JP4217085B2 - 軸不斉を有する光学活性な4級アンモニウム塩を相間移動触媒として用いるβ−ヒドロキシアミノ酸誘導体の製造方法 - Google Patents
軸不斉を有する光学活性な4級アンモニウム塩を相間移動触媒として用いるβ−ヒドロキシアミノ酸誘導体の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、β−ヒドロキシアミノ酸誘導体の製造方法に関し、より詳細には、軸不斉を有する光学活性な4級アンモニウム塩を相間移動触媒として用いる、グリシン誘導体とアルデヒドとのアルドール反応による、β−ヒドロキシアミノ酸誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
β−ヒドロキシアミノ酸は、種々の生理活性物質の構成成分として有用である。β−ヒドロキシアミノ酸の例として、従来より、バンコマイシン、エキノカルディンD(echinocardin D)、シクロスポリン、カタノシン、ポリオキシンD、およびエムペドペプチンが知られている。また、(2S,3S)−3−ヒドロキシロイシンは、天然のペプチド型抗生物質の鍵構成要素として知られている。
【0003】
このようなβ−ヒドロキシアミノ酸またはその誘導体を得るための、種々の試みが行われている。代表的な試みとしては、β−ヒドロキシアミノ酸またはその誘導体を立体選択的に合成する手法が知られている。
【0004】
β−ヒドロキシアミノ酸またはその誘導体の立体選択的な合成方法には、一般に、酵素法と化学法とが挙げられる。
【0005】
酵素法の例として、組換えD−およびL−トレオニンアルドラーゼに基づくβ−ヒドロキシアミノ酸およびその誘導体の合成方法が開示されている(非特許文献1参照)。この方法によれば、β−ヒドロキシアミノ酸エステルは、Escherichia coli L−トレオニンアルドラーゼおよびXanthomonus oryzae D−トレオニンアルドラーゼをコードする遺伝子をクローン化し、そしてプライマーダイレクティドポリメラーゼ連鎖反応(primer−directed polymerase chain reaction)によってE.coli中に大量発現させることにより製造される。
【0006】
しかし、このような酵素法で得られるβ−ヒドロキシアミノ酸エステルの立体配置は、使用する酵素の種類に応じて決定される特有のものである。その結果、このような酵素法を用いたとしても、所望の立体配置を有するβ−ヒドロキシアミノ酸をその目的に応じて自由に製造し分けることはできないという問題がある。また、このような方法に使用される酵素は安定性に欠け、必ずしも工業的用途に応用することは容易ではない。
【0007】
他方、化学法としては、いくつかの方法が挙げられるが、これらの方法では、化学量論量のキラル補助基が必要となり、工業用用途としては未だ不充分である(例えば、非特許文献2および3を参照)。また、別の化学法として、光学活性なリガンドを有する金錯体を触媒量で使用するプロセス(非特許文献4)および光学活性なリガンドを有するパラジウム錯体を触媒量で使用するプロセス(非特許文献5)が開発されているが、アルドールドナーが悪臭のあるα−イソシアノカルボニル化合物に限定されている点で不充分である。またさらに、ルイス酸を触媒量で使用するプロセスが開示されている(非特許文献6)が、この方法においても得られるβ−ヒドロキシアミノ酸またはその誘導体に、高いエナンチオ選択性が得られないという点で不充分である。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−48866号公報
【非特許文献1】
キムラ(Kimura)ら、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(J.Am.Chem.Soc.)、1997年,119巻,11734〜11742頁
【非特許文献2】
エバンス(Evans)ら、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(J.Am.Chem.Soc.)、1986年,108巻,6757頁
【非特許文献3】
ゼーバッハ(Seebach)ら、ヘルベティカ・ヒミカ・アクタ(Helv.Chim.Acta)、1987年,70巻,237頁
【非特許文献4】
イト(Ito)ら、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(J.Am.Chem.Soc.)、1986年,108巻,6405頁
【非特許文献5】
ロングミア(Longmire)ら、オルガノメタリクス(Organometallics)、1998年,17巻,4374頁
【非特許文献6】
柴崎(Shibasaki)ら、アンゲヴァンテ・ヒェミー・インターナショナル・エディション・イン・イングリッシュ(Angew.Chem.Int.Ed.in Engl.)、1997年,36巻,1871頁
【非特許文献7】
丸岡(Maruoka)ら、オーガニック・レターズ(Org.Lett.)、2000年,41巻,8339頁
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題の解決を課題とするものであり、その目的とするところは、キラルビルディングブロックとして重要なβ−ヒドロキシアミノ酸またはその誘導体を、高いジアステレオ選択性と高いエナンチオ選択性かつ高収率で製造する方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の式(I)で表されるβ−ヒドロキシアミノ酸エステル:
【0011】
【化8】
【0012】
(ここで、R3は、水素原子;C1〜C6の分岐または環を形成していてもよいアルキル基;C2〜C6の分岐または環を形成していてもよいアルケニル基;C2〜C6の分岐または環を形成していてもよいアルキニル基;1つまたは複数の、C1〜C4の分岐していてもよいアルキル基、C1〜C4の分岐していてもよいアルコキシ基、C2〜C4の分岐していてもよいアルケニル基、C2〜C4の分岐していてもよいアルキニル基、またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C6〜C10のアリール基;および1つまたは複数の、C1〜C4の分岐していてもよいアルキル基、C2〜C4の分岐していてもよいアルキニル基、またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C1〜C6のヘテロアリール基;からなる群より選択される基であり、R4は、C1〜C6の分岐または環を形成していてもよいアルキル基であり、そしてR7は、水素原子;C1〜C8の分岐または環を形成していてもよいアルキル基;C2〜C8の分岐または環を形成していてもよいアルケニル基;C1〜C4の分岐していてもよいアルキル基、ハロゲン原子、水酸基、またはニトロ基で置換されていてもよいC6〜C10のアリール基;C1〜C4の分岐していてもよいアルキル基、ハロゲン原子、水酸基またはニトロ基で置換されていてもよいC1〜C9のヘテロアリール基;およびC7〜C12のアラルキル基からなる群より選択される基である)をジアステレオ選択的且つエナンチオ選択的に製造するための方法であって、以下の式(II)で表されるアミノ酸誘導体:
【0013】
【化9】
【0014】
(ここで、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子;および1つまたは複数の、C1〜C4の分岐していてもよいアルキル基、C1〜C4の分岐していてもよいアルコキシ基、C2〜C4の分岐していてもよいアルケニル基、C2〜C4のアルキニル基、またはハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基;からなる群より選択される基であり、ただし、R1およびR2がともに水素原子である場合を除き、そしてR3およびR4は、それぞれ上記に定義された基と同様である)を、有機溶媒および水を含有する二相系溶媒中にて、以下の式(III)で表される光学活性なN−スピロ4級アンモニウム塩:
【0015】
【化10】
【0016】
(ここで、R5およびR6は、それぞれ独立して、水素原子;分岐または環を形成していてもよく、ハロゲン原子で置換されていてもよい、C1〜C6のアルキル基;分岐または環を形成していてもよく、ハロゲン原子で置換されていてもよい、C2〜C6のアルケニル基;分岐または環を形成していてもよく、ハロゲン原子で置換されていてもよい、C2〜C6のアルキニル基;ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C3アルコキシ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよいアラルキル基;ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C3アルコキシ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよいヘテロアラルキル基;ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C3アルコキシ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基;ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4のアルキル基で置換されていてもよいアリール基で置換されたアリール基;ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C3アルコキシ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよいヘテロアリール基;(C1〜C3アルコキシ)カルボニル基;N−(C1〜C4アルキル)カルボニル基;カルバモイル基;N−(C1〜C4アルキル)カルバモイル基;N,N−ジ(C1〜C4アルキル)カルバモイル基(ここで、C1〜C4アルキル基は、互いに同じでも異なっていてもよい)からなる群より選択される基であり、Ar1およびAr2は、それぞれ独立して、C1〜C4のアルキル基、C1〜C3のアルコキシ基、C2〜C6のアルケニル基、C2〜C6のアルキニル基、C1〜C6のアルキル基かC1〜C6のアルコキシ基かハロゲン原子かで置換されていてもよいアリール基、C1〜C6のアルキル基かC1〜C6のアルコキシ基かハロゲン原子かで置換されていてもよいアリール基で置換されたアリール基、C1〜C6のアルキル基かC1〜C6のアルコキシ基かハロゲン原子かで置換されていてもよいヘテロアリール基で置換されたアリール基、C1〜C6のアルキル基かC1〜C6のアルコキシ基かハロゲン原子かで置換されていてもよいヘテロアリール基、C1〜C6のアルキル基かC1〜C6のアルコキシ基かハロゲン原子かで置換されていてもよいアリール基で置換されたヘテロアリール基、C1〜C6のアルキル基かC1〜C6のアルコキシ基かハロゲン原子かで置換されていてもよいヘテロアリール基で置換されたヘテロアリール基、あるいはハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基;およびC1〜C4のアルキル基、C1〜C3のアルコキシ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよいヘテロアリール基;からなる群より選択される基であり、X−は、ハロゲン化物アニオン、SCN−、およびHSO4 −からなる群より選択されるアニオンであり、YおよびZは、それぞれ独立して水素原子;ハロゲン原子;C1〜C4のアルキル基;およびC1〜C3のアルコキシ基;からなる群より選択される基であり、あるいはYおよびZは一緒になって単結合を形成していてもよい)の存在下、式(IV)で表されるアルデヒド:
【0017】
【化11】
【0018】
(ここで、R7は、水素原子;C1〜C8の分岐または環を形成していてもよいアルキル基;C2〜C8の分岐または環を形成していてもよいアルケニル基;C1〜C4の分岐していてもよいアルキル基、ハロゲン原子、水酸基、またはニトロ基で置換されていてもよいC6〜C10のアリール基;C1〜C4の分岐していてもよいアルキル基、ハロゲン原子、水酸基、またはニトロ基で置換されていてもよいC1〜C9のヘテロアリール基;およびC7〜C12のアラルキル基;からなる群より選択される基である)と反応させて、β−ヒドロキシアミノ酸エステルのシッフ塩基を得る工程;ならびに該シッフ塩基を加水分解する工程;を包含する、方法を提供する。
【0019】
好ましい実施態様では、上記式(III)で表される化合物のAr1およびAr2は互いのα位で結合した2,2’−ビナフチル基であり、該化合物は式(III’):
【0020】
【化12】
【0021】
で表される。
【0022】
さらに好ましい実施態様では、上記式(III’)で表される化合物のR5およびR6はともに3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル基である。
【0023】
さらに好ましい実施態様では、上記式(III’)で表される化合物のR5およびR6はともに、水素原子、フェニル基、β−ナフチル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,5−ジ(3,5−ジt−ブチルフェニル)フェニル基、3,5−ジt−ブチルフェニル基、3,5−ジフェニルフェニル基、および3,5−ビス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル基からなる群より選択される基である。
【0024】
好ましい実施態様では、上記式(III)で表される化合物のAr1およびAr2は互いのオルト位で結合した(置換)ビフェニル基であり、該化合物は式(III”):
【0025】
【化13】
【0026】
