に転換するCO転化器を設けると共に、CO転化後にCO2 、H2 S、COS等を除去する酸性ガス除去装置と、後流のアンモニア合成触媒の触媒毒となるCO、CO2 等を除去又は無害化するガス精製装置と精製されたH2 をN2 と反応させてNH3 を合成する反応器を配備することができる。
また、前記有機性廃棄物の資源化装置において、別に、空気分離器を備え、分離されたO2 を前記流動層ガス化炉及び/又は前記溶融炉に導入させる手段を配備することが望ましい。
【0013】
現在、焼却処理に代わる新たな環境保全型の廃棄物処理技術として、「ガス化溶融システム」の開発が進行中であり、本発明も装置構成上は基本的にこのガス化溶融システムを使用している。本システムを廃棄物の処理に適用した場合の特長を示す。
▲1▼ 従来の固体燃焼に代わるガス燃焼のため、1.3程度の低空気比燃焼が実現され、その結果排ガス量は大幅に低減される。
▲2▼ 高温燃焼により、排ガス中のダイオキシン類及びその前駆体はほとんど分解される。
▲3▼ 廃棄物中の灰分は溶出のない無害なスラグとして回収される。このため、埋立地の延命化が図れ、路盤材等への利用も可能となる。
▲4▼ システム中にダイオキシン分解や灰溶融の機能が組み込まれるため、装置全体がコンパクト化され、建設コストもそれぞれの機能を在来型の焼却設備に付加したより安価となる。排ガス量の低減も、排ガス処理機器のコストダウンに連がる。
【0014】
▲5▼ ガス化炉で生成するガス、チャー、タールのエネルギーを灰の溶融に有効活用できるため、灰溶融の専用設備を設けたときに必要な電力等が不要となり、運転コストを低く保てる。
▲6▼ 高効率発電型とすることが容易である。
▲7▼ 鉄、銅といった金属は、リサイクル可能な未酸化でクリーンな状態で回収出来る。
通常の焼却処理ではO2 源として空気を使用するが、これを純O2 もしくは酸素富活空気に置き換えて部分燃焼することにより、CO、H2 主体の可燃性ガスを回収することが出来る。本発明は、ガス化溶融システムをH2 製造設備あるいはNH3 製造設備と一体化したプロセスとし、都市ごみ、廃プラスチック、廃FRP、バイオマス廃棄物、自動車廃棄物等の有機性廃棄物や低品位石炭、廃油を一括してガス化することにより、焼却や投棄に伴う諸問題を解決するとともに、廃棄物の有効利用を図るものである。
【0015】
有機性廃棄物をガス化するためにも、この流動層ガス化炉と溶融炉を組合せたガス化溶融システムを用いるのが好適である。流動層ガス化炉では砂(硅砂、オリビン砂など)、アルミナ、鉄粉、石灰石、ドロマイト等を流動媒体として用いる。有機性廃棄物のうち、都市ごみ、バイオマス廃棄物、プラスチック廃棄物、自動車廃棄物等は30cm程度に粗破砕する。固形化燃料、スラリー化燃料はこのまま使用する。低品位石炭は、40mm以下に粗破砕する。これらを、複数のピットに分けて受入れ、各々のピットで十分攪拌・混合した後に、適宜ガス化炉に供給する。
勿論、ガス化炉への供給は、各ピットより別々に行っても、混合して行っても良い。
また、ガス化される有機性廃棄物の性状(発熱量や水分)によって、必要に応じて石炭やオイルコークス等を補助燃料として添加することにより廃棄物の発熱量の変動を抑えることが出来る。添加量は廃棄物の性状に応じて適宜設定される。試算によれば、原料である有機性廃棄物の低位発熱量の平均値が、3500kcal/kg以上であることが、経済的な観点から望ましい。
【0016】
有機性廃棄物はガス化炉に供給され、流動層部にて450〜950℃で低温ガス化を行う。さらに後段の溶融炉にて1200℃以上で高温ガス化を行う。ガス化反応にはガス化剤としてO2 、空気、スチームを適宜混合して、必要に応じ予熱して用いることができる。さらに、スチームの代替としてCO2 等を用いることもできる。それぞれの段階でのガス化に必要な熱量は、廃棄物の部分燃焼により得られる。これを内熱式と称する。流動層部でのガス化によりガス、タール、チャーが生成するが、温度が低いほどタールとチャーの生成率は増加し、ガスの生成率は減少する。一方廃棄物に含まれる金属のうち融点が流動層温度より高いものは、気化せずガス化炉の炉底より流動媒体やガレキ等と共に排出される。
炉底からの排出物は分級器に供給され、篩上の粗大不燃物(金属含む)と篩下の流動媒体に分別される。前者からはさらに金属等の有用物が選別され、一方後者はガス化炉に戻される。
【0017】
ガス化炉のフリーボード部は通常、あるサイズ以上の流動媒体やチャーの飛散防止や、圧力変動の吸収の役割を果たす。本発明ではフリーボード部にガス化剤の一部を供給して600〜950℃でガスすることにより、流動層温度を450〜650℃としてアルミニウム等の低融点金属の回収をすることも可能である。後段の溶融炉では1200℃以上の高温ガス化により、生成ガスはH2 、CO、CO2 、N2 、H2 O等から成るガスとなる。なお、ガス化剤に空気を用いなければ、生成ガス中にN2 は含まれない。また、溶融スラグ化した灰分は、溶融炉の炉底より連続的に排出された後に水砕され、骨材、その他の土木建築材の資材として利用される。
【0018】
