JP6579489B2 - 医療用粉体の体内噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、外科手術などの際に用いられる医療用粉体の噴射装置に係り、特に癒着防止用や止血用などの粉体を組織へ噴射して処置するのに好適に用いられる医療用粉体の体内噴射装置に関する。
手術や組織採取等の外科的措置により損傷を受けた臓器等の組織を放置すると、損傷部分が周囲の組織と癒着するおそれがある。このような組織の癒着は、卵管癒着による不妊症や腸管癒着による腸閉塞などを引き起す原因となることから、患者にとって大きな負担になり、再手術の際に癒着部分の剥離が必要となって臓器に新たな損傷を与えることにもなりかねない。そこで、従来から、損傷を受けた組織における癒着を防止するために、手術等に際して創傷部分を物理的に覆うフィルム状の癒着防止材が用いられている。
ところで、近年では、患者の負担を軽減できることから、手術などの外科的措置を内視鏡下で行う事例が増加している。
ところが、内視鏡下での手術等に際しては、従来から用いられているフィルム状の癒着防止材を使用することが困難であった。即ち、フィルム状の癒着防止材を小さく丸めてトロッカーを通じて体内に挿入した後、体内で癒着防止材を広げることにより損傷部分を覆うように貼付することも考えられるが、内視鏡下での作業が煩雑となって、フィルム状の癒着防止材に割れ等が発生し易く、損傷部分を覆う正しい位置へ癒着防止材を貼付することも難しいという問題があったのである。
なお、このような問題に鑑み、例えば特表2007−529280号公報(特許文献1)に記載されているように、粉末状の癒着防止材を用い、体内に挿入したノズルから圧力気体と共に癒着防止材を体内の損傷部分に噴射して処置することが考えられる。しかし、治療部位によっては、ベッドに横たわった患者に対して天井面から手術等を行ったり、側面から手術等を行ったりする場合もあり、例えば特許文献1の散粉器では、当該散粉器の向きによっては、十分な量の癒着防止材が噴射されなくなったり、癒着防止材が不均一に噴射されたりして、意図する処置が行えなくなるおそれがあった。
特表2007−529280号公報
ここにおいて、本発明は上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、癒着防止材などの医療用粉体を無菌的に導入された圧力気体と共に体内へ噴射するに際して、噴射方向に拘らず所定の噴射状態を安定して実現することのできる、新規な構造を備えた医療用粉体の体内噴射装置を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
すなわち、本発明の第1の態様は、経皮的に体内へ挿入されて先端の開口部から医療用粉体を圧力気体とともに体内へ噴射するバレル部を備えた医療用粉体の体内噴射装置において、前記医療用粉体を収容する粉体収容部材が回転可能に設けられており、該粉体収容部材の回転に伴う遠心力によって該医療用粉体を該粉体収容部材から前記圧力気体の噴射通路へ供給して該圧力気体とともに噴射するようにしたことを、特徴とする。
このような第1の態様に従う構造とされた医療用粉体の体内噴射装置によれば、医療用粉体を粉体収容部材の回転に伴う遠心力によって噴射通路へ供給することにより、装置の向きに対応する医療用粉体への重力作用方向の違いが、医療用粉体の噴射通路への供給に影響し難い。それ故、粉体収容部材内に収容された医療用粉体が噴射通路へ安定して供給されて、装置の向きに拘わらず目的とする医療用粉体の体内への噴射が実現される。
また、粉体収容部材の回転によって部材内部の医療用粉体が撹拌されることにより、噴射前に重力によって下部に集まった医療用粉体を分散させてから噴射通路へ供給できて、医療用粉体の凝集による噴射の不安定化も回避される。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載された医療用粉体の体内噴射装置において、前記噴射通路が前記粉体収容部材の外周に全周に亘って形成されているものである。
第2の態様によれば、医療用粉体が回転する粉体収容部材から噴射通路へ全周において供給されることから、医療用粉体が噴射通路に対して周上で分散して供給されて、安定した噴射が実現される。また、粉体供給孔が周上部分的に形成されている場合であっても、粉体収容部材の一回転周期内での周上の回転位置の相違によって医療用粉体の噴射状態が変化するのを防いで、略一定の噴射を実現することができる。
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様に記載された医療用粉体の体内噴射装置において、前記粉体収容部材の内部が非回転体形状とされていると共に、該粉体収容部材の周壁部の最外周端部には前記噴射通路に連通する粉体供給孔が貫通形成されているものである。
第3の態様によれば、粉体収容部材に収容された医療用粉体が、粉体収容部材の回転時に周上の最外周端部に案内されて集まり易くなることから、医療用粉体が当該最外周端部に形成された粉体供給孔を通じて噴射通路に供給されることで、医療用粉体が粉体収容部材内に残留し難くなる。
本発明の第4の態様は、第1〜第3の何れか1つの態様に記載された医療用粉体の体内噴射装置において、前記粉体収容部材の周壁部の壁内面が該粉体収容部材の回転中心軸に対して傾斜する案内壁面とされていると共に、該案内壁部の最外周端部には前記噴射通路に連通する粉体供給孔が貫通形成されているものである。
第4の態様によれば、粉体収容部材の回転に伴う遠心力の作用時に、医療用粉体が案内壁面によって最外周端部へ案内されることから、医療用粉体が粉体供給孔を軸方向に外れた部分に残留し難くなって、粉体収容部材に収容された必要量の医療用粉体が粉体供給孔を通じて噴射通路へ供給される。
本発明の第5の態様は、第1〜第4の何れか1つの態様に記載された医療用粉体の体内噴射装置において、前記粉体収容部材を回転時に振動させる凝集阻止手段を備えているものである。
第5の態様によれば、粉体収容部材を凝集阻止手段で振動させながら回転させることにより、医療用粉体が粉体収容部材内により残留し難くなって、粉体収容部材内の医療用粉体を安定的に噴射できる。
