JP4221230B2 - 金属イオン放出素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属イオン放出素子に関し、特に、金属イオンを被測定ガスに付着させて被測定ガスの同定・定量を行う質量分析装置で用いられる金属イオン放出素子に関する。この金属イオン放出素子は、特に、半導体製造プロセス中のガスのモニタリング用イオン付着質量分析装置に適している。
【0002】
【従来の技術】
被測定試料中の各成分を分解せずに質量分析する方法として、被測定試料に金属イオンを付着させて行う方法が行われている。後述の特許文献1や本出願人に基づく他の特許出願により、試料成分を分解せず親分子の形態で分析できるイオン付着イオン化法および装置が開示されている。
【0003】
イオン付着イオン化法は、結合エネルギが数eVのガス分子に、0.1eV程度の低エネルギの正電荷の金属イオンを付着させて、ガス分子(親分子)と金属イオンの合計された質量を分離/検出するものである。ホッジ(Hodges)等によってアルカリ金属イオンを被測定試料に付加させると有効に測定できることが提案されて以来、このイオン付着質量分析法のイオン源としてアルカリ金属イオンやアルカリ土類金属等、中でもLiイオンが用いられてきた(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
図1は従来のイオン付着質量分析装置におけるイオン源の代表的構成例を概略的に示す図である。このイオン源は、中央部に開口11aが形成されたアパーチャ11と、このアパーチャ11と接続されその内部に空間を有する容器を形成する隔壁12とで外側部分が形成される。アパーチャ11と隔壁12の間には絶縁部材13が設けられる。イオン源内の空間には、隔壁12を電気的に絶縁して貫通する電圧印加部(加熱機構)14と、イオン源内にある電圧印加部14の任意な位置に取り付けられた球状金属酸化物からなる金属イオン放出体15と、金属イオン放出体15と隔壁12の間の領域であってアパーチャ11側と反対の領域に配置されたリペラ電極16とが設けられている。イオン源の隔壁12には、被検出ガスおよび他のガスをイオン源内に導入するためのガス導入部17が設けられる。
【0005】
アパーチャ11は、隔壁12と絶縁部材13により電気的に絶縁され、かつ接地電位に保持されている。電圧印加部14には、隔壁12の外部に配置された電源18,19が接続され、所要の電圧が印加されている。また、リペラ電極16にも隔壁12の外部に配置された電源20によって必要な電圧が印加されている。外部からの電気配線が隔壁12を通過するときには、隔壁12に設けられた絶縁部21を経由して配線が行れる。また、図1において、金属イオン放出体15とアパーチャ11の間の領域22はイオン付着が行れる領域である。
【0006】
金属イオン放出体15は、放出される金属イオンが例えばリチウムイオン(Li+)の場合、酸化アルミニウム(Al23)や二酸化ケイ素(SiO2)などからなるアルミノケイ酸塩とリチウム(Li)を含有した酸化物(化合物)である酸化リチウム(Li2O)などとの混合物からなる焼結体で作られている。金属イオン放出体15は、球状にしてワイヤ(線)状の電圧印加部14に例えば焼結して固定されている。金属イオン放出体15の直径は例えば2〜3mm程度のものである。金属イオン放出体15と電圧印加部14から構成される部分を、特に、「金属イオン放出素子10」と呼ぶことにする。電圧印加部はイリジウム(Ir)やタングステン(W)等の高融点金属のワイヤ形構造であり、ここに電流が流れることによりジュール熱が発生するようになっている。
【0007】
上記のイオン源では、アパーチャ11は接地電位に保持され、ガス導入部17を介して被検出ガスとその他のガスの混合ガスが、真空状態にされたイオン付着領域に導入され、内部は100Pa程度の減圧雰囲気とされる。その他のガスは、金属ガスが付着しにくい例えば窒素(N2)などのガスであり、金属イオンが被検出ガスに付着する際に生ずる余剰エネルギを奪い去るために導入される。電圧印加部14には、バイアス電源19によって、電圧印加部14が例えば10Vとなるようにバイアス電圧が印加される。さらに金属イオン放出体15は、加熱電源18によって電圧印加部14に電流を流すことにより加熱される。以上により金属イオン放出体15の表面に金属イオン(例えばLi+)が生成され、この金属イオンは、接地電位であるアパーチャ11との間の空間22に形成された電界に引かれて金属イオン放出体表面から離脱し(放出され)、アパーチャ11の方向へ移送される。その後、金属イオンはイオン源内に導入された被検出ガスに付着して、被検出ガスをイオン化する。
【0008】