ガス化炉の流動層温度を450℃〜950℃にするのは、次のような理由による。図8に、RDFの窒素雰囲気中における熱分解特性を示す。後段での高温ガス化における燃焼速度の関係から低温ガス化では廃棄物等をガス、タールの気体成分はなるべく多く、可燃物と灰分から成る固体成分は少なくすることが望ましい。固体成分であるチャーは、小粒径のものはガス化炉内の上昇気流に乗って溶融炉へ搬送されるが、大粒径のものは、不燃物とともに炉下から排出される。また、熱分解温度が下がるほど、固体成分が多く発生する。熱分解温度が低く固体成分になる割合が多いと、流動層に蓄積するのを防ぐために、炉下から排出する量を増やさねばならない。排出されたチャーは、砂や不燃物を除去した後に粉砕処理されて戻されるが、その量は少ないことが望ましい。しかも、450℃以下では熱分解速度が極度に遅くなり、未分解物が流動層上に堆積するため運転が困難となる。逆に熱分解温度が上がる程、固体成分の発生割合は少なくなるので、ガス化にとっては有利となる。
【0019】
ところが、熱分解温度を高くしていくと、塊状化やクリンカーといった流動層特有の問題に直面する。こうした現象が起こらない限界温度は、用いる廃棄物や流動媒体の種類によって異なるが、950℃前後とされる。これが上限温度を950℃と定めた理由である。
廃棄物に金属が含まれる場合、これら金属を酸化されない状態で回収しリサイクル利用することは重要なテーマである。例えばアルミニウムを回収しようとすると、アルミニウムの融点は660℃であるから、流動層温度はこれより低くなければならない。しかしながら、加圧下でのガス化は、ある程度の反応速度を確保する必要上、アルミニウムの回収を犠牲にしてもガス化温度を高くする場合もありうる。
【0020】
通常、化学工業原料用の合成ガスを製造する場合、ガス化は5〜90気圧の加圧下で行うが、ガス化を常圧で行い、CO転化以降のガス精製を30〜40気圧の加圧下で行うことも現実的な方法として考えられる。ガス化炉で用いるガス化剤には空気を深冷分離して得られる純O2 に通常スチームを混合して用いるが、スチームの代りに酸性ガス除去工程で回収されるCO2 等を混合してもよい。同じく空気の深冷分離より得られるN2 は、直接NH3 合成用の原料として用いることも出来る。別法として、ガス化剤の一部に空気を用いる方法も考えられる。CO転化後のH2 とN2 のモル比が3:1となるようにガス化剤の配合比を調整してやれば、そのままNH3 合成用の原料ガスとすることが可能である。ただし、ガス流量が増えるためガス精製用の機器サイズがいくらか大きくなる。
このように有機性廃棄物をH2 やNH3 合成の原料として用いる場合、廃棄物の量の確保、あるいは質の安定化といった問題が存在する。また、操業中、廃棄物の質の変化に如何に対処するかといった問題もある。
【0021】
こうした問題を解決するために、有機性廃棄物だけでの安定運転が困難な場合やプラントの立上げ時等の非定常時には、本発明では、廃棄物に石炭あるいはオイルコークスといった高カロリーで性状の安定した、しかもH2 製造に実績のある燃料を併用して使用しても良い。すなわち、石炭、オイルコークスあるいは重油等の燃料を必要に応じて全体の2〜4割程度になるよう配合することにより、ガス化原料の量、質の安定化を図ることが可能である。操業中、何らかの原因で廃棄物の質が低下し、生成ガス中のH2 やCOの濃度が低下した場合には、上記固形燃料の供給割合を増すことにより、生成ガスの性状を安定化させることが出来る。なお、ここで使用する石炭とは、廃棄物に属する低品位炭ではなく、むしろ石炭化度の高い亜瀝青炭や瀝青炭クラスのものが良い。
【0022】
図7に、通常廃棄物の焼却(完全燃焼)に用いられるガス化溶融システムの構成図を参考例として示し、これについて説明する。
図において、1はホッパー、2は定量供給装置、3は流動層ガス化炉、4は流動層、5はフリーボード、6はバーナ、7はトロンメル、8はバケットコンベア、9は旋回式溶融炉、10は一次燃焼室、11は二次燃焼室、12はスラグ分離部、13はバーナである。aは有機性廃棄物、bは空気(流動層用)、b′は空気(フリーボード用)、b″は空気(溶融炉用)、cは粗大不燃物、dは硅砂、eは生成ガス、e1 は燃焼排ガス、fはスラグである。
予め必要に応じ破砕された有機性廃棄物aは、ホッパー1に供給された後に、スクリュー式の定量供給装置2を用いて流動層ガス化炉3に供給される。流動層ガス化炉3の下方からは空気bがガス化剤として送入され、分散板上に硅砂の流動層4が形成される。有機性廃棄物aは流動層4の上方に投入され、450〜650℃に保持された流動層4内で空気中のO2 と接触し、速やかに熱分解ガス化される。ガス化炉3の炉底からは流動媒体が不燃物とともに排出され、トロンメル7により粗大不燃物cが除去される。分離された硅砂dはバケットコンベア8により上方へ搬送され、流動層ガス化炉3に戻される。粗大不燃物c中には金属が含まれるが、実用的には流動層温度を500〜600℃とすることにより、鉄、銅、アルミニウムを未酸化でクリーンな状態で回収できる。
【0023】
