JP6593689B2 - Maldi質量分析用マトリックス及びその製法並びにそれを用いた質量分析法 - Google Patents

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Description

本発明はMALDI(Matrix Assisted Desorption/Ionization(マトリックス支援レーザー脱離イオン化))質量分析用マトリックス及びその製法並びにそれを用いた質量分析法に関する。更に詳しくは、化学物質や生体試料を含む分析検体のレーザー脱離イオン化を促進する極微細凹凸形状粒子及びその製法並びにそれを用いた質量分析法に関する。
質量分析法は試料に含まれる物質の分子量・構造決定において、極めて重要な分析技術である。分析対象は、化学薬品から生体由来物質など多岐にわたるため、さらなる分析技術の向上・高感度化が望まれている。特に、生体由来の試料を包括的に解析することで生命現象への理解を深めるオミックス解析においては、蛋白質・ペプチド・糖鎖あるいはその代謝物などがその対象となり、微量かつ複雑な混合物からの分析が求められる。
質量分析は、分析試料をイオン化するイオン化工程、生成したイオンを磁場あるいは電場を利用して質量電荷比(m/z)ごとに分離する分離工程、及び検出工程という3つの工程からなる。特に、試料のイオン化は分析精度を決定づける最も重要な工程(過程)であり、測定する試料の性質に応じて、電子イオン化(EI)法、化学イオン化(CI)法、高速原子衝撃(FAB)法、電界脱離(FD)法、エレクトロスプレーイオン化(ESI)法、レーザー脱離イオン化(LDI)法など、様々な手法が開発されてきた。このうち、LDI法の一つであるマトリックス支援レーザー脱離イオン化(以下、「MALDI」という)法は、試料の分解(フラグメント化)の少ないソフトイオン化手法として注目されている。
例えば、特許文献1によれば、これまでMALDI法は、特に高分子化合物のイオン化に利用されてきたが、MALDI法が非常に簡便で且つ高感度なイオン化法であることから、近年、低分子化合物への適用の要望が非常に高まっている。従来のマトリックスを用いてMALDI−TOFMS分析を行った場合、マススペクトルにはマトリックス由来の夾雑物イオンピークが低質量(m/z)領域に顕著に観測される。測定対象物質が高分子化合物である場合には、そうした低質量領域の妨害ピークの存在は問題にならない。しかしながら、測定対象物質が低分子化合物である場合には、マススペクトル上で、目的とする低分子化合物由来の各種分子イオンピークと上記妨害ピークとが混在したり場合によっては重なったりしてしまい、目的ピークを正確に把握することができなくなる。このような理由により、従来のマトリックスを用いたMALDI−TOFMSで低分子化合物を適切に分析することは困難であった。特許文献1記載の発明は、特に分子量が500以下である低分子化合物を測定対象として実用上十分なMALDI質量分析が可能な、低分子有機化合物であるマトリックスを提供することを目的としている。
MALDI法は、特に高分子化合物のイオン化に利用されてきたが、MALDI法が非常に簡便で且つ高感度なイオン化法であることから、低分子化合物への適用の要望が高いものの、低分子化合物に適用した場合には、試料とともに気化したマトリックス由来のイオンが同時に検出されるため、マススペクトル上で、目的とする低分子化合物由来の各種分子イオンピークと上記妨害ピークとが混在したり場合によっては重なったりしてしまい、低分子量領域(m/zが1000以下の領域)の精密質量分析・微量成分の検出が難しいという問題がある。
特許文献2によれば、MALDI質量分析法で用いられるマトリックスとして有機マトリックス以外に、無機微粒子を用いる無機マトリックスがあるとされていて、微粒子無機マトリックスを使用する方法では、グリセリンなどの高粘度液体を無機微粒子(例えばCo微粒子)に被覆したサスペンジョンと試料物質とを混合して用いる手法が知られており、無機微粒子をそのまま使用すると、通常、試料分子が無機微粒子に強固に吸着(多点吸着)するので、レーザー光を照射した場合に試料分子の脱離が生じにくくなり、精度の良い質量分析を行うことが難しいとしている。また、一部の貴金属を除いた遷移金属の無機微粒子は空気酸化されやすく表面状態が変化することが多いため、そのまま質量分析に適用することは難しいので、グリセリンなどの高粘性液体で被覆すると、無機微粒子を覆う高粘性液体に試料分子が浮遊した状態となり、レーザー光の照射によってイオン化した試料分子は容易にマトリックスから脱離でき、高粘性液体が保護剤となるため、金属微粒子を使用した場合の空気酸化も防止できる。しかしながら、質量分析装置ではイオン源部が高真空下にあるためグリセリンなどの保護剤による装置の汚染が問題となるとしている。