(ここで、R1’は、水素原子;C1〜C6のアルキル基;C1〜C6のアルコキシ基;C2〜C6のアルケニル基;C2〜C6のアルキニル基;ハロゲン原子;C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、またはハロゲン原子で置換されていても良いアリール基;あるいはC1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、またはハロゲン原子で置換されていても良いヘテロアリール基であり、そしてR2’は、水素原子;C1〜C6のアルキル基;C1〜C6のアルコキシ基;C2〜C6のアルケニル基;C2〜C6のアルキニル基;ハロゲン原子;C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、またはハロゲン原子で置換されていても良いアリール基;C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、またはハロゲン原子で置換されていても良いアリール基で置換されたアリール基;C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、またはハロゲン原子で置換されていても良いヘテロアリール基で置換されたアリール基;C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、またはハロゲン原子で置換されていても良いヘテロアリール基;C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていても良いアリール基で置換されたヘテロアリール基;あるいはC1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、またはハロゲン原子で置換されていても良いヘテロアリール基で置換されたヘテロアリール基である)で表される。
【0027】
本発明はまた、以下の式:
【0028】
【化14】
【0029】
(Arは、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルであり、Xはハロゲン原子である)
で表される化合物を提供する。好適な実施態様では、上記Xは、臭素原子である。
【0030】
好適な実施態様では、上記化合物は、立体配置が(R,R)または(S,S)である。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本明細書中に用いられる用語を定義する。
【0032】
用語「分岐または環を形成していてもよいC1〜C6のアルキル基」は、任意の炭素数1〜6を有する、直鎖、分岐鎖および環状アルキル基を包含していい、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、シクロブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシルおよびシクロへキシルが挙げられる。
【0033】
用語「分岐または環を形成していてもよいC2〜C6のアルケニル基」は、任意の炭素数2〜6を有する、直鎖、分岐鎖および環状アルケニル基を包含していい、例えば、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、1−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、シクロブテニル、ペンテニル、シクロペンテニル、ヘキセニルおよびシクロヘキセニルが挙げられる。
【0034】
用語「分岐または環構造を含んでいてもよいC2〜C6のアルキニル基」は、任意の炭素数2〜6を有する、直鎖、分岐鎖および環状アルキニル基を包含していい、例えば、エチニル、プロピニル、シクロプロピルエチニル、ブチニル、1−メチル−2−プロピニル、ペンチニル、シクロブチルエチニル、およびヘキシニルが挙げられる。
【0035】
本発明における「アラルキル基」の例としては、ベンジル、フェネチル、およびナフチルメチルが挙げられる。
【0036】
本発明におけるヘテロアラルキル基の例としては、ピリジルメチル、インドリルメチル、フリルメチル、チエニルメチルおよびピロリルメチルが挙げられる。
【0037】
本発明における「アリール基」の例としては、フェニル、およびナフチルが挙げられる。また、本発明における「ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4のアルキル基で置換されていてもよいアリール基で置換されたアリール基」の例としては、3,5−ジフェニルフェニルおよび3,5−ジ(3,5−ジt−ブチルフェニル)フェニル、3,5−ビス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)フェニルが挙げられる。
【0038】
本発明における「ヘテロアリール基」の例としては、ピリジル、ピロリル、イミダゾリル、フリル、インドリル、チエニル、オキサゾリル、チアゾリル、およびテトラゾリルが挙げられる。
【0039】
本発明における「ハロゲン原子」の例としては、塩素、臭素、ヨウ素およびフッ素が挙げられる。
【0040】
以下、本発明について詳述する。
【0041】
本発明の方法によって、エナンチオ選択的に製造され得るβ−ヒドロキシアミノ酸誘導体は、以下の式(I):
【0042】
【化15】
【0043】
(ここで、R3は、水素原子;C1〜C6の分岐または環を形成していてもよいアルキル基;C2〜C6の分岐または環を形成していてもよいアルケニル基;C2〜C6の分岐または環を形成していてもよいアルキニル基;1つまたは複数の、C1〜C4の分岐していてもよいアルキル基、C1〜C4の分岐していてもよいアルコキシ基、C2〜C4の分岐していてもよいアルケニル基、C2〜C4の分岐していてもよいアルキニル基、またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C6〜C10のアリール基;および1つまたは複数の、C1〜C4の分岐していてもよいアルキル基、C2〜C4の分岐していてもよいアルキニル基、またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C1〜C6のヘテロアリール基;からなる群より選択される基であり、R4は、C1〜C6の分岐または環を形成していてもよいアルキル基であり、そしてR7は、水素原子;C1〜C8の分岐または環を形成していてもよいアルキル基;C2〜C8の分岐または環を形成していてもよいアルケニル基;C1〜C4の分岐していてもよいアルキル基、ハロゲン原子、水酸基、またはニトロ基で置換されていてもよいC6〜C10のアリール基;C1〜C4の分岐していてもよいアルキル基、ハロゲン原子、水酸基またはニトロ基で置換されていてもよいC1〜C9のヘテロアリール基;およびC7〜C12のアラルキル基からなる群より選択される基である)で表されるβ−ヒドロキシアミノ酸エステルである。
【0044】
上記構造を有するβ−ヒドロキシアミノ酸エステルを製造するにあたり、本発明においては、まず、アミノ酸誘導体とアルデヒドとを、有機溶媒と水とを含有する二相系溶媒中において光学活性なN−スピロ4級アンモニウム塩の存在下、アルドール反応させて、β−ヒドロキシアミノ酸エステルのシッフ塩基を生成させる。
【0045】
本発明に用いられるアミノ酸誘導体は、以下の式(II):
【0046】
【化16】
【0047】
