JP4561779B2 - 旋回溶融炉及び旋回溶融炉を用いた廃棄物のガス化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、各種の可燃性廃棄物及び/又は石炭をガス化する旋回溶融炉及び旋回溶融炉を用いた廃棄物のガス化方法に係わるもので、サーマルリサイクル、マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクルを目指す廃棄物の処理方法に関する。
従来、都市ごみ、廃タイヤ、下水汚泥、産業スラッジの相当割合が焼却処理設備により、また、し尿や高濃度廃液が廃水処理設備により処理されてきた。しかし、未だ多くの産業廃棄物が未処理のまま投棄され、環境を汚染するとともに埋立地の窮迫を招いた。このため、廃棄物を低温でガス化処理した後に高温で燃焼することにより、灰分を溶融スラグ化すると共にダイオキシン類を完全分解するガス化溶融システムの実用化が急がれている。
一方、国内の化学会社に於いて、石炭をガス化することにより製造した水素より、アンモニアを一貫生産する技術が既に工業化されている。ここではテキサコ式ガス化炉が用いられ、石炭を微粉砕して水スラリー化した後に酸素と共に下向きのバーナから吹き出すことにより、1500℃の高温下にて一段でガス化を行う。石炭を65%程度の水スラリーとすることにより、40気圧という高圧下での安定したガス化が可能となっている。このテキサコ炉は、米国でのガス化複合サイクル発電の実証プラントにも用いられている。カリフォルニア州のダゲットで実施されたクールウォータープロジェクトや、フロリダ州タンパで実施中のタンパ電力プロジェクトがそれである。
図15にクールウォータープロジェクトで用いられた石炭ガス化プロセスを示す。図15において、100はテキサコ式の廃熱ボイラ型ガス化炉、106は燃焼室、107はスラグ分離室、108は輻射ボイラ、109は水槽、110はロックホッパー、111は貯留槽、112はスクリーン、113は対流ボイラ、114はスクラバー、115は貯留槽、aは高濃度石炭・水スラリー、cは酸素、dはスチーム、gはスラグ粒(gcは粗粒スラグ、gfは微粒スラグ)、hは生成ガス、iは水、jは未燃カーボンである。
図16にテキサコ式ガス化炉の別の形式として、ダイレクトエンチ型ガス化炉の断面を示す。図16において、101はバーナ、102はスロート部、103は下降管、104はガス出口、107はスラグ分離室、106は燃焼室、109は水槽、116はスラグ出口、117は冷却管、aは高濃度石炭・水スラリー、cは酸素、gはスラグ粒、hは生成ガス、kは補給水、mは排水、nはスラグミスト、oはスラグ層、pはスラグ滴である。
高濃度石炭・水スラリーaは、酸素(O2)cとともに炉頂のバーナ101から燃焼室106の中に吹き込まれる。燃焼室内では高温、高圧の条件でガス化が行われ、水素(H2)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)、水蒸気(H2O)を主成分とするガスが生成される。石炭中の灰分は、高温のため溶融してスラグミストnとなり、多くは壁面に付着してスラグ層oを形成する。スラグ層oを流れ下ったスラグは、スロート部102を経て、スラグ滴pとしてスラグ分離室107へ落下する。ガス中に残留するスラグミストnは、ガスと共にスロート部102を経てスラグ分離室107に入る。次いで、ガスとスラグは、下降管103内を下降して水槽109中の水に吹き込まれて冷却され、その時の条件の水の飽和温度となったガスは、ガス出口104より排出される。一方、水砕されガラス状となったスラグ粒gは、水槽109の底部に堆積した後に、スラグ出口116より排出される。水槽109中の水は排水mとして別置きのセトラー(図示せず)に排出される。
廃棄物を低温でガス化した後に、高温でガス化する方法にて、後段の高温ガス化炉には、次のような問題点がある。低温ガス化炉から高温ガス化炉へ供給されるガス中には、水素、一酸化炭素等の、燃焼速度の速い可燃性ガスと、燃焼速度の極めて遅いチャーが混在しているため、酸素と接触した際に燃焼速度の速い可燃性ガスが選択的に部分燃焼されてしまう。このため、チャーのガス化転換率が低くなるという問題である。
またガスを重力と反対方向に流した場合、重力によりスラグの流れる方向と、ガスの流れる方向が逆になるため、ガスに含まれるスラグがに付着、成長してガスの流路を防ぐ問題があった。
本発明は、上記の問題点を解決し、各種の廃棄物を水スラリー化せずに原料とすることができ、高負荷処理が可能で未燃カーボンの少ない旋回溶融炉から構成される2段ガス化システムを提供することを課題とする。
