JP4219053B2 - 液晶表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置に関し、特に衝撃等が加えられた場合にもその機能が安定に維持されるための構造を有する液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶を応用した表示装置は、この数年間急激な勢いで市場を拡大しており、その用途はOA用、民生用、産業用と広がりの一途をたどると同時に、液晶応用製品について一層の、軽量化、薄型化、大画面化、およびコスト低廉化等の要求が高まっている。液晶製品は、これまでの表示装置の主力であるCRTに比較して軽量化できるので、特に携帯機器や移動機器に数多く応用されている。携帯機器等に応用した場合、移動等に伴って必然的に生じる振動荷重、および衝突、落下等において受ける衝撃荷重は高く、これら機器は高価なものだけに振動や衝撃にも耐えられるような構造とすることが強く要求されている。
【0003】
このような要求に応えて、耐振動性および耐衝撃性を向上させるために、多くの取り組みがなされている。その一つは、クッション構造を採用するものであり、ゴム、両面テープ、空気クッション等を付加した液晶表示装置の特許が数多く公表されている(例えば、特開平9−96800号公報)。その他のものは、補強板材、棒材、ブロック等を用い、液晶パネルや導光板等の重い大きな部材を支持補強する構造を採用する(特開平10−133179号公報など)。これらの構造の採用により、従来の液晶表示装置における耐振動性および耐衝撃性の向上は、一定範囲内では実現された。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のいずれの手段を用いても、部品点数の増加、表示不良、生産効率低下、歩留り低下等を生じ、コスト上昇をもたらす。さらに、最近市場での要求の強い液晶表示装置の薄型化および大画面化は、従来の手段において採用されていた強度確保のための支持部材のスペースを大部分無くすことになった。このため、液晶表示装置はますます薄く、軽く、かつ大画面になってゆくとともに、外的振動や衝撃による損傷等の不具合が大きな問題となってきた。液晶パネル、導光板、プリント基板等の重要部品には、板状の形態をしたものが多く、これらの重要部品は、通常モールドフレームと呼ばれるプラスチック製フレームにより互いに一定の間隔を保って配置される。さらに、これらを1つの構造としてまとめるために、外枠であるフロントフレームがこれらの集合体をその周縁部において挟持する。フロントフレームは、通常ステンレスの薄板で構成される。
【0005】
図6は、従来の液晶表示装置を示す概略図である。図6において、同装置は表示画面を形成する液晶パネル104と、導光板121と光源122とリフレクタ123とを有するバックライトと、液晶パネルへの信号を処理する液晶信号処理プリント基板105と、液晶信号処理プリント基板から液晶へと信号を伝達するTCP(Tape Carrier Package)106と、これら部品の端部をその凹部に当接させることによりこれら部品の相対的間隔を保持するモールドフレーム108と、これらの集合体の周縁部を挟持して保持するフロントフレーム110とを備える。フロントフレーム110は、前面部111と、側面部112と、引き掛け構造120において押し出されたリブ114とを備え、上記集合体の4周を前面部111とリブ114との間に挟持してはめ合い結合を形成する。
【0006】
図7は、押し出されて形成された引き掛け構造部におけるリブを示す図である。図7(a)はフロントフレームにおいて引き掛け構造120が設けられる位置を示す。図7(a)において、引き掛け構造120は、通常、長辺側に設けられ、また、短辺側にねじ孔129が設けられる。図7(b)は引き掛け構造120およびリブ114の1つの例を示す斜視図であり、図7(c)は引き掛け構造部の平面図である。また、図7(d)は引き掛け構造とリブの他の例を示す斜視図であり、図7(e)はその平面図である。図7(b)〜図7(e)を参照して、上記の部品の集合体の周縁部はフロントフレームの前面部111と引き掛け構造部から押し出されたリブ114との間において挟持される。したがって、上記の周縁部が接するリブはリブの板厚断面であり、このようなリブの配置とすることによりリブの強度は高いものとなる。
【0007】