特許文献2記載の発明は、現状のMALDI質量分析法において、妨害イオンピークが少なく、低分子量の有機化合物が精度良く分析できる汎用性の高い簡便な手法は未だ確立されていないという現状に鑑み、試料基板に特殊な材料を使用する必要がない無機微粒子をマトリックスとする手法において、妨害イオンピークの原因となる物質を介在させることなく、試料物質をマトリックス粒子に直接保持させて精度良く分析できるMALDI質量分析技術を提供することを課題としている。
そして、特許文献2記載の発明は、平均粒子径100nm以下のCuO一次粒子が集合してなる二次粒子であって、最表層を構成する一次粒子の形状に起因した凹凸表面を有するCuO二次粒子を、レーザー光吸収マトリックスとして備えたMALDI質量分析用の試料ホルダによって、課題(妨害イオンピークの原因となる物質を介在させることなく、試料物質をマトリックス粒子に直接保持させて精度良く分析できるMALDI質量分析技術を提供する)を解決しようとしている。
上述したとおりMALDI法では、試料とともに用いられるマトリックスと呼ばれる試薬が重要な役割を持っている。実際の測定では試料はあらかじめ大過剰の有機マトリックスと混合され、導電性の試料プレート上へ塗布される。そこへ紫外光レーザーを照射することで、マトリックスとともに試料が気化・イオン化される。ここで、マトリックスは試料分解につながる試料への直接的なレーザー光照射を阻害し、光エネルギーを熱エネルギーへと効率良く変換することで、試料の気化・イオン化を促進する役割を果たしている。このため有機マトリックスでは、α−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸(α−CHCA)、2,5−ジヒドロキシ安息香酸(DHB)などの有機低分子化合物が用いられている。
特開2010−204050号公報 特開2009−9811号公報
したがって、MALDI法を低分子化合物に適用するためには、低分子化合物由来の各種分子イオンピークと妨害ピークとが混在したり、或いは重なったりすることなく目的ピークを正確に把握することができること、及び試料の気化・イオン化を促進することが重要である。また、微量試料のイオン化を効率良く行うためには、測定試料の準備段階で、特別な操作を必要とせず、常に一定の試料分散状態を試料プレート表面で実現することが求められる。
本発明の目的は、MALDI法を低分子化合物(m/zが1000以下の領域)に適用しても、マススペクトル上で目的とする低分子化合物由来の各種分子イオンピークと妨害ピークとが混在したり、場合によっては重なったりすることがない低分子量領域の精密質量分析・微量成分の検出が可能で、そのうえ試料の気化・イオン化を促進することができる無機マトリックス材料を提供することである。上記に加えて、無機マトリックスの表面形状を極微細化し、さらには全体の粒子形状を均一とすることで、試料を塗布するだけで試料プレート表面のいずれの場所においても効率良くイオン化することが可能なマトリックス表面を実現することである。
本発明の第1の態様は、MALDI質量分析のイオン化を促進させるマトリックス材料を構成する微細なナノ結晶が集合して構成される球状、ブラシ状、樹木状、または花弁状の多孔性粒子であって、
該球状、ブラシ状、樹木状、または花弁状の多孔性粒子が山部と谷部によって画成される極微細凹凸表面層を有し、当該山部と谷部間の長さが1〜20nmである
ことを特徴とする多孔性粒子に関する。
また、前記多孔性粒子の粒径が0.1乃至0.8μmであることを特徴とすることが好ましい。
本発明の第2の態様は、金属塩と有機添加物とを含む前駆溶液を250℃以上の温度で加熱する工程を含んでなることを特徴とする、MALDI質量分析のイオン化を促進させるマトリックス材料に用いられる多孔性粒子の製造方法に関する。
