JP4217878B2 - Process for producing conductive thermoplastic resin composition - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂と導電性カーボンブラックとを配合してなる導電性熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関し、さらに詳述すれば、分散性に優れた導電性カーボンブラックが配合されているため、高い表面平滑性を有する導電性シートまたはフィルムを与える導電性熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、熱可塑性樹脂は、電気的に絶縁性の物質であるが、電気・電子部品用部材として導電性(例えば、帯電防止性、電磁シールド性等)が要求される用途は数多い。中でも、複写機用転写ロール、除電ロール、または電気部品搬送用ソフトトレー用シートや電子部品搬送用キャリアテープ等には厚さ5mm以下の導電性シートまたは導電性フィルムが必要とされることがある。
【0003】
通常、熱可塑性樹脂に導電性を付与する方法として、導電材の配合が一般に行われており、特に、導電性カーボンブラックの配合がよく行われている。このカーボンブラックを用いて付与される熱可塑性樹脂の導電性は、樹脂マトリックス中のカーボンブラックの分散状態に大きく依存することから、導電性を良好に発現させるためには、樹脂マトリックス中でカーボンブラックの連結構造を形成させることが重要となる。
【0004】
しかし、一般に用いられている導電性カーボンブラックを配合した樹脂組成物を成形、加工しただけでは、導電性カーボンブラックを均一に分散させることは困難であるのみならず、成形品中において局所的にカーボンブラックの高濃度部分(直径0.1mm以上の凝集塊)が存在することが多い。この成形品を電気・電子部品用部材として用いた場合、何らかの外的要因によって凝集塊が破壊されると、カーボンブラックが飛散し、電気・電子部品を汚染することになる。このような観点から、樹脂マトリックス中におけるカーボンブラックの分散性を向上させて局所的なカーボンブラックの凝集を抑制し、成形後にカーボンブラックの飛散が生じない、表面平滑性に優れた導電性樹脂組成物が望まれている。
【0005】
特に、導電性フィルムまたはシートに用いられるポリカーボネート、ポリエステル、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィドといった熱可塑性樹脂は、同様に用いられるその他の汎用樹脂(ポリオレフィン、ポリスチレン)と異なり、加工条件を最適化するだけではカーボンブラックの分散性を高めることが困難であることから、より一層分散性の向上が望まれていた。
【0006】
ところで、分散性に優れるという性質を有する導電性カーボンブラックを用いて、樹脂組成物中におけるカーボンブラックの分散性を高めた、流動性および加工性に優れた導電性ポリアセタール組成物が特許文献1に記載されているが、この文献記載の導電性カーボンブラックを、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド等に配合した熱可塑性樹脂組成物においても、同様にカーボンブラックの分散性が良好になり、導電性シートまたはフィルム用の熱可塑性樹脂組成物として好適である旨の記載はない。
【0007】
【特許文献1】
特表2001−503559号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、導電性カーボンブラックの分散性に優れ、高い表面平滑性を有するとともに、安定した導電性能を発揮する導電性シート、フィルムが得られる導電性熱可塑性樹脂組成物の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の実施の形態】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、所定の「造粒粒子の硬さ」を有する導電性カーボンブラックが分散性に優れていることを見いだすとともに、このカーボンブラックを、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィドに所定割合で配合してなる樹脂組成物が、極めて優れた表面平滑性および安定した導電性を有する導電性シートまたはフィルムを与えることを見いだし、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は、
1. (a)ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテルおよびポリフェニレンスルフィドからなる群から選ばれる1種または2種以上の熱可塑性樹脂と、(b)二次凝集したカーボンブラックを造粒することにより得られる造粒粒子からなる導電性カーボンブラックと、を混練する導電性シートまたはフィルム用導電性熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、前記(b)導電性カーボンブラックのJIS K 6219「造粒粒子の硬さ」試験A法により測定した硬さが、0.5〜1.5cNであり、DBP吸油量が、130〜450mL/100gであり、前記(a)熱可塑性樹脂と前記(b)導電性カーボンブラックとを質量比(a)/(b)=95/5〜70/30で配合し、前記(a)熱可塑性樹脂が溶融した状態で、前記(a)熱可塑性樹脂と前記(b)導電性カーボンブラックとを混練することを特徴とする導電性シートまたはフィルム用導電性熱可塑性樹脂組成物の製造方法
を提供する。
【0011】
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明に係る導電性熱可塑性樹脂組成物の(a)成分である熱可塑性樹脂は、上述のように、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテルおよびポリフェニレンスルフィドからなる群から選ばれる1種または2種以上であるが、ポリフェニレンエーテルをシートまたはフィルム等に成形することが経済的に困難であるため、特に、ポリカーボネート、および/またはポリフェニレンスルフィドを用いることが好ましい。
【0012】
ここで、本発明におけるポリカーボネートとしては、特に限定されるものではなく、例えば、2価フェノールとカーボネート前駆体との溶液法または溶融法で製造されるものが挙げられる。
2価フェノールの具体例としては、ビスフェノールA〔2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〕、ヒドロキノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシジフェニル)ペンタン、2,2’− ジヒドロキシジフェニル、4,4’− ジヒドロキシジフェニル、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、5’−クロロ−2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジクロロフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−2,5−ジクロロジフェニルエーテル、ビス(4−ジヒドロキシ−5−プロピルフェニル)メタン、ビス(4−ジヒドロキシ−2,6−ジメチル−3−メトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2−エチルフェニル)エタン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン等が挙げられ、これらの2価フェノールは、1種単独で、または2種以上を混合して使用することができる。これらの中でも、市場での入手の容易性を考慮すると、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン系化合物、特に、ビスフェノールAを用いることが好ましい。
【0013】
一方、カーボネート前駆体としては、特に限定されるものではなく、例えば、カルボニルハライド、カーボネート、ハロホルメート等を挙げることができ、具体的には、ホスゲン、ジフェニルカーボネート、2価フェノールのジハロホルメート、これらの混合物等が挙げられる。
なお、ポリカーボネートを製造するにあたって、目的とするポリカーボネートに応じて、分子量調整剤、分岐剤、触媒等を適宜使用することができる。
【0014】
本発明におけるポリエステルとしては、特に限定されるものではないが、酸成分としてテレフタル酸および/またはナフタレンジカルボン酸を主成分とし、ジオール成分として炭素原子2〜10の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノールを主成分として用いたポリエステルが好適に用いられる。
【0015】
ここで、酸成分として、ナフタレンジカルボン酸を用いる場合は、2,6−ナフタレンジカルボン酸を用いることが、市場での入手の容易性という点から、好ましい。また、ジオール成分として、炭素数2〜10の脂肪族グリコールを用いる場合、市場での入手の容易性という点から、エチレングリコールおよび/またはブチレングリコールを用いることが好ましい。
なお、「主成分」とは、各成分中の90モル%以上、好ましくは95モル%以上であることを意味する。
【0016】
