JP4220186B2 - 弁装置およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば火力発電プラントの高温蒸気流路に設けられる弁装置およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
火力発電プラントの蒸気タービンには蒸気の流入を制御するために、主蒸気止め弁,蒸気加減弁,再熱蒸気止め弁,中間阻止弁,タービンバイパス弁等の種々の弁装置が付設されている。
【0003】
このような火力発電プラントの蒸気条件の高温・高圧化は、その効率向上に寄与する非常に重要かつ基本的な要因であるが、1960年代に24.1MPa、538/566℃の一段再熱の蒸気条件がわが国の事業用火力タービンの標準的なものとして確立されてからは、最近に至るまで画期的な進展はみられなかった。しかし、オイルショック以来、省エネルギ化が強力に推進され、その後の地球温暖化問題に対する急速な関心の高まりから火力発電プラントの高効率化が押し進められ蒸気温度は、593℃、600℃、610℃というようにステップ的に上昇してきている。昨今の趨勢は、蒸気温度についてより高温化の方向にあり、さらに635℃、650℃、700℃、725℃以上の蒸気温度の採用が検討されている。
【0004】
従来では、事業用火力発電プラントにおいて、24.1MPa、538〜566℃の蒸気条件が広く採用されているが、その大きな要因となっているのは、弁装置の各部材の構成に使用される材料のコスト的制約である。
【0005】
これら弁装置の各部材を構成する材料は、弁箱がクロム−モリブデン−バナジウム鋼に代表されるフェライト系合金などの耐熱合金鋼である。また、可動部材とこれに摺接する静止部材、例えば弁棒とブッシュとの材料の組合せについては、耐摩耗性を増加させて耐用年数を長くする目的で、例えば特許第2941544号に示されているように、ブッシュ材料を12%クロム鋼、弁棒の材料をニッケル30〜50%オーステナイト系耐熱合金とし、かつそれら部材の表面処理方法として表面窒化処理を施すことが広く知られており、この技術は実際に広く使用されてきた。
【0006】
このようなブッシュ材料が12%クロム鋼、弁棒の材料がニッケル30〜50%オーステナイト系耐熱合金の場合には、高温下においては金属表面が常温に比較して活性化状態となり、雰囲気中の高温水蒸気と反応して酸化皮膜を生成し易い。昨今の趨勢から蒸気温度についても、より高温化の方向にあり、例えば650℃以上の蒸気温度の採用が検討されている。このような高温化の傾向のもとでは、生成した酸化皮膜が弁の繰返し開閉動作の度に剥離を起こし、剥離片が弁棒の摺動により表面の凹部に局部的に堆積してブッシュとの間隙を埋め、弁棒のスティックを発生させる。
【0007】
このため、蒸気タ―ビンの定検時に弁棒まわりを分解し、酸化皮膜を落とすための手入れが必要となり、また堆積物発生量を予め見込んで弁棒とブッシュとの間隙を大きくとるため、弁棒の周りから漏洩する蒸気量が多くなり、プラント全体の熱効率を低下させる等の問題が生じる。
【0008】
また、これら摺動部材の接触面に形成された窒化層は、その窒化処理温度に因り約500℃以上で分解し、軟化する性質を持ち、また窒化層の厚さが極めて薄いため窒化層がなくなると摩耗が急激に進展する欠点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、静止部材の材料が12%クロム鋼、可動部材の材料がニッケル30〜50%オーステナイト系耐熱合金の場合、窒化による表面硬化処理を行っているが、この窒化層は高温使用条件下においては、長期間の運転によって軟化し、耐摩耗性が低下すること、更に酸化皮膜の付着防止に対し、十分な性能が得られない等の問題がある。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、流体温度および流体圧力が高い条件の弁装置に適用する場合、摺動部の酸化皮膜の発生を少なくすることができ、摺動部材、たとえば蒸気弁の弁棒とブッシュとの間隙を小さくしてもスティックを防止することができ、それにより漏洩蒸気量を最小にすることができ、高効率で高信頼性のある弁装置を提供することを目的とする。また、本発明は、摺動部材の耐摩耗性を増加させ、部品の耐用年数が長く、経年的な補修費或いは取替え費を軽減することができる弁装置を提供することを目的とする。
【0011】
