JP4221078B2 - トレハロース2含水結晶とその製造方法並びに用途 - Google Patents

トレハロース2含水結晶とその製造方法並びに用途 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なトレハロース2含水結晶とその製造方法並びに用途に関し、詳細には、c軸長のb軸長に対する比率が2.0未満の肉厚な新規なトレハロース2含水結晶と、その製造方法並びにこれを含有せしめた組成物への用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
トレハロース(α,α−トレハロース)は、グルコースを構成糖とする非還元性糖質として古くから知られており、その存在は、『アドバンシーズ・イン・カーボハイドレイト・ケミストリー(Advances in Carbohydrate Chemistry)』、第18巻、201乃至225頁(1963年)アカデミック・プレス社(米国)及び『アプライド・アンド・エンビロメンタル・マイクロバイオロジー(Applied and EnvironmentalMicrobiology)』、第56巻、3213乃至3215頁(1990年)等にも記載されているように、少量ながら、微生物、きのこ、昆虫など広範囲に及んでいる。トレハロースのような非還元性糖質は、アミノ酸や蛋白質等のアミノ基を有する物質とアミノカルボニル反応を起こさず、含アミノ酸物質を損なわないことから、褐変、劣化を懸念することなく利用、加工できることが期待され、その工業的製造方法の確立が望まれていた。
【0003】
近年、これを解決するために、例えば、特開平7−143876号公報で開示されているグルコース重合度3以上から選ばれる1種又は2種以上の還元性澱粉部分分解物から分子の末端にトレハロース構造を有する非還元性糖質を生成する非還元性糖質生成酵素と,特開平7−213283号公報に開示されている分子の末端にトレハロース構造を有するグルコース重合度3以上の非還元性糖質のトレハロース部分とそれ以外の部分との間の結合を特異的に加水分解するトレハロース遊離酵素とを併用して還元性澱粉部分分解物からトレハロース2含水結晶が大量生産されるようになってきた。トレハロース2含水結晶の形態については、ジャーナル・オブ・ケミカル・フィジックス(Journal of Chemical Physics)、第77巻、第5号、2330乃至2335頁(1982年)において、斜方晶形(Orthrombic)と記載され、その結晶は、図1に示すごとく、互いに直角に交わった長さの異なる結晶軸、即ち、a軸、b軸及びc軸を有しており、b軸方向よりもc軸方向へ延びることが示され、より細長く、折れ易いものに生長することが示唆されている。事実、市販されているトレハロース2含水結晶製品は、図2(顕微鏡写真)に例示するように、極めて細長い形態で、具体的には、結晶のc軸方向の長さ(特に断らない限り、本明細書を通じて、c軸方向の長さをc軸長と略称する。)が、b軸方向の長さ(特に断らない限り、本明細書を通じて、b軸方向の長さをb軸長と略称する。)に対して約3.5乃至5.5倍の比率を有し、c軸長は長くても約2mmまでである。又、市販されているトレハロース2含水結晶製品は、結晶のc軸長のa軸方向の長さ(特に断らない限り、本明細書を通じて、a軸方向の長さをa軸長と略称する。)に対して約8乃至12倍の比率を有している。このような細長い結晶は、通常、比表面積が大き過ぎ、その製造工程、とりわけ、分蜜工程で蜜切れが悪く、乾燥工程で多大のエネルギーを必要とし、また、乾燥工程や分級工程で折れ易いなどの欠点を有している。更には、従来の細長い形態のトレハロース2含水結晶製品は、既存の綿菓子製造機では綿菓子の製造が極めて困難であったのに加え、易水溶性故に梅酒等の果実酒の製造にも不向きであった。このような従来知られているトレハロース2含水結晶製品とは違って、製造工程中、分蜜、乾燥が容易で、乾燥工程、分級工程に折損が無く、綿菓子や果実酒の製造にも有利に使用できるトレハロース2含水結晶の確立が望まれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、製造工程に於ける分蜜、乾燥が容易で、乾燥、分級時に折損の無いトレハロース2含水結晶を確立し、併せてその製造方法並びに各種組成物への用途を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題を解決するために、トレハロース2含水結晶のc軸長とb軸長との関係に着目して、該結晶の生長条件について鋭意研究した。