(ここで、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子;および1つまたは複数の、C1〜C4の分岐していてもよいアルキル基、C1〜C4の分岐していてもよいアルコキシ基、C2〜C4の分岐していてもよいアルケニル基、C2〜C4のアルキニル基、またはハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基;からなる群より選択される基であり、ただし、R1およびR2がともに水素原子である場合を除き、そしてR3およびR4は、それぞれ上記に定義された基と同様である)で表される化合物である。
【0048】
式(II)で表されるアミノ酸誘導体の例としては、tert−ブチルグリシネート−ベンゾフェノンのシッフ塩基、ベンズアルデヒドのシッフ塩基、およびp−クロロベンズアルデヒドのシッフ塩基が挙げられるが、特にこれらに限定されない。入手あるいは合成が容易である点から、tert−ブチルグリシネート−ベンゾフェノンのシッフ塩基が好ましい。
【0049】
本発明に用いられるアミノ酸誘導体は、市販のグリシンt−ブチルエステル塩酸塩とベンゾフェノンイミンとを酸触媒の存在下、ジクロロメタン中で反応させることにより、当業者に容易に製造され得る。
【0050】
本発明に用いられる二相系溶媒は有機溶媒と水とを含有する。本発明において使用され得る有機溶媒は、上記アミノ酸誘導体と後述するアルデヒドとのアルドール反応に影響を及ぼさないものであれば、その種類は特に限定されない。このような有機溶媒の例としては、トルエン、ベンゼン、キシレン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、塩化メチレン、メチルt−ブチルエーテルが挙げられる。他方、水には無機塩基を含有していることが好ましい。このような無機塩基の例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化ルビジウム、および水酸化セシウムが挙げられる。水中への上記無機塩基の含有量は特に限定されず、当業者によって適切に選択され得る。また、有機溶媒と水との混合比もまた限定されず、当業者によって適切に選択され得る。
【0051】
本発明の方法に用いられる光学活性なN−スピロ4級アンモニウム塩は、相間移動触媒としての機能を果たす。
【0052】
本発明に用いられる光学活性なN−スピロ4級アンモニウム塩は、以下の式(III):
【0053】
【化17】
【0054】
(ここで、R5およびR6は、それぞれ独立して、水素原子;分岐または環を形成していてもよく、ハロゲン原子で置換されていてもよい、C1〜C6のアルキル基;分岐または環を形成していてもよく、ハロゲン原子で置換されていてもよい、C2〜C6のアルケニル基;分岐または環を形成していてもよく、ハロゲン原子で置換されていてもよい、C2〜C6のアルキニル基;ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C3アルコキシ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよいアラルキル基;ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C3アルコキシ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよいヘテロアラルキル基;ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C3アルコキシ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基;ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4のアルキル基で置換されていてもよいアリール基で置換されたアリール基;ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C3アルコキシ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよいヘテロアリール基;(C1〜C3アルコキシ)カルボニル基;N−(C1〜C4アルキル)カルボニル基;カルバモイル基;N−(C1〜C4アルキル)カルバモイル基;N,N−ジ(C1〜C4アルキル)カルバモイル基(ここで、C1〜C4アルキル基は、互いに同じでも異なっていてもよい)からなる群より選択される基であり、Ar1およびAr2は、それぞれ独立して、C1〜C4のアルキル基、C1〜C3のアルコキシ基、C2〜C6のアルケニル基、C2〜C6のアルキニル基、C1〜C6のアルキル基かC1〜C6のアルコキシ基かハロゲン原子かで置換されていてもよいアリール基、C1〜C6のアルキル基かC1〜C6のアルコキシ基かハロゲン原子かで置換されていてもよいアリール基で置換されたアリール基、C1〜C6のアルキル基かC1〜C6のアルコキシ基かハロゲン原子かで置換されていてもよいヘテロアリール基で置換されたアリール基、C1〜C6のアルキル基かC1〜C6のアルコキシ基かハロゲン原子かで置換されていてもよいヘテロアリール基、C1〜C6のアルキル基かC1〜C6のアルコキシ基かハロゲン原子かで置換されていてもよいアリール基で置換されたヘテロアリール基、C1〜C6のアルキル基かC1〜C6のアルコキシ基かハロゲン原子かで置換されていてもよいヘテロアリール基で置換されたヘテロアリール基、あるいはハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基;およびC1〜C4のアルキル基、C1〜C3のアルコキシ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよいヘテロアリール基;からなる群より選択される基であり、X−は、ハロゲン化物アニオン、SCN−、およびHSO4 −からなる群より選択されるアニオンであり、YおよびZは、それぞれ独立して水素原子;ハロゲン原子;C1〜C4のアルキル基;およびC1〜C3のアルコキシ基;からなる群より選択される基であり、あるいはYおよびZは一緒になって単結合を形成していてもよい)で表される化合物である。
【0055】
本発明においては、上記式(III)で表されるN−スピロ4級アンモニウム塩のうち、Ar1およびAr2が互いのα位で結合した2,2’−ビナフチル基である化合物、すなわち、以下の式(III’):
【0056】
【化18】
【0057】
で表されるN−スピロ4級アンモニウム塩が好ましい。また、式(III’)で表されるN−スピロ4級アンモニウム塩のより具体的な例としては:
【0058】
【化19】
【0059】
(ここで、(β−Np)はβ−ナフチル基を表す)
【0060】
【化20】
【0061】
(ここで、phはフェニル基を表す)
【0062】
【化21】
【0063】
(式中Arは、3,5−ジ−t−ブチルフェニル基または3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基を表す)
が挙げられる。これらは(S,S)体または(R,R)体であることができる。
【0064】