さらに、本発明は上記の酸化皮膜の発生が抑制される弁装置の製造に有効な弁装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
酸化皮膜は時間とともに成長し、高温蒸気条件下では耐食性に優れているニッケル30〜50%オーステナイト系合金鋼は、12%クロム鋼よりも若干低いながら、共に低合金鋼に比べ1/3以上の速さで酸化皮膜が発生、成長する。一方、コバルトを主成分とするコバルト基硬質合金の酸化皮膜の発生速度は、弁と弁座の当たり面である蒸気シート部に従来から使用されてきた実績から格段に低いことが知られている。
【0013】
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、ブッシュと弁棒のような弁装置における互いに摺接する可動部材と静止部材、即ちあらゆる摺動部材の接触面の酸化皮膜の生成を防止するために、摺動部材の少なくとも片方の接触面にコバルト基硬質合金肉盛層等として適用するものである。
【0014】
コバルトを主成分とするコバルト基硬質合金(例えばステライト(商品名))は、高温域での硬さの低下が小さく、クロムを多量に含有しているため耐酸化性に優れた材料である。しかし、ステライト自体は靭性に乏しいことから、溶着後の冷却速度が大きいと熱応力によって溶着金属に割れが発生することもあり、溶着施工にあたっては予熱、層間温度、後熱処理等充分に管理して行うことが重要である。
【0015】
また、肉盛を行うブッシュの材料によってはブッシュの母材自体にも割れが発生することがある。中でも、ブッシュ材料が12%クロム鋼、すなわちブッシュの母材がマルテンサイト系合金鋼は、焼き入れ硬化性が大きいこと等のため特に肉盛溶着時に割れを生じ易い。
【0016】
これに対し、ステライトの熱膨張係数は、ステライトの種類によりおおよそ13.0×10−6/℃〜15.0×10−6/℃程度であることから、ブッシュの材料(母材)と使用されるステライトの熱膨張係数に大きな差が無く、実際使用条件下における加熱冷却の熱サイクルに対して発生する熱応力が小さくなるように、ほぼ同程度の熱膨張係数にある材質、たとえばニッケルクロム鋼や3%クロム以下の低合金鋼等が選定され使用されている。
【0017】
このようなステライトの肉盛溶着方法として、コバルト基硬質合金溶接ワイヤを用いた酸素アセチレン法、TIG(Tungsten Inert Gas)法、被覆アーク法、PTA(Plasma Transferred Arc)法、レーザ法およびコバルト基硬質合金粉末を溶射あるいは塗布して硬質合金層を形成する手段等があり、被加工部品の構造や形状、寸法、材料によりそれぞれの特徴に合わせ適宜選択される。
【0018】
しかし、溶接に類するTIG法等によっては母材の溶け込み量が大きいため、母材への熱影響が大きく母材の材質劣化が懸念されるため、母材への肉盛溶着時の入熱を極小に抑えられる最適肉盛厚みを把握する必要がある。
【0019】
発明者らは、前述の各肉盛溶着方法において、母材の溶け込み(希釈)が生じても、ステライト肉盛溶着部の表面(摺動面)がステライト自体の特性(たとえば硬度を基準として)を充分に発揮する厚みとして0.1mm以上、望ましくは1mm以上、また部品の形状や材質によっては3mm程度必要であることを種々の試作試験にて見出した。なお、3mmを超えると表面形状の変化等により管理が困難となる。
【0020】
また溶射手段による場合には、母材を溶融させることなく溶射層を形成することができるので、母材の材質による影響を受けることがなく、厚みは0.5mm以下でステライト自体の十分な特性を得ることができ、溶接に比べて入熱量が非常に少量であるため母材の変形も抑えることができ、母材の組織が変化することもないことを確認している。
【0021】
ところで、今後蒸気温度が566℃以上、さらに610℃以上、特に650℃以上のように高温化し、かつ蒸気圧力も現状より高い蒸気条件が採用された場合、弁棒等の可動部材に作用する荷重は蒸気圧力に比例して増大するため、弁棒等の発生応力は大きくなる。従って、このニッケル30〜50%オーステナイト系合金鋼弁棒は高温高圧蒸気条件に耐え得るように金属組織が均質で緻密な状態の素材を鍛造にて製造する。
【0022】
しかし、将来的には、より高温強度に優れた特性を確保するため、ニッケルを50%以上含むニッケル基合金、あるいはコバルトを50%以上含むコバルト基合金に代表されるオーステナイト系合金鋼材料にかえることは有効であり実施可能である。
【0023】