その結果、そのc軸長のb軸長に対する比率が2.0未満の肉厚なトレハロース2含水結晶を生長、望ましくは、従来知られていないc軸長のb軸長に対する比率が2.0未満であって、かつ、c軸長が3mm以上のトレハロース2含水結晶を生長させることにより前記課題が達成しうることを見出した。即ち、本発明は、トレハロース含量が無水物換算で約98w/w%(以下、特にことわらない限り、本明細書では含量を無水物換算表示とし、また、「w/w%」を単に「%」と表示する。)以上のトレハロース過飽和水溶液を助晶機にとり、これに種晶としてトレハロース2含水結晶を共存させ、かつ該過飽和水溶液の過飽和度を1.15未満に維持しつつ該結晶を生長させることにより、製造工程に於ける分蜜、乾燥が容易で、乾燥、分級時に折損の懸念のない安定なトレハロース2含水結晶を確立しうることを見出し、併せてこの新規なトレハロース2含水結晶の製造方法並びに用途を確立して本発明を完成した。即ち本発明は、c軸長のb軸長に対する比率が2.0未満の肉厚なトレハロース2含水結晶の提供を実現するものであり、併せて、その製造方法並びに該結晶を含有せしめた各種組成物への用途を確立しようとするものであり、これにより前記課題を解決するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、▲1▼c軸長のb軸長に対する比率が2.0未満の肉厚なトレハロース2含水結晶、▲2▼トレハロース含量が約98%以上のトレハロース過飽和水溶液を助晶機に入れ、これに種晶としてトレハロース2含水結晶を共存させ、徐々に冷却してトレハロースの過飽和度を1.15未満に維持しつつトレハロース2含水結晶を生長せしめ、これを分蜜、乾燥して採取することを特徴とするc軸長のb軸長に対する比率が2.0未満の肉厚なトレハロース2含水結晶の製造方法、及び▲3▼c軸長のb軸長に対する比率が2.0未満の肉厚なトレハロース2含水結晶を含有せしめることを特徴とする組成物の製造方法を主な構成とするものである。
【0007】
トレハロースは、本発明のc軸長のb軸長に対する比率が2.0未満の肉厚なトレハロース2含水結晶が製造できるものであればよく、その由来、性状は問わない。例えば、特開平7−246097号公報に記載される酵母からの抽出法によるトレハロース、特開昭58−21695号公報に記載されるマルトースからのホスホリラーゼ法によるトレハロース、特開平7−170977号公報、特開平7−213283号公報に記載される澱粉からの酵素糖化法によるトレハロース等、各種のトレハロースが本発明に於いては適宜採用できる。市販の高純度トレハロース2含水結晶、高純度トレハロース無水結晶を使用することも本発明に於いては適宜採用できる。例えば、株式会社林原商事が販売している高純度トレハロース含水結晶製品(登録商標『トレハオース』)を使用することも有利に実施できる。c軸長のb軸長に対する比率が2.0未満の肉厚な本発明のトレハロース2含水結晶を生長させるに必要な過飽和水溶液に用いる糖質は、これに含まれるトレハロース含量ができるだけ高い糖質を用いるのが好ましく、通常、トレハロース含量約98%以上、望ましくは約98.5乃至99.9%のものが好適である。
【0008】
また、本発明のトレハロース2含水結晶をできるだけそろえた大きさにするためには、種晶として共存させるトレハロース2含水結晶を主として生長させ、新たな微晶の発生をできるだけ抑えるのが望ましく、この条件としては、トレハロース過飽和水溶液の過飽和度を1.15未満、望ましくは1.10以下に維持しつつ生長させるのが好適である。過飽和水溶液の温度は、微生物汚染の懸念が少なく、かつ、加熱、冷却、保温、断熱等に過剰なエネルギーやコストをかけない温度が望ましく、一般的には約20乃至90℃の範囲、更に望ましくは約30乃至80℃の範囲が好適である。
【0009】