流動層4に投入された有機性廃棄物aは、熱分解ガス化によりガス、タール、チャーとなる。ガスとタールは、気化して炉内を上昇する。チャーは流動層4の攪乱運動により微粉砕される。チャーは多孔質で軽いため、生成ガスの上向きの流れに同伴される。流動媒体に固い硅砂dを用いることで、チャーの粉砕は促進される。フリーボート5には空気b′が吹き込まれ、600〜950℃で再度ガス化が行われる。こうして、ガス成分の低分子化と、タール、チャーの分解が進む。
炉頂より排出された生成ガスeは、旋回式溶融炉9の一次燃焼室10に供給され、予熱された空気b″と旋回流中で混合しながら、1200℃以上で高速燃焼する。燃焼は二次燃焼室11で完結し、燃焼排ガスe1 はスラグ分離部12より排出される。高温燃焼に伴いチャーに含まれる灰分はスラグミストとなり、旋回流の遠心力により一次燃焼室10の炉壁上の溶融スラグ相に捕捉され、炉壁を流れ下って二次燃焼室11に入り、スラグ分離部12の底部より流下する。なお、旋回式溶融炉9の一次燃焼室10と二次燃焼室11には、昇温用のバーナ13が1台ずつ設置されている。こうして、1.3程度の低空気比燃焼と灰分の溶融スラグ化が達成される。
【0024】
次に、本発明を図面を用いて具体的に説明する。
図1は、本発明に用いるガス化溶融システムの構成図であり、5〜90気圧のアンモニア用合成ガス製造に用いられる。
図において、図7と同じ符号は同じ名称を有し、14、14′はロックホッパ、15はスクリーン、16は流動媒体循環ライン、17は旋回式溶融炉(一体型)、18は高温ガス化室、19は急冷室である。なお、a′は補助燃料用の石炭又はオイルコークス、gはO2 と空気からなるガス化剤、g′はO2 である。
予め破砕された有機性廃棄物aは、ロックホッパ(図示略)を介して流動層ガス化炉3に定量供給される。流動層ガス化炉3の下方からはO2 と空気の混合ガスがガス化剤gとして送入され、分散板上に硅砂の流動層4が形成される。有機性廃棄物aは、圧力約40気圧の流動層ガス化炉の流動層4の上方に投入され、750〜850℃に保持された流動層4内でガス化剤gと接触し、速やかに熱分解ガス化される。
【0025】
流動層ガス化炉3の炉底からは流動媒体が不燃物とともに排出され、ロックホッパ14を通り、スクリーン15により粗大不燃物cが除去される。篩下の硅砂dはバケットコンベア等により構成される流動媒体循環ライン16により上方へ搬送され、ロックホッパ(図示略)を介して流動層ガス化炉3に戻される。粗大不燃物c中には金属が含まれるが、鉄、銅等が未酸化でクリーンな状態で回収できる。
流動層4でのガス化によりガス、タール、チャーが生成する。ガスとタールは、気化して炉内を上昇する。チャーは流動層4の攪乱運動により微粉砕され、生成ガスの上向きの流れに同伴される。流動媒体に固い硅砂を用いることで、チャーの粉砕は促進される。
流動層ガス化炉3の炉頂より排出された生成ガスe2 は、旋回式溶融炉17の高温ガス化室18に供給され、ガス化剤g′のO2 と接触することにより、1300℃以上で高温ガス化する。ガス中の灰分は高温のためにスラグミストとなり、ガスとともに急冷室19に入る。急冷室にて水砕されたスラグfは、ロックホッパ14′を介して外部に排出される。
【0026】
図2は、本発明に用いる流動層ガス化炉と溶融炉並びに両炉の周辺部を示した別の構成図であり、同じく40気圧程度の合成ガス製造に用いられる。
本図では、流動層ガス化炉3には内部循環式流動層炉を、溶融炉17には旋回式溶融炉を用いている。図2が図1と異なる点は、流動層ガス化炉に内部循環式流動層炉を用いる点と、流動層ガス化炉の底部から抜き出した排出物を、初めにスクリーン15で分級し、次いで篩上の粗大不燃物cと篩下の流動媒体dを別々にロックホッパ14を介して減圧する点である。すなわち、内部循環式流動層炉をガス化炉に用いることにより、廃棄物を粗破砕程度で流動層上方より投入しても、流動層上に堆積することなく層に呑み込まれること、生成チャーが流動層内に均一に分散するためチャーのガス化が促進されること、流動媒体の旋回運動によりチャーの微粉砕が促進されること、サイズの大きな不燃物cも流動層内に留まることなくスムーズに排出されること、流動層内にホットスポットが発生しにくいため塊状化やクリンカー等のトラブルが回避できること等のメリットを享受出来る。この結果、大きな不燃物の外部への取り出しが問題となるが、初めに不燃物と流動媒体を分別することにより、大きな不燃物をブリッジを防止した特殊な構造のロックホッパを介して排出し、一方細かい流動媒体は通常用いられる高温粉体用ロックホッパを介して排出するため、装置の信頼性を増すことができる。
【0027】
図3も同じく、流動層ガス化炉と溶融炉並びに両炉の周辺部を示した別の構成図であり、40気圧程度の合成ガス製造に用いられる。
本図でも、流動層ガス化炉3には内部循環式流動層炉を、溶融炉9には旋回式溶融炉を用いている。図3が図2と異なる点は、流動層ガス化炉3からの排出物を、ロックホッパ14を介して減圧した後にスクリーン15で分級すること、並びに溶融炉9が高温ガス化室10、11を2室有する旋回式溶融炉であることである。すなわち、本実施例では、有機性廃棄物中に大きなサイズの不燃物cが含まれないことを想定しているため、炉底から取り出した排出物は、通常用いられる高温粉体用ロックホッパ14を介して減圧された後に、スクリーンを用いた分級操作により不燃物cと流動媒体dを分別する。また、図2のように高温ガス化室を1室の竪型円筒とせず、竪型10と横型11の2室の高温ガス化室を組み合わせた形状とすることにより、溶融スラグの炉内滞留時間を長くしてスラグ中の未燃カーボン量を減らすとともに、亜鉛、鉛等低沸点金属のスラグからの揮散を促進させることが出来る。
