JP4219823B2 - 写像型電子顕微鏡及びマイクロデバイスの製造方法 - Google Patents

写像型電子顕微鏡及びマイクロデバイスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子線を試料面に照射させ、その結果発生する2次電子、反射電子等を用いて、物体面の観察、検査等を行う写像型電子顕微鏡、及びこの写像型電子顕微鏡を用いたマイクロデバイスの製造方法に関するものである。
写像型電子顕微鏡は、電子線光学系を使用して、電子線を試料面に照射し、その結果発生する2次電子や反射電子を、電子線光学系を使用して検出装置の検出面に結像させ、2次元的に試料面を観察するものである。これは、SEMと異なり走査回数を減らすことができるので、試料観察時間を短縮することができ、半導体等のマイクロデバイスの検査装置として注目されている。
このような写像型電子顕微鏡として考えられているものの例を、図8に示す。カソード31から射出した照射ビーム34は、ウェネルト電極44、第1アノード45、第2アノード46、照明電子光学系32を通過して、電磁プリズム33に入射する。照射ビーム34は、電磁プリズム(E×B)33によって、その光路が変更された後、対物電子光学系37を通過して、試料36を面照明する。
試料36に照射ビーム34が入射すると試料36からは、その表面形状、材質分布、電位の変化などに応じた分布の2次電子、後方散乱電子及び反射電子(発生電子38と総称する)が発生する。この発生電子38は、対物電子光学系37、電磁プリズム33、結像電子光学系39を通して、MCP(Micro Channel Plate)検出器40上に投影され、光写像光学系42を通過して、CCDカメラ43に画像が投影される。なお、35は試料ステージである。
このような写像型顕微鏡の主要部における電子線の光路を図9に示す。図9において、対物電子光学系37は、レンズ37a、37bと、開口絞り37cからなるものとし、結像電子光学系39は、レンズ39a、39b、39cからなるものとして示してある。
照射ビーム34は、レンズ37aの働きにより収束してから広がり、レンズ37bの働きにより、試料36を垂直(テレセントリック)に照明する。照射ビームが収束する位置が第1クロスオーバ位置である。試料36の光軸上の点から発生した発生電子38aは、対物電子光学系37を出た後、電磁プリズム33の位置で収束し、その後、レンズ39a、39b、39cの作用を受けて、MCP検出器40上に結像する。
試料36の光軸上から離れた点から、光軸に垂直な方向に放出された発生電子38bは、第1クロスオーバ位置を通り、図に示すように、レンズ39a、39b、39cの働きを受けて、光軸と2回交差する。第1クロスオーバ位置の後で最初に光軸と交差する位置を第2クロスオーバ位置と呼んでいる。開口絞り37cが、第1クロスオーバ位置に設けられているので、発生電子38bが主光線となり、対物電子光学系、結像電子光学系を含んだ投影電子光学系の開口角は、開口絞り37cによって決定される。
なお、照明ビーム34は、試料36をケーラー照明するようになっている。即ち、図8における照明電子光学系32中に設けられた開口絞り(図示せず)と、第1クロスオーバ位置が共役の関係にあるようにされている。
近年、半導体集積回路のパターンの微細化に伴い、半導体集積回路の製造工程において中間製品及び完成品の検査装置として使用される写像型電子顕微鏡の解像度を高める必要が生じている。写像型電子顕微鏡の解像度を高める際の障害となる要因の一つがクーロン効果である。
特に問題となるのが、照射ビーム34と発生電子38との間に発生するクーロン効果である。このクーロン効果は、照明ビーム34が最も絞られ、かつ、主光線である発生電子38bが集中する第1クロスオーバ位置において集中的に発生する。