JP4220788B2 - 耐震部材用低降伏点鋼板およびその製造方法 - Google Patents

耐震部材用低降伏点鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として、地震による建物への震動エネルギーを特定部位の集中的な塑性変形によって吸収する耐震部材用低降伏点鋼板に関し、例えば厚さが6〜50mm程度の耐震構造用デバイス鋼を対象とし、下降伏点の板厚依存性が小さくて、同一化学組成鋼の広い板厚範囲で下降伏点の差が少なく、且つ低降伏比で母材靭性に優れ、更には音響異方性が良好で溶接性にも優れた耐震部材用の低降伏点鋼板とその製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建築構造物の耐震性向上対策として、塑性変形能に優れた低降伏点鋼板をブレース(梁)や耐震壁に適用することが提案されている。
【0003】
低降伏点鋼材としては、例えば▲1▼降伏強度が主に120MPa以下であるもの(特許文献1,2など)、▲2▼降伏強度が200MPa強であるもの(特許文献3,4など)が存在する。
【0004】
上記▲1▼に属する下降伏点が120MPa以下の極低降伏点鋼材は、初回の震動エネルギーの吸収に対しては極めて有用であるが、歪速度が大きい場合は加工硬化によって降伏点が急上昇し、2回目以降の横揺れ等による震動エネルギーに対して有効に機能し得ないという問題がある。
【0005】
これに対し上記▲2▼に属する降伏強度が200MPa強のものは、歪速度依存性が小さいため大地震の繰返し(1回の地震による繰返し震動やその前後の余震)に対して優れたエネルギー吸収能を維持し、且つ応力集中部を特定化できることから、メンテナンスコストの点でも有用な材料と評価されている。
【0006】
それらのうち特許文献3には、C含量が0.04〜0.06%(質量%を意味する、以下、化学成分の場合は同じ)、Mn含量が0.70%以下である強化成分系の鋼鋳片を、目標降伏点に応じて、730〜950℃の圧延仕上げまま、或いは圧延後670〜870℃の粗粒化熱処理、若しくは870〜930℃の焼ならし処理を施すことで、同一成分系の鋼鋳片から降伏強さが140〜240MPaの範囲に納まる任意の目標強度の鋼板を適宜作り分け可能にした技術が開示されている。
【0007】
また上記特許文献4には、C含量が0.04〜0.06%、Mn含量が0.70%以下である強化成分系の鋼鋳片を使用し、1000〜1250℃に加熱した後850℃以上の仕上げ温度で熱延を行い、その後フェライト粒の粗大化防止と細粒化を目的として600℃以下まで水冷することにより、降伏強さが200〜250MPaの狭い範囲で、且つ靭性を高めた耐震部材用鋼板を開示している。
【0008】
上記発明のうち、特許文献3に開示された鋼板は、実施例材の板厚が35mmであり、特許文献4に示された鋼板は、適用可能板厚が15〜50mmで実施例の板厚は25mmと比較的厚く、圧延仕上げ温度のコントロールが比較的容易な板厚領域のものである。
【0009】
しかし、製品板厚が薄くなるにつれて圧延鋼板の降温速度は増大し、例えば6〜9mm厚になると圧延仕上げ温度が急速に低下するため温度制御が困難になり、降伏点が著しく上昇する。また、その後に焼ならし処理を施したとしても、圧延時の加工歪エネルギーによって逆変態時の細粒化が促進され、降伏点が上昇するといった問題が生じる。
【0010】
従って、上記何れの公報に開示された技術を適用しても、同一成分系で厚板材から薄肉材に亘る鋼板の降伏点を、例えば耐震用のエネルギー吸収デバイス鋼として求められる耐力設計の許容差で目標下降伏点(例えば200,225,235MPa)に対して±20MPa以内に収めることは容易でなかった。
【0011】