本発明は、粉粒状固形物を含む可燃性のガス状物を1200〜1600℃にてガス化する燃焼室と、生成したスラグを冷却して回収するスラグ分離室を有する旋回溶融炉において、燃焼室と同軸で一体のしかも燃焼室の径の1/4〜3/4の径を有するガス状物の導入部を配し、該導入部には、供給したガス状物が旋回流を生ぜしめるように、導入部の水平断面の接線方向に向けた供給口を設けるとともに、前記燃焼室の導入部直下の周囲には、含酸素ガスを20〜60m/秒にて吹き込む吹込口を設け、前記燃焼室の内壁面より離間した内側に、供給したガス状物が旋回する旋回流が形成され、前記旋回流は粒子状の可燃分を多く含有する外周側の旋回流とガス状の可燃分を多く含有する内周側の旋回流とを含み、前記粒子状の可燃分を多く含有する外周側の旋回流に向けて燃焼室の内壁面側から酸素を供給し、前記粒子状の可燃分のガス化を促進するようにしたことを特徴とする旋回溶融炉にある。
本発明は、可燃性廃棄物をガス化剤と接触させて粉粒状固形物を含む可燃性のガス状物を得る流動層ガス化炉と、前記粉粒状固形物を含む可燃性のガス状物を1200〜1600℃にてガス化する燃焼室と生成したスラグを冷却して回収するスラグ分離室を有する旋回溶融炉とを備える可燃性廃棄物の二段ガス化システムであって、
燃焼室と同軸で一体のしかも燃焼室の径の1/4〜3/4の径を有するガス状物の導入部を配し、該導入部には、供給したガス状物が旋回流を生ぜしめるように、導入部の水平断面の接線方向に向けた供給口を設けるとともに、前記燃焼室の導入部直下の周囲には、含酸素ガスを20〜60m/秒にて吹き込む吹込口を設け、前記燃焼室の内壁面より離間した内側に、供給したガス状物が旋回する旋回流が形成され、前記旋回流は粒子状の可燃分を多く含有する外周側の旋回流とガス状の可燃分を多く含有する内周側の旋回流とを含み、前記粒子状の可燃分を多く含有する外周側の旋回流に向けて燃焼室の内壁面側から酸素を供給し、前記粒子状の可燃分のガス化を促進するようにしたことを特徴とする可燃性廃棄物の二段ガス化システムにもある。
本発明の旋回溶融炉では、可燃物の粉粒状固形物を含んだ可燃性ガスを、燃焼室直上の、燃焼室の径より小さい径の導入部に供給して旋回流を生ぜしめ、得られる遠心力によりガス中の粉粒状固形物を壁面近傍に濃縮し、旋回流を保ったまま、より大きな径の燃焼室に供給する。
前記高温ガス化炉において、含酸素ガスの吹込口は、前記導入部下方の燃焼室側面の同一平面上に離間して2箇所以上設けるか、或いは前記燃焼室の側面の上下方向に離間して設けたとしてもよく、吹き込みの方向は仮想円にほぼ接した方向が良く、また、前記燃焼室は、内部温度が1200〜1600℃、好ましくは1200〜1500℃であり、内部圧力が常圧近傍或いは5〜90気圧、好ましくは10〜40気圧であるのが良く、燃焼室に吹き込む含酸素ガスは、空気、酸素富活空気、酸素のいずれか又はこれらにスチーム又は炭酸ガスを添加したものが良い。さらに前記燃焼室は、炉材中に水管を配したボイラ構造とすることもできる。
また、前記燃焼室の下に接続されるスラグ分離室は、輻射ボイラとスラグ分離室側面の間に空間を設け、前記ガス排出口を該空間の側面上部に設けると共に、前記輻射ボイラと水槽の水面の間にガス通路を設けるか、或いは、前記輻射ボイラが前記水槽の水中に没した構造とすることが出来る。
また、前述したような輻射ボイラに限定することなく、熱回収を目的としないガス導入管を輻射ボイラの代わりに用いることもできる。
また、前記燃焼室出口の開口部に、ガス整流板を設けて、スラグ分離室内の旋回流を抑制することもできる。
本発明によれば、次のような効果を奏する。
(1)溶融炉の燃焼室を旋回炉タイプとすることにより、高負荷処理が可能となった。
(2)燃焼室をボイラ構造とすることにより、炉材を保護すると共にスチームの回収量を上げられる。
(3)輻射ボイラとスラグ分離室壁面の間に空間を設け、輻射ボイラの内部を下降したガスを反転させてボイラ背面を上昇させることにより、輻射ボイラの伝熱面積を増やすことができ、スチームの回収量を増加させると共にガスの温度降下を大きくすることができる。
(4)輻射ボイラの下端を水中に没することにより、ガスとスラグを水中に吹き込み急冷させることができる。
(5)燃焼室を旋回炉型とすることにより、燃焼室内のスラグ滞留時間を長くし、未燃カーボンを減らすことができる。
(6)ガス状物の旋回流を形成し、その外周側に向けて酸素を供給することにより、粒子状可燃分のガス化転換率を高めた。
(7)ガス状物の旋回流を燃焼室の内壁面より離間した内方に形成することにより、内壁の損傷を低減できる。
本発明は、都市ごみ、廃プラスチック、石炭等の廃棄物並びに可燃物をガス化することにより、得られたガスを化学工業や燃料として利用することができる。
次に、本発明を図面により具体的且つ詳細に解説する。
図1に、本発明に係わる低温ガス化炉として流動層ガス化炉、高温ガス化炉として旋回溶融炉を用いた廃棄物の二段ガス化システムの全体構成図を示す。図1の記号は、1は流動層ガス化炉、2は流動層、3はロックホッパー、4はスクリーン、5は旋回溶融炉、6は燃焼室、7はスラグ分離室、8は輻射ボイラ、9は水槽、10はロックホッパー、11は貯留槽、12はスクリーン、13は対流ボイラ、14はスクラバー、15は貯留槽、qは廃棄物、bは石炭、cは酸素、dはスチーム、eは砂、fは不燃物、gはスラグ粒(gcは粗粒スラグ、gfは微粒スラグ)、hは生成ガス、iは水、jは未燃カーボンである。
