JP4220162B2 - 薄膜圧電体素子とその製造方法およびハードディスクドライブ用薄膜圧電体素子 - Google Patents

薄膜圧電体素子とその製造方法およびハードディスクドライブ用薄膜圧電体素子 Download PDF

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  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)
  • Supporting Of Heads In Record-Carrier Devices (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜圧電体素子およびその製造方法に関し、特に、コンピューターの情報記録装置等として用いられる磁気ディスク装置等において、データを高記録密度化するために最適なヘッド支持機構に好適に用いられるアクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、磁気ディスク装置に設けられた磁気ディスクの記録密度は、年率数十%の高密度化が続いている。磁気ディスクに対するデータの記録及び再生に使用される磁気ヘッドは、通常、スライダに搭載されており、磁気ヘッドが搭載されたスライダは、磁気ディスク装置内に設けられたヘッド支持機構によって支持されている。ヘッド支持機構は、スライダが取り付けられたヘッドアクチュエータアームを有しており、このヘッドアクチュエータアームが、ボイスコイルモータ(VCM)によって回動されるようになっている。そして、ボイスコイルモータを制御することにより、スライダに搭載されたヘッドが、磁気ディスク上の任意の位置に位置決めされる。
【0003】
磁気ディスクに対してデータをさらに高密度で記録するためには、磁気ディスクに対して磁気ヘッドをさらに高密度に位置決めする必要がある。しかしながら、このようにVCMにてヘッドアクチュエータアームを回動させて磁気ヘッドを位置決めする構成では、磁気ヘッドをより高精度に位置決めできないという課題がある。
【0004】
そこで本発明者らは特願2000−322020にて新方式を提案した。この方式では、ヘッドの概略の位置決めは従来同様にVCMにてヘッドアクチュエータアームを回動させることによって行うが、正確な位置決めは磁気ヘッドに取り付けられた薄膜圧電体素子によって行う構造となっている。このような構造とすることで、高精度かつ高速な位置決めを可能としている。
【0005】
従来の薄膜圧電体素子の平面図を図1に示す。この薄膜圧電体素子は、全く同じ構造を有する1対の素子10A、10Bを、互いに左右対称となるように一対化されたものであり、その断面(X−X’線断面)を図2に示す。
【0006】
薄膜圧電体素子10の各素子10A、10Bはそれぞれ2層構造になっており、上部に位置する第1の薄膜圧電体21Aの上側と下側には第1の電極金属膜31Aと第3の電極膜33Aが形成される。また下部に位置する第2の薄膜圧電体素子22Aは、第1の薄膜圧電体素子21Aの下側に配置され、その両面には同様に第2の電極金属膜32A、第4の電極金属膜34Aが設けられている。第3の電極金属膜33Aと第4の電極金属膜34Aは電気的に短絡されている。また薄膜圧電体素子10の少なくとも一部は、柔軟性のある樹脂15で被覆される。
【0007】
この薄膜圧電体素子の製造方法の概略を図3に示す。図3(a)(b)に示すように、膜形成面の格子定数が薄膜圧電体のそれと近似している、膜形成面が(200)面である単結晶酸化マグネシウム基板41(42)の上に第1(第3)の電極金属膜{例えば(200)面に優先配向した白金}31A(32A)、第1(第2)の圧電体薄膜{例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)}21A(22A)、第2(第4)の電極金属膜(例えばTa/Au膜)33A(34A)がこの順にスパッタ成膜される。これにより薄膜圧電体21A(22A)は第1(第3)の電極金属膜31A(32A)上で配向成長し、その分極方向は膜面に対してほぼ垂直方向となる。次に第2の電極金属膜33Aと第4の電極金属膜34Aを接着剤14で接着する{図3(c)}。次に第1の単結晶酸化マグネシウム基板41をエッチングして除去する{図3(d)}。次に所定の薄膜圧電体素子の形状になるようにドライエッチング等で成形加工する{図3(e)}。これにより薄膜圧電体素子10を構成する素子10Aと素子10Bとがほぼ形作られる。
