JP4217009B2 - 陽イオン化合物を用いるポリマー乳濁液の保護 - Google Patents
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Description
【発明の背景】
水をベースとするポリマー乳濁液(ラテックス乳濁液)は、微生物汚染を免れず製品の損傷が発生する。ポリマー乳濁液は水中の有機ポリマーの微細な粒子の分散体である。このポリマー粒子は、界面活性剤および保護コロイドのような追加的な有機物質を含む水性の環境中に分散されそして安定化される。界面活性剤、ポリ(ビニルアルコール)およびヒドロキシエチルセルロースのような保護コロイド、増粘剤および他の添加剤、そしてポリマーそのものはすべて微生物が新陳代謝する炭素栄養の供給物になる。ポリマー乳濁液は従って、微生物の侵襲および繁殖により損傷される。産業上の標準的な常套手段は、製造工程の直後に、様々な産業用殺生物剤(抗微生物剤)を添加することにより、製品のこのような生物劣化に対抗することである。普通に使用される産業用殺生物剤の例は、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(BIT)、および5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(CIT)と2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(MIT)との配合物である。ポリマー乳濁液を保存するために普通に使用される他の殺生物剤の例には、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン(DBDCB)、2,2−ジブロモ−3−ニトリロ−プロピオンアミド(DBNPA)、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール(BNPD)、アルデヒド誘導体、ホルムアルデヒド離型剤、ヒダントイン、および塩素化された芳香族がある。
【0002】
普通に使用されるこれらの殺生物剤は、バクテリアおよび菌類による損傷から様々な種類のポリマー乳濁液を保護するのに通常十分である。しかしながら、ポリ(ビニルアルコール)またはヒドロキシメチルセルロースのような保護コロイドで、そして/あるいは非イオン界面活性剤で安定化されたポリマー乳濁液は、多くの保護システムに対して付加的な圧力および挑戦をもたらす。一般に、この種のポリマー乳濁液製品は、他のポリマー乳濁液に比べてある種の微生物による損傷を一層被る。例えば、酸性の環境中で生存できるそして/あるいはアルコールを新陳代謝する、Gluconoacetobacter liquefaciens(GABL)のような生物劣化源性(biodeteriogenic)の微生物が出現しそして、普通に使用される産業用殺生物剤の存在でさえポリマー乳濁液中で生存し始めている。生物劣化源性微生物には、製品および材料の商業的価値に悪影響を与える可能性のあるバクテリアおよび菌類が含まれる。 いくつかの生物劣化源性微生物はこれらの乳濁液、例えばポリ(ビニルアルコール)で安定化されたポリ(ビニルアセテート−コ−エチレン)コポリマー乳濁液中において認められる環境に十分適応するようになっているので、標準的な産業用殺生物剤はこの種による製品の損傷を製品の全保存寿命にわたって、例えば6〜12週間にわたって防止するのに十分でない。ポリマー乳濁液の生物劣化の問題が顕著に増加しているため、一層有効な保護剤システムを同定する必要を生んでいる。
【0003】
ポリマー乳濁液中の反応されていないモノマーのようなVOC(揮発性有機化合物)は、殺菌作用ではないまでも、静菌作用をある水準で果たし、生物劣化源性の微生物の増殖を阻害できることが知られている。規制論争および環境への関心に呼応して、ポリマー乳濁液技術での最近の発展は、残留するVOCおよび残留するモノマーの水準を減少するに至っている。このようなVOCの減少はいろいろな仕方でポリマー乳濁液に影響を与える。それは例えば、1)微生物の増殖に一層役立つ乳濁液の環境を生み、2)乳濁液の新しい環境を一層快適に感じる新たな微生物の出現を許すであろうし、3)現在の保護技術に対して新たな追加的な挑戦をもたらし、また4)製品の保存寿命にわたって生物劣化を防止する新たな保護方法に対する必要を生む。微生物を有効に殺傷することができまたポリマー乳濁液および他の工業製品を極めて良好に保護することができる殺生物剤はかなりの数があるが、これらのうち限られた数だけがより高級な生物体例えばヒトに対して許容可能な毒性を示す。ポリマー乳濁液の最終用途に対して United State Food and Drug Administration(FDA)の許可が必要である場合、ポリマー乳濁液に添加されることができる有効な殺生物剤の選択の幅はさらに一層狭くなる。接着剤そして食品包装用の紙、おむつ、紙タオル、ベビーワイプ(baby wipe)、および女性の生理用品のような消費者用製品を製造するために多くのポリマー乳濁液が使用される。