一方、コバルト基硬質合金の肉盛を施したブッシュ、シーリング等の静止部材については、弁棒等の可動部材と異なり、駆動装置側から作用する荷重や蒸気圧力により作用する外力が直接作用しないため、ブッシュ等に発生する作用応力は小さい。しかし、このような高温蒸気温度が採用された場合には、単なる静止構造物でありながらも、弁棒等とブッシュ等との摺動部間隙を均等に確保するため、ブッシュ等自体は最低限剛性を保つ必要があり、そのためには耐食耐熱合金でなければならない。
【0024】
本発明においては、材料として、たとえばニッケルクロム鋼や3%クロム以下の低合金鋼等を選定して使用するが、ステライトの熱膨張係数と大きな差が無く、ほぼ同程度の熱膨張係数をもつ材質であれば、ブッシュ等の形状や寸法にこだわる必要はない。すなわち、弁装置おいて、蒸気温度が、蒸気圧力も現状より高い蒸気条件が採用された場合、ブッシュを保持している上蓋材質は、弁箱と同様なクロム−モリブデン−バナジウム鋼などのフェライト系耐熱低合金鋼であれば、ブッシュ構造(独立した部品)よりは、むしろ直接上蓋の当該部分にコバルト基硬質合金の肉盛溶着を施すことも可能である。また、上蓋のような大型鋼塊の製造性に優れ、さらに良好な耐食耐熱特性を示すコバルトを50%以上含むコバルト基合金のオーステナイト系耐熱合金を上蓋材質として採用する場合には、コバルト基硬質合金のステライトと同様な材料となり熱膨張係数の差に注意する必要なく、上蓋の当該部分に直接肉盛溶着を施すことができる。
【0025】
同様に、上蓋として大型鋼塊の製造性に優れ、さらに良好な耐食耐熱特性を示すコバルトを50%以上含むコバルト基合金のオーステナイト系耐熱合金を採用することも可能である。この場合には、弁装置の中でさらに大型である弁箱としても、自ずと耐食耐熱特性を示すコバルトを50%以上含むコバルト基合金のオーステナイト系耐熱合金が使用できることになり、上蓋及び弁箱のボルト締めによる接合部が同一材料となるため、実運転中における熱膨張差の発生も少なく、大型静止部品である弁箱は均質で良好な状態の素材を製作することができ、強度を十分に確保することができる。なお、これら上蓋や弁箱の製造手段は、鍛造と鋳造のいずれでも可能であり良好な結果が得られる。
【0026】
ステライトは、コバルトを主成分とするコバルト基硬質合金であるが、その他硬質合金の種類として機械的特性が類似したニッケルを主成分とするニッケル基硬質合金も適用することができる。
【0027】
ニッケル基硬質合金の熱膨張係数は、おおよそ12.0×10−6/程度であり、高い耐腐食性を有しているため、コバルト基硬質合金と同様に使用することが可能であることから、当該硬化層の材質を変更することは容易である。なお、上蓋および弁箱については、ニッケルを35%以上含むニッケル基合金に代表されるオーステナイト系耐熱合金によって形成することも可能である。
【0028】
一方、弁棒は硬化処理したニッケル30〜50%のオーステナイト系耐熱合金で構成するが、前述したニッケル基硬質合金もクロムを含有しているため耐酸化性に優れた材料である。したがって、当該ニッケル30〜50%のオーステナイト系耐熱合金の弁棒表面に同種材料であるニッケル基硬質合金を肉盛にて形成して作製することも可能である。
【0029】
この場合、相手方であるブッシュについては、コバルト基硬質合金を肉盛にて形成することが望ましい。両者の摺動面はニッケル基硬質合金とコバルト基硬質合金との組合せとなるが、実使用条件下では両者間に硬度差(コバルト基硬質合金>ニッケル基硬質合金)が生ずるため摺動面の焼付きは発生せず、さらに酸化皮膜の付着が最少に抑制される。なお、弁棒以外の可動部材、例えば弁体等に対しても、ニッケル基硬質合金、または材料の組合わせに応じてコバルト基硬質合金を肉盛にて形成して作製することが可能である。
【0030】
弁装置には、弁棒とブッシュの如き摺動部が多数存在し、従来ではそれらのほとんどが表面に窒化処理を施し、かつ微少間隙を有しているため、耐摩耗性が低下することや、酸化皮膜が付着する等の欠点があった。すなわち、このような弁装置ではいずれの摺動部においても同様な欠点を抱えており、今後蒸気温度が566℃以上、特に650℃以上で、蒸気圧力も現状より高い蒸気条件が採用された場合を考慮した場合には何らかの策が必要である。例えば上蓋のシールリングと弁体との摺動部も同様である。これらの部位に対しても、上述した材料の組合わせや製造方法を適用することができる。すなわち、弁棒を弁体に置き換え、またブッシュをシールリングに置き換えて本発明を適用することである。
【0031】