上記ポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレン−2,6−ナフタレート等が挙げられ、これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。また、これらのポリエステルを構成する各成分よりなる共重合ポリエステルを用いることもできる。
【0017】
なお、ポリエステルを構成する酸成分やグリコール成分には、それらの物性を損なわない範囲で、その他の成分を共存させることができる。
例えば、酸成分として、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸(例えば、フタル酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルメタンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、ジフェニルスルフィドジカルボン酸、ジフェニルスルフォンジカルボン酸等)、脂肪族ジカルボン酸(例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等)、脂環族ジカルボン酸(例えばシクロヘキサンジカルボン酸、テトラリンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸等)などを適宜配合することができる。
【0018】
また、ジオール成分として、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、キシリレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ビスフェノールA、カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、ジヒドロキシジフェニル、ジヒドロキシジフェニルエーテル、ジヒドロキシジフェニルメタン、ジヒドロキシジフェニルケトン、ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ジヒドロキシジフェニルスルフォン等を適宜配合することができる。
【0019】
さらに、共重合可能なオキシカルボン酸成分として、オキシ安息香酸、ヒドロキシナフトエ酸、ヒドロキシジフェニルカルボン酸、ω−ヒドロキシカプロン酸等を配合することもできる。
【0020】
本発明におけるポリフェニレンエーテルとは、一般式(1)で示されるフェノール化合物の1種または2種以上を、酸化カップリング触媒の存在下、酸素または酸素含有ガスで酸化重合させて得られる重合体である。なお、フェノール化合物を酸化重合させる際の酸化カップリング触媒は、重合触媒として作用するものであれば、特に限定されるものではない。
【0021】
【化1】

Figure 0004217878
(式中、R1,R2,R3,R4およびR5は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子または置換もしくは非置換の一価炭化水素基を示し、R1〜R5のうち少なくとも1つは水素原子である。)
【0022】
一般式(1)における置換基R1〜R5の具体例としては、水素原子、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、クロロエチル、ヒドロキシエチル、フェニルエチル、ベンジル、ヒドロキシメチル、カルボキシエチル、メトキシカルボニルエチル、シアノエチル、フェニル、クロロフェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、エチルフェニル、アリル基等が挙げられる。
【0023】
一般式(1)で示される化合物の具体例としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,6−ジメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、3,5−ジメチルフェノール、2−メチル−6−フェニルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ジエチルフェノール、2−メチル−6−エチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2,4,6−トリメチルフェノール、3−メチル−6−t−ブチルフェノール、チモール、2−メチル−6−アリルフェノール等が挙げられ、これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0024】
これらの化合物の中でも、市場での入手の容易性を考慮すると、2,6−ジメチルフェノールまたは2,6−ジフェニルフェノールの単独重合体、10〜100質量部の2,6−キシレノールと0〜30質量部の3−メチル−6−t−ブチルフェノールまたは2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体を用いることが好ましい。
なお、上記一般式(1)以外のフェノール化合物、例えば、ビスフェノールA、レゾルシン、ハイドロキノン、ノボラック樹脂のような多価ヒドロキシ芳香族化合物と、上記一般式(1)で示されるフェノール樹脂とを共重合させてもよい。
【0025】
本発明において、ポリフェニレンエーテルは、ポリフェニレンエーテル樹脂の成形加工性を改良した変性ポリフェニレンエーテル樹脂をも包含する概念である。この変性ポリフェニレンエーテルは、スチレン系樹脂またはポリアミド樹脂を含有するポリフェニレンエーテルをいうが、この場合、ポリフェニレンエーテル中にスチレン系樹脂またはポリアミド樹脂を含有させる方法としては、混合による方法でもよく、グラフト重合による方法でもよい。
【0026】
使用可能なスチレン系樹脂としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、およびポリp−メチルスチレンから選ばれた1種または2種以上の構成単位からなる重合体が挙げられ、具体的にはポリスチレン、ゴム補強ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン、ポリp−メチルスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体等が挙げられる。一方、ポリアミド樹脂としては、ポリアミド6・6、ポリアミド6、ポリアミド4・6等が挙げられる。
【0027】
本発明におけるポリフェニレンスルフィドとしては、特に限定されるものではないが、例えば、一般式(2)で示される繰り返し単位を含む重合体を用いることができる。この場合、耐熱性を高めるという点から、一般式(2)で示される繰り返し単位を70モル%以上、特に90モル%以上含む重合体を用いることが好ましい。
【0028】
【化2】
Figure 0004217878
【0029】
また、上記ポリフェニレンスルフィドは、その繰り返し単位の30モル%以下を、一般式(3)〜(8)で示される繰り返し単位から選ばれる1種または2種以上で構成することもできる。
【0030】
【化3】
Figure 0004217878
【0031】
本発明で用いられるポリフェニレンスルフィドの製造方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法、例えば、特公昭45−3368号公報に記載される比較的分子量の小さな重合体を得る方法や、特公昭61−7332号公報に記載される比較的分子量の大きな重合体を得る方法などを用いて製造することができる。
【0032】
なお、ポリフェニレンスルフィドに対し、空気中での加熱による架橋/高分子量化、窒素等の不活性ガス雰囲気下または減圧下での熱処理、有機溶媒,熱水,酸水溶液等による洗浄、酸無水物,アミン,イソシアネート,官能基含有ジスルフィド化合物等の官能基含有化合物による活性化等の処理を、単独でまたは2種以上併用して施すこともできる。
以上説明した(a)成分の各熱可塑性樹脂は、適当なものを市場で入手することもできる。
【0033】
上記(a)成分の熱可塑性樹脂に加え、必要に応じて熱可塑性エラストマーを併用してもよく、これを併用することで組成物の成形加工性を高めることができる。この熱可塑性エラストマーとしては、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーが挙げられ、これらを1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、より成形加工性を高めるという点から、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマーが好ましく、特に、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーが最適である。
【0034】
ポリウレタン系熱可塑性エラストマーとしては、特に限定されるものではないが、JIS−A硬度80以上、JIS−D硬度30〜60のものが好ましく、例えば、エラストラン(日本エラストラン(株)製)、パラプレン(日本ポリウレタン工業(株)製)、パンデックス(大日本インキ化学工業(株)製)、タケラック(武田バーディッシュウレタン工業(株)製)、レザミン(大日精化工業(株)製)、ペレセン(ダウ・ケミカル日本製)、デスモパン(ディーアイシー バイエル ポリマー(株)製)等が挙げられる。
【0035】