また、種晶として加えるトレハロース2含水結晶は、できるだけトレハロース含量の高いものが望ましく、また、その形態は、必要に応じてその粉末、破砕物が使用でき、又はできるだけ形のそろった結晶等が望ましい。その使用量は、溶液中のトレハロースに対して、無水物換算で、約0.01乃至20%、望ましくは約0.1乃至10%が好適である。
【0010】
以下、本発明のトレハロース2含水結晶の製造方法をより具体的に述べる。
【0011】
トレハロース過飽和水溶液を、助晶機、望ましくは円筒回転式助晶機にとり、これに種晶としてトレハロース2含水結晶を加え、できるだけゆっくりと攪拌又は回転させつつ徐々に冷却して、過飽和度1.15未満望ましくは1.10以下に維持し、c軸長のb軸長に対する比率が2.0未満、望ましくは、0.5乃至1.9、更に望ましくは0.6乃至1.8の肉厚なトレハロース2含水結晶を生長させ、又、望ましくはc軸長のa軸長に対する比率が5.0未満、更に望ましくは1.5乃至4.5の肉厚なトレハロース2含水結晶を生長させ、望ましくは、c軸長が3mm以上、更に望ましくは約4乃至50mmで、かつ面数が10乃至20面体、望ましくは12乃至18面体の多面体トレハロース2含水結晶を生長させ、これを濾過又は遠心分離して分蜜する。分蜜時、必要ならば少量の水、又はトレハロース水溶液を噴霧して結晶表面を洗浄しても良い。次いで乾燥し、必要に応じて分級して製品を得る。このようにして過飽和水溶液から生長したc軸長のb軸長に対する比率が2.0未満の肉厚なトレハロース2含水結晶は、製造工程に於ける分蜜が容易であり、また乾燥も容易であり、更に、乾燥、分級時に折損の懸念もなく、生長時の形態をよく維持した安定な多面体トレハロース2含水結晶である。このようにして得られる本発明のトレハロース2含水結晶は、難吸湿性で固結せず、流動性良好、取扱い容易であり、その包装、輸送、貯蔵等の管理に要する物的、人的経費を最小限に抑えることができる。
【0012】
また、このようにして得られる本発明のトレハロース2含水結晶は、トレハロース本来の性質、例えば水溶性、低甘味性、ボディ付与性、照り付与性、保湿性、粘性、安定性、耐熱性、耐酸性、澱粉老化防止性、カロリー付与性、難発酵性、低う蝕性等の性質を具備しているので、これら性質を利用した飲食物、化粧品、医薬品、成形物等各種組成物を製造することも有利に実施できる。
【0013】
本発明のトレハロース2含水結晶を甘味料として利用する場合には、そのままで、又は、粉末化して使用することも、更に、例えば、粉飴、グルコース、マルトース、異性化糖、シュクロース、蜂蜜、メープルシュガー、ソルビトール、キシリトール、ラクチトール、マルチトール、ジヒドロカルコン、ステビオシド、α−グリコシルステビオシド、ラカンカ甘味物、グリチルリチン、L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル、スクラロース、アセスルファムK、サッカリン、グリシン、アラニン等のような他の甘味料の一種又は二種以上の適量と混合して使用してもよく、またデキストリン、澱粉、乳糖等のような増量剤と混合して使用することもできる。
【0014】
また、本発明のトレハロース2含水結晶は、難吸湿性の固体であるので、そのままで、必要に応じて着色、着香して、又は粉末化して、例えば、甘味料、綿菓子、パン、クッキー、ワッフル、チョコレート、チューインガム、即席ジュース、即席スープ、果実酒、リキュール、顆粒、錠剤等の製造に極めて容易かつ有利に利用できる。
【0015】
また、本発明のトレハロース2含水結晶は、そのままで、又は必要に応じて粉末化して、増量剤、賦形剤、結合剤等として、例えば、球状、棒状、板状、立方体等に成形して使用することも随意である。
【0016】
本発明のトレハロース2含水結晶の甘味は、酸味、塩から味、渋味、旨味、苦味等の他の呈味を有する各種の物質とよく調和し、耐酸性、耐熱性も大きいので上に述べた場合だけでなく、普通一般の飲食物の甘味付、呈味改良に、また品質改良等に有利に利用できる。
【0017】
例えば、醤油、粉末醤油、味噌、粉末味噌、もろみ、ひしお、フリカケ、マヨネーズ、ドレッシング、食酢、三杯酢、粉末すし酢、中華の素、天つゆ、麺つゆ、ソース、ケチャップ、焼肉のタレ、カレールウ、シチューの素、スープの素、ダシの素、複合調味料、みりん、新みりん、テーブルシュガー、コーヒーシュガー等の各種調味料への甘味料として、また、呈味改良剤、品質改良剤等として有利に利用できる。
