JP4221948B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光部材に圧着されて画像が転写される中間転写体を備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式を用いたコピー機やプリンタ等が知られている。即ち、一様に帯電させた感光体ドラム(感光部材)にレーザやLED等により潜像を形成した後、感光体ドラムにトナーを付着させて現像し、紙等の転写材に転写してトナーを定着させて原稿データを印字する。
【0003】
また、上記した画像形成装置の内、現像されたトナーを一旦中間転写ベルト等の中間転写体に中間転写した後に紙等の転写材に転写することによって画像形成を行う画像形成装置においては、機械運動等の外乱により誘発される感光体ドラムの振動を考慮して、当該感光体ドラムの回転駆動を制御している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、感光体ドラムに現像されたトナーを中間転写ベルトに中間転写する場合には、感光体ドラムに対して中間転写ベルトを圧着する。しかし、この中間転写ベルトの圧着による外乱は他の外乱による振動と比較して振幅が大きい。このため、中間転写ベルトの圧着時の外乱を想定して、感光体ドラムの回転駆動の制御内容を幅広く設計する必要があった。この問題を解決するため、DSP(Digital Signal Processor)等の高速演算装置を用いて制御する場合が考えられるが、このような高速演算装置は、一般的に高価である。
【0005】
また、仮に中間転写ベルトの圧着時の外乱がなければ、外乱の範囲を狭めることができ、感光体ドラムの回転駆動制御をより詳細に行うことができる。
【0006】
本発明は、上記した従来の事情に鑑みて為されたものであり、感光体ドラムの回転駆動制御の一層の安定性を安価に実現することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、
圧着解除動作制御手段により感光部材に圧着されて画像が転写される中間転写体を備え、入力画像データに基づく画像を形成する画像形成装置であって、
前記感光部材の回転駆動を制御する回転駆動制御手段と、
前記圧着解除動作制御手段による圧着動作完了を判定する判定手段と、
前記判定手段により圧着動作完了と判定された際に、前記回転駆動制御手段による制御を開始させる開始タイミング制御手段と、を備え、
前記回転駆動制御手段は、前記感光部材と前記中間転写体の圧着動作中にフィードバック制御を実施しており、前記判定手段により圧着動作完了と判定された際に、フィードフォワード制御を開始させ、前記感光部材に対する中間転写体の圧着動作完了後は、フィードバック制御とフィードフォワード制御を併用して前記感光部材の回転駆動を制御することを特徴としている。
【0008】
この請求項1記載の発明によれば、感光部材に対する中間転写体の圧着動作の完了後に当該感光部材の回転駆動制御を開始するので、感光部材を回転駆動制御する際に、当該感光部材に対して中間転写体が圧着されたことによる振動を考慮する必要がない。これにより、感光部材の回転駆動制御の安定性を高めることができる。
【0010】
また、請求項1記載の発明によれば、例えば、画像形成処理の開始時に、フィードバック制御による感光部材の制御を開始し、圧着動作が完了した際にフィードフォワード制御を開始することができるので、感光部材に対して中間転写体が圧着されたことによる振動を考慮して、当該感光部材の回転駆動をフィードバック制御することができる。従って、例えば、感光部材に対して中間転写体が圧着されてから圧着動作完了を判断するまでの時間が制限される場合等に対応することができる。
【0011】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、
画像形成処理開始からの経過時間を計時する計時手段を備え、
前記判定手段は、前記計時手段により計時される経過時間に基づいて、前記中間転写体の圧着動作が完了したか否かを判定することを特徴としている。
【0012】
この請求項2記載の発明によれば、例えば、画像形成処理開始から中間転写体の圧着動作完了までの所要時間を予め設定して、画像形成処理の開始指示の入力から当該所要時間が経過したか否かを判定することにより、中間転写体の圧着動作が完了したか否かを判定し、感光部材の回転駆動制御の開始タイミングを決定することができる。
【0013】
さらに、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の画像形成装置において、
前記圧着解除動作制御手段による中間転写体の解除動作開始時に、前記回転駆動制御手段による制御を停止させる停止タイミング制御手段を備えることを特徴としている。
【0014】