【0028】
図4は、本発明の有機性廃棄物aからNH3 を合成する場合の全体工程図であり、ガス化工程100、CO転化工程200、酸性ガス除去工程300、窒素洗浄工程400、アンモニア合成工程500および硫黄回収工程600から構成されている。なお、図4においては、流動層ガス化炉に供給するガス化剤に、O2 とスチームの混合ガスを用いる。
図において、21はガススクラバー、23は空気分離器、24は流動層ガス化炉、25は旋回式溶融炉、36はCO転化器、40は吸収塔、41はコンデンセートセパレータ、44はCO2 放散塔、50はH2 S放散塔、53は吸着塔、56はN2 洗浄塔、57は冷却器、58はN2 ガス圧縮機、59はO2 ガス圧縮機、60は合成ガス圧縮機、62はNH3 合成塔、68はNH3 冷凍機、70はNH3 分離器、72はNH3 貯蔵タンクを示す。また、符号38、39、48、52、64、66は熱交換器を示し、30、46、54はポンプを示す。また、iは空気、jはO2 、qは硫黄をそれぞれ示す。
【0029】
空気iは23の空気分離器によりO2 のjとN2 のkに分けられ、O2 のjはO2 ガス圧縮機59で圧縮された後、流動層ガス化炉24及び旋回式溶融炉25用のガス化剤として供される。また、N2 のkはN2 ガス圧縮機58で圧縮された後、アンモニア合成用ガスとして供される。なお、空気分離手段には、通常深冷分離法が用いられる。
ガス化工程100では、有機性廃棄物aと補助原料a′を圧力約40気圧、750〜850℃でガス化炉24で低温ガス化した後、旋回式溶融炉25では1200℃以上の操作条件下でO2 jやスチームmなどと反応してガス化され、CO、H2 、H2 O、CO2 が主成分のガスを生成する。旋回式溶融炉25内の温度は、主としてO2 の供給量によって調整される。旋回式溶融炉25では上部に高温ガス化室18、下部に急冷室19がそれぞれ設けられており、発生ガスは急冷室19で冷却水と直接接触し冷却された後、排出される。
【0030】
この急冷操作により多量の水蒸気が発生し発生ガスに同伴するとともに、高温ガス化室18にて発生したスラグの大部分がガスより除去される。スラグと水のスラリーは灰分処理工程へ送給される。急冷室19を出る際に多量の水蒸気を同伴した発生ガスはベンチュリースクラバ(図示略)及びガススクラバー21で洗浄され、同伴灰分を除去された後、CO転化工程200へと送給される。一方、ガススクラバー21底部の灰分洗浄液はポンプ30を介して再度急冷室19に循環送給されるとともに、一部は灰分処理工程へ送給される。
CO転化工程200には、ガス化工程100から送給されてくる水蒸気を含んだ発生ガスが供給される。ガススクラバー21を出たガスはCO転化反応に適した温度まで、第1段触媒層を出たガスと熱交換器38で熱交換することにより加熱された後、CO転化器36に送られてガス中のCOは同伴されている水蒸気とCO転化触媒上で反応しH2 とCO2 に転換される。CO転化器36は2段の触媒層から構成されている。一段の触媒層入口温度は例えば約300℃であり、出口温度は例えば480℃程度である。
【0031】
第2段触媒層入口温度は約300℃であり、第1段と第2段の合計転化率は90〜95%以上、また、CO転化器36出口におけるCOの乾ガス中の濃度は1〜2%以下となる。ちなみに、CO転化反応は次のようになる。
CO + H2 O = CO2 + H2
反応は発熱反応であり、第1段触媒層を出た高温ガスは、CO転化器入口ガスと熱交換して冷却され、第2段触媒層に入る。第2段触媒層においてCO転化反応はさらに進む。
前記CO転化器36を通ったガスは途中熱交換器39にて約40℃まで降温され、引続きコンデンセートセパレータ41で凝縮水とガスとに分離された後、後述するN2 洗浄塔頂56から出る精製ガスの一部と熱交換されて−17℃に降温されたガスは次工程の酸性ガス除去工程300に送給される。酸性ガス除去工程300は、CO転化工程200から送られてくる転化ガス中のH2 S、COS、CO2 を除去するために、例えば物理吸収プロセスであるレクチゾール法が使用される。
【0032】
−17℃に冷却されたガスは吸収塔40に導入される。該吸収塔40における酸性ガスの吸収は約−60℃のメタノールと向流接触により行われ、吸収塔40を出たガス中のCO2 の濃度は10〜20ppm、H2 Sは約0.1ppmとなる。吸収液として使用されたメタノールは酸性ガスを吸収するにつれて温度が上昇し、吸収能力が低下するので、吸収塔40の途中から抜き出して冷媒アンモニアおよび冷メタノールにより冷却されて再び吸収塔40に戻される。