上記の液晶表示装置を実装する手順の概要を図8に示す。まず、導光板105の端部に棒状光源(図示せず)を含むリフレクタ123を取り付ける。次いで、液晶パネル104、TCPと接続された液晶信号処理プリント基板105(図8において液晶パネル104の右側)、およびTCP136と接続されたプリント基板135(液晶パネル104の下側)が一体化されたものを準備する。TCP106に接続された液晶信号処理プリント基板105はTCP106の部分で180°曲げられて、液晶パネルの面内に折り畳まれる。プリント基板135も同様に180°折り曲げられて、液晶パネルの面内に折り畳まれる。液晶信号処理プリント基板105およびプリント基板135が折り畳まれた状態で、液晶パネル104はバックライトとと合わされてモールドフレーム内に押し込まれ、部品集合体とされる。折り畳まれた状態のプリント基板135はモールドフレームの横枠138と外枠との間に収納される。最後に、フロントフレーム110の前面側を液晶パネル側に合わせて、上記の部品集合体の周縁部がフロントフレームの前面部とリブ(いずれも図示せず)との間にはめ合わされる。なお、プリント基板135とTCP136とが折り曲げられない状態でモールドフレーム内に収納され、部品集合体とされる場合もある。
【0008】
次に、上記の従来のフロントフレームにおける問題点を説明する。図9はフロントフレームの1辺が振動荷重を受けた場合の等価モデルを示す図である。図9(a)において、B部には図7に示したような引き掛け構造が形成されて、その側面欠落部に応力集中が生じている。フロントフレームの1辺(長辺)について見ると、4点曲げの振動荷重が負荷されている。図9(b)は図9(a)のA部における等価断面であり、また図9(c)はB部における等価断面である。B部の引き掛け構造においては側面欠落部の存在のために等価断面はA部のそれに比較して、半分近くに小さくなっている。
【0009】
図10はフロントフレームの1辺にかかる曲げモーメントMおよび応力の分布を示す図である。曲げモーメントおよび応力ともに最大値を1として規格化してある。図10において、B部の側面欠落部に、異常に高い応力が集中的に生じていることが分かる。実測によっても、B部において高い応力が発生しており、B部に発生する亀裂破損が液晶表示装置の強度を低いものに限定している。また、側面欠落部を有するフロントフレームの剛性は低くなり、共振が生じる場合にはTCP(Tape Carrier Package)に異常に大きい変位量が生じ、TCP断線の恐れが生じる。これらの耐振動性および耐衝撃性における脆弱化の傾向は、液晶表示装置の薄型化、大画面化に伴って一層顕著になり、損傷等の不具合発生の頻度は高くなっている。
【0010】
そこで、本発明の目的は、薄型化、大画面化等がなされた条件下においても十分高い耐振動性および耐衝撃性を備えた液晶表示装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の液晶表示装置は、前面に表示面を向けて配置された矩形板状の液晶パネルと、液晶パネルの背後に配置されて液晶パネルを照明する、導光板、棒状光源およびリフレクタを有した矩形板状のバックライトと、液晶パネルによる表示および照明を制御する信号を処理する液晶信号処理プリント基板と、液晶信号処理プリント基板に連結され、信号を前記液晶パネルへと送り込むためのTCP(Tape Carrier Package)と、少なくとも液晶パネル、バックライトおよび液晶信号処理プリント基板と当接して、液晶パネル、バックライトおよび液晶信号処理プリント基板を保持する矩形枠状のモールドフレームと、液晶パネル、バックライト、液晶信号処理プリント基板、TCPおよびモールドフレームを含む集合体の矩形の周縁部を覆う前面部および側面部を有するフロントフレームとを備え、前記フロントフレームは、前記側面部に2重折り曲げ部を備えており、前記2重折り曲げ部の先に前記前面部と平行なリブを設け、前記フロントフレームの前面部と前記リブとの間に前記集合体を挟持することを特徴とする。
【0012】
上記の液晶表示装置においては、2重折り曲げ部の先に設けられた前記リブは爪状に突き出して形成されていてもよい。また、このような形状を有するフロントフレームは金属板が一体成形加工されて形成されることが望ましい。
【0013】
液晶表示装置に含まれる部品を解析すると、フロントフレーム、液晶パネル(ガラス板)、導光板(アクリル板)およびモールドフレームのなかで、フロントフレームは面外剛性が高い部類に入る。上記のように、さらにフロントフレームの面外剛性を高めることは、液晶表示装置全体の剛性を高め、直ちに液晶表示装置の部品の振動および衝撃における変形量が小さくなり、電気部品としての故障を減少させることができる。すなわち、耐振動性および耐衝撃性を高くすることが可能となる。その上、この剛性の向上は両面テープや粘着剤を用いずに一体成形加工によってなされるので、補修容易性を確保しながら安価かつ簡便に実現される。なお、上記において部品の集合体の周縁部を挟持するのは、平坦な爪状リブでなくてもよく、引き掛け構造における押し出し部等を用いても良い。