【0008】
次に第2の単結晶酸化マグネシウム基板42上で薄膜圧電体素子が形成された表面をコーティング樹脂15で覆い薄膜圧電体素子の損傷・劣化を防止した上で{図3(f)}、最後に残っていた第2の単結晶酸化マグネシウム基板42をエッチングで除去することにより{図3(g)}、薄膜圧電体素子10を構成する素子10Aと素子10Bとを得る。
【0009】
なお、第1電極金属膜31Aと第3電極金属膜32Aとに駆動電圧を印加するための第1端子を形成する工程、および第2電極金属膜33Aと第4電極金属膜34Aとにグランド電圧を形成する工程は図示を省略している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこの製造方法では、単結晶酸化マグネシウム基板に大きな課題があった。
【0011】
単結晶酸化マグネシウムは融点が2850℃と高温であるため、シリコン単結晶のように引き上げ法による製造はできない。したがって、大型の炉体で原料となる多結晶酸化マグネシウムをアーク溶解した後、自然冷却させて単結晶を得ることになる。この方法では通常得られる単結晶の大きさは数cm角程度であり、しかもその収量は原料である多結晶酸化マグネシウムに対して約1/1000でしかない。そのため単結晶酸化マグネシウム基板は高価(単位面積当たりの価格はシリコン基板単結晶の50〜100倍)である。しかも前記のように得られる単結晶塊の大きさが数cm角であるため、得られる基板も2〜3cm角程度の小サイズとならざるを得ず、それによる素子製造コストの高騰も無視できない。
【0012】
本薄膜圧電体だけでなく、半導体や薄膜ヘッドなど、薄膜プロセスを多用するデバイスでは、一般的に基板サイズが大きい方が製造コストの面で有利である。そのため半導体製造分野では基板サイズの大口径化が営々と行われており、当初は50〜76mmであったシリコン基板が、21世紀には300mm径時代を迎えようとしている。
【0013】
薄膜圧電体素子においても、基板コストや製造コストの引き下げのためには、単結晶マグネシウム基板よりも安価かつ大口径化可能な基板を用いることが望ましい。
【0014】
本発明の目的は、単結晶酸化マグネシウム基板に代えて他の基板を用いることにより、安価かつ効率的に薄膜圧電体素子を製造することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の薄膜圧電体素子は、第1電極金属膜と第1薄膜圧電体と第2電極金属膜とがこの順に積層された積層体と、第3電極金属膜と第2薄膜圧電体と第4金属膜とがこの順に積層された積層体とが、前記第2電極金属膜と前記第4電極金属膜とで接着され、その少なくとも一部が樹脂で被覆され、第1電極金属膜と前記第3電極金属膜とに駆動電圧を印加するための第1端子を備え、前記第2電極金属膜と前記第4電極金属膜とにグランド電圧を印加するための第2端子を備える薄膜圧電体素子であって、少なくとも前記第1電極金属膜または前記第3電極金属膜の一方の、薄膜圧電体が形成されていない側の面に、(200)面に優先配向した酸化マグネシウム膜が形成されたものである。
【0016】
本発明の薄膜圧電体素子の製造方法は、第1の基板上に第1電極金属膜と第1薄膜圧電体と第2電極金属とをこの順に積層した第1の基体を作製する工程と、第2の基板上に第3の電極金属膜と第2薄膜圧電体と第4電極金属とをこの順に積層した第2の基体を作製する工程と、前記第1の基体と前記第2の基体とを前記第2電極金属膜面と前記第4金属電極膜面とで貼り合わせた後、前記第1の基板をエッチングで除去し、前記第1電極金属膜と前記第1薄膜圧電体と前記第2電極金属膜と前記第4電極金属膜と前記第2薄膜圧電体と前記第3電極金属膜とを所定の形状に加工すると同時に、前記第1電極金属膜と前記第3電極金属膜とに駆動電圧を印加するための第1端子を形成し、前記第2電極金属と前記第4電極金属膜とにグランド電圧を印加するための第2端子を形成する工程と、外部環境からの悪影響を防止するための樹脂による被覆処理を行った後、前記第2の基板を除去して薄膜圧電体素子を作製する工程を有し、前記第1の基板および前記第2の基板として、表面に(200)面に優先配向された酸化マグネシウム膜が成膜された単結晶シリコン基板を用いる方法である。
【0017】
【作用】