また、前記金属塩が、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、硝酸コバルト、硝酸マンガン、硝酸ニッケル、硝酸鉄、酢酸金、からなる群から選択される1種以上であることを特徴とすることが好ましい。上記金属塩のアニオンは特に限定されないが、アニオンとしては、例えば、F、Cl、Br、I、OH、HSO 、SO 2−、HPO 、HPO 2−、PO 3−、NO 等の無機アニオン、HCOO、CHCOO等の有機アニオンを含み得る。
また、前記前駆溶液が、有機添加物を含むメタノール溶液であることを特徴とすることが好ましい。
また、前記加熱する工程が、密閉した反応管内で実行されてなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
本発明の第3の態様は、請求項1又は2に記載の球状、ブラシ状、樹木状、または花弁状の多孔性粒子にMALDI質量分析のイオン化をさらに促進させる貴金属ナノ粒子を表面担持して構成される複合多孔性粒子であって、
該複合多孔性粒子が山部と谷部によって画成される極微細凹凸表面層を有し、当該山部と谷部間の長さが1〜20nmである
ことを特徴とする貴金属担持多孔性粒子。
本発明の第4の態様は、貴金属塩と請求項1又は2に記載の多孔性粒子を含む前駆溶液を紫外光照射下にて光還元する工程を含んでなることを特徴とする、MALDI質量分析のイオン化を促進させるマトリックス材料に用いられる貴金属粒子が担持された複合多孔性粒子の製造方法。
また、前記貴金属塩が、酢酸金の他に、例えば塩化白金酸、酢酸パラジウム、塩化ルテニウム、硝酸コバルト、硝酸ニッケル、硝酸銀、硝酸銅からなる群から選択される1種以上であることを特徴とする請求項7に記載の方法。上記貴金属塩のアニオンは特に限定されないが、アニオンとしては、例えば、F、Cl、Br、I、OH、HSO 、SO 2−、HPO 、HPO 2−、PO 3−、NO 等の無機アニオン、HCOO、CHCOO等の有機アニオンを含み得る。
また、前記前駆溶液が、貴金属塩を含むメタノール溶液であることを特徴とする請求項8又は9に記載の方法。
本発明の第5の態様は、請求項1、2又は請求項7、8のいずれかに記載の多孔性粒子のMALDI質量分析への使用。
本発明によれば、微細なナノ結晶が集合して構成される球状、ブラシ状、樹木状、または花弁状の多孔性粒子であって、該球状、ブラシ状、樹木状、または花弁状の多孔性粒子が山部と谷部によって画成される極微細凹凸表面層を有し、当該山部と谷部間の長さが1〜20nmであることを特徴とする多孔性粒子が得られるので、当該極微細凹凸表面層が分析対象分子を保持し、レーザー脱離イオン化過程において気化・イオン化を促進する有用なマトリックスとなり得る。それゆえ、従来技術のレーザー脱離イオン化で用いられてきた有機マトリックスの代替として用いることで、従来法では困難な低分子領域での低ノイズ・微量分析が実現するという顕著な効果を奏し得る。
極微細凹凸表面層を有する多孔性粒子を用いたMALDI法の概略図であり、(a)は導電性試料プレート上に載置した極微細凹凸表面層に分析対象となる試料分子を吸着した状態を示し、(b)は(a)の多孔性粒子の一部拡大図であり、当該多孔性粒子の極微細凹凸表面層に紫外レーザーを照射した状態を示し、(c)は極微細凹凸表面層に吸着した試料分子が気化・イオン化した状態を示す説明図である。 実施形態1の製法で製造した極微細凹凸表面層を有する球状酸化チタン粒子のTEM写真。 実施形態1の製法で製造した極微細凹凸表面層を有する球状酸化チタン粒子のSEM写真。 実施形態2の製法で製造した極微細凹凸表面層を有するブラシ状酸化チタン粒子のTEM写真。 実施形態2の製法で製造した極微細凹凸表面層を有するブラシ状酸化チタン粒子のSEM写真。 実施形態3の製法で製造した極微細凹凸表面層を有する球状酸化コバルト・酸化マンガン複合粒子のTEM写真。 実施形態4の製法で製造した極微細凹凸表面層を有する球状酸化ニッケル・酸化マンガン複合粒子のTEM写真。 実施形態5の製法で製造した極微細凹凸表面層を有する球状酸化鉄・酸化マンガン複合粒子のTEM写真。 実施形態6の製法で製造した極微細凹凸表面層を有する球状酸化鉄・酸化コバルト複合粒子のTEM写真。 