JP4216469B2 - 流体フィードバック圧力調節システム - Google Patents
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Description
【0001】
本発明は、ハウジングと回転軸との間に流体シーリングを提供するメカニカルシールに関する。さらに詳細には、本発明は、メカニカルシールの一つ以上の流体を調節するのに用いられる調節システムに関する。
【0002】
従来のメカニカルシールは、回転軸と固定ハウジングとの間に気密及び流体密シールを提供するために、様々な機械的装置に使用されている。通常、このシールは、上記固定ハウジング内でそのハウジングから突出する上記回転軸の周囲に設けられる。このシールは、通常は軸の出口箇所でハウジングにボルト止めされており、よって加圧プロセス流体がハウジングから流出するのを防ぐ。従来のメカニカルシールは面型メカニカルシールを含むが、このシール面型メカニカルシールには回転軸の周囲に同心状に配置されると共に、軸方向に離間された一対の環状シーリングリングが含まれる。各シーリングリングは、互いに物理的に接触するように付勢された複数のシール面を備えている。一般的には、一つのシールリングが一定位置で固定される一方、他方のリングが軸と接触して軸と共に回転する。メカニカルシールは、シーリングリングのシール面を互いに物理的に接触するように付勢することによって、加圧プロセス流体が外部環境に漏れ出すのを防いでいる。シール面同士の物理的接触の結果、シール面の摩耗が起こり、シールはしばしば好ましくない耐摩耗性及び漏れを示す。このことは、乾燥した状態で動作したり、修理のために開けた液体型シールにとりわけ関わる問題である。
【0003】
こうした従来のメカニカル面シールの耐摩耗性が低いために、特にシーリングリングなどのシール構成部品を頻繁に監視及び取り替える必要がある。破損したシールの取り替え及び修理は、このメカニカルシール構成部品の部分が分節化つまり分割されている設計であれば容易になる。分割または部分的に分割されたシール構成部品の取り付けは、機械装置を完全に分解しなくとも、また環状シールを回転軸の一端の上を通過させなくても可能である。しかしながら、分割シール設計であっても、シール構成部品の取り替えにはかなりの時間を要するので、シールが関係した機械装置の停止時間がしばしば長くなってしまう。
【0004】
上述した問題を克服するために、シールリング面の間に流体を配置してその摩擦摩耗を減少させる非接触メカニカルシールを用いることが従来から試みられてきた。従来のメカニカル非接触シール面シールは、一般的には回転シールリングのシール面に形成された螺旋状の溝を用いて、シール面同士を分離する流体力学的持上げ力を発生させる。その結果できた隙間に流体が溜まり、シール面の摩耗が防止される。これらのタイプのシールは、一方向的に作用するよう設計されているので、応用範囲は限られている。シールが反対方向へ駆動されると、シールリングは一般的に分離せずに、互いの方向に引っ張られて吸着して、摩耗を増加させて最終的にはシールを破壊してしまう。その他の従来の設計には、双方向性溝と呼ばれる二つの方向に作用可能な特別に設計された溝を用いるものもある。しかしながら、これらの溝は、高精度で複雑な加工を必要とするので製造コストが高く、更にはシール面を適切に分離するには十分な流体力学的持上げ力を発生させられない。
【0005】
メカニカル非接触シール設計においてさえ、特に起動時や回転軸が比較的低速で回転している時にはシール面に幾分かの摩耗は発生する。これは、シール中で使用される様々な流体の圧力調節が不十分であることにも部分的に起因する。例えば、バリヤー流体圧及びプロセス流体圧は、プロセス流体が漏れ出すほどシール面同士が引き離されないようにこれら圧力を互いを基準に維持しておく必要がある。更に、上記二つの流体圧は、シール面の表面を保護するため、シール面がバリヤー流体と殆ど或いは全く実際には物理的に接触してしまわないようにこれら圧力を互いを基準に維持しておく必要がある。シール構成部品に損耗を生じさせるこうした摩耗により、シール構成部品を取り替える必要性がいずれは生じる。
【0006】
上述した或いはその他の従来のシールは最適なものではないことが明らかなので、本発明の一つの目的は、特に始動時や低速動作時に様々な流体の圧力が変化する際に、シールの性能や完全性を損なうことなくシール面からの漏れを防ぐか最小にする一方、摩耗を減少するためにシール内の様々な流体の圧力を調節する圧力調節システムを提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、コンパクトであって、且つメカニカルシールに対して取り付けが容易な圧力調節システムを提供することである。
【0008】
本発明の更に別の目的は、広い実用範囲を得るために、広範囲の動作条件下において動作可能となるように、十分な動的範囲を備えた圧力調節システムを備えた分割メカニカルシールを提供することである。
【0009】
本発明の更に別の目的は、使用時に適切な面シール分離を実現するのに十分な流体力学的持上げを確保するメカニカルシールを提供することである。
【0010】
本発明の更に他の目的は、動作中の面シールからの漏れ率を調節する流体調節システムを提供することである。
【0011】
その他の一般的及び具体的な本発明の目的は、以下の図面及び記載から一部は明白になり、一部は明らかになるであろう。
発明の概要
【0012】
バリヤー或いはプロセス流体圧のような、シールの選択された流体圧を、可動バルブ及び流体供給源或いは排出口を使用することで、別の流体圧を基準にして選択された圧力に維持する本発明の流体フィードバック圧力調節システムによって、これら及び他の目的が達成される。このフィードバックシステムは、システム流体圧の一つを調節して、システム内のいかなる不均衡に対しても補正を行う。従って、本システムは、使用中、シールを流体的且つ力学的に監視して、間隙の幅、従ってシール漏出を調節する。
【0013】
本発明の流体フィードバック圧力調節システムは、システムの部分間に流体を選択的に連通させるために、押さえ内部に形成される一連の通路及び穿孔を具備し、また所望の場合はシールを具備する。この調節システムは、複数のサブシステムを具備することができ、各サブシステムが選択された機能を果たすように構成されている。例えば、一つのサブシステムは、手動で調整できる一定量の流体で、出力流体圧等の選択された流体圧を、プロセス流体圧より上に(或いは以下に)設定する事ができる。この圧力は、システムに対する調節された入力圧となる。別のサブシステムでは、シール面での間隙の幅が小さすぎる場合は、この調節された入力圧を利用して、システムから圧力を除去したり、又この間隙の幅が大きすぎる場合には、この入力圧を利用して、システムに圧力を追加することでこの間隙を縮小することができ、そのためにシール面での漏出を抑制することができる。
【0014】
一つの実施例によれば、本発明の流体フィードバック圧力調節システムは、多様な位置に配置され得る一つの可動バルブと複数の流体穿孔とを具備する。このシステムには又、押さえ内部に形成したチャンバ内部に取り付けられる円筒状の流体マニホールドが具備され得る。可動バルブはこのマニホールド内部に摺動可能に収容されている。このマニホールドは、間隙を調整或いは調節するために流体圧をシステムに追加したり、或いはこのシステムから除去したりするといった選択された機能を果たすように、選択された流体をチャンバの部分に移送するための多数の穿孔を含むことができる。任意に付加できる構成では、システムは、バリヤー流体圧が増加すると、閉鎖流体のような流体をシステムから排出でき、またバリヤー流体圧の減少が感知されると、閉鎖流体をシステムに導入できる。
【0015】
別の態様によれば、この流体フィードバック圧力調節システムは、メカニカルシールの押さえ内部に、単独で且つほぼ完全に取り付けることができるような寸法になっている。従って、このコンパクトな寸法のシステムでは、システムの種々の流体をシールに接続する込み入った外部流体導管の使用が避けられる。
【0016】
このコンパクトな押さえが取り付けられた集成体の一つの重要な利点は、これによって高価な流体継手構成部品が不要になり、従って全部品点数が減少し、そのためにシステムの全コストが下がることである。本発明の別の利点は、これによって、本システムは、押さえ内部に取り付けるように寸法及び大きさが決められている圧力調節システムを用いることで、間隙の幅、従って漏出を流体的に且つ動的に調節できることである。本システムは、ある流体圧に反応する摺動可能な可動バルブを用いてシステム圧を流体的に監視することで、これらの利点を達成する。
【0017】
発明の詳細な説明
本発明の圧力流体フィードバックシステムと共に使用するのに適したメカニカルシール10が、図1Aに示されている。メカニカルシール10は、軸12の周りに配置されているのが好ましく、ポンプなどのようなハウジング11の外壁に固定されている。軸12は軸線13に沿って延伸し、ハウジング11内に少なくとも部分的には設置されている。メカニカルシール10は、ハウジング11と軸12との間に流体シーリングを確保するように構成されており、よってプロセス媒体がハウジング11から漏れ出すのを防止している。流体シーリングは、第一シールリング14及び第二シールリング16によって達成されており、これらシールリングは、それぞれ半径方向に延伸するアーチ形のシール面20及び18と、図1B及び1Cに示されているように一対の区分シール面22及び24とを具備している。後に詳しく述べるように、第一シールリング14の第一シール面18は、第二シールリング16の第二シール面20とシーリング関係となるように付勢されている。更に、各シールリングの区分シール面22及び24は、互いにシーリング関係となるように付勢されている。よって、これらの個別のシール表面は、広い実用範囲、且つ広い範囲の動作条件下において動作可能な流体シールを提供する。
【0018】
ここで使用される「軸方向の」及び「軸方向に」という用語は、軸線13に概ね平行な方向を示すものである。ここで使用される「半径方向の」及び「半径方向に」という用語は、軸線13に概ね垂直な方向を示すものである。
【0019】