あるいは、本発明においては、上記式(III)で表されるN−スピロ4級アンモニウム塩のうち、Ar1およびAr2が互いのオルト位で結合した(置換)ビフェニル基である、以下の式(III”):
【0065】
【化22】
【0066】
(ここで、R1’は、水素原子;C1〜C6のアルキル基;C1〜C6のアルコキシ基;C2〜C6のアルケニル基;C2〜C6のアルキニル基;ハロゲン原子;C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、またはハロゲン原子で置換されていても良いアリール基;あるいはC1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、またはハロゲン原子で置換されていても良いヘテロアリール基であり、そしてR2’は、水素原子;C1〜C6のアルキル基;C1〜C6のアルコキシ基;C2〜C6のアルケニル基;C2〜C6のアルキニル基;ハロゲン原子;C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、またはハロゲン原子で置換されていても良いアリール基;C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、またはハロゲン原子で置換されていても良いアリール基で置換されたアリール基;C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、またはハロゲン原子で置換されていても良いヘテロアリール基で置換されたアリール基;C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、またはハロゲン原子で置換されていても良いヘテロアリール基;C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていても良いアリール基で置換されたヘテロアリール基;あるいはC1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、またはハロゲン原子で置換されていても良いヘテロアリール基で置換されたヘテロアリール基である)で表されるN−スピロ4級アンモニウム塩が好ましい。また、式(III”)で表されるN−スピロ4級アンモニウム塩のより具体的な例としては:
【0067】
【化23】
【0068】
【化24】
【0069】
が挙げられる。
【0070】
このような式(III’)で表される化合物および式(III”)で表される化合物を包含する上記式(III)の化合物は当業者に公知であり、例えば、特許文献1に記載の方法によって、当業者によって容易に製造され得る。
【0071】
上記式(III)で表されるN−スピロ4級アンモニウム塩の使用量は、上記式(II)で表されるアミノ酸誘導体の1モルに対し、好ましくは0.1モル%〜5モル%、より好ましくは1モル%〜2モル%である。ここで、当該アミノ酸誘導体1モルに対するN−スピロ4級アンモニウム塩の使用量が0.1モル%を下回ると、アミノ酸誘導体と後述するアルデヒドとの間のアルドール反応が効率良く進行しない恐れがある。他方、当該アミノ酸誘導体1モルに対するN−スピロ4級アンモニウム塩の使用量が5モル%を上回っても、アミノ酸誘導体と後述するアルデヒドとの間のアルドール反応はそれ以上効率的に進行せず、むしろ生産性に劣る恐れがある。
【0072】
本発明に用いられるアルデヒドは、以下の式(IV):
【0073】
【化25】
【0074】
(ここで、R7は、水素原子;C1〜C8の分岐または環を形成していてもよいアルキル基;C2〜C8の分岐または環を形成していてもよいアルケニル基;C1〜C4の分岐していてもよいアルキル基、ハロゲン原子、水酸基、またはニトロ基で置換されていてもよいC6〜C10のアリール基;C1〜C4の分岐していてもよいアルキル基、ハロゲン原子、水酸基、またはニトロ基で置換されていてもよいC1〜C9のヘテロアリール基;およびC7〜C12のアラルキル基;からなる群より選択される基である)で表される化合物である。
【0075】
このようなアルデヒドの例としては、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブタナール、2−メチルプロパナール、ペンタナール、3−メチルブタナール、ヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、4−ペンテナール、トリイソプロピルシリルオキシエタナール、3−フェニルプロパナール、およびシクロヘキシルカルボアルデヒドが挙げられる。特に、アセトアルデヒド、3−フェニルプロパナール、ヘプタナール、4−ペンテナール、トリイソプロピルシリルオキシエタナール、およびシクロヘキサンカルボアルデヒドが好ましい。
【0076】
上記式(IV)で表されるアルデヒドの使用量は、上記式(II)で表されるアミノ酸誘導体の1モルに対し、好ましくは1モル〜5モル、より好ましくは1モル〜2モルである。
【0077】
本発明においては、例えば、上記式(III)で表される光学活性なN−スピロ4級アンモニウム塩を含有する二相系溶媒内に、式(II)で表されるアミノ酸誘導体を添加し、その後、上記式(IV)で表されるアルデヒドを添加することにより、アルドール反応が起こる。
【0078】
上記アルドール反応は、例えば、すべての物質を添加後、好ましくは0.5時間〜5時間、より好ましくは1時間〜3時間、攪拌下にて行われる。このとき設定される温度は使用する有機溶媒の性質によって異なるため、特に限定されない。なお、反応条件は、使用するアミノ酸誘導体、相間移動触媒、および/またはアルデヒドの種類によって異なるため、特にこれらに限定されない。
【0079】
上記アルドール反応により、溶媒内にβ−ヒドロキシアミノ酸エステルのシッフ塩基が生成される。その後、こうして得られたシッフ塩基は、当業者が通常用いる方法によって加水分解される。
【0080】
このようにして、効率良くβ−ヒドロキシアミノ酸エステルが製造される。なお、本発明においては、使用する上記式(III)で表されるN−スピロ4級アンモニウム塩が(S,S)体または(R,R)体である場合、よりエナンチオ選択的な合成が可能となりう80%ee以上、より好ましくは80%ee〜99%ee、さらにより好ましくは90%ee〜99%eeの光学純度のβ−ヒドロキシアミノ酸エステルを製造することができる。
【0081】
本発明の方法によって製造されたβ−ヒドロキシアミノ酸エステルは、その高い光学純度によって、医薬品等の中間物質として有効に用いられる。
【0082】
【実施例】
以下、本発明を具体的に記述するために実施例を記載する。しかし、これによって本発明は特に限定されない。
【0083】
<実施例1>
【0084】
【化26】
【0085】
tert−ブチルグリシネート−ベンゾフェノンのシッフ塩基(2)(0.3mmol、88.6mg)および特許文献1に記載の方法に基づいて製造された以下の化合物((S,S)−1):
【0086】
【化27】
【0087】