図1に示した二段ガス化システムに適用可能な可燃性廃棄物には、都市ごみ、固形化燃料、スラリー化燃料、廃プラスチック、廃FRP、バイオマス廃棄物、自動車廃棄物、低品位石炭等がある。ここで、固形化燃料とは都市ごみを破砕選別後、生石灰等を添加して圧縮成形したもの、スラリー化燃料とは都市ごみを破砕後水スラリー化し、高圧下で水熱分解により油化したものである。FRPは繊維強化プラスチックのことであり、廃バイオマスには上下水廃棄物(夾雑物、下水汚泥)、農産廃棄物(もみがら、稲わら)、林産廃棄物(のこくず、バーク、間伐材)、産業廃棄物(パルプチップダスト)、建築廃材等がある。低品位石炭には、石炭化度の低い泥炭、もしくは選炭時に出るボタ等がある。
可燃性廃棄物qは流動層ガス化炉1に定量供給されるが、粗破砕程度の前処理で供給できるところが、内部旋回型流動層炉を用いる大きなメリットである。廃棄物qの質の変動は避けられないため、石炭を一定量併用することにより、操業条件並びにガス組成の安定化を図ることができる。流動層ガス化炉1には流動化ガスとして酸素cとスチームdの混合ガスが供給される。ガス化炉1に供給された廃棄物qと石炭bは、550〜850℃に保持された砂eの流動層2内で、酸素cやスチームdといったガス化剤と接触して速やかに熱分解ガス化される。
流動層ガス化炉1の炉底からは、廃棄物q中の不燃物fが砂eと共にロックホッパー3を介して排出され、スクリーン4により粗大な不燃物が分離される。スクリーン4下の砂eは上方に搬送され、ガス化炉1に戻される。不燃物f中の金属は、流動層ガス化炉1の流動層が比較的低い温度で、しかも還元雰囲気であるため、未酸化でクリーンな状態で回収される。流動層の砂eが、中央部で下降し周辺部で上昇する旋回運動をするため、効率の高いガス化が行われる。ガス化により生成する固形カーボンはこの砂の旋回運動により粉砕され、微粉状となって上向きのガス流れに同伴する。ガス化炉の流動媒体として用いる砂eには、硬くしかも入手の容易な硅砂を用いるのが好ましい。流動媒体が硬いと、旋回を伴なう流動化により固形カーボンの微粉砕が容易となるからである。硅砂の場合、平均粒径が0.4〜0.8mmのものが用いられる。
ガス化炉1で生成したガスは、固形カーボンを含んだまま旋回溶融炉5の燃焼室6の上部に旋回流を形成するように円周方向に加速して吹き込まれ、同じく旋回流を作るよう数ヵ所に分けて供給された酸素cと混合しながら、1200〜1500℃の高温で瞬時にガス化される。なお、酸素cには必要に応じスチームdを添加してもよい。このため、固形カーボン中の灰分は瞬時にスラグミストn化される。高負荷処理に適した旋回溶融炉5を用いることにより、溶融炉5自身がコンパクトとなり、放熱損失を減らすことができる。しかも、旋回流の遠心力効果により、スラグミストnの捕集効率を高くできる。また、ガスの滞留時間にバラツキをなくすことができるため、未燃カーボンjの発生量を大幅に減らすことができる。燃焼室におけるガスの滞留時間は2〜10秒、好ましくは3〜6秒である。カーボンの未燃損失が減らせれば、これをガス化炉に再供給するための設備負荷を減らすことも可能となる。
図2は旋回溶融炉の縦断面図を示し、図3は図2の矢視Aから見た横断面図を示す。図2及び図3において、流動層ガス化炉1から供給される生成ガスhと溶融炉5の側面から供給される酸素cは、仮想円柱の接線方向に吹き込まれた仮想円と同一径の旋回流を形成する。
旋回流の作る仮想円の径は、旋回溶融炉5の内径rの1/2〜2/3とされるが、特に溶融炉5の内径が1.5mより大きい場合は、炉壁より250mm程度離すことが好適である。仮想円の径がこれより大きいと、火炎が炉壁に直接接触することによって、炉材の損傷が加速される。また、生成ガスhと酸素cの吹き込み角度については、水平より下向きに3〜15°、好ましくは5〜10°つけることが望ましい。生成ガスhの吹き込みを完全に水平方向とすると、一部のチャーが燃焼室上部に出来たデッドスペースに入り込むことによって、スラグの塊状物を生じるという問題を有する。このため下向きに角度をつけて生成ガスhを吹き込むことにより、含まれるチャーを全量旋回流中に同伴させることが可能となる。ただし、この吹き込み角度を大きくとりすぎると、旋回流の流れと流れの間に隙間を生じ、燃焼室内の実質的なガス滞留時間を短くして、ガス化効率を低下させるといった問題を生じる。酸素cの吹き込み角度についても、この生成ガスhの作る旋回流の流れを乱すことなく、むしろ助長するように同一角度とすることが望ましい。
以上述べた生成ガスhと酸素cの吹き込み方法については、特に図17に具体化して示す。図17に示されるように、生成ガスhと、酸素cとスチームdの吹き込み角度は水平より下向きに傾いている。
流動層ガス化炉1から供給される生成ガスの流速は10〜30m/秒、旋回溶融炉5の側面から供給される酸素cの流速は20〜60m/秒とされる。