【0018】
また、例えば、せんべい、あられ、おこし、餅類、まんじゅう、ういろう、あん類、羊羹、水羊羹、錦玉、ゼリー、カステラ、飴玉、綿菓子等の各種和菓子、パン、ビスケット、クラッカー、クッキー、パイ、プリン、バタークリーム、カスタードクリーム、シュークリーム、ワッフル、スポンジケーキ、ドーナツ、チョコレート、チューインガム、キャラメル、キャンデー等の各種洋菓子、アイスクリーム、シャーベット等の氷菓子、果実のシロップ漬、氷蜜等のシロップ類、フラワーペースト、ピーナッツペースト、フルーツペースト等のペースト類、ジャム、マーマレード、シロップ漬、糖菓等の果実、野菜の加工食品類、パン類、麺類、米飯類、人造肉等の穀類加工食品類、福神漬、べったら漬、千枚漬、らっきょう漬等の漬物類、たくあん漬の素、白菜漬の素等の漬物の素類、ハム、ソーセージ等の畜類製品類、魚肉ハム、魚肉ソーセージ、カマボコ、チクワ、天ぷら等の魚肉製品、ウニ、イカの塩辛、酢コンブ、さきするめ、ふぐのみり干し等の各種珍味類、のり、山菜、するめ、子魚、貝等で製造される佃煮類、煮豆、ポテトサラダ、コンブ巻等の惣菜食品、乳製品、魚肉、畜肉、果実、野菜の瓶詰め、缶詰類、合成酒、果実酒、洋酒、リキュール等の酒類、コーヒー、ココア、ジュース、炭酸飲料、乳酸飲料、乳酸菌飲料等の清涼飲料水、プリンミックス、ホットケーキミックス等のプレミックス粉類、即席ジュース、即席コーヒー、即席汁粉、即席スープ等即席飲食品等の各種飲食物への甘味料として、また、呈味改良剤、品質改良剤として有利に利用できる。
【0019】
また、家畜、家禽、その他蜂、蚕、魚等の飼育動物のために飼料、餌料などの嗜好性を向上させる目的で使用することもできる。その他、タバコ、練歯磨、口紅、リップクリーム、内服薬、トローチ、錠剤、肝油ドロップ、口中清涼剤、口中香剤、うがい薬等各種固形状、ペースト状、液状等で嗜好物、化粧品、医薬品等の口中使用物への甘味剤として、又は呈味改良剤、矯味剤として、更には品質改良剤として有利に利用できる。
【0020】
また、本発明のトレハロース2含水結晶は、例えば、石鹸、スキンクリーム、ボディシャンプー、ヘアクリーム、リップクリーム、美肌剤、育毛剤等への安定剤、浸透圧調節剤、賦形剤、保湿調節剤、粘度調節剤、品質改良剤等として化粧品製造に有利に利用できる。
【0021】
更に、生理活性物質、例えば、インターフェロン−α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、ツモア・ネクロシス・ファクター−α、ツモア・ネクロシス・ファクター−β、リンホトキシン、マクロファージ遊走阻止因子、コロニー刺激因子、トランスファー・ファクター、インターロイキン2、インターロイキン12、インターロイキン18等のサイトカイン、インシュリン、成長ホルモン、プロラクチン、エリトロポエチン、卵胞刺激ホルモン、副腎皮質ホルモン等のホルモン、BCGワクチン、日本脳炎ワクチン、はしかワクチン、ポリオ生ワクチン、痘苗、破傷風菌トキソイド、ハブ抗毒素、ヒト免疫グロブリン等のワクチン、ペニシリン、エリスロマイシン、クロラムフェニコール、テトラサイクリン、ストレプトマイシン、硫酸カナマイシン等の抗生物質、チアミン、リボフラビン、L−アスコルビン酸、肝油、カロチノイド、エルゴステロール、トコフェロール等のビタミン、リパーゼ、エステラーゼ、ウロキナーゼ、プロテアーゼ、グルカナーゼ等の酵素、薬用人参エキス、藍エキス、南天エキス、カリンエキス、スッポンエキス、クロレラエキス、プロポリス、ローヤルゼリー等のエキス類、ウイルス、乳酸菌、ビフィズス菌、酵母等の生菌類等の有効成分の安定剤又は活性の安定剤として、更には、浸透圧調節剤、賦形剤、経管栄養剤、シロップ剤等として医薬品製造に有利に利用できる。以上述べたような飲食物、化粧品、医薬品、成形物等各種組成物に本発明のトレハロース2含水結晶を含有せしめる方法は、そのままで、又は粉末化してその組成物が完成するまでの工程に含有せしめればよく、例えば、混和、混捏、溶解、融解、浸漬、浸透、散布、塗布、被膜、噴霧、注入、固化、晶出などの公知の方法が適宜選ばれる。その含有せしめる量は、組成物によっても異なるが、一般的には、無水物換算でトレハロースとして、0.1%以上、望ましくは0.5%以上の量が好適である。このようにして得られる組成物は、経口的又は非経口的に利用される飲食物、化粧品、医薬品、成形物のみならず、それ以外にも、例えば、生活用品、農林水産用品、化学工業用品等広範な用途を有する。