クーロン効果が発生すると、その分だけ発生電子38のビームが散乱を受けることになり、ボケが発生して、解像度を高める障害となる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、クーロン効果によるボケの発生を少なくして解像度を高めることができる写像型電子顕微鏡、及びこの写像型電子顕微鏡を使用したマイクロデバイスの製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための第1の手段は、電子線源より放出される照明用電子線を、照明電子光学系を介して電磁プリズムに入射させ、当該電磁プリズムを通過した前記照明用電子線を、対物電子光学系を介して試料面に照射し、試料面から発生する電子を、前記対物電子光学系を介して前記電磁プリズムに導き、前記電磁プリズムを通過した前記電子を結像電子光学系を介して検出器に導き、前記試料面の像を前記検出器の検出面に結像させることにより、前記試料面の観察を行う写像型電子顕微鏡であって、前記照明用電子線は前記試料面をケーラー照明するようにされており、前記試料面の像を前記検出器の結像面に結像させる投影電子光学系中の電子光学系において、前記対物電子光学系が、物体側テレセントリックな光学系とされているものにおいて、前記対物電子光学系のクロスオーバ位置における前記照明用電子線の分布形状がドーナツ状とされており、前記ドーナツ状の形状の照明用電子線の分布の内径が、前記試料面から発生して、開口絞りを通って前記検出器の検出面の有効領域に入射する電子の、前記クロスオーバ位置での分布範囲よりも大きくされていることを特徴とするもの(請求項1)である。
本手段においては、対物電子光学系が物体側テレセントリックとされているので、試料面から垂直に放出される電子線(主光線となる)が、対物電子光学系のクロスオーバ位置(通常は最も試料側にあるレンズの焦点位置)に収束する。一方、照明用電子線の分布は、この位置でドーナツ形状をしているので、前記試料面から発生して、開口絞りを通って前記検出器の検出面の有効領域に入射する電子の大部分は、このドーナツ形状の中を通り抜けることになる。即ち、照明用電子線と、前記試料面から発生して、開口絞りを通って前記検出器の検出面の有効領域に入射する電子の大部分とは、別の位置を通過するので、両者の間のクーロン効果が低減され、その分、像のボケも小さくなる。なお、照明用電子線は、試料面をケーラー照明するので、対物電子光学系のクロスオーバ位置での形状をドーナツ状としても、照明一様性は保たれる。
なお、この構成を採用する場合、通常、対物電子光学系、結像電子光学系を含んだ投影電子光学系の開口絞りを、前記対物電子光学系のクロスオーバ位置に置くことが困難になる。よって、この場合は、通常、試料面から放出された電子線が電磁プリズムを通過した後に形成されるクロスオーバ位置に開口絞りを置くことになる。
本手段においては、前記クロスオーバ位置において、試料面から発生して、対物電子光学系、結像電子光学系を含んだ投影電子光学系の開口絞りを通過して、検出器の有効領域に入射する電子の分布範囲が、照明用電子線の分布する範囲の内部に入り込んでいるので、照明用電子と、試料面から発生して、前記開口絞りを通って検出器の検出面の有効領域に入射する電子とが、前記クロスオーバ位置で完全に分離されている。よって、クーロン効果を効果的に低減することができる。
前記課題を解決するための第の手段は、前記第1の手段であって、前記クロスオーバ位置に、前記ドーナツ状の形状の照明用電子線の分布の外径以上の開口を有する絞りが設けられていることを特徴とするもの(請求項)である。
本手段においては、前記クロスオーバ位置に、ドーナツ状の形状の照明用電子線の分布の外径以上の開口を有する絞りが設けられているので、試料面から発生する余分な電子をカットし、照明用電子線とのクーロン効果、及び検出面の有効領域に入射する電子とのクーロン効果をさらに低減することが可能になる。さらに、これらの電子が電子レンズ等の電子光学素子に衝突し、これらを汚染したり、迷光となって、結像のノイズとなることを防止することができる。なお、通常、この絞りでカットされる電子線は、もともと、その後に設けられる開口絞りでカットされる電子であるので、このような絞りを設けても、結像特性を悪化させることはない。
前記課題を解決するための第の手段は、前記第1または第2の手段であって、前記ドーナツ状の形状の照明用電子線の分布が、前記照明電子光学系の、前記対物電子光学系のクロスオーバ位置と共役な位置に設けられたドーナツ状の絞りにより形成されていることを特徴とするもの(請求項)である。
本手段においては、簡単な構成により、対物電子光学系のクロスオーバ位置での照明用電子線の分布をドーナツ型にすることができる。なお、対物電子光学系のドーナツ状の絞りは、電子銃等の電子線発生源のクロスオーバ位置と共役な位置に設けることが好ましい。