このように皮膚と直接に接触しまた食品と間接に接触する結果、これらの応用で使用されるポリマー乳濁液は妥当するFDAの許可を得ねはならない。このFDAの許可は皮膚感作のないことを含めて、毒物学的プロフィルが有利であることに基づく。ポリマー乳濁液が必要とするFDAの許可を受けるために、ポリマー乳濁液の成分は、それがポリマー乳濁液中での満足できる性能にとって必要な濃度で使用される場合、保護技術を含めて、FDAの厳格な毒性基準に合格せねばならない。FDAが認可する殺生物剤は使用水準に制限がある。いくつかの場合、生物学的に有効な最低濃度は許容可能な最大濃度より大きい。このことは典型的に製品の過早な生物汚染および生物劣化につながる。加えて、微生物は進化しまた一層普通な産業用殺生物剤のいくつかへの抵抗力を特に許容可能な使用水準で発揮する新たな微生物の出現が始まる。規制が強化されていく情勢、特定の消費者用製品の製造規格、市民の関心によって、殺生物剤の選定および使用は一層複雑化する。例えば、イソチアゾリンは多くの消費者用製品のための広範に使用される抗微生物剤であるが、これの既知の皮膚感作性は多くの消費者用製品に懸念を生じる。このような健康への懸念および微生物への抵抗力は、保護の代替案および新規な保護方法に関する研究につながっている。
【0004】
4級アンモニウム化合物のような陽イオン化合物は抗微生物技術で周知であり、また表面のための殺菌剤として広範に使用されている。例えば、これは病院、学校、幼稚園、レストラン、そして住宅の床、壁、カウンターの上面、機器表面、食品との接触面などを殺菌するために使用される。さらにまた、洗剤と陽イオン化合物との組み合わせは、このような表面を単一の製品によって清浄化しまたは衛生的にするための広範に使用される処方物である。陽イオン化合物は水中で、例えば水泳プール中で藻類および微生物が増殖するのを防止するためにも使用される。陽イオン化合物は工業製品を保護しまた水性の系内での微生物の増殖を防止するために限定的に利用されてきた。
【0005】
GB 1,091,049(1967年)は、ティッシュペーパーの製造工程に際してアルキル化されたグアニジン塩を含ませることにより静菌ティッシュペーパーの製造を開示している。グアニジン塩はシートの形成に先立って紙パルプスラリー中に導入される。
【0006】
米国特許第3,970,755号(Gazzardら、1976年)は、ラウリルベンジルジメチルアンモニウムクロライドまたはセチルトリメチルアンモニウムクロライドと、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンとからなる水性系のための殺生物剤組成物を開示している。
米国特許第4,661,503号(Martinら、1987年)は、グラム陰性バクテリアおよび菌類の増殖を防止するために、n−ドデシルグアニジンハイドロクロライド(DGH)および5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの混合物の組成物を開示している。
米国特許第4,725,623号(Whitekettleら、1988年)は、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールとn−ドデシルグアニジンとの共働的な水性混合物を開示している。
【0007】
米国特許第4,906,385号(Lyonsら、1990年)は、工業冷却水系統の大型無脊椎動物による生物汚染を抑制するために、水溶性のC8〜C18のアルキルグアニジン塩、特にn−ドデシルグアニジンハイドロクロライドの使用を開示している。
米国特許第5,041,463号(Whitekettleら、1991年)は、グルタルアルデヒドとドデシルグアニジンハイドロクロライドとの組み合わせからなる、水性の系、例えばパルプミルまたはペーパーミルの系のための殺菌組成物を開示している。
【0008】
米国特許第5,457,083号(Muiaら、1995年)は、ポリエーテルポリアミノメチレンホスホネート(PAPEMP)と、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ドデシルグアニジンハイドロクロライド、メチレンビスチオシアネート、および5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンのような1つまたはそれ以上の非酸化性の殺生物剤とを含有する共働的な抗微生物組成物を開示している。この組み合わせは製紙、ペイント、接着剤、ラテックス乳濁液、および接合セメントのような種々の工業的応用で水性の系中で有用であると報じられている。実施例では、PAPEMPを非酸化性の殺生物剤に添加すると24時間にわたって水性の系でのバクテリアの殺傷が改善される。
【0009】
