JP4216609B2 - 疵検出装置及び疵検出方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、疵検出装置及び疵検出方法に関し、特に、鋼板や鋼材等の疵検出を行う対象物の表面を撮像して得られた画像信号に基づいて上記鋼板等の表面疵を検出するのに用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、製鉄業の鋼板生産ラインにおいては、品質確保のために鋼板の表面疵を検出する疵検出が行われている。この疵検出では、鋼板の表面に光を照射し、得られた反射光より生成した画像信号に対して所定の画像処理を施すことで鋼板表面の状態を表した画像データを生成して、鋼板表面の疵の有無を検出している。
【0003】
上記疵検出における画像処理では、鋼板表面の疵を抽出するために、例えば、上記鋼板表面の状態を表した画像データを所定の閾値で分割する2値化処理を行い、上記閾値を越えた画像データに対応する鋼板位置が疵部分であるという判定をしている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ここで、上記鋼板表面において状態が変化している部分が疵であるか否かの判定の際に用いられる閾値は、通常、一定の値に設定される固定閾値である。そして、鋼板表面のメッキ層の有無や鋼板の材質(鋼種)、或いは製造工程の特徴等を考慮して決定された最適な閾値が、鋼板の搬入動作が開始される前にあらかじめ設定されるようになされている。
【0005】
また、上記検出閾値を固定値として設定せずに疵判定する方法も知られている。例えば、製造ラインへ搬入される鋼板表面の肌の状態を実際にモニタリングして輝度分散値等の評価基準値を算出しながら、検出閾値を動的に設定する疵検出方法が挙げられる。上記疵検出方法によれば、実際の鋼板地肌の特徴が時系列で定量化され、鋼板の走行にあわせて疵検出閾値を逐次、変更していくことが可能になる。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−189905号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、実際の鋼板の中には、例えば、表面部に地合模様を有して製造される鋼板、或いは、鋼種や製造工程の特徴により表面部が全体的に均一で滑らかな仕上がり状態にならず、いわゆる肌荒れ現象等が生じている鋼板等がある。
【0008】
上述したような肌荒れ現象等が生じている鋼板に対して、上記特許文献1に示すような固定の検出閾値を用いて疵検出を行うと、良好な疵検出を行うことが困難となることが多い。すなわち、肌荒れ現象が生じている鋼板では、実際の検出閾値が鋼板全長で大きく変動して、最適値であると見込んで設定した検出閾値と大きな差が生じてしまうことから誤検出が発生する。このことは、肌荒れ鋼板に限らず、地合模様を有する鋼板についても同様のことがいえる。
【0009】
このため、固定の検出閾値を用いた画像処理による疵検出方法では、鋼板全長にわたって精度の良い疵検出を実施することが困難であるという問題があった。
そこで、特に、肌荒れ鋼板等においては固定の検出閾値に替わり、上述したような閾値を動的に変えながら疵検出を行う手法(例えば、輝度分散値等)が用いられている。
【0010】
しかしながら、上記輝度分散値による疵検出は、疵自体を直接検出するものではなく、輝度の変化の度合いが変動する実際の鋼板の地肌状態をモニタリングして間接的に疵部分を推定する手法である。そのため、輝度分散値によっては、疵ではない地合模様または肌荒れ位置が、鋼板の疵と認識されてしまうことがあるという問題があった。
【0011】
また、製造/検出ラインに搬入される鋼板の疵検出処理をリアルタイムで実現するためには、1フレーム、すなわち各1画像画面の処理を短時間で行う必要がある。このため、一般に、疵検出を行う画像処理において、1フレーム内で検出可能な疵個数を制限するようなアルゴリズムが組み込まれている。
【0012】
上述したような検出可能な疵個数の上限が設けられた場合に、上記輝度分散値によって地合模様や肌荒れ部分等が疵と誤認識されると、疵検出処理では上記誤認識した地合模様や肌荒れ部分等を疵個数としてカウントしてしまうので、上記上限の範囲を超えてしまうことがあった。このため、本来、検出すべきであった重要な疵が存在していたのにもかかわらず、これを認識せずに見逃してしまうという問題があった。
【0013】
また、上記上限範囲内の疵個数ではあるが、規定個数以上の疵が1フレーム内で検出されるような場合、画像処理を行う計算機の負荷が過大となってしまい、これ以上計算処理を続けることが不可能な状態に陥ることがある。このような計算不能状態を回避するために、計算機はそのフレーム内の疵データを疵検出処理の途中で記憶メモリから廃棄するなどの措置を行っている。