図1Aを参照すると、メカニカルシール10は、二重シール、カートリッジシール、タンデムシール、接触面シールを含めて、適したものであれば如何なるメカニカルシールであってもよく、更に一体又は分割シール設計の何れかでよく、バリヤー流体が第一シールリング14及び第二シールリング16のそれぞれのシール面18と20との間に導入される、分割メカニカル非接触型面シールが好ましい。非接触型面シールにおいては、バリヤー流体が、第一シール面18の半径方向の大部分と第二シール面20の半径方向の大部分との接触を最小にし、抑制し、或いは防止するので、シール表18および20の摩擦係合及びその結果生ずる摩耗を減少させる。よって、非接触型面シールには、シール面同士が常時完全に分離するもの、軸の回転中などの一定の条件下ではシール面同士が完全に分離するもの、更に、シール面同士が時折または部分的に分離するものなどのシール設計が含まれる。対照的に、接触型面シールには、シール面同士の部分的にまたは完全な接触が維持されるシール設計が含まれる。いずれのタイプのシールにおいても、バリヤー流体は、シール面から熱を移動させてシール面に対する熱応力の影響を低下させる伝熱媒体として作用する。
【0020】
本シールと共に使用されるバリヤー流体は、気体、液体、または両者の組み合わせでもよい。一般的には、摩擦接触状態が維持されるシール表面の面積は、バリヤー液体の使用例の場合の方が、バリヤー気体の使用例の場合よりも大きい。よって、バリヤー気体を使用すると、バリヤー液体を使用する場合に比べて、摩擦接触する面積が少ないためにシール表面上の摩擦摩耗が少なくなりえる。しかし、気体バリヤー流体は、バリヤー気体を通過するプロセス流体の極小量の漏れの可能性があるために、あらゆる使用目的に適している訳ではない。シールにバリヤー液体を用いると、気体に比べて液体が一般的に持つ優れた伝熱特性によって、熱応力の影響を効果的に減少できることがある。本発明の分野の当業者であれば、別の流体媒体でなく或る流体媒体を選択するのは、シールの使用目的の種類に左右されることは理解できるであろう。例えば、プロセス液体の極小量の漏れが許容されるような使用例では、バリヤー気体がシール面における摩耗を減少させると共にシールの寿命を増加させるので、好まれるかもしれない。プロセス液体が可燃性であったり環境面で危険であれば、液体シールが好まれることがある。
【0021】
図1A乃至1Fを参照すると、図示した分割のメカニカルシール10には、第一シールリング14及び第二シールリング16に加えて、グランド(原語:gland)ハウジング30及び回転シールリングホルダ集成体100が含まれる。グランドハウジング30には、一対の同一のグランド区分または半部分34a及び34bが含まれるが、その一方を図1Dに示した。グランド区分34aは、軸方向の最も外側端部(図1Dの底部)から始まる、軸方向に延伸する第一表面36及び第一表面36から軸方向に段差をなし一体形成され軸方向に延伸する第二表面38を含む内側表面を具備している。第一表面36及び第二表面38は、組み合わせて第一環状連結壁40を形成する。軸方向に延伸する第三表面42が、第二表面38から半径方向に段差状に形成されて、第二表面と組み合わせて第二環状連結壁44を形成する。第三表面42は、エラストマー受入チャンネル46及び48によって、軸方向に三つの区画42a、42b及び42cに区分されている。軸方向に延伸する第四表面50が、第三環状連結壁52によって第三表面42から半径方向に段差状に形成されている。傾斜第五表面54は、第四表面50から半径方向に内側に向けて且つ軸方向に外側に向けて延伸している。
【0022】
グランドハウジング30は、このグランドハウジング30の底部58に沿って形成されたハウジングガスケット溝56を具備する。この溝56は、平坦で環状のエラストマーガスケット60を収容する。エラストマーガスケット60は、軸方向の寸法が溝56の深さよりも大きく、よってメカニカルシール10とハウジング11との間に気密且つ流体密のシールを形成することが好ましい。好適な一実施例によれば、ハウジングガスケット60は、グランド区分34a及び34bのそれぞれの中に取り付けられるように二つのアーチ型区分にあらかじめ切断してある。ハウジングガスケットの区分は、溝56内に取り付けられ、接着剤で固定されるのが好ましい。この構成によって、メカニカルシール10とハウジング11を組み付けた際にこの二者間の嵌め合い部分からのプロセス媒体が漏れ防止に役立つ。
【0023】
図1A、1E、1G、及び1Hに示されているように、ホルダ集成体100が、グランドハウジング30によって形成され且つそこから半径方向に離間されたチャンバ102の中に配置されている(図1D)。しかしながら、ホルダ集成体100は、必ずしもグランドハウジング30の中に配置される必要はないことに注意されたい。ホルダ集成体100は、一対の同一のアーチ型ホルダ区分104a及び104bを具備しており、それら区分の一方が図1Gに示されている。図1G及び1Hに示したように、各ホルダ区分は、外側表面106及び内側表面108を含んでいる。ホルダ区分の内側表面108は、軸方向に延伸した第二面112で終端となる半径方向に内側に傾斜した第一面110を具備している。一対の連続的に半径方向へ内側に段差状に形成された表面が、第三面114及び第四面115をそれぞれ形成している。第二面112と第三面114との間には、半径方向に内側に延伸する第一壁118が一体に形成される一方、第三面114と第四面115との間には、半径方向に内側に延伸する第二壁120が一体に形成されている。別の一対の連続的に半径方向へ内側に段差状に形成された表面が、第五面116及び第六面119をそれぞれ形成している。第四面115と第五面116との間には、半径方向に内側に延伸する第三壁121が一体に形成される一方、第五面116と第六面119との間には、半径方向に内側に延伸する第四壁117が一体に形成されている。第六面119の直径は、ホルダ集成体100が取り付けられた軸12の直径と同一か、僅かに大きいのが好ましい。
【0024】
ホルダ区分の外側表面106は、軸方向に延伸する第一の外側表面122と、半径方向に内側に傾斜した第二表面124を具備している。好適な一実施例では、ホルダ区分の第一表面124の外径は、グランド区分の第四表面50の外径よりも小さい。この隙間によって、ホルダ集成体100はグランドハウジング30内部に回転運動を阻害されることなく収容可能となる。第二外側表面124の外径は、グランド区分の第五表面54の内径よりも小さいことが好ましい。
【0025】
ホルダ区分104aの第六面119には、分割軸ガスケット128(図1A)を取り付け用の環状チャンネル126が形成してある。チャンネル126に取り付ける際には、ガスケット128は軸12と封止結合されて、ホルダと軸との境界面に流体密シールを形成する。図示した半径方向に延伸する第二壁120には、位置合わせピン132(図1A)の一端を収容するための円筒状の位置合わせ穿孔130が形成されている。位置合わせピン132の他端は、回転シールリング16に形成された対応する穿孔134に収容されている(図1I)。後に詳しく述べるように、この突起132は、回転シールリング16を付勢して回転運動させる機械的回転手段として作用する。
【0026】
図示したホルダ区分104a及び104bは、図1F及び1Gに示した構成のホルダガスケット溝140を、各分割ホルダシール面136及び138上に具備している。ホルダガスケット142は、溝140の形状と相補的で、溝140内に収容される。ホルダガスケット142は溝140内に収容されると、図1Eにもっとも明確に示したようにホルダシール面136及び138を越えて延伸している。ガスケット142の露出した部分は、対向するホルダ区分シール面に形成された相補的な溝に収容される。この構成は流体密シールを達成する。このガスケットは、エラストマーゴムなどの適切な変形可能な材料で形成することができる。
【0027】
図1B及び1Iを参照すると、第二シールリング16には、一対のアーチ型回転シールリング区分150a及び150bが含まれ、これら区分の一方が図1Bに示されている。回転シールリング区分は、十分に平滑なアーチ形内側表面152を具備する。回転シールリング区分の内側表面152の内径は、軸12の外径よりも大きいため、この軸の周りにに取り付けることができる。
【0028】
回転シール区分の外側表面154は、一連の軸方向に延伸する外側表面を具備しており、これら外側表面はそれぞれが互いから半径方向へ内側に段差状に形成されている。軸方向に延伸する第二外側表面158は、軸方向に延伸する第一外側表面156から半径方向に内側に段差状に形成されている。第一外側表面156及び第二外側表面158は組み合わされて、これら第一及び第二外側表面の間に半径方向に延伸する第一環状連結壁160を形成する。軸方向に延伸する第三外側表面162は、第二及び第三外側表面の間に半径方向に延伸する第二環状連結壁164によって、第二外側表面158から半径方向に内側に段差状に形成されている。軸方向に延伸する第四外側表面166は、第三外側表面162から半径方向へ内側に段差状に形成されている。第三外側表面162及び第四外側表面166は組み合わされて、これら第三及び第四外側表面の間に半径方向に延伸する第三環状連結壁168を形成する。第四環状連結壁169は、第四外側表面166から内側表面152まで半径方向に延伸する。
【0029】
回転シール区分の段差状外側表面154は、ホルダ区分104a及び104bの段差状内側表面108に対して相補的であって、回転シール区分がホルダ区分の内部に取り付け可能となっている。回転シール区分の第四外側表面166の直径は、ホルダ区分の第五面116の直径より小さい。同様に、回転シール区分の第二外側表面158及び第三外側表面162の直径は、それぞれホルダ区分の第三面114及び第四面115の直径より小さい。
【0030】
分割Oリング170及び172のようなエラストマー部材を第二シールリング16の周囲に同心円状に装着できる。好適な一実施例では、図1A、1H及び1Iに示すように、Oリング170は、ホルダ区分の第二面112に沿って収容されると共に、回転シール区分の第二外側表面158及び 第一環状連結壁160に当接する。Oリング172 は、ホルダ区分の第四面115及び第三壁121に沿って収容されると共に、回転シール区分の第四外側表面166及び第三環状連結壁168に当接する。Oリング170及び172は十分な弾性を有しているので、第二区分シール面24のそれぞれを対応するシールリング区分と封止接触させ、よって流体密及び気密シールを形成する。Oリング170及び172はプロセス流体と共同して、回転区分の軸方向の第二区分シール面24を弾性的に付勢する半径方向に内側の力を加え、よってシール面を介した漏れを最小とするかまたは防止する。