El−Zayat Omran,“Disinfectants Effect on the growth and Metabolism of Acetobacter aceti”(Egypt J-Food Sci. 11(1〜2),1983,123〜128ページ)においては、セチルトリメチルアンモニウムブロマイドのような4級アンモニウム化合物を、Acetobacter aceti の増殖および新陳代謝に対抗する殺菌剤として評価している。
Blackie Academic & Professional、1995年刊、H.W.Rossmore編、Handbook of Biocide and Preservative Useの361〜362ページには、化粧品およびトイレトリーを保護するための殺生物性界面活性剤が記載されている。4級アミンは抗微生物物質としての可能性があると報じられている。
【0010】
ポリマー乳濁液、特に、ヒドロキシルを含む保護コロイドで安定化されたもの、そして少量のVOCで安定化されたものを、製品の微生物による生物劣化に対して安定化する方法が依然として求められている。貯蔵寿命(約6〜12カ月)にわたって生物劣化に耐えるポリマー乳濁液組成物もまた求められている。
【0011】
【発明の簡略な要約】
本発明は、コロイドで安定化されたポリマー乳濁液を生物劣化源性の微生物の侵襲および損傷に対して、選択された陽イオン化合物を用いることにより保護する方法に関する。本発明はまた、コロイドで安定化されたポリマー乳濁液と、生物劣化源性の微生物による損傷に耐える陽イオン化合物を含有する組成物にも関する。ポリ(ビニルアルコール)のような保護コロイドで安定化されているポリマー乳濁液を生物劣化源性の微生物から保護するのに特に有効な特定的な陽イオン化合物の例は、置換基が炭素原子2〜18個のアルキル、シクロアルキル、および/またはアリール基であってよい置換ピリジニウム塩、置換グアニジン塩、四置換アンモニウム塩およびポリマー性陽イオン化合物である。陽イオン化合物もまたVOCが小さい(つまり、VOCが1000ppmより小さい)ポリマー乳濁液を保護するのに特に有効である。
【0012】
これらの陽イオン性化合物は、独立の保護剤として有効であり、バクテリアおよび菌類に対する広範囲の殺微生物活性を長期間にわたって示し、あるいはイソチアゾリノン誘導体のような他の殺生物剤と組み合わされて使用されることもできる。
【0013】
陽イオン化合物は陰イオンコモノマー、陰イオン界面活性剤、または陰イオン成分をほとんどまたはまたは全く含有しないポリマー乳濁液中で特に有効である。陽イオン化合物の保護の効力および効能は、表面積の大きなポリマー粒子および/または遊離水性相の非イオン界面活性剤の存在で低下するおそれがある。
本発明のポリマー乳濁液組成物は、接着剤、建築用コーティング、紙用のコーティング、不織布バインダーなどを製造するのに使用するために他の原料とともに配合されまた処方される。
【0014】
【発明に関する詳述】
本発明のポリマー乳濁液は水性媒体中の合成ポリマーおよび合成コポリマーの分散体である。ポリマー乳濁液を製造するのに使用される基本的な原料はモノマー、開始剤、および安定化剤である。モノマーの例には、ビニルアセテート、エチレンおよび他のオレフィン、ブタヂエンのようなジオレフィン、様々なアルキルアクリレート、様々なアルキルメタクリレート、スチレン、ビニルクロライド、ビニルエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、マレエート、および技術上知られた他のものがある。本発明の目的のためのポリマー乳濁液の例には、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ビニルアセテート)コポリマー例えばポリ(ビニルアセテート−コ−エチレン)(VAE)、ポリ(ビニルアセテート−アクリル)例えばポリ(ビニルアセテート−ブチルアクリレート)およびポリ(ビニルアセテート−(2−エチル)ヘキシルアクリレート)、ポリアクリル、ポリメタクリル、ポリ(スチレン−アクリル)、他のポリスチレンコポリマー、ポリ(ビニルクロライド−コ−エチレン)コポリマーなどであり、上記のアクリルはC3〜C10のアルケン酸例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸およびイソクロトン酸そしてこれらのエステルを含んでよい。これらのポリマー乳濁液は、技術上知られた様々な界面活性剤またはヒドロキシエチルセルロースまたはポリ(ビニルアルコール)のような保護コロイドおよび技術上知られた他のものによって安定化されることができる。本発明にとって特に好適なポリマー乳濁液は、ヒドロキシ含有保護コロイド、特にポリ(ビニルアルコール)で安定化されることができる。陰イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤が使用される場合、界面活性剤の拮抗作用を補償するために十分な濃度の陽イオン化合物で補強されねばならない。1000ppmより少ないVOCを含むポリマー乳濁液もまた本発明にとって好適である。ポリマー乳濁液中に存在するVOCのうちには、未反応のモノマー、酢酸、メタノール、アセトアルデヒド、およびホルムアルデヒドがある。