この場合、吸収塔40の途中から抜き出されたメタノール中にはCO2 、H2 Sの他にH2 やCOも溶存しているので、これらH2 とCOを回収するため、減圧処理して、溶存したH2 やCOを放出させる。放出したH2 やCOは圧縮機で昇圧され、循環使用される。一方、メタノールに吸収された高純度のCO2 を回収するために、CO2 放散塔44に送られて減圧されるとともに、N2 ガスでストリッピングされ、メタノール中のCO2 の大部分が放出され、放出されたCO2 は必要により回収され、尿素合成や、液化炭酸ガス製造用に供される。
【0033】
一方、CO2 放散塔44の底部から濃縮されたH2 Sを含むメタノールはポンプ46を介して取り出され、熱交換器48で加熱された後H2 S放散塔50へ送られ、ここで水蒸気により間接再生される。H2 S放散塔50の塔頂より出るH2 Sリッチガスは熱交換器52で冷却して、硫黄回収工程600へ送られ、硫黄qとして回収される。H2 S放散塔50底部から抜き出されたメタノールはポンプ54を介して冷却後、吸収塔40の塔頂へ循環供給される。
吸収塔40から送られてくる少量のCOと極微量のCO2 を含んだH2 リッチガスは、途中吸着塔53を通ってメタノールやCO2 が除去された後、冷却器57で−190℃近くまで冷却され、窒素洗浄工程500を成すN2 洗浄塔56に送られる。窒素洗浄工程500では、ガス中の微量のCO、CO2 、Ar、CH4 等が過冷却された液体窒素により洗浄除去される。一方、H2 ガスは沸点の低いことから液体N2 により吸収されることなく、N2 洗浄塔56の塔頂からはN2 を含んだH2 リッチな精製ガスが得られる。
【0034】
2 洗浄塔56の塔頂から出た低温の精製ガスは、冷却器57を通って昇温された後N2 ガス圧縮機58で圧縮された高圧のN2 ガスと混合されて、アンモニア合成に適当な組成、すなわち、H2 とN2 の比を約3(モル比)に調整された後、アンモニア合成工程500に送られる。一方、N2 ガス圧縮機58で圧縮された高圧のN2 ガスの一部は、冷却器57で冷却液化された後、N2 洗浄塔56に送られ、塔底から入ってくるガスと向流接触し、その間にガス中のCO、CO2 、Ar、CH4 などの不純物は液体N2 側に移動し吸収除去される。また、CO、CO2 、Ar、CH4 などを吸収した液体N2 はN2 洗浄塔56の底部より出て減圧の後、ボイラの燃料として送出される。
【0035】
窒素洗浄工程500から送られてきたガスは、合成ガス圧縮機60の第1段において例えば150気圧に昇圧された後、次いでアンモニア分離器70からの循環ガスと合流して合成ガス圧縮機60の第2段において165気圧まで昇圧され、アンモニア合成塔62に送られる。アンモニア合成塔62は2段の触媒層から成っており、Fe系の合成触媒が充填されている。アンモニア合成塔62入口の圧力164気圧、温度250℃となる。合成ガスが該触媒層を通る間にアンモニア合成が行われるが、このときのアンモニア合成反応はつぎのようになる。
2 + 3H2 = 2NH3
触媒層を出たガス温度は一旦約500℃を越えるが、アンモニア合成塔62途中から導入された冷ガスによって冷却される。
【0036】
アンモニア合成塔62を出たNH3 ガスは、圧力160気圧、温度450℃であり、熱交換器64、66を通って常温付近まで冷却された後、さらにアンモニア冷凍機68を通って冷却され、NH3 の大部分は凝縮される。凝縮したNH3 はアンモニア分離器70で液体NH3 とガスとに分離され、nの液体NH3 はアンモニア貯蔵タンク72へ送られるとともに、前記したように分離されたガスは再度循環ガスとして合成ガス圧縮機60の第2段に入り165気圧まで昇圧され、アンモニア合成塔62に循環送給される。
なお、前記した本発明に用いる図4においては、流動層ガス化炉のガス化剤として、O2 とスチームを用いたが、これに限定されるわけではなく、流動層ガス化炉のガス化剤として空気とO2 の混合ガスも用いることができる。この場合、空気の使用量は、アンモニア合成に必要なN2 量によって制限される。従って、ガス精製工程としては、アンモニア合成に必要なN2 が含まれているため、N2 洗浄に代えてメタネーションプロセスを採用することが好ましい。
【0037】
図5は有機性廃棄物をガス化して得られたガス中のH2 分を分離した後の残ガスを流動層ガス化炉110の流動化用のガスとして再利用するようにしたブロック図であり、符号110は流動層ガス化炉、112は旋回式溶融炉、114はガススクラバー、116は酸性ガス除去工程、118はCO転化工程、120は水素分離工程、122は循環ガスコンプレッサ、aは有機性廃棄物、g′はO2 をそれぞれ示す。
所望のサイズに粉砕された有機性廃棄物aは、まず流動媒体に固い硅砂を用いて流動層を形成する低温の流動層ガス化炉110の上方に供給され、該流動層ガス化炉110の下方からガス化剤としてg′のO2 とともに、後述する流動化用ガスが循環供給されて流動層内の温度は、450〜950℃に保持されるとともに、有機性廃棄物aは部分酸化反応により速やかに熱分解ガス化される。
【0038】
流動層ガス化炉110に投入された有機性廃棄物aは、熱分解ガス化によりガス、タール、チャーなどが生成する。タールやチャーの大部分は発生ガスに同伴され、温度1350℃、圧力約40気圧の操作条件を有する旋回式溶融炉112で部分酸化反応により、CO、CO2 、H2 、H2 Oなどの粗製ガスに分解される。該高温の粗製ガスは旋回式溶融炉112下部の冷却室でガスの冷却が行われ、次いでガススクラバー114を経由してHCl等やダストなどが除去される。