また、粉体収容部材内に収容された医療用粉体が振動によって分散されることから、医療用粉体の凝集が噴射前に解消されて、医療用粉体が分散して噴射される。
本発明の第6の態様は、第1〜第5の何れか1つの態様に記載された医療用粉体の体内噴射装置において、前記噴射通路には前記医療用粉体を分散させる撹拌羽根部が配されているものである。
第6の態様によれば、粉体収容部材内から噴射通路へ導入された医療用粉体が、噴射通路内を移動する際に、撹拌羽根部への直接的な接触や撹拌羽根部によって生じる乱流の作用などによって凝集を解消される。それ故、医療用粉体が均等に安定して噴射されて、医療用粉体の噴射による癒着防止などの処置がより効率的に実現される。
本発明の第7の態様は、第1〜第6の何れか1つの態様に記載された医療用粉体の体内噴射装置において、前記噴射通路には該噴射通路を通路長方向で部分的に狭窄する狭窄羽根部が配されているものである。
第7の態様によれば、狭窄羽根部による噴射通路の部分的な狭窄によって噴射通路を流れる圧力気体の流速が高められて、医療用粉体を効率的に噴射することが可能となる。しかも、圧力気体の流れが速くなることにより、医療用粉体の噴射通路内への残留も回避され易くなる。
本発明の第8の態様は、第7の態様に記載された医療用粉体の体内噴射装置において、前記狭窄羽根部が前記粉体収容部材に設けられていると共に、該狭窄羽根部が該粉体収容部材の回転によって前記噴射通路に噴射方向の気流を生じさせる送風羽根構造とされているものである。
第8の態様によれば、狭窄羽根部が送風羽根構造とされていることで、狭窄羽根部で噴射通路を部分的に狭窄することに加えて、狭窄羽根部が回転によって生み出す噴射方向の気流によって、圧力気体の流速を更に高めることができる。従って、医療用粉体を圧力気体によって噴射方向へより効率的に運んで噴射させることができると共に、医療用粉体の噴射通路内への残留もより回避され易くなる。
本発明の第9の態様は、第1〜第8の何れか1つの態様に記載された医療用粉体の体内噴射装置において、前記粉体収容部材の基端部には回転出力を発生する出力手段が取り付けられていると共に、該粉体収容部材の先端部が回転可能に支持されているものである。
第9の態様によれば、粉体収容部材が出力手段によって回転せしめられる際に、粉体収容部材における出力手段の取付け側と反対側が回転可能に支持されていることによって、粉体収容部材の回転作動がより安定する。また、たとえば粉体収容部材における先端側を多少の隙間をもって支持させることにより、回転時の粉体収容部材に回転軸のぶれによる微小な振動をあえて生じさせて、医療用粉体の凝集を防ぐこともでき得る。
本発明の第10の態様は、第1〜第9の何れか1つの態様に記載された医療用粉体の体内噴射装置において、前記粉体収容部材が回転出力を発生する出力手段に着脱可能に取り付けられているものである。
第10の態様によれば、噴射する医療用粉体の種類や体内の損傷部分の大きさなどに応じて、容積や形状、噴射通路へ単位時間当たりに供給される医療用粉体の量などが異なる複数種類から選択された粉体収容部材を、出力手段に取り付けて使用することができる。
さらに、使用済みの粉体収容部材を出力手段から取り外して廃棄し、粉体収容部材の再使用を避けるようにすれば、体内環境に接続される粉体収容部材を清潔に保つことができると共に、粉体収容部材内に残留する医療用粉体が再使用時に問題となることもない。しかも、粉体収容部材を出力手段から取り外して交換することにより、汚染や医療用粉体の残留などが問題になり難い出力手段は繰り返し使用することができて、コストの低減や資源の有効利用などを実現できる。
本発明の第11の態様は、第1〜第10の何れか1つの態様に記載された医療用粉体の体内噴射装置において、回転出力を発生する出力手段が前記粉体収容部材に取り付けられており、該出力手段に動力を供給する動力源が設けられていると共に、該動力源から該出力手段への動力の供給と停止を切り換える切替機構が設けられており、更にそれら出力手段と動力源と切替機構が一体的に着脱可能に設けられているものである。
第11の態様によれば、噴射装置において出力手段と動力源と切替機構とを一体的に着脱可能とすることができる。これにより、手術の際に噴射装置の表面や粉体収容部材が血液などで汚染された場合においても、汚染された部分から出力手段と動力源と切替機構とを1つのユニットとして脱離させ、脱離させたユニットを再利用することができる。これにより、医療従事者が直接接触する噴射装置の表面などを清潔に保つことができると共に、汚染が問題になり難い出力手段と動力源と切替機構とは繰り返し使用することができて、コストの低減や資源の有効利用などを実現できる。
本発明の第12の態様は、第1〜第11の何れか1つの態様に記載された医療用粉体の体内噴射装置において、前記圧力気体の供給と停止の切り換えに連動して前記粉体収容部材の回転と停止を切り換える連動機構を備えているものである。
第12の態様によれば、圧力気体の供給および停止と粉体収容部材の回転および停止とを、各別に操作して切り換える必要がなく、簡単な操作で医療用粉体を圧力気体とともに噴射させることができる。なお、圧力気体を供給せずに粉体収容部材を回転させると、医療用粉体が粉体収容部材内から噴射通路への出口部分に溜まってしまうおそれがあるが、圧力気体の供給と粉体収容部材の回転が連動して機能するようにすれば、かかる操作手順による不具合も生じ得ない。
本発明の第13の態様は、第1〜第12の何れか1つの態様に記載された医療用粉体の体内噴射装置において、前記粉体収容部材が、前記医療用粉体を収容する収容空所を備えるとともに該収容空所に該医療用粉体を供給する粉体貯蔵容器の開口が嵌合される粉体供給口を備える収容部材本体と、該収容部材本体に取り付けられて該粉体供給口を閉塞するキャップ部材とを、含んで構成されているものである。
第13の態様によれば、粉体収容部材が収容部材本体とキャップ部材を組み合わせた構造を有しており、収容部材本体の収容空所へ粉体貯蔵容器から医療用粉体を入れた後で、収容部材本体にキャップ部材を取り付けて蓋をすることにより、医療用粉体を粉体収容部材内へ簡単に入れることができる。加えて、収容空所に連通する粉体供給口が粉体貯蔵容器を嵌合可能な構造とされていることにより、粉体貯蔵容器から収容空所へ医療用粉体を入れる際に、医療用粉体をこぼすことなく入れることができる。