【0014】
これにより、次のフレームの処理を続行して行うことができるようにして、連続的な疵検出がリアルタイムに行われることを可能にしている。しかしながら、上記の場合、処理が途中で打ち切られて疵データが廃棄されたフレームには、未検出の疵箇所が残っている可能性がある。
【0015】
さらに、上述した記憶メモリからデータ廃棄に要した時間に相当する走行距離の鋼板疵も、検出対象から外れてしまい疵未検出の鋼板が生じてしまうことになる。
このように、従来の疵検出方法では、鋼板の全長にわたって安定した疵検出が行われず、実際の製造/検出ラインにおける疵検出装置の実用化が困難であるという問題があった。
【0016】
そこで、本発明は、上述した問題点をかんがみ、製造/検出ラインに搬入される鋼板表面の疵を確実に検出できるようにするとともに、鋼板の全長にわたり安定した高品質の疵検出を行うことができるようにすることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の疵検出装置は、疵検出を行う対象物を撮像手段により撮像して得られた画像信号に基づいて疵検出を行う疵検出装置であって、
上記疵検出を行う対象物に生じた疵候補を所定の検出閾値に基づいて検出する疵検出処理手段と、
上記疵検出処理手段により検出した疵候補の個数を算出する疵候補個数算出手段と、
上記疵候補個数算出手段により算出された疵候補の個数を用いて、上記検出閾値を更新する検出閾値更新手段とを有し、
上記疵候補個数算出手段は、上記疵検出処理手段により検出される複数画像画面の疵候補個数の移動平均値を上記算出された疵候補の個数とするものであり、
上記検出閾値更新手段は、上記疵候補個数算出手段により算出された疵候補個数と、上記検出閾値と対応した所定の疵候補個数、すなわち、画像処理の計算上の許容値の目安としての疵候補個数の上限値または下限値とを比較して、上記比較結果に基づいて上記検出閾値の更新を行うものであり、
上記検出閾値更新手段はまた、上記疵候補個数算出手段により算出された疵候補個数が、上記疵個数の上限値を超えて所定の幅以上増加した場合に検出閾値を上げ、上記算出された疵候補個数が、上記検出閾値を上げた後に、上記疵個数の上限値を下回って所定の幅以上減少した場合に検出閾値を元の値に戻し、上記算出された疵候補個数が、上記疵個数の下限値を下回って所定の幅以上減少した場合に検出閾値を下げ、上記算出された疵候補個数が、上記検出閾値を下げた後に、上記疵個数の下限値を超えて所定の幅以上増加した場合に検出閾値を元の値に戻すものであり、
上記検出閾値更新手段はさらに、上記検出閾値を基準にして所定のオフセット量を設定するオフセット量設定手段を有し、上記疵検出処理手段により検出される1画像画面の疵候補個数が上記疵候補個数を超える場合、上記検出閾値更新手段は上記検出閾値を、上記オフセット量設定手段により設定されたオフセット量分だけ修正するものであり、
上記疵検出処理手段は、上記疵検出を行う対象物に疵が存在するか否かを判断する際に使用するための複数の検出フィルタを有し、上記オフセット量設定手段は、上記検出フィルタ毎にオフセット量を個別に設定することを特徴とする。
【0018】
また、本発明の他の特徴とするところは、上記検出フィルタは、凹凸疵検出フィルタ、一般疵検出フィルタ、微小疵検出フィルタ、製鋼、圧延疵検出フィルタ、または自工程疵検出フィルタの少なくとも何れか1つを含むことである。
【0019】
本発明の疵検出方法は、疵検出を行う対象物を撮像手段により撮像して得られた画像信号に基づいて疵検出を行う疵検出方法であって、
上記疵検出を行う対象物に生じた疵候補を所定の検出閾値に基づいて検出する疵検出処理手順と、
上記疵検出処理手順により検出した疵候補の個数を算出する疵候補個数算出手順と、
上記疵候補個数算出手順により算出された疵候補の個数を用いて、上記検出閾値を更新する検出閾値更新手順とを有し、
上記疵候補個数算出手順は、上記疵検出処理手順により検出される複数画像画面の疵候補個数の移動平均値を上記算出された疵候補の個数とするものであり、
上記検出閾値更新手順は、上記疵候補個数算出手順により算出された疵候補個数と、上記検出閾値と対応した所定の疵候補個数、すなわち、画像処理の計算上の許容値の目安としての疵候補個数の上限値または下限値とを比較して、上記比較結果に基づいて上記検出閾値の更新を行うものであり、
