JP4219077B2 - ディスク状砥石 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、砥石に関するものであり、特に、金属板,金属棒等の鏡面仕上げ用下地研磨に用いられるディスク状砥石に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、金属等の硬い被研磨物を研磨するために、回転するディスク状砥石が用いられている。これは、例えば実登第3064081号公報に記載されている如く、グラインダー等の回転工具に取り付けられて回転する基板に、一方の表面に多数の研磨粒を有し、弾力性を有する合成樹脂からなる研磨シートを基板に接着した研磨ディスクにおいて、発熱防止、研磨性を有する合成樹脂を介在させ、従来からの砥石により生じていた「焼け」や「目詰まり」を防止した構成としている。
【0003】
或いは、紙基材に砥粒層を設けたいわゆるサンドペーパー様の砥石を重ねてディスク状とし、放射状の切り欠きを設けたものや、サンドペーパー様の小片を傾斜させて互いに重ねつつ放射状に配置したものが用いられている。その他、ガラスファイバーを補強材としてディスク状にした砥石が用いられている。これらは砥石自身にある程度の柔軟性,屈曲性等を持たせ、より広い研磨面を得る構成としたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記実登第3064081号公報に記載されているような構成では、基板が柔軟性,屈曲性等に欠けるので、均一で広い研磨面を得る事はできない。また、上述したサンドペーパー様の砥石を用いた構成では、初期の研磨力はあるが、比較的短時間の使用の内に砥粒先端が摩耗し、そのため研磨力の低下と共に研磨面の研磨状態に変化が生じるので、均一な研磨を行う事が難しい。また、上述したガラスファイバーを補強材としてディスク状にした砥石を用いた構成では、ある程度の柔軟性と屈曲性を有しているが、不十分であるので、部分的な研磨を行う事はできるが、均一で広い研磨を行う事が難しい。
【0005】
本発明は、以上のような問題点に鑑み、特に、金属板,金属棒等の鏡面仕上げ用下地研磨に好適であり、均一な広い研磨面を容易に得る事ができるディスク状砥石を提供する事を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のディスク状砥石は、単層或いは複数層の繊維質材を樹脂材料の板で挟み込み、熱圧着することにより形成されたディスク状の基板の上面に、ゴムシート上に接着した砥石の表面にローラを転動させて破断する事により形成された複数の砥石片を不規則に配置し、さらに、前記基板と前記複数の砥石片を設けた前記ゴムシートとの間に弾性体を設け、前記砥石は、液状樹脂をコーティングした砥粒と粉末フェノール樹脂とを混練して焼成することによって形成されたものである事を特徴とする。
【0007】
また本発明は、上記構成のディスク状砥石において、前記繊維質材はガラスファイバーであり、前記樹脂材料はエポキシ樹脂である事を特徴とする。
また本発明は、上記構成のディスク状砥石において、前記基板の下面に複数の砥石片を設けた事を特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明のディスク状砥石の一実施形態の中央縦断面図である。同図において、1はディスク状砥石Gの全体を支える、例えば外径が130mm程度のディスク状の基板である。ここで、中央に開けられた小孔1aは、グラインダー等の回転工具の回転軸に基板1つまりディスク状砥石Gを取り付けるための孔である。基板1の材質としては、例えば単層或いは複数層の繊維質材を樹脂材料の板で挟み込み、熱圧着したものが用いられる。具体的には、繊維質材としてはガラスファイバーが、樹脂材料としてはエポキシ樹脂が主に用いられ、いわゆるガラスエポキシ基板を形成している。
【0009】
また、基板1の上面には、ゴムシート2が少なくとも一層、同心状に接着されている。これは、外径が基板1と略同じで薄いドーナツ状をした、丈夫な軟質ゴムのシートより成る。さらに、ゴムシート2の上面には、これと略同形状で材質が同等であるゴムシート3が接着されている。ここで、ゴムシート3の上面には、砥石片4が予め接着されている。この砥石片4の製造工程を以下に説明する。
【0010】
まず、SiC或いはAl2O3等の砥粒と、液状フェノール樹脂等の液状樹脂とを混合し、液状樹脂で砥粒表面を均一にコーティングして、砥粒に粘着性を持たせる。次に、液状樹脂をコーティングした砥粒と、粉末フェノール樹脂等の粉末樹脂とを混練する。続いて、混練したものを規定の篩に通し、ほぐすと同時に団粒を取り除く。このようにして用意した原料を、60℃〜110℃のセミホットプレスで成形し、外径及び内径がゴムシート2,3と略同じの、薄いドーナツ状の砥石に仕上げる。さらに、170℃〜180℃で焼成する。
【0011】
以上のようにして製造した薄いドーナツ状の砥石をゴムシート3の上面に接着した後、その表面にローラー等を転動させて砥石を破断する事により、割れ目や亀裂4aが生じ、図2に平面図で示すように、各砥石片4をゴムシート3上に形成する。なお、薄いドーナツ状の砥石をゴムシート上に接着した後に、砥石の外径及び内径に合わせてゴムシートを打ち抜き、ゴムシート3としても良い。その他、砥石片4が形成されたゴムシート3を、ゴムシート2を介さず直接基板1に接着した構成としても良い。また、各砥石片4間にある程度の隙間を設けておけば、基板1の屈曲方向が限定される事なく、自由な研磨を行う事ができる。
【0012】
以上のようなディスク状砥石Gの構成において、被研磨物の研磨を行う際は、基板1つまりはディスク状砥石Gをグラインダー等で回転させつつ、被研磨物に砥石片4を押し当てる作業が行われる。このとき、柔軟性,屈曲性,強度等に優れた基板1に支持されつつ、ゴムシート2,3がその弾力性を砥石片4に伝えるため、砥石片4はそれぞれ独立に被研磨物の面に沿って動くので、馴染み性に優れた研磨を行う事ができ、均一な広い研磨面を得る事ができる。
【0013】
なお、基板1の下面(反対面)にも、上述したものと同様の構成で砥石片を設け、上下面共に使用可能なディスク状砥石としても良い。このとき、砥石片の粒度は上下面で異ならせても良いし、同じとしても良い。
【0014】
また、請求項2で言う弾性体は、実施形態におけるゴムシート2或いは3に対応している。
【0015】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、特に、金属板,金属棒等の鏡面仕上げ用下地研磨に好適であり、均一な広い研磨面を容易に得る事ができるディスク状砥石を提供する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のディスク状砥石の一実施形態の中央縦断面図。
【図2】各砥石片が形成された様子を示す平面図。
【符号の説明】
1 基板
2,3 ゴムシート
4 砥石片
Claims (3)
- 単層或いは複数層の繊維質材を樹脂材料の板で挟み込み、熱圧着することにより形成されたディスク状の基板の上面に、ゴムシート上に接着した砥石の表面にローラを転動させて破断する事により形成された複数の砥石片を不規則に配置し、
さらに、前記基板と前記複数の砥石片を設けた前記ゴムシートとの間に弾性体を設け、
前記砥石は、液状樹脂をコーティングした砥粒と粉末フェノール樹脂とを混練して焼成することによって形成されたものである事を特徴とするディスク状砥石。 - 前記繊維質材はガラスファイバーであり、前記樹脂材料はエポキシ樹脂である事を特徴とする請求項1に記載のディスク状砥石。
- 前記基板の下面に複数の砥石片を設けた事を特徴とする請求項1に記載のディスク状砥石。
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