加えて、上記特許文献3に開示の技術で採用されている圧延後の熱処理温度域は、Ac3点[後述する発明例の鋼種Aの場合は888℃(計算値)]以下を含み、また、上記特許文献4で採用されている圧延仕上げ温度は未再結晶オーステナイト域であり、何れもJIS Z 3060に定義される音響異方性を発現するものであり、建築用溶接構造用鋼板として重要となる音響異方性のない特性を保証できない。
【0012】
最近では、耐震部材用低降伏点鋼板に対する要求特性として、降伏点の絶対値そのものよりも、降伏挙動の安定性向上の観点から、狭降伏点化(即ち、降伏点範囲の狭いこと、具体的には目標下降伏点±15MPa以内)が求められているが、薄肉鋼材については材質安定性の観点からも、狭降伏点化の要望に叶う低降伏点鋼板の製造には困難を極めていた。
【0013】
【特許文献1】
特開平6−235042号公報
【特許文献2】
特開平9−227936号公報
【特許文献3】
特開2000−63946号公報
【特許文献4】
特開2000−256739号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
大規模地震に対する耐震設計の観点から、最近では、前述した如く建築構造物における意図した部位が、震動エネルギーにより確実に先行して降伏し得る様にするため、目標設計降伏点範囲の狭幅化(狭降伏点化)が強く求められている。
【0015】
一方で、鋼板の降伏点は一般に板厚が薄くなるほど大幅に増大する傾向があるため、厚板鋼板として設計範囲の降伏点を有するものであっても、これを更に圧延して薄肉化すると降伏点が上昇し、目標とする設計降伏点範囲を超えてしまうことも多い。そのため、上記の様な目的で使用される低降伏点鋼板を製造する際には、目標とする設計降伏点範囲に納まる様、板厚に応じて鋼成分を細かく変更・調整する必要があり、小ロット・多品種生産による歩留り低下を余儀なくされていた。
【0016】
加えて耐震部材用鋼板は、板厚が12mm以下のものでも、溶接構造用部材として使用されることが多いため、母材靭性が規定される「板厚12mm超」と同等レベル[JIS Z 2202 4号(フルサイズ)で0℃において27J以上]の靭性と、JIS Z 3060に定義されている母材に対する音響異方性で、CSL/CSC(CSL:主圧延方向の音速、CSC:主圧延方向に直角方向の音速)1.02以下が求められている。
【0017】
本発明はこうした事情に着目してなされたものであって、その目的は、耐震部材として使用される溶接構造用耐震鋼板として、前述した様な狭降伏点化の要望を満たすべく、従来材よりも広い板厚範囲を同一成分系の鋼板でカバーすることができ、しかも、靭性や音響異方性も同時に満たし得る様な耐震部材用低降伏点鋼板とその製法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決することのできた本発明にかかる耐震部材用低降伏点鋼板とは、C:0.04〜0.07%(質量%を表わす、以下、化学成分の場合は同じ)、Si:0.05%以下、Mn:0.2〜0.5%、P:0.015%以下、S:0.01%を満たし、酸可溶性Al:0.008〜0.03%、N:0.001〜0.0035%を含有すると共に、[酸可溶性Al%]/[N%]比が8以上で、板厚方向断面に観察されるフェライト相の面積分率が90%以上、JISG 0552に規定される平均粒度番号が7.0〜8.0で、且つ整粒組織を有し、更に、下記物性を満たすことを特徴とする。
【0019】
下降伏点:185〜250MPa(より好ましくは225±15MPa)
降伏比[下降伏点/引張強さ]:80%以下、
厚さ6mm材の下降伏点−厚さ50mm材の下降伏点:30MPa以下、
音響異方性[CSL/CSC比](CSL:主圧延方向の音速、CSC:主圧延方向に直角方向の音速):1.02以下。
【0020】
本発明にかかる上記耐震部材用低降伏点鋼板においては、他の元素としてCa:0.001〜0.005%及び/又はREM(希土類元素):0.005〜0.02%を含有する鋼を使用すると、鋼中に不可避的に混入してくる硫黄(S)と結合してこれを捕捉し、MnSの析出を抑えて材質異方性を低減し得るばかりでなく、Z方向の引張り絞りや母材靭性も高められるので好ましい。ここで用いられる鋼は、追って詳述する必須構成元素の特徴を有効に発揮し得る範囲で他の元素を少量含有することもあるが、通常は、残部が鉄および不可避不純物からなるものが使用される。