【0031】
シール面の心狂いを禁止するため、Oリング172は、回転シールリング区分150a及び150bの外側表面154 に沿って収容され、第二シールリング16がその周りを回転ホルダ集成体100に対して旋回可能な弾性旋回部材として作用する。Oリング172によって許容される旋回動作により、第一シールリング14の第一シール面18と第二シールリング16のシール表面20との間の位置合わせ及び封止関係が維持される。更に、Oリング172は、第二シールリング16の表面154を、ホルダ集成体100の内側表面108から離間させる。
【0032】
図1Aを参照すると、Oリング172の旋回動作は、非接触及び接触面シールモードの両方の作動全般において、シール面18及び20の弾性旋回を可能にする一方、対向するシール面18,20の間の一貫した接触を確保するか、これら面間の所定隙間寸法を確保する。
【0033】
図示したシールリング14,16のシール面18及び20のそれぞれには、図1Bにもっとも明確に示したように、連続的なアーチ形半径方向溝180が形成されている。好適な一実施例では、半径方向溝180は、第二シールリング16の内側表面152と第一外側表面156との間に半径方向に配置されている。よって溝180は、第二シールリング16の第二シール面20を二つの同心円状シール表面つまりランド部20a及び20bに分割する。こうして、二重シールが、第一シールリング14と第二シールリング16との間に形成される。
【0034】
図1A、1E、1J、及び2を参照すると、半径方向溝180は、第一シールリング14のシール表面18に連通している。指定した調整圧(通常はプロセス圧よりも高い)にあるバリヤー流体が、後に詳しく述べるように、第一シールリング14内に形成されたバリヤー流体導管228を包含するバリヤー流体付勢システムを介して半径方向溝180に導入される。バリヤー流体は、図1J及び2にFAの符号で示した矢印で示されているように、シール面18及び20に対する分離力を与えるように作用する。主に又は一般的には、この分離力は、第一シール面18の半径方向部分とシール表面20a及び20bの半径方向部分との間の接触を最小化、禁止、または妨げるように作用する静水学的力であり、よって、シール面18及びランド部20a、20bの摩擦係合とその結果として起こる摩耗を軽減する。この分離力の大きさは、バリヤー流体圧を始め、半径方向の幅などの半径方向溝の寸法、シール面の構成などの多くの要因に左右される。バリヤー流体の選択は、分離力の大きさ及びシール面分離の度合いを選択する際の要因ともなる。バリヤー流体圧と閉鎖流体圧との関係は、型開力の度合い及びシール面分離を選択するために調整される。バリヤー流体が気体であるような使用例では、シール表面の接触がより少ない方が望ましく、よってシール表面分離がより大きい度合いである方が好ましい。バリヤー液体を用いた使用例では、気体に比べて液体の伝熱特性が大きいため、必要とされるシール表面分離の度合いはより小さい。本発明のシールの大きな利点は、シール面18と20との間の隙間及びシール表面接触の度合いを調節すれば、このシールが気体バリヤーを使っても液体バリヤーを使っても機能することである。
【0035】
図1J及び2に示されているように、半径方向溝180内のバリヤー流体は、回転シールリング16に対して半径方向に外側の力FRo及び半径方向に外側の力FRiを作用させる。外側壁184の表面積は、溝180の内側壁186の表面積よりも大きいので、こうした力は回転シールリング16に対する半径方向に外側の力FROとなる。溝180の寸法決定においては、溝内で流体バリヤーによって生成される半径方向に外側の力FROが、Oリング170及びOリング172からの及び少なくともシールリングの外側壁156に作用するプロセス媒体からの回転シールリング16対する半径方向に内側の力FRIを一般的には超えないようにする。よって、バリヤー流体による半径方向に内側の力FROは、回転シールリング16の回転シールリング区分150a及び150bを分離したり、「こじ開けたり」する事がない。
【0036】
図示したメカニカルシール10の大きな利点は、このシールによりシールリング14、16のシール面18、20に冷却液やバリヤー流体を導入可能になることである。半径方向溝180と軸方向の穿孔228を組み合わせることにより、シールリング区分の軸方向シール表面を介した漏れを助長することなく、非接触及び接触面シールモードの双方でこのメカニカルシールを有利に使用できることである。
【0037】
図1A、1B、1H、2及び3を参照すると、複数の軸方向の穿孔183が回転シールリング区分を介して半径方向溝180から第二環状連結壁164まで延伸している。これら穿孔は、シールリング14の円周にそって均等に離間されているのが好ましい。当業者であれば、如何なる数の離間も或いは如何なる離間方法も採用できることが理解できるであろう。バリヤー流体は、穿孔183を介して回転シールリング区分の外側表面154に導入できる。図3に最も明確に示したように、Oリング170及びOリング172、回転シールリング区分の外側表面154、及びホルダ区分の内側表面108は、組み合わせて流体密及び気密環状チャンバ185を形成する。穿孔228、溝180及び軸方向穿孔183を介してチャンバ185に導入されたバリヤー流体は、回転シールリング区分の外側表面154に対して半径方向に内側の力Frrを作用させる。半径方向に内側の流体の力Frrは、Oリング170及びOリング172及びプロセス媒体による半径方向に内側の力と組み合わさって、回転区分シーリング表面24のそれぞれを他の区分と封止接触状態に置き、よって流体密及び気密シールを維持する。
【0038】
半径方向に内側の力Frrは、チャンバ185内のバリヤー流体圧を制御及び/又は調節することで、変化させたり調整可能である。こうして、回転シールリング区分に作用する半径方向に内側の力を調節して、シール内の動作条件の変化を補正できる。例えば、以下に詳しく述べるように、負圧条件では回転シールリング区分の外側表面154にある流体圧は、回転シールリング区分の内側表面152にある流体圧より低く降下するが、こうした負圧条件は回転シールリング区分の分離を引き起こす。「負圧条件」という用語は、ここではシールリング及びホルダ集成体の外側表面(例えば、プロセス流体に曝された表面)における流体圧が、シールリング及びホルダ集成体の内側表面における流体圧未満になる状態を指す。こうした条件では、半径方向に内側の力Frrは増加して、シールリング区分の分離を禁止し、よってシールリング区分表面24間のシールを維持する。
【0039】
半径方向に内側の力に加えて、チャンバ185内の流体バリヤーは、回転シール区分に対して軸方向の流体力Fraも作用させる。軸方向の流体力Fra、Fra1及びFra2の成分はOリング172のシール面を互いの方向に付勢するのみならず、これらリングを収容位置に維持する助けとなる。軸方向の流体力成分Fra1は、Oリング170を、回転シールリング区分の外側表面154及びホルダ区分の内側表面108と封止係合するよう付勢する。同様に、軸方向の流体力成分Fra2は、Oリング172を、回転シールリング区分の外側表面154及びホルダ区分の内側表面108と封止係合するよう付勢する。
【0040】
図示したシールの負圧制御作用の大きな利点は、この作用により単一のメカニカルシールが複数の環境で動作可能となることである。よって、エンドユーザが様々な特定の動作条件で使用するために複数の異なるシールタイプを保管しておく必要はない。本発明の分割メカニカルシールという、複数の動作条件下で流体シールを提供できるように調節できる単一のシールタイプを購入し保管しておけばよいから、エンドユーザに対するコスト全体が低くなる。
【0041】
図1C及び1Iに示したように、第一シールリング14は、互いに同一で一対のアーチ形シールリング区分200a、200bを含み、その一方が図示されている。固定シールリングのアーチ形区分200a、200bは第一軸線13及び外側表面204に平行に延伸する十分に平滑なアーチ形内側表面204を具備している。固定シールリング区分の外側表面204は、シール表面18及びそこから軸方向に延伸する第一表面206を含む。更に、外側表面204は、第一外側表面206から半径方向に内側に段差状に形成された更に軸方向に延伸する第二外側表面208も含む。第一外側表面206及び第二外側表面208は共同して、第一及び第二外側表面の間に半径方向に延伸する第一環状連結壁210を形成する。軸方向に延伸する第三外側表面212が、第二及び第三外側表面間に半径方向に延伸する第二環状連結壁214によって、第二外側表面208から段差状に形成されている。第一シールリング14は、シール表面18に対向した十分に平滑なアーチ形底面216を具備している。第一シールリング14の区分200a、200bは、底面216に沿って形成された凹部220を具備している。機械的バネクリップ174はグランドハウジング30の底面55に機械的に連結され、凹部220に収容されている(図1E及び1F)。この構成によって、第一シールリング14が軸12及び第二シールリング16と共に回転するのを負防ぐための機械インピーダンスが提供されるのみならず、第一シールリング14を位置合わせし且つチャンバ185内に収容する助けとなる。
【0042】
固定区分の内側表面202の内径は、軸12の径よりも大きく、回転シールリング16の内側表面152の径よりも大きいので、軸12及び第二シールリング16の第一シールリング14に対する動作を許容する。分割Oリング222、224及び226などのような複数のエラストマー部材が、第一シールリング14の区分シーリング面22を他方の固定シールリング区分と封止接触させるのに十分な半径方向に内側の付勢力を提供する。更には、Oリング222、224及び226は、グランドハウジング30と第一シールリング14との間に流体密及び気密シールを形成する。Oリング222、224は、グランドハウジング30の第三表面42に形成されたチャンネル48、46内に収容される。Oリング226は、グランドハウジング30の第二表面38及び第一環状連結壁40に当接して収容されている。第一シールリング14は、アルミナまたは炭化珪素などのセラミック材料で形成されるのが好ましい。