冷却と除塵が行われた粗製ガスは、次工程の酸性ガス除去工程116で粗製ガス中に含まれるCO2 、H2 S、COSが除去される。さらに次工程のCO転化工程118にてCO転化触媒に流通させて、CO2 とH2 OがCO転化反応によりH2 とCO2 に転化される。なお、CO転化用の水蒸気は当該CO転化工程118内に含まれるサチュレータ(図示略)にて水と接触することにより付加される。
【0039】
CO転化触媒としては、CO転化工程には脱硫後のガスが送給されるため、通常用いる高温転化触媒(Fe系)、低温転化触媒(Cu系)を使用することができ、CO転化率を上げることができる。
CO転化工程118を出たH2 、CO2 、H2 Oと少量のCOを含む精製ガスは、圧力スイング吸着法又は水素分離膜などの手段を用いた水素分離工程120にて高純度のH2 ガスとH2 以外のCO2 、COなどを主成分とする残ガスとに分離される。該残ガスは循環ガスコンプレッサ122で昇圧された後、流動層を形成する低温の流動層ガス化炉110の下方からg′のO2 とともに供給され、流動媒体の流動化用ガスとして供される。
例えばスチームをガス化剤として多量に使用すると、ランニングコストが上昇するため、代りに、スチームに換えて空気を使用すると、生成ガス中に大量のN2 が混入してしまう。これを避けるためには、前記残ガスを再循環使用することが望ましい。水素分離工程120にて分離されたH2 ガスは、図示を省略した空気分離装置からのN2 が添加された後に、NH3 合成工程に送られてNH3 になるか、あるいはN2 を添加せずにH2 ガスのまま取り出される。
【0040】
以上の実施形態の中で述べたいずれの場合においても、系内からのパージ量を減らすために、N2 及びH2 以外のイナートガスはできるだけ、少なくすることが望ましい。本発明のような2段ガス化では、有機性廃棄物aを低温の流動層ガス化炉110で熱分解した場合、ガス中に多量の炭化水素を含むこととなる。
このガスは高温の旋回式溶融炉112にて部分燃焼及び水蒸気との反応により改質されて、CO、CO2 、H2 、H2 Oなどに転換させるのであるが、旋回式溶融炉112のガス化温度が低いと、旋回式溶融炉112から排出される粗製ガス中にCH4 、C2 4 などの未反応の炭化水素が残ることとなる。後流のガス精製工程でメタネーションプロセス工程を使用する場合は、これらの未反応炭化水素はアンモニア合成工程のイナートガスとなる。従って、当該未反応の炭化水素をできるだけ減らすために、旋回式溶融炉112のガス化温度を1300℃以上にすることが望ましい。
【0041】
図6は本発明の図5に示すその他の実施例であり有機性廃棄物をガス化、精製して得られたガスよりH2 分を回収し、除去されたCO2 主体の酸性ガスを流動層ガス化炉の流動化ガスとして再利用するようにしたブロック図であり、符号110は流動層ガス化炉、112は溶融炉、114はガススクラバー、116は酸性ガス除去工程、118はCO転化工程、121は酸性ガス除去工程、122は循環ガスコンプレッサ、aは有機性廃棄物、g′はO2 をそれぞれ示す。
所望のサイズに粉砕された有機性廃棄物aは、まず流動媒体に硅砂を用いた圧力約40気圧の流動層ガス化炉110の上方に供給され、該流動層ガス化炉110の下方からガス化剤としてg′のO2 とともに、後述する循環ガスコンプレッサ122を介して流動化用ガスが循環供給されて流動層内の温度は450〜950℃に保持される中で、有機性廃棄物aは部分酸化により速やかに熱分解ガス化される。
【0042】
流動層ガス化炉110に投入された有機性廃棄物aは、熱分解ガス化によりガス、タール、チャーなどが生成する。チャーの大部分は微粉化された後に、ガスの上向きの流れに同伴され、温度1350℃、圧力約40気圧の操作条件を有する溶融炉112でg′のO2 と反応し、CO、CO2 、H2 、H2 Oなどの粗製ガスに分解される。該高温の粗製ガスは溶融炉112下部の冷却室でガスの冷却が行われ、次いでガススクラバー114を経由してHCl等やダストなどが除去される。
冷却と除塵が行われた粗製ガスは、次工程の酸性ガス除去工程116で粗製ガス中に含まれるCO2 、H2 S、COSが除去される。さらに次工程のCO転化工程118にてCO転化触媒に流通させて、CO転化反応によりCOとH2 OはH2 とCO2 に転化される。なお、CO転化用の水蒸気は当該CO転化工程118内に含まれるサチュレータ(図示略)にて水と接触することにより付加される。
CO転化工程118を出たH2 、CO2 、とH2 O少量のCOを含む精製ガスは、さらに次工程の酸性ガス除去工程121にてCO2 が除去され、H2 を主成分とするガスが得られる。一方、除去されたCO2 は循環ガスコンプレッサ122で昇圧された後、流動層ガス化炉110の下方からg′のO2 とともに供給され、流動媒体の流動化用ガスとして供される。なお、得られたH2 を主成分とするガスは、N2 を添加しないでH2 ガスのみを取り出してもよいし、N2 を添加して合成ガスとし、NH3 合成工程に送給してNH3 としてもよく、H2 ガスの用途については限定するものではない。