本願の発明者らによって開示されているように、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)等のアルカリ金属のイオンは、被測定試料中の分子と会合して擬分子イオンを作りやすく、中でもリチウムイオン(Li+)は対象とする分子に対する親和性が最も高いことから、このようなイオン付着質量分析法にリチウムイオンが最も利用されている(例えば、非特許文献2参照)。
【0009】
リチウムイオンを放出するための金属イオン放出体15としては、酸化リチウム(Li2O)と酸化アルミニウム(Al23)と二酸化ケイ素(SiO2)を1:1:1のモル比の混合物、あるいは酸化リチウム(Li2O)と酸化アルミニウム(Al23)と二酸化ケイ素(SiO2)を1:1:2のモル比で混合したβ−ユークリプタイト型(β−eucryptite)、あるいは酸化リチウム(Li2O)と酸化アルミニウム(Al23)と二酸化ケイ素(SiO2)を1:1:4のモル比で混合したスポジュメーム型(spodumene)の結晶、非晶質あるいはその混合物の焼結体が採用され、中でもβ−ユークリプタイト型(β−eucryptite)が最もリチウムイオン(Li+)の放出率が高いことが知られている(例えば、非特許文献3参照)。
【0010】
【特許文献1】
特許公報3236879号
【非特許文献1】
アール・ヴィ・ホッジ(R.V.Hodges)、ジェー・エル・ビーチャンプ(J.L.Beauchamp)著、「アナリティカルケミストリ(ANALYTICAL CHEMISTRY)」、第48卷、6号、1976年、825〜828頁
【非特許文献2】
岩瀬啓一郎、中村恵、藤井敏博著、「ジャーナル・オブ・ヴァキューム・ソサイティ・オブ・ジャパン(J.Vac.Soc.Jpn)」、第44卷、7号、2001年、655〜660頁
【非特許文献3】
ジェー・ピー・ブレウェット(J.P.Blewett)、アーネスト・ジェー・ジョーンズ(Ernest J.Jones)著、「フィジカルレビュー(Phys.Rev.)」、第50卷、1936年、464〜468頁
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、半導体製造プロセスにおいては、製造した半導体素子にアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属が混入すると、その電気的特性が著しく損なわれるため、このような金属を持ち込む要素は極力回避されている。このような半導体製造装置において、その特性向上のため、また、環境問題の観点から、プロセス中のガスをモニタリングすることが近年重要視されてきている。そこで上記のアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属を用いない方法が検討されている。
【0012】
アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属以外の金属イオン源として、上記のジェー・ピー・ブレウェット(J.P.BLEWETT)等(非特許文献3)は、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)等の周期表の13族の金属やチタン(Ti)、バナジウム(V)、マンガン(Mn)の4族以上の金属のイオン放出について報告している。これによると、それぞれの金属単独の酸化物をイオン源とした場合には、いずれもそれぞれの融点近傍の高温に加熱する必要があること、一部の金属では安定しないあるいは実用的な温度では放出しないために、これら金属単独の酸化物はイオン源としては不適格であることを述べている。
【0013】
例えばアルミニウムイオン(Al+)のイオン放出をさせるためには、酸化アルミニウム(Al23)の粉末を水をバインダとしてフィラメント(電圧印加部)に塗布後加熱により固定するのが一般的であるが、このイオン源においてアルミニウムイオンを放出するためには、およそ1600℃もの高温にする必要がある。また、イオン放出率は低く、充分な量の放出イオンを得ることができない。ガリウム(Ga)の場合もおよそ1800℃以上でも充分なイオン放出は起こらず、チタン(Ti)では不安定で質量分析には不向きであるとされている。すなわち、放出したい金属の酸化物から構成された金属イオン放出素子では、質量分析に寄与できる安定した金属イオン放出を充分得ることはできない。また、このような高温が必要であることは、上記の金属イオン放出体(アルミニウムイオンの場合には酸化アルミニウム)を担持している高融点材料からなる加熱機構であるタングステン(W)やイリジュウム(Ir)のフィラメントの寿命低下につながり、また、被測定物質が金属イオン放出体表面やフィラメント表面で分解あるいは表面電離を起しやすくなる。その結果、測定の精度の低下を引き起こすことになる。
【0014】