上記検出閾値更新手順はまた、上記疵候補個数算出手順により算出された疵候補個数が、上記疵個数の上限値を超えて所定の幅以上増加した場合に検出閾値を上げ、上記算出された疵候補個数が、上記検出閾値を上げた後に、上記疵個数の上限値を下回って所定の幅以上減少した場合に検出閾値を元の値に戻し、上記算出された疵候補個数が、上記疵個数の下限値を下回って所定の幅以上減少した場合に検出閾値を下げ、上記算出された疵候補個数が、上記検出閾値を下げた後に、上記疵個数の下限値を超えて所定の幅以上増加した場合に検出閾値を元の値に戻すものであり、
上記検出閾値更新手順はさらに、上記検出閾値を基準にして所定のオフセット量を設定するオフセット量設定手順を有し、上記疵検出処理手順により検出される1画像画面の疵候補個数が上記疵候補個数を超える場合、上記検出閾値更新手順は上記検出閾値を、上記オフセット量設定手順により設定されたオフセット量分だけ修正するものであり、
上記疵検出処理手順は、上記疵検出を行う対象物に疵が存在するか否かを判断する際に使用するための複数の検出フィルタを有し、上記オフセット量設定手順は、上記検出フィルタ毎にオフセット量を個別に設定することを特徴とする。
【0020】
また、本発明の他の特徴とするところは、上記検出フィルタは、凹凸疵検出フィルタ、一般疵検出フィルタ、微小疵検出フィルタ、製鋼、圧延疵検出フィルタ、または自工程疵検出フィルタの少なくとも何れか1つを含むことにある。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の疵検出装置及び疵検出方法の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0022】
本発明は、例えば、図1に示すような疵検出装置10に適用される。本実施の形態の疵検出装置10が疵検出を行う対象物として、圧延鋼板製造ラインで製造された鋼板を例に挙げて説明する。
【0023】
本実施の形態では、疵検出装置10は、鋼板地肌の模様(以下、地合模様と称する)の度合いと疵候補個数とを関連づけて、鋼板表面の実際の疵を含む上記疵候補個数を定量的に把握することにより、疵検出に用いるための閾値、すなわち検出感度を適宜更新するようにしている。
【0024】
<疵検出装置10の全体構成>
図1に示すように、疵検出装置10は、圧延工程後の鋼板1の表面を撮像するCCDカメラ等の撮像部2、上記撮像部2により撮像して得られた画像信号に基づいて生成した画像データを処理する画像処理部3、及びモニタ8等を備えている。
【0025】
撮像部2は、図示しない照明部により照明された鋼板1の反射光を受光して画像信号を生成し、上記生成した画像信号を画像処理部3へ出力する。画像処理部3は入力された画像信号に所定の画像処理を施して、鋼板表面の状態を表した画像データを生成する。
【0026】
画像処理部3は、信号処理部4、疵検出処理部5、疵候補個数算出部6、及び検出閾値更新部7を有している。
信号処理部4は、撮像部2より入力された画像信号に対して、後段の疵検出処理部5で行われるデータ処理の前処理を行う。前処理の内容はCCD素子のばらつき補正、画像明るさの補正、鋼板のエッジ検出、及びノイズ処理等がある。
【0027】
疵検出処理部5は、疵と推定できる鋼板箇所を所定のアルゴリズムによって検出する。また、上記検出した疵部分15、16がモニタ8の表示画面に映し出されるようにする表示制御を行う。疵検出処理部5は、画像処理単位に相当するフレーム11、12、13、...ごとに上記疵検出を行う。
【0028】
疵候補個数算出部6は、詳細は後述するが、疵検出処理部5によって検出された疵個数に基づいて、検出閾値を更新するか否かの判断に用いる疵候補個数を算出する。
なお、上述した疵検出処理部5によりフレーム11、12、13、...単位で検出される鋼板上の疵位置や疵個数、または疵候補個数算出部6により算出される疵候補個数の情報は、必要に応じて記録手段により記録されるようにしてもよい。
【0029】
<疵検出装置10の動作>
ここでは、疵検出装置10の基本的な動作について、図2に示すフローチャートを参照しながら説明する。疵検出装置10は、ラインに搬入されてくる鋼板1の表面を撮像部2により撮像して画像信号を生成し、上記生成した画像信号に対して画像処理部3により疵検出処理を行うとともに、上記疵検出処理を行いながら疵検出閾値を更新する動作を行う。以下に、疵検出装置10の動作を順に説明する。
【0030】
まず、走行ライン上の鋼板1が疵検出装置10の方向に移動を開始して、鋼板1が所定の位置に到達したことを不図示の鋼板位置検出部により検出されると、撮像部2は鋼板1に向かって光を照射するとともに、撮像部2を作動する(ステップS201)。
【0031】
次に、ステップS202で、撮像部2が鋼板1を撮像して鋼板表面の光学像を画像信号に変換して画像処理部3へ出力する。画像処理部3内の信号処理部4は、撮像部2より入力された画像信号に対して所定の信号処理(A/D変換、CCD素子のばらつき補正等)及び画像処理(画像明るさの補正、鋼板のエッジ検出、ノイズ除去等)を施し、疵検出処理部5へ出力する。