本発明の薄膜圧電体素子によれば、少なくとも前記第1電極金属膜または前記第3電極金属膜の一方の、薄膜圧電体が形成されていない側の面に、(200)面に優先配向した酸化マグネシウム膜を形成しているのであるから、単結晶酸化マグネシウム基板以外の基板を採用することができる。したがって、単結晶酸化マグネシウム基板よりも安価、かつ大口径化が可能な基板(例えばシリコン基板)を採用することによって薄膜圧電体素子を安価にすることができる。
【0018】
ここで、前記酸化マグネシウム膜の膜厚を10nm以上500nm以下とすることが好ましい。その理由は、ECRスパッタ法、RF2極スパッタ法、RFマグネトロンスパッタ法、プラズマCVD法、ECR−CVD法等で成膜検討を行った結果、膜厚が10nm以下では緻密で結晶性に優れた酸化マグネシウム膜を得ることは難しく、また膜厚が500nm以上では膜表面の粗度が大きくなり過ぎ、その上に形成されるPt電極膜は(100)面のみならず(111)面も強く析出するからである。
【0019】
前記第1電極金属膜と第3電極金属膜としてPt膜を採用することが好ましく、シリコン基板を用いても所定の特性の圧電体薄膜の成膜を可能とすることができる。すなわち、Ptは下地の特性を上層へ伝える性質があることが知られており、本発明の薄膜圧電体素子では圧電膜を(200)面に優先配向した酸化マグネシウム膜に対してエピ成長させる必要があるので、第1電極金属膜と第3電極金属膜としてPt膜を採用することが好ましい。
【0020】
前記第2電極金属膜と第4電極金属膜として、Pt、Ta、Au、Rh、Cu、Ti、Crの中から選択される少なくとも2種類の金属膜からなる積層膜を採用することが好ましい。その理由は、圧電膜の上層に成膜される第2の電極膜と第4の電極膜はPtである必要はないが、電極膜であるから電気抵抗が低く、化学的に安定であることが必要であり、そのためその材料としてはAu、Cu、Rh、Ptが適するが、圧電膜との密着性が必ずしも十分でないため、密着性を向上させるために圧電膜との界面にTa、Ti、Crなどの極薄膜を介在させることが好ましいからである。
【0021】
前記第1の薄膜圧電体と第2の薄膜圧電体として、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸ストロンチウム酸鉛、チタン酸鉛などの鉛系圧電材料からなるものを採用することが好ましく、シリコン基板/白金膜/酸化マグネシウム薄膜を単結晶酸化マグネシウム基板の代替えとすることができる。
【0022】
本発明の薄膜圧電体素子の製造方法によれば、第1の基板および前記第2の基板として、表面に(200)面に優先配向された酸化マグネシウム膜が成膜された単結晶シリコン基板を用いるのであるから、単結晶酸化マグネシウム基板よりも安価、かつ大口径化が可能なシリコン基板を採用することによって薄膜圧電体素子を安価に製造することができる。
【0023】
さらに説明する。
【0024】
高性能な薄膜圧電体素子を得るには、圧電体薄膜が膜面に垂直またはそれに近い方向に分極していることが必要である。そのためには圧電体薄膜がペロブスカイト構造であり、かつ膜面が(001)配向していることが望ましい。このような結晶構造の圧電体薄膜を得るには、成膜面が圧電体薄膜と同様な格子定数や結晶構造を持つ基板を用いて、圧電体薄膜をエピタキシャル成長させるのが一般的である。
【0025】
圧電体にチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いる場合を考える。チタン酸ジルコン酸鉛の(100)面の格子定数は0.404nm前後、(200)面の格子定数は0.202nm前後、MgO単結晶基板の(200)面の格子定数は0.211nm前後、Ptの(200)面の格子定数は0.196nm前後である。従って従来工法ではMgO単結晶(200)面上に電極金属膜としてのPt(200)面をエピタキシャル成長させ、さらにその上にチタン酸ジルコン酸鉛膜を成膜することで(100)面にエピタキシャル成長させている。
【0026】
これに対し、本発明者は、単結晶MgO基板の代わりに、Si単結晶基板上に(200)面に優先配向したMgO膜を成膜したものを採用する事で、これと同様の効果が得られ、薄膜圧電体素子の低価格化を達成できることを見出し、本発明を完成させたのである。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の薄膜圧電体素子およびその製造方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0028】