【0043】
【発明の効果】
本発明により、以下の効果を奏する。
▲1▼ NH3 合成用等のH2 源を、安価でしかも自国内で調達可能な有機性廃棄物に転換出来る。これにより、H2 の製造原価を大幅に引き下げられる。
▲2▼ 有機性廃棄物をガス化してH2 とすることにより、従来の焼却処理に伴う様々な問題を回避出来る。すなわち、排ガスが大幅に削減され、ダイオキシン類は生成しない。また、廃棄物中の灰分は無害なスラグとなるため、埋立地の延命化が図れるとともに、路盤剤等への利用も可能となる。
【0044】
▲3▼ 廃棄物中に含まれる鉄、銅といった金属は、リサイクル可能な酸化されない状態で回収出来る。
こうして、廃棄物の有効利用と環境保全の立場から、有機性廃棄物のガス化設備をH2 製造設備やアンモニア合成設備に隣接して建設し、両者間を原料利用の面から有機的に結合することにより、トータルシステムとしてのメリットを享受出来る。
▲4▼ 廃棄物に、石炭あるいはオイルコークスといった燃料を補助的に供給することにより、廃棄物の質、量の変動の問題に対処可能となる。特に、廃棄物の質の低下による生成ガス性状の悪化に対しては、石炭等の燃料の混合比率を増すことにより、安定な操業を実現できる。
▲5▼ 低温及び高温のガス化炉で生成した粗製ガスを精製してH2 とCO2 、COなどを主成分とする残ガスとに分離することができるとともに該残ガスを流動層ガス化炉の流動化用ガスとして利用できるため、スケールアップに伴なう流動化用ガス源の不足などの問題が解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いるガス化溶融システムの構成図。
【図2】本発明に用いるガス化溶融システムの別の構成図。
【図3】本発明に用いるガス化溶融システムの別の構成図。
【図4】本発明の廃棄物からNH3 を合成する場合の全体工程図。
【図5】本発明の資源化装置のブロック工程図。
【図6】本発明の資源化装置の別のブロック工程図。
【図7】公知のガス化溶融システムの構成図。
【図8】RDFのN2 雰囲気中における熱分解特性を示すグラフ。
【符号の説明】
1:ホッパー、2:定量供給装置、3:流動層ガス化炉、4:流動層、5:フリーボード、6:バーナ、7:トロンメル、8:バケットコンベア、9:旋回式溶融炉、10:一次燃焼室、11:二次燃焼室、12:スラグ分離部、13:バーナ、14、14′:ロックホッパ、15、15′:スクリーン、16:流動媒体循環ライン、17:旋回式溶融炉(一体型)、18:高温ガス化室、19:急冷室、21:ガススクラバー、23:空気分離器、24:流動層ガス化炉、25:旋回式溶融炉、36:CO転化器、40:吸収塔、41:コンデンセートセパレータ、44:CO2 放散塔、50:H2 S放散塔、53:吸着塔、56:N2 洗浄塔、58:N2 ガス圧縮機、59:O2 ガス圧縮機、60:合成ガス圧縮機、61:空気圧縮機、62:NH3 合成塔、68:NH3 冷凍機、70:NH3 分離器、72:NH3 貯蔵タンク、110:流動層ガス化炉、112:溶融炉、114:ガススクラバー、116:酸性ガス除去工程、118:CO転化工程、120:水素分離工程、122:循環ガスコンプレッサ、100:ガス化工程、200:CO転化工程、300:酸性ガス除去工程、400:窒素洗浄工程、500:アンモニア合成工程、600:硫黄回収工程、
a:有機性廃棄物、a′:石炭又はオイルコークス、b:空気(流動層用)、b′:空気(フリーボード用)、b″:空気(溶融炉用)、c:粗大不燃物、d:硅砂、e、e2 、e3 :生成ガス、e1 :燃焼排ガス、f:スラグ、g:O2 +空気、g′:O2 、i:空気、j:O2 、k:N2 、m:スチーム、n:液体NH3 、q:硫黄

Claims (17)

  1. 有機性廃棄物を流動層ガス化炉でガス化し、得られるガス状物質とチャーを溶融炉に導入して高温でガス化し、得られたガスをガススクラバーへ導入して少なくともHClとダストとを除去し、次いでガススクラバーを経由したガスから酸性ガスを除去した後に、酸性ガスを除去したガスをCO転化し、引続き水素分離して水素を得る際に、水素分離後の残ガスを前記流動層ガス化炉の流動層に導入すると共に、流動層ガス化炉内から不燃物と流動媒体とを排出させ、次いで不燃物を除去した後、流動媒体を前記流動層ガス化炉内に戻すことを特徴とする有機性廃棄物の資源化方法。
  2. 前記水素分離は、圧力スイング吸着法又は水素分離膜を用いて行うことを特徴とする請求項1記載の有機性廃棄物の資源化方法。
  3. 有機性廃棄物を流動層ガス化炉でガス化し、得られるガス状物質とチャーを溶融炉に導入して高温でガス化し、得られたガスをガススクラバーへ導入して少なくともHClとダストとを除去し、次いでガススクラバーを経由したガスをCO転化し、引続き酸性ガスを除去して水素を得ると共に、流動層ガス化炉内から不燃物と流動媒体とを排出させ、次いで不燃物を除去した後、流動媒体を前記流動層ガス化炉内に戻すことを特徴とする有機性廃棄物の資源化方法。