実施形態7の製法で製造した極微細凹凸表面層を有する球状酸化鉄・酸化マンガン・酸化コバルト複合粒子のTEM写真。 実施形態8の製法で製造した極微細凹凸表面層を有する樹木状コバルト粒子のTEM写真。 実施形態9の製法で製造した極微細凹凸表面層を有する花弁状コバルト粒子のTEM写真。 実施形態10の製法で製造した極微細凹凸表面層を有する金ナノ粒子担持球状酸化チタン複合粒子のSTEM/EDX写真。 MALDI質量分析の実施形態に係る(m/z)対(Relative Intensity)の関係を示す質量スペクトルであり(a)は実施形態1の製法によって製造した極微細凹凸表面層を有する球状酸化チタン粒子をマトリックスとして用いたα−シクロデキストリンの質量スペクトルであり、(b)は市場で入手できる有機マトリックス(α−CHCA)を用いたα−シクロデキストリンの質量スペクトルである。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図14に基づいて説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されない。
図1は山部(M)と谷部(V)によって画成される極微細凹凸表面層を有し、当該山部(M)と谷部(V)間の長さが1〜20nmの極微細凹凸表面層を有する多孔性粒子(P)を用いたMALDI法の概略図であり、(a)は導電性試料プレート上に載置した山部と谷部によって画成される極微細凹凸表面層に分析対象となる試料分子(Sm)を吸着した状態を示し、(b)は(a)の多孔性粒子(P)の一部拡大図であり、当該多孔性粒子(P)の極微細凹凸表面層に紫外レーザーを照射した状態を示し、(c)は極微細凹凸表面層に吸着した試料分子(Sm)が気化・イオン化した状態を示す説明図である。図2は実施形態1の製法で製造した極微細凹凸表面層を有する球状酸化チタン粒子のTEM写真。図3は実施形態1の製法で製造した極微細凹凸表面層を有する球状酸化チタン粒子のSEM写真。図4は実施形態2の製法で製造した極微細凹凸表面層を有するブラシ状酸化チタン粒子のTEM写真。図5は実施形態2の製法で製造した極微細凹凸表面層を有するブラシ状酸化チタン粒子のSEM写真。図6は実施形態3の製法で製造した極微細凹凸表面層を有する球状酸化コバルト・酸化マンガン複合粒子のTEM写真。図7は実施形態4の製法で製造した極微細凹凸表面層を有する球状酸化ニッケル・酸化マンガン複合粒子のTEM写真。
図8は実施形態5の製法で製造した極微細凹凸表面層を有する球状酸化鉄・酸化マンガン複合粒子のTEM写真。図9は実施形態6の製法で製造した極微細凹凸表面層を有する球状酸化鉄・酸化コバルト複合粒子のTEM写真。図10は実施形態7の製法で製造した極微細凹凸表面層を有する球状酸化鉄・酸化マンガン・酸化コバルト複合粒子のTEM写真。図11は実施形態8の製法で製造した極微細凹凸表面層を有する樹木状コバルト粒子のTEM写真。図12は実施形態9の製法で製造した極微細凹凸表面層を有する花弁状コバルト粒子のTEM写真。図13は実施形態10の製法で製造した極微細凹凸表面層を有する金ナノ粒子担持球状酸化チタン複合粒子のSTEM/EDX写真。図14はMALDI質量分析の実施例に係る(m/z)対(Relative Intensity)の関係を示す質量スペクトルであり(a)は実施形態1の製法によって製造した極微細凹凸表面層を有する球状酸化チタン粒子をマトリックスとして用いたα−シクロデキストリンの質量スペクトルであり、(b)は市場で入手できる有機マトリックス(α−CHCA)を用いたα−シクロデキストリンの質量スペクトルである。
図1は極微細凹凸表面層を有する多孔性粒子(P)を用いたMALDI法の概略図である。図1を参照すると、当該MALDI法は、後述する実施形態1、2に記載した製法によって得られた山部(M)と谷部(V)によって画成される極微細凹凸表面層を有する多孔性粒子(P)を導電性試料プレート(CS)上に載置して山部(M)と谷部(V)によって画成される極微細凹凸表面層を有する多孔性粒子(P)の表面に分析対象となる試料分子(Sm)を吸着させる工程(図1の(a)、(b))、山部(M)と谷部(V)によって画成される極微細凹凸表面層を有する多孔性粒子(P)の表面に紫外レーザーを照射し(図1の(b))、極微細凹凸表面層を有する多孔性粒子(P)の表面に吸着していた試料分子(Sm)を気化・分離させる工程を含んでいる。