ポリエステル系熱可塑性エラストマーとしては、特に限定されるものではないが、JIS−A硬度80以上、JIS−D硬度30〜60のものが好ましく、例えば、ハイトレル(東レ・デュポン(株)製)、ペルプレン−P,S(東洋紡績(株)製)、グリラックス(大日本インキ化学工業(株)製)、ローモッド(日本ジーイープラスチック)、ARNITEL−E,−P,−S,−Z(アクゾ社製)、RITEFLEX(セラニーズ/ヘキスト社製)、PIBIFLEX(モンテディソン社製)、ELASTUF(グッドイヤー社製)、ECTAR(イーストマン社製)等が挙げられる。
【0036】
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、特に限定されるものではないが、JIS−A硬度80以上、JIS−D硬度30〜60のものが好ましく、例えば、住友TPE(住友化学工業(株)製)、ミラストマー(三井化学(株)製)、サーモラン(三菱化学(株)製)等が挙げられる。
ポリスチレン系熱可塑性エラストマーとしては、特に限定されるものではないが、JIS−A硬度80以上、JIS−D硬度30〜60が好ましく、例えば、カリフレックスTR,クレイトンG(シェルケミカルズジャパン(株)製)、ラバロン(三菱化学(株)製)、住友TPE−SB(住友化学工業(株)製)、エラストマーAR(アロン化成(株)製)、タフプレン(旭化成工業(株)製)、ソフプレンT(Philips Petroleum−日本エラストマー製)、JSR TR,JSR SIS(JSR(株)製)、デンカSTR(電気化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0037】
ポリアミド系熱可塑性エラストマーとしては、特に限定されるものではないが、JIS−A硬度80以上、JIS−D硬度30〜60のものが好ましく、ダイアミドPAE(デグサ−ヒュルス製)、グリラックス(大日本インキ化学工業(株)製)、ペバックス(アトフィナジャパン(株)製)等が挙げられる。
【0038】
本発明の(b)成分である導電性カーボンブラックは、JIS K 6219「造粒粒子の硬さ」試験A法で測定した硬さが、2cN以下のものである。
ここで、硬さが2cNを超えると、粒子の粉砕性および分散性が低下する結果、導電フィルムや導電性シート内で粒子の凝集の割合が増加し、得られたフィルム等の表面平滑性が悪化する虞がある。粒子の粉砕性、分散性を高めるという観点から、上記硬さは、0.5〜1.5cNであることが好ましく、特に0.8〜1.4cNであることが好ましい。なお、硬さが0.5cN未満の場合、粒子が粉砕され易くなる結果、加工時のハンドリング性が低下する可能性が高くなる。
【0039】
本発明における導電性カーボンブラックとしては、上記「造粒粒子の硬さ」特性を満たすものであれば、特に限定されるものではないが、特に、平均一次粒子径が、約20〜50nmの炭素粒子が鎖状に二次凝集した構造を有しているものが好ましい。
【0040】
ここで、平均一次粒子径が、上記範囲をはずれると、良好な導電性が得られない虞が高く、導電性をより適当な範囲に調節することを考慮すると、平均一次粒子径は、30〜45nmであることが好ましい。本発明の導電性カーボンブラックは、二次凝集したカーボンブラックを適宜造粒することにより得られる造粒粒子であり、その平均粒子径は、特に限定されるものではないが、上述した「造粒粒子の硬さ」を所定の範囲に調節するという点から、0.1〜3mm、特に、0.5〜2.5mmであることが好ましい。ここで、平均粒子径は、篩い分けにより測定した値をいう。なお、造粒の方法としては、通常用いられる造粒方法を適宜用いることができる。
【0041】
また、本発明の導電性カーボンブラックの比表面積は、50〜1500m2 /gであることが好ましい。
ここで、比表面積が50m2 /g未満であると、必要とする導電性を得るためには、大量のカーボンブラックを配合することが必要となり、その結果、成形体の強度低下を引き起こす虞が高くなる。逆に、比表面積が1500m2 /gを超えると、組成物の粘度が上昇しすぎるため、その成形性が低下する虞が高くなる。これらの点から、比表面積は、50〜1400m2/g、特に、55〜1350m2/gとすることが好ましい。なお、比表面積は、BET法(窒素吸着法)により測定した値をいう。
【0042】
さらに、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が、100〜500mL/100gであることが好ましい。
ここで、DBP吸油量が、500mL/100gを超えると、カーボンブラックの分散状態が悪化し、熱可塑性樹脂組成物を成形した際に多量の凝集塊が生じる可能性が高くなる。一方、DBP吸油量が、100mL/100g未満の場合、導電性付与効果が不充分となる虞が高い。これらを考慮すると、より好ましいDBP吸油量は、130〜450mL/100g、特に、150〜450mL/100gである。
【0043】
上記各条件を満足するカーボンブラックとしては、例えば、Ensaco250G、Ensaco260G(エラケム社製)等が挙げられる。
なお、一次粒子の製造方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の石油等の炭化水素を燃焼させる方法を用いればよい。
【0044】
本発明の導電性熱可塑性樹脂組成物は、上記(a)熱可塑性樹脂と、(b)導電性カーボンブラックとを、質量比(a)/(b)で95/5〜70/30の範囲で配合してなるものである。
ここで、(a)成分の配合量が、95質量部を超えると、必然的に(b)成分が少なくなり、充分な導電性が得られない可能性が高い。一方、(a)成分が70質量部未満では、加工性に問題が生じる可能性が高い。
なお、熱可塑性樹脂組成物において、導電性の指標となる表面抵抗率は、102〜1013(Ω)、特に、103〜1012(Ω)であることが好ましい。
【0045】
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で所望の物性を付与できる公知の添加物、例えば、潤滑剤、滑剤、核剤、染・顔料、離型剤、種々の安定剤、その他の熱可塑性樹脂、強化剤、充填剤などの添加剤を配合することができ、この場合、その配合量は、通常、熱可塑性樹脂組成物全量に対して、0.01〜30質量%程度である。
【0046】
本発明の導電性熱可塑性樹脂組成物の調製法としては、特に限定されるものではなく、公知の種々の方法を用いることができるが、少なくとも上記(a),(b)成分が共存するとともに、熱可塑性樹脂である(a)成分が加熱溶融された状態で混練する方法を用いることが好ましい。この際、(a),(b)成分の配合順序は特に限定されない。
【0047】
また、混練処理温度は、熱可塑性樹脂が溶融した状態で(a),(b)各成分を混練することができる温度であれば、特に限定されないが、処理温度が高すぎると、樹脂の分解や異常反応を誘発する可能性が高くなるため、熱可塑性樹脂成分が溶融する温度より5〜50℃高温であることが好ましく、特に、樹脂の融点より10〜30℃高温であることが好ましい。
【0048】
さらに、溶融混練処理時間は、特に限定されるものではないが、10秒〜10分が好ましく、より好ましくは30秒〜5分である。
これらの条件を満足する特に好ましい製造法は、二軸押出機を用いて、押出機内に(a)熱可塑性樹脂を投入して溶融させた後に、サイドフィーダーより(b)導電性カーボンブラックを供給して混練押出し成形する方法である。
【0049】
上記のようにして溶融混練した導電性熱可塑性樹脂組成物は、直接あるいはペレットを経由して、さらに、押出成形、インフレーション成形などの公知の成形方法で成形することで、導電性シート、フィルム、テープ等とすることができる。
なお、(a)熱可塑性樹脂と(b)導電性カーボンブラックとを、質量比70/30よりも(b)成分の比率を高めて配合したマスターバッチを製造し、これを用いて導電性熱可塑性樹脂組成物を製造することもできる。この場合、得られたマスターバッチを再度(a)成分と混練し、(a)成分と(b)成分との比率を本発明の範囲に調製したペレットとしてもよいし、(a)成分とマスターバッチとをドライブレンドして(a)成分と(b)成分との比率を本発明の範囲に調整し、このブレンド物を上述した各種成形方法で、導電性シート、テープ、フィルム等としてもよい。
【0050】
以上説明したように、本発明の導電性熱可塑性樹脂組成物は、(b)導電性カーボンブラックとして、所定範囲の「造粒粒子の硬さ」のものを(a)ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂に対して所定量配合しているから、組成物中におけるカーボンブラックの分散性が著しく高まる結果、得られるシート等の表面平滑性を向上させることができるとともに、安定した導電性を発揮させることができる。
【0051】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
【0052】
[実施例1〜8、比較例1〜3]
[1]コンパウンド化
表1に示される(a)熱可塑性樹脂と、表2に示される(b)導電性カーボンブラックまたは(b’)導電性カーボンブラックとを、表3に示される割合で使用し、次の方法により、コンパウンド化した。
【0053】
まず、二軸押出機(NR−II57mm、ナカタニ機械社製)の元のホッパーより(a)熱可塑性樹脂をフィーダーにて供給し、樹脂が完全に溶解したところで、(b)または(b’)導電性カーボンブラックをサイドフィーダーを通して強制的に押出機に供給し、これら各成分を混練してコンパウンドを得た。続いて、これを冷却後、ペレタイザーを用いて円柱状ペレット(直径2mm、長さ2〜4mm)とした。なお、実施例6に関しては、(a)熱可塑性樹脂/(b)導電性カーボンブラック=60/40(質量比)のマスターペレットを上記と同様の方法で製造した後、このマスターペレットを二軸押出機により残余の(a)熱可塑性樹脂で希釈することで、ペレットとした。