ガス状物に、チャー等の可燃性粒子が多く含まれる場合は、酸素に水蒸気を混入させることが望ましい。水性ガス化反応で、カーボンをCOと水素に転換するための必要な水蒸気が、流動層ガス化炉に吹き込まれる水蒸気だけでは不足するからである。
このようにガス化ゾーンを旋回させることにより、チャーrと酸素cを直接接触させることで、カーボン転換率を高くするとともに、冷ガス効率を引き上げ、また旋回径を炉壁から離すことによって耐火物の損傷を低減し、耐火物からボイラ管への放熱を下げることが望ましい。
旋回溶融炉5における燃焼室6出口のスラグ分離室7との接続部の構造については、旋回流を減衰させること、輻射ボイラ8にスラグが付着しないことの2点を勘案する必要がある。スラグ分離室7に流入したガスは、さらに旋回流を弱めながら、輻射ボイラ8の内部を下降する。輻射熱を吸収されつつ降温したガスは、水面と輻射ボイラ8の間を通過した後に輻射ボイラ8の背面を上昇する。こうして、輻射ボイラ8との熱交換を済ませたガスは、スラグ分離室7より排出される。一方、燃焼室6から流れ落ちたスラグは、水槽中に落下して急冷される。水槽9中に蓄えられたスラグ粒gは、ロックホッパー10により適宜貯留槽11へ排出される。ここで回収された粗粒スラグgcは未燃カーボンを含まないため、各種土木建材あるいはセメントの原料として利用される。スラグ分離室の水槽で回収されるスラグ粒の大部分は粗粒スラグgcとなる。
旋回溶融炉5を出たガスは、再度対流ボイラ13にて熱回収された後、スクラバー14で十分洗浄される。塩化ビニールを含む廃棄物qを用いると、生成ガス中に高濃度のHCl(塩化水素)が存在するが、NaOH(水酸化ナトリウム)、Na2CO3(炭酸ナトリウム)等のアルカリ剤の水溶液でスクラビングすることにより、HClはほぼ完全に除去することが出来る。スラグ分離室7からのガスに同伴してきた微量のスラグミストnや未燃カーボンjも、スクラバー14にて捕集される。貯留槽15に排出され沈降濃縮された微粒スラグgf中には、未燃カーボンjがかなり多く含まれるため、ガス化炉に再供給することが望ましい。スクラバー14以降のフローは図示していないが、ガスの利用目的に応じた方法により精製される。
表1に、ガス化に用いる石炭、廃プラスチック、シュレッダーダスト、汚泥を石炭:廃プラスチック:シュレッダーダスト:汚泥=40:30:20:10の構成として得られた混合原料の水分、元素分析、発熱量を示す。
Figure 0004561779
表2は、想定される物質収支である。
Figure 0004561779
表2より、混合原料1000kg/hr当り、ガス化炉への酸素+スチームが790.5kg/hr溶融炉への酸素が486.4kg/hr必要であり、これより2237.5kg/hrの溶融炉ガスの得られることが判る。なお、溶融炉ガス中の78.8kg/hrは灰分で、この80〜90%が粗粒スラグ、10〜20%が微粒スラグである。
表3は、溶融炉燃焼室出口ガスの湿ガス組成と乾ガス組成を示している。
Figure 0004561779
表3から乾ガス組成の80%近くは可燃性ガスのH2とCOが占めている。溶融炉の温度が高いため、CH4(メタン)の生成はほとんどない。これを用いて、冷ガス効率を求めると68.9%であった。また、ガス化剤として用いた全酸素量は完全燃焼に必要な量の45%であった。
図4に、本発明による旋回溶融炉の別の実施例の断面図を示す。
本実施例では、可燃性の粉粒状固形物を含んだ可燃性ガスを、燃焼室直上の導入部に供給して旋回流を生ぜしめ、得られる遠心力によりガス中の粉粒状固形物を壁面近傍に濃縮し、旋回流を保ったまま、より大きな径の燃焼室に供給する。
粉粒状固形物を含む可燃性ガスを供給する燃焼室直上の導入部は、その口径を燃焼室の1/4〜3/4とするのが良く、特に1/2程度が最適である。この時、燃焼室への含酸素ガスの吹き込みは、燃焼室上部側面の2カ所以上から分散して行い、吹き込み方向は導入部内壁を延長した仮想円柱に接するように行うのがよい。本実施例の場合、生成ガス吹き込み口と酸素吹き込みノズルの垂直位置が離れているため、図2の場合と異なり燃焼室上部のデッドスペースにスラグの塊状物を生じる問題が生じにくい。この場合は、吹き込み方向は水平に対し10〜70°の下向き角度で行うこともできる。このように、含酸素ガスを下向きの角度で吹き込むことにより、火炎を下向きに伸ばし火炎の直射による炉壁の損傷を防止することが出来る。
燃焼室の内部温度は、固形物中の灰分が溶流する温度より50〜100℃高く、しかも1200〜1600℃の範囲内になるよう設定する。炉内温度の上昇は炉壁の損傷を促進するので、必要に応じ石灰石などを添加して灰の溶流温度を下げてもよい。
図4において、18は導入部、19はガス状物入口、20はボイラ水管、sはガス状物、tはチャーで、特にt′はチャーの濃縮層である。