【0032】
次に、ステップS203で、疵検出処理部5は信号処理部4から画像信号が入力されたか否かを判断する。この判断の結果、画像信号が入力された場合にはステップS204に進み、疵検出処理部5は設定されている基準検出閾値に基づいて、現在のフレーム11に疵として推定される箇所(疵候補)の個数をカウントする疵検出を行う。
【0033】
次に、ステップS205で、疵候補個数算出部6は、現在のフレーム11を含む前のフレーム12、13等でそれぞれ検出された疵候補個数の移動平均値を算出する。本実施の形態では、上記前のフレームは6つにして7フレームの移動平均値を算出している。しかし、これに限らず、例えば、上記前のフレームを3フレームとすれば、上記移動平均値は合計4フレームの各フレームで検出された疵候補個数の平均となる。
【0034】
次に、ステップS206で、検出閾値更新部7は、上記ステップS205で算出された移動平均値による疵候補個数と所定の疵候補個数とを比較する。ここで、上記所定の疵候補個数とは画像処理の計算上の許容値の目安をあらわしており、各フレーム11、12、13、...で許容できる疵候補個数の上限値または下限値の目安である。
【0035】
次に、ステップS207で、検出閾値更新部7は、設定されていた基準検出閾値に対して所定のオフセット量の調整を行うか否かの判断を、上記ステップS206の比較結果に基づいて行う。そして、疵候補個数が上限値を超えている場合には、ステップS208に進み、検出閾値更新部7は、上記基準検出閾値にオフセット量の値を加算して、検出閾値を増加させた更新を行う。これに対して、疵候補個数が下限値を超えている場合には、上記基準検出閾値からオフセット量の値を減算して、検出閾値を減少させた更新を行う。
【0036】
次に、ステップS209で、疵検出装置10は鋼板1に対する疵検出が完了したか否かを判断する。上記判断の結果、疵検出が完了した場合には、鋼板1を照明していた照明部及び撮像部2の動作を停止して処理を終了する。
一方、ステップS209の判断の結果、疵検出が完了していないと判断した場合には、ステップ202に戻って、鋼板1の撮像、疵検出、及び検出閾値の更新等上述した一連の動作を繰返し行う。
【0037】
<疵検出のアルゴリズム>
次に、画像処理部3における疵検出処理部5が鋼板1に生じた疵15等を検出するための疵検出アルゴリズムについて説明する。
【0038】
まず、鋼板1表面の地合模様と疵候補個数との関係について説明する。
図3は、地合模様と疵候補個数の関係を表す図である。図3に示すグラフの横軸は、鋼板表面における単位面積当りに地合模様が存在する割合を示し、縦軸は疵候補の個数を示している。ここで、疵候補の個数とは、実際の疵の個数に、実際の疵ではないが画像処理上では疵として推定されるような箇所数を加算した個数をいうものとする。
【0039】
地合模様と疵候補個数との関係を調べたところ、図3に示すように、単位面積あたりの地合模様の割合がおよそ6〜7割を超えるようになると、疵候補個数が急激に増加するようになることが判明した。
【0040】
このため、本実施の形態の疵検出アルゴリズムでは、鋼板1表面の任意の部分が疵部分であると認識するための判断基準として上記疵候補個数を用いるようにしている。そして、実際の鋼板1表面の疵検出に柔軟に適応できるようにするために、フレーム11、12、13、...ごとの疵候補個数の増減に応じて、検出閾値(検出感度)が変動するように構成している。
【0041】
疵検出の閾値として、上述したような疵候補個数を用いるメリットは、画像の変動の度合いを、フレーム11、12、13、...ごとに直接的に計測できることにある。すなわち、地合模様や肌荒れによって画像の輝度に変化が生じた場合でも、この輝度変化箇所が直ちに鋼板1の疵として推定されるのではなく、直接計測して検出する疵候補個数に基づいて設定した閾値から疵箇所15等を推定するようにしているので、確実な疵検出を行うことができるという効果がある。
【0042】
具体的には、例えば、走行に比例して地合模様や肌荒れが増加するような鋼板1の場合、上記図3で示したように疵候補個数も増加していく。これに対して、地合模様や肌荒れの出現が少なくなれば、疵候補個数も減少していく。
【0043】
そこで、疵候補個数をリアルタイムで検出して、上記検出した疵候補個数が増加する傾向にあれば検出閾値の設定を高くするように修正を加えるようにし、これとは逆に、疵候補個数が減少する傾向にあれば検出閾値の設定を低くするように修正を加えるようにしている。
【0044】
このように、疵候補個数の変動に対応した検出閾値の調整を行いながら疵箇所の有無を判断するようにすることにより、疵検出を見逃してしまうミスをできるだけ防ぐようにしている。