この請求項3記載の発明によれば、中間転写体の解除動作開始時に、感光部材の回転駆動制御を停止することができる。従って、感光部材の回転駆動制御を行う際に、当該感光部材から中間転写体が解除されたことによる誘発される感光部材の振動を考慮する必要がなく、より制御の安定性を高めることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。尚、以下では、本発明を、カラープリント可能な画像形成装置に適用した場合を例にとって説明するが、これに限定されるものではない。
【0016】
先ず、本実施の形態における画像形成装置の全体構成について、図1に示す画像形成装置1の概略断面図を参照して説明する。同図に示すように、画像形成装置1は、画像読取部10と、プリント部20とから構成される。
【0017】
画像読取部10は、光源、レンズ、CCD(Charge Coupled Device)等からなるスキャナを備えて構成され、原稿に照射した光の反射光を結像して光電変換することにより原稿画像を読み取り、プリント部20に出力する。ここで、原稿画像とは、図形や写真等のイメージデータに限らず、文字や記号等のテキストデータ等も含む意である。
【0018】
プリント部20は、画像形成部40Y、40M、40C、40Kと、中間転写ベルト(中間転写体)50と、給紙部60と、定着部70とを有する。
【0019】
画像形成部40Yは、特に、感光体である感光体ドラム41Yと、帯電装置42Yと、露光装置43Yと、現像装置44Yと、クリーニング装置45Yとを有し、イエロー(Y)の画像を形成する。具体的には、帯電装置42Yが、感光体ドラム41Yの感光体表面を帯電させる。そして、露光装置43Yが、帯電された感光体ドラム41Yに光を照射して静電潜像を形成する。そして、現像装置44Yが、静電潜像が形成された感光体ドラム41Yの表面に帯電したトナーを付着させて静電潜像を現像する。また、現像装置44Yにより感光体ドラム41Yの表面に付着させたトナーが後述する中間転写ベルト50に転写された後、クリーニング装置45Yが、感光体ドラム41Yの表面の残留荷電や残留トナー等を除去する。
【0020】
同様に、画像形成部40Mは、特に、感光体ドラム41Mと、帯電装置42Mと、露光装置43Mと、現像装置44Mと、クリーニング装置45Mとを有し、マゼンタ(M)の画像を形成する。そして、画像形成部40Cは、特に、感光体ドラム41Cと、帯電装置42Cと、露光装置43Cと、現像装置44Cと、クリーニング装置45Cとを有し、シアン(C)の画像を形成する。そして、画像形成部40Kは、特に、感光体ドラム41Kと、帯電装置42Kと、露光装置43Kと、現像装置44Kと、クリーニング装置45Kとを有し、ブラック(K)の画像を形成する。
【0021】
中間転写ベルト50は、複数のローラにより回転可能に支持され、各ローラの回転に伴って回転する。また、中間転写ベルト50は、圧着解除ローラ51Yにより感光体ドラム41Yに圧着される。同様に、中間転写ベルト50は、圧着解除ローラ51Mにより感光体ドラム41Mに圧着され、圧着解除ローラ51Cにより感光体ドラム41Cに圧着され、圧着解除ローラ51Kにより感光体ドラム41Kに圧着される。これにより、感光体ドラム41Y、41M、41C、41Kの表面に現像された各トナーは、圧着解除ローラ51Y、51M、51C、51Kによる圧着位置で中間転写ベルト50に転写される。そして、中間転写ベルト50が回転することによって、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナーが順次重ねて転写される。
【0022】
給紙部60は、用紙トレイ61、62、63の記録用紙を用紙転写ローラ52、53へと搬送する。この用紙転写ローラ52、53により、中間転写ベルト50に転写されたトナー画像が記録用紙面に転写される。そして、定着部70において、記録用紙に転写されたトナー像を熱定着させる。
【0023】
以上説明した画像形成装置1の利用者は、原稿を原稿台2或いは原稿送りトレイ6に設置してプリント開始を指示することによりコピー機能を利用する。尚、画像形成装置1を、外部のパーソナルコンピュータ等の端末等と接続可能に構成することにより、当該端末等から入力される画像データに基づくプリントを行うプリンタとしての機能を有することとしても構わない。
【0024】
次に、画像形成装置1の機能構成について、図2を参照して説明する。同図において、画像形成装置1は、制御部100、圧着解除ローラ駆動部200、感光体ドラム駆動部300、入力部400、表示部500、タイマ600、記憶部700の各機能部によって構成される。
【0025】