【0015】
本発明で使用されるポリ(ビニルアルコール)は、約5,000〜300,000、望ましくは10,000〜200,000の重量平均分子量を一般に有する。代わりになるべきものとしては、ポリ(ビニルアルコール)は100〜5,000、好ましくは200〜3,500の重合度を有する。あるいは別にポリ(ビニルアルコール)はポリ(ビニルアセテート)の加水分解によって商業的に製造され、また約85%から99%を越える範囲の加水分解水準を典型的に有する。本発明に関しては、加水分解の水準は70%から99%を越える範囲であってよく、望ましくは85〜98%であってよい。分子量および加水分解水準が変化するポリ(ビニルアルコール)の組み合わせを用いる混合ポリ(ビニルアルコール)等級もまた使用されることができる。分子量および加水分解水準は、ポリ(ビニルアルコール)が水性媒体中に少なくとも部分的に可溶であるようなものである。
【0016】
ポリマー乳濁液の微生物汚染は、色彩の変化、臭気、粘度の変化、pHの変化、および可視的な表面成長を含めて、ある範囲の効果を生じる。ポリマー乳濁液は広範囲の生物劣化源性の微生物による汚染にさらされることが知られている。ポリマー乳濁液を汚染することが見いだされている微生物の例には、Aeromonas hydrophilia、Alcaligenes faecalis、Corynebacterium ammoniagenes、Enterobacter aerogenes、Escherichia coli、Klebsiella pneumoniae、Pseudomonas aeruginosa、Proteus vulgaris、Providencia rettgeri、Pseudomonas stutzeri、Shewanella putrefaciens、Serratia liquefaciens、Acinetobacter baumannii、Burkholderia cepacia、Chryseobacterium meningosepticum、Sphingobacterium spiritivorum、Ralstonia pickettii、GABL、Geotrichum candium、Aspergilllus種、Sporothrix種、Trichoderma viride、Cladosporium種、Rhodoturula glutinis、Candida guillermondi、Penicillium種、および Candida tropicalisがある。
【0017】
本発明のポリマー乳濁液を保護するために受けいれることができる陽イオン化合物には、DGHのような置換されたグアニジン塩、セチルピリジニウムクロライド(CPC)のような置換されたピリジニウム塩、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、そしてアルキルジメチルベンズアルコニウムクロライドのような四置換されたアンモニウム塩、ビグアニド、ポリマー性の陽イオン誘導体などがあり、これらでの置換基は炭素原子2〜18個のアルキル、シクロアルキルまたはアリール基である。好ましい陽イオン誘導体には、アルキル基が炭素原子を2〜18個有するアルキルグアニジン塩およびアルキルピリジニウム塩である。アルキルグアニジン塩特にDGHが最も好ましい。
【0018】
陽イオン化合物はポリマー乳濁液の製造過程に際して任意の時にポリマー乳濁液中に添加されることができ、陽イオン化合物は製造後のプロセスにおいて最後の添加剤としてポリマー乳濁液に添加されるのが好ましい。微生物汚染から保護するためにポリマー乳濁液に添加される陽イオン化合物の全量または投入量は、ポリマー乳濁液の湿潤重量に基づき10ppm〜1重量%、望ましくは50〜5000ppmの範囲であってよい。
【0019】
アルキルグアニジン塩、特にDGHを使用することは、ポリ(ビニルアルコール)で安定化されたポリマー乳濁液、特にビニルアセテートをベースとするポリマー乳濁液を汚染するGABLのような生物劣化源性の微生物を殺傷しまたその増殖を阻害するのに極めて効能がありまた有効であることが予想外に見いだされている。しかしながら、陰イオン成分を含めるなどによる、ビニルアセテートをベースとするポリマー乳濁液の組成における僅かな変化は、アルキルグアニジン塩の保護効力及び効能に劇的な影響を与える可能性があることが予想外に見いだされている。理論によって縛られる考えはないが、DGHの保護効力の差異は、これらの乳濁液のあるもののうちに存在する陰イオン界面活性剤および/または陰イオン成分との陽イオン性のDGHの好ましくないまたは競合的な相互作用に帰することができる。このような相互作用は、水性相中で殺微生物活性に必要な陽イオン化合物の濃度を枯渇させることになりうる。
【0020】