【0043】
図1A、1C、及び1Eを参照すると、複数のバリヤー流体穿孔228が固定シールリング区分200a、200bに形成されている。穿孔228には、固定シールリング区分の第二外側表面208から半径方向に内側に延伸する区画230と、半径方向区画230と連通すると共に区画230からシールリング区分のシール表面18まで延伸する軸方向区画232とが含まれる。バリヤー流体溜からのバリヤー流体は、後に詳しく説明するように、シールリングのシール面18及び20と、穿孔228を介して第二シール面20に形成された半径方向溝180とに導入される。
【0044】
当業者であれば、バリヤー流体穿孔の数はここに図示された数と形状に限定されないことは理解できるであろう。例えば、単一のバリヤー流体穿孔を設けることも可能である。或いは、シールリング14及び16に形成された穿孔以外の手段でバリヤー流体をシール表面18及び20に供給することもできる。例えば、バリヤー流体は、螺旋状のポンプ溝などを介してシールリング区分の内径及び/又は外径からシール表面に導入できる。こうすれば、バリヤー流体は、別個の流体供給となる必要は必ずしもなく、プロセス媒体そのものであってもよい。
【0045】
同様に、バリヤー流体穿孔の位置及び配列も本明細書に特に開示されたものに限定されず、その他の位置及び配列を用いて同じ効果を得ることができる。例えば、バリヤー流体穿孔は、第一シールリング14にも第二シールリング16にも形成可能であり、又シール表面からシールリングの何れの外側表面に達していてもよい。更に、バリヤー流体穿孔は、シール面18及び20からシールリングの何れの外側表面に直線的に達していてもよい。
【0046】
図1A、1C、及び1Eに最も明確に示したように、バリヤー流体穿孔228の各半径方向区画230は、第一シールリング14の第二外側表面208で開口して、穿孔228とそれらに類似した、グランドハウジング30に形成された軸方向のバリヤー流体穿孔との流体連通をはかる。
【0047】
グランドハウジング30に形成された穿孔233は、このグランドハウジング30の外側表面236の一端及び、グランドハウジング30の第三表面42の区画42bの他端で開口する。Oリング222及び224は、区画42bの両側の溝48及び46に位置して、第一シールリング14のアーチ形区分220a、200bとグランドハウジング30との間に流体密及び気密シールを提供する。こうして、流体密及び気密の環状チャンバが、Oリング222及び224、グランドハウジング30の区画42b、及び第一シールリング14の第二外側表面208との間に形成されて、バリヤー流体を軸方向穿孔228に導くと共に、このチャンネル内にバリヤー流体を保持する。バリヤー流体溜(図示しない)からのバリヤー流体は、グランド穿孔233及び環状チャンバを介して各固定シールリング区分の穿孔228に供給される。
【0048】
図1Aを参照すると、機械的バネクリップ174はOリング172と共同して、第一シールリング14及び第二シールリング16を弾性的に保持する軸方向の力を提供するよう作用する。この弾性的に保持する軸方向の力によって、固定及び回転シール表面18及び20が互いに向けて付勢されるようにこれらシールリングは付勢される。図1A及び図3に示したように、シールリング14及び16は、グランドハウジング30及びホルダ集成体100の硬質の壁及び面に対して離間した浮遊関係で浮遊的且つ非硬質的に支持されている。この浮遊的且つ非硬質的支持及び離間した浮遊関係は、回転シール区分150a、150bと固定シールリングの区分200a、200bとにその相互に対する小さな半径方向及び軸方向浮遊移動を許容する一方、回転シール面20が追従して固定シール表面18と封止関係に置かれることも許容する。よって、回転及び固定シール区分150a、150b及び200a、200bは、この浮遊動作の結果として自己位置合わせ機能を有する。
【0049】
クリップバネ174がもたらす機械的付勢に加えて、付加的な閉鎖流体付勢システムが、本発明のメカニカルシール10に実現可能である。図1A及び図3を参照すると、一実施例によれば、この閉鎖流体付勢システムは、グランドハウジング30を半径方向に貫通して形成された半径方向に延伸する閉鎖流体穿孔240を含む。穿孔240は、固定シールリングの区分200a、200bの外側表面204に導入される閉鎖流体を導入して、固定及び回転シールリング14及び16に閉鎖力を作用させる。半径方向に延伸する穿孔240は、バリヤー流体穿孔233に隣接し且つそれに平行である。閉鎖流体穿孔240は、グランドハウジングの外側表面236の一端と、他端において、第三表面42の区画42a及びグランドハウジング30の第二環状連結壁44の上に開口する(図1D)。流体密及び気密の環状閉鎖流体チャンバ242がOリング224及び226と、固定シールリング区分200a、200bの外側表面204と、グランドハウジングの内側表面との間に形成される。図3に最も明確に示したように、調節圧での閉鎖流体が、閉鎖流体溜(図示しない)から閉鎖流体チャンバ242に閉鎖流体穿孔240を介して供給される。閉鎖流体は、閉鎖流体力Ffcを固定及び回転シールリング区分に作用させる。閉鎖流体力Ffcは、機械的バネの閉鎖力Fscと協働して、シール面18及び20を互いに向けて付勢して封止関係に置く。閉鎖流体力Ffcと機械的バネの閉鎖力Fscとの合計は、バリヤー流体分離力FAより大きくて、シール面18及び20の過度の分離及びシール面18及び20間の過剰な流体漏れなどのシール効果が失われることを防ぐのが好ましい。
【0050】
閉鎖流体力Ffcの大きさは、以下に記載にした本発明の一使用例に従って、閉鎖流体チャンバ242内の閉鎖流体の圧力をコントロールすることにより、調整又は調節可能である。固定及び回転シールリング区分に対する閉鎖力を調整する能力は、大きな利点となる。例えば、閉鎖力の大きさを変化させて、動作条件が変化した際にシール表面18と20との間の封止関係を維持することができる。また、閉鎖流体力の大きさを変化させて、機械的バネクリップの疲労による機械的バネ力の減少を補うことができる。その結果、流体フィードバックシステムと組み合わせたメカニカルシール10は、流体シール及び/又はシール面18と20との間に形成される隙間を動的に調節して、動作時の漏れの量を調整できる。
【0051】
本流体付勢システムの大きな利点は、これが、シール面間の分離量を外部から調整したり、シール表面間に形成された流体シールを管理するための、流体導管のような単純で一体的な構造を提供することである。従って、このシステムは、シール面18と20に導入されたバリヤー流体によって提供される分離力と協働したり、メカニカルシール10内に溜められた加圧流体とは独立して、シール面接触の度合いを調節できる。よって、メカニカルシール10は、シール面間に形成された流体シールとシール面分離とを、広い範囲の動作条件に亘って調整又は調節可能である。これは、シールの融通性を高めると共に、シールを多くの環境で使用するのが可能になる。
【0052】
当業者であれば、このシールは本明細書に記載された特定の流体付勢システムに限定されず、これ以外の流体付勢システムも可能であることは理解するであろう。例えば、単一の流体溜を用いて、バリヤー流体をバリヤー流体付勢システムを介して軸方向溝に供給したり、閉鎖圧力と供給されたバリヤー流体の圧力の両方又は一方を流体シールに供給して、シールリング14、16のシール面18、20における所望の状態を維持できる。メカニカルシール10と共に使用するのに適した統合動的圧力フィードバックシステムの一例が、図4乃至15Bに示されている。この圧力フィードバックシステムは、バリヤー、プロセス、又は閉鎖流体の内の一つのシステム流体を調節された流体入力として用いて、この調節された入力に基づいてバリヤー流体圧又は閉鎖力を調節する。この際に、この圧力フィードバックシステムは、選択された流体圧間の圧力変化を検知して、不均衡があれば是正する。この圧力フィードバックシステムは、内部圧力が選択値より高いか低い場合は、システムを高圧流体供給に接続してその圧力を高めたりシステム内の圧抜きを行うことで、この是正を行う。
【0053】
図1及び15に示されているように、シール10が組み立てられてポンプハウジング11に取り付けられた後は、プロセス媒体がプロセス流体チャンバ300内に封入される。プロセス流体チャンバは、グランドハウジングの第四表面50、第五表面54、第三結壁52、Oリング172及び222、ホルダ集成体の外側表面106及び第一及び第二内側表面110、112、第二シールリング16の第一外側表面156、及び第一シールリング14の第一表面206、第二外側表面208と第一環状連結壁210によって形成されている。一般的には空気の周囲媒体が、通常はプロセス流体チャンバ300から封止されている周囲流体チャンバ310を充満している。周囲流体チャンバ310は、固定及び回転シールリングの内部表面152、202、第二シールリング16の第四壁169、Oリング128及び軸12によって形成されている。「周囲」及び「周囲媒体」という用語は、プロセス環境又はプロセス媒体以外のあらゆる外部環境又は媒体を含むように意図されている。
【0054】
動作時には、バリヤー流体は、軸方向溝180とシール面18、20a、20bに、例えば固定シールリング14内のバリヤー流体穿孔228のようなバリヤー流体付勢システムを介して導入される。バリヤー流体は、シール面18、ランド部20a、20bに対して、第一シール面18の少なくとも一部を第二シールリング16のランド部20a、20bの少なくとも一部から分離して隙間を形成するよう作用する、主に静水学的持ち上げ力を作用させる。バリヤー流体は、シール面の間に形成される隙間を充満し、よってシール面18と20とを分離して、プロセス流体チャンバ300内のプロセス媒体と囲流体チャンバ310内の周囲媒体との間に流体シールを形成する。この隙間は、一定の幅に維持されるか又は調節可能で、シール面間を分離して摩耗を減少させると同時にシール面間の漏れを最小にする。
【0055】