前記課題を解決するための第の手段は、フィールドエミッタから放出される照明用電子線を試料面に照射し、試料面から発生する電子を、対物電子光学系と結像電子光学系を介して検出器に導き、前記試料面の像を前記検出器の検出面に結像させることにより、前記試料面の観察を行う写像型電子顕微鏡であって、前記対物電子光学系が、物体側テレセントリックな光学系とされているものにおいて、前記フィールドエミッタは、前記対物電子光学系のクロスオーバ位置のドーナツ状の面上に配置され、当該ドーナツ状形状の内径が、前記試料面から発生して、開口絞りを通って前記検出器の検出面の有効領域に入射する電子の、前記クロスオーバ位置での分布範囲よりも大きくされていることを特徴とするもの(請求項)である。
前記第1の手段から第の手段は、電子線発生源からの照明用電子線を、電磁プリズムを介して対物電子光学系に導くことにより、結像電子光学系との光軸を共通にするものであったが、本手段は、電子線発生源としてフィールドエミッタを使用し、このフィールドエミッタの電子放出面を対物電子光学系のクロスオーバ位置のドーナツ状の面上に配置するようにしている。よって、前記試料面から発生して、開口絞りを通って前記検出器の検出面の有効領域に入射する電子は、ドーナツ形状の内部を通過するので、フィールドエミッタから放出される電子との間のクーロン効果を低減することができる。よって、前記第の手段と同様の作用効果を奏する。
前記課題を解決するための第の手段は、前記第の手段であって前記クロスオーバ位置に、前記ドーナツ状の形状のフィールドエミッタの外径以上の開口を有する絞りが設けられていることを特徴とするもの(請求項)である。
本手段は、前記第の手段と同様の作用効果を奏する。
前記課題を解決するための第の手段は、製造工程中に、前記第1の手段から第の手段のうちいずれかの写像型電子顕微鏡を用いて、最終製品又は中間製品の検査を行う工程を有することを特徴とするマイクロデバイスの製造方法(請求項)である。
本手段においては、ボケが少なく解像度が高い写像型電子顕微鏡を用いて検査を行っているので、微細なパターンを有するマイクロデバイスでも、欠陥を検出することができ、不良でない製品を製造することができる。
以上説明したように、本発明によれば、クーロン効果によるボケの発生を少なくして解像度を高めることができる写像型電子顕微鏡、及びこの写像型電子顕微鏡を使用したマイクロデバイスの製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。図1、図2は、本発明の第1の実施の形態の原理を説明するための図であり、対物電子光学系のクロスオーバ位置近傍における電子ビームの関係を模式的に示したものである。この実施の形態である写像型電子顕微鏡の全体構成は、基本的には、図8に示したものと同じである。図1は従来技術素示すもので、(a)は電子ビームの斜視図、(b)は対物電子光学系のクロスオーバ位置における電子ビーム断面を、試料と反対側から光軸に沿って見た図である。図2は、本発明の第1の実施の形態を示すもので、(a)は電子ビームの斜視図、(b)は対物電子光学系のクロスオーバ位置における電子ビーム断面を、試料と反対側から光軸に沿って見た図である。
図1(a)において、照明ビーム1は、上方から下方に向かって照射されており、試料面から放出された発生電子2は、下方から上方に向かって進んでいる。この位置に、対物電子光学系と結像電子光学系を合わせた投影光学系の開口絞り3が設けられており、この開口絞り3の開口を通過した照明ビーム1が試料面を照明し、この開口絞り3の開口を通過した発生電子2が結像に寄与する。
図1における例では、照明ビーム1の方が発生電子2よりも絞られているが、照明ビーム1は、この前に位置する照明電子光学系中に設けられ、このクロスオーバ位置と共役な位置にある開口絞りにより絞られているのに対し、発生電子2は、試料面から放出された電子が、開口絞り3で始めて絞られるので、照明ビーム1と発生電子2との関係は、このような関係となる。
従来技術においては、図1に示すように、照明ビーム1の光束が発生電子2の光束の一部と完全に重なってしまうので、両者の間でクーロン効果が発生する。特に、最近では、試料面での帯電を低減するために、試料面でのエネルギーが0[eV]に近い照明ビームが使用される傾向にあり、それにつれて発生電子のエネルギーも小さくなっているため、クーロン効果の影響が大きくなっている。
すなわち、クーロン効果に起因する像のボケBlurは、一般にビーム電流値をI、クーロン効果作用長をL、視野サイズをr、ビーム開き角をα、電子エネルギーをU、a〜eを定数として、