なお、本発明において、摺動部としては、弁棒とブッシュの如き直線運動(軸方向)に限らず、例えばバタフライ弁のように弁棒が回転運動(周方向)の場合でも、弁棒等とブッシュ等との相対関係および構造は同一であるため有効に適用することができる。
【0032】
また、本発明は、キー溝などのように、大きな形状変化部分を有する弁装置を製造する上で構造的に局部的に多量の硬質合金層を形成する必要がある場合にも適用することができる。
【0033】
キー溝のような構造では、肉盛溶着作業前の素材状態では、大きな凹加工を行い、その凹部全体に硬質合金を肉盛溶着した後でキー溝加工を行っている。この場合、既に説明したように、ステライト自体は靭性に乏しいことから、溶着後の冷却速度が大きいと、熱応力によって溶着金属に割れが発生することが知られている。このような大きな凹加工部に肉盛溶着した場合には、溶着肉盛量がその周囲円周に比べ多量となる。そこで、冷却速度が遅く、冷却速度にアンバランスが生じ、たとえ溶着施工にあたっては予熱温度、後熱処理等充分に管理しても、特に溶着肉盛量の変化する接合部分(境界部分)に割れが発生している。
【0034】
このような欠点は、コバルト基硬質合金の肉盛溶着については、たとえば均一な厚みを有する摺動面の表面層にのみ適用される技術に留まる恐れがある。すなわち、今後の弁装置の技術進歩を考えるに際し、上記のような不均一な肉厚形状に対しても硬質合金を肉盛溶着する技術が望まれる。ニッケル基のオーステナイト系鉄鋼は展延性に富む材料であることから、ニッケルを50%以上含むニッケル基合金のオーステナイト系耐熱合金を、あらかじめ凹部を囲むように全周に肉盛によって形成し、凹部の肉盛溶着部とその周囲円周の肉盛溶着部位を物理的に区分させ、その後施工するコバルト基硬質合金の肉盛溶着施工時には、コバルト基硬質合金の溶着肉盛量の変化する接合部分(境界部分)の割れを防止する緩衝材として機能させる。このような、溶着肉盛量の変化する接合部分(境界部分)に展延性に富む材料を用いて、コバルト基硬質合金肉盛層に仕切りを入れる方法は、弁棒の如く摺動面が外径に位置するものであっても、またブッシュの如く、内径に位置するものであっても、いずれの場合にも効果的に適用することができる。
【0035】
以上の知見に基づき、請求項1に係る発明では、高温流体の流路に設けられる弁装置であって、弁開閉に伴って動作する可動部材と、この可動部材に摺接する静止部材とが前記流体により高温化される構成のものにおいて、前記可動部材をNi含有率が30〜80%のオーステナイト系耐熱合金製とする一方、これに摺接する前記静止部材をニッケルクロム鋼あるいは3%クロム以下の低合金鋼からなる耐食耐熱合金製とし、これら両部材のうち、前記可動部材の摺接面は母材の硬化処理面とし、前記静止部材の摺接面はCoを含有する硬質合金により構成したことを特徴とする弁装置を提供する。
【0036】
請求項2に係る発明では、前記静止部材の摺接面を構成する硬質合金は、当該部材にその母材と同一材料により一体に構成され、または当該部材にその母材と異なる材料の肉盛により厚さが3mm以下の硬質合金層として構成され、または当該部材に固定された筒状体の表面に肉盛により厚さが3mm以下の硬質合金層として構成されている請求項1記載の弁装置を提供する。
【0037】
請求項3に係る発明では、前記硬質合金層が施される静止部材は、当該硬質合金の熱膨張係数と同程度の熱膨張係数を有する材質により構成されている請求項2記載の弁装置を提供する。
【0038】
請求項4に係る発明では、前記硬質合金層は、硬質合金ワイヤの溶接または硬質合金粉末の溶射もしくは塗布により形成されている請求項2または3記載の弁装置を提供する。
【0039】
請求項5に係る発明では、前記可動部材は弁体または弁棒であり、前記静止部材は弁箱または弁蓋に設けられて前記弁体または弁棒に摺接するシールリングまたはブッシュである請求項1記載の弁装置を提供する。
【0040】
請求項6に係る発明では、前記弁棒は、Ni含有率が50%以上のニッケル基合金のオーステナイト系耐熱合金またはCo含有率が50%以上のコバルト基合金のオーステナイト系耐熱合金によって形成されている請求項5記載の弁装置を提供する。
【0041】
請求項7に係る発明では、前記ブッシュは前記弁蓋に機械的な押え部材により固定され、または冷し嵌めにより固定され、または前記弁蓋の弁棒挿通部位の孔に直接硬質合金を肉盛溶着することにより硬質合金層として形成されている請求項5記載の弁装置を提供する。
【0042】