【0045】
次に、上述した疵候補個数の算出方法ついて、さらに具体的に説明する。本実施の形態では、疵候補個数の算出に移動平均値を用いている。
図4に、上記移動平均値を用いた疵候補の検出を説明するための概念図を示す。図4に示す複数の黒丸部分41が、鋼板1の表面に生じた疵部分を示している。
【0046】
また、画像処理を行う処理単位であるフレーム11、12、13、...(1画面)ごとの区切りを、鋼板表面に点線で示している。上記1つのフレーム11の長さは、圧延方向(走行方向)で0.5m〜2m程度の範囲であり、実際には鋼板1のラインスピードによって決定される。
【0047】
例えば、ラインスピードが下がれば1フレームの長さは0.5mとなり、疵検出の分解能は上がる。これに対して、ラインスピードを上がれば1フレームの長さは2mとなり、疵検出の分解能は下がることになる。
【0048】
図4に示す鋼板1の例では、移動平均値を求めるために、7つのフレームに発生した疵候補個数の平均値を算出している。
移動平均値の算出の説明を容易にするため、図4では便宜上、7フレームごとに鋼板1を切断してこれらを段違いで重ねて示しているが、実際の圧延鋼板製造ラインに搬入される鋼板1は連続した板であり、鋼板1の全長にわたって連続した移動平均値を算出して疵検出を行っている。なお、フレームにおける圧延方向に垂直な方向(図4に示す鋼板の縦方向)は鋼板1の板幅に相当する。
【0049】
鋼板1表面に生じる疵候補が検出される場合というのは、何らかの理由により突発的に生じてしまった実際の鋼板疵を認識したか、或いは製造ラインや工程に依存して徐々に変化していく地合模様を認識した場合である。
【0050】
このため、検出される1フレームごとの疵候補個数の変動は、上述した突発的に出る実際の疵の場合は前後のフレームとの比較において急激な変動となる。
この場合、例えば、特定のフレーム11のみに発生した、いわゆる局所的な疵候補個数の増加を疵検出閾値に直接反映させること、すなわち、上記特定フレーム11の影響を他のフレームと同等の重み(重み値=1)とすることは、疵候補個数に基づく疵検出閾値の修正において適切ではない。
【0051】
一方、地合模様の変化の場合は同程度の疵候補個数が検出されることから、検出される1フレームごとの疵候補個数の変動は緩やかな状態が続くようになる。そのため、地合模様の変化を把握するためには、数m〜数100mの範囲で鋼板1表面の地肌の状態を検出する必要がある。
【0052】
このように各鋼板1によって疵候補個数の変動には緩急が存在し、その何れの変動も的確に判断した上で、疵検出の閾値を更新できるようにするために、本実施の形態では移動平均値による疵候補個数を算出している。
【0053】
例えば、移動平均値の対象とするフレーム数を7個として、7フレームごとの疵候補個数の平均を求める。上記図4に示した鋼板疵の場合、(2+4+4+1+1+4)/7≒2.3となり、最初の7フレーム(図4では、1列目の各フレーム)では平均2.3個の疵候補個数が存在していることになる。
【0054】
次に、最初の7フレーム中において、第1のフレームを除く第2のフレーム〜第7のフレーム、及び第8番目のフレーム(図4では、2列目の先頭のフレーム)を合わせた7つのフレームにおける疵候補個数の平均を同様に求める。これを順次、1フレームずつずらしながら7フレームの平均を常に求めていけば、鋼板1に対する移動平均値に基づく疵候補個数が求まることになる。
【0055】
上記図4に示した疵検出の場合、仮に3個以上で検出閾値を更新するとしたとき、最初の7フレームで計3回の閾値の更新が発生してしまう。ところが、このような短い範囲で閾値を頻繁に更新する必要はない。移動平均値を用いれば、例えば、7フレームであれば各フレームには1/7の重さでしか影響が及ばなくなり、7フレームの移動平均値を算出しながら各フレームで閾値の更新を行うか否かの判断することになる。
【0056】
このように、上記移動平均値を用いて検出閾値の更新を行うようにする疵検出は、特定のフレーム11内で局所的に発生した事情による閾値に対する影響を小さくできるとともに、地合模様が徐々に変化するような鋼板1においては、その地合の変動を閾値更新のパラメータとして正確に取り込むことが可能になる。
【0057】
また、詳細は後述するが、疵候補個数をその変動の経過(ヒステリシス)に依存するように反映させることで、地合模様の変化により正確に対応する疵検出を行うことができる。
【0058】
次に、求めた疵候補個数に基づいて、疵検出閾値を更新(修正)していく実際の手順について説明する。
図5は、閾値を更新する際の疵候補個数の時間推移を示している。図5に示す特性図の横軸は経過時間を示し、縦軸は移動平均疵候補個数と比較する疵候補個数である。
