JP4216959B2 - 超音波散布チューブ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、体内に薬剤あるいは接着剤等の散布剤を散布するための超音波散布チューブに関する。
【0002】
【従来の技術】
医療用の薬剤注入用チューブの例が特願平1−60399に記載されている。この薬剤注入用チューブは、胆石溶解剤を胆嚢に導くのに適したものであり、その先端部に複数の薬剤放出孔を設け、外部のポンプからこの薬剤注入用チューブ内に薬剤を送り込み、薬剤放出孔を通じて胆嚢内に注入することができる。また、これとは別に、チューブ先端を絞ったり、ノズル部品を取り付けることにより、液体を散布できるタイプの薬剤注入用チューブもよく知られている。これらの薬剤注入用チューブを用いることにより、体内の所要部位まで所要の薬剤を導くことができる。
【0003】
【発明が解決すべき課題】
上述のような従来の薬剤散布チューブは、散布の目的によっては機能的に問題は無いが、しかし、非常に細かい粒子(霧状)にして散布するような場合には、これら従来の散布チューブでは不完全な場合があった。特に、気管支内視鏡(以下、気管支鏡という)の挿入に際し、気管支内部をキシロカイン等の麻酔薬を噴霧することにより麻酔作用を期待する場合、上述のようなタイプの薬剤注入用チューブでは先端ノズルの形状等を工夫しても、十分細かい粒子の状態で散布することができない場合が多かった。
【0004】
本発明は、以上の点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、散布剤を極めて細かい粒子に細粒化して体内の所要部位に噴霧することのできる超音波散布チューブを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、体内に挿入される中空構造の挿入部材と、前記挿入部材の先端部に設けられた散布剤収容部と、前記挿入部材の先端部に前記散布剤収容部の近傍に位置して設けられた散布剤放出口と、超音波振動を発生する超音波振動子と、前記超音波振動子で発生した超音波振動を前記散布剤収容部内に収容された散布剤に伝達し、その散布剤を細粒化して前記散布剤放出口から放出させる超音波プローブと、を備えたことを特徴とする超音波散布チューブである。
請求項2に係る発明は、前記散布剤放出口は、前記挿入部材の先端部に形成した複数の孔で形成したことを特徴とする請求項1に記載の超音波散布チューブである。
請求項3に係る発明は、前記散布剤放出口は、前記挿入部材の先端部に設けた凹状の開口部で形成したことを特徴とする請求項1に記載の超音波散布チューブである。
請求項4に係る発明は、前記散布剤放出口は、前記挿入部材の先端部に前記挿入部材の長手方向に対して斜めに形成した開口部であることを特徴とする請求項1に記載の超音波散布チューブである。
請求項5に係る発明は、前記散布剤収容部は、前記挿入部材の先端部内に前記挿入部材の基端側部位よりも内径の大きな液溜め凹部により形成したことを特徴とする請求項1に記載の超音波散布チューブである。
請求項6に係る発明は、前記超音波振動子は、前記挿入部材の基端側に設けられ、前記超音波プローブは、前記挿入部材内に挿通されてプローブの先端部が前記散布剤収容部内に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の超音波散布チューブである。
請求項7に係る発明は、前記散布剤収容部内に配置される前記超音波プローブの先端部が他の部分よりも大径であることを特徴とする請求項6に記載の超音波散布チューブである。
請求項8に係る発明は、前記超音波振動子は、前記散布剤収容部内に配置され、前記超音波プローブを兼ねることを特徴とする請求項1に記載の超音波散布チューブである。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1の(A)は、本発明の第1実施形態による硬性超音波散布チューブ10の全体構造を示す。
この超音波散布チューブ10は、手元側に配置された中空構造の超音波振動子1を有し、この超音波振動子1の先端側には、超音波振動を増幅する略円錐台状のホーン2が固定的に接続されている。このホーン2の先端側にはネジを形成してあり、体内に挿入される挿入部材である中空構造のプローブ3がこのネジを介して螺合され、固定されている。