図5は本発明の薄膜圧電体素子の一例を示す平面図であり、全く同じ構造を有する1対の素子100A、100Bを、互いに左右対称となるように一対化することによって、薄膜圧電体素子100を構成している。
【0029】
次いで、製造方法を説明する。
【0030】
図4(a)(b)に示すように、単結晶シリコン基板430(440)の上に、ECRスパッタ法により、膜面が(200)面に優先配向した酸化マグネシウム膜510A(520A)を200nm成膜する。その上に(200)面に優先配向した膜厚200nmの第1(第3)の電極金属膜であるPt膜310A(320A)、第1(第2)の圧電体薄膜{薄膜2μmのチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)}210A(220A)、第2(第4)の電極金属膜としてのTa(膜厚30nm)/Au(膜厚300nm)膜330A(340A)をこの順に成膜する。ここでTa膜はAu膜とPZT膜の密着性を高める役割を果たす。この構成とすることにより、第1(第3)の電極金属膜であるPt膜310A(320A)は酸化マグネシウム膜510A(520A)に対してエピタキシャル成長して(200)面配向となり、さらにその上に成膜される圧電体薄膜210A(220A)も第1(第3)の電極金属膜310A(320A)上でエピタキシャル成長して(001)面配向し、その分極方向は膜面に対してほぼ垂直方向となる。次に第2の電極金属膜330Aと第4の電極金属膜340Aとを接着剤140で接着する{図4(c)}。次に単結晶シリコン基板430を水酸化カリウム溶液またはエチレンジアミン溶液を用いるエッチングで除去する{図4(d)}。次に所定の薄膜圧電体素子の形状になるようにドライエッチング等で成形加工する{図4(e)}。次に単結晶シリコン基板440上で薄膜圧電体素子が形成された表面をコーティング樹脂150で覆い薄膜圧電体素子の損傷・劣化を防止した上で{図4(f)}、最後に残っていた単結晶シリコン基板440を水酸化カリウム溶液またはエチレンジアミン溶液でエッチングし、さらに単結晶シリコン基板440上に成膜された酸化マグネシウム膜520Aをリン酸で除去することにより{図4(g)}、一対の薄膜圧電体素子100A、100Bからなる薄膜圧電体素子100を得る。
【0031】
なお、第1電極金属膜310Aと第3電極金属膜320Aとに駆動電圧を印加するための第1端子を形成する工程、および第2電極金属膜330Aと第4電極金属膜340Aとにグランド電圧を形成する工程は図示を省略している。
【0032】
なお本実施の形態では、単結晶シリコン基板は熱酸化膜付きでも熱酸化膜無しでも構わない。熱酸化膜無しの基板でも、その表面には自然酸化膜が数nm形成されているからである。ただプロセスの再現性を高めるためには、熱酸化膜付きの基板を用いる方が好ましい。
【0033】
このようにして得られる薄膜圧電体素子には、(200)面に優先配向された厚さ200nmの酸化マグネシウム膜が残ったままである。この程度の膜厚の酸化マグネシウム膜が残留しても、薄膜圧電体の変位量は大きな影響を受けないが、酸化マグネシウム膜が無い方がさらに大きな変位量を得ることができる。そこで薄膜圧電体素子作製工程中において、例えば単結晶シリコン基板430を除去した後に素子をリン酸溶液中に浸漬することによって、第1の酸化マグネシウム膜510Aも除去された素子を得ることができる。また本実施の形態では単結晶シリコン基板440を除去した後、第2の電極金属膜320Aを除去したが、これを除去せずに残すことも可能である。要するに、酸化マグネシウム膜を2層とも除去するか、1層のみ除去するか、全く除去しないかは、必要とされる変位量とコストに応じて定めれば良い。
【0034】
上記のようにして製造された薄膜圧電体素子を、磁気ディスク装置において磁気ヘッドを支持するヘッド支持機構に用いることによって、磁気ヘッドの高精度かつ高速な位置決めを達成することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上のように請求項1、請求項6に係る発明によれば、従来の高価かつ小径の酸化マグネシウム単結晶基板に代えて、安価かつ大口径のシリコン基板を用いて、効率的にヘッドを微小変位させることが可能で、しかも信頼性の高い薄膜圧電体素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 薄膜圧電体素子の一例を示す平面図である。