本発明によれば、医療用粉体を収容する粉体収容部材が回転可能とされていることにより、粉体収容部材の回転に伴う遠心力によって医療用粉体が粉体収容部材内から噴射通路へ供給される。これにより、医療用粉体の噴射通路への供給が噴射方向に拘わらず安定して、何れの噴射方向に対しても目的とする噴射が実現される。
本発明の第1の実施形態としての噴射装置を示す斜視図。 図1に示す噴射装置の右側面図。 図1に示す噴射装置を内部透視状態で示す右側面図。 図1に示す噴射装置の縦断面図であって、図5のIV−IV断面図。 図4のV−V断面図。 図1に示す噴射装置を構成する収容部材本体の斜視図。 図6に示す収容部材本体を別角度で示す斜視図。 図6に示す収容部材本体の右側面図。 図6に示す収容部材本体の正面図。 図9のX−X断面図。 図1に示す噴射装置を構成する前部の右側面図。 図11に示す前部の斜視図。 図1に示す噴射装置を構成する後部の右側面図。 図13に示す後部の斜視図。 本発明の第2の実施形態としての噴射装置を示す縦断面図。 図15に示す噴射装置の斜視断面図。 本発明の別の1実施形態としての噴射装置を示す縦断面図。 本発明の第3の実施形態としての噴射装置を構成する収容部材本体を示す斜視図。 図18に示す収容部材本体を別の角度で示す斜視図。 図18に示す収容部材本体の右側面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1〜3には、本発明の第1の実施形態としての医療用粉体の体内噴射装置(以下、噴射装置とも言う)10が示されている。この噴射装置10は、全体として略ピストル形状とされており、グリップ部12を把持しながら押圧部14を押し込むことにより、バレル部16の先端から医療用粉体を圧力気体とともに噴射するようになっている。なお、以下の説明において、原則として、前後方向とは軸方向となる図2中の左右方向を言うと共に、上下方向とは図2中の上下方向を言う。
より詳細には、噴射装置10は、グリップ部12と胴部18からなる中空構造の本体ケース20を備えており、本体ケース20の前端に略横転中空円錐形状のカバー22が着脱可能に取り付けられている。更に、小径とされたカバー22の前端には、チューブ状のバレル部16が取り付けられて、カバー22内の空間に連通されている。
また、カバー22の後部は略円筒形状とされており、その開口部には中間部材24が取り付けられている。中間部材24は、カバー22とは逆向きの略中空円錐台形状とされており、前部には外周へ開口する凹溝形状のシール保持部26が設けられている。このシール保持部26には、円環状のゴム弾性体で形成されたシールリング28が収容されており、シール保持部26が略円筒形状とされたカバー22の後部に差し入れられることにより、それらカバー22と中間部材24が流体密に組み付けられている。
また、カバー22と中間部材24の間には、粉体収容部材30が配設されている。粉体収容部材30は、収容部材本体32にキャップ部材34を取り付けた構造とされている。
収容部材本体32は、図6〜9に示すように、前後方向の中間部分が前後軸方向視で略十字状の四方放射形状であって、非回転体形状とされており、周上90°ごとに外周へ凸の中空突部35が形成されている。また、十字形とされた収容部材本体32の中間部分は、前後両側に行くに従って前端部分を構成する略小径円筒形状の粉体供給筒部36と、後端部分を構成する略小径円柱形状の連結部38とに収束する形状とされている。更に、収容部材本体32の中間部分には、軸直角方向で広がるフランジ状の狭窄羽根部40が中空突部35の周方向間をつなぐように一体形成されており、狭窄羽根部40による補強効果によって収容部材本体32の形状の安定化などが図られている。更にまた、図9,10に示すように、狭窄羽根部40の周上の一部には、凝集阻止手段としての錘42が取り付けられている。かかる錘42によって収容部材本体32の重心が後述する回転中心軸から外れており、回転時に周期的な振動を生じるようになっている。
さらに、収容部材本体32は、十字形とされた前後中間部分が中空とされて、内部に後述する医療用粉体を収容する収容空所44が形成されている。この収容空所44は、最外周端部が周上の4方向に位置する略十字形の空間であって、粉体供給筒部36の内孔45を通じて前方へ開口している。ここでいう最外周端部とは、収容部材本体32の回転中心軸から半径方向に最も離れた部分を意味する。本実施形態において、収容部材本体32の周壁部47は全体が略一定の厚さとされており、収容部材本体32の内部、即ち内周面が中心軸まわりで非回転体形状とされている。また、収容部材本体32における収容空所44の周壁部47の壁内面は、収容部材本体32の回転中心軸に対して傾斜した案内壁面46を有している。本実施形態では、収容空所44の軸方向両側の壁部が、内面と外面の何れにおいても回転中心軸に対して傾斜している。なお、収容空所44の壁部において、中空突部35を構成する部分は、外周へ行くに従って狭幅となる傾斜形状とされている。
更にまた、収容部材本体32における収容空所44の周壁部47には、中空突部35の頂点である最外周端部に粉体供給孔48が貫通形成されており、収容空所44が粉体供給孔48によって収容部材本体32の外周側に設けられる噴射通路60(後述)に連通されている。粉体供給孔48は、小径の貫通孔であって、その直径は使用する医療用粉体の粒径などに応じて適宜に設定されるが、好適には0.1mm〜1.5mm程度とされる。本実施形態では、中空突部35の最外周端部の内周面は、軸方向両側の案内壁面46,46の間で軸方向に対して略平行とされており、かかる非傾斜領域に粉体供給孔48が形成されている。
さらに、収容部材本体32には、複数の撹拌羽根部50が一体形成されている。撹拌羽根部50は、粉体供給筒部36および連結部38の外周面から突出する板状とされており、図6,7に示すように、粉体供給筒部36および連結部38から収容空所44の壁部の最外周端に至る稜線上に設けられている。