(2mol%、6.5mg)のトルエン(3.0mL)溶液に、0.5%水酸化ナトリウム水溶液を、アルゴン雰囲気下0℃にて添加し、そして3−フェニルプロパナール(2当量;0.6mmol、79.0μL)を滴下した。この混合物を0℃で2時間攪拌し、水およびエーテルで処理した。エーテル層を分離し、そして飽和NH4Clおよびブラインで洗浄した。有機層をMgSO4を用いて乾燥させ、その後濃縮した。粗反応生成物をテトラヒドロフラン(THF;8.0mL)に溶解させ、1.0NのHCl水溶液を0℃で添加し、そして溶液を1時間攪拌した。
【0088】
減圧下にてTHFを除去した後、残存する水層をエーテルで3回洗浄し、NaHCO3で中和した。次いで、得られた水層をジクロロメタンで3回抽出し、合わせた抽出液をMgSO4で乾燥させ、そして濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液として、メタノール:ジクロロメタン=1:15(容量比)を用いる)により残渣を精製し、対応するβ−ヒドロキシアミノ酸エステル(3)を得た(56.5mg、0.21mmol、収率80%)。
【0089】
なお、得られたβ−ヒドロキシアミノ酸エステル(3)中のエリスロ異性体(アンチ体)の光学純度を分析するために、以下の手法を用いた。
【0090】
β−ヒドロキシアミノ酸エステル(3)(56.5mg、0.21mmol)のジクロロメタン(2mL)溶液に、ベンゾイルクロライド(0.23mmol、27.0μL)およびトリエチルアミン(0.23mmol、32.2μL)を0℃にて添加した。5分間の攪拌の後、この混合物を水中に注ぎ、ジクロロメタンで2回抽出した。抽出液をMgSO4で乾燥させそして濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液として、ジクロロメタン:ジエチルエーテル:ヘキサン=1:2:3(容量比)を用いる)で精製して、アミノ酸エステルのN−ベンゾエート(4)を定量的収率で得た(76.5mg、0.21mmol)。得られたN−ベンゾエート(4)のエリスロ異性体(アンチ体)のエナンチオ選択性に伴う光学純度を、キラルカラム(Chiralcel OD、ヘキサン:2−プロパノール=12:1(容量比)、流速0.5mL/分、滞留時間18.55分および32.70分)を用いるHPLC分析により測定した。得られた値は90%eeであった。
【0091】
他方、上記で得られたβ−ヒドロキシアミノ酸エステル(3)について、1H−NMR分析を行ったところ、エリスロ体(アンチ体)とスレオ体(シン体)との比は73:27であることが見出された。この1H−NMR分析により得られたより詳細な結果を以下の表1および2に示す。また、本実施例で得られた結果を以下の表9にまとめて示す。
【0092】
【表1】
【0093】
【表2】
【0094】
<実施例2>
【0095】
【化28】
【0096】
3−フェニルプロパナールの代わりに、アセトアルデヒド(2当量、0.6mmol)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、β−ヒドロキシアミノ酸エステル(5)を収率52%で得た。
【0097】
さらに、得られたβ−ヒドロキシアミノ酸エステル(5)を、実施例1と同様にしてベンゾイルクロライドおよびトリエチルアミンとを用いてベンゾエート化を行って、アミノ酸エステルのN−ベンゾエートを得、そしてこのN−ベンゾエートのエリスロ異性体(アンチ体)のエナンチオ選択性に伴う光学純度を、キラルカラムを用いるHPLC分析により測定した。得られた値は92%eeであった。
【0098】
他方、上記で得られたβ−ヒドロキシアミノ酸エステル(5)について、1H−NMR分析を行ったところ、エリスロ体(アンチ体)とスレオ体(シン体)との比は70:30であることが見出された。この1H−NMR分析により得られたより詳細な結果を以下の表3および4に示す。また、本実施例で得られた結果を以下の表9にまとめて示す。
【0099】
【表3】
【0100】
【表4】
【0101】
<実施例3>
【0102】
【化29】
【0103】
3−フェニルプロパナールの代わりに、ヘプタナール(2当量、0.6mmol)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、β−ヒドロキシアミノ酸エステル(7)を収率68%で得た。
【0104】
さらに、得られたβ−ヒドロキシアミノ酸エステル(7)を、実施例1と同様にしてベンゾイルクロライドおよびトリエチルアミンとを用いてベンゾエート化を行って、アミノ酸エステルのN−ベンゾエートを得、そしてこのN−ベンゾエートのエリスロ異性体(アンチ体)のエナンチオ選択性に伴う光学純度を、キラルカラムを用いるHPLC分析により測定した。得られた値は91%eeであった。
【0105】
他方、上記で得られたβ−ヒドロキシアミノ酸エステル(7)について、1H−NMR分析を行ったところ、エリスロ体(アンチ体)とスレオ体(シン体)との比は68:32であることが見出された。この1H−NMR分析により得られたより詳細な結果を以下の表5および6に示す。また、本実施例で得られた結果を以下の表9にまとめて示す。
【0106】
【表5】
【0107】
【表6】
【0108】
<実施例4>
【0109】
【化30】
【0110】
3−フェニルプロパナールの代わりに、シクロヘキサンカルボアルデヒド(2当量、0.6mmol)を用い、かつ有機溶媒をトルエンの代わりにジブチルエーテル(3.0ml)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、β−ヒドロキシアミノ酸エステル(8)を収率80%で得た。
【0111】
さらに、得られたβ−ヒドロキシアミノ酸エステル(8)を、実施例1と同様にしてベンゾイルクロライドおよびトリエチルアミンとを用いてベンゾエート化を行って、アミノ酸エステルのN−ベンゾエートを得、そしてこのN−ベンゾエートのエリスロ異性体(アンチ体)のエナンチオ選択性に伴う光学純度を、キラルカラムを用いるHPLC分析により測定した。得られた値は93%eeであった。
【0112】
他方、上記で得られたβ−ヒドロキシアミノ酸エステル(8)について、1H−NMR分析を行ったところ、エリスロ体(アンチ体)とスレオ体(シン体)との比は55:45であることが見出された。この1H−NMR分析により得られたより詳細な結果を以下の表7および8に示す。また、本実施例で得られた結果を以下の表9にまとめて示す。
【0113】
【表7】
【0114】
【表8】
【0115】
【表9】
【0116】
表9に示すように、実施例1〜4のいずれにおいても、β−ヒドロキシアミノ酸エステルが高収率で製造されることがわかる。また、これらの実施例で使用された相間移動触媒である(S,S)−1の化合物とこれらのアルデヒドとを使用することにより、光学純度が極めて高いエリスロ体(アンチ体)β−ヒドロキシアミノ酸エステルが得られることがわかる。
【0117】
<実施例5〜9>
相関移動触媒として、非特許文献7に従って合成した以下の式で表される化合物(R,R)−1:
【0118】
【化31】
【0119】