【0022】
以下、本発明を実験例及び実施例により詳細に説明する。
【0023】
【実験1】
<トレハロース過飽和水溶液から生長するトレハロース2含水結晶のc軸長のb軸長に対する比率に与えるトレハロース含量の影響>
トレハロース過飽和水溶液に含まれるトレハロース含量が、生長するトレハロース2含水結晶のc軸長のb軸長に対する比率に与える影響を調べた。高純度トレハロース2含水結晶製品(株式会社林原商事販売、登録商標『トレハオース』、トレハロース含量98.6%)を用いて、無水物換算でトレハロース濃度50%水溶液を調製した。一方、澱粉からのトレハロース製造時に共存し易い糖質例として、トレハロース及び澱粉糖含有シラップ(株式会社林原商事販売、登録商標『トレハスター』、トレハロース含量30.0%)を採用し、これを前述のトレハロース水溶液に混合して、トレハロース含量が98.6%、83.3%、及び68.1%の水溶液を調製し、これらを濃縮して50℃でトレハロース過飽和度1.20にして、50℃に保った円筒回転式助晶機に入れ、次いで、種晶として、予め再結晶化して調製したトレハロース含量99.9%のトレハロース2含水結晶の粉末品を、無水物換算で、溶液中のトレハロースに対して、それぞれ2%ずつ添加し、該助晶機をゆっくり回転させつつ、60℃まで加温して、種晶の一部を溶解させた後、2.5時間かけて40℃まで徐々に冷却し、生長したトレハロース2含水結晶の代表的形態を顕微鏡を用いて写真撮影した。
【0024】
トレハロース含量が、98.6%の場合の写真を図3に、83.3%の場合の写真を図4に、68.1%の場合の写真を図5に示した。図3、図4及び図5から、その主な複数の結晶についてc軸長とb軸長をそれぞれ測定し、c軸長のb軸長に対する比率を求めた。結果を表1にまとめた。
【0025】
【表1】
Figure 0004221078
【0026】
図3、図4、図5及び表1の結果から明らかなように、トレハロース過飽和水溶液から生長する多面体トレハロース2含水結晶は、該過飽和水溶液に含まれるトレハロース含量が高い程、b軸長に対するc軸長の比率が小さくなり、約98%以上の場合に、その比率を2.0未満に抑えた肉厚のものが得られることが判明した。
【0027】
【実験2】
<濾過試験>
実験1の方法で生長させたトレハロース2含水結晶を含む3種類の水溶液を用いて、吸引濾過試験を行った。即ち、直径15cmのヌッチェに東洋濾紙株式会社製造No.2濾紙を敷いて、前記トレハロース2含水結晶を含む溶液各1000mlを吸引濾過した。その結果、原料のトレハロース過飽和水溶液に含まれるトレハロース含量が高いもの程、濾過時間が短く、濾過性の良好なことが判明した。また、結晶収量の高いことも判明した。換言すれば、生長したc軸長のb軸長に対する比率が2.0未満の肉厚なトレハロース2含水結晶を含む水溶液が分蜜性にもっとも優れていることが判明した。
【0028】
【実験3】
<多面体トレハロース2含水結晶生長時の微晶発生に与えるトレハロース過飽和度の影響>
多面体トレハロース2含水結晶生長時に起こり易い新たな微晶の発生を抑制し、できるだけ大きさのそろった多面体トレハロース2含水結晶を生長させることを目的に、微晶発生に与える過飽和水溶液のトレハロース過飽和度の影響を調べた。実験1の方法で用いた市販の高純度トレハロース2含水結晶製品(トレハロース含量98.6%)を用いて、無水物換算でトレハロース濃度50%水溶液を調製し、これを濃縮して、50℃で過飽和度1.05、1.10、1.15、1.20、1.25、又は1.30の溶液にして、50℃に保った円筒回転式助晶機に入れ、種晶として、実験2の方法で分蜜して得た結晶を、更に乾燥、分級して得たc軸長のb軸長に対する比率が2.0未満で、かつc軸長が約1mmのトレハロース2含水結晶を、無水物換算で、溶液中のトレハロースに対して、それぞれ0.5%添加し、ゆっくり回転しつつ30分間に1℃の割合で5時間かけて40℃まで徐々に冷却して、過飽和度を前記したそれぞれの過飽和度を越えないように制御することにより、該種晶をc軸長のb軸長に対する比率が、2.0未満で、かつ、c軸長を約3乃至4mmに生長させた際に、種晶の生長に加えて、新たな微晶が発生するかどうか、併せて生長した結晶の大きさがぼぼそろっているかどうかを肉眼観察した。結果は、表2にまとめた。