  4. 有機性廃棄物を流動層ガス化炉でガス化し、得られるガス状物質とチャーを溶融炉に導入して高温でガス化し、得られたガスをガススクラバーへ導入して少なくともHClとダストとを除去し、次いでガススクラバーを経由したガスから酸性ガスを除去し、この酸性ガスを除去したガスをCO転化し、このCO転化したガスから酸性ガスを除去して水素を得ると共に、流動層ガス化炉内から不燃物と流動媒体とを排出させ、次いで不燃物を除去した後、流動媒体を前記流動層ガス化炉内に戻すことを特徴とする有機性廃棄物の資源化方法。
  5. 前記溶融炉は、旋回式溶融炉であることを特徴とする請求項1又は3記載の有機性廃棄物の資源化方法。
  6. 前記流動層ガス化炉は、内部循環式流動層ガス化炉であることを特徴とする請求項1又は3記載の有機性廃棄物の資源化方法。
  7. 前記流動層ガス化炉でのガス化と溶融炉での高温ガス化は、5〜90気圧の加圧下で行うことを特徴とする請求項1又は3記載の有機性廃棄物の資源化方法。
  8. 前記流動層ガス化炉は、内部温度が450〜950℃であり、溶融炉は、内部温度が1200℃以上であることを特徴とする請求項1又は3記載の有機性廃棄物の資源化方法。
  9. 前記有機性廃棄物は、低位発熱量が平均値として3500kcal/kg以上あることを特徴とする請求項1又は3記載の有機性廃棄物の資源化方法。
  10. 前記流動層ガス化炉には、ガス化剤として酸素又は酸素とスチームの混合ガスを供給し、前記溶融炉には、ガス化剤として酸素又は酸素とスチームの混合ガスを供給することを特徴とする請求項1又は3記載の有機性廃棄物の資源化方法
  11. 前記ガス化は、流動層ガス化炉にガス化剤として酸素と空気又は酸素と空気とスチームの混合ガスを供給し、前記溶融炉にガス化剤として酸素又は酸素とスチームの混合ガスを供給してガス化し、得られるガス中のCOとH 2 の合計とN 2 とのモル比がほぼ3:1である生成ガスを得ることを特徴とする請求項3記載の有機性廃棄物の資源化方法
  12. さらに、得られた水素と窒素とを反応させてアンモニアを合成することを特徴とする請求項1又は3記載の有機性廃棄物の資源化方法
  13. 有機性廃棄物の供給口と、酸素含有ガスの供給口と、不燃物と流動媒体を排出する排出口と、該排出口から排出される上記不燃物と上記流動媒体との混合物から分離回収した流動媒体を流動層ガス化炉に戻すための流動媒体の供給口を備える、有機性廃棄物をガス化させる流動層ガス化炉と、該流動層ガス化炉からのガス状物質とチャーを高温でガス化させる溶融炉と、該溶融炉からのガスを冷却する冷却室と、該冷却室からのガスから少なくともHClとダストとを除去するガススクラバーと、該ガススクラバーを経由したガスから酸性ガスを除去する酸性ガス除去装置と、除去後のガスをH2とCO2に転換するCO転化器と、得られたガスから水素を分離する水素分離装置を有し、該水素分離装置の水素分離後の残ガスを流動層ガス化炉の流動層に導入する経路を設けたことを特徴とする有機性廃棄物の資源化装置。
  14. 有機性廃棄物の供給口と、酸素含有ガスの供給口と、不燃物と流動 媒体を排出する排出口と、該排出口から排出される上記不燃物と上記流動媒体との混合物から分離回収した流動媒体を流動層ガス化炉に戻すための流動媒体の供給口を備える、有機性廃棄物をガス化させる流動層ガス化炉と、該流動層ガス化炉からのガス状物質とチャーを高温でガス化させる溶融炉と、該溶融炉からのガスを冷却する冷却室と、該冷却室からのガスから少なくともHClとダストとを除去するガススクラバーと、該ガススクラバーを経由したガスをH2とCO2に転換するCO転化器と、得られたガスから酸性ガスを除去する酸性ガス除去装置を有することを特徴とする有機性廃棄物の資源化装置。
  15. 有機性廃棄物の供給口と、酸素含有ガスの供給口と、不燃物と流動媒体を排出する排出口と、該排出口から排出される上記不燃物と上記流動媒体との混合物から分離回収した流動媒体を流動層ガス化炉に戻すための流動媒体の供給口を備える、有機性廃棄物をガス化させる流動層ガス化炉と、該流動層ガス化炉からのガス状物質とチャーを高温でガス化させる溶融炉と、該溶融炉からのガスを冷却する冷却室と、該冷却室からのガスから少なくともHClとダストとを除去するガススクラバーと、該ガススクラバーを経由したガスから酸性ガスを除去する第一の酸性ガス除去装置と、第一の酸性ガス除去装置を経由したガスをH 2 とCO 2 に転換するCO転化器と、該CO転化器から得られたガスからから酸性ガスを除去する第二の酸性ガス除去装置を有することを特徴とする有機性廃棄物の資源化装置。
  16. 前記酸素含有ガスが酸素と空気又は酸素と空気とスチームの混合ガスであることを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の有機性廃棄物の資源化装置
  17. 得られた水素と窒素とを反応させてアンモニアを合成するためのアンモニア合成装置をさらに備える請求項13又は14に記載の有機性廃棄物の資源化装置
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