【0007】
この中空構造のプローブ3は、その先端部の内部に、体内に散布するための散布剤を一時的に保持する散布剤収容部11を形成し、散布剤放出口である先端開口から、後述するように超音波振動で散布剤を細粒化して放出するものである。
【0008】
また、超音波振動子1は、液密構造を持ったカバー4でその全体を覆われている。このカバー4の後端部には、送液管部材5を接続するための口金6が設けられており、この口金6から超音波振動子1とホーン2とプローブ3とを貫通する中空チャンネルが形成される。そして、送液管部材5を介してこの中空チャンネル内に、本実施形態では散布剤として液体が送込まれ、先端部に位置する散布剤収容部内に保持される。
【0009】
更に、カバー4からは、細長いケーブル8が延出されており、このケーブル8内に延設された電気線路を介して超音波振動子1と、外部のジェネレータ7とが接続されている。
【0010】
この実施形態における超音波散布チューブを通じて液体を散布する場合は、ジェネレータ7内部に設けれらた図示しない発振用電源手段で超音波振動子駆動用発振手段(図示しない)を駆動し、ケーブル8を介して超音波振動子1に駆動電流を伝達する。超音波振動子1は、この電流を超音波振動に変換し、さらにホーン2がその振幅を増幅する。このホーンで増幅された超音波振動は、プローブ3に伝達され、このプローブ3を介して、先端部に設けられた散布剤収容部11に伝達される。
【0011】
ここで、図1の(B)は、プローブ3で伝送される超音波振動の振幅と、超音波振動の腹fおよび節nの位置とを概略的に示したものである。この超音波振動するプローブ3は、図示のように、プローブ3の先端位置9が超音波振動の腹の位置になるように形成されており、そこで最大振幅を発生するような構成になっている。このため、先端位置で開口する先端開口および散布剤収容部11の近部で、最大振幅が発生する。矢印vは、振動方向を示す。
【0012】
したがって、送液管部材5を介して、シリンジ(図示しない)や輸液ポンプ(図示しない)等の手段により押し出された液体は、送液管部材5を介してプローブ3の先端部に設けられた散布剤収容部11まで送液され、そこで発生している超音波振動により、霧状に細粒化されて、先端開口から目的の部位に向かって噴霧されることになる。なお、このように散布する液体は、予め散布剤収容部11内に所定量を保持しておいてもよく、あるいは、上述のようにシリンジあるいはポンプ等により、送液管部材5を介して連続的に散布剤収容部11に供給しつつ先端開口から連続的に霧状に細粒化させて噴霧してもよいことは明らかである。
【0013】
この超音波散布チューブ10の使用により、たとえば腹腔鏡下手術においては、手術中に発生した出血部の止血や、術後の癒着防止のために噴霧する凝固剤を効果的に散布することが可能となる。
【0014】
次に図2から図5を参照して本発明の第2乃至第6実施形態による超音波散布チューブについて説明する。尚、以下に説明する図2から図5に示すそれぞれの実施形態では、上述の第1実施形態における超音波散布チューブ10と基本的な構成はほぼ同じであるため、異なる部分についてのみ説明する。
【0015】
図2に示す第2実施形態では、散布剤放出口を、プローブ3先端側に設けた複数の孔12a,12bで形成してある。これらの孔12a,12bの数、配置パターン、あるいは、各孔12a,12bの大きさおよび形状等を変更することにより、各種の噴霧状態を設定することができる。
【0016】
例えば、図2の(A)では、半球状の先端壁部に形成した複数の孔12aで散布剤放出口を形成し、図2の(B)では、プローブ3先端側端面と側面との両方に設けた複数の孔12bで散布剤放出口を形成してある。この図2の(B)に例示する散布剤放出口の場合には、プローブ先端方向のみならず、側方にも液体を噴霧することが可能であるため、例えば気管支等のような管腔臓器に対する使用において、前方および側壁の双方に液体噴霧することが可能である。更に、このようにプローブ3の先端面と側面との両方に孔12bを有するタイプでは、骨や人工骨(図示しない)に薬液を染込ませる必要のある場合、これらの骨や人工骨の所要部位に孔を開け、この孔内にプローブ3の先端部を挿入し、薬液をほぼ均一に染込ませることが可能となる。いずれの場合においても、孔12a,12bの数、配置パターン、あるいは、各孔12a,12bの大きさおよび形状等を必要に応じて変更可能なことは明らかである。