キャップ部材34は、前方に向けて開口する有底円筒形状の軸受部52と、軸受部52の開口端から外周へ広がって収容部材本体32の粉体供給筒部36の前端部(粉体供給口)を覆う取付部54とを、一体で備えている。そして、キャップ部材34は、軸受部52が収容部材本体32の粉体供給筒部36に挿入されると共に、取付部54が粉体供給筒部36の前端部に嵌合されることにより、収容部材本体32に取り付けられて、粉体供給口の開口である内孔45の先端側を閉塞する。このように、収容部材本体32にキャップ部材34が取り付けられることにより、内部に収容空所44を備えた粉体収容部材30が構成される。
さらに、キャップ部材34の軸受部52には、支持軸56の後部が嵌入されており、軸受部52から前方へ突出した支持軸56の前部が、カバー22に固定された軸受リング58に対して回転可能に挿入されて支持されている。これにより、粉体収容部材30は、カバー22に対して、支持軸56の中心軸を略回転中心軸とする回転を許容されている。本実施形態では、軸受リング58の内径が支持軸56の外径よりも僅かに大きくされており、支持軸56が軸受リング58に隙間をもって挿入されている。
また、カバー22および中間部材24の内周面と粉体収容部材30の外周面との間には、噴射通路60が形成されており、噴射通路60が前端でバレル部16の内孔に連通されていると共に、後端が後述する流体流路66に連通されている。本実施形態の噴射通路60は、粉体収容部材30の外周に全周に亘って連続して設けられており、前後に延びる筒状の空間とされている。更に、噴射通路60は、粉体収容部材30内の収容空所44に対して粉体供給孔48を通じて相互に連通されていると共に、粉体供給孔48の開口部付近で狭窄羽根部40によって部分的に狭窄されて流路断面積が小さくされている。なお、本実施形態では、中間部材24の後端部が筒状とされて、噴射通路60が後方へ開口していると共に、中間部材24の後端部の外周面にねじ山が形成されている。また、収容部材本体32の前部に設けられた撹拌羽根部50は、粉体供給孔48の開口部分よりも前方に設けられて、噴射通路60の狭窄部分よりも前方側で流路断面積が大きくされた部分に配置されており、カバー22に対して内周へ離れて配されていると共に、噴射通路60内へ突出している。一方、収容部材本体32の後部に設けられた撹拌羽根部50は、粉体供給孔48の開口部分よりも後方に設けられて、中間部材24に対して内周へ離れて配されていると共に、噴射通路60内へ突出している。
一方、本体ケース20には、接続部材62が取り付けられている。接続部材62は、合成樹脂で形成された硬質の部材であって、前部が前方に向けて拡開する略円錐台形状とされていると共に、後部が小径の段付き筒形状とされている。更に、筒形状とされた接続部材62の後部前端には、内周面に中間部材24と螺合するねじ山が形成されている。また、接続部材62は下方へ突出する中間ポート64を備えており、接続部材62の内部空間が中間ポート64の内腔に連通されて流体流路66の一部を構成している。
流体流路66は、図示しない圧力気体の供給源と接続されて圧力気体が流動する流路であって、押圧部14の内部空間を含んで構成されている。押圧部14は、前方へ開口する略有底円筒形状を有しており、グリップ部12の上端部に取り付けられて後方へ突出していると共に、後面を手指などで前方へ押すことによりグリップ部12に対して前方へ移動するように取り付けられている。また、押圧部14の開口部を塞ぐように開閉バルブ68が配設されていると共に、開閉バルブ68を押圧部14との間で挟持するガイド部材70が押圧部14に固定されている。更に、押圧部14の内部空間がチューブ72を介してグリップ部12の下端に設けられた接続ポート74に連通されている。
さらに、ガイド部材70には、ノズル76の後部が挿入されている。ノズル76は、硬質の合成樹脂で形成された筒状の部材であって、本体ケース20によって支持されている。また、押圧部14に外力が作用しない初期状態では、ノズル76の後部がガイド部材70に挿入されていると共に、ノズル76が開閉バルブ68に対して前方に離れており、開閉バルブ68が遮断されている。そして、押圧部14が前方へ押し込まれることにより、ノズル76が開閉バルブ68の切込みを貫通して押圧部14の内部空間に連通されるようになっている。換言すれば、押圧部14を操作することにより、開閉バルブ68が開作動されて、流体流路66が連通状態に切り替えられる。
なお、ノズル76の中間部分にフランジ状のばね受を設けて、該ばね受と押圧部14およびガイド部材70との前後対向面間にコイルスプリングを配することにより、手指で前方へ押圧された押圧部14を後方へ向けて付勢して、押圧の解除時に押圧部14が速やかに初期位置に復帰するようにしても良い。
更にまた、ノズル76の前端には、逆止弁78が接続されている。逆止弁78は、気体の流動を一方向でのみ許容するものであって、たとえばダイヤフラム型やボール型、ディスク型等の各種公知構造のチェックバルブが採用され得る。このような逆止弁78が配されていることにより、後述する医療用粉体が気体とともに噴射通路60から圧力気体の供給源(送風機)へ逆流するのを防止されるようになっている。なお、逆止弁78に替えて或いは加えて、医療用粉体の通過を阻止する集塵フィルタを設けても良く、これによって、仮に後述する医療用粉体が噴射通路60側から逆流しても、医療用粉体が送風機などに入り込むことがなく、送風機などの故障が回避される。
この逆止弁78の前端が接続部材62の中間ポート64に管体などで接続されることにより、接続部材62の内孔が図示しない送風機に接続可能とされている。
また、接続部材62の後端部には、出力手段としての電動モータ80が取り付けられている。電動モータ80は、回転力を出力する出力軸82が前方へ向けて突出するように配設されており、出力軸82に外嵌された連結軸84が接続部材62に回転可能に挿通されている。更に、電動モータ80に動力(電力)を供給する電池やバッテリーなどの動力源としての電源85がグリップ部12に収容されており、電動モータ80に電気的に接続されている。