【0021】
また本発明の方法は、上記特性を備えた耐震部材用低降伏点鋼板を製造するための有用な方法として位置付けられるもので、その構成は、上記化学成分の要件を満たす鋼スラブを、1050〜1250℃に加熱してから熱間圧延し、その後、Ac3点〜950℃の温度域で焼ならしを施すところに要旨があり、この方法を採用することによって、上述した物理的特性を備えた耐震部材用低降伏点鋼板をより確実に得ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明者らは前述した様な状況の下で、目標下降伏点が200〜235MPa級の耐震部材用鋼板に照準を絞って、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねてきた。その結果、用いる鋼の成分組成を適切に制御すると共に、特に該鋼内の[Al/N]比を制御してAlNの生成を少なくすれば、フェライト粒径が適正サイズに調整されると共に整粒状態となり、延いては、下降伏点の板厚依存性を小さくできると共に、靭性のバラツキも小さくできることを見出した。
【0023】
そして、こうした知見を基に、目標下降伏点に応じて鋼材の化学成分を適切に調整すると共に、製造条件を適正化すれば、同一成分系で厚物から薄板に亘る広い板厚範囲を、目標下降伏点±15MPa以内に納めることができ、且つ母材靭性や音響異方性についても、需要者の要求を満たす低降伏点鋼板が得られることを知り、上記本発明に想到したものである。
【0024】
従って本発明では、目標下降伏点が200〜235MPaの範囲に納まる耐震部材用低降伏点鋼板を対象とし、且つ目標許容差が±15MPa以内である狭降伏点化の要望を満たす鋼板を狙いとするもので、下降伏点の具体的な値は、上記許容差も踏まえて185〜250MPaの範囲に定めている。
【0025】
ちなみに、下降伏点が185MPa未満のものでは、前掲の極低降伏点鋼材に指摘される難点、即ち震動による歪速度が大きい時に加工硬化によって降伏点が急上昇し、2回目以降の震動エネルギーに対する吸収作用が不十分になる、といった傾向が払拭されず、他方250MPaを超えると、低降伏点鋼材として本体構造材の破壊に先駆けて塑性変形することにより震動エネルギーを吸収するという本来の機能が発揮されなくなる。なお本発明者らが現在目指している目標下降伏点は225±15MPaであり、好ましい下降伏点範囲は210〜240MPaである。
【0026】
当該鋼板の板厚は特に限定されないが、耐震部材用鋼板として一般的なのは6〜50mm厚のものである。該鋼板の引張強さは300〜400MPaで、降伏比は(下降伏点/引張強さ)80%以下、伸びは40%以上(引張試験片形状:JIS Z 2201 5号試験片)をそれぞれ目標値とし、靭性は、0℃でのシャルピー吸収エネルギー(JIS Z 2242のフルサイズ換算)で27J以上を目標値とする。また、音響異方性については、JIS Z 3060に規定された音速比(CSL/CSC)で1.02以下を目標値とする。
【0027】
上記目標特性を満たす本発明の耐震部材用低降伏点鋼板において、先ず、鋼の成分組成を定めた理由を明確にする。
【0028】
C:0.04〜0.07%
Cは固溶強化元素として不可欠の元素であり、且つ、すべり変形時の転位の固着によって降伏強度を高め、上降伏点および下降伏点を発現させる作用を有している。C量が0.04%未満、あるいは0.07%超では、下降伏点が本発明で意図する目標下降伏点である「185〜250MPa」、より好ましくは「220±15MPa」から大きく外れ、狭下降伏点範囲に収めることが困難になる。従って本発明では、C量の適正範囲を0.04%以上、0.07%以下とする。