一方、プラズマを利用したホローカソード等のイオン源も考案されているが、イオン電流が安定しないことや放出金属イオン以外のイオンや光も発生すること、また装置も大型である等の理由から、イオン付着質量分析法への応用は困難である。
【0015】
本発明の目的は、上記の問題を鑑み、半導体製造プロセス中のガスのモニタリング用のイオン付着質量分析法およびその装置に使用することができる低温で安定した放出金属イオンを得られる金属イオン放出素子を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明に係る金属イオン放出素子は、上記の目的を達成するために、次のように構成される。
【0023】
の金属イオン放出素子(請求項に対応)は、金属イオンを放出する金属イオン放出体と、金属イオン放出体を加熱する加熱機構とから構成される金属イオン放出素子において、金属イオン放出体は、第1の化合物と第2の化合物の混合物の焼結体であり、第1の化合物と第2の化合物は窒化物であり、第1の化合物および第2の化合物の少なくとも一方が金属イオンとなる金属元素を含み、金属元素は、周期表の3族から15族のうちのいずれかの金属元素であることを特徴とする。
【0024】
の金属イオン放出素子によれば、金属イオン放出体が窒化物である第1の化合物と窒化物である第2の化合物との混晶を含む構成で形成されるため、第1の化合物あるいは第2の化合物のうちの放出金属イオンを含む化合物よりも低温でその金属イオンを放出することができる。
【0025】
の金属イオン放出素子(請求項に対応)は、金属イオンを放出する金属イオン放出体と、金属イオン放出体を加熱する加熱機構とから構成される金属イオン放出素子において、金属イオン放出体は、第1の化合物と第2の化合物の混合物の焼結体であり、第1の化合物と第2の化合物は窒化物であり、第1の化合物および第2の化合物の少なくとも一方が金属イオンとなるアルミニウムを含むことで特徴づけられる。
【0026】
の金属イオン放出素子によれば、金属元素がアルミニウムであるため、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属を混入せずにイオン付着質量分析法を行うことができ、半導体製造プロセス中のガスのモニタリング用のイオン付着質量分析装置のイオン源に用いることができる。
【0027】
の金属イオン放出素子(請求項に対応)は、金属イオンを放出する金属イオン放出体と、金属イオン放出体を加熱する加熱機構とから構成される金属イオン放出素子において、金属イオン放出体は、第1の化合物と第2の化合物の混合物の焼結体であり、第1の化合物が金属イオンとなる金属元素を含み、金属元素は、周期表の3族から15族のうちのいずれかの金属元素であり、第1の化合物は、放出するイオンとなる金属元素をMで表し、その金属元素Mの組成比をX、酸素Oの組成比をYで表したときに、化学式Mと表される酸化物であり、第2の化合物は、化学式SiOで表される二酸化ケイ素であり、第1の化合物と第2の化合物のモル比が(2+XY):XYであることで特徴づけられる。
【0028】
の金属イオン放出素子によれば、第1の化合物と第2の化合物のモル比が(2+XY):XYであるため、化学式Mと表される酸化物と化学式SiOで表される二酸化ケイ素である第2の化合物が混晶を含む構成を形成したときに、ケイ素原子(Si)とその周りに配置される4つの酸素原子(O)によって形成される四面体構造のイオン格子中において、混晶を起した記号Mで表した金属元素のイオンが四面体構造の中心のSiイオンと容易に置換して記号Mで表される金属元素のイオンを中心とする四面体構造を有するようになる。また、四面体構造の間に弱く結合した金属元素Mが配置されるようになる。そのため、酸素との結合力の弱い記号Mで表される金属元素のイオンと四面体構造の間の弱く結合した金属元素Mのイオンは、加熱することにより容易に放出させることができる。それにより、質量分析に寄与できる安定した金属イオンを充分得ることができる。
【0029】
の金属イオン放出素子(請求項に対応)は、上記の構成において、好ましくは第1の化合物は化学式Alで表される酸化アルミニウムであり、第2の化合物は化学式SiOで表される二酸化ケイ素であり、酸化アルミニウムと二酸化ケイ素のモル比(Al /SiO 1/1〜1/2であることで特徴づけられる。
【0030】