【0017】
図3に示す第3実施形態による超音波散布チューブは、散布剤放出口を、プローブ先端に設けたに凹状の開口部13で形成してある。このタイプでは、プローブ3の先端側方向に限定した散布が可能であり、先端側に局所的に散布が必要な手技に特に効果的である。
【0018】
図4に示す第4実施形態では、散布剤放出口を、プローブ3の先端に設けた斜め開口部14で形成してある。このタイプでは、先端側でかつ若干斜め方向に散布を集中させる場合に特に有用である。散布方向は、先端の斜め開口部14の角度を変化させることにより所望の方向に設定できる。
【0019】
図5に示す第5実施形態では、散布剤収容部を、プローブ3先端部の内側に設けて散布する液体を溜まりやすくさせた液だめ凹部15で形成してある。この第5実施形態では、散布する液体はプローブ3の先端部に溜まりやすく、また通常よりも多めの液体が溜まるため、より効果的な散布が可能となる。勿論、このような液だめ凹部15を、上述実施形態における各種の散布剤放出口と組合わせて設けてることも可能なことは明らかである。
【0020】
なお、上述の図1から図5に示す各実施形態では、中空構造のプローブ3を内視鏡外科手術に使用できるような硬性プローブとして説明してきたが、しかし、これに限らず、軟性内視鏡のチャンネルを通して使用可能なように全体を柔軟性に富む軟性プローブとして形成してもよいことは明らかである。
【0021】
次に、図6を参照して本発明の第6実施形態による超音波散布チューブを説明する。
本実施形態における超音波散布チューブ16では、振動子17に接続したホーン18に、中実構造のプローブ20がネジ等の適宜の固着手段で着脱自在に結合されている。振動子17は、水密構造のカバー25で覆われており、また、ケーブル23を介して図示しないジェネレータと電気的に接続されている。一方、プローブ19は全長にわたり、中空構造の挿入部材を形成するシース20で覆われており、このシース20の手元側は、図示しないネジあるいはスナップロック等の好適な手段で、カバー25に着脱自在に接続されている。更に、シース20手元側には、口金21を設けてあり、散布する液体を送り込む送液管部材22を接続可能となっている。本実施形態では、薬液収容部11は、シース20の先端部とプローブ19の先端部のと間の環状空間で形成され、散布剤放出口は、シース20とプローブ19との間の環状開口で形成されている。
【0022】
次に、本実施形態による超音波散布チューブの作用について説明する。尚、超音波振動に関しては第1実施形態とほぼ同様であるため、異なる部分を中心に説明する。
【0023】
散布する液体は送液管部材22を経てシース20内に送り込まれ、さらに先端側に送り込まれ、散布剤収容部11に保持される。振動子17で発生し、ホーン18で増幅された後、プローブ19に伝達された超音波振動は、プローブ19先端位置が丁度超音波振動の腹f(図1の(B))の位置となり、最大振幅を発生し、送り込まれてきた液体を霧状に細粒化し、環状の先端開口から散布することが可能となる。
【0024】
尚、上述のプローブ19およびシース20は、内視鏡外科手術に使用できるような硬いタイプとしてもよいし、あるいは、軟性内視鏡のチャンネルを通して使用可能なように全体を柔軟性に富むタイプとして形成してもよい。
【0025】
図7は、第7実施形態による超音波散布チューブを示し、この第7実施形態による超音波散布チューブは、図6に示す第6実施形態のものとは、プローブ19先端部に先端プローブ24が設けられている点でのみ相違する。この先端プローブ24は、プローブ19よりも大径の半球状形状を有しており、先端側全方向に均一に液体の散布が可能となる。特に、超音波固有のキャビテーション効果により、この形状は有効となる。
【0026】
図8も、図6に示す第6実施形態とほぼ同様な第8実施形態による超音波散布チューブを示す。この第8実施形態では、プローブ19全長にわたり、例えば一対である少なくとも一つの溝26が設けられる。これらの溝26は、中空のプローブを使用した場合と同様な断面積を有する送液スペースを、プローブ19とシース20との間に確保可能であると共に、中空プローブにありがちな内部の詰まりなどの問題を生じさせることがなく、また分解して洗滌する上でも容易に行うことができるという利点もある。
【0027】
