JP4218338B2 - 液晶表示装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一対の基板間に電気光学材料を挟持させた構成の電気光学装置が知られており、特に電気光学材料として液晶材料を用いた電気光学装置は表示装置として広く用いられ、例えば携帯電話等の小型の表示手段として好適に用いられている。このような電子機器は小型化が進み、薄型で軽量のものが好まれるとともに、多少の変形にも耐え、且つ落としても割れないような表示装置が求められている。そのようなニーズに対応するべく電気光学材料を挟持する基板としてプラスチック基板を用いる技術が、例えば特許文献1等に開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−243943号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に開示されたような技術によると、薄型で軽量、且つ割れ難い装置を提供可能となるものの、単に一対のプラスチック基板にて電気光学材料を挟持するものとしているため、厳しい使用環境下、例えば真夏の高温下での使用に必ずしも十分に耐え得るものとは言い難く、さらに高温での使用が可能な技術が望まれる。
【0005】
また、特に上記特許文献1では、その製造工程において、プラスチック基板の一方の面にのみ支持基板としてガラス板を積層し、該プラスチック基板表面にTFT素子を形成するものとしているため、以下の課題を有する。すなわち、特許文献1の技術では、TFT素子の形成時に、プラスチック基板表面が製造プロセスの環境に耐えられず反応を起こし、該プラスチック基板表面に損傷を生じる可能性を必ずしも否定できず、また、必ずしも正常な特性を有するTFT素子を形成することができない場合もあり得る。さらに、プラスチック基板の一方の面のみにガラス基板を積層したものであるため、製造プロセス中の温度雰囲気中において、各基板の熱収縮率の違いにより大きな反りが発生して、製造プロセス中の基板搬送が困難となる場合もあり得る。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、プラスチック基板を用いた電気光学装置について、さらに信頼性を高めることを目的とし、高温環境下での使用に十分耐え、且つ軽量で薄型を実現可能な電気光学装置と、そのような信頼性の高い電気光学装置を一層簡便に製造可能で、高温環境プロセスにも耐え得る製造方法と、該電気光学装置を用いた電子機器とを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の電気光学装置は、一対の基板間に電気光学物質を挟持してなる電気光学装置であって、前記基板の少なくとも一方が、プラスチック基板の内面側にガラス基板が形成された構成をなし、前記ガラス基板の厚みが10μm〜100μmとされていることを特徴とする。なお、本発明に言う「内面側」とは、電気光学物質と接する側を言うものとする。
【0008】
このような電気光学装置によると、電気光学物質を挟持する基板を、プラスチック基板とガラス基板との積層構造とし、ガラス基板を内面側に配設する構成としたため、該内面側の熱的安定性及び化学的安定性が向上し、例えば電気光学物質を駆動するための電極等の駆動要素を、厳しい条件下でも、基板に対して損傷を与えることなく形成することが可能となる。そして、特にガラス基板を10μm〜100μm程度の厚みとしたため、軽量であり、高温環境下での使用にも十分耐え、多少の変形にも耐え得るものとなる。
【0009】
ここで、ガラス基板の厚みが10μm未満の場合、耐熱性に劣る場合があり、またプラスチック基板との熱膨張率の差に基づき割れ等が発生し易くなる場合がある。また、ガラス基板の厚みが100μmを超えると重量が増し、薄型化の要求に相応しないものとなるとともに、変形が許容されなくなる場合がある。なお、ガラス基板の厚さは、好ましくは10μm〜50μm程度とするのが良く、ガラス基板に適用可能なものとしては、透光性を有するガラス基板、例えば無アルカリガラス系、硼珪酸系等の基板を例示することができる。
【0010】
また、プラスチック基板の厚さは、例えば50μm〜300μm程度とすることができ、50μm未満の場合、基板全体の安定性が低下し割れ等が生じやすくなる場合がある。プラスチック基板の厚さが300μmを超えると、重量が増し、薄型化の要求に相応しないものとなるとともに、プラスチックの種類によっては透光性が低下する場合もある。なお、プラスチック基板の厚さは、好ましくは50μm〜100μm程度とするのが良く、プラスチック基板に適用可能なものとしては、透光性を備えたプラスチック材料、例えばポリカーボネート系、ポリエーテルサルフィン系、ポリイミド系、ポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート系のプラスチック材料からなる基板を例示することができる。
【0011】
本発明の電気光学装置においては、前記プラスチック基板とガラス基板が接着剤により接着されているものとすることができる。これにより各基板を一体の基板として取り扱うことができ、当該電気光学装置の製造時において、基板の取り扱いが容易となるとともに、該基板の信頼性も高いものとなる。ここで、接着剤としては、例えば有機系、無機系のいずれでもよく、具体的にはエポキシ系、エポキシアクリル系、エポキシウレタン系、ガラスレジン系等を例示することができる。
【0012】