【0029】
Si:0.05%以下
Siは脱酸性元素として有効に作用するが、0.05%を超えると固溶強化作用が過大となって、下降伏点が本発明で意図する目標下降伏点を超え、低降伏点鋼板としての機能が損なわれる。従って、Si含量は0.05%以下に抑えるべきである。
【0030】
Mn:0.2〜0.5%
Mnは脱酸性元素として作用する他、強度調整元素としての作用も有しており、これらの作用を有効に発揮させるには0.2〜0.5%の範囲で含有させねばならない。ちなみに、Mn含量が0.2%未満、もしくは0.5%を超えると、下降伏点が本発明で意図する目標下降伏点から大きく外れ、狭降伏点範囲に収めることが困難になる。
【0031】
P:0.015%以下、S:0.01%以下
P,Sは、鉄源となる鉄鉱石などに由来する不純物として混入してくる有害元素であり、実質的に0%であっても勿論構わないが、母材の靭性を確保すると共に、特に溶接熱影響部の靭性として2KJ/mm程度を安定して確保するには、P:0.015%以下、S:0.01%以下に抑えるべきである。
【0032】
酸可溶性Al[Sol.Al]:0.008〜0.03%
鋼中にアルミ酸化物以外の形態で存在する酸可溶性Al[Sol.Al]は、加熱によって一旦オーステナイト相に溶解した後、圧延・冷却過程でNと結合してこれを固着させ、主にAlNとして析出することで、オーステナイト化熱処理の逆変態後におけるオーステナイト結晶粒の成長を抑制し、その後の変態においても旧オーステナイト粒界でのフェライト核生成サイトの増加により、フェライト結晶粒を微細化して降伏点を高め、更には、固溶Nの減少とも相俟って靭性の向上に寄与する。
【0033】
こうした酸可溶性Alの作用を有効に発揮させるには、鋼中の[Sol.Al]量で0.008%以上を確保しなければならず、これ未満では、AlN不足で該析出物によるピンニング作用が不十分となり、オーステナイト結晶粒および変態後のフェライト結晶粒が粗大化して降伏点が低くなり過ぎるばかりでなく、靭性も低くなる。よって目標レベルの降伏点と靭性を得るには、酸可溶性Al量で0.008%以上を確保すべきである。但し酸可溶性Al量が0.03%を超えると、過剰量のAlNによってオーステナイト粒および変態後のフェライト粒の微細化が過度に進行して降伏点が高くなり過ぎ、特に薄肉鋼板としたときの下降伏点が目標とする狭降伏点範囲(±15MPa)を超えてしまう。よって、酸可溶性Al量は0.03%以下に抑えるべきである。
【0034】
N:0.001〜0.0035%
Nは、固溶強化作用を有すると共に、Alとの反応によるAlN析出物の生成によって降伏点を高める作用を発揮する。Nは元々不純物として不可避的に混入してくる元素であるが、Nが0.001%未満では、前述したAlNによる結晶粒微細化作用が有効に発揮されなくなるので、0.001%以上を積極的に残存させることが必要である。しかしN量が多くなり過ぎると、降伏点が本発明で意図する狭降伏点範囲を超える恐れがあるので、多くとも0.0035%以下に抑えるのがよい。
【0035】
Nは、鋼溶製時に大気雰囲気から不可避的に混入してくる元素であり、一般的には0.001%程度以上含まれているので、積極的に含有させる必要はないが、N含量が多過ぎる場合は、任意の方法で脱N処理を行えばよい。
【0036】
[酸可溶性Al%]/[N%]比:8以上
[酸可溶性Al%]/[N%]比は、酸可溶性AlとNとの結合によるAlN析出反応の起こり易さを支配する重要な因子であり、前述した結晶粒の微細化に有効に作用するのは、主として熱処理によるフェライトの再結晶および逆変態過程で析出する微細なAlNである。[酸可溶性Al%]/[N%]比が8未満では、圧延および冷却過程でのAlNの析出反応が遅滞して、オーステナイト化熱処理時の析出割合が大きくなり、逆変態オーステナイト粒の成長が抑制されて微細化すると共に、AlN析出完了後に凝集してオーステナイトの異常粒成長をもたらし、変態後においても微細フェライトと粗大フェライトを含む混晶粒になり易い。