メカニカルシール10に対するバリヤー流体の影響は二つある。まず第一に、バリヤー流体は、シール面18とランド部20a及び20bとの直接的な摩擦接触を減少させることにより、シール面の摩耗を減少させ、よってシール構成部品の寿命を長くする。第二に、バリヤー流体は、シール面の直接的摩擦接触によって生じる熱をシール面から移動させるように作用し、よって、メカニカルシール10全体の一層均一的な熱分布を達成して、シール構成部品が曝される熱応力を引き下げて構成部品の寿命を長引かせる。
【0056】
更に、本発明のメカニカルシール10は、気体、液体、或いは組み合わせなどの異なる種類のバリヤー流体を用いて動作できるという必須の融通性を備えている。この融通性が可能な理由は、シール面間で直接的な摩擦接触が起こる面積を、バリヤー流体圧及び静水学的持ち上げ力の大きさを調節することにより制御可能であり、よって所望の分離隙間を達成できるからである。一般的に、この分離隙間はバリヤー流体の使用例よりも、バリヤー気体の使用例の方が大きい方が望ましいが、その訳は気体に比べて液体の伝熱性が高いからである。よって、バリヤー気体が好まれる使用例においては、分離隙間は、選択されたバリヤー気体に適した、シール面の摩耗を防止する幅になるよう調節できる。同様に、バリヤー液体が好まれる使用例においては、分離隙間は、選択されたバリヤー液体に適した、シール面の摩耗を防止する幅になるよう調節できる。
【0057】
通常の動作時には、プロセス流体チャンバ300内のプロセス媒体の圧力は、周囲流体チャンバ310中の周囲流体の圧力より高くなり(正圧条件)、更にプロセス流体は、半径方向に内側の力を固定及び回転シールリングのそれぞれ外側表面204、154及びホルダ集成体100の外側表面106に作用させる。プロセス媒体が作用させる半径方向に内側の力は、シールリング区分及びホルダ集成体を流体封止関係に保持する助けとなる。
【0058】
プロセス流体チャンバ300内のプロセス媒体の圧力が、周囲流体チャンバ310中の周囲流体の圧力より低くなると(負圧条件)、周囲流体は半径方向に外側の力を第二シールリングのそれぞれ内側表面202、154及びホルダ集成体100の内側表面108に作用させる。この状態で発生する差圧が、半径方向に外側の力がOリングによって加えられる半径方向に内側の力よりも大きいようであれば、シールリング区分は分離して、シール面からの漏れに至る可能性がある。
【0059】
負圧条件におけるシール面18と20からの漏れを防止するにおいて、周囲流体圧力からのシールリングへの半径方向に外側の力は、Oリング222、224及び226によって第一シールリング14の区分200a、200bに加えられる半径方向に内側の力と、Oリング170及び172によって第二シールリング16の区分150a及び150bに加えられる半径方向に内側の力とにより、チャンバ185内に配置されたバリヤー液体によって回転シールリング区分の外側表面154に作用する半径方向に内側の力との組み合わせで、相殺される。半径方向に内側の力Frrは、Oリング170及び172によって加えられる半径方向に内側の力と協働して、この条件下で各回転区分の第二区分シール面24とその他の区分との封止接触を維持して、流体密及び気密シールを維持する。
【0060】
動作中は、Oリング172は、第二シールリング16がその周りを回転ホルダ集成体に対して旋回する旋回弾性部材として機能する。Oリング172によって許容されるこの旋回動作は、第二シールリング16の第二シール面20と第一シールリング14のシール面18との位置合わせ及び封止関係を保持するよう作用する。これにより、シール面が互いに接触状態に置かれるシール面の過剰なコーニング(原語:coning)が避けられる。よって、シール面20、18の相互の心狂いの原因となる軸の偏心や心振れのような状態は、補正可能であり、シール面間の流体シールの喪失は防止される。従って、Oリング172の旋回動作によって、非接触及び接触面シールモードの双方においてメカニカルシール10の動作中は常に、シール面20、18の旋回弾性旋回が可能となる一方、同時に対向するシール面同士の一貫した接触又はこれら面間の所定の大きさの隙間が確保される。
【0061】
閉鎖流体付勢システムは、閉鎖流体を固定シールリングの区分200a、200bの外側表面204に導入して、第一シールリング14及び第二シールリング16に閉鎖力を加える。特に、調節した圧力の閉鎖流体が、閉鎖流体穿孔240を介して閉鎖流体チャンバ242に提供される。閉鎖流体は、固定及び回転シールリング区分に閉鎖流体力Ffcを作用させる。閉鎖流体力Ffcは、機械バネ閉鎖力Fscと協働して、シール面18及び20を互いに付勢して封止関係に置く。動作中は、閉鎖流体力Ffc、機械バネ閉鎖力Fsc、及びバリヤー流体分離力FAが、シール面18と20との過剰分離、及び例えばシール面18と20との間の流体の過剰な漏れなどのシールの喪失を抑止する。
【0062】
メカニカルシール10で用いられる流体付勢システムによれば、シール面間の分離量を外部から調整したり、シール面間に形成された流体シールを管理するための流体導管のような単純な統合構造を提供することで、シールの融通性を高まると共にシールが多くの環境で使用可能となる。このシステムは、シール面18及び20にバリヤー流体により加えられる分離力と組み合わせて、又はメカニカルシール10内に保持された加圧流体とは独立して、シール面接触の度合いを調節するよう作用する。よって、メカニカルシール10は、広い範囲の動作条件において、シール面間の分離とその間に形成される流体シールを調節又は調整可能である。
【0063】
後に詳しく説明するように、封止されている流体の圧力を互いに対して調節できる能力によって、この流体フィードバック圧力調節システムはメカニカルシール10内に完全に統合可能となる。この圧力調節システムは、一実施例においては、メカニカルシール10のグランドハウジング30に完全に及び/又は単独で統合された幾つかのサブシステムを含むことができる。グランドハウジング30は、様々なサブシステムを保持できるように寸法を定めた穿孔を含み、更に、流体フィードバック圧力調節システムの様々なサブシステム間の流体連通だけでなく、様々なサブシステムとメカニカルシールの様々な流体付勢システムとの流体連通を提供するのに十分な数の穿孔を具備する。こうして、フィードバック圧力調節システム全体が、一般的にシール内で自己完結型となっている。
【0064】
この流体フィードバック圧力調節システムは、リアルタイムで流体圧の変化に対応できるので、動的な性質を持つ。入力流体圧の変化に合わせて、本調節システムの様々なサブシステムは、オペレータからの入力無しでこうした変化に対応する。更には、この流体フィードバック圧力調節システムは、流体付勢システム及びフィードバック圧力調節システムに流体圧が有る限りは、常に動作を続ける。
【0065】
上述のメカニカルシールは、この流体フィードバック圧力調節システムと共に使用できる種類のメカニカルシールの例にすぎない。図4乃至15Bは、このシステムと共に使用できる別の種類のメカニカルシールを示したものである。当業者であれば、このシールの動作をこれ以上の説明無しに容易に理解できるであろう。
【0066】
図4乃至8は、メカニカルシール10と共に使用するのに適した流体フィードバック圧力調節システム500の一実施例を示したものである。フィードバックシステム500は、システム流体を他のシステム流体圧に基づいて調節するのに用いられるのが好ましい。一様態によれば、本システムは、先ずプロセス流体圧に対してバリヤー流体圧を選択したレベルに設定する。バリヤー流体圧は、このバリヤー圧に基づいて閉鎖流体をシールに加えたりシールから排出するためのシステム流体センサとして機能するシステム出力調節流体として利用される。調節閉鎖流体は、上述した閉鎖流体付勢システム内に保持された閉鎖流体に少なくとも対応する。このシステムは、一つかそれ以上のサブシステムを含むことができ、それぞれのサブシステムは選択した機能を果たす。好適な一実施例では、流体フィードバック圧力調節システムは、三つのサブシステム501、510、520を含む。
【0067】
図示したフィードバック圧力調節システム500は、メカニカルシール10のグランドハウジング30の中に完全に取り付けられるような大きさにし且つ寸法を合わせるのが好ましい。システム500は、メカニカルシール10を始めその他の種類のシールなどの適切なメカニカルシールと連結される。本システムが連結可能なシールの一例が図4に示してあるが、類似の参照符号は類似の部材を異なるすべての図面中で指し示す。第一シールリング14は、一端で第一シール面18と、更に他端でバリヤー流体源と連通する軸方向穿孔228を含む。第二シールリング16は、その内部に形成されると共に軸方向穿孔228と流体連通するように配置されたポンプ溝180を具備する。ポンプ溝と軸方向穿孔は、バリヤー流体を直接シール面へ供給するよう作用し、シール面間では、これらシール面を分離して隙間を形成する静水学的持ち上げ力が発生する。当業者であれば、静水学的シール設計を本発明の圧力フィードバックシステム500と共に使用できるのは理解できるであろう。
【0068】
流体フィードバック圧力調節システム500には、バリヤー流体圧をプロセス流体圧に対して選択されたレベルに設定し得るよう構成された第一サブシステム501(図4)が含まれる。図示したサブシステム501には、グランドハウジング30内に形成された適切な寸法のチャンバ407内に設けられた可動差圧バルブ408が含まれる。可動バルブ408には、スプール弁、シャットル弁、ニードル弁、ダイヤフラム、ベローズ、その他の類似した可動バルブが含まれるがそれに限定されない、加圧流体を移動し、運搬し、加圧流体の作用を受ける多くの異なる可動バルブが含まれる。チャンバ407には、選択した様態で穴ぐりして流体フィードバック圧力調節システムの様々な圧力通路及び穿孔と連通できる、環状流体マニホールド441が取り付けてある。図示した流体マニホールド441は、可動バルブ408がぴったり収容される中央穿孔を備えている。後に更に詳しく述べるように、この穿孔は、可動バルブの最も外側の直径よりも僅かに大きく、開放位置と閉鎖位置との間を穿孔内で可動バルブが比較的自由に軸方向に摺動できる。図7を参照すると、後に更に詳しく述べるように、流体マニホールド441は、多くの半径方向に延伸した流体穿孔414及び416を更に含み、マニホールドが特定の加圧流体を本サブシステムの部分に選択的に連通させられるようになっている。Oリング426及び428のような封止構成体が、メイン円筒ハウジング455に形成されたフランジ443乃至451によって形成された対応する溝内に取り付けられる。Oリングは、図示したようにフランジ443乃至447及び449乃至451の間に形成された溝に収まり、チャンバ407の内側壁と流体マニホールド441の選択した部分との間に圧力及び流体シールを形成するのが好ましい。