[実施形態1]
有機修飾剤としてフタル酸(C(COOH))830mg(和光純薬工業株式会社)を0.5mol/Lとなるように添加したメタノール10mL(和光純薬工業株式会社)に71mgのチタンテトライソプロポキシド(Ti[OCH(CH)(和光純薬工業株式会社)を0.025mol/Lとなるように撹拌しながら混合した。
次に、この溶液を温度300℃、圧力17MPaまで上昇させ、超臨界メタノールとし、10分間反応させ、6600rpmで10分間、遠心分離して得られた沈殿物をデカンテーションにより分離した。さらにこの沈殿物に対して新たにメタノールを加え、遠心分離および沈殿物のデカンテーションの操作を二回繰り返し、沈殿物を0.001KPa(0.01hPa)で12時間乾燥して酸化チタンナノ粒子凝集体の粉体を得た。
その結果、図2、3に示されるとおり山部と谷部によって画成される極微細凹凸表面層を有し、当該山部と谷部間の長さが1〜20nmの球状酸化チタン粒子であって、中空の球状酸化チタン粒子を得た。
[実施形態2]
有機修飾剤としてフタル酸ジメチル(C(COOCH)970mg(和光純薬工業株式会社)を0.5mol/Lとなるように添加したメタノール3.5mL(和光純薬工業株式会社)に99mgのチタンテトライソプロポキシド(Ti[OCH(CH)(和光純薬工業株式会社)を0.1mol/Lとなるように撹拌しながら混合した。
次に、この溶液を温度300℃、圧力17MPaまで上昇させ、超臨界メタノールとし、10分間反応させ、6600rpmで10分間、遠心分離して得られた沈殿物をデカンテーションにより分離した。さらにこの沈殿物に対して新たにメタノールを加え、遠心分離および沈殿物のデカンテーションの操作を二回繰り返し、沈殿物を0.001KPa(0.01hPa)で12時間乾燥して酸化チタンナノ粒子凝集体の粉体を得た。
その結果、図4、5に示されるとおり山部と谷部によって画成される極微細凹凸表面層を有し、当該山部と谷部間の長さが1〜20nmのブラシ状酸化チタン粒子を得た。
[実施形態3]
有機修飾剤としてジエチレングリコール1.05mL(和光純薬工業株式会社)を添加したメタノール3.5mL(和光純薬工業株式会社)に51mgの硝酸コバルト六水和物(Co(NO・6HO)(和光純薬工業株式会社)と50mgの硝酸マンガン六水和物(Mn(NO・6HO)(和光純薬工業株式会社)を合計0.1mol/Lとなるように撹拌しながら混合した。
次に、この溶液を温度300℃、圧力17MPaまで上昇させ、超臨界メタノールとし、10分間反応させ、6600rpmで10分間、遠心分離して得られた沈殿物をデカンテーションにより分離した。さらにこの沈殿物に対して新たにメタノールを加え、遠心分離および沈殿物のデカンテーションの操作を二回繰り返し、沈殿物を0.001KPa(0.01hPa)で12時間乾燥して酸化コバルト・酸化マンガン複合ナノ粒子凝集体の粉体を得た。
その結果、図6に示されるとおり山部と谷部によって画成される極微細凹凸表面層を有し、当該山部と谷部間の長さが1〜20nmの球状コバルト・マンガン複合酸化物粒子であって、中実の球状コバルト・マンガン複合酸化物粒子を得た。
[実施形態4]
有機修飾剤としてジエチレングリコール1.05mL(和光純薬工業株式会社)を添加したメタノール3.5mL(和光純薬工業株式会社)に51mgの硝酸ニッケル六水和物(Ni(NO・6HO)(和光純薬工業株式会社)と50mgの硝酸マンガン六水和物(Mn(NO・6HO)(和光純薬工業株式会社)を合計0.1mol/Lとなるように撹拌しながら混合した。
次に、この溶液を温度300℃、圧力17MPaまで上昇させ、超臨界メタノールとし、10分間反応させ、6600rpmで10分間、遠心分離して得られた沈殿物をデカンテーションにより分離した。さらにこの沈殿物に対して新たにメタノールを加え、遠心分離および沈殿物のデカンテーションの操作を二回繰り返し、沈殿物を0.001KPa(0.01hPa)で12時間乾燥して酸化ニッケル・酸化マンガン複合ナノ粒子凝集体の粉体を得た。
その結果、図7に示されるとおり山部と谷部によって画成される極微細凹凸表面層を有し、当該山部と谷部間の長さが1〜20nmの球状ニッケル・マンガン複合酸化物粒子であって、中実の球状ニッケル・マンガン複合酸化物粒子を得た。