また、前記ガラス基板上には半導体素子が形成されているものとすることができる。このように基板上に例えばTFT(薄膜トランジスタ)やTFD(薄膜ダイオード)等の電気光学物質を駆動制御するための半導体素子を形成する場合、その製造工程は高温環境下にて行われるが、本発明の場合、プラスチック基板上に形成された薄いガラス基板上に半導体素子を形成するものとしたため、基板が熱により損傷を受ける等の不具合を回避することが可能となる。また、特に化学的研磨、酸又はアルカリによるエッチング工程を行う場合にも、当該基板が化学的損傷を受けることもなくなる。したがって、本発明の構成を採用することによって、製造時において基板がダメージを受けることを回避でき、通常の半導体素子形成工程を採用可能となる。その結果、信頼性の高い半導体素子を備えた電気光学装置を提供できるようになり、しかもその電気光学装置は軽量で、高温環境下での使用に十分耐え、薄型を実現可能となるとともに、多少の変形に対しても割れ等も生じ難いものとなる。
【0013】
次に本発明の電気光学装置の製造方法は、一対の基板間に電気光学物質を挟持してなる電気光学装置の製造方法であって、支持ガラス基板上にプラスチック基板を貼り合わせ、さらにプラスチック基板上に薄いガラス基板を貼り合わせて第1基板を形成する第1基板形成工程と、前記第1基板の薄いガラス基板上に電極を形成する電極形成工程と、前記薄いガラス基板側を第2基板と対向させつつ、前記第1基板と第2基板とを貼り合わせる基板貼合せ工程とを含み、少なくとも前記電極形成工程の後に、前記支持ガラス基板を前記プラスチック基板から剥離する支持ガラス基板剥離工程を含むことを特徴とする。
【0014】
このような製造方法によると、支持ガラス基板上に形成されたプラスチック基板上に薄いガラス基板を貼り合わせてなるサンドイッチ構造の第1基板を用い、該第1基板の薄いガラス基板上に電極を形成するものとしたため、第1基板が電極等の駆動要素を形成する工程において侵される等の不具合が生じ難くなる。また、プラスチック基板に支持ガラス基板を形成し、これを少なくとも電極形成工程の後に剥離するものとしたため、剥離工程前までの製造工程中の基板搬送等、基板の取り扱いが簡便となるとともに、従来のガラス基板を用いた製造装置をそのまま適用することが可能となり、既存設備の保護にも繋がる。このように、本発明の製造方法によると、プラスチック基板のみを用いた場合の製造上の不具合を回避しつつ、プラスチック基板を主体とする基板(基板の膜厚の50%以上がプラスチック基板よりなるもの)よりなる、軽量化、薄型化が可能で、変形に対しても割れ等の生じ難い電気光学装置を提供可能となる。
【0015】
次に、本発明の電気光学装置の製造方法は、一対の基板間に電気光学物質を挟持してなる電気光学装置の製造方法であって、支持ガラス基板上にプラスチック基板を貼り合わせ、さらにプラスチック基板上に薄いガラス基板を貼り合わせて第1基板を形成する第1基板形成工程と、前記第1基板の薄いガラス基板上に半導体素子を形成する半導体素子形成工程と、前記薄いガラス基板側を第2基板と対向させつつ、前記第1基板と第2基板とを貼り合わせる基板貼合せ工程とを含み、少なくとも前記半導体素子形成工程の後に、前記支持ガラス基板を前記プラスチック基板から剥離する支持ガラス基板剥離工程を含むことを特徴とする。
【0016】
このような製造方法によると、支持ガラス基板上に形成されたプラスチック基板上に薄いガラス基板を貼り合わせてなるサンドイッチ構造の第1基板を用い、該第1基板の薄いガラス基板上に、例えばTFTやTFD等の電気光学物質を駆動制御するための半導体素子を形成するものとしたため、該半導体素子を形成する工程において第1基板が侵される等の不具合が生じ難くなる。特に、半導体素子形成工程においては、高温雰囲気下の工程や、化学的処理を含む工程等が施されるため、上記のように薄いガラス基板をプラスチック基板上に形成することで、より確実に基板を侵されることなくプラスチック基板を主体として構成される電気光学装置を提供することが可能となる。また、プラスチック基板に支持ガラス基板を形成し、これを少なくとも半導体素子形成工程の後に剥離するものとしたため、剥離工程前までの製造工程中の基板搬送等、基板の取り扱いが簡便となるとともに、従来のガラス基板を用いた製造装置をそのまま適用することが可能となり、既存設備の保護にも繋がる。このように、本発明の製造方法によると、プラスチック基板のみを用いた場合の製造上の不具合を回避しつつ、プラスチック基板を主体とする基板よりなる、軽量化、薄型化が可能で、変形に対しても割れ等の生じ難い電気光学装置を提供可能となる。
【0017】
薄いガラス基板の厚さは、例えば10μm〜100μm程度とすることができる。この場合、製造される電気光学装置において、電気光学物質を挟持する基板の薄型化が可能となり、しかも軽量で、高温環境下での使用にも十分耐え、多少の変形にも耐え得るものとなる。薄いガラス基板の厚さが10μm未満の場合、製造上の加熱工程においてプラスチック基板に熱による損傷が生じる場合があり、またプラスチック基板との熱膨張率の差に基づき割れ等が発生し易くなる場合がある。また、薄いガラス基板の厚みが100μmを超えると重量が増し、薄型化の要求に相応しないものとなるとともに、変形が許容されなくなる場合がある。なお、薄いガラス基板の厚さは、好ましくは10μm〜50μm程度とするのが良く、該薄いガラス基板に適用可能なものとしては、透光性を有するガラス基板、例えば無アルカリガラス系、硼珪酸系等の基板を例示することができる。
【0018】