前段の低温ガス化炉(図示せず)で生成したガスsとチャーtは、旋回溶融炉5の導入部18のガス状物入口19に供給され、導入部18内で強い旋回流を発生する。この旋回流による遠心力のため、ガス中のチャーtは壁面付近に集まり、円筒状のチャー濃縮層t′が形成される。図5(a)に、導入部のA−A断面図を示す。図示されるように、導入部18の壁面に沿ってチャーtの濃縮層t′が形成される。
図3に戻り、ガスを旋回させた状態で燃焼室6に導入すると、燃焼室上部に等間隔で設けた4カ所のノズル22から酸素cとスチームdが吹き込まれ、1400℃前後で高温ガス化が行われ、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気を主成分とするガスが生成される。なお、図3では、燃焼室上部に等間隔で4カ所の酸素吹き込みノズルを設けた例について説明したが、これに限定せずに旋回溶融炉5の規模によって、必要に応じて増減することが可能である。尚、図4にてガス導入部18で壁面に捕捉されたチャーt中の灰分が燃焼室6からの輻射熱により半溶融状態となりクリンカーを生成する恐れがある。この問題を解決するためには、ガス導入部18にも一部分の酸素cとスチームdを吹き込み、導入部18の温度を上げることが有効である。
チャーtも高温で燃焼するため、チャーt中の灰分はスラグミストnとなる。図4のB矢視図、すなわち燃焼室上部のB−B矢視図を図5(b)に示す。図示されるように、導入部18で形成された円筒状のチャー濃縮層t′を直撃するように、燃焼室6周辺から酸素cが下向きに吹き込まれ、チャーtが優先的に酸化分解され、ガス化のための熱源となる。こうして、未燃カーボンjの発生の少ない高効率のガス化が実現できる。
旋回流により大部分のスラグミストnは壁面に付着して薄いスラグ層oとなる。ガスとガス中に残ったスラグミストnは、スロート部24を通過してスラグ分離室7に入る。同じく、燃焼室壁面のスラグ層oを流れ下ったスラグは、スラグ滴pとなってスラグ分離室7に落下する。下降管17を下降したガスとスラグは、スロート部24下部の下降管17の接合角部の周方向に配設された補助スプレー30によって下降管17の内壁面の冷却と同時にガスやスラグを噴霧冷却した後、水槽9中の水に吹き込まれて急冷される。下降管17の外側を上昇したガスは、スラグ分離室7に設けたガス出口26より排出される。本例では、下降管17はボイラ構造となっているため、下降管17を冷却する必要はない。
水槽9底部に堆積したスラグgは、スラグ出口28より排出される。未燃カーボンjは、ガス化原料としてリサイクルするが、その量は少ない方が望ましい。
図6は、本発明による別の旋回溶融炉で、スラグ分離室7内に輻射ボイラ8、底部に水槽9が配されている。燃焼室6にて生成したガスとスラグは、スロート部24を介して、スラグ分離室7に入る。スラグ分離室7内の輻射ボイラ8により、ガスとスラグの発する輻射熱は効率よく吸収される。輻射ボイラ8を通過したガスは水面の直上で反転し、慣性力によりスラグを水中に落下させた後に、スラグ分離室7の側面に設けたガス出口26から排出される。従って、ガスは水と直接接触することなく後段の対流ボイラ(図示せず)に供給されるため、結果的に多量の高温高圧スチームを回収できる。このタイプの高温酸化炉は、発電を目的とする場合に用いられる。
図7は、輻射ボイラ8をスラグ分離室7の壁面に設けた別タイプの旋回溶融炉5である。スラグ分離室内の構成は図15とほぼ同じで、輻射ボイラ8の内側を下降したガスは、輻射ボイラ8の下端と水面の間の側壁に設けられたガス出口より排出される。このガス出口には、スラグ避けのカバーが取り付けられている。
輻射ボイラ8はスラグの流下地点から離れて設置されるため、スラグが輻射ボイラに付着しにくいのが特長である。ただし、熱回収には輻射ボイラ8の内面しか利用されないのが欠点である。
図8は、輻射ボイラ8の下端を延長して水中に没するようにし、ガスが水中に吹き込まれるようにした別タイプの旋回溶融炉5である。これは輻射ボイラ8で熱回収した後のガスを250℃以下に一気に降温するとともに、スラグミストnや未燃カーボンjの大部分をここで捕集しようとするものである。水の蒸発量が多くなるので、水蒸気を後段のプロセスで有効に使える場合に適している。例えば、生成ガスの中のCOの全量をシフト反応によりH2に変換する場合が挙げられる。ただし、粗粒スラグgc,微粒スラグgf,未燃カーボンjが一緒になるので、後でスクリーン等を用いて分別する必要が生ずる。また、廃棄物に含まれる低沸点金属の大部分がここで捕集されるため、廃水処理の負荷が大きくなることは考慮する必要がある。
図9は、廃棄物から水素(H2)、一酸化炭素(CO)の混合ガスを製造するための2段ガス化システムの要部を示す。31は原料貯留槽、32は原料ロックホッパー、33は原料供給装置、1は流動層ガス化炉、5は旋回溶融炉、36は空気圧縮機、37は酸素圧縮機、38は不燃物排出装置、39は流動媒体ロックホッパー、40は不燃物ロックホッパー、41は不燃物コンベア、42は磁選機、43は流動媒体循環エレベータ、44は磁選機、45は振動篩、46は粉砕機、47は流動媒体ロックホッパー、48は流動媒体ホッパー、52はガススクラバー、qは廃棄物、gは空気、fは不燃物(添字:Lは38の篩上、Sは38の篩下)、eは砂、rはチャー、uは水、dはスチームである。