【0037】
この現象は、フェライト・オーステナイト2相域での圧下率が大きくなるほど、導入される歪みが大きくなるため相乗作用で一段と顕著になり、降伏点を高める。また板厚方向位置での降伏点の変動も大きくなり、目標とする狭降伏点範囲(±15MPa)を超えてしまう。従って本発明では、[酸可溶性Al%]/[N%]比を8以上としなければならない。
【0038】
なお、前述した酸可溶性Al量、N量、更には[酸可溶性Al%]/[N%]は、取鍋溶鋼処理設備などを用いた真空脱ガス条件等を適正に制御すると共に、その後のN含量や歩留りも考慮してAl添加量を適正に制御すればよい。この時に添加されるlの殆どは、AlNからなる析出物となり、該析出物のAl成分が化学分析により酸可溶性Alとして検出される。
【0039】
Ca:0.001〜0.005%,REM:0.005〜0.02%
これらの元素は、本発明において必須とされるものではないが、CaおよびREM(La,Ce等の希土類元素の総称)はSと結合し、MnSとしての析出を抑えることによって材質異方性の低減に寄与する。加えて、Z方向の引張絞りや母材靭性の向上にも有効に作用するので、必要に応じて適量含有させることが好ましい。CaおよびREMのこうした作用を有効に発揮させるには、Caを0.001%以上、REMを0.005%以上含有させるべきであるが、反面これらが多過ぎると、非金属介在物量の増大により母材靭性を却って劣化させるので、Caは0.005%以下に、REMは0.02%以下に夫々に抑えるのがよい。
【0040】
本発明で用いる鋼材の構成元素は上記の通りであり、残部は実質的に鉄と不可避的に混入することのある不純物であるが、それらは不純物量である限り許容される。
【0041】
鋼板の板厚方向断面に現れるフェライト相の面積分率:90%以上
鋼板の板厚方向断面に現れるフェライト相の面積分率は、降伏強度に大きな影響を及ぼす。即ち該フェライト相の面積分率が90%未満では、下降伏点が目標とする下降伏点の好ましい中央値である200〜235MPaよりも高位となる。従って本発明では、板厚方向断面に現れるフェライト相の面積分率を90%以上としなければならない。
【0042】
フェライト粒度番号(JIS G 0552):7.0〜8.0
板厚方向断面に現れるフェライト相の平均粒径も、降伏強度に大きな影響を及ぼす。該平均粒径が、JIS G 0552に定義されるフェライト粒度番号で8.0を超えると、下降伏点が目標とする下降伏点の中央値である200〜235MPaより高くなる。一方、該平均粒度番号が7.0未満では、下降伏点が目標中央値である200〜235MPaを下回る値になり易くなるばかりでなく、母材靭性も低くなる。
【0043】
こうした好ましいフェライト面積分率やフェライト粒度番号、上記Al/N比やスラブ加熱温度、焼ならし温度などを適正に調整することによって得ることができる。
【0044】
降伏比(下降伏点/引張強さ):80%以下
降伏比は塑性変形能の大小を表す指標であり、建築構造用部材として特に震動エネルギーを大きく吸収するには、降伏比は低いほど好ましい。従って本発明では、降伏比を80%以下と定めている。なお本発明者らが確認しているところでは、降伏比は、フェライト面積分率が大きくなるほど低下し、フェライト平均粒度番号が小さくなるほど低下することが分っているので、これらの値を適正に制御することにより上記降伏比を確保すればよい。
【0045】
厚さ6mm材の下降伏点−厚さ50mm材の下降伏点:30MPa以下
この特性は、本発明における解決課題の1つである「同一化学組成鋼の広い板厚範囲で下降伏点の差が小さい」という要求特性を満たすための具体的な基準となる。即ち通常の圧延鋼板では、先にも説明した如く製品板厚が薄くなるにつれて圧延時の放熱が顕著となり、圧延仕上げ温度の急速な低下によって降伏点は著しく高まる。また、その後に焼ならし処理を施したとしても、圧延時の加工歪エネルギーによって逆変態時の粗粒化が促進されるため、降伏点は上昇する。即ち、耐震部材用鋼板を得る場合、従来法では同一成分鋼であっても目標板厚によって降伏強度が著しく変わるため、目標板厚に応じて目標降伏強度を確保し得る様に鋼組成を変える必要があった。