【0054】
【表1】
Figure 0004217878
【0055】
【表2】
Figure 0004217878
【0056】
表2において、各物性は、以下の方法により測定した。
(1)一次粒子径
透過型電子顕微鏡(TEM)により、測定した。
(2)比表面積
BET法(窒素吸着法)により、測定した。
(3)DBP吸油量
ASTM D−2424−79に準拠した方法により、測定した。
(4)造粒粒子の硬さ
JIS K 6219「造粒粒子の硬さ」試験A法に準拠した方法により、測定した。この際、測定装置としては、テクスチャーアナライザー(TA−XT2、SMS社製)を使用した。
【0057】
【表3】
Figure 0004217878
【0058】
[2]シートまたはフィルム化
実施例1〜6および比較例1〜3で作製したペレットを用い、280〜320℃の成形温度にてインフレーション成形し、厚さ100μmの導電性フィルムを得た。
実施例7および8で作製したペレットを用い、Tダイ押出成形機(石井真空工業(株)製)により、295〜305℃の成形温度にて押出成形し、厚さ200μmの導電性シートを成形した。
【0059】
上記各実施例および比較例で得られたシートおよびフィルムについて、凝集物量および導電性を測定、評価した。結果を表4に示す。
なお、凝集物量および導電性の測定は、以下の方法により行った。
【0060】
(1)凝集物量測定
各実施例および比較例で得られたシートおよびフィルムを、100cm2の大きさに切り取り、透過光を照射した際に観察される0.2mm以上のカーボン凝集物の個数を顕微鏡により測定し、下記評価基準でカーボンブラックの分散性を評価した。なお、カーボン凝集物の個数が少ないほど、カーボンブラックの分散性に優れ、表面平滑性にも優れていることを意味している。
○:3個以下
△:4〜5個
×:6〜20個
××:21個以上
(2)導電性測定
ASTM D−257に準拠した方法により、表面抵抗率(Ω)(以下、SRと略す)を測定した。SRの数値が小さいほど、導電性に優れていることを意味する。なお、表4ではSR(Ω)の常用対数値を記載している。
【0061】
【表4】
Figure 0004217878
【0062】
表4に示されるように、凝集粒子の硬さが2cN以下の導電性カーボンブラックを所定量配合している各実施例のシートまたはフィルムにおいては、各比較例のそれに比べて、カーボンブラックの分散性が著しく改善されており、その表面平滑性に優れていることがわかる。すなわち、カーボンブラックの一次粒子径、比表面積、DBP給油量にほとんど違いが見られなくとも、「造粒粒子の硬さ」の値が小さいカーボンブラックを使用することにより、分散性、表面平滑性を向上できることが確認された。
【0063】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、ポリカーボネート,ポリフェニレンエーテルおよび/またはポリフェニレンスルフィド樹脂と、導電性カーボンブラックとを用いた導電性シートまたはフィルム用の樹脂組成物において、従来困難とされてきたカーボンブラックの分散性を著しく向上させることができ、その結果、優れた表面平滑性を有するとともに、安定した導電性を有する導電性シート等を与える導電性熱可塑性樹脂組成物を提供することができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a conductive thermoplastic resin composition comprising a thermoplastic resin and conductive carbon black. Manufacturing method In more detail, the conductive thermoplastic resin composition that provides a conductive sheet or film having high surface smoothness because it contains conductive carbon black having excellent dispersibility. Manufacturing method About.
[0002]
[Prior art]
In general, a thermoplastic resin is an electrically insulating material, but there are many applications that require electrical conductivity (for example, antistatic property, electromagnetic shielding property, etc.) as a member for an electric / electronic component. In particular, a conductive sheet or a conductive film having a thickness of 5 mm or less may be required for a transfer roll for a copying machine, a static eliminating roll, a soft tray sheet for transporting electrical components, a carrier tape for transporting electronic components, or the like. .
[0003]
Usually, as a method of imparting conductivity to a thermoplastic resin, a conductive material is generally blended, and in particular, conductive carbon black is often blended. Since the conductivity of the thermoplastic resin imparted using this carbon black depends greatly on the dispersion state of the carbon black in the resin matrix, in order to develop the conductivity well, It is important to form a connecting structure.
[0004]
However, it is not only difficult to uniformly disperse the conductive carbon black by simply molding and processing a resin composition containing the commonly used conductive carbon black, but locally in the molded product. In many cases, a high concentration portion of carbon black (agglomerate having a diameter of 0.1 mm or more) exists. When this molded product is used as a member for an electric / electronic component, if the agglomerate is destroyed due to some external factor, carbon black is scattered and the electric / electronic component is contaminated. From this point of view, it is possible to improve the dispersibility of carbon black in the resin matrix to suppress local aggregation of carbon black and to prevent the carbon black from scattering after molding. Things are desired.
[0005]
In particular, thermoplastic resins such as polycarbonate, polyester, polyphenylene ether, and polyphenylene sulfide, which are used for conductive films or sheets, are different from other general-purpose resins (polyolefin and polystyrene) that are used in the same way. Since it is difficult to increase the dispersibility of black, further improvement in dispersibility has been desired.