図9は、本発明の第9実施形態であり、シース20手元側にもう一組の口金28と送液管部材29が設けられている。またプローブ19の途中には、攪拌用の突起部27が少なくとも一つ設けられている。なお、この突起部27の位置は、プローブが超音波振動する際に超音波振動の腹f(図1の(B)参照)の位置に配置することが好ましく、この場合には、突起部27を最大振幅で振動させることが可能となる。
【0028】
この第9実施形態の超音波散布チューブでは、例えば生体接着剤のような二液混合タイプの液体散布剤を散布する場合に好適に使用することができる。混合前の状態で、散布用の各液体は、図示しないシリンジあるいは送液ポンプにより、送液管部材22,29を介してシース20内部に適量な比率で送り込まれる。
【0029】
送り込まれたそれぞれの液体は、更に加圧されてシース20の先端部における散布剤収容部に送込まれてゆく。この際、プローブ19に設けられた突起部27の近辺では、突起部27の振動やキャビテーション効果により、両方の液体が攪拌される。先端部の散布剤収容部11に到達した状態では十分に攪拌されており、最終的に先端開口より散布される。
【0030】
この実施形態における超音波散布チューブでは、2つの口金21,28を設けているが、しかし、これに限らずに3つあるいはそれ以上の口金を設けてもよく、いずれの場合でも、これらの各口金と送液管部材とを介する複数の液体の注入、攪拌、および、散布までの一連の操作をスムーズかつ効果的に行うことができる。
【0031】
図10に示す第10実施形態の超音波散布チューブは、プローブ19にクサビ状先端部30を形成してある点で第6実施形態の超音波散布チューブと異なる。この第10実施形態では、クサビ状先端部30がその振動で最終的な攪拌をしながら、斜めに加工された面31に対して垂直な方向に散布する。勿論、プローブ19を回転させることにより、傾斜した面31が向く方向も追従して変化するため、所望の方向に散布することが可能となる。実際の作用については、上述の実施形態とほぼ同じであるため省略する。なお、この先端部30は、傾斜した面31を除く外周部分を円筒状面で形成するのが好ましい。
【0032】
図11に示す本発明の第11実施形態による超音波散布チューブは、上述の各実施形態とは逆に、先端部に小型の超音波振動子を設けたものである。この実施形態では、手元側に設けられたグリップ部32から、外シース36と中シース33とが先端側に向かって同軸状に延びており、この中シース33の内部にはケーブル34が延設されている。これらのケーブル34は、グリップ部32の後端部から延出するケーブル8の内側から延長しているものである。中シース33先端部には小型超音波振動子35が固定接続されており、外シース36の先端部の内側には、この超音波振動子35を囲む状態で散布剤収容部11が設けられる。この超音波振動子35に、ケーブル34が電気的に接続されている。
【0033】
図示しない外部のジェネレータより送られてきた電気エネルギが、ケーブル8および中シース33の内部に延設されたケーブル34を介して、先端部の超音波振動子35に投入される。この超音波振動子35により、電気エネルギは超音波振動に変換される。散布用液体は、外シース36手元側の口金21に接続された送液管部材22を介して、外シース36と中シース33との間の環状通路に供給され、先端部側の散布剤収容部11で超音波振動子35で超音波振動されることにより、細粒化されて先端開口部から散布される。
【0034】
この第11実施形態による超音波散布チューブでは、小型の超音波振動子35が先端に設けられているため超音波振動を先端まで伝達するためのプローブが不要であり、そのため挿入部全体を非常に柔軟性に富んだものにすることが可能である。その結果、上述のように軟性内視鏡のチャンネルに挿入して使用する場合の挿入性が向上し、また内視鏡に与えるダメージを激減できる。また内視鏡のチャンネルに種々のチューブや処置具を挿入して使用すると、内視鏡先端の湾曲角度が低下する所謂アングルダウンと呼ばれる問題が発生するが、本実施形態のように先端部に超音波振動子を設けたタイプの超音波散布チューブでは挿入部を非常に柔軟にできるため、アングルダウンの問題を軽減することが可能となる。
【0035】