【0059】
図5では、疵検出閾値を更新する疵候補個数を、上限基準では40個、及び下限基準では5個に設定して行う例を示している。すなわち、検出される疵候補の個数が基準値の40個を超える場合、検出感度が良すぎることになる。そこで、現在設定されている検出閾値を高めに更新して検出感度を下げ、次のフレームで検出される疵候補の個数を40個以下に抑えるようにする。
【0060】
これに対して、検出される疵候補の個数が基準値の5個を下回る場合、検出感度が悪すぎることになる。そこで、現在設定されている検出閾値をさらに低めに更新して検出感度を上げ、次のフレームで検出される疵候補の個数を5個以上になるようにする。
【0061】
図5の特性図を用いて、上述した内容をさらに具体的に説明する。図5に示すように、例えば、ある時点で検出される移動平均疵候補個数が上限疵候補個数の40個を超えて2割以上増加した場合(48個以上)、検出感度を下げるようにするため検出閾値を徐々に遠ざけていく。これに対応して検出される疵候補個数は徐々に減少するようになるが、40個を下回って2割以上減少すれば(32個以下)、検出感度が下がり過ぎになるので元の感度になるように閾値をやや近づける更新をして検出感度を戻すようにする。図6に、上述した検出閾値が更新される際の概念図を示す。
【0062】
また、例えば、ある時点で検出される移動平均疵候補個数が下限疵候補個数の5個を下回って2割以上減少した場合(4個以下)、検出感度が低過ぎるので高感度にすべく、検出閾値をさらに近づけて設定する。これに対応して検出される疵候補個数は徐々に増加していくが、5個を超えて2割以上増加すれば(6個以上)、検出感度が上がり過ぎになっていくので元の検出感度なるように閾値をやや遠ざける更新をして戻すようにする。
【0063】
このように、検出閾値に対して所定の幅(上述の場合、±2割)を有するようにすることで、検出閾値を更新するか否かの判断にそれまでの疵検出個数の履歴ともいうべきヒステリシスを考慮できるようになる。
【0064】
また、上記基準値の40個(及び5個)を判断基準にして、検出閾値を一回更新しても、また移動平均疵候補個数が40個以上(及び5個以下)になる場合は、さらに低感度(高感度)になるように、第2回目、第3回目等の修正という検出閾値の調整を重ねて施すようにしている。
【0065】
上述した多段階方式によって検出閾値を更新する方法を、図7を参照しながら説明する。図7に示す特性図は、疵検出するための画像処理上の検出フィルタとして5種類設定して、基準閾値及び更新オフセット値が各検出フィルタでそれぞれ独立していることを示している。
【0066】
上記5種類のフィルタは、具体的には例えば、凹凸疵検出フィルタ、一般疵検出フィルタ、微小疵検出フィルタ、製鋼、圧延疵検出フィルタ、及び自工程疵検出フィルタである。ここで、8ビットのデータであれば、256段階の輝度値であらわすことができるので、中間の128を境にして高輝度成分と低輝度成分とに分ける。図7では、高輝度成分を上、低輝度成分を下として示している。
【0067】
凹凸疵検出フィルタを例にすれば、本実施の形態では、上の基準閾値を180として、低感度オフセット値を10としている。上述したように、逐次算出される移動平均疵候補個数が、所定の上限疵候補個数(図5に示した例の場合、40個)の2割増し(40+40*0.2=48個)を超えた場合、検出感度を低くするために、基準閾値180にオフセット量10を加算して検出閾値を190(低感度1)にする。
【0068】
上述のように、検出閾値を基準閾値180よりも遠ざけることにより、これまでよりも高輝度の画素でないと疵候補として認識されなくなるので、検出感度は低感度の傾向になったことになる。検出閾値を190に更新しても、さらに算出される移動平均疵候補個数が、所定の上限疵候補個数の2割増しを超えるような場合、検出閾値190に対してオフセット量10を再加算して検出閾値を200(低感度2)にする。そして、必要に応じてこの処理を繰り返すことを行う(低感度1→低感度2→低感度3→……)。
【0069】
このような基準閾値に対するオフセット量の加算を用いた検出閾値の更新により、凹凸疵検出フィルタ(上)の検出感度は、段階的に低感度にすることができる。
同様な考え方で、下の基準値に対してもオフセット修正を行ったり、他の種類の検出フィルタに対してもオフセット修正を行ったりする。
また、検出感度を低感度にする場合のみならず、高感度にする場合にも同様な多段階修正を適用することが可能である。
【0070】
なお、図5に示す溶接点51は鋼板1の接続部であり、処理対象のフレームがこの溶接点51になった場合、上述した検出閾値をデフォルトに戻すようにする。そして、移動平均値を算出して戻した検出閾値が妥当であるか否かを判断するようにしている。