請求項8に係る発明では、前記弁蓋は、Co含有率が50%以上のコバルト基合金またはNi含有率が35%以上のニッケル基合金のオーステナイト系耐熱合金にて構成されている請求項5記載の弁装置を提供する。
【0043】
請求項9に係る発明では、前記弁箱は、Co含有率が50%以上のコバルト基合金またはNi含有率が35%以上のニッケル基合金のオーステナイト系耐熱合金にて構成されている請求項5記載の弁装置を提供する。
【0044】
請求項10に係る発明では、前記可動部材および静止部材の摺接面は、コバルト基硬質合金層とニッケル基硬質合金層との組合せとして構成されている請求項1記載の弁装置を提供する。
【0045】
請求項11に係る発明では、摺接面に作用する運動は、直線運動または回転運動である請求項1記載の弁装置を提供する。
【0046】
請求項12に係る発明では、高温流体の流路に設けられる弁装置であって、弁開閉に伴って動作する可動部材同士、または前記可動部材とこれに摺接する静止部材とが、前記流体により高温化される構成のものにおいて、前記可動部材または前記静止部材をNi含有率が30〜80%のオーステナイト系耐熱合金製とする一方、これに摺接する相手方部材をニッケルクロム鋼あるいは3%クロム以下の低合金鋼からなる耐食耐熱合金製とし、これら両部材のうち、前記オーステナイト系耐熱合金製の部材の摺接面は母材の硬化処理面とし、前記耐食耐熱合金製の部材の摺接面はCoを含有する硬質合金により構成したことを特徴とする弁装置を提供する。
【0047】
請求項13に係る発明では、請求項1〜12のいずれかに記載の弁装置の製造に際し、前記可動部材または静止部材の摺動面にCo含有硬質合金層を形成する工程として、コバルト基硬質合金溶接ワイヤを用いた酸素アセチレン法、TIG法、被覆アーク法、PTA法、レーザ法およびコバルト基硬質合金粉末を溶射あるいは塗布して硬質合金層を形成する方法から選択される肉盛溶着を施すことを特徴とする弁装置の製造方法を提供する。
【0048】
請求項14に係る発明では、弁装置の可動部材または静止部材の摺接面に肉盛溶着により硬質合金層を形成する方法において、前記硬質合金層の肉厚が部分的に変化する場合、その肉厚が変化する境界領域に予め展延性金属を肉盛溶着し、その後に前記硬質合金層の肉盛溶着による形成を行うことを特徴とする弁装置の製造方法を提供する。
【0049】
請求項15に係る発明では、弁装置の可動部材または静止部材の摺接面のいずれかに、局部的に多量の硬質合金層を構成する場合、予めNi含有率が50%以上のニッケル基合金のオーステナイト系耐熱合金を肉盛整形し、その後にコバルト基硬質合金の肉盛溶着を施すことを特徴とする弁装置の製造方法を提供する。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0051】
第1実施形態(図1、図2)
図1は、本発明の第1実施形態による弁装置を適用した火力発電プラントに設置される蒸気弁の一例を示す断面図である。
【0052】
この蒸気弁1は、蒸気入口2および蒸気出口3を有する弁箱1aと、この弁箱1aの蒸気出口3に設けた弁座4に一端が当接して蒸気出口3を開閉する円筒型の往復動作用の弁体5とを備えている。弁体5は、弁箱1aを塞ぐ弁蓋(上蓋)6の内面側に設けられた円筒状ガイド部7の内周面にシールリング8を介して摺接し、この弁体5の中心部に連結された弁棒9により軸心方向に沿って往復駆動する。弁棒9は、弁蓋6に設けたブッシュ10にその外周面を摺接した状態で挿通され、この弁棒9の外部突出端が駆動用のアクチュエータに連結される。
【0053】
なお、以下の実施例では可動部材としての弁棒9への適用例について説明するが、弁体5に適用する場合も同様である。また、可動部材として、その摺接面に作用する運動が直線運動である場合に限らず、回転運動を行うものである場合にも適用することができる。
【0054】
(実施例1)
上記構成において、弁棒9をニッケル基オーステナイト系耐熱合金製であるインコロイ、インコネル(商品名)等(Ni含有率32.5%、42.5%、59.8%、60%、72%等)により構成した。そして、この弁棒9の表面に硬化処理として、温度600℃のもとで窒化処理を施し、母材自体の表面を硬化させた。
【0055】
また、ブッシュ10は、ニッケルクロム鋼製の弁蓋6に、コバルト基耐食耐熱合金であるステライト(商品名(Co含有率59%、67%))を2mmの厚さで、PTA法により肉盛溶着することにより形成した。
【0056】