[0006]
By the way, Patent Document 1 discloses a conductive polyacetal composition excellent in fluidity and workability in which the dispersibility of carbon black in a resin composition is improved using conductive carbon black having a property of excellent dispersibility. Although it is described, even in a thermoplastic resin composition in which the conductive carbon black described in this document is blended with polycarbonate, polyester, polyphenylene ether, polyphenylene sulfide, etc., the dispersibility of the carbon black is similarly improved, and There is no description that it is suitable as a thermoplastic resin composition for an adhesive sheet or film.
[0007]
[Patent Document 1]
Special table 2001-503559 gazette
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
This invention is made | formed in view of such a situation, and while being excellent in the dispersibility of electroconductive carbon black, while having high surface smoothness, the electroconductive sheet and film which exhibit the stable electroconductive performance are obtained. Conductive thermoplastic resin composition Manufacturing method The purpose is to provide.
[0009]
Means for Solving the Problem and Embodiment of the Invention
As a result of intensive studies to achieve the above object, the present inventors have found that conductive carbon black having a predetermined “hardness of granulated particles” has excellent dispersibility, and this carbon. Black, polycarbonate The Rephenylene ether, polyphenylene sulfi To The present inventors have found that a resin composition blended at a predetermined ratio gives a conductive sheet or film having extremely excellent surface smoothness and stable conductivity, thereby completing the present invention.
[0010]
That is, the present invention
1. (A) Polycarbonate The Conductive carbon black comprising granulated particles obtained by granulating one or more thermoplastic resins selected from the group consisting of rephenylene ether and polyphenylene sulfide and (b) secondary agglomerated carbon black And a conductive thermoplastic resin composition for a conductive sheet or film for kneading, wherein (b) conductive carbon black measured by JIS K 6219 “Granulated particle hardness” test A method The hardness is 0.5 to 1.5 cN, the DBP oil absorption is 130 to 450 mL / 100 g, and the mass ratio (a) of the thermoplastic resin (a) and the conductive carbon black (b) ) / (B) = 95/5 to 70/30, and in the state where the (a) thermoplastic resin is melted, the (a) thermoplastic resin and the (b) conductive cap Method for producing a conductive sheet or film for the conductive thermoplastic resin composition which comprises kneading the carbon black
I will provide a.
[0011]
Hereinafter, the present invention will be described in more detail.
As described above, the thermoplastic resin as the component (a) of the conductive thermoplastic resin composition according to the present invention is polycarbonate. The One or two or more selected from the group consisting of rephenylene ether and polyphenylene sulfide, but it is economically difficult to form polyphenylene ether into a sheet or film. , And / or polyphenylene sulfide is preferably used.
[0012]
Here, the polycarbonate in the present invention is not particularly limited, and examples thereof include those produced by a solution method or a melting method of a dihydric phenol and a carbonate precursor.
Specific examples of the dihydric phenol include bisphenol A [2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane], hydroquinone, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) pentane, 2,4′-dihydroxydiphenylmethane, bis (2-hydroxyphenyl) methane, bis (4-hydroxyphenyl) methane, bis (4-hydroxy-5-nitrophenyl) methane, 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) ethane, 3,3-bis (4 -Hydroxydiphenyl) pentane, 2,2'-dihydroxydiphenyl, 4,4'-dihydroxydiphenyl, 2,6-dihydroxynaphthalene, bis (4-hydroxyphenyl) sulfone, bis (3,5-diethyl-4-hydroxyphenyl) ) Sulfone, 2,2-bis (3,5-dimethyl-4-hydro) Cyphenyl) propane, 2,4′-dihydroxydiphenyl sulfone, 5′-chloro-2,4′-dihydroxydiphenyl sulfone, bis (4-hydroxyphenyl) diphenyl ether, 4,4′-dihydroxy-3,3′-dichlorophenyl ether 4,4′-dihydroxy-2,5-dichlorodiphenyl ether, bis (4-dihydroxy-5-propylphenyl) methane, bis (4-dihydroxy-2,6-dimethyl-3-methoxyphenyl) methane, 1,1 -Bis (4-hydroxy-2-ethylphenyl) ethane, 2,2-bis (3-phenyl-4-hydroxyphenyl) propane, bis (4-hydroxyphenyl) cyclohexylmethane, 2,2-bis (4-hydroxy) Phenyl) -1-phenylpropane and the like. A dihydric phenol can be used individually by 1 type or in mixture of 2 or more types. Among these, it is preferable to use a bis (4-hydroxyphenyl) alkane compound, particularly bisphenol A, in view of easy availability on the market.
[0013]
On the other hand, the carbonate precursor is not particularly limited, and examples thereof include carbonyl halide, carbonate, haloformate, and the like. Specifically, phosgene, diphenyl carbonate, dihaloformate of dihydric phenol, and a mixture thereof. Etc.
In producing the polycarbonate, a molecular weight adjusting agent, a branching agent, a catalyst and the like can be appropriately used according to the target polycarbonate.
[0014]
The polyester in the present invention is not particularly limited, but the main component is terephthalic acid and / or naphthalenedicarboxylic acid as an acid component, and an aliphatic glycol having 2 to 10 carbon atoms and cyclohexanedimethanol as a diol component. The polyester used as a component is preferably used.
[0015]
Here, when naphthalenedicarboxylic acid is used as the acid component, it is preferable to use 2,6-naphthalenedicarboxylic acid from the viewpoint of easy availability in the market. Moreover, when using C2-C10 aliphatic glycol as a diol component, it is preferable to use ethylene glycol and / or butylene glycol from the point of easy availability on the market.
The “main component” means 90 mol% or more, preferably 95 mol% or more in each component.
[0016]
Specific examples of the polyester include polyethylene terephthalate, polybutylene terephthalate, polyethylene-2,6-naphthalate, polybutylene-2,6-naphthalate, and the like. These may be used alone or in combination of two or more. Can do. Moreover, the copolymer polyester which consists of each component which comprises these polyesters can also be used.
[0017]
In addition, the acid component and glycol component which comprise polyester can coexist other components in the range which does not impair those physical properties.
For example, aromatic dicarboxylic acids other than terephthalic acid (for example, phthalic acid, isophthalic acid, diphenyl dicarboxylic acid, diphenyl ether dicarboxylic acid, diphenoxyethane dicarboxylic acid, diphenylmethane dicarboxylic acid, diphenyl ketone dicarboxylic acid, diphenyl sulfide dicarboxylic acid) , Diphenylsulfone dicarboxylic acid etc.), aliphatic dicarboxylic acid (eg succinic acid, adipic acid, sebacic acid etc.), alicyclic dicarboxylic acid (eg cyclohexane dicarboxylic acid, tetralin dicarboxylic acid, decalin dicarboxylic acid etc.) can do.
[0018]
As diol components, ethylene glycol, propylene glycol, trimethylene glycol, pentamethylene glycol, hexamethylene glycol, octamethylene glycol, xylylene glycol, diethylene glycol, polyethylene glycol, bisphenol A, catechol, resorcinol, hydroquinone, dihydroxydiphenyl, dihydroxy Diphenyl ether, dihydroxy diphenyl methane, dihydroxy diphenyl ketone, dihydroxy diphenyl sulfide, dihydroxy diphenyl sulfone and the like can be appropriately blended.