[実施形態5]
有機修飾剤としてジエチレングリコール1.05mL(和光純薬工業株式会社)を添加したメタノール3.5mL(和光純薬工業株式会社)に71mgの硝酸鉄九水和物(Fe(NO・9HO)(和光純薬工業株式会社)と50mgの硝酸マンガン六水和物(Mn(NO・6HO)(和光純薬工業株式会社)を合計0.1mol/Lとなるように撹拌しながら混合した。
次に、この溶液を温度300℃、圧力17MPaまで上昇させ、超臨界メタノールとし、10分間反応させ、6600rpmで10分間、遠心分離して得られた沈殿物をデカンテーションにより分離した。さらにこの沈殿物に対して新たにメタノールを加え、遠心分離および沈殿物のデカンテーションの操作を二回繰り返し、沈殿物を0.001KPa(0.01hPa)で12時間乾燥して酸化鉄・酸化マンガン複合ナノ粒子凝集体の粉体を得た。
その結果、図8に示されるとおり山部と谷部によって画成される極微細凹凸表面層を有し、当該山部と谷部間の長さが1〜20nmの球状鉄・マンガン複合酸化物粒子であって、中実の球状鉄・マンガン複合酸化物粒子を得た。
[実施形態6]
有機修飾剤としてジエチレングリコール1.05mL(和光純薬工業株式会社)を添加したメタノール3.5mL(和光純薬工業株式会社)に71mgの硝酸鉄九水和物(Fe(NO・9HO)(和光純薬工業株式会社)と51mgの硝酸コバルト六水和物(Co(NO・6HO)(和光純薬工業株式会社)を合計0.1mol/Lとなるように撹拌しながら混合した。
次に、この溶液を温度300℃、圧力17MPaまで上昇させ、超臨界メタノールとし、10分間反応させ、6600rpmで10分間、遠心分離して得られた沈殿物をデカンテーションにより分離した。さらにこの沈殿物に対して新たにメタノールを加え、遠心分離および沈殿物のデカンテーションの操作を二回繰り返し、沈殿物を0.001KPa(0.01hPa)で12時間乾燥して酸化鉄・酸化コバルト複合ナノ粒子凝集体の粉体を得た。
その結果、図9に示されるとおり山部と谷部によって画成される極微細凹凸表面層を有し、当該山部と谷部間の長さが1〜20nmの球状鉄・コバルト複合酸化物粒子であって、中実の球状鉄・コバルト複合酸化物粒子を得た。
[実施形態7]
有機修飾剤としてジエチレングリコール1.05mL(和光純薬工業株式会社)を添加したメタノール3.5mL(和光純薬工業株式会社)に43mgの硝酸鉄九水和物(Fe(NO・9HO)(和光純薬工業株式会社)、30mgの硝酸マンガン六水和物(Mn(NO・6HO)(和光純薬工業株式会社)、30mgの硝酸コバルト六水和物(Co(NO・6HO)(和光純薬工業株式会社)を合計0.1mol/Lとなるように撹拌しながら混合した。
次に、この溶液を温度300℃、圧力17MPaまで上昇させ、超臨界メタノールとし、10分間反応させ、6600rpmで10分間、遠心分離して得られた沈殿物をデカンテーションにより分離した。さらにこの沈殿物に対して新たにメタノールを加え、遠心分離および沈殿物のデカンテーションの操作を二回繰り返し、沈殿物を0.001KPa(0.01hPa)で12時間乾燥して酸化鉄・酸化マンガン・酸化コバルト複合ナノ粒子凝集体の粉体を得た。
その結果、図10に示されるとおり山部と谷部によって画成される極微細凹凸表面層を有し、当該山部と谷部間の長さが1〜20nmの球状鉄・マンガン・コバルト複合酸化物粒子であって、中実の球状鉄・マンガン・コバルト複合酸化物粒子を得た。
[実施形態8]
有機修飾剤としてエチレングリコール0.62mL(和光純薬工業株式会社)を添加したメタノール3.5mL(和光純薬工業株式会社)に100mgの硝酸コバルト六水和物(Co(NO・6HO)(和光純薬工業株式会社)を合計0.1mol/Lとなるように撹拌しながら混合した。
次に、この溶液を温度300℃、圧力17MPaまで上昇させ、超臨界メタノールとし、30秒間反応させ、6600rpmで10分間、遠心分離して得られた沈殿物をデカンテーションにより分離した。さらにこの沈殿物に対して新たにメタノールを加え、遠心分離および沈殿物のデカンテーションの操作を二回繰り返し、沈殿物を0.001KPa(0.01hPa)で12時間乾燥してコバルト粒子凝集体の粉体を得た。