予め破砕・選別等の前処理を施した廃棄物qは、原料貯留槽31に貯留された後に原料ロックホッパー32を通過して、例えば40気圧程度に昇圧され、スクリュー式の原料供給装置33により流動層ガス化炉1に定量供給される。ガス化炉の下からは空気gと酸素(O2)cの混合ガスがガス化剤兼流動化ガスとして送入される。廃棄物はガス化炉内の砂eの流動層に投入され、550〜850℃に保持された流動層内で酸素と接触することにより、速やかに熱分解ガス化される。ガス化炉の炉底からは砂が不燃物fやチャーrとともに間欠的に排出され、不燃物排出装置38により粗大不燃物fLが分離され、不燃物ロックホッパー40で減圧された後に、不燃物コンベア41により持ち上げられ、磁選機42により磁性物nL1すなわち鉄分と、非磁性物nL2に分別される。一方、不燃物排出装置の篩下となった砂は、不燃物fsやチャーとともに、流動媒体循環エレベータ43で上方に搬送され、磁選機44で磁性物ns1を分離する。後は、振動篩45とボールミル型の粉砕機46により、流動媒体の砂eは粉砕せず、不燃物fとチャーrを微粉砕してガス化炉に戻す。不燃物に含まれる金属は、ガス化炉内が還元雰囲気であるため、酸化されないクリーンな状態で回収される。
投入された廃棄物の熱分解ガス化によりガス、タール、炭化物が生成するが、炭化物は流動層の撹乱運動により微粉砕されてチャーとなる。
固形物であるチャーは多孔質で軽いため、ガス状物であるガス、タールの流れに同伴されて運ばれる。ガス化炉を出たガス状物hは旋回溶融炉5に供給され、燃焼室6に導入される。そこで吹き込まれた酸素cと旋回流中で混合しながら、1400℃の高温で酸化分解される。生成した水素、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気主体のガスはスラグgと共に、スラグ分離室7にて水と直接接触して洗浄急冷される。スラグ分離室7を出たガスhは、ガススクラバー52にて残存するダストや塩化水素等を除去される。スラグ分離室7の下部からは水槽9に堆積したスラグ粒gが排出される。また、スラグ分離室7の側壁から排出された排水mは次工程の図示を省略した廃水処理装置にて処理される。回収されたスラグは主としてセメントや土木建築用の資材として有効利用される。
図10に、流動層ガス化炉1の例を示す。ガス化炉1には、流動媒体eを流動層2の中央部と周辺部の間で旋回させるタイプの流動層炉を、溶融炉5には、可燃ガスとガス化剤を高速で旋回しながら高温燃焼するタイプの旋回式溶融炉を使用している。
ガス化炉1に供給された廃棄物qは、好ましくは550〜850℃に保持された流動層2中で酸素、スチームと接触することによりガス化される。不燃物fは流動媒体eと共に抜き出され、スクリーン4で分離され、不燃物fのみがロックホッパ10を介して外部排出され、流動媒体eはガス化炉1に戻される。ガス化により生成したガス、タール、チャーは、後段の溶融炉5の燃焼室6に供給され、1200〜1500℃の高温でガス化される。このため、チャー中の灰分は溶融スラグ化され、スラグ分離室7の水槽9からガラス状のスラグ粒gとして回収される。10はロックホッパ、12はスラグスクリーンである。溶融炉を出た生成ガスhは、スクラバー14でスラグミストやHClを除去し、COシフトや酸性ガス除去の工程を経た後に、合成ガス(CO+H2)となる。このように本システムでは廃棄物の合成ガスへの転換を目的とするため、ガス化炉及び溶融炉へはガス化剤として酸素cと水蒸気dが供給される。また、炉内の圧力は通常10〜40気圧の加圧状態で操作される。
流動層ガス化炉では砂(硅砂、オリビン砂など)、アルミナ、鉄粉、石灰石、ドロマイト等を流動媒体として用いる。廃棄物のうち、都市ごみ、バイオマス廃棄物、プラスチック廃棄物、自動車廃棄物等は30cm程度に粗破砕する。固形化燃料、スラリー化燃料はこのまま使用する。低品位石炭は、40mm以下に粗破砕する。これらを、複数のピットに分けて受入れ、各々のピットで十分攪拌・混合した後に、適宜ガス化炉に供給する。
図11は、低温ガス化装置の主要部の図解的な縦断面図、図12は、図11のガス化装置の図解的な水平断面図である。図11に示されるガス化装置において、流動層炉1内へ炉底に配置される流動化ガス分散機構を介し供給される流動化ガスは、炉底中央部204付近から炉内へ上向き流として供給される中央流動化ガス207及び炉底周辺部203から炉内へ上向き流として供給される周辺流動化ガス208からなる。
中央流動化ガス207と、周辺流動化ガス208は、酸素、酸素と水蒸気の混合気体、及び水蒸気の3種の気体の内の1つから選択される。中央流動化ガスの酸素含有量は、周辺流動化ガスより低くされる。流動化ガス全体の酸素量は、廃棄物211の燃焼に必要な理論量の30%以下とされる。