[0019]
Furthermore, as a copolymerizable oxycarboxylic acid component, oxybenzoic acid, hydroxynaphthoic acid, hydroxydiphenylcarboxylic acid, ω-hydroxycaproic acid, and the like can be blended.
[0020]
The polyphenylene ether in the present invention is a polymer obtained by oxidative polymerization of one or more of the phenol compounds represented by the general formula (1) with oxygen or an oxygen-containing gas in the presence of an oxidative coupling catalyst. is there. The oxidative coupling catalyst used for oxidative polymerization of the phenol compound is not particularly limited as long as it acts as a polymerization catalyst.
[0021]
[Chemical 1]
Figure 0004217878
(Wherein R 1 , R 2 , R Three , R Four And R Five Each independently represents a hydrogen atom, a halogen atom or a substituted or unsubstituted monovalent hydrocarbon group, and R 1 ~ R Five At least one of them is a hydrogen atom. )
[0022]
Substituent R in General Formula (1) 1 ~ R Five Specific examples of are hydrogen atom, chlorine, bromine, fluorine, iodine, methyl, ethyl, n-propyl, i-propyl, n-butyl, s-butyl, t-butyl, chloroethyl, hydroxyethyl, phenylethyl, benzyl. Hydroxymethyl, carboxyethyl, methoxycarbonylethyl, cyanoethyl, phenyl, chlorophenyl, methylphenyl, dimethylphenyl, ethylphenyl, allyl group and the like.
[0023]
Specific examples of the compound represented by the general formula (1) include phenol, o-cresol, m-cresol, p-cresol, 2,6-dimethylphenol, 2,5-dimethylphenol, 2,4-dimethylphenol, 3,5-dimethylphenol, 2-methyl-6-phenylphenol, 2,6-diphenylphenol, 2,6-diethylphenol, 2-methyl-6-ethylphenol, 2,3,5-trimethylphenol, 2, 3,6-trimethylphenol, 2,4,6-trimethylphenol, 3-methyl-6-t-butylphenol, thymol, 2-methyl-6-allylphenol, and the like, and these may be used alone or 2 It can be used in combination of more than one species.
[0024]
Among these compounds, in view of easy availability in the market, 2,6-dimethylphenol or a homopolymer of 2,6-diphenylphenol, 10 to 100 parts by mass of 2,6-xylenol and 0 to 30 It is preferable to use a copolymer with 3 parts by mass of 3-methyl-6-tert-butylphenol or 2,3,6-trimethylphenol.
A phenol compound other than the above general formula (1), for example, a polyvalent hydroxyaromatic compound such as bisphenol A, resorcin, hydroquinone, or novolak resin, and a phenol resin represented by the above general formula (1) are copolymerized. You may let them.
[0025]
In the present invention, the polyphenylene ether is a concept that includes a modified polyphenylene ether resin in which the molding processability of the polyphenylene ether resin is improved. This modified polyphenylene ether refers to a polyphenylene ether containing a styrene resin or a polyamide resin. In this case, as a method of incorporating a styrene resin or a polyamide resin into the polyphenylene ether, a method by mixing may be used, or by graft polymerization. The method may be used.
[0026]
Examples of the styrenic resin that can be used include a polymer composed of one or more structural units selected from styrene, α-methylstyrene, and poly-p-methylstyrene. Specifically, polystyrene is used. Rubber reinforced polystyrene, poly α-methylstyrene, poly p-methylstyrene, styrene-acrylonitrile copolymer, styrene-maleic acid copolymer, and the like. On the other hand, examples of the polyamide resin include polyamide 6 · 6, polyamide 6 and polyamide 4 · 6.
[0027]
Although it does not specifically limit as polyphenylene sulfide in this invention, For example, the polymer containing the repeating unit shown by General formula (2) can be used. In this case, from the viewpoint of improving heat resistance, it is preferable to use a polymer containing 70 mol% or more, particularly 90 mol% or more of the repeating unit represented by the general formula (2).
[0028]
[Chemical formula 2]
Figure 0004217878
[0029]
Moreover, the said polyphenylene sulfide can also comprise 30 mol% or less of the repeating unit by 1 type, or 2 or more types chosen from the repeating unit shown by General formula (3)-(8).
[0030]
[Chemical 3]
Figure 0004217878
[0031]
The method for producing polyphenylene sulfide used in the present invention is not particularly limited, and a conventionally known method, for example, a method for obtaining a polymer having a relatively small molecular weight described in JP-B-45-3368, And a method for obtaining a polymer having a relatively large molecular weight described in JP-B 61-7332.
[0032]
For polyphenylene sulfide, crosslinking / high molecular weight by heating in air, heat treatment under an inert gas atmosphere such as nitrogen or reduced pressure, washing with organic solvent, hot water, acid aqueous solution, acid anhydride, Treatments such as activation with functional group-containing compounds such as amines, isocyanates, and functional group-containing disulfide compounds can be used alone or in combination of two or more.
Appropriate ones of the thermoplastic resins of component (a) described above can be obtained on the market.
[0033]
In addition to the thermoplastic resin of the component (a), a thermoplastic elastomer may be used in combination as necessary. By using this together, the moldability of the composition can be improved. Examples of the thermoplastic elastomer include polyurethane-based thermoplastic elastomers, polyester-based thermoplastic elastomers, polyolefin-based thermoplastic elastomers, polystyrene-based thermoplastic elastomers, and polyamide-based thermoplastic elastomers. These may be used alone or in combination. These can be used in combination. Among these, polyolefin-based thermoplastic elastomers and polyester-based thermoplastic elastomers are preferable from the viewpoint of further improving the molding processability, and polyolefin-based thermoplastic elastomers are particularly optimal.
[0034]
Although it does not specifically limit as a polyurethane-type thermoplastic elastomer, The thing of JIS-A hardness 80 or more and JIS-D hardness 30-60 is preferable, for example, Elastollan (made by Nippon Elastollan Co., Ltd.), Paraprene (manufactured by Nippon Polyurethane Industry Co., Ltd.), Pandex (manufactured by Dainippon Ink & Chemicals Co., Ltd.), Takelac (manufactured by Takeda Birdish Urethane Industry Co., Ltd.), Rezamin (manufactured by Dainichi Seika Kogyo Co., Ltd.), Peresen (made by Dow Chemical Japan), Desmopan (made by DIC Bayer Polymer Co., Ltd.), etc.
[0035]
Although it does not specifically limit as a polyester-type thermoplastic elastomer, The thing of JIS-A hardness 80 or more and JIS-D hardness 30-60 is preferable, for example, Hytrel (made by Toray DuPont Co., Ltd.), perprene -P, S (manufactured by Toyobo Co., Ltd.), Glais (Dainippon Ink Chemical Co., Ltd.), Lomod (Nihon GE Plastics), ARNITEL-E, -P, -S, -Z (manufactured by Akzo) ), RITEFLEX (manufactured by Celanese / Hoechst), PIBIFLEX (manufactured by Montedison), ELASTUF (manufactured by Goodyear), ECTAR (manufactured by Eastman) and the like.