Figure 0004219823
と表されるとされており、エネルギーUが小さいと、ボケが大きくなる。
そこで、本発明の第1の実施の形態においては、図2に示すように、対物電子光学系のクロスオーバ位置における照明ビーム1の形状をドーナツ状(輪帯状)とし、そのドーナツ状の形状の穴の部分を発生電子2’が通り抜けるようにしている。よって、照明ビーム1と発生電子2’の間のクーロン効果を小さくすることができ、その分だけ、像のボケを小さくすることができる。
なお、図2における発生電子2’は、図1における発生電子2とは異なり、図2に示す位置の後方(試料と反対側)に設けられる開口絞りを通過して、検出器の有効領域に達するもののみを示している。開口絞りでカットされる発生電子は、照明ビーム1と重なることがあり、クーロン効果の影響を受けるが、結像面に到達しないので、結像性能を悪化させることはない。また、このような電子ビームは量が少ないので、照明ビームに与えるクーロン効果の影響は小さい。
なお、図2においては、ドーナツ状の照明ビームの外径より大きな直径を有する絞り4を設けている。これにより、余分な発生電子がカットされ、照明ビーム1が広がった位置で、これらの発生電子と路程が重なってクーロン効果を発生させたり、これら余分な発生電子が、電子レンズ等を汚染したり、迷光となって、結像のノイズとなることが防止できる。
図3に、本発明の第1の実施の形態である電子源と照明電子光学系の概要を示す。電子銃11から放出された照明ビーム18は、電子銃アパーチャ12を通り、リレーレンズ13を通って、集光される。この集光位置(クロスオーバ位置)に、ドーナツ状の開口14aを有する開口絞り14が配置されている。開口絞り14を通った照明ビーム18は、成型レンズ15、アライナー16を通り、電磁プリズム17で方向を曲げられて、前述の対物電子光学系に入射する。この照明電子光学系に対して、前記対物電子光学系のクロスオーバ位置と開口絞り14の位置が共役になっており、従って、対物電子光学系のクロスオーバ位置には、ドーナツ状の、開口絞り14の像が形成される。
図4に、この実施の形態における、対物電子光学系と結像電子光学系における電子ビームの路程の概要を示す。照明ビーム18は、電磁プリズム17を通過した後、レンズ19aの働きにより収束してから広がり、レンズ19bの働きにより、試料24を垂直(テレセントリック)に照明する。照射ビームが収束する位置が第1クロスオーバ位置である。試料24の光軸上の点から発生した発生電子20aは、電磁プリズム17の位置で収束し、その後、レンズ21a、21b、21cの作用を受けて、MCP検出器25上に結像する。
試料24の光軸上から離れた点から、光軸に垂直な方向に放出された発生電子20bは、第1クロスオーバ位置を通り、図に示すように、レンズ21a、21b、21cの働きを受けて、光軸と2回交差する。第1クロスオーバ位置の後で最初に光軸と交差する位置を第2クロスオーバ位置と呼んでいる。開口絞り22が、第2クロスオーバ位置に設けられているので、発生電子20bが主光線となり、対物電子光学系、結像電子光学系を含んだ投影電子光学系の開口角は、開口絞り22によって決定される。
なお、照明ビーム18は、試料24をケーラー照明するようになっている。即ち、図3における開口絞り14と、第1クロスオーバ位置が共役の関係にあるようにされており、第1クロスオーバ位置は、レンズ19bの前側焦点位置となっている。アパーチャ19cは、図2における絞り4と同じであり、余分な発生電子をカットするものである。
なお、この実施の形態においては、レンズ21aの後にスティグメータ23が設けられている。これは、電磁プリズム17の非点収差のために、第2クロスオーバ位置が、電磁プリズム17のE方向とB方向で異なってくるのを補償して、第2クロスオーバ位置の非点を無くするためである。この実施の形態においては、開口絞り22を第2クロスオーバ位置においているので、このような補正が必要となってくる。
図5は、本発明の第2の実施の形態である写像型電子顕微鏡の対物電子光学系における電子線の光路を示す図である。この実施の形態においては、冷陰極放電素子等からなるフィールドエミッタ26が、対物電子光学系のクロスオーバ位置に設けられている。フィールドエミッタは、マイクロデバイスの1種であり、リソグラフィ工程を使用して、微細な電線発生源やそのアレイを形成したものであり、例えば、特開2000−331598号公報等にその構造が記載されている。