を用い、そしてRCHOで表されるアルデヒド化合物として、Rがそれぞれ以下の表10に記載されている化合物を用いたこと以外は、上記実施例1〜4と同様に反応および処理を行い、以下の式で表される反応生成物であるそれぞれのβ−ヒドロキシアミノ酸t−ブチルエステルを得た。アンチ/シン生成比およびアンチ体の光学純度を、以下の表11にまとめて示す。なお、実施例9においては、反応溶媒としてジブチルエーテルを用いた。
【0120】
【表10】
【0121】
表10に示すように、実施例5〜9のいずれにおいても、β−ヒドロキシアミノ酸エステルが比較的高収率で製造されることがわかる。また、これらの実施例で使用された相間移動触媒である化合物(R,R)−1とこれらのアルデヒドとを使用することにより、光学純度が極めて高いアンチ体β−ヒドロキシアミノ酸エステルが得られることがわかる。
【0122】
<実施例10> 相関移動触媒(20)の合成
【0123】
【化32】
【0124】
(ここでArは、3,5−ビストリフルオロメチルフェニルを表す。以下同じ)
【0125】
300mLの反応容器に、化合物(11)(9.2g,30mmol)、化合物(12)(18.2g,70mmol)、PPh3 (866mg,3.3mmol)、およびK3PO4・nH2O(25g,90mmol)を秤りとり、ジメチルホルムアミド(DMF;100mL,0.3M)を加えた後、減圧下脱気して反応容器内をアルゴン雰囲気にした。続いてPd(OCOCH3)2 (336mg,1.5mmol)を加え、再び容器内をアルゴン雰囲気とした後、混合液を100℃まで昇温し、一昼夜加熱撹拌した。TLCで反応の終結を確認した後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液中に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。これをエーテルで2回抽出し、集めた有機層を飽和食塩水で洗った後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。エバポレーターで溶媒を除去後、カラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサンのみ)で精製して、化合物(13)を76%の単離収率で得た。
【0126】
NMRスペクトルは以下のとおりであった。
1HNMR(400MHz,CDCl3)δ8.02(4H,s,Ar−H),7.92(2H,s,Ar−H),7.74(2H,d,J=1.6 Hz,Ar−H),7.69(1H,t,J=1.6 Hz,Ar−H),0.40(9H,s,SiCH3)。
【0127】
【化33】
【0128】
200mLの反応容器に、上記化合物(13)(1.7g,30mmol)のCH2Cl2(10mL)溶液を加え、酢酸(60mL,0.5M)を加えた後、N−クロロスクシンイミド(NCS;8.0g,60mmol)、およびNaI(8.9g,60mmol)を順次加えた。これを攪拌しながら100℃で9時間加熱後、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液を反応溶液の色が薄い黄色になるまで加え、エーテルで2回抽出し、集めた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて中和した。再びエーテルで抽出した有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥後溶媒を除去し、ヘキサンから再結晶することにより、化合物(14)を77%の収率で得た。
【0129】
NMRスペクトルは以下のとおりであった。
1HNMR(400MHz,CDCl3)δ8.01(6H,d,J=1.6 Hz,Ar−H),7.94(2H,s,Ar−H),7.70(1H,t,J=1.6 Hz,Ar−H)。
【0130】
【化34】
【0131】
よく乾燥した100mLの枝付き反応容器に、上記化合物(14)(14.6g,23mmol)のTHF(30mL)溶液を加え、−78℃に冷却後i−PrMgBr(0.83MのTHF溶液,33mL,27.6mmol)を加え、0℃に昇温し0.5時間攪拌した。別のよく乾燥した200mLの三つ口反応容器にB(OCH3)3(4.0mL,35mmol)とTHF(45mL)を加え、−78℃に冷却し、よく攪拌しながら、−78℃に冷却した化合物(14)とi−PrMgBrのTHF溶液をカニュラを用いて移し入れた。その後徐々に反応溶液温度を昇温し、室温で一晩攪拌後、1NのHClを加え、更に6時間激しく攪拌した。反応溶液を酢酸エチルで2回抽出し、集めた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー(溶出液:酢酸エチル/ヘキサン =1/2)で精製することにより化合物(15)を82%の収率で得た(monomer/trimer=1:0.3)。
【0132】
NMRスペクトルは以下のとおりであった。
1HNMR(400MHz, CDCl3)δ8.46(0.6H,d,J =2.0Hz,Ar−H,trimer),8.09(1.2H,s,Ar−H,trimer),8.07(4H,s,Ar−H,monomer), 8.04(2H,d, J=2.0Hz,Ar−H,monomer), 7.97(0.9H,s, trimer),7.93(2H,s,Ar−H,monomer),7.86(1H,t,J=2.0Hz,Ar−H,monomer),4.83(2H,s,OH)。
【0133】
【化35】
【0134】
20mLの反応容器に、上記化合物(15)(541mg,1mmol)、化合物(16)(これは、市販の(R)−1,1’−ビ−2−ナフトールから合成した)(263mg,0.45mmol)、PPh3(13mg,0.05mmol)、およびK3PO4・nH2O(387mg,1.3mmol)を秤りとり、ジオキサン(5mL,0.2M)を加えた後、減圧下脱気し、反応容器内をアルゴン雰囲気にした。続いてPd(OCOCH3)2(5mg,0.02mmol)を加え、再び容器内をアルゴン雰囲気とした後、混合液温度を80℃まで昇温し、一昼夜かけて加熱撹拌した。TLCで反応の終結を確認後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液中に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。これをエーテルで2回抽出し、集めた有機層を飽和食塩水で洗った後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。エバポレーターで溶媒を除去後、カラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサンのみ)で精製することにより、化合物(17)を94%の単離収率で得た。
【0135】
NMRスペクトルは以下のとおりであった。
1HNMR(400MHz, CDCl3)δ8.12(8H,s,Ar−H), 7.98−7.94(8H,m,Ar−H),7.80−7.78(6H,m,Ar−H),7.50(2H,dd,J=7.6,7.6Hz,Ar−H),7.33(2H,dd,J=7.6,7.6Hz,Ar−H),7.19(2H,dd, J=8.4Hz,Ar−H),2.07(6H,s,CH3)。
【0136】
【化36】