DGHの保護効力は、非イオン性の界面活性剤の存在によって悪影響を受けるおそれもある。例えばDGHの保護効力は、保護コロイドと非イオン性界面活性剤との組み合わせで安定化された、ビニルアセテートをベースとするポリマー乳濁液中で減少する可能性がある。
【0021】
陽イオン化合物は、陰イオン置換基をほとんどまたは全く含有せずまた陰イオンまたは非イオン界面活性剤をほとんどまたは全く含有しないポリマー乳濁液中で特に有効である。ほとんどとは、非イオン界面活性剤が臨界ミセル濃度以下であること、また添加された陽イオン化合物のモル濃度以下の陰イオン界面活性剤または置換基を意味する。
【0022】
本発明の陽イオン化合物は単独で使用されることができ、他の既知の産業用殺生物剤、例えば、BIT、CIT、MIT、DBDCB、DBNPA、DNPD、アルデヒド誘導体例えばグルタルアルデヒドおよびホルムアルデヒド、ホルムアルデヒド放出剤例えばジメチロールジメチルヒダントイン、イミダゾリジニル尿素誘導体、ポリメトキシ2環式オキサゾリジン、および1−(3−クロロアリル)−3,5,7−トリアザ−1−アゾニアアダマンタンハイドロクロライド、ヒダントイン、フェノール例えばナトリウムo−フェニルフェニレート、および塩素化芳香族化合物例えばクロルヘキシデン、p−クロロ−m−クレゾールおよびクロロキシレノールとともに使用されることができる。
【0023】
本発明はその単なる例であると考える以下の実施例を考察することによりさらに明白になるであろう。
いくつかの陽イオン化合物の保護効力はこれらを、1000ppmより少ないビニルアセテートモノマーをいくつかが含有する、ポリ(ビニルアルコール)で安定化されたポリ(ビニルアセテート−エチレン)(VAE)コポリマー乳濁液に様々な投入水準で添加することにより確かめられる。得られるポリマー乳濁液は次いでストリンジェントな生物誘発(biochallenge)試験に付した。その詳細を以下に記載する。
【0024】
実施例1
1000ppmより少ないビニルアセテートモノマーを含有するポリ(ビニルアルコール)で安定化されたVAEコポリマー乳濁液(Tg=0)中のいくつかの陽イオン化合物の保護効力を以下の手順に従って評価した。
【0025】
供試微生物:GABL
GABL接種材料の調製
間近に単離されたGABLの培養液を、寒天の表面に植菌することによりジャガイモデキストロース寒天スラント(slants)中で増殖させた。ジャガイモデキストロース寒天スラントを25℃で48〜72時間培養した。この培養期間の後、寒天表面からGABLのコロニーを洗浄除去するために1/4強度のリンゲル溶液を用いてGABL細胞を集菌した。各々のスラントからの洗浄物を無菌のErlenmeyerフラスコで一緒にした。微生物の最終的な生存数を108〜1010CFU/mLの範囲となるように、スラントの数およびGABLコロニーを洗浄除去するために使用した1/4強度のリンゲル溶液の量を操作手順に際して調整した。
【0026】
迅速自動化バクテリアインピーダンス技術(RABIT):Don Whitley Scientific,Ltd によって製造され、Microbiology Internatinal から入手される。RABITは、所与の試料の微生物活性を検出しそして評価するためにインピーダンス微生物学の原理を利用する。RABITを使用し、活発に呼吸する微生物によって生じる二酸化炭素の量を測定することにより微生物の新陳代謝をモニターした。RABIT試験セル中の電極を、水酸化カリウムを含有するアルカリ性の寒天で部分的に被覆した。培養された試験試料をRABITでモニターする際、微生物の新陳代謝から生成する二酸化炭素は、アルカリ性の寒天によって吸収される結果導電性が変化する。導電性を経時的にモニターしそして導電性の予め規定した減少率に到達する時間を検出までの時間(TTD)と称する。従って、TTDが短いほど、存在する微生物の数は多い。72時間のRABITモニター期間中の任意の時に、予め規定した値(製造者によって―10マイクロシーメンスが推奨される)に等しいかそれより大きく続いて3回導電性が減少すると不合格と定義されることができる。あるいは別に、導電性に予め規定された全体的な変化があると不合格と定義されることができる。
【0027】
生物誘発試験の手順:
試験用の殺微生物剤を含有する各々の試験乳濁液の試料(各々50g)を1.0mLのGABL植菌液中で培養した。十分に混合した後、試料を30℃の培養器内に入れた。1、2および6日間培養後、GABL微生物の生存率を評価するため各々の試料をジャガイモデキストロース寒天にストリークした。増殖を評価するに先立ってジャガイモデキストロース寒天プレートを25℃で48〜72時間培養した。培養の7日目に、新たに調製したGABL植菌材料を用いて再度植菌し、十分に混合し、次いで培養器内に戻し入れた。第2の植菌以来1日、2日そして6日にわたって培養した後、ジャガイモデキストロース寒天に再び試料をストリークした。試験開始後の14日目に、新たに調製した別なGABL植菌材料を用いて3度目の植菌を行い、次いで培養器内に戻し入れた。第3の植菌以来1日、2日、6日そして13日、培養した後、ジャガイモデキストロース寒天に再び試料をストリークして、生存する微生物を評価した。試験での不合格はジャガイモデキストロース寒天ストリークプレート評価から認められる>300CFU/10μLの生存可能微生物数と定義される。