そして、蒸気弁1に610℃以上の高温蒸気を供給して、8000時間の稼動試験を行なった結果、いずれの構成についても、弁棒9とブッシュ10との間隙への酸化被膜の堆積は殆ど見られず、スティックも発生しないことが認められた。
【0057】
図2は、例えば650℃以上の加熱条件下における各種材料についての酸化被膜の成長特性の試験結果を示すグラフである。この図2の横軸には時間を表し、縦軸には発生した酸化被膜の厚みを表している(各々単位は無次元化処理済)。上述したブッシュ10を構成しているコバルト基耐食耐熱合金であるステライトの場合は、図2に特性線Aとして示したように、高温下における酸化被膜の発生が極めて少なく、時間経過に伴う上昇割合が非常に少ないことが分かる。
【0058】
また、特性線Bは、上述した弁棒9の構成材料であるニッケル基オーステナイト系耐熱合金(Ni含有率30〜50%)の特性を示している。この特性線Bに示されたように、ニッケル基合金の場合は、ステライトよりも酸化皮膜の発生量は多いが、時間経過に伴う上昇割合は比較的少ない。
【0059】
これにより、実施例1で示した弁棒9とブッシュ10との材料組合せ構成によれば、流体温度が例えば650℃以上、流体圧力も30MPa以上の高い条件の弁装置に適用する場合においても、摺動部の酸化皮膜の発生を少なくすることができ、弁棒9とブッシュ10との間隙を小さくしてもスティックを防止することができ、それにより漏洩蒸気量を最小にすることができ、高効率かつ高信頼性を得られることが分かる。そして、この結果、従来技術に比して摺動部材の耐摩耗性を増加させることができ、部品の耐用年数の長期化、経年的な補修費或いは取替え費の軽減等が図れるようになる。
【0060】
また、本実施例においては、ブッシュ10を構成するステライトと、弁蓋6を構成するニッケルクロム鋼とが略同等の熱膨張係数であるため、高温使用条件下においても、発生する熱応力が小さく、ブッシュ10に割れ等が発生することがなく、したがって、この割れ防止効果によっても、耐用年数の長期化、補修費或いは取替え費の軽減等が図れる。
【0061】
なお、ブッシュ10を弁蓋6に形成する工程としては、前述した溶射のほか、コバルト基硬質合金溶接ワイヤを用いた酸素アセチレン法、TIG法、被覆アーク法、PTA法、レーザ法等を適用しても、前記同様の効果が得られる。
【0062】
(比較例1)
弁棒9については実施例1同様に、Ni含有量が30〜50のニッケル基オーステナイト系耐熱合金製とし、一方、ブッシュ10については低合金鋼および12%Cr鋼製として、比較を行なった。この結果、流体温度が例えば650℃以上、流体圧力も30MPa以上の高い条件の弁装置に適用する場合に、摺接部に酸化皮膜の発生が多く、弁棒9とブッシュ10との間隙を小さくするとスティックが生じやすく、それにより漏洩蒸気量が大きくなる傾向が見られた。
【0063】
図2の特性線Cは、12%Cr鋼の酸化被膜の発生特性を示し、特性線Dは、低合金鋼の酸化被膜の発生特性を示している。これらの特性線C,Dに示されたように、12%Cr鋼および低合金鋼については、650℃以上の高温下における酸化被膜の発生が多く、時間経過に伴う上昇割合が多いことが明かである。
【0064】
(実施例2)
弁棒9の材料とブッシュ10の材料とを、実施例1と逆とする。すなわち、弁棒9をCo含有率が50%以上のコバルト基合金のオーステナイト系耐熱合金によって形成し、ブッシュ10および弁蓋6をNi含有率が50%以上のニッケル基オーステナイト系耐熱合金製とする。
【0065】
このような構成によっても、図2の結果より、第1実施例と同様の効果が得られる。
【0066】
(実施例3)
ブッシュ10を筒状の独立構成部品として構成し、弁蓋6の孔に対し、押え板等を用いた機械的構成により固定し、または高温条件下でも抜け出ない十分な締め代(1/10mm程度)まで液体窒素を用いた超低温の冷し嵌めにより固定する。
【0067】
このような構成によっても第1実施例と同様の効果が得られる。
【0068】
(実施例4)
弁箱1および弁蓋6を、Co含有率が50%以上のコバルト基合金またはNi含有率が35%以上のニッケル基合金のオーステナイト系耐熱合金にて構成する。
【0069】
これにより、例えば650℃以上の高温蒸気の使用によっても、高信頼性の蒸気弁1を得ることができる。
【0070】
第2実施形態(図3〜図5)