また、プラスチック基板の厚さは、例えば50μm〜300μm程度とすることができ、50μm未満の場合、基板全体の安定性が低下し割れ等が生じやすくなる場合がある。プラスチック基板の厚さが300μmを超えると、重量が増し、薄型化の要求に相応しないものとなるとともに、プラスチックの種類によっては透光性が低下する場合もある。なお、プラスチック基板の厚さは、好ましくは50μm〜100μm程度とするのが良く、プラスチック基板に適用可能なものとしては、透光性を備えたプラスチック材料、例えばポリカーボネート系、ポリエーテルサルフィン系、ポリイミド系、ポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート系のプラスチック材料からなる基板を例示することができる。
【0019】
さらに、支持ガラス基板の厚さは、例えば400μm〜1000μm程度とすることができる。支持ガラス基板の厚さが400μm未満の場合、製造工程中に基板を搬送する際に手間が掛かり、基板取り扱いが困難となる場合がある。また、支持ガラス基板の厚さが1000μmを超える場合も、製造工程中に基板を搬送する際に手間が掛かり、基板取り扱いが困難となる場合があり、さらには無駄に支持ガラス基板を消費してしまいコストアップに繋がる場合もある。
【0020】
本発明において、支持ガラス基板とプラスチック基板、プラスチック基板と薄いガラス基板は、それぞれ接着剤により接着することができ、特に各界面において異なる接着剤を用いることができる。この場合、支持ガラス基板を選択的にプラスチック基板から剥離することが可能となる。例えば、支持ガラス基板を所定の紫外線照射により剥離可能な接着剤(紫外線分解性接着剤)にてプラスチック基板に貼り合わせた場合には、該紫外線照射により剥離不能な接着剤にて薄いガラス基板をプラスチック基板に貼り合わせるものとすることができる。また、支持ガラス基板を所定の溶媒に浸漬させることにより剥離可能な接着剤(溶解性接着剤)にてプラスチック基板に貼り合わせた場合には、該溶媒により剥離不能な接着剤にて薄いガラス基板をプラスチック基板に貼り合わせるものとすることもできる。
【0021】
具体的に接着剤としては、例えば有機系、無機系のいずれでもよく、具体的には支持ガラス基板とプラスチック基板との接着には、紫外線により剥離可能なものとしてエポキシ系、エポキシアクリル系、エポキシウレタン系等の接着剤を用いることができる。また、例えば水により剥離可能なものとして、ポリビニルアルコール系、ポリブチルアルコール系等の接着剤を用いることができる。
【0022】
一方、薄いガラス基板とプラスチック基板との接着には、例えばエポキシ系、エポキシアクリル系、エポキシウレタン系、ガラスレジン系等の接着剤を用いることができ、上述の通り、支持ガラス基板とプラスチック基板との接着に用いた接着剤の剥離条件にて剥離しないものを用いることができる。
【0023】
上記製造方法においては、上記第2基板について、支持ガラス基板上にプラスチック基板を貼り合わせて該第2基板を形成する第2基板形成工程を含むものとすることができ、前記基板貼合せ工程において、前記第2基板のプラスチック基板側を前記第1基板に対向させつつ各基板の貼合わせを行い、該基板貼合せ工程の後に、前記第2基板の支持ガラス基板を剥離する工程を含むものとすることができる。このように第2基板についても、プラスチック基板に支持ガラス基板を貼り合わせた構成とすることにより、基板搬送時にも扱いが容易になる。
【0024】
なお、このように第2基板について支持ガラス基板とプラスチック基板との貼り合わせ構造を採用し、これらの貼合わせを、第1基板の支持ガラス基板とプラスチック基板との間の接着剤と同じ接着剤を用いて行うものとすることができる。この場合、第1基板と第2基板との貼合せ工程の後に、第1基板及び第2基板の支持ガラス基板を同一工程にて剥離することで製造効率が向上する。すなわち、本発明の製造方法において支持ガラス基板の剥離工程は、例えば第1基板については、半導体素子形成後、第2基板との貼合せ後のいずれでも良く、第2基板についての剥離と同時に行う場合には第2基板と貼り合わせた後に支持ガラス基板を剥離するものとすることができる。
【0025】
次に、前記電気光学物質として液晶を用いる場合、前記基板貼合せ工程において、前記第1基板と第2基板とを、液晶注入口を形成したシール材を介して貼り合わせるものとし、前記基板貼合せ工程の後に前記支持ガラス基板を剥離する場合には、該支持ガラス基板の剥離を行う前に前記液晶注入口を封止する工程を含むものとすることができる。
【0026】
この場合、支持ガラス基板とプラスチック基板を、所定の溶媒にて溶解する溶解性接着剤を介して貼り合わせるものとし、基板貼合せ工程の後に支持ガラス基板を剥離する場合にも、シール材の液晶注入口内に上記溶媒が浸入する不具合を回避することが可能となる。このように液晶注入口を封止するには、上記溶媒に対して溶解しない樹脂材料を用いればよい。
【0027】
なお、支持ガラス基板とプラスチック基板とは、所定の溶媒にて溶解する溶解性接着剤を介して貼り合わせるものとし、さらに支持ガラス基板を剥離する工程において、剥離対象物(少なくとも支持ガラス基板とプラスチック基板とを貼り合わせたもの)を溶媒中に浸漬させつつ超音波処理することにより、支持ガラス基板とプラスチック基板との剥離を行うものとすることで、剥離工程を一層迅速に行うことができ、剥離を一層確実に行うことが可能となる。
【0028】
上述の通り、本発明では第1基板についての支持ガラス基板の剥離工程を、(イ)半導体素子の形成後、(ロ)第2基板との貼り合わせ後、(ハ)液晶を用いた場合であって基板を貼合せ後更に液晶を注入し、封止した後、のいずれかにて行うことができる。
また、第2基板についての支持ガラス基板の剥離工程は、上記のうち、(ロ)第1基板との貼り合わせ後、(ハ)液晶を用いた場合であって基板貼合せ後更に液晶を注入した後、において第1基板の剥離と同時に行うものとすることができる。
【0029】