の金属イオン放出素子によれば、第1の化合物が化学式Alで表される酸化アルミニウムであり、第2の化合物は化学式SiOで表される二酸化ケイ素であり、酸化アルミニウムと二酸化ケイ素のモル比(Al /SiO 1/1〜1/2であるため、酸化アルミニウムと二酸化ケイ素が混晶を含む構成を形成したときに、ケイ素原子(Si)とその周りに配置される4つの酸素原子(O)によって形成される四面体構造のイオン格子中において、混晶を形成したアルミニウムイオンが四面体構造の中心のSiイオンと容易に置換してアルミニウムイオンを中心とする四面体構造を有するようになる。また、四面体構造の間に弱く結合したアルミニウムイオンが配置される。そのため、酸素との結合力の弱いアルミニウムイオンは、加熱することにより容易に放出させることができる。それにより、質量分析に寄与できる安定したアルミニウムイオンを充分得ることができる。
【0031】
の金属イオン放出素子(請求項に対応)は、金属イオンを放出する金属イオン放出体と、金属イオン放出体を加熱する加熱機構とから構成される金属イオン放出素子において、金属イオン放出体は、第1の化合物と第2の化合物の混合物の焼結体であり、第1の化合物と第2の化合物は、周期表の3族以上の元素で構成され、第1の化合物および第2の化合物の少なくとも一方が金属イオンとなる金属元素を含み、金属元素は、周期表の3族から15族のうちのいずれかの金属元素であり、加熱機構による加熱温度は、第1の化合物と第2の化合物のうち、金属元素を含む化合物の金属イオンが放出開始する温度を越えない温度であることで特徴づけられる。
【0032】
の金属イオン放出素子によれば、加熱機構による加熱温度を下げることができるので、加熱機構であるフィラメントの寿命の低下を防ぐことができ、また、被測定物質の金属イオン放出体表面やフィラメント表面での分解あるいは表面電離を起こしにくくし、その結果、測定の精度を上げることができる。
【0033】
の金属イオン放出素子(請求項に対応)は、上記の構成において、好ましくは加熱温度は、1500℃を越えないことで特徴づけられる。
【0034】
の金属イオン放出素子によれば、加熱温度は、1500℃を越えないため、加熱機構であるフィラメントの寿命の低下を防ぐことができ、また、被測定物質の金属イオン放出体表面やフィラメント表面での分解あるいは表面電離を起こしにくくし、その結果、測定の精度を上げることができる。
【0035】
の金属イオン放出素子(請求項に対応)は、上記の構成において、好ましくは半導体製造プロセス中のガスモニタリング用イオン付着質量分析装置のイオン源として用いられることで特徴づけられる。
【0036】
の金属イオン放出素子によれば、金属イオン放出素子は、半導体製造プロセス中のガスモニタリング用イオン付着質量分析装置のイオン源として用いるようにしたため、半導体製造プロセス中のガスの成分を分解せずに精度良く同定・定量することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0038】
なお、本発明の実施形態にあたっては、金属イオン放出体以外は図1に示す従来装置と構成は同じであるため、図1を用いて説明し、金属イオン放出体以外の構成要素についての説明は省略する。
【0039】
本実施形態での金属イオン放出素子10を構成する金属イオン放出体15は、第1の化合物と第2の化合物の混合物の焼結体からなり、第1の化合物と第2の化合物は、周期表の3族以上の元素で構成され、第1の化合物および第2の化合物の少なくとも一方が放出する金属イオンとなる金属元素を含み、金属元素は、周期表の3族から15族のうちのいずれかの金属元素である。例えば、第1の化合物は酸化アルミニウム(Al23)、酸化ガリウム(Ga23)、酸化インジウム(In23)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)などであり、第2の化合物は、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化チタン(TiO2)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)などである。
【0040】
金属イオン放出体15となる第1の化合物と第2の化合物の混合物の焼結体を形成するには、粉末状の第1の化合物と粉末状の第2の化合物を適当なモル比、例えば、第1の化合物は、放出するイオンとなる金属元素をMで表し、その金属元素Mの組成比をX、酸素Oの組成比をYで表したときに、化学式MXYと表される酸化物であり、第2の化合物は、化学式SiO2で表される二酸化ケイ素であり、第1の化合物と第2の化合物のモル比が(2+XY):X2Yであるように混合し、特に、第1の化合物は化学式Al23で表される酸化アルミニウムであり、第2の化合物は化学式SiO2で表される二酸化ケイ素であるときには、酸化アルミニウムと二酸化ケイ素のモル比が2:3であるように、それぞれの粉末をボールミルなどにより混ぜ合わせ、その混ぜ合わせた粉末を水をバインダとして、フィラメントすなわちワイヤ状の電圧印加部14を貫通するように球状に成形する。その後、その成形体を乾燥させ、電圧印加部14を通電させることにより、電圧印加部14を適当な温度まで加熱し、適当な時間保つことにより、成形体すなわち金属イオン放出体15を焼結する。例えば、第1の化合物に酸化アルミニウム、第2の化合物に二酸化ケイ素を用いた場合には、混ぜ合わせに、5分、乾燥20分、電圧印加部14を1200℃に加熱し、1時間保つことにより焼結することにより、混晶構造を含む金属イオン放出素子10を得ることができる。