さらに、電動モータ80に対する電源85からの電力の供給とその停止が、切替機構としてのスイッチ86によって制御されている。なお、本実施形態では、図示しない送風機による圧力気体の供給と停止が、押圧部14の操作によって電動モータ80のON/OFFを切り替えるスイッチ86と略同時に切り替えられるようになっており、本実施形態の連動機構が構成されている。また、本実施形態では、電動モータ80と電源85とスイッチ86が別々に独立して配されているが、これら電動モータ80と電源85とスイッチ86をユニット化して、ユニット化された電動モータ80と電源85とスイッチ86をグリップ部12に対して一体的に着脱可能に設けても良い。ここでいうユニットとは、出力手段と動力源と切替機構とが一体的に構成されたものを意味する。即ち、特に限定されるものではないが、例えば出力手段としての電動モータ80と動力源としての電源85と切替機構としてのスイッチ86を同一のハウジング内に配置し、ハウジングごとグリップ部12に対して一体的に挿入および抜去できるようにしたものなどが挙げられる。これによれば、グリップ部12を適宜に交換することによって容易に清潔を保ちながら、高価で且つ使用状態で外部に露出しない電動モータ80と電源85とスイッチ86をグリップ部12から取り出して繰り返し使用することもできる。
本実施形態に係る噴射装置10は、カバー22と中間部材24と粉体収容部材30とを備えるカートリッジ部90(図11,12参照)と、本体ケース20および接続部材62とそれらに取り付けられる各部品とを備える把持操作部92(図13,14参照)とが、中間部材24と接続部材62の螺着によって、着脱可能に取り付けられて構成されている。
また、カートリッジ部90と把持操作部92を連結する際に、粉体収容部材30の後端に設けられた連結部38が、電動モータ80の出力軸82に固定された連結軸84に対して、軸方向で突き合されて着脱可能に連結される。即ち、連結部38の後面には、図7,12に示すような略T字形状の係合溝94が形成されていると共に、連結軸84の前面には、図14に示すような対応する略T字形状の係合突起96が形成されており、係合溝94に係合突起96が差し入れられることにより、連結部38と連結軸84が軸直角方向および周方向で相対的に位置決めされて非固着で連結されている。これにより、粉体収容部材30は、前端(先端部)がカバー22によって回転可能に支持されていると共に、後端(基端部)が電動モータ80の出力軸82によって支持されて回転駆動力が及ぼされるようになっている。
また、カートリッジ部90の噴射通路60と把持操作部92の流体流路66が相互に連通されており、開閉バルブ68が開いた流体流路66の連通状態において、図示しない送風機から圧送される圧力気体が、流体流路66を通じて噴射通路60に供給されるようになっている。これにより、送風機から供給される圧力気体を、噴射装置10のバレル部16の先端から噴射できるようになっている。
かくの如き構造とされた噴射装置10は、たとえば体内に癒着防止材などの医療用粉体を噴射する際に用いられる。以下に、手術による損傷部分に医療用粉体を噴射する場合を例に挙げて、噴射装置10の使用方法を説明する。
まず、使用前に収容部材本体32からキャップ部材34を取り外して内孔45を粉体供給筒部36の前端である粉体供給口において開放させた状態で、粉体供給筒部36の粉体供給口に癒着防止材などの医療用粉体を収容したバイアルなど、図示しない粉体貯蔵容器を嵌め付けて、粉体貯蔵容器の開口を下向きにすることにより医療用粉体を収容空所44に入れる。医療用粉体を入れ終えた後、粉体貯蔵容器を粉体供給筒部36から取り外すと共に、粉体供給筒部36にキャップ部材34を取り付けて粉体供給口を含む内孔45を閉塞する。以上により、医療用粉体が収容空所44に収容される。
次に、粉体収容部材30をカバー22および中間部材24に組み付けてカートリッジ部90を構成すると共に、カートリッジ部90を把持操作部92に取り付けて噴射装置10を構成する。
そして、バレル部16を体内に挿入して、バレル部16の先端を内視鏡下での手術による損傷部分などの噴霧対象部分に向けた後、たとえばグリップ部12を掴んだ手の母指によって押圧部14を前方へ押し込む。これにより、開閉バルブ68がノズル76によって押し広げられて、流体流路66が連通状態に切り替えられると共に、送風機による圧力気体の供給と、電動モータ80の回転出力とが、略同時に開始される。
ここにおいて、電動モータ80によって発生する回転出力は、連結軸84を介して粉体収容部材30に及ぼされて、粉体収容部材30が前後軸回りで回転せしめられる。これにより、収容空所44に収容された図示しない医療用粉体には、粉体収容部材30の回転に伴う遠心力が作用する。そして、最外周端部へ移動した医療用粉体は、粉体供給孔48を通じて収容空所44から外周へ排出されて、噴射通路60内に供給される。本実施形態では、収容空所44の壁内面が最外周端部に向けて傾斜する傾斜面で構成されていることから、遠心力が作用した医療用粉体は、収容空所44の壁内面に案内されて粉体供給孔48が開口する最外周端へ移動する。これにより、収容空所44内の医療用粉体が収容空所44内に留まることなく噴射通路60へ供給されて、適切な量の医療用粉体を噴射することができる。
噴射通路60内に供給された医療用粉体は、流体流路66から噴射通路60に送入される圧力気体によってバレル部16の先端側へ運ばれて、バレル部16の先端開口から体内へ圧力気体とともに噴射される。そして、たとえば医療用粉体が癒着防止材である場合には、手術による創傷部に吹き付けられて当該創傷部を覆うことにより、術後の癒着が物理的に防止される。
このような本実施形態に従う構造とされた医療用粉体の体内噴射装置10によれば、医療用粉体を収容する粉体収容部材30が電動モータ80によって回転して、収容空所44に収容された医療用粉体が、圧力気体が流動する噴射通路60に対して、遠心力の作用によって供給されるようになっている。それ故、使用時の噴射装置10の向き、換言すれば噴射装置10内の医療用粉体に対する重力の作用方向に拘わらず、医療用粉体を収容空所44から噴射通路60へ安定して供給することができて、医療用粉体の目的とする噴射を実現することができる。
しかも、噴射通路60は、粉体収容部材30の外周側に全周に亘って連続的に形成されていることから、収容空所44と噴射通路60を繋ぐ粉体供給孔48が、粉体収容部材30の向きに関係なく常時連通状態とされる。従って、噴射通路60が周上で部分的に設けられている場合に比して、粉体収容部材30の回転に伴う医療用粉体の噴射通路60への供給がより安定して実現される。