[0036]
Although it does not specifically limit as a polyolefin-type thermoplastic elastomer, The thing of JIS-A hardness 80 or more and JIS-D hardness 30-60 is preferable, for example, Sumitomo TPE (Sumitomo Chemical Co., Ltd. product), Examples include Miralastomer (Mitsui Chemicals), Thermorun (Mitsubishi Chemical).
Although it does not specifically limit as a polystyrene-type thermoplastic elastomer, JIS-A hardness 80 or more and JIS-D hardness 30-60 are preferable, for example, Califlex TR, Kraton G (made by Shell Chemicals Japan Co., Ltd.). ), Ravalon (Mitsubishi Chemical Co., Ltd.), Sumitomo TPE-SB (Sumitomo Chemical Co., Ltd.), Elastomer AR (Aron Kasei Co., Ltd.), Tufprene (Asahi Kasei Kogyo Co., Ltd.), Softpren T ( Philips Petroleum (manufactured by Nippon Elastomer), JSR TR, JSR SIS (manufactured by JSR Corporation), Denka STR (manufactured by Denki Kagaku Kogyo Co., Ltd.), and the like.
[0037]
The polyamide-based thermoplastic elastomer is not particularly limited, but those having a JIS-A hardness of 80 or more and a JIS-D hardness of 30 to 60 are preferable, such as diamide PAE (manufactured by Degussa Huls), Gleasing (Dainippon) Ink Chemical Industries Co., Ltd.), Pebax (manufactured by Atofina Japan Co., Ltd.) and the like.
[0038]
The conductive carbon black which is the component (b) of the present invention has a hardness measured by JIS K 6219 “Hardness of granulated particles” test A method of 2 cN or less.
Here, if the hardness exceeds 2 cN, the pulverizability and dispersibility of the particles decrease, resulting in an increase in the rate of aggregation of the particles in the conductive film or conductive sheet, and the surface smoothness of the obtained film or the like. There is a risk of getting worse. From the viewpoint of enhancing the grindability and dispersibility of the particles, the hardness is preferably 0.5 to 1.5 cN, and particularly preferably 0.8 to 1.4 cN. In addition, when hardness is less than 0.5 cN, as a result of becoming easy to grind | pulverize particle | grains, possibility that the handleability at the time of a process will fall becomes high.
[0039]
The conductive carbon black in the present invention is not particularly limited as long as it satisfies the above-mentioned “hardness of granulated particles” characteristic. Particularly, carbon having an average primary particle diameter of about 20 to 50 nm. Those having a structure in which the particles are secondarily aggregated in a chain form are preferred.
[0040]
Here, if the average primary particle size is out of the above range, there is a high possibility that good conductivity cannot be obtained. In consideration of adjusting the conductivity to a more appropriate range, the average primary particle size is 30 to 30%. It is preferably 45 nm. The conductive carbon black of the present invention is a granulated particle obtained by appropriately granulating secondary agglomerated carbon black, and the average particle diameter is not particularly limited. From the viewpoint of adjusting the “particle hardness” to a predetermined range, it is preferably 0.1 to 3 mm, particularly preferably 0.5 to 2.5 mm. Here, the average particle diameter refers to a value measured by sieving. In addition, as a granulation method, the granulation method used normally can be used suitably.
[0041]
The specific surface area of the conductive carbon black of the present invention is 50 to 1500 m. 2 / G is preferable.
Here, the specific surface area is 50 m 2 If it is less than / g, it is necessary to add a large amount of carbon black in order to obtain the required conductivity, and as a result, there is a high risk of causing a reduction in the strength of the molded body. Conversely, the specific surface area is 1500m 2 When the amount exceeds / g, the viscosity of the composition is excessively increased, so that there is a high possibility that the moldability is lowered. From these points, the specific surface area is 50 to 1400 m. 2 / G, especially 55 to 1350 m 2 / G is preferable. The specific surface area is a value measured by the BET method (nitrogen adsorption method).
[0042]
Furthermore, it is preferable that the dibutyl phthalate (DBP) oil absorption is 100 to 500 mL / 100 g.
Here, when the DBP oil absorption exceeds 500 mL / 100 g, the dispersion state of the carbon black is deteriorated, and there is a high possibility that a large amount of aggregates are formed when the thermoplastic resin composition is molded. On the other hand, when the DBP oil absorption is less than 100 mL / 100 g, there is a high possibility that the conductivity imparting effect will be insufficient. Considering these, the more preferable DBP oil absorption is 130 to 450 mL / 100 g, particularly 150 to 450 mL / 100 g.
[0043]
Examples of the carbon black that satisfies the above conditions include Ensaco 250G and Ensaco 260G (manufactured by Erachem).
The method for producing primary particles is not particularly limited, and a conventionally known method for burning hydrocarbons such as petroleum may be used.
[0044]
The conductive thermoplastic resin composition of the present invention comprises the above (a) thermoplastic resin and (b) conductive carbon black in a mass ratio (a) / (b) of 95/5 to 70/30. It mixes with.
Here, if the blending amount of the component (a) exceeds 95 parts by mass, the component (b) is inevitably reduced, and there is a high possibility that sufficient conductivity cannot be obtained. On the other hand, if the component (a) is less than 70 parts by mass, there is a high possibility of problems in workability.
In the thermoplastic resin composition, the surface resistivity serving as the conductivity index is 10 2 -10 13 (Ω), especially 10 Three -10 12 (Ω) is preferred.
[0045]
The thermoplastic resin composition of the present invention may be a known additive capable of imparting desired physical properties within a range not impairing the effects of the present invention, such as a lubricant, a lubricant, a nucleating agent, a dye / pigment, and a release agent. Additives such as various stabilizers, other thermoplastic resins, reinforcing agents, and fillers can be blended. In this case, the blending amount is usually 0.00 with respect to the total amount of the thermoplastic resin composition. It is about 01-30 mass%.
[0046]
The method for preparing the conductive thermoplastic resin composition of the present invention is not particularly limited, and various known methods can be used. At least the components (a) and (b) coexist. It is preferable to use a method of kneading in a state where the component (a) which is a thermoplastic resin is heated and melted. At this time, the blending order of the components (a) and (b) is not particularly limited.
[0047]
The kneading treatment temperature is not particularly limited as long as the components (a) and (b) can be kneaded in the melted state of the thermoplastic resin, but if the treatment temperature is too high, the resin is decomposed. The temperature is preferably 5 to 50 ° C. higher than the temperature at which the thermoplastic resin component melts, and more preferably 10 to 30 ° C. higher than the melting point of the resin.
[0048]
Further, the melt-kneading treatment time is not particularly limited, but is preferably 10 seconds to 10 minutes, more preferably 30 seconds to 5 minutes.
A particularly preferable production method satisfying these conditions is that a biaxial extruder is used, (a) a thermoplastic resin is introduced into the extruder and melted, and then (b) conductive carbon black is supplied from the side feeder. And kneading extrusion molding.
[0049]
The conductive thermoplastic resin composition melt-kneaded as described above can be directly or via a pellet, and further molded by a known molding method such as extrusion molding or inflation molding, thereby forming a conductive sheet, film, It can be a tape or the like.