【0041】
次に、上記のようにして得られた金属イオン放出素子10を用いたイオン源の動作を説明する。上記のようにして得られた金属イオン放出素子10を用いて、図1において電源18により電圧印加部(加熱機構)14に電流を流して加熱する。このときの金属イオン放出素子10の動作加熱温度は、第1の化合物と第2の化合物のうち、放出する金属イオンとなる金属元素を含む化合物のイオンが放出開始する温度を越えない温度である。特に、第1の化合物が酸化アルミニウム(Al23)で第2の化合物が二酸化ケイ素(SiO2)の場合は、金属イオン放出素子10の動作加熱温度は、1500℃以下である。
【0042】
一方、電源19により発生した電界により、金属イオンを押出すことにより、金属イオンが放出される。このとき放出された金属イオンは、周期表の3族から15族のうちのいずれかの金属元素のイオンであり、アルカリ金属やアルカリ土類金属を含んでいない。特に、第1の化合物が酸化アルミニウム(Al23)、第2の化合物が酸化ケイ素(SiO2)からなる金属イオン放出素子10の場合には、放出する金属イオンがアルミニウムイオンである。
【0043】
その後、金属イオンをイオン化領域22へ放出し、そこで被測定物質の各成分分子に付着させる。金属イオンがアルミニウムイオンの場合は、各成分分子にアルミニウムイオンが付着した状態となる。その後例えば図示しない四重極フィルタ等の質量分析部に金属イオンが付着した被測定物質の擬分子イオンを通過させて、検出し、各分子の質量スペクトルを得ることができる。
【0044】
このように、本発明の金属イオン放出素子10を用いた場合、第1の化合物あるいは第2の化合物を凝縮性が高く、加熱により両者で混晶を作る組み合わせのものを選択すると、その第1の化合物と第2の化合物の混合物の焼結体により形成された金属イオン放出体15は電圧印加部14に担持されやすく、また、第1の化合物あるいは第2の化合物のうちの放出金属イオンを含む化合物よりも低温でその金属イオンを放出することができる。また、第1の化合物と第2の化合物に含まれる金属元素が周期表の3族から15族のうちのいずれかの金属元素であるため、放出する金属イオンも周期表の3族から15族のうちのいずれかの金属元素のイオンであるので、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属を混入せずにイオン付着質量分析法を行うことができ、半導体製造プロセス中のガスのモニタリング用のイオン付着質量分析装置のイオン源に用いることができる。
【0045】
特に、放出する金属イオンとなる金属元素がアルミニウムであるため、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属を混入せずにイオン付着質量分析法を行うことができ、半導体製造プロセス中のガスのモニタリング用のイオン付着質量分析装置のイオン源に用いることができる。
【0046】
また、金属イオン放出素子10の動作加熱温度を下げることができるので、加熱機構であるフィラメントすなわち電圧印加部14の寿命の低下を防ぐことができ、また、被測定物質の金属イオン放出体表面やフィラメント表面での分解あるいは表面電離を起こしにくくし、その結果、測定の精度を上げることができる。
【0047】
特に、金属イオン放出体15を酸化アルミニウム(Al23)と二酸化ケイ素(SiO2)が2:3のモル比の混合物の焼結体で形成した場合、金属イオン放出素子10の動作加熱温度は、1500℃以下であるため、加熱機構であるフィラメントの寿命の低下を防ぐことができ、また、被測定物質の金属イオン放出体表面やフィラメント表面での分解あるいは表面電離を起こしにくくし、その結果、測定の精度を上げることができる。
【0048】
さらに、このような金属イオン放出素子10は、半導体製造プロセス中のガスモニタリング用イオン付着質量分析法およびその装置のイオン源として用いるようにしたため、半導体プロセス中のガスの成分を分解せずに精度良く同定・定量することができる。
【0049】
次に、実施例として金属イオン放出体15に第1の化合物に酸化アルミニウム(Al23)、第2の化合物に二酸化ケイ素(SiO2)を用いた混合物の焼結体を使用したときのイオン放出に対する実験結果とその考察について述べる。
【0050】