また、本実施形態において、粉体供給孔48は、凝集した医療用粉体などが通過し得ない十分に小さな直径で形成されており、噴射通路60には医療用粉体が分散して供給される。更に、粉体収容部材30には凝集阻止手段としての錘42が取り付けられており、重心が回転中心から外れた位置に設定されていることから、回転時に振動が生じて、医療用粉体の凝集が収容空所44の壁内面に打ち当てられるなどして解消される。従って、粉体供給孔48が目詰まりすることもなく、分散化された医療用粉体を噴射通路60に対して周上で略一様に安定して供給することができる。特に本実施形態では、粉体収容部材30の前端に設けられた支持軸56が軸受リング58の内径よりも小径とされていると共に、粉体収容部材30の後端が連結軸84に対して非固着で連結されていることから、粉体収容部材30の重心位置のずれによる振動が有効に生じるようになっている。
さらに、噴射通路60には収容部材本体32の撹拌羽根部50が突出しており、収容部材本体32と共に回転する撹拌羽根部50が噴射通路60内の医療用粉体を撹拌する。これにより、医療用粉体が更に細かく分散化されて、より均質な噴射が実現される。また、本実施形態では、噴射通路60が粉体供給孔48の開口部付近で狭窄羽根部40によって部分的に狭窄されていることから、当該部分においてベンチュリ効果による圧力気体の流速の増大が期待でき、収容空所44から噴射通路60への医療用粉体の効率的な移動や、噴射通路60における医療用粉体の分散化の促進などが図られ得る。特に、ベンチュリ効果によって勢いよく前方へ運ばれた医療用粉体は、前方の広い空間でより効率的に分散するだけでなく、撹拌羽根部50によって撹拌されることから、分散化がより一層効果的に実現される。なお、撹拌羽根部50は、狭窄部分よりも前方に配されていることから、配設空間を十分に確保されており、優れた撹拌作用が発揮される。また、本実施形態では、狭窄羽根部40が粉体収容部材30に一体形成されているが、狭窄羽根部は粉体収容部材30とは別体で形成されて後固着されていても良いし、カバー22側に設けられていても良い。
また、本実施形態では、押圧部14を前方へ押し込む操作により、電動モータ80の出力と、送風機による圧力気体の供給と、開閉バルブ68を開くことによる流体流路66の連通とが、連動して生じるようにされている。従って、複数の操作を要することなく、噴射に必要な作動を一括してコントロールすることができて、容易且つ速やかに使用することができる。また、押圧部14を初期位置に戻すことにより、電動モータ80の出力停止と、送風機による圧力気体の供給停止と、開閉バルブ68を閉じることによる流体流路66の遮断とが、連動して生じることから、噴射終了時の操作も容易且つ速やかに行うことができる。なお、図中には示されていないが、押圧部14の手指による押圧を解除することにより押圧部14が初期位置に戻るように、少なくとも前方への押圧状態では付勢されていることが望ましく、それによって、押圧部14の押圧とその解除という極めて簡単な操作によって、噴射の開始と停止を直感的に行うことが可能になる。
また、流体流路66が逆流を阻止する逆止弁78を含んで構成されていることから、噴射の停止後等に噴射通路60内に残留した医療用粉体が、流体流路66を逆流して圧力気体の供給源まで達するのを防ぐことができる。これにより、流体流路66を通じて医療用粉体の侵入による送風機などの故障が回避されて、信頼性や耐久性の向上が図られる。
なお、本実施形態に係る噴射装置10では、カートリッジ部90が医療用粉体に直接触れると共に、患者の体内環境と接続される部分とされていると共に、後部が電動モータ80や電源85、スイッチ86などの電気部品を備えた比較的に高価な部分とされている。そして、カートリッジ部90と把持操作部92が着脱可能に取り付けられていることから、使用後にカートリッジ部90を把持操作部92から取り外して廃棄すると共に、後部は新しいカートリッジ部90を取り付けて再使用することもできる。これにより、使用後に医療用粉体の付着や体内環境への接続による汚染などが問題となるカートリッジ部90は、常に新品と交換することで清潔を保つことができると共に、高価で且つ医療用粉体や体内環境による汚染が問題にならない後部を繰り返し使用することによって、コストや製造資源の削減が図られる。
また、使用する医療用粉体の種類や粒径、噴射する量、凝集のし易さなどを考慮して、粉体供給孔の直径や形成位置および形成数、噴射通路の構造や配置、収容空所の容積、錘などの振動発生手段の構造などが異なる複数種類のカートリッジ部から、適切なものを選択して採用することも可能となる。同様に、相互に異なる複数種類の把持操作部を準備しておいて、それら複数種類の把持操作部から適切なものを選択して採用しても良く、たとえば使用者の手の大きさに合わせてグリップ部のサイズを選択可能とすることなどが考えられる。また、たとえば、粉体収容部材を回転させる出力手段として電動モータに替えて空気圧によるものや人力によるものなどを備える把持操作部や、ピストル型のグリップ部ではなく回転中心軸(前後軸)の延長上に延びるグリップ部を備える把持操作部なども、何れも採用可能である。
図15には、本発明の第2の実施形態としての医療用粉体の体内噴射装置100が示されている。以下の説明において、第1の実施形態と実質的に同一の部材および部位については、図中に同一の符号を付すことにより説明を省略する。
より詳細には、噴射装置100は、胴部18に取り付けられる接続部材102を備えている。接続部材102は、前部が前方に向けて拡開するテーパ筒形状とされていると共に、後部が段付き筒形状とされて、後端部に電動モータ80が取り付けられている。更に、接続部材102の前端部分には、全周に亘って連続する凹溝状のシール保持部104が一体形成されて外周へ開口しており、シール保持部104には環状のシールリング28が配設されている。そして、接続部材102は、シール保持部104の壁部に突設された係止爪106が胴部18の開口部に軸方向で係止されると共に、後部が胴部18によって挟持されることにより、胴部18に取り付けられている。