しかし本発明の鋼板は、同一成分鋼でありながら降伏強度の板厚依存性が少なく、即ち薄肉板と厚肉板の下降伏点差が少ないという特徴を有しており、その基準として本発明では、上記の様に『厚さ6mm材の下降伏点−厚さ50mm材の下降伏点』の値を、30MPa以下と定めている。より好ましくは20MPa以下である。
【0046】
0℃でのシャルピー吸収エネルギー:27J以上
この特性は本発明において必須とされる訳ではないが、耐震部材用としての特徴をより効果的に発揮させるには、0℃でのシャルピー吸収エネルギーが27J以上であることが望ましい。ちなみに、シャルピー吸収エネルギーは、耐震部材が震動を受けた時のエネルギー吸収量に直結しており、このエネルギー不足は直ちに耐震部材としての性能低下をもたらすからである。
【0047】
こうした強度特性は、前述した如く用いる鋼材の化学成分を適正に調整すると共に、熱延処理時の加熱温度やその後の焼ならし温度を適正に制御することにより、上記の様な金属組織や平均粒度番号、整粒組織とすることによって確保できる。
【0048】
音響異方性[CSL/CSC比](CSL:主圧延方向の音速,CSC:主圧延方向に直角方向の音速):1.02以下
音響異方性は、鋼材の溶接部を超音波探傷で検査する際に、主圧延方向の横波の伝播速度とその直角方向の伝播速度の比を表わすもので、溶接欠陥部位を正確に把握し建築構造部材としての安全性を確保するには、音響異方性が低くて極力等方性であることが望ましく、本発明ではCSL/CSCで1.02以下と定めている。この値は、JIS Z 3060に規定されている音響異方性に合致する。この音響異方性は、圧延温度がオーステナイト再結晶温度域を外れると高くなる傾向があるので、音響異方性を小さくするには、圧延温度をオーステナイト再結晶温度内に制御することが望ましい。
【0049】
次に、本発明の低降伏点鋼板を得るための製法上の限定理由について説明する。
【0050】
鋼スラブの加熱温度:1050〜1250℃
鋼スラブの加熱温度は、分塊圧延工程で生成した析出物を一旦固溶させて均質化する上で重要である。スラブ加熱温度が1050℃未満では、本発明で重要となる酸可溶性Al量を確保し難くなり、その結果として[酸可溶Al%]/[N%]で8以上を確保し難くなる。一方、鋼スラブの加熱温度が1250℃を超えると、加熱によりオーステナイト粒が粗大化して変態後のフェライト粒も粗粒となり、下降伏点が低くなり過ぎるばかりでなく、母材靭性も低くなる。従って、熱延前における鋼スラブの加熱温度は1050℃以上、1250℃以下とすべきである。
【0051】
なお本発明では、フェライト・オーステナイト2相域での圧下率や圧延仕上げ温度に格別の制限はなく、生産性等を考慮して好ましい条件を適宜選択して採用すればよい。
【0052】
Ac3点〜950℃の焼ならし:
熱延後に行なわれるこの焼ならしは、熱延組織内に導入された歪みを解放して再結晶させると共に、その後のオーステナイト化とAlNの析出によって生じる逆変態オーステナイト粒を適度に微細化し、引き続く空冷によって、目標とする粒径のフェライト相主体のミクロ組織を生成させる上で重要な処理である。該焼ならし温度がAc3点未満では、金属組織の全てがオーステナイトに逆変態せずに一部の圧延組織が残留するため、目標とする靭性が得られ難くなる。一方、焼ならし温度が950℃を超えると、オーステナイトの粒成長が顕著となり、変態後のフェライト粒も粗大化し過ぎて降伏点が低くなり過ぎるばかりでなく、母材靭性も低くなり、前掲の適正な化学組成を満たす鋼材であっても、目標とする強靭性が得られ難くなる。従って本発明では、熱延後に行なわれる焼きならし時の加熱温度はAc3点以上、950℃以下とすべきである。
【0053】