図1に示す装置における金属イオン放出体15として、酸化アルミニウム(Al23)と二酸化ケイ素(SiO2)の種々の組成比での混合物の焼結体を用い、その金属イオン放出体15をイオン源に使用した場合のアルミニウムイオン放出の実験結果としてアルミニウムイオンの放出量(相対値)を表1に示す。
【0051】
【表1】
Figure 0004221230
【0052】
この実験は、電圧印加部14に、各組成での酸化アルミニウム(Al23)と二酸化ケイ素(SiO2)の混合物の焼結体を金属イオン放出体15として固定し、電圧印加部14を通電し、金属イオン放出体15を1200℃に加熱したときの一定時間に放出されるアルミニウムイオンの放出量を測定した。そして、その結果を酸化アルミニウム(Al23)と二酸化ケイ素(SiO2)との組成比を1:0、すなわち、酸化アルミニウム(Al23)の場合のアルミニウムイオン放出量を2としたときの相対的な量で表した。
【0053】
酸化アルミニウム(Al23)と二酸化ケイ素(SiO2)の組成比が1:1のときには、アルミニウムイオン放出量は1となる。また、酸化アルミニウム(Al23)と二酸化ケイ素(SiO2)の組成比が2:3のときには、アルミニウムイオン放出量は6となり、さらに、酸化アルミニウム(Al23)と二酸化ケイ素(SiO2)の組成比が1:2のときにはアルミニウムイオン放出量は0.8となる。図2は、表1の結果を横軸を二酸化ケイ素(SiO2)と酸化アルミニウム(Al23)の比で表し、縦軸をアルミニウムイオン放出量の相対値を表したときのグラフである。表1と図2のグラフを見て分かるように、酸化アルミニウム(Al23)に対する二酸化ケイ素(SiO2)のモル比を1:1と1:2にすると、電圧印加部14への担持は容易になるがアルミニウムイオン放出量は酸化アルミニウム(Al23)だけの場合の約半分になり、酸化アルミニウム(Al23)と二酸化ケイ素(SiO2)のモル比を2:3(1:1.5)にすると酸化アルミニウム(Al23)だけの場合の約3倍のアルミニウムイオン放出量を得ることができることが分かる。
【0054】
次に、上記の実験結果について考察する。
【0055】
ケイ素(Si)を含む化合物(ケイ酸塩化合物)の結晶構造は古くから研究され、ケイ素(Si)と酸素(O)の強力な結合によりSiO4四面体を最小単位として構成されていることが知られている。これは半径1.3オングストローム(Å)の酸素イオン(O2-)によって構成される正四面体の中心の空隙にケイ素イオン(Si4+)が配置された構造となっているとされている。表2には、代表的な元素のイオン半径とその酸化物の融点を示したものである。
【0056】
【表2】
Figure 0004221230
【0057】
表2から分かるように、ケイ素(Si)のイオン半径は0.4オングストローム(Å)であり、そのイオン半径に近い元素、例えばアルミニウムイオン(Al3+)のイオン半径は0.5オングストローム(Å)、0.6オングストローム(Å)であり、チタンイオン(Ti4+)のイオン半径は0.7オングストローム(Å)であり、またジルコニウムイオン(Zr4+)のイオン半径は0.8オングストローム(Å)であるから、それらのイオンはSiO4四面体構造のSi4+と置換されることが知られており、特にアルミニウムイオン(Al3+)はAl−同形置換体をなす混晶を作ることがよく知られている。このアルミニウムイオン(Al3+)がSiO4四面体の中心に位置するケイ素イオン(Si4+)と置換した場合、アルミニウムイオン(Al3+)は3価のイオンであるため、4価のイオンであるケイ素イオン(Si4+)が中心にある場合よりも四面体を形成する酸素の負の電荷があまった状態にある。一方、複数のSiO4四面体が頂点の酸素の共有結合により連結する際には結晶空隙を形成していく。このSiO4四面体のSiイオンと置換したAlO4四面体では、前述の結晶空隙にAlイオンを取り込んだ構成となっていて、明確な理由は分からないが、加熱により一価のイオンとして放出されると考えられる。
【0058】
従来のアルカリ金属イオン放出体は、上記の混晶を含む構成にアルカリ金属の酸化物を混ぜることにより、アルカリ金属イオンを放出させていたが、これは上記の構造が4価のケイ素イオン(Si4+)に比べてアルミニウムイオン(Al3+)が価数が1個不足していることに起因してアルカリ金属イオン(Li+,Na+,K+)が捕獲されやすい事実に関係していると思われる。半導体製造プロセスガスの質量分析用のイオン放出体としては、放出したい元素とケイ素(Si)、酸素(O)以外の元素特に、半導体の電気的特性に影響を及ぼすアルカリ金属が含まれないようにする必要がある。
【0059】