ここで、(イ)半導体素子を形成した後に、支持ガラス基板を剥離する場合には、接着剤として溶解性接着剤又は紫外線分解性接着剤のいずれをも用いることができ、剥離工程において溶媒浸漬又は紫外線照射のいずれをも行うことが可能である。
【0030】
また、(ロ)第1基板及び第2基板の貼り合わせ後に、支持ガラス基板を剥離する場合には、接着剤として紫外線分解性接着剤を用いるのが好ましい。溶解性接着剤を用いると、例えば電気光学物質として液晶を用いた場合、上述のように液晶注入口を封止する手間が掛かるためである。
【0031】
また、(ハ)液晶を用いた場合であって基板貼合せ後更に液晶を注入した後に、支持ガラス基板を剥離する場合には、接着剤として溶解性接着剤を用いるのが好ましい。紫外線分解性接着剤を用いると、例えば紫外線照射により液晶に分解等が生じてしまう惧れがあるためである。
【0032】
なお、第1基板において支持ガラス基板とプラスチック基板との間、薄いガラス基板とプラスチック基板との間の接着剤を、それぞれ紫外線分解性接着剤とした場合には、支持ガラス基板剥離工程において、薄いガラス基板が剥離しない程度の紫外線の照射エネルギーを調整する必要がある。
【0033】
また、特に電気光学物質として液晶を用いた場合、これを表示装置として適用するために、基板の外面側に偏光板を形成する場合には、該偏光板の形成工程直前に支持ガラス基板を剥離することが、基板搬送等の製造効率向上の観点から好ましい。
【0034】
次に、本発明の電子機器は上記電気光学装置を備えることを特徴とする。このような電子機器は、その表示部に本発明の電気光学装置を備えてなるため、軽量、薄型化を実現可能で、しかも高温環境下での使用にも十分耐え得るものとなり、さらに多少の変形も許容し、割れ等が発生し難い表示部を備えた、信頼性の高い電子機器となる。
【0035】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について詳細に説明する。以下、図面を参照しながら説明するが、各図において、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。
【0036】
(第1実施形態)
図1は、本発明の電気光学装置の第1実施形態の液晶表示装置について、その要部である液晶パネルの構成を示す断面模式図である。なお、以下の図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の膜厚や寸法の比率などは適宜異ならせてある。
【0037】
図1において、本実施形態の液晶表示装置を構成する液晶パネル140は、一対の基板142,144間に液晶層149を含んで構成され、基板144の内面側(液晶層側)にはITO等で構成された透明電極145が紙面垂直方向に延在するストライプ状に配列して形成されている。透明電極145の内面側には配向膜146が形成されている。また、基板142の内面側には、上記と同様の透明電極147及び配向膜148が形成されている。なお、透明電極147は、紙面平行方向に延在するストライプ状に配列して形成されている。
【0038】
図1の構成においては、パネル構造を構成する一対の基板142,144が、シール材(図示略)を介して貼り合わせられ、その内部に液晶149が封入されている。このようにして構成された液晶パネル140の液晶モードとしてTN(Twisted Nematic)モードが採用されている。なお、TN(Twisted Nematic)モードの他に、STN(Super Twisted Nematic)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード等を採用することができる。また、基板142,144の外面側には、液晶層149内に直線偏光を入射させるための吸収型偏光膜130,150が配設されている。
【0039】
また、各基板142,144は、プラスチック基板を主体として構成され、該プラスチック基板上に薄いガラス基板が積層された2層構造をなしている。具体的には、基板142は、透光性のポリイミド系のプラスチック基板152の内面側に無アルカリガラス板よりなる薄いガラス基板162を備えて構成され、基板144は、同じく透光性のポリイミド系のプラスチック基板154の内面側に無アルカリガラス板よりなる薄いガラス基板164を備えて構成されている。
【0040】
ここで、各プラスチック基板152,154の厚さは50μm〜300μm(本実施形態では200μm)程度とされ、各薄いガラス基板162,164の厚さは10μm〜100μm(本実施形態では20μm)程度とされている。また、プラスチック基板152,154と薄いガラス基板162,164とは接着剤を介して貼り合わされており、本実施形態ではエポキシ系の接着剤を用いているが、この接着剤としては有機系、無機系のいずれでもよく、具体的にはエポキシ系、エポキシアクリル系、エポキシウレタン系、ガラスレジン系等を例示することができる。
【0041】
このような液晶セル140を含む液晶表示装置によると、電気光学物質たる液晶を挟持する基板142(144)を、プラスチック基板152(154)と薄いガラス基板162(164)との積層構造とし、薄いガラス基板162(164)を内面側に配設する構成としたため、該内面側の熱的安定性及び化学的安定性が向上し、例えば透明電極145,147や配向膜146,148を形成する際に、厳しい条件下でも、基板142,144に対して損傷を与える等の不具合が生じ難くなる。したがって、基板142,144上に電極等の駆動要素を形成する際に、成膜条件の選択の幅が広がり、化学処理ないし加熱処理等の選択の幅が広がる。
【0042】