本実施形態は、弁装置の製造方法、特に可動部材同士またはこれと静止部材との摺接面に肉盛溶着により硬質合金層を形成する方法についてのものである。図3は、本実施形態の対象となる可動部材について、一例として弁棒9を示す斜視図である。図4は本実施形態の製造方法を説明するための断面図(図3のX−X線断面図)であり、図5は比較例として従来方法を説明するための断面図である。なお、以下の方法は、弁棒以外の可動部材および静止部材の製造についても同様に適用することができる。
【0071】
例えば弁棒9には、図示しない弁体に対し、軸方向に相対的に摺動する連結構成のものがある。このような構成の場合、図3に示すように、弁棒9にキー溝11(あるいはスプライン溝)が設けられ、弁体側にはキー溝11に嵌合する軸方向に沿う凸部が形成され、これらが互いに摺動する。この嵌合部についても、第1実施形態と同様に、酸化皮膜の堆積を防止する要請が存在し、キー溝11の部位にステライトの肉盛を行う場合がある。
【0072】
この肉盛を行う場合、従来では図5に示すように、弁棒9に肉盛溶着作業前の素材状態において予め、溝11よりも寸法の大きな凹部12の切削加工等を行い、その後、凹部12を埋設する状態で弁棒9の周囲全体に硬質合金13を肉盛溶着し、その後にキー溝11の加工を行っている。
【0073】
この場合、例えば650℃以上の将来の蒸気高温化に備え、本発明では従来の硬質合金13に変えてステライト等のコバルト基合金を適用するが、この場合には上述したように、ステライト自体が靭性に乏しいため、溶着後の冷却速度が大きいと、熱応力によって溶着金属に割れが発生する可能性がある。特に大きな凹加工部に肉盛溶着した場合には、溶着肉盛量がその周囲円周に比べて多量となるため冷却速度が遅くなり、弁棒9の周囲の肉薄な他の部分と比較して、冷却速度にアンバランスが生じ、たとえ溶着施工にあたって予熱温度や後熱処理等を充分に管理しても、特に溶着肉盛量の変化する接合部分(境界部分)14において、ステライトに割れが発生する。
【0074】
そこで、本実施形態においては、図4に示すように、肉盛用として弁棒9に予め形成される大きな凹部12の周囲に対し、ステライト肉盛溶着の前に、コバルト基硬質合金の溶着肉盛量が変化する接合部分(境界部分)14に予めオーステナイト系鉄鋼等の展延性に富む材料、特にニッケルを50%以上含むニッケル基合金のオーステナイト系耐熱合金の肉盛溶着部15を形成し、凹部12内への肉盛溶着部位と弁棒9の周囲円周への肉盛溶着部位とを物理的に区分させる。そして、その後にコバルト基硬質合金であるステライトの全体的な肉盛溶着部13aの施工を行う。
【0075】
このような本実施形態によると、コバルト基硬質合金の溶着肉盛量が変化する接合部分(境界部分)14に予め施工した展延性に富む肉盛溶着部15が緩衝材として機能するので、その接合部分14において、コバルト基合金13aの冷却時における割れを防止することができる。
【0076】
なお、このような緩衝用の肉盛溶着部15は、前述したブッシュ10の如く、部材の内径側に凹部を有する構成の場合については、内周側における溶着肉盛量が変化する接合部分(境界部分)に施工する。
【0077】
【発明の効果】
本発明によれば、流体温度および流体圧力も高い条件の弁装置に適用する場合、摺動部の酸化皮膜の発生を少なくすることができ、摺動部材、たとえば蒸気弁の弁棒とブッシュとの間隙を小さくしてもスティックを防止することができるため、漏洩蒸気量を最小にすることができ、高効率で高信頼性の弁装置を提供することができる。また、本発明の弁装置によれば、摺動部材の耐摩耗性が増加し、部品の耐用年数が長くなるため、経年的な補修費或いは取替え費を軽減することにも繋がるなどの顕著な効果が奏される。さらに、本発明によれば、酸化皮膜の発生が抑制される弁装置の製造に際し、割れ発生等の防止に有効な弁装置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態として弁装置の構成を示す断面図。
【図2】前記実施形態による作用効果を説明する特性図。
【図3】本発明の第2実施形態として弁装置の製造方法を説明するための斜視図。
【図4】本発明の第2実施形態として弁装置の製造方法を説明するための断面図。
【図5】前記第2実施形態に対応する従来技術を説明するための断面図。
【符号の説明】
1 弁装置(蒸気弁)
1a 弁箱
2 蒸気入口
3 蒸気出口
4 弁座
5 弁体
6 弁蓋
7 円筒状ガイド部
8 シールリング
9 弁棒
10 ブッシュ
11 キー溝
12 凹部
13 硬質合金
14 接合部分(境界部分)
15 肉盛溶接部

Claims (15)