【0069】
可動バルブ408は、この可動バルブのフランジ付きの端部408Aと408Bとの間に中間チャンバを形成しつつ、チャンバ407を入力流体チャンバ420と出力流体チャンバ410とに分割する。可動バルブ408は、調節可能なバネ406に連結され、このバネの一端は手動調節可能なネジ404に接続されている。図示したネジ404は、グランドハウジング30の露出した外側部分に沿って取り付けられた頭部404Aを含んでおり、システムオペレータが容易に操作できる。環状Oリング405が、溝内で頭部404Aの周囲に環着されており、外部環境とチャンバ407との間に流体シールを提供している。システムオペレータは、選択した様態でネジを回転させてバネによって加えれられる引張りを調節できる。よって、ネジ404及びバネ406は協働して、図示した圧力調節サブシステム501の初期又は設定点圧力を規定する。当業者であれば、バネが、可動バルブ端部の大きさに対応した選択した面積で可動バルブに力を加えることは理解できるであろう。これは同等の圧力をもたらす。説明を明確化するために、バネの圧力は、バネが可動バルブに加える力を説明するために主として用いられる。当業者であれば、図示した調節可能ネジ406を。グランドハウジング30の内側軸方向表面に沿った容易に手が届きにくい場所に配置して、工場設定値からバネの張力を手動で不正変更したり調節をしないようにできることは理解できるであろう。必要ならば、システムオペレータは選択した様態でネジにアクセスして回転させてバネの張力を調節できる。
【0070】
ネジ404及びバネ406は、グランドハウジング30の外部表面から入力チャンバ420内部に延伸している。入力チャンバ420はプロセス流体分配網と連通して、設計通りにシールのプロセス流体を入力チャンバ420と連通させる。流体フィードバック圧力調節システム500のプロセス流体分配網には、例えば、本メカニカルシールの内部又は周囲に形成された、プロセス流体チャンバ300のような適切なプロセス流体チャンバと、チャンバ300からのプロセス流体を入力チャンバ420に供給する適切なプロセス流体穿孔を含むことができる。適切なプロセス流体穿孔の一例は図9Aに示されている穿孔421である。当業者であれば、本プロセス流体分配網は、グランドハウジング30内部に形成された適切な内部穿孔及び通路を含んでよく、所望ならハウジングのプロセス流体がチャンバ407と、よって可動バルブ408と選択した様態で連通できることは理解できるであろう。調節システムは、グランドハウジング30の外部にある継手を用いて、システム流体をシステム500の特定の部分又は構成部品と連通させることもできる。例えば外部流体導管をグランドハウジング30に接続して、プロセス流体を流体ハウジングから入力プロセス流体穿孔421に移動できる。別の実施例では、グランドハウジング30を内部に穴ぐりして、外部流体継手を用いずに、完全にグランドハウジング30内部でプロセス流体を入力プロセス流体穿孔に連通させられる。
【0071】
図4を更に参照すると、本発明の流体フィードバック圧力調節システムのサブシステム501は、バリヤー流体を高圧バリヤー流体供給源(図示しない)から流体マニホールド441まで伝達させるバリヤー流体分配網を含むこともできる。このバリヤー流体分配網は、バリヤー流体をグランドハウジング30チャンバ407からシールの別の部分へ伝達させる適切なバリヤー流体通路を含むことができる。上記の別の部分には、軸方向の穿孔228及び溝180などのバリヤー流体付勢システム、グランドハウジング30内部に取り付け可能なその他のフィードバックシステム、流体供給源415及び流体通路234のようなその他の流体通路及び/又は穿孔が含まれる。特に、このバリヤー流体分配網は、グランドハウジング30内部に形成された適切で適正な穿孔及び/又はチャンバを含むことが好ましい。上記の適正な穿孔及び/又はチャンバには、バリヤー流体を流体供給源からチャンバ407へ運ぶよう構成された入力バリヤー穿孔415、マニホールド441内部に形成された入力バリヤー通路416、及びバリヤー圧チャンバ422などが含まれる。別の実施例では、バリヤー流体分配網は、本メカニカルシールの上述したバリヤー流体付勢システムの構成部品だけでなく、出力バリヤー圧導管234、バリヤー圧チャンバ424、出力バリヤー穿孔414などのその他の構成部品を含むことができる。例えば、バリヤー流体付勢システムは、固定シールリングに形成された軸方向の流体穿孔228及び溝180を少なくとも含む。
【0072】
図4を再び参照すると、可動バルブ408は、マニホールド入力流体供給通路416及び流体供給チャンバ422を介してバリヤー流体供給源と連通する中間チャンバ又はチャンネル412を更に規定する。この中間チャンバは、出力バリヤー穿孔414、バリヤーチャンバ424、穿孔234及び402などのバリヤー流体分配網と、可動バルブ408の摺動動作によって、流体連通するように選択的に配置される。
【0073】
本発明の流体フィードバック圧力調節システム500は、グランドハウジング30の内部に完全に取り付けられていることが好ましく、更に以下に更に説明するように、選択したシステム圧力を調節する、純粋に動的流体システムである。この流体フィードバックシステムは、よって、メカニカルシールのグランドハウジング30内に取り付けられる一方、一つ以上のシステム圧を調節するコンパクトな調節システムである。この流体フィードバック圧力調節システムがコンパクトな調節システムであるのは、本調節システムの一つ以上で好適には全てのサブシステムが、流体マニホールド及び可動バルブを収容する適切な寸法のグランドハウジング30穿孔を形成することによって、グランドハウジング30の内部のみに取り付けられるように大きさと寸法を合わせてあるという点においてである。その他の流体導管も形成してあり、プロセス流体及びバリヤー流体のようなシステム流体を可動バルブ408と連通させる。「コンパクト」という用語は、このフィードバックシステムが上述の従来の構成に比較して小さく、従来の比較的小さいメカニカルシールのグランドハウジング30内に収容できるという、通常の意味で使用されている。好適な一実施例によれば、様々なサブシステム501、510、520は、サブシステム全体で約1×1.5インチ程度に寸法決めしてあり、可動バルブ408は約0.188×0.4インチ程度に寸法決めしてあって、約0.499×0.345インチ程度に寸法決めしてあるチャンバ内部に収容してある。
【0074】
動作中は、ハウジング11からのプロセス流体は、入力チャンバ420にプロセス流体分配網を介して伝達される。一様態によれば、プロセス流体は、プロセス流体穿孔421及びシール及び/又はグランドハウジング30内部に適切に形成された通路を介してプロセスチャンバ300から入力チャンバ420に送られる。このシール及び/又はグランドハウジング30内部の通路は、プロセス流体が入力チャンバ420に流入できるようにするものである。ここで、プロセス流体は任意の動作圧力に設定されている。
【0075】
入力チャンバ420内のプロセス流体は、可動バルブ408の入力側つまり外部側(たとえば、図4の右側)に圧力をかける。更に、調節可能なバネ406も、可動バルブ408に圧力をかける。これらの力つまり圧力が組み合わさって、入力圧力が形成され、それが可動バルブ408をシールの中心寄り側(たとえば、左側、つまり開放位置と閉鎖位置のとの間)に向けて付勢する初期入力軸方向力となる。
【0076】
図4、7及び8を更に参照すると、バリヤー流体源(図示せず)からのバリヤー流体は、バリヤー流体分配網によって調節サブシステム501に、そしてメカニカルシールに導入される。一様態によれば、バリヤー流体源からのバリヤー流体は、入力供給穿孔415と流体供給チャンバ422とを介して入力バリヤー穿孔416に、そして中間チャンバ412に選択的に導入される。これは、図7及び8に実線の矢印で示されている。次にバリヤー流体は、可動バルブ408を開放位置と閉鎖位置のとの間に選択的に付勢することで、バリヤー流体分配網を介して出力チャンバ410に選択的に導入される。この可動バルブは図4に閉鎖位置にあるのが示されている。具体的には、可動バルブ408は、出力バリヤー流体導管414を閉塞して、出力バリヤー穿孔234をバリヤー流体源から遮断する位置にある。
【0077】
この可動バルブが開放位置にあってバリヤー流体が出力チャンバ410に流入するときは、バリヤー流体は、可動バルブ408の左側に対しての、つまり軸方向に反対側且つ外側の圧力を加えて、出力圧を発生させる。図5及び8に示したように、出力チャンバ410内のバリヤー流体によって生成される出力圧が、プロセス流体圧と入力流体チャンバ420内の調節可能バネの圧力の合計よりも小さいときは、可動バルブ408は、図8に示した開放位置まで左に移動する。これによって、中間チャンバ412が出力バリヤー穿孔414と連通して、よってバリヤー流体供給から流体供給導管416を介して出力流体導管414に至る流体経路が形成される。次にバリヤー流体は、出力バリヤー通路234を通過してバリヤー流体分配網のその他の部分に至る。
【0078】
図7及び8は、可動バルブ408の部分断面斜視図である。図7では、可動バルブ408がニュートラル又は閉鎖位置にあって、バリヤー流体がバリヤー流体供給から出力バリヤー通路234に直接流動するのを禁止又は防いでいるのが示されている。図8では、可動バルブ408が動作又は開放位置にあって、矢印が流体供給通路415から中間チャンバ412を介して出力バリヤー穿孔414を介して流出する経路を示す。
【0079】
バリヤー流体分配網が供給源からのバリヤー流体で充満されると、出力チャンバ410内のバリヤー流体圧は上昇して、プロセス流体と調節可能なバネ404が作用させる圧力の合計と等しくなるか超過する。これが起こると、可動バルブ408は、図示した閉鎖位置に付勢されて、バリヤー流体供給を出力バリヤー流体圧チャンバ424及びバリヤー流体穿孔234から切り離す。流体フィードバック圧力調節システム内のバリヤー流体は、よって、プロセス圧力とバネ404の可変圧力が作用させる圧力の合計と概ね等しくなる。当業者であれば、バリヤー流体分配網をプロセス流体圧及び/又はバネ圧力未満の圧力まで加圧することを含めて、これ以外の圧力構成を用いることができるのを容易に理解するであろう。