【0029】
【表2】
Figure 0004221078
表2の結果から明らかなように、トレハロース過飽和水溶液の過飽和度が、1.15以上では、種晶の生長以外に、新たに微晶が発生し易く、生長する多面体トレハロース2含水結晶の大きさに大小混在してくることが判明した。換言すれば、トレハロース過飽和度1.15未満、望ましくは、1.10以下では、トレハロース2含水結晶は、主として種晶からの生長であって、新たに微晶がほとんど発生せず、生長する多面体トレハロース2含水結晶の大きさがほぼそろっており、c軸長のb軸長に対する比率が2.0未満であって、かつ、c軸長が約3乃至4mmの肉厚な多面体トレハロース2含水結晶の製造に極めて有利であることが判明した。
【0030】
実験1及び実験3の結果から、c軸長のb軸長に対する比率が2.0未満の肉厚な多面体トレハロース2含水結晶を生長させる過飽和水溶液は、トレハロース含量が約98%以上で、過飽和度1.15未満、望ましくは、1.10以下に保つのが好適である。
【0031】
【実験4】
<多面体トレハロース2含水結晶の物性試験>
後に述べる実施例A−1及び実施例A−2の方法で得たc軸長が約10mmの代表的多面体トレハロース2含水結晶として、14面体トレハロース2含水結晶各3個ずつを試料として、粉末X線回折法による結晶化度及びレオメータでの貫入破壊強度を調べた。結晶化度は、試料を粉末化し、粉末X線回折装置(株式会社リガク販売、ガイガーフレックスRAD−IIB、Cukα線使用)を用いて、X線回折強度に基づく、Rulandの方法(アクタ・クリスタログラフィカ(Acta Crytsallographica)、第14巻、1180頁(1961年))により求めた。貫入破壊強度は、レオメータ(株式会社レオテック販売、FUDOH RHEO METER NRM−2010J−CW)を使用し、アダプターとして、直径3mmの針を採用し、試料台に多面体結晶を載せ、試料台を毎分6cmの速度で針に対して上昇させ、多面体結晶に針が貫入して破裂する時の強度(kg)を測定した。対照として、市販のほぼ同じ大きさの氷砂糖を試料として同様に調べた。その結果は、表3にまとめた。
【0032】
【表3】
Figure 0004221078
【0033】
表3の結果から明らかなように、実施例A−1及びA−2の方法で得た多面体トレハロース2含水結晶は、対照の氷砂糖と比較して、ほぼ同程度の結晶化度を有しているものの、貫入破壊強度は約半分以下の3.5乃至4.3kgの範囲にある。多面体トレハロース2含水結晶のこの強度は、それを製造、包装、貯蔵、輸送に充分耐える強度でありながら、これを粉砕、粉末化に要するエネルギーは、対照の氷砂糖の場合と比較して大幅に低減できる。
【0034】
また、貫入破壊強度が3.5乃至4.3kgの多面体トレハロース2含水結晶は、老人、子供でも容易にかみ砕ける程度の強度である。
【0035】
以下、本発明のトレハロース2含水結晶の製造例を実施例Aで、またそれを含有せしめた組成物の製造例を実施例Bで説明する。
【0036】
【実施例A−1】
試薬級高純度トレハロース(株式会社林原生物化学研究所販売、トレハロース含量99.5%)を用いて、40℃で濃度約55%の過飽和水溶液を調製し、これを予め、同温度に加温した円筒回転式助晶機に入れ、次いで、種晶として、実験3で用いたc軸長が約1mmのトレハロース2含水結晶を、無水物換算で、溶液中のトレハロースに対して約0.2%添加し、ゆっくり回転しつつ約40時間かけて35℃まで徐々に冷却して過飽和度を1.10以下に維持し、c軸長のb軸長に対する比率が約0.7乃至1.7、及び、c軸長のa軸長に対する比率が約1.5乃至4.0であって、かつ、c軸長が約5乃至10mmの多面体トレハロース2含水結晶を生長させ、次いで、濾過して分蜜し、通風乾燥して、多面体トレハロース2含水結晶を原料の試薬級高純度トレハロースに対して約12%の収率で得た。
【0037】