制御部100は、CPU(Central Processing Unit )等により構成され、入力部400を介して入力される処理要求等に基づいて、記憶部700に格納されるプログラムやデータをRAM等の一時記憶領域(図示略)に展開し、当該プログラムに基づいて画像形成装置1全体の制御や画像形成装置1内の各部への指示等の各種処理を行い、画像形成装置1を動作させる。特に、本実施の形態を実現するため、圧着解除ローラ駆動部200に駆動信号を出力して、図1に示す圧着解除ローラ51(51Y、51M、51C、51K)を中間転写ベルト50の圧着方向或いは解除方向に駆動させる機能部を圧着解除ローラ駆動制御部120と呼び、感光体ドラム駆動部300に駆動信号を出力して、図1に示す感光体ドラム41(41Y、41M、41C、41K)の回転駆動を制御する機能部を感光体ドラム駆動制御部140と呼び、以下説明する。
【0026】
先ず、感光体ドラム41に対して中間転写ベルト50を圧着させる圧着動作について、図3を参照して説明する。同図に示すように、圧着解除ローラ駆動制御部120が圧着解除ローラ51の駆動を制御して圧着方向Aに移動させることにより、中間転写ベルト50が感光体ドラム41に圧着される。尚、圧着解除ローラ駆動制御部120が圧着解除ローラ51の駆動を制御して圧着方向Aと反対方向(解除方向)に移動させることにより、中間転写ベルト50が感光体ドラム41から解除される。
【0027】
次に、中間転写ベルト50が感光体ドラム41に圧着された際の、感光体ドラム41の振動振幅の時間遷移について図4を参照して説明する。同図において、横軸は、プリント開始指示が入力されてからの経過時間を、縦軸は、時間経過に伴う振動レベルの変動値を示している。本実施の形態においては、中間転写ベルト50が圧着された際に誘発される外乱による感光体ドラム41の振動が収まった地点を圧着動作完了と定義して、この地点と予想される経過時間“T”を想定し、プリント開始指示が入力されてから圧着動作が完了するまでの所要時間Tとして予め設定しておく。尚、圧着動作完了までの所要時間は100msec以内であるという実験結果が得られているため、所要時間Tを100msecと設定してもよい。制御部100は、プリント開始指示からの経過時間をタイマ600に計時させ、当該タイマ600からの所要時間Tの経過通知に応じて圧着動作の完了を判定する。
【0028】
具体的には、制御部100は、記憶部700に格納される開始タイミング制御プログラム720に従って処理を実行し、感光体ドラム41の回転駆動の制御を開始するタイミングを決定する。そして、感光体ドラム駆動制御部140は、決定された開始タイミングに従って感光体ドラム41の回転駆動制御を開始する。本実施の形態においては、感光体ドラム駆動制御部140は、フィードバック制御(以下、「FB制御」という。)とフィードフォワード制御(以下、「FF制御」という。)を併用して、感光体ドラム41の回転駆動制御を行う。
【0029】
入力部400は、例えば、カーソルキー、テンキー、ファンクションキー等それぞれ固有の機能が割り当てられた各種キー群を備え、押下されたキーに対応する押下信号を制御部100に出力する。また、例えば、表示部500と一体的に設けたタッチパネル等により入力部400における指示手段を実現することとしてもよく、手指や専用のタッチペン等で指定された表示部500上の位置を検出し、制御部100に出力する。
【0030】
表示部500は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、メニュー選択画面、画質調整画面、用紙設定画面といった各種設定画面や確認画面、或いは画像形成装置1の状態やエラーメッセージ等が表示される。制御部100は、表示情報に対応した表示信号を表示部500に出力し、当該表示情報を表示させる。
【0031】
タイマ600は、タイマ値を設定するとともに、タイマ値が設定された時点からの経過時間を計時し、経過時間が当該タイマ値に達した際に制御部100に通知する。このタイマ600により、プリント開始指示を受け付けてからの経過時間が計時される。
【0032】
記憶部700には、各種初期設定、ハードウェアの検査、或いは必要なプログラムのロード等を行い、画像形成装置1の動作環境を設定するための初期プログラムや、画像形成に関する各種処理プログラム、及び当該各種処理プログラムで処理されたデータ等が格納される。特に、本実施の形態を実現するため、開始タイミング制御プログラム720が格納される。
【0033】
以下に、感光体ドラム駆動制御部140による感光体ドラム41の回転駆動に係るFB制御及びFF制御の開始タイミングの制御例について述べる。
【0034】
〔実施例1〕
実施例1は、感光体ドラム41の回転駆動に係るFB制御及びFF制御を圧着動作完了時に開始するものである。図5に示すフローチャートを参照して、実施例1におけるFB制御及びFF制御の開始タイミングの制御について説明する。
【0035】
即ち、制御部100は、入力部400から入力されるプリント開始指示の入力を監視する(ステップA10)。そして、制御部100は、プリント開始指示に応じてプリント開始指示から圧着動作完了までの所要時間Tをタイマ値に設定して、タイマ600を起動する(ステップA20)。
【0036】