図12は、軟性の超音波散布チューブを気管支鏡等の内視鏡に挿入した状態を示す。符号37は気管支鏡の全体を示し、手元側に設けられた操作部38と、先端に湾曲をかけるためのアングルレバー39と、体腔等に挿入する細長の挿入部40と、操作部38に連続して設けられた観察用の接眼部41とから構成されている。また手元側には鉗子口42を設けてあり、図示しないチャンネルと連接している。符号43は、上記気管支鏡のチャンネルに挿入した状態の超音波散布チューブを示し、上述の各実施形態におけるものと同様に、シース44と、超音波振動子45と、送液管部材46と、シリンジ47と、ジェネレータ48と、ケーブル49とから主に形成されている。
【0036】
超音波散布チューブ43は、気管支鏡37を気管支に挿入した後、気管支鏡37の鉗子口42から図示しないチャンネルを介して気管支の内部へ挿入してゆく。気管支鏡37の接眼部41を通じて気管支内部を観察しつつ、必要な部位の近傍まで超音波散布チューブ43を挿入し、薬剤等の液体をシリンジ47により送液管部材46を介してシース44の先端部に設けられた散布剤収容部まで送り込む。この状態で超音波振動子45を超音波発振させることにより、目的の部位に確実に散布液体51の散布が可能となる。
【0037】
図13は、超音波散布チューブを組み込んだビデオスコープシステムの全体図を示す。ビデオスコープ52は、操作部53と、挿入部54と、ユニバーサルケーブル55とからなり、このユニバーサルケーブル55は光源装置56とカメラコントローラ57とに接続されている。カメラコントローラには、モニタ58が接続されており、このモニタ58により内視鏡像を見ることができる。一方、挿入部54内にはチャンネル59が延設されており、この内部に超音波散布チューブ60が挿入されている。
【0038】
その作用については、図12に示したものと同じであるため、その説明を省略する。
【0039】
以上明らかなように、上述の各実施形態による超音波散布チューブを用いることにより、例えば腹腔鏡下手術においては、手術中に発生した出血部の止血や、術後の癒着防止のために噴霧する凝固剤を効果的に散布することが可能となる。またこのような凝固剤は二液混合型のものが一般的であるが、これについても上述の第9実施形態の超音波散布チューブのように、複数の注入用の口金を有するものを用い場合には、更に、複数の液体を攪拌する機能を用いることも可能であり、注入、攪拌、および散布までの一連の操作がスムーズかつ効果的に行える。
【0040】
一方、挿入部を軟性にしたタイプの超音波散布チューブでは、内視鏡の処置具チャンネルを介して体腔内に挿入可能である。これにより、先に述べた気管支鏡の処置具チャンネルより挿入し、麻酔無しでは患者が痛みを感じるような手技において、ある程度気管支鏡を挿入した状態でキシロカイン等の麻酔をこの超音波散布チューブを介して気管支内部に噴霧することにより、効果的な麻酔効果が得られる。従来の薬剤散布チューブではどうしても粒子の細かさに限界があり、適当な麻酔効果を得られるレベルまで細かく霧状に噴霧できなかったが、本発明おける上述の各実施形態の超音波散布チューブは、このような問題を解決する。
【0041】
なお、前述した説明によれば、少なくとも以下に付記として列記する特徴事項が得られる。
【0042】
(付記)
1.中空のプローブと手元側ホーンと振動子から構成される超音波散布チューブ。
【0043】
2. 中空のプローブが軟性プローブである上記1に記載の超音波散布チューブ。
【0044】
3. 軟性鏡のチャンネルを通して使用可能である上記2に記載の超音波散布チューブ。
【0045】
4. 組み合わせる軟性鏡がビデオスコープである上記3に記載の超音波散布チューブ。
【0046】
5. プローブ先端に複数の孔を有する上記1に記載の超音波散布チューブ。
【0047】
6. プローブ先端が凹形状である上記1に記載の超音波散布チューブ。
【0048】
7. プローブ先端が斜めに開口している上記1に記載の超音波散布チューブ。
【0049】
8. プローブ先端が絞って形成されている上記1に記載の超音波散布チューブ。
【0050】
9. プローブ先端に液たまり用の凹部がある上記1に記載の超音波散布チューブ。
【0051】
10. プローブと、シースと、手元側ホーンと、振動子から構成される超音波散布チューブ。
【0052】
11. プローブ先端が太径で半球形である上記10に記載の超音波散布チューブ。
【0053】
12. プローブ全長に少なくともひとつの溝がある上記10に記載の超音波散布チューブ。