中央流動化ガス207の質量速度は、周辺流動化ガス208の質量速度より小とされ、炉内周辺部上方における流動化ガスの上向き流はデフレクタ206により炉の中央部方向へ転向される。それによって、炉の中央部に流動媒体(一般的には硅砂を使用)の下降流動層209が形成されると共に炉内周辺部に流動媒体の上昇流動層210が形成される。流動媒体は、矢印118で示すように、炉周辺部の上昇流動層210を上昇し、次にデフレクタ206により転向され、下降流動層209の上部へ流入し、下降流動層209を下降し、次に矢印112で示すように、ガス分散機構106に沿って移動し、上昇流動層210の下方へ流入することにより、上昇流動層210と下降流動層209の中を矢印118及び112で示すように循環する。流動層の径が小さい場合は、デフレクタ206がなくても砂の流れが転向するので、デフレクタ206は省略することも可能である。
可燃物供給口104から下降流動層209の上部へ供給された廃棄物211は、流動媒体と共に下降流動層209中を下降する間に、流動媒体の持つ熱によりガス化される。下降流動層209中は、酸素が無いか少ないため、ガス化により生成した高カロリーのガスは燃焼されることなく、下降流動層209中を矢印116のように抜ける。それ故、下降流動層209は、ガス化ゾーンGを形成する。フリーボード102へ移動した生成ガスは、矢印120で示すように上昇する。
下降流動層209でガス化されないチャーは、下降流動層209の下部から、流動媒体と共に矢印112で示すように炉内周辺部の上昇流動層210の下部へ移動し、比較的酸素含有量の多い周辺流動化ガス208により燃焼される。上昇流動層210は、可燃物の酸化ゾーンSを形成する。上昇流動層210中において、流動媒体は、チャーの燃焼熱により加熱される。加熱された流動媒体は、矢印118で示すように、傾斜壁206により反転され、下降流動層209へ移り、ガス化の熱源となる。こうして、流動層の温度は、550〜850℃に維持される。
図11及び図12に示すガス化炉1によれば、流動層2にガス化ゾーンGと酸化ゾーンSが形成され、流動媒体が両ゾーンにて熱媒体となることにより、ガス化ゾーンGにおいて、発熱量の高い可燃ガスが生成され、酸化ゾーンSにおいては、チャーを効率良く燃焼させることができる。それ故、廃棄物を効率良くガス化させることができる。
図12に示される流動層炉1の水平断面において、ガス化ゾーンGを形成する下降流動層209は、炉中心部において円形であり、酸化ゾーンSを形成する上昇流動層210は、下降流動層209のまわりにリング状に形成される。上昇流動層210の外周にはリング状の不燃物排出口205が配置される。ガス化炉1を円筒形とすることにより、高い炉内圧を容易に支持することができる。別法として、ガス化炉自体を炉内圧に耐える構造とせず、ガス化炉の外部に圧力容器(図示しない)を設けることもできる。
図13は、別の低温ガス化装置の主要部の図解的な縦断面図、図14は、図13のガス化装置の図解的な水平断面図である。図13に示されるガス化装置において、流動化ガスは、中央流動化ガス207及び周辺流動化ガス208に加え、炉底中央部と炉底周辺部の間の炉底中間部から炉内へ供給される中間流動化ガス207′を含む。中間流動化ガス207′の質量速度は、中央流動化ガス207の質量速度と周辺流動化ガス208の質量速度の間で選定される。中央流動化ガスは、水蒸気、水蒸気及び酸素の混合気体、又は酸素の3種の気体の内のいずれか1つより選択される。
図13のガス化装置において、図11のガス化装置の場合と同様に、中央流動化ガス207と周辺流動化ガス208は、酸素、酸素と水蒸気の混合気体、及び水蒸気の3種の気体の内の1つである。中間流動化ガスの酸素濃度は、中央流動化ガスの酸素濃度と周辺流動化ガスの酸素濃度の間に選定される。ガス中の酸素濃度は、流動層炉の中央部から周辺部へ拡がっていくにつれて、増加する。流動化ガス全体の酸素濃度は、可燃物211の燃焼に必要な理論量の30%以下とされる。炉内は、還元雰囲気とされる。
図11のガス化装置の場合と同様に、図13のガス化装置において、炉の中央部に流動媒体が沈降する下降流動層209が形成され、炉の周辺部に流動媒体が上昇する上昇流動層210が形成される。流動媒体が、矢印112及び118で示すように下降流動層及び上昇流動層を通り循環する。下降流動層209と上昇流動層210の間においては、流動媒体が、主として横方向に移動する中間層209′が形成される。下降流動層209及び中間層209′がガス化ゾーンGを形成し、上昇流動層210が酸化ゾーンSを形成する。
図13にて、下降流動層209の上部へ投入された可燃物211は、流動媒体と共に下降流動層209中を下降する間に加熱されてガス化する。下降流動層209中でのガス化により生成したチャーは、流動媒体と一緒に中間層209′及び上昇流動層210へ移動し、部分的に燃焼される。流動媒体は、上昇流動層210中で加熱され、下降流動層209へ循環し、下降流動層209中の廃棄物をガス化する。中間流動化ガス207′の酸素濃度については、ガス化生成物に揮発分が多いか少ないかにより、酸素濃度を低くしてガス化を主体にするか、酸素濃度を高くして燃焼を主体にするかが選定される。