【0014】
上記の構成により、付加部品をとくに設けないので、液晶表示装置において重要視される薄型化、軽量化、および大画面化という性能を害さずに、耐振動性および耐衝撃性に耐えられる液晶表示装置を安価に提供することが可能となる。また、2重折り曲げ構造は、両面テープや粘着剤を用いることがないので、補修性に優れ、補修後の再使用が容易である。なお、上記において部品の集合体の周縁部を挟持するのは、平坦な爪状リブでなくてもよく、引き掛け構造における押し出し部等を用いても良い。
【0015】
上記の液晶表示装置においては、2重折り曲げ部の矩形の辺に沿う一部分において、当該2重折り曲げ部から突き出すように前面部に平行に爪状に設けられたリブを備え、集合体の周縁部が前面部と当該リブとの間に挟持されることが望ましい。
【0016】
上記のリブの配置により、液晶表示装置の各部品の実装を容易に行うことができ、かつリブは衝撃緩和効果を有し、同じく衝撃緩和効果を有する2重折り曲げ部の辺に限って設けられるので、耐衝撃性が大幅に向上する。上記の折り曲げリブは衝撃緩和に最適なばね構造を実現することができ、さらにプラスチック等の高分子材料製のモールドフレームを介してガラスやプリント基板に力が配られるので、局部支持に起因する過大応力の発生を防止することが可能となる。また、面外方向のリブの剛性は、2重折り曲げ構造によって補強されているので、十分強い力で部品の集合体の端部を挟持することができ、振動等によって各部品が面外に大きく振動することがなくなり、耐振動能力を大幅に向上することができる。
【0017】
上記の液晶表示装置においては、フロントフレームは金属板が曲げ加工されて形成されたものであり、側面部は、外側面部および当該外側面部の後方端において内側に曲げ戻された内側面部を有し、当該曲げ戻された内側面部の金属板の一部の先が連続して爪状に突き出して、前面部に平行に折り曲げられてリブとされることが望ましい。
【0018】
上記構造は金属板の薄板からなるフロントフレームについて実現される。したがって、従来品のコストと同じ程度のコストとすることができる。また、付加部品がないため、薄型化および大画面化に即応することができる。
【0019】
上記の液晶表示装置においては、2重折り曲げ部は、フロントフレームの矩形の長辺の側面部に設けられていることが望ましい。
【0020】
上記のようにフロントフレームの長辺に2重折り曲げ部を設けることにより、より大きくフロントフレームの剛性を向上させることができ、各部品の面外変形の量を小さくすることができる。
【0021】
上記の液晶表示装置においては、2重折り曲げ部は、リフレクタが配置されているフロントフレームの長辺側と対向するもう一方の長辺側の側面部に設けられていることが望ましい。
【0022】
リフレクタは通常アルミやステンレスで作製されるので、それ自体高い強度と剛性を有する。このため、リフレクタを強度部材として活用し、リフレクタが配置される長辺と対向する側の長辺に上記の2重折り曲げ構造を設けることにより、高剛性の部材を本装置の中で偏らせずに有効に配置することができる。その結果、低いコストで液晶表示装置の剛性を高められ、かつ全部品の特性を無駄なく活用するので、薄型化、軽量化および大画面化にも対処することが可能となる。
【0023】
上記の液晶表示装置においては、フロントフレームは前記リブにねじ孔を有し、前記集合体は前記ねじ孔に螺合されるねじによって前記フロントフレームに固定されることが望ましい。
【0024】
ねじによる固定ははめ合い結合より高い強度を有するので、確実に各部品をフロントフレームに結合することができる。また、補修後の再使用という点からもねじによる結合は再現性が高く、有利である。なお、ねじによる固定は特定の辺にのみ行い、他の辺ははめ合いによって挟持してもよく、むしろ望ましい。さらに、ねじを用いる場合またはねじを用いないではめ合いのみで挟持する場合の両方の場合において、テープを液晶表示装置の外周縁部の底面から側面にわたって貼付して挟持力を補強してもよい。テープは液晶表示装置の外周縁部の底面から側面にかけて粘着されるので、表示面に接触することはない。このため、補修性に影響を及ぼすことはない。
【0025】
上記の液晶表示装置においては、前面部と平行な側面部の後部と連続する部分が、リブであることが望ましい。
【0026】
上記の構成により、ねじ孔のあいたリブによってはめ合いによる挟持を行っても、またねじによる固定を行ってもよく、液晶表示装置の型等に応じて最適な固定を行うことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