【0080】
流体フィードバック圧力調節システム500は、閉鎖流体を閉鎖バリヤー流流体分配網に導入したり閉鎖流体分配網から排出させたりする幾つかのサブシステムを更に含むことができる。これらサブシステムは、プロセス流体穿孔421及びバリヤー流体穿孔415を除いては、図示したサブシステム501と同一の構成部品の殆どを含む。上記の三つのサブシステムを共に或いは所望の組み合わせで用いて、シール面18及び20に直接又は間接的に作用する特定の流体圧力を制御できる。
【0081】
図5には、本発明の流体フィードバック圧力調節システム500の第二のサブシステム510が示されている。本図において、肩字ダッシュを含めて類似の参照数字は類似の要素を表す。図示したサブシステム510は、閉鎖流体供給源(図示せず)をシールの閉鎖力付勢システムに選択的に接続する。付勢システムは、バリヤー流体分配網及び/又はバリヤー流体付勢システム(軸方向の穿孔228及び溝180など)内の圧力の関数としての閉鎖力を固定シールの裏面に加える。図示したサブシステム510は、グランドハウジング30内部に形成された適切に寸法を定めたチャンバ407’内に配置された可動差圧バルブ408’を含む。チャンバ407’には、圧力調節サブシステム510の圧力通路と穿孔とを連通させるように選択した様態で穴ぐりした環状流体マニホールド441’が取り付けられている。
【0082】
図示したマニホールド441’は、図4、7及び8に関連して上述したものと同一の構成である。Oリング462’及び428’はマニホールドの外側表面に形成された対応する溝内に取り付けられて、チャンバ407’の内側壁と流体マニホールド441’の選択した部分との間の圧力及び流体シールを形成する。
【0083】
可動バルブ408’は、この可動バルブのフランジ付き端部の間に形成された中間チャンバ412’を形成しつつ、チャンバ407’を入力チャンバ420’と出力チャンバ410’に分割する。可動バルブ408’は、調節可能なバネ406’に連結され、このバネの一端は手動調節可能なネジ404’に接続されている。図示したネジ404’及びバネ406’は、図4に関連して既に説明したものと同一である。ネジ404’及びバネ406’は、グランドハウジング30の外部表面から入力チャンバ420’内に延伸している。入力チャンバ420’は、バリヤー流体分配網の選択した構成部品と連通して、シールのバリヤー流体を入力チャンバ420’と連通させる。
【0084】
このサブシステムにおいては、バリヤー流体分配網は、グランドハウジング30内部に形成された適切な穿孔および/又はチャンバを含み、好適には、少なくとも入力チャンバ420’と、バリヤー接続通路466と、バリヤー流体付勢システムとを含む。図示したサブシステム510は、閉鎖流体(バリヤー流体でも閉鎖流体でもよい)又はその他の流体の供給源を第一シールリング14に連結する閉鎖流体分配網を更に含む。閉鎖流体分配システムは、第一シールリングに閉鎖軸方向付勢力を作用させて、第一シールリング14と第二シールリング16との間の分離を調整したり調節したりする。閉鎖力分配網は、閉鎖流体を少なくとも一つのシールリングに導入してその間の分離を調節する、如何なる構成および数の流体導管および穿孔を含んでいてもよい。具体的には、図示した分配網は、一つ以上の入力閉鎖力通路460と、入力閉鎖流体穿孔416’と、中間チャンバ412’と、出力閉鎖流体穿孔414’と、横方向閉鎖流体穿孔444と、閉鎖力通路コネクタ442と、閉鎖力通路440と、閉鎖力チャンバ242’とを含むことができる。
【0085】
図5を再び参照すると、可動バルブ408’は、入力チャンバ420’と出力チャンバ410’の中の流体によって開放位置と閉鎖位置との間に交互に移動される。例えば、シールを作動させると、バリヤー流体が以前のサブシステム501から加圧され、グランドハウジング30内に適切に形成された穿孔を介して、入力チャンバ420’に充満される。バリヤー流体はバネ406’と協働して、可動バルブ408’の一方の側に圧力を作用させ、その可動バルブを、シールの内側又は外側の何れかへ付勢する。この力は、図示したように、その可動バルブが開放位置に移動した際に出力チャンバ410’に導入された閉鎖流体による圧力によって相殺される。
【0086】
入力チャンバ420’内の圧力が出力チャンバ410’内の圧力より大きくなると、その差圧が可動バルブ408’を左方向に図示した開放位置に付勢する。供給源からの閉鎖流体は、閉鎖流体入力通路460および入力閉鎖流体穿孔416’を通過して、中間チャンバ412’の中へ、そして最終的には出力チャンバ410’の中へ流入する。そこから、閉鎖流体は、出力閉鎖流体穿孔414’を通過して、横方向通路444と、通路ジャンクション442と、閉鎖流体出力通路440と、閉鎖流体チャンバ242とに流入する。閉鎖流体チャンバは、第一シールリング14の裏面に配置され、このシールリングに選択した様態で作用する。
【0087】
動作中は、バリヤー流体分配網は、サブシステム501などからの加圧バリヤー流体で充満される。入力チャンバ420’内部のバリヤー流体及び調節可能なバネ406’が、可動バルブ408’の右側に圧力を掛ける。これら二つの圧力の合計が、可動バルブ408’の例えば右側などの片側に作用して、入力圧を可動バルブ408’に掛けて、よってこの可動バルブを閉鎖位置から開放位置に移動させる。この位置にあるときには、可動バルブ408’は、閉鎖流体供給源を中間チャンバ412’及び閉鎖力出力穿孔414’に流体接続する。この閉鎖流体は、閉鎖流体分配網を介して閉鎖流体チャンバ242に伝達される。
【0088】
同時に、中間チャンバ412’内の閉鎖流体は、出力チャンバ410’に充満して、可動バルブ408の例えば左側などの他方の側に圧力を作用させる。閉鎖力による力は、バリヤー流体及びバネ406’により掛けられる力を打ち消して、ほぼ均等になると、可動バルブ408を閉鎖位置に付勢して、よって閉鎖流体供給源を中間チャンバ412’から切り離す。具体的には、可動バルブ408’のフランジ付き端部は、出力閉鎖流体穿孔414’を閉塞して、閉鎖流体が中間チャンバ412’から横方向通路444まで通過するのを防止又は禁止する位置にサブシステム510に位置決めされる。その結果、図示したサブシステム510は、固定シールリングの裏面に、又、出力チャンバ410内部にバネとバリヤー流体の圧力合計の関数である閉鎖流体圧又は力を生成する。
【0089】
上述の閉鎖流体サブシステム510を用いて、バリヤー流体圧の関数として閉鎖流体圧を調節、すなわち増加することが好ましい。よって、流体フィードバック圧力調節システム500は、調節された閉鎖流体圧に基づいて隙間厚さ及びシール面における漏れを調節する。このシステムを第一サブシステム501と共に用いて、バリヤー流体圧の関数として閉鎖力の圧力を調節する流体的且つ動的圧力調節システムを形成することが可能である。最初のサブシステムは、プロセス圧力及び手動調節可能なバネ圧力に基づいて、バリヤー流体圧を選択したレベルに設定する。その後、このサブシステムは、閉鎖流体圧を調整してシール面における漏れを調節する。
【0090】
上述のような開放位置及び閉鎖位置間の可動バルブ408’の移動配置は、図7及び8に示した可動バルブの二位置間の移動と同一である。図8には、可動バルブ408は開放位置にあって、実線の矢印により、流体が流体供給導管416の中に流入し、バルブチャンネル412と出力流体導管414を介して流出することが示されている。閉鎖流体分配網がより多くの流体を収容するにつれ、出力チャンバ410’内の閉鎖流体が増加し、よってこのチャンバ中の圧力も増大する。閉鎖流体圧がバリヤー流体圧と調節可能なバネ圧力406’との合計に概ね等しくなると、可動バルブが右側に閉鎖位置まで移行して、閉鎖流体供給源と閉鎖流体分配網との流体連通を切断する。図7には、可動バルブ408が閉鎖位置にあって、流体供給導管416と出力流体導管414との間の流体流動を抑止または防止することが示されている。
【0091】
図6A及び6Bを参照すると、流体フィードバック圧力調節システム500は、バリヤー流体圧の関数として、この調節システムからの閉鎖流体圧を排出するよう構成された逃がしサブシステム520を更に含むことができる。本図において、肩字ダッシュを含めて類似の参照数字は類似の要素を表す。上述と同様に、図示したサブシステム520は、グランドハウジング30チャンバ407’’内に収容されるべく寸法取りされた可動バルブ448を含む。このチャンバには、流体フィードバック圧力調節システムの圧力通路及び穿孔とメカニカルシールとの連通を許容する、選択した様態で穿孔された環状流体マニホールド441’’が含まれる。可動バルブ448は、実質的にT字型の可動バルブで、その大径部448Aが入力チャンバ420’’に隣接して設けられ、その小径部448Bが出力チャンバ410’’内に延伸している。可動バルブ448は、調節可能なバネ406’’に接続され、そのバネの一端が手動調節可能なネジ404’に取り付けられている。図示したネジ404’’及びバネ406’’は、図4及び5に関連してすでに説明したものと同一である。ネジ404’’及びバネ406’’は、入力チャンバ420’’内部にグランドハウジング30の外部表面から延伸する。
【0092】
図示したサブシステム520は、入力チャンバ420’’と連通したバリヤー流体分配網と、出力チャンバ410’’と流体連通した閉鎖流体分配網とを更に含む。閉鎖流体分配網及び閉鎖流体分配網は、図5に関連して説明されたものと類似の様態で作動する 閉鎖流体分配網は、出力チャンバ420’’及び出力導管416’’と流体連通して配置された排出通路450を更に含む。この排出口は、図示したフィードバックサブシステム520が内部の閉鎖流体圧を、バリヤー流体圧の関数として排出するのを許容する。
【0093】