In addition, the masterbatch which mix | blended (a) thermoplastic resin and (b) electroconductive carbon black by raising the ratio of (b) component rather than mass ratio 70/30 is manufactured, and electroconductive heat is used using this. A plastic resin composition can also be produced. In this case, the obtained master batch is kneaded again with the component (a), and the ratio of the component (a) to the component (b) may be a pellet prepared within the range of the present invention. The batch may be dry blended to adjust the ratio of the component (a) to the component (b) within the scope of the present invention, and the blend may be formed into a conductive sheet, tape, film, etc. by the various molding methods described above. .
[0050]
As described above, the conductive thermoplastic resin composition of the present invention is obtained by (a) a thermoplastic resin such as (a) polycarbonate having a “granular particle hardness” within a predetermined range as (b) conductive carbon black. Therefore, the dispersibility of carbon black in the composition is remarkably increased, so that the surface smoothness of the obtained sheet and the like can be improved, and stable conductivity can be exhibited. it can.
[0051]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example and a comparative example are given and this invention is demonstrated more concretely, this invention is not limited to the following Example.
[0052]
[Examples 1-8, Comparative Examples 1-3]
[1] Compounding
Using (a) thermoplastic resin shown in Table 1 and (b) conductive carbon black or (b ′) conductive carbon black shown in Table 2 in the proportion shown in Table 3, the following method To make a compound.
[0053]
First, (a) a thermoplastic resin is supplied by a feeder from an original hopper of a twin screw extruder (NR-II 57 mm, manufactured by Nakatani Machinery Co., Ltd.), and when the resin is completely dissolved, (b) or (b ′) Conductive carbon black was forcibly supplied to the extruder through the side feeder, and these components were kneaded to obtain a compound. Then, after cooling this, it was set as the cylindrical pellet (diameter 2mm, length 2-4mm) using the pelletizer. Regarding Example 6, a master pellet of (a) thermoplastic resin / (b) conductive carbon black = 60/40 (mass ratio) was produced in the same manner as described above, and then the master pellet was biaxial. It was set as the pellet by diluting with the remaining (a) thermoplastic resin with an extruder.
[0054]
[Table 1]
Figure 0004217878
[0055]
[Table 2]
Figure 0004217878
[0056]
In Table 2, each physical property was measured by the following method.
(1) Primary particle size
It measured with the transmission electron microscope (TEM).
(2) Specific surface area
It measured by BET method (nitrogen adsorption method).
(3) DBP oil absorption
It measured by the method based on ASTM D-2424-79.
(4) Hardness of granulated particles
It was measured by a method based on JIS K 6219 “Hardness of granulated particles” test A method. At this time, a texture analyzer (TA-XT2, manufactured by SMS) was used as a measuring apparatus.
[0057]
[Table 3]
Figure 0004217878
[0058]
[2] Sheet or film
Using the pellets produced in Examples 1 to 6 and Comparative Examples 1 to 3, inflation molding was performed at a molding temperature of 280 to 320 ° C. to obtain a conductive film having a thickness of 100 μm.
Using the pellets produced in Examples 7 and 8, extrusion was performed at a molding temperature of 295 to 305 ° C. with a T-die extruder (Ishii Vacuum Industry Co., Ltd.) to form a conductive sheet having a thickness of 200 μm. did.
[0059]
About the sheet | seat and film obtained by said each Example and comparative example, the amount of aggregates and electroconductivity were measured and evaluated. The results are shown in Table 4.
In addition, the amount of aggregates and the measurement of electroconductivity were performed with the following method.
[0060]
(1) Aggregate amount measurement
Sheets and films obtained in each Example and Comparative Example were 100 cm. 2 The number of carbon aggregates of 0.2 mm or more observed when irradiated with transmitted light was measured with a microscope, and the dispersibility of carbon black was evaluated according to the following evaluation criteria. The smaller the number of carbon aggregates, the better the dispersibility of carbon black and the better the surface smoothness.
○: 3 or less
Δ: 4-5
X: 6 to 20
XX: 21 or more
(2) Conductivity measurement
The surface resistivity (Ω) (hereinafter abbreviated as SR) was measured by a method based on ASTM D-257. It means that it is excellent in electroconductivity, so that the numerical value of SR is small. In Table 4, the common logarithm value of SR (Ω) is shown.
[0061]
[Table 4]
Figure 0004217878
[0062]
As shown in Table 4, in the sheet or film of each example in which a predetermined amount of conductive carbon black having an aggregate particle hardness of 2 cN or less is blended, the dispersion of carbon black is larger than that of each comparative example. It can be seen that the property is remarkably improved and the surface smoothness is excellent. That is, even if there is almost no difference in the primary particle size, specific surface area, and DBP oil supply amount of carbon black, dispersibility and surface smoothness can be achieved by using carbon black with a low value of “granulated particle hardness”. It was confirmed that it can be improved.
[0063]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, polycarbonate , Po In the resin composition for a conductive sheet or film using rephenylene ether and / or polyphenylene sulfide resin and conductive carbon black, the dispersibility of carbon black, which has been considered difficult in the past, can be remarkably improved. As a result, it is possible to provide a conductive thermoplastic resin composition that has excellent surface smoothness and gives a conductive sheet having stable conductivity.

Claims (1)

(a)ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテルおよびポリフェニレンスルフィドからなる群から選ばれる1種または2種以上の熱可塑性樹脂と、(b)二次凝集したカーボンブラックを造粒することにより得られる造粒粒子からなる導電性カーボンブラックと、を混練する導電性シートまたはフィルム用導電性熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、
前記(b)導電性カーボンブラックのJIS K 6219「造粒粒子の硬さ」試験A法により測定した硬さが、0.5〜1.5cNであり、DBP吸油量が、130〜450mL/100gであり、
前記(a)熱可塑性樹脂と前記(b)導電性カーボンブラックとを質量比(a)/(b)=95/5〜70/30で配合し、前記(a)熱可塑性樹脂が溶融した状態で、前記(a)熱可塑性樹脂と前記(b)導電性カーボンブラックとを混練することを特徴とする導電性シートまたはフィルム用導電性熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
(A) polycarbonate, one or the two or more thermoplastic resins, (b) granulated particles obtained by granulating secondary agglomerated carbon black selected from the group consisting of port polyphenylene ether and polyphenylene sulfide A conductive sheet for kneading the conductive carbon black, or a method for producing a conductive thermoplastic resin composition for a film,
The hardness of the (b) conductive carbon black measured by JIS K 6219 “Hardness of granulated particles” test A method is 0.5 to 1.5 cN, and the DBP oil absorption is 130 to 450 mL / 100 g. And
The (a) thermoplastic resin and the (b) conductive carbon black are blended at a mass ratio (a) / (b) = 95/5 to 70/30, and the (a) thermoplastic resin is melted. And (a) the thermoplastic resin and (b) conductive carbon black are kneaded, and the method for producing a conductive thermoplastic resin composition for a conductive sheet or film.
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