フィールドエミッタ26は、このような電子放出源を多数、ドーナツ状の領域に配置したものであり、例えば(b)に示すように、完全にドーナツ面を覆うように一面に配置してもよいし、(c)に示すように、ドーナツ状面27に離散的に配置するようにしてもよい。なお、請求項5及び課題を解決するための第5の手段において、「ドーナツ状の面上に配置され」とは、(c)のように、ドーナツ状面27に離散的に配置される場合をも含むことを意味する。
この実施の形態においては、対物電子光学系のクロスオーバ位置は、レンズ19bの前側焦点位置とされているので、フィールドエミッタ26は、この位置に設けられる。よって、フィールドエミッタ26から放出された照明ビーム18’は、試料24の面をケーラー照明する。
試料24の光軸位置から放出された発生電子のうち、開口絞りを通過して検出器の有効領域に到達する発生電子20aは、(b)、(c)に示すように、フィールドエミッタ26のドーナツ状面の中を通過するので、発生電子20aとフィールドエミッタ26からの照射ビームが、対物電子光学系のクロスオーバ位置で重ならない。よって、図3に示した第1の実施の形態と同様の作用効果を奏する。なお、光軸以外の場所から光軸に平行な向きに発生する発生電子(主光線)については、図示を省略しているが、対物電子光学系のクロスオーバ位置に収束する。
図6は、この実施の形態である写像型電子顕微鏡の全体の光学系の概要を示す図である。試料24の光軸上の点から発生した発生電子20aは、対物電子光学系を出た後、レンズ21a、21b、21cの作用を受けて、MCP検出器25上に結像する。
試料24の光軸上から離れた点から、光軸に垂直な方向に放出された発生電子20bは、第1クロスオーバ位置(対物電子光学系のクロスオーバ位置)を通り、図に示すように、レンズ21a、21b、21cの働きを受けて、光軸と2回交差する。対物電子光学系、結像電子光学系を含んだ投影電子光学系内で最初に光軸と交差する位置を第1クロスオーバ位置と呼んでいる。開口絞り22が、第2クロスオーバ位置に設けられているので、発生電子20bが主光線となり、対物電子光学系を含んだ結像電子光学系の開口角は、開口絞り22によって決定される。
この実施の形態においては、図3に示した実施の形態と異なり、電磁プリズムを使用していないので、非点収差が小さく、従って、特別にスティグメータを設ける必用はない。なお、フォールドエミッタ26の外側に、図3に示した実施の形態と同様に、余分な発生電子をカットする絞りを設けてもよい。
以下、本発明のマイクロデバイスの製造方法の実施の形態の一例である半導体デバイスの製造方法の実施の形態の例を説明する。図7は、本発明の実施の形態である半導体デバイス製造方法の一例を示すフローチャートである。この例の製造工程は以下の各主工程を含む。
(1)ウェハを製造するウェハ製造工程(又はウェハを準備するウェハ準備工程)
(2)露光に使用するマスクを製作するマスク製造工程(又はマスクを準備するマスク準備工程)
(3)ウェハに必要な加工処理を行うウェハプロセッシング工程
(4)ウェハ上に形成されたチップを1個ずつ切り出し、動作可能にならしめるチップ組立工程
(5)できたチップを検査するチップ検査工程
なお、それぞれの工程はさらにいくつかのサブ工程からなっている。
これらの主工程の中で、半導体のデバイスの性能に決定的な影響を及ぼす主工程がウェハプロセッシング工程である。この工程では、設計された回路パターンをウェハ上に順次積層し、メモリやMPUとして動作するチップを多数形成する。このウェハプロセッシング工程は以下の各工程を含む。
(1)絶縁層となる誘電体薄膜や配線部、あるいは電極部を形成する金属薄膜等を形成する薄膜形成工程(CVDやスパッタリング等を用いる)
(2)この薄膜層やウェハ基板を酸化する酸化工程
(3)薄膜層やウェハ基板等を選択的に加工するためにマスク(レチクル)を用いてレジストのパターンを形成するリソグラフィ工程
(4)レジストパターンに従って薄膜層や基板を加工するエッチング工程(例えばドライエッチング技術を用いる)
(5)イオン・不純物注入拡散工程
(6)レジスト剥離工程
(7)さらに加工されたウェハを検査する検査工程
なお、ウェハプロセッシング工程は必要な層数だけ繰り返し行い、設計通り動作する半導体デバイスを製造する。
本実施の形態においては、できたチップを検査するチップ検査工程と加工されたウェハを検査する検査工程において、本発明の写像型電子顕微鏡による検査を行っている。