そして、特に薄いガラス基板162(164)を10μm〜100μm程度の厚みとしたため、当該液晶パネル140に構成される液晶表示装置は軽量であり、高温環境下での使用にも十分耐え、多少の変形にも耐え得るものとなる。なお、薄いガラス基板162(164)としては、無アルカリガラス系のもの以外にも、例えば硼珪酸系等の基板を用いることも可能である。また、プラスチック基板152(154)としては、ポリイミド系のもの以外にも、例えばポリカーボネート系、ポリエーテルサルフィン系、ポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート系のプラスチック材料からなる基板を用いることも可能である。
【0043】
(第2実施形態)
次に、本発明の電気光学装置の第2実施形態の液晶表示装置について図2〜図4を参照して説明する。第2実施形態の液晶表示装置は、スイッチング素子としてTFT(Thin Film Transistor)素子を用いたアクティブマトリクスタイプの透過型液晶装置である。図2は該透過型液晶装置のマトリクス状に配置された複数の画素におけるスイッチング素子、信号線等の等価回路図である。図3はデータ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の構造を示す要部平面図である。図4は図3のA−A’線断面図である。なお、図4においては、図示上側が光入射側、図示下側が視認側(観察者側)である場合について図示している。また、各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。
【0044】
第2実施形態の液晶表示装置において、図2に示すように、マトリクス状に配置された複数の画素には、画素電極9と当該画素電極9への通電制御を行うためのスイッチング素子であるTFT素子30とがそれぞれ形成されており、画像信号が供給されるデータ線6aが当該TFT素子30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給されるか、あるいは相隣接する複数のデータ線6aに対してグループ毎に供給される。
【0045】
また、走査線3aがTFT素子30のゲートに電気的に接続されており、複数の走査線3aに対して走査信号G1、G2、…、Gmが所定のタイミングでパルス的に線順次で印加される。また、画素電極9はTFT素子30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT素子30を一定期間だけオンすることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。
【0046】
画素電極9を介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、後述する共通電極との間で一定期間保持される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能にする。ここで、保持された画像信号がリークすることを防止するために、画素電極9と共通電極との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70が付加されている。
【0047】
次に、図3に基づいて、第2実施形態の液晶表示装置の要部の平面構造について説明する。図3に示すように、TFTアレイ基板上に、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide, 以下、ITOと略記する)等の透明導電性材料からなる矩形状の画素電極9(点線部9Aにより輪郭を示す)が複数、マトリクス状に設けられており、画素電極9の縦横の境界に各々沿ってデータ線6a、走査線3aおよび容量線3bが設けられている。各画素電極9は、走査線3aとデータ線6aとの各交差部に対応して設けられたTFT素子30に電気的に接続されおり、各画素毎に表示を行うことが可能な構造になっている。
【0048】
データ線6aは、TFT素子30を構成する例えばポリシリコン膜からなる半導体層1aのうち、後述のソース領域にコンタクトホール5を介して電気的に接続されており、画素電極9は、半導体層1aのうち、後述のドレイン領域にコンタクトホール8を介して電気的に接続されている。また、半導体層1aのうち、後述のチャネル領域(図中左上がりの斜線の領域)に対向するように走査線3aが配置されており、走査線3aはチャネル領域に対向する部分でゲート電極として機能する。
【0049】
容量線3bは、走査線3aに沿って略直線状に伸びる本線部(すなわち、平面的に見て、走査線3aに沿って形成された第1領域)と、データ線6aと交差する箇所からデータ線6aに沿って前段側(図中上向き)に突出した突出部(すなわち、平面的に見て、データ線6aに沿って延設された第2領域)とを有する。
【0050】
次に、図4に基づいて、第2実施形態の液晶表示装置の断面構造について説明する。図4は上述した通り、図3のA−A’線断面図であり、TFT素子30が形成された領域の構成について示す断面図である。本実施の形態の液晶表示装置においては、TFTアレイ基板10と、これに対向配置される対向基板20との間に液晶層50が挟持されている。
【0051】
TFTアレイ基板10は、透光性のプラスチック基板100と薄いガラス基板110との積層体である基板本体10Aと、その液晶層50側表面に形成されたTFT素子30、画素電極9、配向膜40を主体として構成されており、対向基板20は透光性のプラスチック基板(基板本体)20Aと、その液晶層50側表面に形成された共通電極21と配向膜60とを主体として構成されている。そして、各基板10,20は、スペーサ15を介して所定の基板間隔(ギャップ)が保持されている。