本品は、c軸長のb軸長に対する比率が、2.0未満、c軸長のa軸長に対する比率が5.0未満であって、かつ、c軸長が約5乃至10mmで、10乃至20面体を有し、その大部分は12乃至18面体を有する多面体2含水結晶で、製造工程に於ける濾過、乾燥が容易であり、乾燥、分級時の折損もなく安定なトレハロース2含水結晶である。また、本品は、難吸湿性で固結せず、流動性良好で取扱いも容易であり、また、トレハロース本来の各種性質を保有しているので、そのままで、あるいは、必要に応じて着色、着香して、又は粉末化して、甘味料、呈味改良剤、品質改良剤、安定剤、賦形剤などとして、飲食物、化粧品、医薬品、成形物などの各種組成物に有利に利用できる。
【0038】
【実施例A−2】
高純度トレハロース2含水結晶製品(株式会社林原商事販売、登録商標『トレハオース』、トレハロース含量98.6%)を用いて、50℃で濃度約60%の過飽和水溶液を調製し、これを予め、同温度に加温した円筒回転式助晶機に入れ、次いで、種晶として、実施例A−1の方法で得たc軸長が約5mmのトレハロース2含水結晶を、無水物換算で、溶液中のトレハロースに対して約2%添加し、ゆっくり攪拌しつつ64時間かけて40℃まで徐々に冷却して過飽和度を1.10以下に維持し、c軸長のb軸長に対する比率が約1.1乃至1.9、c軸長のa軸長に対する比率が1.5乃至4.5であって、c軸長が約10乃至20mmの多面体トレハロース2含水結晶を生長させ、次いで、濾過して分蜜し、通風乾燥して、多面体トレハロース2含水結晶を原料の含水結晶製品に対して約15%の収率で得た。
【0039】
本品は、c軸長のb軸長に対する比率が2.0未満、c軸長のa軸長に対する比率が5.0未満であって、かつ、c軸長が約10乃至20mmで、10乃至20面体を有し、その大部分は12乃至18面体を有する多面体2含水結晶で、製造工程に於ける濾過、乾燥が容易であり、乾燥、分級時の折損もなく安定なトレハロース2含水結晶である。また、本品は、難吸湿性で固結せず、流動性良好で取扱いも容易であり、また、トレハロース本来の各種性質を保有しているので、そのままで、必要に応じて着色、着香して、又は粉末化して、甘味料、呈味改良剤、品質改良剤、安定剤、賦形剤などとして、飲食物、化粧品、医薬品、成形物などの各種組成物に有利に利用できる。
【0040】
【実施例B−1 甘味料】
実施例A−2の方法で得たトレハロース2含水結晶1重量部に、L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル(味の素株式会社販売、商品名『アスパルテーム』)0.01重量部を含む水溶液0.1重量部を均一に混合し、乾燥して甘味料を得た。本品は、高甘味度多面体甘味料で、甘味の質が優れ、蔗糖の約2倍の甘味度を有し、甘味度当たりカロリーは、蔗糖の約1/2に低下している。本甘味料は、低カロリー甘味料として、カロリー摂取を制限している肥満者、糖尿病患者などのための低カロリー飲食物などに対する甘味付けに好適である。また、本甘味料は、虫歯誘発菌による酸の生成が少なく、不溶性グルカンの生成も少ないことより、虫歯を抑制する飲食物などに対する甘味付けに好適である。
【0041】
【実施例B−2 甘味料】
実施例A−1の方法で得たトレハロース2含水結晶1重量部に、レモン濃縮果汁0.05重量部を均一に噴霧して付着させ、乾燥して甘味料を製造した。本品は、レモン風味を有する多面体甘味料で、これを、そのまま、おやつ、菓子として利用することも、更には、製菓用、喫茶用の糖質材料等として利用することも有利に実施できる。
【0042】
【実施例B−3 綿菓子】
実施例B−2の方法で得たレモン風味を有する多面体甘味料を綿菓子製造機にかけて綿菓子を製造した。本品は、従来の砂糖を用いた綿菓子とは違って、酸味の効いたレモン風味の綿菓子である。
【0043】
【実施例B−4 パン】
小麦粉100重量部、イースト2重量部、砂糖5重量部、実施例A−2の方法で得たトレハロース2含水結晶の粉末1重量部及び無機フード0.1重量部を、常法に従って、水でこね、中種を26℃で2時間発酵させ、その後、30分間熟成し、得られたパン生地を手で丸めて成形した。この表面に実施例A−1の方法で得たトレハロース2含水結晶を成形物1個当たり5個ずつ部分的に押し込んだ後、常法に従って焼き上げた。本品は、表面にトレハロース2含水結晶を配置したユニークなパンであり、また色相、すだちともに良好で適度な弾力、温和な甘味を有する高品質のパンである。