図14に示す流動層炉の水平断面において、ガス化ゾーンを形成する下降流動層209は、炉中心部において円形であり、その外周に沿って中間流動化ガス207′により形成される中間層209′があり、酸化ゾーンを形成する上昇流動層210は、中間層209′のまわりにリング状に形成される。流動層210の外周にはリング状の不燃物排出口205が配置される。
以上述べた実施例は、旋回溶融炉を高温ガス化炉として用いる場合を示しているが、高温の燃焼炉として用いることも充分可能であり、特に低位発熱量が3500kcal/kgを下回るようなケースでは、燃焼炉として高温高圧のスチームの回収を目指すのが好適と考えられる。また、本実施例では、可燃性廃棄物を主、石炭を従とした場合を示したが、石炭100%即ち石炭専用として用いることも可能である。
本発明の旋回溶融炉を用いた廃棄物ガス化システムの要部構成図を示す。 本発明の旋回溶融炉の断面構成図を示す。 図2の旋回溶融炉の水平断面構成図を示す。 図2の旋回溶融炉の別の断面構成図を示す。 (a)と(b)は図4の旋回溶融炉の水平断面構成図を示す。 図2の旋回溶融炉の別の断面構成図を示す。 図2の旋回溶融炉の別の断面構成図を示す。 図2の旋回溶融炉の別の断面構成図を示す。 本発明による旋回溶融炉を用いた廃棄物ガス化システムの別の全体構成図を示す。 図2の旋回溶融炉を用いた廃棄物ガス化システムの別の要部構成図を示す。 低温ガス化に用いた内部旋回型流動層炉の断面構成図を示す。 図11の流動層部の水平断面構成図を示す。 図11の旋回型流動層炉流動層炉の別の断面構成図を示す。 図13の流動層部の水平断面構成図を示す。 テキサコ式の廃熱ボイラ型ガス化炉の断面構成図を示す。 テキサコ式のダイレクトクエンチ型ガス化炉の断面構成図を示す。 図2の旋回溶融炉の別の断面構成図を示す。
符号の説明
1 流動層ガス化炉
2 流動層
5 旋回溶融炉
6 燃焼室
7 スラグ分離室
8 輻射ボイラ
9 水槽
11 貯留槽
q 廃棄物
c 酸素(含酸素ガス)
g スラグ粒
h 生成ガス(可燃物)
17 下降管
19 ガス状物入口

Claims (5)

  1. 粉粒状固形物を含む可燃性のガス状物を1200〜1600℃にてガス化する燃焼室と、生成したスラグを冷却して回収するスラグ分離室を有する旋回溶融炉において、燃焼室と同軸で一体のしかも燃焼室の径の1/4〜3/4の径を有するガス状物の導入部を配し、該導入部には、供給したガス状物が旋回流を生ぜしめるように、導入部の水平断面の接線方向に向けた供給口を設けるとともに、前記燃焼室の導入部直下の周囲には、含酸素ガスを20〜60m/秒にて吹き込む吹込口を設け、前記燃焼室の内壁面より離間した内側に、供給したガス状物が旋回する旋回流が形成され、前記旋回流は粒子状の可燃分を多く含有する外周側の旋回流とガス状の可燃分を多く含有する内周側の旋回流とを含み、前記粒子状の可燃分を多く含有する外周側の旋回流に向けて燃焼室の内壁面側から酸素を供給し、前記粒子状の可燃分のガス化を促進するようにしたことを特徴とする旋回溶融炉。
  2. 前記ガス状物の供給口と前記含酸素ガスの吹込み口とは、ともに水平より下向きにつけられている請求項1に記載の旋回溶融炉。
  3. 前記水平より下向きの角度は、3〜15゜である請求項2に記載の旋回溶融炉。
  4. 前記スラグ分離室が前記燃焼室の下に接続され、スラグ分離室は内部に輻射型ボイラと側面にガス排出口そして底部に水槽を有し、前記輻射ボイラが前記水槽の水中に没した構造である請求項1または2に記載の旋回溶融炉。
  5. 可燃性廃棄物をガス化剤と接触させて粉粒状固形物を含む可燃性のガス状物を得る流動層ガス化炉と、前記粉粒状固形物を含む可燃性のガス状物を1200〜1600℃にてガス化する燃焼室と生成したスラグを冷却して回収するスラグ分離室を有する旋回溶融炉とを備える可燃性廃棄物の二段ガス化システムであって、
    燃焼室と同軸で一体のしかも燃焼室の径の1/4〜3/4の径を有するガス状物の導入部を配し、該導入部には、供給したガス状物が旋回流を生ぜしめるように、導入部の水平断面の接線方向に向けた供給口を設けるとともに、前記燃焼室の導入部直下の周囲には、含酸素ガスを20〜60m/秒にて吹き込む吹込口を設け、前記燃焼室の内壁面より離間した内側に、供給したガス状物が旋回する旋回流が形成され、前記旋回流は粒子状の可燃分を多く含有する外周側の旋回流とガス状の可燃分を多く含有する内周側の旋回流とを含み、前記粒子状の可燃分を多く含有する外周側の旋回流に向けて燃焼室の内壁面側から酸素を供給し、前記粒子状の可燃分のガス化を促進するようにしたことを特徴とする可燃性廃棄物の二段ガス化システム。
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