従来の、対物電子光学系のクロスオーバ位置近傍における電子ビームの関係を模式的に示した図である。 本発明の第1の実施の形態における、対物電子光学系のクロスオーバ位置近傍における電子ビームの関係を模式的に示した図である。 本発明の第1の実施の形態である電子源と照明電子光学系の概要を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における対物電子光学系と結像電子光学系における電子ビームの路程の概要を示す図である。 本発明の第2の実施の形態である写像型電子顕微鏡の対物光電子光学系における電子線の行路を示す図である。 本発明の第2の実施の形態である写像型電子顕微鏡の全体の光学系の概要を示す図である。 本発明の実施の形態である半導体デバイス製造方法の一例を示すフローチャートである。 従来の写像型電子顕微鏡の概要を示す図である。 従来の写像型顕微鏡の主要部における電子線の行路を示す図である。
符号の説明
1…照明ビーム、2…発生電子、3…開口絞り、4…絞り、11…電子銃、12…電子銃アパーチャ、13…リレーレンズ、14…開口絞り、15…成型レンズ、16…アライナー、17…電磁プリズム、18…照明ビーム、19a,19b…レンズ、20a,20b…発生電子、21a,21b,21c…レンズ、22…開口絞り、23…スティグメータ、24…試料、25…MCP検出器

Claims (6)

  1. 電子線源より放出される照明用電子線を、照明電子光学系を介して電磁プリズムに入射させ、当該電磁プリズムを通過した前記照明用電子線を、対物電子光学系を介して試料面に照射し、試料面から発生する電子を、前記対物電子光学系を介して前記電磁プリズムに導き、前記電磁プリズムを通過した前記電子を結像電子光学系を介して検出器に導き、前記試料面の像を前記検出器の検出面に結像させることにより、前記試料面の観察を行う写像型電子顕微鏡であって、前記照明用電子線は前記試料面をケーラー照明するようにされており、前記試料面の像を前記検出器の結像面に結像させる投影電子光学系中の電子光学系において、前記対物電子光学系が、物体側テレセントリックな光学系とされているものにおいて、前記対物電子光学系のクロスオーバ位置における前記照明用電子線の分布形状がドーナツ状とされており、前記ドーナツ状の形状の照明用電子線の分布の内径が、前記試料面から発生して、開口絞りを通って前記検出器の検出面の有効領域に入射する電子の、前記クロスオーバ位置での分布範囲よりも大きくされていることを特徴とする写像型電子顕微鏡。
  2. 請求項1に記載の写像型電子顕微鏡であって、前記クロスオーバ位置に、前記ドーナツ状の形状の照明用電子線の分布の外径以上の開口を有する絞りが設けられていることを特徴とする写像型電子顕微鏡。
  3. 請求項1または2に記載の写像型電子顕微鏡であって、前記ドーナツ状の形状の照明用電子線の分布が、前記照明電子光学系の、前記対物電子光学系のクロスオーバ位置と共役な位置に設けられたドーナツ状の絞りにより形成されていることを特徴とする写像型電子顕微鏡。
  4. フィールドエミッタから放出される照明用電子線を試料面に照射し、試料面から発生する電子を、対物電子光学系と結像電子光学系を介して検出器に導き、前記試料面の像を前記検出器の検出面に結像させることにより、前記試料面の観察を行う写像型電子顕微鏡であって、前記対物電子光学系が、物体側テレセントリックな光学系とされているものにおいて、前記フィールドエミッタは、前記対物電子光学系のクロスオーバ位置のドーナツ状の面上に配置され、当該ドーナツ状形状の内径が、前記試料面から発生して、開口絞りを通って前記検出器の検出面の有効領域に入射する電子の、前記クロスオーバ位置での分布範囲よりも大きくされていることを特徴とする写像型電子顕微鏡。
  5. 請求項に記載の写像型電子顕微鏡であって、前記クロスオーバ位置に、前記ドーナツ状の形状のフィールドエミッタの外径以上の開口を有する絞りが設けられていることを特徴とする写像型電子顕微鏡。
  6. 製造工程中に、請求項1から請求項のうちいずれか1項に記載の写像型電子顕微鏡を用いて、最終製品又は中間製品の検査を行う工程を有することを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
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