【0044】
【実施例B−5 クッキー】
バター60重量部、砂糖20重量部、マルトース20重量部及び実施例A−1の方法で得たトレハロース2含水結晶の粉末10重量部をよく練り合わせ、これに鶏卵40重量部を加えてクリーム状にする。更に、薄力粉140重量部、コーンスターチ10重量部及びプルラン3重量部を加えて混合し、得られたクッキー生地を天板上に菊口金で絞り出して花模様に成形し、この上に、実施例A−1の方法で得た多面体トレハロース2含水結晶を付着させて、オーブンにより170℃で15分間焼き上げた。この製品は、トレハロース2含水結晶とクッキー生地の肌別れもなく、充分接着しており、又、風味、口当たりも良好であった。
【0045】
【実施例B−6 梅酒】
青梅と実施例A−2の方法で得た多面体トレハロース2含水結晶を総量で各10重量部使用し、梅酒容器に青梅と該結晶とを交互に入れ、最後に焼酎10重量部及びみりん1.5重量部を多面体トレハロース2含水結晶をできるだけ溶かさないように静かに入れて蓋をし、冷暗所に1年間寝かせて梅酒を製造した。本品は、色調、口当たり、風味、いずれも良好な梅酒である。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のc軸長がb軸長に対して2.0未満の肉厚なトレハロース2含水結晶は、その製造工程において、分蜜、乾燥が容易であり、乾燥、分級時に折損のない安定な結晶である。また、本発明のトレハロース2含水結晶は、難吸湿性で固結せず、流動性良好で、取扱い容易であり、その包装、輸送、貯蔵等の管理に要する物的、人的経費を最小限に抑えることができる。その上、トレハロース本来の性質、例えば、水溶性、低甘味性、ボディ付与性、照り付与性、保湿性、粘性、安定性、耐熱性、耐酸性、澱粉老化防止性、カロリー付与性、難発酵性、低う蝕性等の性質を具備しているので、これら性質を利用した飲食物、化粧品、医薬品、成形物等の各種組成物の製造に有利に利用できる。従って、本発明のトレハロース2含水結晶とその製造方法並びに用途の確立は、飲食物、化粧品、医薬品、成形物のみならず、例えば、生活用品、農林水産用品、化学工業製品等広範に及び、その産業的意義は極めて大きい。
【0047】
【図面の簡単な説明】
【図1】トレハロース2含水結晶が斜方晶形で、互いに直角に交わった長さの異なる結晶軸、a軸、b軸及びc軸を有していることを示す模式図である。
【図2】市販トレハロース2含水結晶製品の顕微鏡写真をディスプレー上に表示した中間調画像である。
【図3】トレハロース含量98.8%のトレハロース過飽和水溶液から生長したトレハロース2含水結晶の顕微鏡写真をディスプレー上に表示した中間調画像である。
【図4】トレハロース含量83.3%のトレハロース過飽和水溶液から生長したトレハロース2含水結晶の顕微鏡写真をディスプレー上に表示した中間調画像である。
【図5】トレハロース含量68.1%のトレハロース過飽和水溶液から生長したトレロース2含水結晶の顕微鏡写真をディスプレー上に表示した中間調画像である。

Claims (3)

  1. トレハロース含量が無水物換算で98w/w%以上のトレハロース過飽和水溶液を助晶機に入れ、これに種晶としてトレハロース2含水結晶を共存させ、徐々に冷却してトレハロースの過飽和度を1.15未満に維持しつつトレハロース2含水結晶を生長せしめ、これを分蜜、乾燥して採取することを特徴とするc軸長のb軸長に対する比率が2.0未満、かつc軸長が3mm以上の肉厚なトレハロース2含水結晶の製造方法。
  2. 助晶機が、円筒回転式助晶機である請求項記載の肉厚なトレハロース2含水結晶の製造方法。
  3. トレハロース含量が無水物換算で98w/w%以上のトレハロース過飽和水溶液を助晶機に入れ、これに種晶としてトレハロース2含水結晶を共存させ、徐々に冷却してトレハロースの過飽和度を1.15未満に維持しつつトレハロース2含水結晶を生長させることを特徴とするc軸長のb軸長に対する比率が2.0未満、かつc軸長が3mm以上の肉厚なトレハロース2含水結晶の生長方法。
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