一方、プリント開始指示に応じて開始された一連の画像形成処理の過程において、特に、圧着解除ローラ駆動制御部120が、圧着解除ローラ51の駆動制御を開始して該当する駆動信号を圧着解除ローラ51に出力し(ステップA30)、感光体ドラム41に中間転写ベルト50を圧着させる。
【0037】
そして、タイマ600からの所要時間T(タイマ値)の経過通知を受信すると(ステップA40)、感光体ドラム駆動制御部140は、FB制御及びFF制御による感光体ドラム41の回転駆動制御を開始して該当する駆動信号を感光体ドラム駆動部300に出力する(ステップA50)。
【0038】
以上説明した実施例1によれば、感光体ドラム41に対する中間転写ベルト50の圧着が完了した際に、感光体ドラム駆動制御部140がFB制御及びFF制御による感光体ドラム41の回転駆動制御を開始する。従って、感光体ドラム41の回転駆動制御を行う際に中間転写ベルト50の圧着による外乱を考慮する必要がない。即ち、圧着動作が完了した際に、感光体ドラム41の回転駆動制御を開始するので、制御の安定性を高めることができる。実際に、感光体ドラム41に対する中間転写ベルト50の圧着動作中において、画像形成に係る処理は実行されない。
【0039】
〔実施例2〕
実施例2は、感光体ドラム41の回転駆動に係るFB制御及びFF制御の内、FB制御をプリント開始指示入力時に開始し、FF制御を圧着動作完了時に開始するものである。
【0040】
即ち、図6に示すように、感光体ドラム駆動制御部140は、プリント開始指示に応じて感光体ドラム41の回転駆動をFB制御する。また、制御部100は、タイマ600からの所要時間T´の経過通知に応じて圧着動作の完了を監視する。そして、圧着動作が完了した際に、感光体ドラム駆動制御部140は、FF制御を開始し、FB制御とFF制御を併用して感光体ドラム41の回転駆動を制御する。
【0041】
また、実施例2においては、感光体ドラム41に対する中間転写ベルト50の圧着動作中に、当該感光体ドラム41の回転駆動をFB制御するので、圧着動作完了までの所要時間T´は、図4に示す所要時間Tよりも短く設定することができる。
【0042】
図7に示すフローチャートを参照して、実施例2におけるFB制御及びFF制御の開始タイミングの制御について説明する。
【0043】
即ち、制御部100は、入力部400から入力されるプリント開始指示の入力を監視する(ステップB10)。そして、制御部100は、プリント開始指示に応じてプリント開始指示から圧着動作完了までの所要時間T´をタイマ値に設定して、タイマ600を起動する(ステップB20)。
【0044】
また、感光体ドラム駆動制御部140は、FB制御による感光体ドラム41の回転駆動制御を開始して該当する駆動信号を感光体ドラム駆動部300に出力する(ステップB30)。
【0045】
一方、プリント開始指示に応じて開始された一連の画像形成処理の過程において、特に、圧着解除ローラ駆動制御部120が、圧着解除ローラ51の駆動制御を開始して該当する駆動信号を圧着解除ローラ51に出力し(ステップB40)、感光体ドラム41に中間転写ベルト50を圧着させる。
【0046】
そして、タイマ600からの所要時間T´(タイマ値)の経過通知を受信すると(ステップB50)、感光体ドラム駆動制御部140は、FF制御による感光体ドラム41の回転駆動制御を開始して該当する駆動信号を感光体ドラム駆動部300に出力する(ステップB60)。
【0047】
以上説明した実施例2によれば、例えば、プリント開始指示の入力時において、感光体ドラム駆動制御部140がFB制御による感光体ドラム41の回転駆動制御を開始し、当該感光体ドラム41に対する中間転写ベルト50の圧着動作の完了後は、FF制御を併用して回転駆動制御を行う。従って、感光体ドラム駆動制御部140は、感光体ドラム41に対して中間転写ベルト50が圧着されたことによる振動を考慮して回転駆動をフィードバック制御することができる。これによれば、例えば、中間転写ベルト50が圧着されてから圧着動作完了を判断するまでの時間が制限される場合等に対応することができる。さらに、感光体ドラム駆動制御部140は、FF制御により感光体ドラム41の回転駆動制御する際には、中間転写ベルト50の圧着による外乱を考慮する必要がない。
【0048】
以上、本発明の実施の形態例について説明したが、本発明は、上述した実施の形態例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0049】
例えば、感光体ドラム41から中間転写ベルト50が解除される際、当該感光体ドラム41の回転駆動制御を停止するように、回転速度制御の停止タイミングを制御することとしてもよい。具体的には、例えば、圧着解除ローラ駆動制御部120が圧着解除ローラ駆動部200を制御して圧着解除ローラ51を解除方向に移動させる際に、感光体ドラム駆動制御部140が、該当する感光体ドラム41の回転駆動制御を停止する。従って、感光体ドラム41を回転駆動する際に、中間転写ベルト50が感光体ドラム41から解除されたことによる振動を考慮する必要がなく、より制御の安定性を高めることができる。