その結果、図11に示されるとおり山部と谷部によって画成される極微細凹凸表面層を有し、当該山部と谷部間の長さが1〜20nmの樹木状コバルト粒子を得た。
[実施形態9]
有機修飾剤としてジエチレングリコール1.05mL(和光純薬工業株式会社)を添加したメタノール3.5mL(和光純薬工業株式会社)に100mgの硝酸コバルト六水和物(Co(NO・6HO)(和光純薬工業株式会社)を合計0.1mol/Lとなるように撹拌しながら混合した。
次に、この溶液を温度300℃、圧力17MPaまで上昇させ、超臨界メタノールとし、30秒間反応させ、6600rpmで10分間、遠心分離して得られた沈殿物をデカンテーションにより分離した。さらにこの沈殿物に対して新たにメタノールを加え、遠心分離および沈殿物のデカンテーションの操作を二回繰り返し、沈殿物を0.001KPa(0.01hPa)で12時間乾燥してコバルト粒子凝集体の粉体を得た。
その結果、図12に示されるとおり山部と谷部によって画成される極微細凹凸表面層を有し、当該山部と谷部間の長さが1〜20nmの花弁状コバルト粒子であって、花弁状コバルト粒子を得た。
[実施形態10]
メタノール3.5mL(和光純薬工業株式会社)に実施形態1の方法で合成される50mgの酸化チタン粒子と7mgの酢酸金(III)を撹拌しながら混合した。
次に、この溶液に波長250〜385nmの紫外光照射(朝日分光株式会社製、高出力キセノン光源MAX−301、標準UVモジュール装着)を行い、60分間反応させ、6600rpmで10分間、遠心分離して得られた沈殿物をデカンテーションにより分離した。さらにこの沈殿物に対して新たにメタノールを加え、遠心分離および沈殿物のデカンテーションの操作を二回繰り返し、沈殿物を0.001KPa(0.01hPa)で12時間乾燥して貴金属粒子担持酸化チタン粒子の粉体を得た。
その結果、図13に示されるとおり山部と谷部によって画成される極微細凹凸表面層を有し、当該山部と谷部間の長さが1〜20nmで、粒径1〜10nmの金粒子が担持された酸化チタン粒子であって、中空の酸化チタン粒子を得た。
当該実施形態11では、貴金属塩の種類は限定されない。酢酸金の他に、例えば塩化白金酸、酢酸パラジウム、塩化ルテニウム、硝酸コバルト、硝酸ニッケル、硝酸銀、硝酸銅などの貴金属塩を用いてもよい。上記金属塩のアニオンは特に限定されないが、アニオンとしては、例えば、F、Cl、Br、I、OH、HSO 、SO 2−、HPO 、HPO 2−、PO 3−、NO 等の無機アニオン、HCOO、CHCOO等の有機アニオンを好適に用いることができる。
[実施形態11]
前述の実施形態1に係る極微細凹凸表面層を有する多孔性粒子を製造する方法によれば、ナノサイズの結晶が山部と谷部によって画成される極微細凹凸表面層を有し、当該山部と谷部間の長さが1〜20nmを持って集合した極微細凹凸表面層を有する多孔性粒子が実現できる。したがって、極微細凹凸表面層を有する多孔性粒子をマトリックスと見立て、分析試料を保持し急速加熱気化・イオン化を促進するレーザー脱離イオン化質量分析への用途が実現した。
ここで、図14を参照すると、図14は本発明に基づいて作成された極微細凹凸表面層を有する多孔性粒子のMALDI質量分析(質量電荷比対イオン検出強度)の実施形態について示しており、スペクトル(a)は極微細凹凸表面層を有する多孔性粒子をマトリックスとして用いたものであり、一方スペクトル(b)は市販有機マトリックス化合物をマトリックスとして用いたものを示している。
質量分析の試験には、Bruker社製Autoflex IIIを用いた。試料は、装置付属のステンレス製試料プレートにあらかじめマトリックスを塗布・乾燥し、その後分析試料を重ねて塗布することで作成した。質量分析測定は、イオン化にNd:YAGレーザー(波長:355nm)を用い、1000Hzでパルス照射を行った。イオンの分離・検出は、飛行時間型(TOF)、ポジティブイオン、リフレクトロンモードで行った。測定は、異なるスポットで10回繰り返し積算した。図14の(a)によれば、本発明にしたがって得られた極微細凹凸形状粒子をマトリックスとして添加すると、分析対象の分子に由来する分子イオンピークのみが観測されることが分かった。一方、図14の(b)によれば、市場で入手し得る有機マトリックスで測定した場合では、マトリックス分子由来のノイズピーク(m/zは900以下のピーク)が分析対象の分子イオンピークとともに多数観測された。これらの事実は、本発明にしたがって得られた極微細凹凸表面層を有する多孔性粒子のマトリックス材料としての有用性を示している。