【0054】
13. 複数の散布液取り入れ口金を有する上記10に記載の超音波散布チューブ。
【0055】
14. プローブに攪拌用突起を有する上記13に記載の超音波散布チューブ。
【0056】
15. 先端が太径で傾斜面を有している上記10に記載の超音波散布チューブ。
【0057】
16. プローブが一回転可能な上記10に記載の超音波散布チューブ。
【0058】
17. シースと送液チューブと先端小型振動子より構成される超音波散布チューブ。
【0059】
【発明の効果】
以上明らかなように、本発明の超音波散布チューブによると、挿入部剤の先端部に散布剤収容部を設け、この散布剤収容部内の散布剤を超音波振動により細粒化して散布剤放出口から放出可能としたため、極めて細かい粒子に細粒化された散布剤を効率よく体内の所要部位に噴霧することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による超音波散布チューブを用いたシステム構成を示す説明図。
【図2】プローブの先端に複数の孔を有する第2実施形態による超音波散布チューブの先端部分による説明図。
【図3】第3実施形態による超音波散布チューブの先端部を示し、(A)はその斜視図、(B)は断面図。
【図4】第3実施形態による超音波散布チューブの先端部の説明図。
【図5】第4実施形態による超音波散布チューブの先端部の説明図。
【図6】シース内に超音波振動プローブを配置し第6実施形態による超音波散布チューブの全体構造を示す概略図。
【図7】第7実施形態による超音波散布チューブの先端部の説明図。
【図8】第8実施形態による超音波散布チューブの先端部を示し、(A)は縦断面図、(B)はそのA−A′に沿う横断面図。
【図9】複数の口金を設けた第9実施形態による超音波散布チューブの全体の説明図。
【図10】第10実施形態の超音波散布チューブの先端部の説明図。
【図11】第11実施形態による超音波散布チューブの全体構造を概略的に示す説明図。
【図12】本発明の実施形態による軟性の超音波散布チューブを内視鏡に挿入した状態の説明図。
【図13】本発明の実施形態による軟性の超音波散布チューブをビデオスコープに挿入した状態の説明図。
【符号の説明】
1…超音波振動子、2…ホーン、3…プローブ、4…カバー、5…送液管部材、6…口金、7…ジェネレータ、8…ケーブル、9…先端位置、10…超音波散布チューブ、11…散布剤収容部。
Claims (8)
- 体内に挿入される中空構造の挿入部材と、
前記挿入部材の先端部に設けられた散布剤収容部と、
前記挿入部材の先端部に前記散布剤収容部の近傍に位置して設けられた散布剤放出口と、
超音波振動を発生する超音波振動子と、
前記超音波振動子で発生した超音波振動を前記散布剤収容部内に収容された散布剤に伝達し、その散布剤を細粒化して前記散布剤放出口から放出させる超音波プローブと、
を備えたことを特徴とする超音波散布チューブ。 - 前記散布剤放出口は、前記挿入部材の先端部に形成した複数の孔で形成したことを特徴とする請求項1に記載の超音波散布チューブ。
- 前記散布剤放出口は、前記挿入部材の先端部に設けた凹状の開口部で形成したことを特徴とする請求項1に記載の超音波散布チューブ。
- 前記散布剤放出口は、前記挿入部材の先端部に前記挿入部材の長手方向に対して斜めに形成した開口部であることを特徴とする請求項1に記載の超音波散布チューブ。
- 前記散布剤収容部は、前記挿入部材の先端部内に前記挿入部材の基端側部位よりも内径の大きな液溜め凹部により形成したことを特徴とする請求項1に記載の超音波散布チューブ。
- 前記超音波振動子は、前記挿入部材の基端側に設けられ、
前記超音波プローブは、前記挿入部材内に挿通されてプローブの先端部が前記散布剤収容部内に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の超音波散布チューブ。 - 前記散布剤収容部内に配置される前記超音波プローブの先端部が他の部分よりも大径であることを特徴とする請求項6に記載の超音波散布チューブ。
- 前記超音波振動子は、前記散布剤収容部内に配置され、前記超音波プローブを兼ねることを特徴とする請求項1に記載の超音波散布チューブ。
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