【0050】
また、タイマ600を用いるのではなく、感光体ドラム41内に、当該感光体ドラム41の振動を検知するセンサを備えて構成することにより、圧着解除ローラ駆動制御部120による圧着解除ローラ51の圧着方向への駆動制御が開始された際にセンサが検知した感光体ドラム41の振動が収まった時点で、圧着動作の完了を判断することとしてもよい。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、感光部材に対する中間転写体の圧着動作の完了後、当該感光部材の回転駆動制御を開始するので、感光部材を回転駆動制御する際に、当該感光部材に対して中間転写体が圧着されたことによる振動を考慮する必要がない。これにより、感光部材の回転駆動制御の安定性を高めることができる。
【0052】
さらに、例えば、画像形成処理の開始時に、フィードバック制御による感光部材の制御を開始し、圧着動作が完了した際にフィードフォワード制御を開始することができるので、感光部材に対して中間転写体が圧着されたことによる振動を考慮して、当該感光部材の回転駆動をフィードバック制御することができる。従って、例えば、感光部材に対して中間転写体が圧着されてから圧着動作完了を判断するまでの時間が制限される場合等に対応することができる。
【0053】
また、例えば、画像形成処理開始から中間転写体の圧着動作完了までの所要時間を予め設定して、画像形成処理の開始指示の入力から当該所要時間が経過したか否かを判定することにより、中間転写体の圧着動作が完了したか否かを判定し、感光部材の回転駆動制御の開始タイミングを決定することができる。
【0054】
そして、中間転写体の解除動作開始時に、感光部材の回転駆動制御を停止することができる。従って、感光部材の回転駆動制御を行う際に、当該感光部材から中間転写体が解除されたことによる誘発される感光部材の振動を考慮する必要がなく、より制御の安定性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の概略断面を示す図である。
【図2】本実施の形態における画像形成装置の機能構成を示す図である。
【図3】感光体ドラムに対する中間転写ベルトの圧着動作を説明するための図である。
【図4】 中間転写ベルトが圧着された際の感光体ドラムの振動振幅を示す図である。
【図5】実施例1における感光体ドラムの回転駆動制御の開始タイミング制御を説明するためのフローチャートである。
【図6】実施例2における感光体ドラムの回転駆動制御の開始タイミングを説明するための図である。
【図7】実施例2における感光体ドラムの回転駆動制御の開始タイミング制御を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 画像形成装置
100 制御部
120 圧着解除ローラ駆動制御部
140 感光体ドラム駆動制御部
200 圧着解除ローラ駆動部
300 感光体ドラム駆動部
400 入力部
500 表示部
600 タイマ
700 記憶部
720 タイミング制御プログラム
Claims (3)
- 圧着解除動作制御手段により感光部材に圧着されて画像が転写される中間転写体を備え、入力画像データに基づく画像を形成する画像形成装置であって、
前記感光部材の回転駆動を制御する回転駆動制御手段と、
前記圧着解除動作制御手段による圧着動作完了を判定する判定手段と、
前記判定手段により圧着動作完了と判定された際に、前記回転駆動制御手段による制御を開始させる開始タイミング制御手段と、を備え、
前記回転駆動制御手段は、前記感光部材と前記中間転写体の圧着動作中にフィードバック制御を実施しており、前記判定手段により圧着動作完了と判定された際に、フィードフォワード制御を開始させ、前記感光部材に対する中間転写体の圧着動作完了後は、フィードバック制御とフィードフォワード制御を併用して前記感光部材の回転駆動を制御することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
画像形成処理開始からの経過時間を計時する計時手段を備え、
前記判定手段は、前記計時手段により計時される経過時間に基づいて、前記中間転写体の圧着動作が完了したか否かを判定することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2記載の画像形成装置において、
前記圧着解除動作制御手段による中間転写体の解除動作開始時に、前記回転駆動制御手段による制御を停止させる停止タイミング制御手段を備えることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (2)
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