耐震部材用低降伏点鋼板として、下降伏点が185MPa以上、250MPa以下の範囲(好ましくは220±15MPa)に収まること:
地震発生時における震動エネルギーを設計通りの特定部位に集中させてエネルギーを吸収させるには、柱材や梁材よりも低降伏点に抑えると共に、降伏点の許容範囲を極力狭めることが望ましい。また、目標下降伏点が120MPaレベル以下である現在の耐震部材用鋼板は降伏伸びが出現せず、しかも、震動エネルギーによる初回の塑性変形で降伏強度が急上昇し、2回目以降の塑性変形能が激減するため、地震エネルギー吸収部材としての安定性に欠ける。その点、目標下降伏点が185〜250MPa(より好ましくは220±15MPa)の範囲に収まる鋼材は、降伏伸びを有するばかりでなく、塑性変形による降伏点の上昇も小さいため、繰り返し塑性変形能にも優れており、震動エネルギー吸収部材として優れた適正を発揮する。よって本発明では、目標下降伏点を185〜250MPa、より好ましくは205〜235MPaと定めた。
【0054】
また、上記の如く185〜250MPa内の目標下降伏点の範囲内において、地震発生時に受ける震動エネルギーを、設計通りの狙った部位の塑性変形に確実に変換して吸収するには、当該建築構造物の中で用いた耐震部材の板厚に依らず設計の下降伏点に極力近づけることが望ましく、それにより耐震性は向上する。こうした傾向自体は既に知られているが、現時点で実現されているのは目標下降伏点の許容差でせいぜい±20MPaまでであり、それ以上の狭幅化を達成した例はない。
【0055】
しかし本発明では、前述した如く鋼材の化学成分や[酸可溶性Al%]/[N%]比、フェライト相の面積分率やその粒度番号を特定することによって、目標下降伏点の許容範囲でより下降伏点の狭幅化を実現することができ、具体的にはそのバラツキを±15MPaに収め、耐震部材として一層の安全性と建築設計上の精度向上を可能にしている。従って、本発明で定める実際の下降伏点としては、目標値である200〜235MPaに対して±15MPaの許容差を踏まえて185〜250MPaとなる。該下降伏点の範囲の中でも、目標値の中央値を220MPaとし、許容差を±15MPaの範囲としたものは、耐震部材用低降伏点鋼板として一段と安定した性能を発揮するので好ましい。
【0056】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明の構成および作用効果をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらは何れも本発明の技術的範囲に包含される。
【0057】
尚、下記実施例で採用した組織や物性などの評価法は下記の通りとした。
【0058】
フェライト相面積率:各供試鋼板の縦方向断面を光学顕微鏡によって観察し、画像解析によって全厚におけるフェライト相の面積率を求めた(n=5)。
【0059】
平均フェライト粒度番号:JIS G 0552に準拠し、光学顕微鏡を用いて全厚におけるフェライト粒の平均粒度を求める(n=5)。
【0060】
母材引張特性(下降伏点、引張強さ、伸び率、降伏比):各供試板からJISZ 2201、5号に規定される引張試験片を切出し、引張試験機を用いて各試験片の応力歪曲線を求め、各々の下降伏点、引張強さ、伸び率、降伏比を求める(n=5)。なお引張試験法は、JIS Z 2241に従い、上下降伏点までは平均応力増加率を10N/mm2・sとし、それ以降はひずみ増加率を45%で実施した。
【0061】
母材靭性:シャルピー衝撃試験装置を使用し、JIS Z 2202、4号或いはサブサイズのシャルピー衝撃試験片を用いて、0℃における衝撃吸収エネルギー[vE0]を求める(n=3)。
【0062】
音響異方性:JIS Z 3060に規定されている方法に準拠し、CSL/CSCの比で求める。
【0063】