  1. 高温流体の流路に設けられる弁装置であって、弁開閉に伴って動作する可動部材と、この可動部材に摺接する静止部材とが前記流体により高温化される構成のものにおいて、前記可動部材をNi含有率が30〜80%のオーステナイト系耐熱合金製とする一方、これに摺接する前記静止部材をニッケルクロム鋼あるいは3%クロム以下の低合金鋼からなる耐食耐熱合金製とし、これら両部材のうち、前記可動部材の摺接面は母材の硬化処理面とし、前記静止部材の摺接面はCoを含有する硬質合金により構成したことを特徴とする弁装置。
  2. 前記静止部材の摺接面を構成する硬質合金は、当該部材にその母材と同一材料により一体に構成され、または当該部材にその母材と異なる材料の肉盛により厚さが3mm以下の硬質合金層として構成され、または当該部材に固定された筒状体の表面に肉盛により厚さが3mm以下の硬質合金層として構成されている請求項1記載の弁装置。
  3. 前記硬質合金層が施される静止部材は、当該硬質合金の熱膨張係数と同程度の熱膨張係数を有する材質により構成されている請求項2記載の弁装置。
  4. 前記硬質合金層は、硬質合金ワイヤの溶接または硬質合金粉末の溶射もしくは塗布により形成されている請求項2または3記載の弁装置。
  5. 前記可動部材は弁体または弁棒であり、前記静止部材は弁箱または弁蓋に設けられて前記弁体または弁棒に摺接するシールリングまたはブッシュである請求項1記載の弁装置。
  6. 前記弁棒は、Ni含有率が50%以上のニッケル基合金のオーステナイト系耐熱合金またはCo含有率が50%以上のコバルト基合金のオーステナイト系耐熱合金によって形成されている請求項5記載の弁装置。
  7. 前記ブッシュは前記弁蓋に機械的な押え部材により固定され、または冷し嵌めにより固定され、または前記弁蓋の弁棒挿通部位の孔に直接硬質合金を肉盛溶着することにより硬質合金層として形成されている請求項5記載の弁装置。
  8. 前記弁蓋は、Co含有率が50%以上のコバルト基合金またはNi含有率が35%以上のニッケル基合金のオーステナイト系耐熱合金にて構成されている請求項5記載の弁装置。
  9. 前記弁箱は、Co含有率が50%以上のコバルト基合金またはNi含有率が35%以上のニッケル基合金のオーステナイト系耐熱合金にて構成されている請求項5記載の弁装置。
  10. 前記可動部材および静止部材の摺接面は、コバルト基硬質合金層とニッケル基硬質合金層との組合せとして構成されている請求項1記載の弁装置。
  11. 摺接面に作用する運動は、直線運動または回転運動である請求項1記載の弁装置。
  12. 高温流体の流路に設けられる弁装置であって、弁開閉に伴って動作する可動部材同士、または前記可動部材とこれに摺接する静止部材とが、前記流体により高温化される構成のものにおいて、前記可動部材または前記静止部材をNi含有率が30〜80%のオーステナイト系耐熱合金製とする一方、これに摺接する相手方部材をニッケルクロム鋼あるいは3%クロム以下の低合金鋼からなる耐食耐熱合金製とし、これら両部材のうち、前記オーステナイト系耐熱合金製の部材の摺接面は母材の硬化処理面とし、前記耐食耐熱合金製の部材の摺接面はCoを含有する硬質合金により構成したことを特徴とする弁装置
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の弁装置の製造に際し、前記可動部材または静止部材の摺動面にCo含有硬質合金層を形成する工程として、コバルト基硬質合金溶接ワイヤを用いた酸素アセチレン法、TIG法、被覆アーク法、PTA法、レーザ法およびコバルト基硬質合金粉末を溶射あるいは塗布して硬質合金層を形成する方法から選択される肉盛溶着を施すことを特徴とする弁装置の製造方法。
  14. 請求項13記載の弁装置の製造方法において、可動部材または静止部材の摺接面に肉盛溶着により硬質合金層を形成するにあたり、前記硬質合金層の肉厚が部分的に変化する場合、その肉厚が変化する境界領域に予め展延性金属を肉盛溶着し、その後に前記硬質合金層の肉盛溶着による形成を行うことを特徴とする弁装置の製造方法。
  15. 請求項13記載の弁装置の製造方法において、可動部材または静止部材の摺接面のいずれかに、局部的に多量の硬質合金層を構成する場合、予めNi含有率が50%以上のニッケル基合金のオーステナイト系耐熱合金を肉盛整形し、その後にコバルト基硬質合金の肉盛溶着を施すことを特徴とする弁装置の製造方法。
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