【0028】
RABITによる生物誘発試験の手順:
試験用殺微生物剤を含有する乳濁液試験試料(50g)に少量の微生物栄養を添加した。次いで、得られる試料を1.0mlのGABL植菌材料を用いて植菌した。十分に混合した後、各々の試験試料の分取(5g)を別個なRABITの間接導電性チューブ内に入れた。次いで間接導電性チューブを30℃に保持したRABIT培養器モジュール内に入れそして導電性の変化を72時間までにわたってモニターした。各試験試料の残部をRABITのモニター期間にわたって30℃の培養器内に保管した。RABITのモニター期間の終了時に、分取試料を各々の試料容器内に戻し入れた。次いで、新たに調製したGABL植菌材料を用いて各々の試験試料を再度培養した。十分に混合した後、各々の試験試料の分取(5g)を新規なRABITの間接導電性チューブ内に再度入れそして以前と同じくRABITでモニターした。植菌およびRABIT導電性モニターに関するこの手順を、試料が不合格になるまで、あるいは失敗せずにいくつかの植菌が合格するまで3日おきまたは4日おきに反復した。
【0029】
結果:
表1は、0℃のTgを有しまた部分的に加水分解されたポリ(ビニルアルコール)のみによって安定化されまた1000ppmより少ないビニルアセテートモノマーを含有するVAEコポリマー乳濁液中でのGABLの増殖を制御しまた阻害する効力について、様々な種類の陽イオン化合物を標準の産業用殺生物剤と比較して示す。データから、使用する陽イオンまたは殺生物剤の種類に依存して、このポリマー乳濁液の環境で保護効力に劇的な差異があったことは明白である。例えば、200ppmのDGH投入率では、GABL植菌材料への7回の植菌を通じてGABLの成長を制御しまた阻害することによりGABLに対して顕著な殺微生物活性が発揮された。ポリ(ヘキサメチレンビグアニド)ハイドロクロライド、クロルヘキシジン、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)、およびベンズアルコニウム誘導体の同様な投入率は有効でなく、最初のGABL植菌の直後に試験に不合格になった。好適な保護効力を達成するためにはこれらの陽イオン化合物はより大きな投入率水準を必要とする。CIT/MIT、DBNPA、DBDCB、およびグルタルアルデヒドのような普通の産業用殺生物剤はすべて劣る保護剤であった。感作の問題およびFDAの規制のためにCIT/MITの使用は50ppmに制限されまたDBNPAは100ppmに制限された。CIT/MITとDGHとの組み合わせによって添加剤の効果が得られた。店頭売りのうがい薬中にある活性的な殺微生物剤であるCPCは、GABLに対しても有効であり、300ppmの投入率で5回の植菌に合格した。
【0030】
200ppmのジデシルジメチルアンモニウムクロライドまたはジアルキルジメチルアンモニウムクロライドは、2〜3回の植菌によってGABL成長を阻害することにより、これらの試験条件下で中程度に有効であった。450および500ppmであってさえグルタルアルデヒド、DBDCBおよびDBNPAのような既知の他の殺微生物剤はGABLに対して有効でなかったので、これらの結果は予想外であった。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
実施例2
DGHの投入濃度を変化し、またポリマー乳濁液の組成を変化することによりDGHの保護効力をさらに試験した。他は実施例1に記載した手順に従った。この手順からのデータを表2に総括する。
GABLの成長に対してポリマー乳濁液を防護しそして保護するDGHの能力は、ポリマー乳濁液の種類および組成に関連して劇的に異なった。例えば、DGHは、ポリ(ビニルアルコール)で安定化されたVAEコポリマー乳濁液中でGABLの増殖制御において極端に堅牢でありまた有効であった。しかしながら同一の水準で、DGHは陰イオンコモノマーまたは陰イオン界面活性剤をかなりの量含有するVAEコポリマー乳濁液中で保護効力を示さなかった。さらに、VAE乳濁液を製造するためにパーサルフェート/ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレートのようなある種の開始系を使用する場合、DGHの保護効力は減少した。非イオン界面活性剤が実質的な量で存在するとDGHの保護効力もまた減少した。
【0035】
【表4】
【0036】
実施例3
1000ppmより少ないビニルアセテートを含有する、ポリ(ビニルアルコール)で安定化されたVAEコポリマー乳濁液(Tg=0)中でのいくつかの陽イオン化合物の保護効力を以下の手順に従って評価した。
【0037】
試験用微生物:
Aeromonas hydrophilia、Alcaligenes faecalis、Corynebacterium ammoniagenes、Enterobacter aerogenes、Escherichia coli、Klebsiella pneumoniae、Pseudomonas aeruginosa、Proteus vulgaris、Providencia rettgeri、Pseudomonas stutzeri、Shewanella putrefaciens、Serratia liquefaciens、Acinetobacter baumannii、Burkholderia cepacia、Chryseobacterium meningosepticum、Sphingobacterium spiritivorum、Ralstonia pickettii および GABL。
【0038】
混合バクテリアプール植菌材料の調製
寒天表面に植菌することにより各々のバクテリア培養物を栄養寒天スラントで個々に成長させた。ただし、GABLをジャガイモデキストロース寒天スラントで増殖させた他は、栄養寒天スラントを30℃で24〜48時間培養しそしてジャガイモデキストロース寒天スラントを25℃で48〜72時間培養した。この培養期間の後、1/4強度のRinger溶液を使用してバクテリアコロニーを寒天表面から洗浄除去して細胞を集菌した。すべてのスラントからの洗浄物を1つの無菌の Erlenmeyer フラスコに入れて一緒にした。この手順に際して、スラントの数およびバクテリアコロニーを洗浄除去するのに使用したRinger溶液の量を調整して、最終的な混合した微生物の生存可能数108〜1010CFU/mLの範囲を得た。
【0039】
バクテリアの生物誘発試験の手順
実施例1に記載したようにRABITの手順に従ったが、ただしGABL植菌材料の代わりに試験試料を接種するために混合バクテリアプール植菌材料を使用した。
様々なバクテリア種に対するDGHおよびCPCの広範囲な保護効力を表3に示す。他の陽イオン化合物と比べてDGHはさらに効能および効力を最も示した。投入量200ppmでDGHは、7回の植菌によって混合バクテリアの成長を阻止した。400ppmでCPCは200ppmでのDGHと同程度の効果を示した。
【0040】
【表5】
【0041】
実施例4
1000ppmより少ないビニルアセテートを含有する、ポリ(ビニルアルコール)で安定化されたVAEコポリマー乳濁液(Tg=0)中での様々な陽イオン化合物の殺菌的な保護効力を以下の手順に従って評価した。
酵母:Rhodoturula glutinis、Candida guillermondi および Candida tropicalis。
カビ:Geotrichum candidum、Aspergillus種、Sporothrix種、Trichoderma viride および Cladosporium種。
【0042】
混合酵母植菌材料の調製:
寒天の表面に植菌することにより各々の酵母培養物をジャガイモデキストロース寒天プレート上で個別に増殖させた。次いでジャガイモデキストロース寒天プレートを25℃で3〜7日間培養した。この培養期間の後、寒天表面からコロニーを洗浄除去するのに1/4強度のRimger溶液を使用することにより酵母細胞を集菌した。洗浄物を1つの無菌の Erlenmeyerフラスコに入れて一緒にした。この手順に際して、使用したプレートの数および細胞を洗浄除去するのに使用した Ringer 溶液の量を調整して、最終的な混合した微生物の生存可能数106〜107CFU/mLの範囲を最後に得た。
【0043】
混合カビ植菌材料の調製
寒天の表面に植菌することにより各々のカビ培養物をジャガイモデキストロース寒天プレート上で個別に増殖させた。次いでジャガイモデキストロース寒天プレートを25℃で3〜7日間培養した。この培養期間の後、寒天表面からコロニーを洗浄除去するのに0.005%のジオクチルスルホスクシネート水溶液を使用することによりカビ細胞を集菌した。洗浄物を無菌のチーズクロスを通じて濾過しそして1つの無菌の Erlenmeyerフラスコに入れて一緒にした。この手順に際して、使用したプレートの数および細胞を洗浄除去するのに使用した0.005%のジオクチルスルホスクシネートの量を調整して、最終的な混合した微生物の生存可能数106〜107CFU/mLの範囲を得た。
【0044】
真菌生物誘発試験の手順:
試験用の殺微生物剤を含有するポリマー乳濁液の各試験試料(50g)を0.5mLの混合酵母植菌材料に植菌した。次いで十分に混合した後、開放した試料容器を、20gの無菌バーミキュライトと80gの無菌水とを含有するより大きい第2の容器内に入れた。次に、0.5mLの混合カビ植菌材料を用い、乳濁液試験試料の全表面にわたってカビ植菌材料を分布させることにより各々の試験試料を接種した。試料はさらに混合しなかった。試験試料の表面を撹乱するのを最小にするため、より大きなバーミキュライト容器内に、より小さい乳濁液試験試料の容器を開放して放置し、バーミキュライト容器の上に蓋を置いた。次に試料を25℃で28日間培養した。28日の培養期間の後、試験試料の表面を撹乱することなくバーミキュライト容器を開放しそして表面での真菌の増殖の存在を視覚的に評価した。この所見を、増殖なし、僅かな増殖、中程度の増殖、ひどい増殖または濃密な増殖として記録した後、試料を完全に混合しそして微生物の生存水準を評価するために各々の試料をジャガイモデキストロース寒天上に薄く塗った。増殖を評価する前に、ジャガイモデキストロース寒天プレートを25℃で3〜5日間培養した。