【0052】
TFTアレイ基板10において、基板本体10Aの液晶層50側表面には画素電極9が設けられ、各画素電極9に隣接する位置に、各画素電極9をスイッチング制御する画素スイッチング用TFT素子30が設けられている。画素スイッチング用TFT素子30は、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、走査線3a、当該走査線3aからの電界によりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1a’、走査線3aと半導体層1aとを絶縁するゲート絶縁膜2、データ線6a、半導体層1aの低濃度ソース領域1bおよび低濃度ドレイン領域1c、半導体層1aの高濃度ソース領域1dおよび高濃度ドレイン領域1eを備えている。
【0053】
上記走査線3a上、ゲート絶縁膜2上を含む基板本体10A上には、高濃度ソース領域1dへ通じるコンタクトホール5、及び高濃度ドレイン領域1eへ通じるコンタクトホール8が開孔した第2層間絶縁膜4が形成されている。つまり、データ線6aは、第2層間絶縁膜4を貫通するコンタクトホール5を介して高濃度ソース領域1dに電気的に接続されている。
【0054】
さらに、データ線6a上および第2層間絶縁膜4上には、高濃度ドレイン領域1eへ通じるコンタクトホール8が開孔した第3層間絶縁膜7が形成されている。すなわち、高濃度ドレイン領域1eは、第2層間絶縁膜4および第3層間絶縁膜7を貫通するコンタクトホール8を介して画素電極9に電気的に接続されている。
【0055】
本実施の形態では、ゲート絶縁膜2を走査線3aに対向する位置から延設して誘電体膜として用い、半導体膜1aを延設して第1蓄積容量電極1fとし、更にこれらに対向する容量線3bの一部を第2蓄積容量電極とすることにより、蓄積容量70が構成されている。また、TFTアレイ基板10Aと画素スイッチング用TFT素子30との間には、画素スイッチング用TFT素子30を構成する半導体層1aをTFTアレイ基板10Aから電気的に絶縁するための第1層間絶縁膜12が形成されている。
【0056】
さらに、TFTアレイ基板10の液晶層50側最表面、すなわち、画素電極9および第3層間絶縁膜7上には、電圧無印加時における液晶層50内の液晶分子の配向を制御する配向膜40が形成されている。したがって、このようなTFT素子30を具備する領域においては、TFTアレイ基板10の液晶層50側最表面、すなわち液晶層50の挟持面には複数の凹凸ないし段差が形成された構成となっている。
【0057】
他方、対向基板20には、基板本体20Aの液晶層50側表面であって、データ線6a、走査線3a、画素スイッチング用TFT素子30の形成領域(非画素領域)に対向する領域に、入射光が画素スイッチング用TFT素子30の半導体層1aのチャネル領域1a’や低濃度ソース領域1b、低濃度ドレイン領域1cに侵入することを防止するための第2遮光膜23が設けられている。さらに、第2遮光膜23が形成された基板本体20Aの液晶層50側には、その略全面にわたって、ITO等からなる共通電極21が形成され、その液晶層50側には、電圧無印加時における液晶層50内の液晶分子の配向を制御する配向膜60が形成されている。
【0058】
ここで、基板本体10Aのうち、プラスチック基板100は、厚さは50μm〜300μm(本実施形態では200μm)程度のポリイミド系樹脂からなるものである。なお、プラスチック基板100に適用可能な基板としては、ポリイミド系樹脂以外にも、透光性を備えたプラスチック材料、例えばポリカーボネート系、ポリエーテルサルフィン系、ポリイミド系、ポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート系のプラスチック材料からなる基板を例示することができる。
【0059】
また、薄いガラス基板110は、厚さが10μm〜100μm(本実施形態では20μm)程度の無アルカリガラス基板からなるものである。なお、薄いガラス基板110に適用可能な基板としては、無アルカリガラス基板以外にも、透光性を有するガラス基板、例えば無アルカリガラス系、硼珪酸系等の基板を例示することができる。
【0060】
基板本体10Aにおいて、プラスチック基板100と薄いガラス基板110とは図示しない接着剤層を介して接着されている。接着剤層を構成する接着剤としては、例えば有機系、無機系のいずれでもよいが、具体的にはエポキシ系接着剤が適用されている。
【0061】
このように、TFTアレイ基板10において、半導体素子たるTFT素子30が形成された基板本体10Aを2層構造とし、特にTFT素子30が形成される側を薄いガラス基板110にて構成したため、第2実施形態の液晶表示装置を製造する際、特にTFT素子を基板本体10A上に形成する際に、以下のような効果を発現する。すなわち、TFT素子30の形成工程は高温環境下にて行われるが、上記のようにプラスチック基板100上に形成された薄いガラス基板110上にTFT素子30を形成するものとしたため、プラスチック基板100が熱により損傷を受ける等の不具合を回避することが可能となる。また、特に化学的研磨、酸又はアルカリによるエッチング工程を行う場合にも、プラスチック基板100が化学的損傷を受けることもなくなる。
【0062】
したがって、本第2実施形態の構成を採用することによって、製造時において基板本体10Aがダメージを受ける等の不具合を回避できる。その結果、信頼性の高いTFT素子30を備えた液晶表示装置を提供できるようになり、しかもその液晶表示装置は、液晶を挟持する基板をプラスチックを主体として構成したものであるため、軽量で、高温環境下での使用に十分耐え、薄型を実現可能となるとともに、多少の変形に対しても割れ等も生じ難いものとなる。