【0071】
また、本実施の形態で示した移動平均疵候補個数、基準閾値、及びオフセット値は一例であり、鋼板1の種類や製造ライン等によって適切な値が設定されることは言うまでもない。
【0072】
また、本実施の形態では1台の撮像部2(撮像カメラ)で鋼板1の幅方向をすべて網羅しているものとして説明したが、鋼板1の板幅長が大きく照明部または撮像部2との関係で、1台の撮像カメラで1フレームを板幅長までとれない場合もある。この場合、上記板幅方向を分割して1フレームがさらに複数のフレームとなることもあり得るが、この場合は幅方向の複数のフレームを合成することにより、移動平均値の算出をはじめとする疵検出アルゴリズムの基本的な考え方は同様に適用できるものである。
【0073】
また、本実施の形態では疵候補個数を移動平均値によって算出する方法を示したがこれに限るものではなく、他の算出指標によって疵候補個数を算出するようにしてもよい。
【0074】
また、本実施の形態では鋼板1表面の疵の有無を検出する疵検出装置10について説明したが、疵の存在する箇所が鋼板1表面でなく鋼板1内部に存在する場合にも適用することができる。例えば、照明処理部における発光部を、可視光の替わりに紫外線、赤外線、または放射線等を用いて構成した疵検出装置によっても、上述した疵検出を実現できるものである。
【0075】
上述したように、本実施の形態によれば、複数フレームから検出された疵候補個数の移動平均値を算出して、上記移動平均算出値が所定の基準検出閾値の範囲に入るように制御することで、画像処理部3における疵検出のための検出感度の調整を行うようにしている。
【0076】
これにより、地合模様を有する鋼板1の場合には、上記オフセット値の加算または減算によって検出感度を地合模様に追従させることができる。また、鋼板1表面に疵を有している場合には、疵候補の移動平均に基づく検出閾値の設定により、不必要な閾値更新が繰り返されることを防止することができる。
【0077】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、疵検出を行う対象物を撮像手段により撮像して得られた画像信号に基づいて疵検出を行う際に、所定の検出閾値に基づいて上記対象物より検出した疵候補個数をパラメータとして上記疵検出を行う対象物の状態を把握して、上記検出閾値を更新するようにした。これにより、上記疵検出を行う対象物の色合いや輝度等の変化に基づく疵と推定してしまう不都合を可及的に防止することが可能となり、本来の疵を検出する精度を格段と向上させることができる。また、疵検出の過程で取り込んでしまった種々のノイズを排除して、精度の高い疵検出を行うことができる。
【0078】
また、本発明のその他の特徴によれば、1画像画面ごとに疵候補を検出して、得られた複数個の疵候補個数の移動平均値を算出し、疵検出の閾値を更新するか否かを判断するようにしているので、特定の画像画面で局所的に発生した事情による閾値に対する影響を小さくできるとともに、対象物全体で徐々に変化するような変動についてもその変化を閾値更新に正確に取り込むことができる。
【0079】
また、本発明のその他の特徴によれば、疵候補個数と所定の疵候補個数とを比較しながら、疵検出のための検出閾値を更新するようにしたので、疵検出の途中で過負荷により処理不能になるのを防止することができ、かつ処理限界付近で常に疵検出を行うことが可能となる。このため、疵個数の多少にかかわらず、画像処理が休止したり、或いは停止したりすることなく、対象物全体にわたって安定したリアルタイムの疵検出を行うようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示し、疵検出装置の概略構成の一例を示した図である。
【図2】本発明の実施の形態である疵検出装置の動作手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】地合模様と疵候補個数との関係を示した特性図である。
【図4】フレーム単位で検出した疵候補個数の移動平均を算出する処理を説明するための図である。
【図5】検出閾値を更新する際のヒステリシスを説明するための図である。
【図6】検出閾値の更新を説明するための図である。
【図7】検出閾値を段階的に更新する処理を説明するための図である。
【符号の説明】
10 疵検出装置
1 鋼板
2 撮像部
3 画像処理部
4 信号処理部
5 疵検出処理部
6 疵候補個数算出部
7 検出閾値更新部
8 モニタ
Claims (4)
- 疵検出を行う対象物を撮像手段により撮像して得られた画像信号に基づいて疵検出を行う疵検出装置であって、