溶接継手性能:厚さ25mmのSN490B材と実施例で得た各供試鋼板を図1に示す開先形状に組付け、下記の条件で多層盛り溶接を行う(裏当て金材としてはSN400Bを使用)。得られる溶接継手からJIS Z 2202 4号のシャルピー衝撃試験片を切出し、同規格に準拠してHAZ靭性を求める(同一切欠位置をn=3で測定)。
[溶接条件]
溶接法:自動下向きCO2溶接法(多層盛り)
溶接ワイヤ:JIS Z 3312 YGW11適合の1.2mm(直径)ソリッドワイヤ
入熱量:1.7kJ/mm
予熱:なし
パス間温度:150℃。
【0064】
実施例
下記表1に示す化学成分の鋼を用いて得た表2に示す厚さの鋼スラブについて、表2に示す温度で加熱した後、同表2に示すフェライト・オーステナイト域での累積圧下率、圧延仕上げ温度、仕上げ板厚で圧延を行った後、同表2に示す温度で焼ならしを行い(時間は、何れも板厚中央部で15分間保持)、耐震部材用の鋼板を製造した。
得られた各鋼板について、上述した方法によりフェライト相の面積率、平均フェライト粒度番号および結晶粒の形態を調べると共に、母材特性と音響異方性を調べ、表3,4に示す結果を得た。また、上記で得た一部の鋼板について、表5に示す条件で溶接継手性能を調べ、同表5に示す結果を得た。
【0065】
【表1】
Figure 0004220788
【0066】
【表2】
Figure 0004220788
【0067】
【表3】
Figure 0004220788
【0068】
【表4】
Figure 0004220788
【0069】
【表5】
Figure 0004220788
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、下降伏点が185〜250MPaである低降伏点鋼板を対象とし、同一の鋼種で且つ6〜50mm厚の広い板厚範囲で降伏点を狭い範囲(目標下降伏点200〜235MPa)に制御することができ、耐震設計の厳格化に対応可能にすると共に、音響異方性も少ないので、建築用溶接構造材料として好適である。また本発明によれば、鋼板製造用の原料素材となる鋼スラブの歩留りも向上できるため、低コスト化にも寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶接継手性能の評価実験で採用した開先形状を示す説明図である。

Claims (4)

  1. C:0.04〜0.07%(質量%を表わす、以下、化学成分の場合は同じ)、Si:0.05%以下、Mn0.2〜0.5%、P:0.015%以下、S:0.01%を満たす鋼からなり、酸可溶性Al:0.008〜0.03%、N:0.001〜0.0035%を含有し、残部が鉄および不可避不純物であると共に、[酸可溶性Al%]/[N%]比が8以上で、板厚方向断面に観察されるフェライト相の面積分率が90〜98%、JIS G 0552に規定される平均粒度番号が7.0〜8.0で、且つ整粒組織を有し、更に、下記物性を満たすことを特徴とする耐震部材用低降伏点鋼板。
    下降伏点:185〜250MPa
    降伏比[下降伏点/引張強さ]:80%以下、
    厚さ6mm材の下降伏点−厚さ50mm材の下降伏点:30MPa以下、
    音響異方性[CSL/CSC比](CSL:主圧延方向の音速、CSC:主圧延方向に直角方向の音速):1.02以下。
  2. 鋼が、他の元素としてCa:0.001〜0.005%及び/又はREM(希土類元素):0.005〜0.02%を含有するものである請求項1に記載の耐震部材用低降伏点鋼板。
  3. 下降伏点が225±15MPaである請求項1または2に記載の耐震部材用低降伏点鋼板。
  4. 前記請求項1〜のいずれかに記載された化学成分の要件を満たす鋼スラブを、1050〜1250℃に加熱してから熱間圧延し、その後、Ac3点〜950℃の温度域で焼ならしを施すことにより、前記請求項1〜のいずれかに記載の物性を満たす低降伏点鋼板を得ることを特徴とする低降伏点鋼板の製法。
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