次に、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
【0030】
(実施の形態1)
図1は実施の形態1における液晶表示装置を示す図である。図1において、同装置は、液晶パネル24と、導光板21と棒状光源22とリフレクタ23とを備えるバックライト25と、液晶信号処理プリント基板5と、液晶信号処理プリント基板からの信号を液晶パネル24に伝達するTCP6と、モールドフレーム8と、フロントフレーム10とを備える。モールドフレーム8は、上記の部品の端部をその凹部に当接させることにより、上記の部品間の間隔を一定に保ち、部品の集合体を形成している。これらの構成は従来のものと同じである。フロントフレーム10は、矩形板状の液晶パネル24および同じく4角枠状のモールドフレーム8の4周にわたって設けられ、前面部11と側面部12とを備える。側面部12は2重折り曲げ部13を備え、その2重折り曲げ部の先には前面部11に平行なリブ14が設けられる。図1において、2重折り曲げ部は隙間が誇張して描かれているが、通常隙間は2mm以下、例えば0.2mm程度であり、極端な場合は密着していてもよい。
【0031】
図2(a)はフロントフレーム全体の斜視図であり、また図2(b)は2重折り曲げ部13およびリブ14が設けられたフロントフレームの1辺(長辺)のみを取り出して示した斜視図である。2重折り曲げ部とリブとはお互いに連結しており、この両者が設けられる辺は4辺全てであってもよいし、また2辺の長辺であってもよいし、1辺の長辺のみであってもよい。また、図1においては、リフレクタ23の配置されている長辺側に2重折り曲げ部とリブとが配置された構造を示す。しかし、リフレクタ23は金属製なので強度部材としても機能するので、2重折り曲げ部とリブとは、リフレクタ側の長辺に設けずにリフレクタ側の長辺と対向する長辺側にのみ設けてもよく、むしろ軽量化等の観点からは好ましい。
【0032】
図3(a)は、図1のフロントフレームにおけるリブと2重折り曲げ部とを通る断面形状を示し、また、図3(b)はその等価断面を示す。以後、従来のフロントフレームの構造と比較しながら本実施の形態について説明する。
【0033】
振動荷重を受ける液晶表示装置は、表示面に垂直方向(Z方向)に振動荷重を受けるとき最も弱いことが実験によって示されている。図7において、A部およびB部における断面2次モーメントIA およびIBは、式(1)および(2)のようになる。
【0034】
IA=(bhA 3)/12=(0.4×7.33)/ 12=13.0(mm4) …………(1)
IB=(bhB 3)/12=(0.4×3.773)/ 12=1.8(mm4) …………(2)
また、フロントフレームにおける最大応力は式(3)によって決められる。
【0035】
σmax=(Mh)/2I ………………………………………… (3)
実際に、引き掛け構造の側面脱落部の角における応力集中係数は、通常3以上なので、角の部分の荷重は他の部分の10倍以上と考えられる。側面脱落部にき裂が集中的に発生する原因は、上記の簡単な解析によって容易に分かる。従来品の各部寸法(図7に示すl1、l2、l3)およびステンレス鋼の弾性率(ヤング率)のデータの1例を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
図7に示す4点曲げの負荷形式において、荷重Fを0.5kgfとしたときのフロントフレームの変形量δ(mm)は表2に示すとおりである。
【0038】
【表2】
【0039】
液晶表示装置の部品のなかで比較的高い剛性を有するものは、ガラスパネルおよび導光板である。これらの比較的高い剛性を有する部品の面外方向(Z方向)に対する剛性は、有効弾性ばね定数によって解析することができる。表2に上記の部品の有効弾性ばね定数を示す。表2に示す結果によれば、フロントフレームは液晶表示装置のなかで最大の剛性を有していることが分かる。
【0040】
図3(b)に示す本実施の形態におけるフロントフレームの等価断面図によれば、図1に示す2重折り曲げ部付フロントフレームは、全長にわたって同じ剛性を有し、断面2次モーメントIは約66mm4となる。この値は従来品の5倍程度である。液晶表示装置全体の剛性については、フロントフレーム、液晶パネル板、および導光板をパラレルに並べたモデルに基づいて、これらの有効弾性ばね常数の和をとることによって表すことができる。このモデルによれば、従来の液晶表示装置全体の全体ばね常数Kは次のようになる。
【0041】
K=2×0.26 + 0.46 + 0.23≒ 1.2 (Kgf/mm) ………………… (4)