【0063】
[電気光学装置の製造方法]
以下、電気光学装置の製造方法について説明する。
まず、図4に示した第2実施形態の液晶表示装置の製造方法について一例を説明する。
まず、図5に示すように、厚さ約200μmのポリイミド系のプラスチック基板100に対し、その一方の面にエポキシアクリル系接着剤により、厚さ約20μmの無アルカリガラスからなる薄いガラス基板110を接着して基板本体10Aを形成する。また、プラスチック基板100の一方の面には、ポリビニルアルコール系接着剤により、厚さ約500μmの支持ガラス基板120を接着する。
【0064】
続いて、図5(b)に示すように、この3層構造の基板の薄いガラス基板110上に、TFT素子30を形成する。このTFT素子30の形成工程は公知の半導体素子形成方法を採用できる。そして、TFT素子30の形成後、絶縁膜4、データ線6a、画素電極9、配向膜40等を形成して、図5(b)に示した支持ガラス基板120を有したTFTアレイ基板10を得る。
【0065】
一方、対向基板20についても、図6(a)に示すように、厚さ約200μmのポリイミド系のプラスチック基板20Aに対して、ポリビニルアルコール系接着剤により、厚さ約500μmの支持ガラス基板125を接着して2層構造の基板を得る。さらにこの2層構造の基板に対して、プラスチック基板20A上に遮光膜23、対向電極21、配向膜60を形成して、支持ガラス基板125を有した対向基板20を得る。また、カラー表示を行なうために、プラスチック基板20A上にカラーフィルタ層(図示なし)を形成した後、前記遮光膜23、対向電極21及び配向膜60を形成しても良い。
【0066】
そして、図5(b)、図6(b)に示した支持ガラス基板付きのTFTアレイ基板10と、対向基板20とを、図7に示すように、スペーサー15とシール材(図示略)を介して、配向膜40,60が形成された側を重ね合わせ、接着する。その後、この支持ガラス基板を備える液晶セルを、ポリビニルアルコール系接着剤の溶剤(例えば水)中に浸漬させ、超音波振動を付与しながら、支持ガラス基板120,125をそれぞれ剥離することで、図4に示した構成の液晶セルを得ることができる。
【0067】
このような工程によると、支持ガラス基板120上に形成されたプラスチック基板100上に薄いガラス基板110を貼り合わせてなるサンドイッチ構造の基板(第1基板)を用い、該第1基板の薄いガラス基板110上に、TFT素子30を形成するものとしたため、TFT素子30を形成する工程において第1基板の特にプラスチック基板100が侵される等の不具合が生じ難くなる。
すなわち、TFT素子形成工程においては、半導体層のアニール工程等のように高温雰囲気下で行われる工程や、エッチング工程等の化学的処理を含む工程等が施されるため、上記のように薄いガラス基板110をプラスチック基板100上に形成することで、プラスチック基板100が侵されることなく、信頼性の高い液晶表示装置を提供することが可能となる。
また、プラスチック基板100に支持ガラス基板120を形成し、この支持ガラス基板120を対向基板20との貼合せ後、液晶注入後に剥離するものとしたため、剥離工程前までの製造工程中の基板搬送等、基板の取り扱いが簡便となる。
【0068】
なお、支持ガラス基板120の剥離工程について、TFTアレイ基板10側と、対向基板20側とを同時に行っているが、それぞれ別々に行うことも可能である。また、TFTアレイ基板10側の支持ガラス基板120は、TFT素子30の形成工程におけるプラスチック基板100の保護効果を発現させるためには、少なくともTFT素子形成工程の後に剥離することができる。また、TFTアレイ基板10、対向基板20のいずれについても、支持ガラス基板の剥離工程を、TFTアレイ基板10と対向基板20との貼り合わせ後、又はその貼合せ後であって液晶を注入封止した後、のいずれかにて行うことができる。
【0069】
また、支持ガラス基板120(125)とプラスチック基板100(20A)の間の接着剤としては、上述の通り水系の溶剤で溶解できるポリビニルアルコール系の接着剤以外にも、所定エネルギーの紫外線照射により分解する紫外線分解性接着剤を用いることができる。いずれの接着剤を用いる場合にも、支持ガラス基板120(125)の剥離工程において、TFTアレイ基板10側の薄いガラス基板110が剥離しないように、薄いガラス基板110とプラスチック基板100との間の接着剤を選択する必要がある。
【0070】
例えば、支持ガラス基板120(125)とプラスチック基板100(20A)の間の接着剤として、溶剤で溶解できる溶解性接着剤を用いた場合には、薄いガラス基板110とプラスチック基板100との間の接着剤は、該溶剤で溶解しない接着剤を選択する。また、支持ガラス基板120(125)とプラスチック基板100(20A)の間の接着剤として、所定エネルギーの紫外線照射により分解する紫外線分解性接着剤を用いた場合には、薄いガラス基板110とプラスチック基板100との間の接着剤は、そのエネルギーの紫外線により分解しないものを選択する必要がある。
【0071】
さらに、TFTアレイ基板10側において、例えばTFT素子30を形成した後に、支持ガラス基板120を剥離する場合には、接着剤として上記溶解性接着剤又は紫外線分解性接着剤のいずれをも用いることができ、剥離工程において溶媒浸漬又は紫外線照射のいずれをも行うことが可能である。
【0072】