本発明によれば、極微細凹凸表面層を有する多孔性粒子の表面層を分析物の保持・急速加熱・イオン化するナノスケールの反応場として用いることを特徴としている。従来の方法論では、有機マトリックスへと分析対象を混ぜ合わせることが一般的とされてきたが、分析対象によっては測定精度の向上に経験的な要素が必要不可欠であった。特に、分析対象と有機マトリックスの組み合わせ・相性により、ナノレベルでの混合状態を容易につくれないという問題があった。
本発明で得られる多孔性粒子は、山部と谷部によって画成される極微細凹凸表面層であって、当該山部と谷部間の長さが1〜20nmの極微細凹凸表面層を有している。そのため、多孔性粒子の表面層へ分析試料を塗布するだけでナノレベルでの混合状態が容易に実現できる。さらに、周囲の微細なナノ結晶へのレーザー照射により試料は効率良く気化・イオン化される。本発明により、有機マトリックスのように経験的な混合プロトコルを必要とせず、レーザー脱離イオン化質量分析を行うことが可能となった。また、有機マトリックスの場合と異なって低分子領域にマトリックス由来のノイズピークが含まれないため、生体試料などの微量分析・混合物からの精密な成分分析が容易となり、化学分野のみならずライフサイエンス分析、環境分析など広範な分野での応用が期待される。
CS 導電性試料プレート
M 山部
P 極微細試料プレート
Sm 試料分子
V 谷部

Claims (10)

  1. MALDI質量分析のイオン化を促進させるマトリックス材料を構成する微細なナノ結晶が集合して構成される、凸状形状を表面に有する多孔性粒子であって、
    前記多孔性粒子が山部と谷部によって画成される極微細凹凸表面層を有し、当該山部と谷部間の長さが1〜20nmであることを特徴とする多孔性粒子(ただしCuO二次粒子を除く)
  2. 前記多孔性粒子の粒径が0.1乃至0.8μmであることを特徴とする請求項1に記載の多孔性粒子。
  3. 第1の金属化合物と有機添加物とを含む第1の前駆溶液を250℃以上の温度で加熱する工程を含んでなることを特徴とする、MALDI質量分析のイオン化を促進させるマトリックス材料に用いられる多孔性粒子の製造方法。
  4. 前記第1の金属化合物が、チタン化合物、コバルト化合物、マンガン化合物、ニッケル化合物、鉄化合物からなる群から選択される1種以上であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 前記第1の前駆溶液が、有機添加物を含むメタノール溶液であることを特徴とする請求項3又は4に記載の方法。
  6. 前記加熱する工程が、密閉した反応管内で実行されてなることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の方法。
  7. 請求項1又は2に記載の多孔性粒子前記多孔性粒子の表面に担持された第2の金属化合物由来の金属のナノ粒子と、を含み、
    前記第2の金属化合物が、金化合物、白金化合物、パラジウム化合物、ルテニウム化合物、コバルト化合物、ニッケル化合物、銀化合物、銅化合物よりなる群から選択される1種以上であることを特徴とする金属担持多孔性粒子。
  8. 金化合物、白金化合物、パラジウム化合物、ルテニウム化合物、コバルト化合物、ニッケル化合物、銀化合物、銅化合物よりなる群から選択される1種以上の第2の金属化合物請求項1又は2に記載の多孔性粒子と、を含む第2の前駆溶液を紫外光照射下にて光還元する工程を含んでなることを特徴とする、金属担持多孔性粒子の製造方法。
  9. 前記第2の前駆溶液が、前記第2の金属化合物を含むメタノール溶液であることを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. 請求項1、2に記載の多孔性粒子又は請求項7に記載の金属担持多孔性粒子のいずれかのMALDI質量分析への使用。
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