これに対して、本実施の形態における2重折り曲げ部付フロントフレームを備える液晶表示装置の全体ばね常数Kは次のようになる。
【0042】
K=0.255 + 1.25 + 0.46 + 0.23≒ 2.2 (Kgf/mm)…………………(5)
式(4)と式(5)とを比較すれば、本発明の液晶表示装置は従来品に比較して2倍弱程度高い全体ばね常数Kとなっている。したがって、同じ振動荷重を受けた場合には、面外変形は従来の1/2程度になるので、従来品の正弦振動に対する耐力1.3Gは、2.5Gに増加する。また、応力に関しては、式(3)に従えば、最大応力は従来の液晶表示装置の5%程度に抑えることができる。
【0043】
次に、本実施の形態におけるフロントフレームのリブによる衝撃緩和効果について説明する。図4は、リブを緩衝ばねとして利用する液晶表示装置を説明する図である。図4(a)は同装置の模式的断面図であり、図4(b)はその緩衝ばねの等価モデルを示す図である。図4(a)を参照して、同装置は、支持対象である液晶パネル24とバックライト25との複合体と、各部材の端部とその凹部において当接して相対的な位置決めをするモールドフレーム8と、フロントフレーム10において板曲げ加工により形成されたリブ14とを備える。モールドフレーム8は高分子材で作製されているので、液晶パネルのガラスの表面保護の機能を有する。図4(b)の等価モデルにおいて示すように、片持ち梁の曲げと同じ考え方により、その幅および長さを設定することにより所望の弾性常数を有するばねとすることができる。
【0044】
次に、本実施の形態のフロントフレームの設計方法について説明する。液晶パネルおよび導光板などリブで支持される部品の総重量wを550gと設定する。この条件下で、面外方向(Z方向)に受ける衝撃最大加速度はほぼ220Gと想定される。このときリブによる0.2mmの緩和距離が、電気機能面から要求される。フロントフレームは厚み0.4mmのステンレス鋼板で作製する。上記の部品集合体の周縁部のはめ合いをスムースに行うという要求からリブの長さを2mmと限定すれば、板曲げ解析からリブの幅は6mmとなり、4辺各2箇所に設置すればよい。矩形の1辺にのみリブを設ける場合には、その辺の荷重割合を用いて同じ方法により設計することができる。
【0045】
次に、従来品と対照させて、本実施の形態のフロントフレームの2重折り曲げ部の衝撃緩和効果について説明する。図7に示す引き掛け構造によれば、側面脱落部の高さを2mmとすれば、上記の220Gの衝撃荷重を受けた場合、平板曲げ解析から支持点の変形量は0.07mm程度であることが分かる。平均接触時間は、2重折り曲げ部の先に設けたリブにおいては、引き掛け構造のリブのそれの約1.69倍であり、同じ運動量変化に対して支持力は60%弱に減少する。したがって、2重折り曲げ部の先に設けたリブは、ばねとして機能して衝撃緩和効果を有することが明らかとなった。
【0046】
上記のように、フロントフレームの前面部とリブと間に液晶パネルやバックライト等の集合体の周縁部を挟持してはめ合せる構造を採用すれば、必要とされる剛性に応じて複数の辺で2重折り曲げ部を形成することができる。この2重折り曲げ部は組立ての際、プレス加工を行うだけで済むし、取扱いが面倒な粘着材やゴムテープを使用しないで済む。また、微小な寸法の部品等を必要としないので、補修性にも優れている。
【0047】
(実施の形態2)
図5は実施の形態2における液晶表示装置の構成断面図である。図4において、フロントフレームの側面部には、実施の形態1と同様に2重折り曲げ部を備える。本実施の形態においては、はめ合い結合の代わりにフロントフレームのリブとモールドフレームとの間をねじ15により結合する。この構造の実装の際、液晶パネル24、モールドフレーム8およびバックライト25等をあらかじめ組み立てておき、フロントフレーム10のリブスペースに斜め方向に挿入して、ねじ15によって固定する。リブ14とねじ15とによる固定方法はフロントフレーム4辺のうちの1辺のみで採用してもよいし、それ以上の辺で採用してもよい。ねじ15が螺合される辺とは異なる他の辺には、別の固定方法を採用する必要がある。ねじによる固定ははめ合い結合よりも高い強度を有し、かつ衝撃緩和や補修容易性という特徴も兼ね備える。衝撃緩和の原理は、前記した実施の形態1と同じであるため、詳細な説明を省略する。
【0048】