【0137】
20mLの反応容器に、上記化合物(17)(654mg,0.51mmol)、N−ブロモスクシンイミド(NBS;236mg,1.3mmol)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN;8mg,0.05mmol)、およびベンゼン(5mL)を加え、還流温度まで加熱し、アルゴン雰囲気下で1時間反応させた。反応が完結していることを確認後、反応溶液を飽和亜硫酸水溶液中に加え、0.5時間攪拌し、反応混合溶液をエーテルで2回抽出した。集めた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥後溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー(溶出液:エーテル/ヘキサン=1/10)を用いて精製することにより、化合物(18)を単離収率91%で得た。
【0138】
NMRスペクトルは以下のとおりであった。
1HNMR(400MHz, CDCl3)δ8.17(8H,s,Ar−H),8.06(2H,s,Ar−H),8.00(6H,br,Ar−H),7.94(4H,s,Ar−H),7.88(2H,s,Ar−H),7.60(2H,dd,J=6.8,8.4Hz,Ar−H),7.38(2H,dd,J=6.8,8.4Hz,Ar−H),7.26−7.23(2H,m,Ar−H),4.34(4H,dd,J=10.4,19.2Hz,Ar−CH2)。
【0139】
【化37】
【0140】
20mLの反応容器に、化合物(19)(これは、市販の(R)−1,1’−ビ−2−ナフトールから合成した)(131mg,0.44mmol)、炭酸カリウム(92mg,0.66mmol)、およびアセトニトリル(5mL,0.1M)を加え、室温で0.5時間攪拌させた。その後、上記化合物(18)(672mg,0.47mmol)を加え、溶媒が還流する温度まで昇温し、攪拌しながら4時間加熱した。TLCで化合物(19)の消失を確認後、蒸留水を加えCH2Cl2で2回抽出した後、集めた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を除去後カラムクロマトグラフィで精製することにより、目的の相関移動触媒であるの化合物(R,R)−20を単離収率78%で得た。
【0141】
NMRスペクトルは以下のとおりであった。
1HNMR(400MHz, CDCl3)δ8.92(2H,br,Ar−H), 8.52(2H,br,Ar−H),8.46(2H,s,Ar−H),8.16(2H,d,J=8.4Hz,Ar−H),8.10(4H,br,Ar−H),7.90(4H,br,Ar−H),7.80(4H,d,J=8.4Hz,Ar−H),7.67(2H,dd,J=6.8,7.6Hz,Ar−H),7.54(2H,br,Ar−H),7.49(2H,t,J=7.6Hz,Ar−H),7.40(2H,dd,J=6.8,8.4Hz,Ar−H),7.31−7.16(8H,m,Ar−H),7.06(2H,d,J=8.4Hz,Ar−H),6.59(2H,d,J=8.4Hz,Ar−H),4.91(2H,d,J=13.2Hz,Ar−CH2),4.72(2H,d,J=13.2Hz,Ar−CH2),4.57(2H,d,J=13.2Hz,Ar−CH2),4.63(2H,d,J=13.2Hz,Ar−CH2)。
【0142】
<実施例11>
実施例1において使用した相間移動触媒の代わりに、実施例10において得た化合物(R,R)−20を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、以下の式:
【0143】
【化38】
【0144】
で示されるβ−ヒドロキシアミノ酸化合物(アンチ体)を12:1の生成比で得た。ここで得たアンチ体化合物の光学純度を、実施例1と同様に測定したところ、96%eeであることがわかった。結果を以下の表11にまとめて示す。
【0145】
<実施例12〜14>
RCHOで表されるアルデヒド化合物のRを以下の表11のRに代えたこと以外は、上記実施例11と同様に反応および処理を行い、以下の式で表される反応生成物であるそれぞれのβ−ヒドロキシアミノ酸t−ブチルエステルを得た。アンチ/シン生成比およびアンチ体化合物の光学純度を、以下の表11にまとめて示す。
【0146】
【表11】
【0147】
表11に示されるように、実施例11〜14のいずれにおいても、β−ヒドロキシアミノ酸エステルが高収率で製造されることがわかる。また、これらの実施例で使用された相間移動触媒である化合物(R,R)−20とこれらのアルデヒドとを使用することにより、光学純度が極めて高いアンチ体β−ヒドロキシアミノ酸エステルを得られることがわかる。
【0148】
【発明の効果】
本発明によれば、高いエナンチオ選択性かつ高収率でβ−ヒドロキシアミノ酸誘導体を製造することができる。特に、本発明においては、相間移動触媒として上記式(III)で表されるN−スピロ4級アンモニウム塩のうち、(S,S)体または(R,R)体であるものを使用する場合は、特にエナンチオ選択的に、高光学純度のβ−ヒドロキシアミノ酸エステルを製造することができる。
Claims (8)
- 以下の式(I)で表されるβ−ヒドロキシアミノ酸エステル:
をジアステレオ選択的且つエナンチオ選択的に製造するための方法であって、
以下の式(II)で表されるアミノ酸誘導体:
を、トルエン、ベンゼン、キシレン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、塩化メチレンおよびメチルt−ブチルエーテルからなる群より選択される少なくとも1つの有機溶媒および水を含有する二相系溶媒中にて、以下の式(III)で表される光学活性なN−スピロ4級アンモニウム塩:
および無機塩基の存在下、式(IV)で表されるアルデヒド:
と反応させて、β−ヒドロキシアミノ酸エステルのシッフ塩基を得る工程;ならびに
該シッフ塩基を加水分解する工程;
を包含する、方法。 - 前記式(III’)で表される化合物のR5およびR6がともに3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル基である、請求項2に記載の方法。
- 前記式(III’)に表される化合物のR5およびR6がともに、水素原子、フェニル基、β−ナフチル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,5−ジ(3,5−ジt−ブチルフェニル)フェニル基、3,5−ジt−ブチルフェニル基、3,5−ジフェニルフェニル基、および3,5−ビス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル基からなる群より選択される基である、請求項2に記載の方法。
- 前記式(III)で表される化合物が式(III”):
で表される化合物である、請求項1に記載の方法。 - 前記Xが臭素原子である、請求項6に記載の化合物。
- 立体配置が(R,R)または(S,S)である、請求項6または7に記載の化合物。
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