【0045】
表4は酵母およびカビに対する特定の陽イオン化合物の保護効力のデータを示す。ポリ(ビニルアルコール)で安定化された、200ppmのDGHを含有するポリ(ビニルアセテート−コ−エチレン)コポリマー乳濁液は、カビまたは酵母に対する良好な防護を提供した。酵母およびカビに対する最も効力の大きな保護剤は300ppmのCCPまたは40ppmのCIT/MITと200ppmとの組み合わせのいずれかであった。
【0046】
【表6】
Claims (9)
- ポリ(ビニルアルコール)によって安定化されるポリマーの水性乳濁液、及び、置換されたグアニジン塩、ポリマー陽イオン化合物及びこれらの混合物からなる群から選択される陽イオン化合物を含み、生物劣化性微生物による汚染に耐えるポリマーの水性乳濁液組成物であって、置換されたグアニジン塩が炭素原子2〜18個を有するアルキル、シクロアルキルまたはアリール基で置換されており、そして陽イオン化合物は上記ポリマーの水性乳濁液の湿潤重量を基準として10ppmから1重量%の範囲の量で存在し、また上記ポリマーの水性乳濁液が陰イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤をほとんどまたはまったく含有せず、そして陰イオン置換基をほとんどまたはまったく含まず、さらにポリマーの水性乳濁液が、ポリ(ビニルアセテート−コ−エチレン)、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ビニルアセテート−ブチルアクリレート)、ポリ(ビニルアセテート−(2−エチル)ヘキシルアクリレート)、ポリアクリル、ポリメタクリル、ポリ(スチレン−アクリル)及びポリ(ビニルクロライド−コ−エチレン)からなる群から選択される上記ポリマーの水性乳濁液組成物。
- 陽イオン化合物が、n−ドデシルグアニジンハイドロクロライド、ポリ(ヘキサメチレンビグアニド)ハイドロクロライド及びこれらの混合物からなる群から選択される請求項1に記載のポリマーの水性乳濁液組成物。
- 陽イオン化合物がn−ドデシルグアニジンハイドロクロライドである請求項2に記載のポリマーの水性乳濁液組成物。
- 他の産業用殺生物剤を1つまたはそれ以上さらに含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリマーの水性乳濁液組成物。
- 1つまたはそれ以上の産業用殺生物剤が、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンまたはこれらの混合物である請求項4に記載のポリマーの水性乳濁液組成物。
- ポリマーの水性乳濁液がポリ(ビニルアセテート−コ−エチレン)またはポリ(ビニルアセテート)である請求項5に記載のポリマーの水性乳濁液組成物。
- ポリマーの水性乳濁液の湿潤重量を基準として10ppmから1重量%の範囲の量の1つまたはそれ以上の陽イオン化合物と、ポリマーの水性乳濁液とを混合することからなり、該陽イオン化合物は置換されたグアニジン塩、ポリマー陽イオン化合物及びこれらの混合物からなる群から選択され、ここで置換されたグアニジン塩が、炭素原子2〜18個を有するアルキル、シクロアルキルまたはアリール基で置換されており、また上記ポリマーの水性乳濁液が陰イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤をほとんどまたはまったく含有せずそして陰イオン置換基をほとんどまたはまったく含まず、さらにポリマーの水性乳濁液が、ポリ(ビニルアセテート−コ−エチレン)、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ビニルアセテート−ブチルアクリレート)、ポリ(ビニルアセテート−(2−エチル)ヘキシルアクリレート)、ポリアクリル、ポリメタクリル、ポリ(スチレン−アクリル)及びポリ(ビニルクロライド−コ−エチレン)からなる群から選択される、ポリ(ビニルアルコール)を含有するポリマーの水性乳濁液の生物劣化性微生物による汚染を防止する方法。
- 1つまたはそれ以上の陽イオン化合物の量がポリマーの水性乳濁液の湿潤重量を基準として50〜5000ppmの範囲である請求項7に記載の方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリマーの水性乳濁液組成物を含有する接着性組成物。
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