また、接続部材102とカバー22の間には、粉体収容部材108が配設されている。粉体収容部材108は、収容部材本体110にキャップ部材112が取り付けられた構造を有している。収容部材本体110は、図16に示すように、外周へ向けて凸の3つの中空突部114が周上120°ごとに形成された三方放射形状を有しており、それら中空突部114の先端に最外周端部が設定されて粉体供給孔48が貫通形成されている。更に、本実施形態の収容部材本体110は、後端部に連結軸116が一体形成されており、連結軸116が電動モータ80の出力軸82に固定されている。なお、収容部材本体110は、狭窄羽根部40に対して前後両側がそれぞれ放射形状とされて、周方向両側の壁内面が最外周端に向けて傾斜していると共に、最外周端から前後外方に向けて次第に回転中心軸側へ傾斜している。
キャップ部材112における取付部54の後方には、収容部材本体110の外側を延びる撹拌羽根部118が一体形成されている。この撹拌羽根部118は、周方向に傾斜しながら前後に延びており、収容部材本体110とカバー22の間に形成される噴射通路60内に配置されている。また、本実施形態の撹拌羽根部118は、後端部分が略一定の曲率半径で周方向に延びており、後端面が狭窄羽根部40の外周端部に前方から重ね合わされている。これにより、撹拌羽根部118は、狭窄羽根部40とともに噴射通路60を噴射方向で部分的に狭窄する狭窄羽根部を構成している。
このような本実施形態に従う構造とされた医療用粉体の体内噴射装置100においても、第1の実施形態と同様に、医療用粉体に作用する遠心力によって、使用する向きに拘わらず安定した噴射が実現される。また、第1の実施形態に比べて、粉体収容部材108と電動モータ80の連結構造が簡略化されており、部品点数の削減や製造の容易化が図られる。
また、本実施形態に示すように、噴射通路60内で医療用粉体を撹拌して分散化する撹拌羽根部118は、キャップ部材112に設けられていても良く、撹拌羽根部50が収容部材本体32に設けられた第1の実施形態と略同じ効果が期待できる。もっとも、撹拌羽根部は、回転する粉体収容部材側に設けられることが望ましいが、噴射通路60内に突出していれば、たとえばカバー22側に設けられていても、医療用粉体の分散化が図られ得る。
なお、本実施形態に示す構造において、図17に示すように、収容空所44の容積が小さい収容部材本体120を採用することもできる。この場合にも、第1,第2の実施形態と同様の効果が発揮される。しかも、撹拌羽根部118が収容部材本体120ではなくキャップ部材112に設けられていることから、撹拌羽根部118や噴射通路60の前半部分の形状の違いによる噴射特性の差が低減される。
図18〜20には、本発明の第3の実施形態としての医療用粉体の体内噴射装置を構成する収容部材本体130が示されている。収容部材本体130は、上下に二つの中空突部35,35を備えていると共に、前後中間部分に狭窄羽根部134を備えている。
より詳細には、狭窄羽根部134は、図18〜20に示すように、周上で放射状に配された複数枚の羽根136で構成されている。それら羽根136は、それぞれ噴射通路60の噴射方向である前後方向に対して所定の角度で傾斜して配されており、狭窄羽根部134が粉体収容部材とともに回転することにより、前方へ向けて流れる気流を生じるようになっている。なお、本実施形態では、1つの羽根136だけに錘42が設けられており、後述する電動モータ80による粉体収容部材の回転時に、回転中心に対する重心位置のずれによって振動が生じるようになっている。
そして、収容部材本体130は、前端部に図示しないキャップ部材が取り付けられて粉体収容部材を構成し、前記第1,第2の実施形態と同様に、本体ケース20に収容されて噴射通路60を構成すると共に、収容部材本体130の後端に設けられた連結部138が電動モータ80の出力軸82に外挿状態で連結される。これにより、収容部材本体130を備える粉体収容部材は、電動モータ80の回転駆動力によって前後中心軸周りで回転可能とされている。
そして、電動モータ80の回転駆動力によって粉体収容部材が回転すると、第1,第2の実施形態と同様に、収容部材本体130の収容空所44に収容された医療用粉体が粉体供給孔48を通じて噴射通路60に供給されて、噴射通路60を流れる圧力気体によって医療用粉体が前方へ噴射されるようになっている。
さらに、粉体供給孔48の後方近傍には、狭窄羽根部134が設けられており、噴射通路60の通路断面積が狭窄羽根部134によって通路長さ方向の一部で部分的に小さくされている。これにより、ベンチュリ効果による圧力気体の流速の増大が図られており、粉体供給孔48から噴射通路60へ供給された医療用粉体が、勢いよく流れる圧力気体によって効率的に前方へ運ばれて噴射される。
しかも、本実施形態では、狭窄羽根部134が複数枚の羽根136を備えた構造とされており、収容部材本体130の回転によってファンの如く前方(噴射通路60における噴射方向)への気流を生じる送風羽根構造を有している。従って、噴射通路60を流れる圧力気体は、狭窄羽根部134の回転によって更に増速されることから、医療用粉体が噴射通路60内に一層留まり難くなって、医療用粉体の全量を効率的に噴射することができる。
特に、送風羽根構造となるように形状を工夫した狭窄羽根部134が回転可能とされた収容部材本体に設けられているだけで、圧力気体を噴射通路60に流す送風機などの性能を高めることなく、圧力気体の圧力を高めて医療用粉体の残留を防ぐことができることから、低コスト且つコンパクトな装置構成によって効果的な噴射を実現することができる。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、第1の実施形態の構造において、カートリッジ部90と把持操作部92の接続方法は、例示したねじによる螺着に限定されない。具体的には、例えば、軸方向へ押し込んで嵌め込むことで、軸方向に機械的に係止されるようにしても良いし、圧入によって摩擦抵抗で連結されるようにしても良い。
また、収容部材本体の形状は、軸方向視で必ずしも放射形状である必要はなく、例えば、軸方向視で三角形や四角形などの多角形状も好適に採用され得る。更に、収容部材本体は、医療用粉体の収容空所から噴射通路への排出効率を考慮すると、前記のように周上で角を有する非回転体形状であることが望ましいが、軸方向視で円形の回転体形状も本発明において採用可能である。