また、アルミニウムイオンを放出させる場合には酸化アルミニウム(Al23)と二酸化ケイ素(SiO2)のモル比が2:3の時に最もイオン放出率が高い。これは、アルミニウム(Al)とケイ素(Si)と酸素(O)のイオンの電荷数が関与していると考えられる。すなわち、酸化アルミニウム(Al23)と二酸化ケイ素(SiO2)により混晶を含む構成を形成した場合、混晶部分では各イオンの電荷を補償するように各イオンは配置すると考えられる。また、上述したように二酸化ケイ素(SiO2)と酸化アルミニウム(Al23)との混晶を含む構成の場合、混晶部分では一部のアルミニウムイオンはケイ素イオンと酸素イオンで形成される四面体構造のSi4+と置換した構造をとるため、酸化アルミニウム(Al23)と二酸化ケイ素(SiO2)が1:1のモル比で混合し、焼結した場合、その結果得られる混晶部分では、二酸化ケイ素(SiO2)と同量のアルミニウムを中心とする四面体構造をとるとすると、その四面体構造では、ケイ素が4価の正イオンに対して、アルミニウムが3価の正イオンであるため、全体として、ケイ素イオンが中心に配置している場合に比べて1価余分に負に帯電しているため、その四面体構造の付近に、正電荷のアルミニウムイオンが配置されると考えられる。そのため、混晶部分でも酸化アルミニウム(Al23)と二酸化ケイ素(SiO2)が1:1のモル比になっていると仮定すると、酸化アルミニウム(Al23)を構成する2の割合のAlと3の割合のOのうち1の割合のAlと2の割合の酸素、すなわちAlO2がSiO2と同様に四面体構造を形成し、残りのAlとOがその四面体構造と電荷補償するように配置される。そのとき、四面体の外側のアルミニウムは近くに負電荷を持つ酸素があるため、混晶部分内で強く束縛された状態と考えられる。そのため、アルミニウムイオンは、加熱したときにも放出しにくいと考えられる。
【0060】
酸化アルミニウム(Al23)と二酸化ケイ素(SiO2)のモル比が2:3のときには、混晶部分での酸化アルミニウム(Al23)と二酸化ケイ素(SiO2)のモル比も2:3であると仮定すると、Al23からはAlが4で酸素が6の割合で混合し、SiO2からはSiが3でOが6の割合で混合される。そのとき、アルミニウムも酸素と四面体を形成するとすると、酸素6にアルミニウム3の割合で四面体を形成するので、残りの1のアルミニウムは、四面体の外側に配置されると考えられる。アルミニウムを中心とする四面体は、負に帯電しているため、その電荷を補償するように、四面体の周りに配置されると考えられる。そして、このアルミニウムは混晶部分内での結合が比較的弱いと考えられ、加熱したときにイオンとして放出しやすいと考えられる。
【0061】
酸化アルミニウム(Al23)と二酸化ケイ素(SiO2)のモル比が1:2のときには、混晶部分での酸化アルミニウム(Al23)と二酸化ケイ素(SiO2)のモル比も1:2であると仮定すると、Al23からはAlが2で酸素が3の割合で混合し、SiO2からはSiが2で酸素が4の割合で混合すると考えられる。このとき、SiO2と同数のアルミニウムを中心とする四面体を形成するには、酸素が不足している。そのため、混晶部分ではその酸素を補うため、Alイオンの周りにSiを中心とする酸素四面体が集まり混晶を形成すると考えられる。そのため、アルミニウムイオンの周りには酸素が多くなり、混晶部分内でのアルミニウムイオンは強く束縛されることになると思われる。それにより、加熱したときのアルミニウムイオンの放出量が少なくなると考えられる。
【0062】
上記のことから類推して、アルミニウムイオンの放出量の最大となる酸化アルミニウムと二酸化ケイ素のモル比の2:3を一般化すると、第1の化合物は、イオンとなる金属元素をMで表し、その金属元素Mの組成比をX、酸素Oの組成比をYで表したときに、化学式MXYと表される酸化物であり、第2の化合物は、化学式SiO2で表される二酸化ケイ素であり、第1の化合物と第2の化合物のモル比が(2+XY):X2Yのときが、金属元素を四面体の中心に置換した構造を多く有し、また、その四面体構造の周りに結合が弱い金属元素Mが配置された混晶を含む構成を得ることができると考えられ、このとき、混晶部分によって最も多くの金属元素Mのイオン放出を起こすことができると考えられる。
【0063】
図3は、上記の最適なAlイオン放出体、すなわち、酸化アルミニウム(Al23)と二酸化ケイ素(SiO2)とのモル比が2:3で形成したものを使用して、その放出Alイオン量を測定した結果を示したものである。横軸は、フィラメントの加熱温度であり、縦軸はアルミニウムイオンの放出量をイオン電流の対数で表したものを示す。図3を見て分かるように、加熱機構の温度上昇と共に、Alイオン量の対数値はほぼ直線的に増加し、1200℃においてイオン付着質量分析に必要なAlイオン量(0.2μA)を得られることを見出した。この加熱温度は、表2に示すAl酸化物の融点(2054℃)やSi酸化物の融点(1713℃)よりも充分低く、また、Al酸化物をイオン源とした場合に必要とする1600℃よりも低いことが分かる。
【0064】