上記疵検出を行う対象物に生じた疵候補を所定の検出閾値に基づいて検出する疵検出処理手段と、
上記疵検出処理手段により検出した疵候補の個数を算出する疵候補個数算出手段と、
上記疵候補個数算出手段により算出された疵候補の個数を用いて、上記検出閾値を更新する検出閾値更新手段とを有し、
上記疵候補個数算出手段は、上記疵検出処理手段により検出される複数画像画面の疵候補個数の移動平均値を上記算出された疵候補の個数とするものであり、
上記検出閾値更新手段は、上記疵候補個数算出手段により算出された疵候補個数と、上記検出閾値と対応した所定の疵候補個数、すなわち、画像処理の計算上の許容値の目安としての疵候補個数の上限値または下限値とを比較して、上記比較結果に基づいて上記検出閾値の更新を行うものであり、
上記検出閾値更新手段はまた、上記疵候補個数算出手段により算出された疵候補個数が、上記疵個数の上限値を超えて所定の幅以上増加した場合に検出閾値を上げ、上記算出された疵候補個数が、上記検出閾値を上げた後に、上記疵個数の上限値を下回って所定の幅以上減少した場合に検出閾値を元の値に戻し、上記算出された疵候補個数が、上記疵個数の下限値を下回って所定の幅以上減少した場合に検出閾値を下げ、上記算出された疵候補個数が、上記検出閾値を下げた後に、上記疵個数の下限値を超えて所定の幅以上増加した場合に検出閾値を元の値に戻すものであり、
上記検出閾値更新手段はさらに、上記検出閾値を基準にして所定のオフセット量を設定するオフセット量設定手段を有し、上記疵検出処理手段により検出される1画像画面の疵候補個数が上記疵候補個数を超える場合、上記検出閾値更新手段は上記検出閾値を、上記オフセット量設定手段により設定されたオフセット量分だけ修正するものであり、
上記疵検出処理手段は、上記疵検出を行う対象物に疵が存在するか否かを判断する際に使用するための複数の検出フィルタを有し、上記オフセット量設定手段は、上記検出フィルタ毎にオフセット量を個別に設定することを特徴とする疵検出装置。 - 上記検出フィルタは、凹凸疵検出フィルタ、一般疵検出フィルタ、微小疵検出フィルタ、製鋼、圧延疵検出フィルタ、または自工程疵検出フィルタの少なくとも何れか1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の疵検出装置。
- 疵検出を行う対象物を撮像手段により撮像して得られた画像信号に基づいて疵検出を行う疵検出方法であって、
上記疵検出を行う対象物に生じた疵候補を所定の検出閾値に基づいて検出する疵検出処理手順と、
上記疵検出処理手順により検出した疵候補の個数を算出する疵候補個数算出手順と、
上記疵候補個数算出手順により算出された疵候補の個数を用いて、上記検出閾値を更新する検出閾値更新手順とを有し、
上記疵候補個数算出手順は、上記疵検出処理手順により検出される複数画像画面の疵候補個数の移動平均値を上記算出された疵候補の個数とするものであり、
上記検出閾値更新手順は、上記疵候補個数算出手順により算出された疵候補個数と、上記検出閾値と対応した所定の疵候補個数、すなわち、画像処理の計算上の許容値の目安としての疵候補個数の上限値または下限値とを比較して、上記比較結果に基づいて上記検出閾値の更新を行うものであり、
上記検出閾値更新手順はまた、上記疵候補個数算出手順により算出された疵候補個数が、上記疵個数の上限値を超えて所定の幅以上増加した場合に検出閾値を上げ、上記算出された疵候補個数が、上記検出閾値を上げた後に、上記疵個数の上限値を下回って所定の幅以上減少した場合に検出閾値を元の値に戻し、上記算出された疵候補個数が、上記疵個数の下限値を下回って所定の幅以上減少した場合に検出閾値を下げ、上記算出された疵候補個数が、上記検出閾値を下げた後に、上記疵個数の下限値を超えて所定の幅以上増加した場合に検出閾値を元の値に戻すものであり、
上記検出閾値更新手順はさらに、上記検出閾値を基準にして所定のオフセット量を設定するオフセット量設定手順を有し、上記疵検出処理手順により検出される1画像画面の疵候補個数が上記疵候補個数を超える場合、上記検出閾値更新手順は上記検出閾値を、上記オフセット量設定手順により設定されたオフセット量分だけ修正するものであり、
上記疵検出処理手順は、上記疵検出を行う対象物に疵が存在するか否かを判断する際に使用するための複数の検出フィルタを有し、上記オフセット量設定手順は、上記検出フィルタ毎にオフセット量を個別に設定することを特徴とする疵検出方法。 - 上記検出フィルタは、凹凸疵検出フィルタ、一般疵検出フィルタ、微小疵検出フィルタ、製鋼、圧延疵検出フィルタ、または自工程疵検出フィルタの少なくとも何れか1つを含むことを特徴とする請求項3に記載の疵検出方法。
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