上記において、本発明の実施の形態について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含む。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、高剛性と衝撃緩和効果とを兼ね備えることができるので、耐振動性および耐衝撃性が高い液晶表示装置を提供することができる。また、本発明によれば、付加的な部品点数を最小限に抑えるため、薄型化および大画面化にともなって生じる支持部材スペースの狭隘化という問題を解消することができる。さらに、軽量化、コスト削減、および生産性向上にも効果がある。また、本発明によれば、両面テープ等を光学部品に使用していないので、補修性に優れるという長所を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1における液晶表示装置の断面図である。
【図2】 図1における液晶表示装置のフロントフレームを示す斜視図である。 (a)はフロントフレーム全体の斜視図であり、(b)は2重折り曲げ構造とリブとが設けられた辺を模式的に示す図である。
【図3】 (a)は図1における液晶表示装置のフロントフレームを示す断面図である。(b)は等価断面図である。
【図4】 リブによる衝撃緩和効果を説明する図である。(a)はリブと2重折り曲げ構造とを有する液晶表示装置の模式的断面図である。(b)はその等価断面図である片持ちばねを示す。
【図5】 実施の形態2における液晶表示装置の断面図である。
【図6】 従来の液晶表示装置の断面図である。
【図7】 従来のフロントフレームの断面図である。(a)はフロントフレームの斜視図であり、(b)は従来における引き掛け構造の例を示す図であり、(c)は(b)の引き掛け構造の平面図である。(d)は従来における引き掛け構造の他の例を示す斜視図である。(e)は(d)の引き掛け構造の平面図である。
【図8】 液晶表示装置の実装手順を示す図である。
【図9】 従来の液晶表示装置のフロントフレームに曲げ振動荷重が負荷された状態を示す図である。(a)はフロントフレームの1辺の側面図であり、(b)は(a)のA部の等価断面であり、(c)はB部の等価断面である。
【図10】 従来のフロントフレームに生じる曲げモーメントおよび応力の分布を示す図である。
【符号の説明】
5 液晶信号処理プリント基板、6 TCP、8 モールドフレーム、10 フロントフレーム、11 フロントフレーム前面部、12 フロントフレーム側面部(外側面部)、13 2重折り曲げ構造、14 リブ、15 ねじ、16 内側面部、21 導光板、22 光源、23 リフレクタ、24 液晶パネル、25 バックライト。
Claims (7)
- 前面に表示面を向けて配置された矩形板状の液晶パネルと、
前記液晶パネルの背後に配置されて前記液晶パネルを照明する、導光板、棒状光源およびリフレクタを有した矩形板状のバックライトと、
前記液晶パネルによる表示および照明を制御する信号を処理する液晶信号処理プリント基板と、
前記液晶信号処理プリント基板に連結され、前記信号を前記液晶パネルへと送り込むためのTCP(Tape Carrier Package)と、
少なくとも前記液晶パネル、前記バックライトおよび前記液晶信号処理プリント基板と当接して、前記液晶パネル、前記バックライトおよび前記液晶信号処理プリント基板を保持する矩形枠状のモールドフレームと、
前記液晶パネル、前記バックライト、前記液晶信号処理プリント基板、前記TCPおよび前記モールドフレームを含む集合体の矩形の周縁部を覆う前面部および側面部を有するフロントフレームと、を備え、
前記フロントフレームは、前記側面部に2重折り曲げ部を備えており、前記2重折り曲げ部の先に前記前面部と平行なリブを設け、前記フロントフレームの前面部と前記リブとの間に前記集合体を挟持する、液晶表示装置。 - 前記2重折り曲げ部の先に設けられた前記リブは爪状に突き出して形成された、請求項1に記載の液晶表示装置。
- 前記フロントフレームは金属板が一体成形加工されて形成された、請求項1または2に記載の液晶表示装置。
- 前記2重折り曲げ部は、前記フロントフレームの矩形の長辺の側面部に設けられている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
- 前記2重折り曲げ部は、前記フロントフレームの前記リフレクタが配置されている長辺側と対向するもう一方の長辺側の側面部に設けられている、請求項4に記載の液晶表示装置。
- 前記フロントフレームは前記リブにねじ孔を有し、前記集合体は前記ねじ孔に螺合されるねじによって前記フロントフレームに固定される、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
- 前記前面部と平行な前記側面部の後部と連続する部分が、前記リブである、請求項6に記載の液晶表示装置。
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