上記のように放出したい金属の化合物(酸化物)だけではなく、その金属化合物と元素置換して混晶を含む構成を形成したものであれば、金属化合物単体をイオン源にするよりもはるかに低い温度で、測定に必要な金属イオンを得ることができる。
【0065】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、金属イオンを被測定ガスに付着させて被測定ガスの同定・定量を行う質量分析装置において、アルカリ金属の混入を嫌う金属半導体製造プロセス中のガスのモニタリングを行う場合に、低温で安定した放出金属イオンを得られる長寿命の金属イオン放出素子を設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の質量分析装置を示す概略回路図である。
【図2】Al23とSiO2混合比とAlイオン放出量の関係を示すグラフである。
【図3】Al23とSiO2のモル比が2:3の金属イオン放出体をイオン源にしたときの加熱温度とAlイオン放出量の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10 金属イオン放出素子
11 アパーチャ
12 隔壁
13 絶縁部材
14 電圧印加部(加熱機構)
15 金属イオン放出体
16 リペラ電極
17 ガス導入部
18,19 電源

Claims (7)

  1. 金属イオンを放出する金属イオン放出体と、前記金属イオン放出体を加熱する加熱機構とから構成される金属イオン放出素子において、
    前記金属イオン放出体は、第1の化合物と第2の化合物の混合物の焼結体であり、前記第1の化合物と前記第2の化合物は窒化物であり、
    前記第1の化合物および前記第2の化合物の少なくとも一方が前記金属イオンとなる金属元素を含み、
    前記金属元素は、周期表の3族から15族のうちのいずれかの金属元素であることを特徴とする金属イオン放出素子。
  2. 金属イオンを放出する金属イオン放出体と、前記金属イオン放出体を加熱する加熱機構とから構成される金属イオン放出素子において、
    前記金属イオン放出体は、第1の化合物と第2の化合物の混合物の焼結体であり、前記第1の化合物と前記第2の化合物は窒化物であり、
    前記第1の化合物および前記第2の化合物の少なくとも一方が前記金属イオンとなるアルミニウムを含むことを特徴とする金属イオン放出素子。
  3. 金属イオンを放出する金属イオン放出体と、前記金属イオン放出体を加熱する加熱機構とから構成される金属イオン放出素子において、
    前記金属イオン放出体は、第1の化合物と第2の化合物の混合物の焼結体であり、
    前記第1の化合物が前記金属イオンとなる金属元素を含み、
    前記金属元素は、周期表の3族から15族のうちのいずれかの金属元素であり、
    前記第1の化合物は、前記金属元素をMで表し、その金属元素Mの組成比をX、酸素Oの組成比をYで表したときに、化学式M と表される酸化物であり、
    前記第2の化合物は、化学式SiO で表される二酸化ケイ素であり、
    前記第1の化合物と前記第2の化合物のモル比が(2+XY):X Yであることを特徴とする金属イオン放出素子。
  4. 前記第1の化合物は化学式Alで表される酸化アルミニウムであり、前記第2の化合物は化学式SiOで表される二酸化ケイ素であり、
    前記酸化アルミニウムと前記二酸化ケイ素のモル比(Al /SiO 1/1〜1/2であることを特徴とする請求項記載の金属イオン放出素子。
  5. 金属イオンを放出する金属イオン放出体と、前記金属イオン放出体を加熱する加熱機構とから構成される金属イオン放出素子において、
    前記金属イオン放出体は、第1の化合物と第2の化合物の混合物の焼結体であり、前記第1の化合物と前記第2の化合物は、周期表の3族以上の元素で構成され、
    前記第1の化合物および前記第2の化合物の少なくとも一方が前記金属イオンとなる金属元素を含み、
    前記金属元素は、周期表の3族から15族のうちのいずれかの金属元素であり、
    前記加熱機構による加熱温度は、前記第1の化合物と前記第2の化合物のうち、前記金属元素を含む化合物の前記金属イオンが放出開始する温度を越えない温度であることを特徴とする金属イオン放出素子。
  6. 前記加熱温度は1500℃を越えないことを特徴とする請求項記載の金属イオン放出素子。
  7. 半導体製造プロセス中のガスモニタリング用イオン付着質量分析装置のイオン源として用いられることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の金属イオン放出素子。
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