【図2】 図1のX−X’線断面図である。
【図3】 (a)〜(g)は、それぞれ、従来の薄膜圧電体素子の製造方法の一例を説明する図である。
【図4】 (a)〜(g)は、それぞれ、本発明による薄膜圧電体素子の製造方法を説明する図である。
【図5】 本発明による薄膜圧電体素子の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
150 コーティング樹脂
210A 第1薄膜圧電体
220A 第2薄膜圧電体
310A 第1電極金属膜
320A 第2電極金属膜
330A 第3電極金属膜
340A 第4電極金属膜
430 第1のシリコン基板
440 第2のシリコン基板
510A 第1の酸化マグネシウム膜
520A 第2の酸化マグネシウム膜

Claims (7)

  1. 第1電極金属膜(310A)と第1薄膜圧電体(210A)と第2電極金属膜(330A)とがこの順に積層された積層体と、第3電極金属膜(320A)と第2薄膜圧電体(220A)と第4金属膜(340A)とがこの順に積層された積層体とが、前記第2電極金属膜(330A)と前記第4電極金属膜(340A)とで接着され、その少なくとも一部が樹脂(150)で被覆され、前記第1電極金属膜(310A)と前記第3電極金属膜(320A)とに駆動電圧を印加するための第1端子を備え、前記第2電極金属膜(330A)と前記第4電極金属膜(340A)とにグランド電圧を印加するための第2端子を備える薄膜圧電体素子であって、少なくとも前記第1電極金属膜(310A)または前記第3電極金属膜(320A)の一方の、前記薄膜圧電体(210A、220A)が形成されていない側の面に、(200)面に優先配向した酸化マグネシウム膜(510A、520A)が形成されていることを特徴とする薄膜圧電体素子。
  2. 前記酸化マグネシウム膜(510A、520A)の膜厚が10nm以上500nm以下である請求項1記載の薄膜圧電体素子。
  3. 前記第1電極金属膜(310A)と前記第3電極金属膜(320A)はPt膜である請求項1又は2記載の薄膜圧電体素子。
  4. 前記第2電極金属膜(330A)と前記第4電極金属膜(340A)とは、Pt、Ta、Au、Rh、Cu、Ti、Crの中から選択される少なくとも2種類の金属膜からなる積層膜である請求項1から請求項3の何れかに記載の薄膜圧電体素子。
  5. 前記第1薄膜圧電体(210A)と前記第2薄膜圧電体(220A)とは、鉛系圧電材料からなるものである請求項1から請求項4の何れかに記載の薄膜圧電体素子。
  6. 第1の基板(430)上に第1電極金属膜(310A)と第1薄膜圧電体(210A)と第2電極金属(330A)とをこの順に積層した第1の基体を作製する工程と、第2の基板(440)上に第3の電極金属膜(320A)と第2薄膜圧電体(220A)と第4電極金属(340A)とをこの順に積層した第2の基体を作製する工程と、前記第1の基体と前記第2の基体とを前記第2電極金属膜面(330A)と前記第4金属電極膜面(340A)とで貼り合わせた後、前記第1の基板(430)をエッチングで除去し、前記第1電極金属膜(310A)と前記第1薄膜圧電体(210A)と前記第2電極金属膜(330A)と前記第4電極金属膜(340A)と前記第2薄膜圧電体(220A)と前記第3電極金属膜(320A)とを所定の形状に加工すると同時に、前記第1電極金属膜(310A)と前記第3電極金属膜(320A)とに駆動電圧を印加するための第1端子を形成し、前記第2電極金属(330A)と前記第4電極金属膜(340A)とにグランド電圧を印加するための第2端子を形成する工程と、外部環境からの悪影響を防止するための樹脂(150)による被覆処理を行った後、前記第2の基板(440)を除去して薄膜圧電体素子を作製する工程を有し、前記第1の基板(430)および前記第2の基板(440)として、表面に(200)面に優先配向された酸化マグネシウム膜(510A、520A)が成膜された単結晶シリコン基板を用いることを特徴とする薄膜圧電体素子の製造方法。
  7. 請求項1から請求項5の何れかに記載の構成を有するハードディスクドライブ用薄膜圧電体素子。
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