また、TFTアレイ基板10と対向基板20の貼り合わせ後に、支持ガラス基板120(125)を剥離する場合には、接着剤として紫外線分解性接着剤を用いるのが好ましい。この場合に、接着剤として溶解性接着剤を用いると、剥離工程において溶剤浸漬が必要となるため、上記シール材に形成した液晶注入口を封止する手間が掛かるためである。
【0073】
また、TFTアレイ基板10と対向基板20の貼り合わせ後であって、上記液晶注入口から液晶を注入した後に、支持ガラス基板120(125)を剥離する場合には、接着剤として溶解性接着剤を用いるのが好ましい。この場合に、紫外線分解性接着剤を用いると、例えば紫外線照射により液晶に分解等が生じてしまう惧れがあるためである。
【0074】
なお、第1実施形態の液晶パネル140については、例えば以下のような工程により製造することができる。すなわち、プラスチック基板152(154)と薄いガラス基板162(164)を接着剤で貼り合わせ、2層構造基板を形成した後に、2層構造基板の表面上にストライプ状の透明電極145(147)を形成し、さらに透明電極145(147)上に配向膜146(148)を形成する。そして、各基板142,144を、各配向膜146,148の配向方向が互いに垂直となるように、シール材を介して貼り合わせ、さらに基板142,144の外面側に吸収型偏光膜130,150を形成して、図1に示した液晶パネル140を得る。
【0075】
このような液晶パネル140の形成工程においても、上述のように、各プラスチック基板152(154)の薄いガラス基板162(164)とは反対側の面に、支持ガラス基板を形成して製造工程を容易にすることも可能である。この場合、例えば偏光板130,150の形成直前に、各支持ガラス基板を剥離するものとすることができる。剥離工程は、上述した紫外線照射方法、溶剤浸漬方法のいずれをも採用することが可能である。
【0076】
[電子機器]
次に、上記実施形態で示した液晶表示装置を備えた電子機器の具体例について説明する。
図8は携帯電話の一例を示した斜視図である。図8において、符号500は携帯電話本体を示し、符号501は上記実施の形態の液晶表示装置を備えた液晶表示部を示している。このような携帯電話は、上記実施形態の液晶表示装置のいずれかを備えたものであるので、表示品位に優れた表示部を有する電子機器となる。
【0077】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。すなわち、上記の実施形態では電気光学物質として液晶を用いたが、本発明はこれに限定されず、基板間に例えば有機EL材料を挟持した有機EL装置等の電気光学装置についても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の液晶表示装置を構成する液晶パネルの断面模式図。
【図2】 第2実施形態の液晶表示装置におけるスイッチング素子、信号線等の等価回路図。
【図3】 同、液晶表示装置におけるTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の構造を示す平面図。
【図4】 同、液晶表示装置装置において、その非画素領域における構造を示す断面図。
【図5】 図4の構成の液晶パネルを製造する工程の一例を示す断面模式図。
【図6】 図5に続き、図4の構成の液晶パネルを製造する工程の一例を示す断面模式図。
【図7】 図6に続き、図4の構成の液晶パネルを製造する工程の一例を示す断面模式図。
【図8】 電子機器の一実施形態を模式的に示す斜視図。
【符号の説明】
100…プラスチック基板、110…薄いガラス基板、120,125…支持ガラス基板
Claims (3)
- 一対の基板間に液晶を挟持してなる液晶表示装置の製造方法であって、
支持ガラス基板上に所定の溶媒にて溶解する溶解性接着剤を介してプラスチック基板を貼り合わせ、さらにプラスチック基板上に薄いガラス基板を貼り合わせて第1基板を形成する第1基板形成工程と、
前記第1基板の薄いガラス基板上に半導体素子および電極を形成する半導体素子および電極形成工程と、
前記薄いガラス基板側を第2基板と対向させつつ、前記第1基板と第2基板とを液晶注入口を形成したシール材を介して貼り合わせる基板貼合せ工程と、
貼り合わせた前記第1基板と前記第2基板との間に液晶を注入する液晶注入工程と、
前記液晶注入工程の後に、前記所定の溶媒にて溶解しない樹脂材料を用いて前記液晶注入口を封止する液晶注入口封止工程と、
前記液晶注入口封止工程の後に、剥離対象物を前記所定の溶媒中に浸漬させつつ超音波処理することにより、前記支持ガラス基板を前記プラスチック基板から剥離する支持ガラス基板剥離工程と、を含むことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。 - 支持ガラス基板上に前記第1基板側で用いた接着剤と同じ溶解性接着剤を介してプラスチック基板を貼り合わせて前記第2基板を形成する第2基板形成工程を含み、
前記基板貼合せ工程において、前記第2基板のプラスチック基板側を前記第1基板に対向させつつ各基板の貼合わせを行い、
前記支持ガラス基板剥離工程において、前記第1基板及び前記第2基板の支持ガラス基板を同時に剥離することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置の製造方法。 - 前記第1基板形成工程において、前記所定の溶媒にて剥離不可能な接着剤を介して前記プラスチック基板と前記薄いガラス基板とを貼り合わせることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置の製造方法。
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