更にまた、収容空所の壁内面は、粉体収容部材の回転中心軸に対して傾斜する案内壁面とされていることが望ましいが、回転中心軸に対して略平行の壁内面を有する収容空所も採用され得る。具体的には、例えば、収容空所は柱状の空間であっても良く、その場合には粉体供給孔を軸方向の複数箇所に設けたり、軸方向に所定の長さで延びるスリット状の粉体供給孔を採用したりすることにより、医療用粉体を収容空所から効率的に排出させることもできる。
また、粉体収容部材の回転時に振動を与える凝集阻止手段としては、別体の錘を取り付ける構造に限定されず、例えば、収容部材本体の形状によって重心位置を回転中心上から外れた位置に設定しても同様の効果を得ることができる。加えて、収容部材本体の外周面とカバーの内周面にそれぞれ突起を形成して、それら突起の当接によって振動が生じるようにしても良い。
また、粉体収容部材の回転および停止と、圧力気体の供給および停止と、開閉バルブの開閉作動とは、必ずしも1つの操作で連動して生じるものではなく、それぞれ別々の操作を要するようにしても良い。なお、たとえば、粉体収容部材を手動(人力)で回す場合などには、圧力気体の供給開始と開閉バルブの開作動とを行った後で、粉体収容部材に回転力を及ぼすことになる。
また、粉体供給孔48の大きさや数、配置などは、特に限定されるものではなく、収容部材本体32の形状などに応じて適宜に変更され得る。例えば、粉体供給孔48は、収容空所44の壁部の最外周端部に加えて又は替えて、最外周端部を外れた位置に設けることもできる。更に、粉体供給孔48は、例えば、周方向に所定長さで又は全周に亘って連続して延びるスリットとして形成されていても良い。また、噴射通路60は、粉体収容部材30の外周側に全周に亘って形成されるものには限定されず、前後に延びる1つ乃至は複数の噴射通路が周上部分的に形成されていても良い。
また、押圧部14の形状や位置、操作方法なども、あくまでも一例であって特に限定されない。具体的には、たとえば、ピストルの引き金状でグリップ部の前方に設けられていても良いし、外部に設けられたフットスイッチを足で踏むことによって作動するようにされていても良い。
10,100:医療用粉体の体内噴射装置、14:押圧部(連動機構)、30,108:粉体収容部材、32,110,120,130:収容部材本体、34,112:キャップ部材、36:粉体供給筒部(粉体供給口)、40,134:狭窄羽根部、42:錘、44:収容空所、45:内孔(粉体供給口)、46:案内壁面、47:周壁部、48:粉体供給孔、50,118:撹拌羽根部、60:噴射通路、80:電動モータ(出力手段)、85:電源(動力源)、86:スイッチ(切替機構、連動機構)

Claims (13)

  1. 経皮的に体内へ挿入されて先端の開口部から医療用粉体を圧力気体とともに体内へ噴射するバレル部を備えた医療用粉体の体内噴射装置において、
    前記医療用粉体を収容する粉体収容部材が回転可能に設けられており、該粉体収容部材の回転に伴う遠心力によって該医療用粉体を該粉体収容部材から前記圧力気体の噴射通路へ供給して該圧力気体とともに噴射するようにしたことを特徴とする医療用粉体の体内噴射装置。
  2. 前記噴射通路が前記粉体収容部材の外周に全周に亘って形成されている請求項1に記載の医療用粉体の体内噴射装置。
  3. 前記粉体収容部材の内部が非回転体形状とされていると共に、該粉体収容部材の周壁部の最外周端部には前記噴射通路に連通する粉体供給孔が貫通形成されている請求項1または2に記載の医療用粉体の体内噴射装置。
  4. 前記粉体収容部材の周壁部の壁内面が該粉体収容部材の回転中心軸に対して傾斜する案内壁面とされていると共に、該粉体収容部材の最外周端部には前記噴射通路に連通する粉体供給孔が貫通形成されている請求項1〜3の何れか一項に記載の医療用粉体の体内噴射装置。
  5. 前記粉体収容部材を回転時に振動させる凝集阻止手段を備えている請求項1〜4の何れか一項に記載の医療用粉体の体内噴射装置。
  6. 前記噴射通路には前記医療用粉体を分散させる撹拌羽根部が配されている請求項1〜5の何れか一項に記載の医療用粉体の体内噴射装置。
  7. 前記噴射通路には該噴射通路を通路長方向で部分的に狭窄する狭窄羽根部が配されている請求項1〜6の何れか一項に記載の医療用粉体の体内噴射装置。
  8. 前記狭窄羽根部が前記粉体収容部材に設けられていると共に、該狭窄羽根部が該粉体収容部材の回転によって前記噴射通路に噴射方向の気流を生じさせる送風羽根構造とされている請求項7に記載の医療用粉体の体内噴射装置。
  9. 前記粉体収容部材の基端部には回転出力を発生する出力手段が取り付けられていると共に、該粉体収容部材の先端部が回転可能に支持されている請求項1〜8の何れか一項に記載の医療用粉体の体内噴射装置。
  10. 前記粉体収容部材が回転出力を発生する出力手段に着脱可能に取り付けられている請求項1〜9の何れか一項に記載の医療用粉体の体内噴射装置。
  11. 回転出力を発生する出力手段が前記粉体収容部材に取り付けられており、該出力手段に動力を供給する動力源が設けられていると共に、該動力源から該出力手段への動力の供給と停止を切り換える切替機構が設けられており、更にそれら出力手段と動力源と切替機構が一体的に着脱可能に設けられている請求項1〜10の何れか一項に記載の医療用粉体の体内噴射装置。
  12. 前記圧力気体の供給と停止の切り換えに連動して前記粉体収容部材の回転と停止を切り換える連動機構を備えている請求項1〜11の何れか一項に記載の医療用粉体の体内噴射装置。
  13. 前記粉体収容部材が、前記医療用粉体を収容する収容空所を備えるとともに該収容空所に該医療用粉体を供給する粉体貯蔵容器の開口が嵌合される粉体供給口を備える収容部材本体と、該収容部材本体に取り付けられて該粉体供給口を閉塞するキャップ部材とを、含んで構成されている請求項1〜12の何れか一項に記載の医療用粉体の体内噴射装置。
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