図示した可動バルブ448は、入力チャンバ420’’内のバリヤー流体及び出力チャンバ410’’内の閉鎖流体によって開放位置と閉鎖位置との間を交互に移動可能である。例えば、シールが作動されると、バリヤー流体は、第一サブシステム501により加圧されて、入力チャンバ420’’を満たす。バリヤー流体とバネ406’’は、可動バルブ448の一方の側に圧力を掛けて、その可動バルブを特定の方向(例えばシールの内側又は外側)に、つまり開放位置と閉鎖位置との間を移動させる。これら二つの圧力の合計が、可動バルブ408に対する入力圧となる。同時に、閉鎖流体分配網は、任意の圧力で閉鎖流体を保持する。閉鎖流体供給源からの閉鎖流体が、出力チャンバ410’’に流入して、可動バルブ408の他方の側(例えば左側)に圧力を加え、可動バルブ448に対する出力圧を発生させる。閉鎖流体の圧力が出力チャンバ410’’内のバリヤー流体圧よりも小さくなると、入力圧が可動バルブを図示したように閉鎖位置に付勢する。この圧力構成によって、固定シールリングに対する軸方向の付勢力が維持される。その結果、調節システムは、排出通路450を介した排出によって閉鎖圧力を減少させることがない。
【0094】
出力チャンバ410’’内の閉鎖流体により加えられる圧力が入力圧より大きくなると、その差圧が可動バルブ448を図6に示すように開放位置に付勢する。これにより、閉鎖力流体分配システムが排出通路450と接続して、システムから閉鎖流体を排出する。具体的には、サブシステム520は、閉鎖流体チャンバ242と、閉鎖流体通路440と、横方向通路444と、入力穿孔414’との中の閉鎖流体を出力チャンバ410’’に移動させる。そこからは、閉鎖流体は、出力閉鎖流体穿孔416’’から排出通路450へと移動される。可動バルブ408を開放位置に移動することにより、出力チャンバ410’’に収容されている閉鎖流体が排出通路450を通過可能になる。
【0095】
システム520が閉鎖流体をシールから除去する際に、出力チャンバ410’’内の閉鎖流体圧は減少してバリヤー流体圧と調節可能バネ圧の合計に概ね等しくなる。これが起こると、システム圧が可動バルブ448を閉鎖位置まで付勢して、排出通路450と閉鎖分配網のその他の部分との流体圧と調節連通を遮断する。
【0096】
フィードバックシステム520から閉鎖流体を排出することで、流体フィードバック圧力調節システム500全体がシール面18、20間の分離を調節してシール漏れを制御できる。詳しくは、このシステムは、システムからの閉鎖流体を減少させ又は排出して、プロセス圧の減少に反応する。こうして減少した閉鎖流体圧は、シール面が分離するのを許容し、よって、好ましくないシール面接触を回避する。
【0097】
上述のサブシステム501、510及び520は、共に用いてメカニカルシールのグランドハウジング30内に取り付けるのが好ましい。組み合わせて用いると、これらのサブシステムは、一つ以上のメカニカルシール圧の関数としてそれ以外の一つ以上のシール圧を調整する、完全な流体圧フィードバックシステムを形成する。好適な一様態によれば、サブシステム501、510及び520は、本発明の流体フィードバック圧力調節システム500の殆ど全体を構成する。
【0098】
流体フィードバック圧力調節システム500は、差圧調整器として機能する。システムの一般原理は、メカニカルシール内の圧力条件が変更すると、システムがシールに供給される閉鎖圧とバリヤー流体圧の一方又は両方を制御調節して、シールリングにおけるシール面の一定の条件を維持するというものである。この流体調節システムは、バリヤー流体、プロセス流体、及び閉鎖流体の何れかの流体を動的フィードバック流体入力として用いて、この調節された入力に基づいてバリヤー流体圧又は閉鎖力の何れかを制御する。この際に、このフィードバックシステムは、選択した流体圧間の圧力変化を検知して、この不均衡を是正する。この流体フィードバックシステムはこれを達成するのに、システムを高圧流体供給源に接続して、閉鎖流体をこのシステムに加え、内部圧力が選択レベルより高いか低い時に、内部圧力を高めたりシステムからの閉鎖流体圧を排出させる。更に、このフィードバックシステムは、バリヤー流体又は閉鎖流体を、調節された圧力入力より高いか低い任意設定点まで調節又は制御する能力を具備している。
【0099】
図4乃至8に示したように、フィードバックシステム500は、バリヤー圧力をプロセス流体圧より高く保ちつつ、プロセス流体圧を動的フィードバック流体入力として用いる。プロセス流体は、これ以外の箇所もあるが、メカニカルシールのシールリングの外径に沿って配置されたプロセス流体チャンバ300に収容している。プロセス流体は、グランドハウジング30に形成された適切なプロセス流体穿孔を介してフィードバックシステムの入力チャンバ420に連通している。入力チャンバ420内に設けられたバネ406と協働して、プロセス流体は可動バルブ408の一方の側に圧力を発生させる。上述したように、バリヤー流体が、バリヤー流体入力通路415を介して中間チャンバ412に導入される。プロセス流体及びチャンバ420内のバネ406によって加えられる力は、可動バルブ408の反対側に加えられる出力チャンバ410内のバリヤー流体圧と釣り合う。その結果、フィードバックシステムは、バリヤー流体分配網のバリヤー流体チャンバ424内のバリヤー流体圧を(例えば、調節された出力)、バネ406の調節可能な力に対応した
分だけプロセス圧より高い圧力まで高める。
【0100】
プロセス流体とバネによって掛けられる圧力が変化すると、例えば、プロセス流体とバネの圧力がバリヤー流体圧より大きくなると、可動バルブが選択位置まで付勢されて、入力バリヤー流体供給源をバリヤー流体分配網に接続する。するとバリヤー流体は、バリヤー流体分配網に流入して出力チャンバ410を加圧する。バリヤー流体分配網が十分加圧されると、バリヤー流体は、出力チャンバ410を充満して、且つ入力チャンバ420内に形成されるプロセス流体とバネ406の合計圧力を相殺し、それと釣り合う。
【0101】
バリヤー流体が出力チャンバ410に充満すると、可動バルブのバリヤー流体側(つまり左側)の圧力が増大して、図示したように、バリヤー流体圧が可動バルブを左方向に中間閉鎖位置まで移動し、バリヤー流体の供給をシステムから切り離すまでになる。
【0102】
メカニカルシールにバリヤー流体供給源から導入されたバリヤー流体は、軸方向の穿孔228及び半径方向溝180に運ばれる。バリヤーフィードバック通路446(図5)は、軸方向の穿孔228及び半径方向溝180を入力チャンバ420’に接続する。よって、バリヤー流体は、圧力フィードバック入力として用いられ、閉鎖流体網の閉鎖流体は調整されたフィードバック出力であり、且つバネ406’により掛けられる圧力に対応した選択した値分でバリヤー流体圧より高い圧力に調節される。よって、バネ406’は、選択したレベルの圧力を流体フィードバック圧力調整システムの入力フィードバック側(例えば入力チャンバ420’)に加える。閉鎖流体圧は、追加の閉鎖流体を加えて増大されるか、閉鎖流体分配網から閉鎖流体を逃がして低下される。
【0103】
シール漏れの量は、以下の様態で特定のシール流体の管理調節と関連している。プロセス流体圧の増加は、シールに導入されるバリヤー流体の量を増加させる。増加したバリヤー流体はバリヤー流体分配網を加圧し、シール面が更に分離し、よってシール面漏れを増大させる。これに対応して、流体フィードバック圧力調整システムは、閉鎖流体網を加圧するため導入された閉鎖流体の量を増加する。これは、閉鎖流体チャンバ242内の閉鎖流体圧の増加に対応し、よって、シール面を互いに向けて付勢してシール漏れ量を減少させる。
【0104】
反対に、プロセス流体圧が減少すると、バリヤー流体のシールへ導入するのを終了する。バリヤー流体量が減少するのは、シールリングのシール面が互いの近くに付勢されるので分かり、これで面シール接触に至ることもある。このシステムは、閉鎖流体分配網を排出口に接続して選択した量の閉鎖流体圧をシステムから逃がすことで、この状態を自動的且つ流体的に補正する。閉鎖流体チャンバ242内の閉鎖流体圧の減少により、シール面が選択した量で分離して面シール接触を抑制する。
【0105】
更には、図4のサブシステム501が、プロセス流体圧とバネ406が加える力の合計である、バリヤー流体の設定又は基準圧力レベルを生成するのは当業者であれば理解できるであろう。調節可能なネジ404は、バネ406の張力を調節して、バリヤー流体の基準圧力点を調節する。よって、このシステムは、選択したシステムパラメータを適切な整備者がリアルタイムで且つ動作中に、変更するのを許容する。
【0106】
図11乃至13は、ブシステム501、510及び520により示したように、本発明の流体フィードバック圧力調節システム500の動作方法を説明した概略フローチャート図である。図11は、図4のサブシステム501により示したように、バリヤー流体圧をプロセス流体圧に対して或るレベルに設定する方法を説明したものである。図12は、閉鎖流体をバリヤー流体圧の関数としてシステムに導入する方法を説明したものである。図13は、閉鎖流体をシステムからバリヤー流体圧の関数として排出する方法を説明したものである。これらの図に示した三つのプロセスは全て連続的なプロセスであり、平行して、同時発生的に、共時的に実行できる。
【0107】
ステップ505において、プロセス流体は、流体ハウジングからプロセス流体入力通路を介して入力チャンバ420に導入される。この圧力は、調節可能バネ406が発生する力つまり圧力と共に、サブシステムの入力圧となる。バリヤー流体源がバリヤー流体をバリヤー流体通路415を介して調節システムに導入する。その後、バリヤー流体は穿孔228及び溝180を含むバリヤー流体分配網に送られる。出力チャンバ410は、最終的にバリヤー流体で満たされ、バネとプロセス流体の合計圧力を少なくとも部分的には相殺する。
【0108】
ステップ515において、入力チャンバ420内の圧力は、出力チャンバ410内のバリヤー流体圧と比較される。もしバリヤー流体圧が、調節可能バネ406とプロセス流体の合計圧力未満であれば、可動バルブ408は開放位置に置かれ、ステップ530及び540に示したようにバリヤー流体分配網をバリヤー流体供給源に接続する。ステップ550に記載したように、バリヤー源は流体をバリヤー流体供給源に供給する。バリヤー流体がプロセス流体とバネの力よりも十分低くなく、可動バルブを感知できるほど移動させない場合は、可動バルブは閉鎖位置に留まる。これは、フィードバックループ535に示されている。
【0109】
ステップ560では、出力チャンバ410内のバリヤー流体圧は、プロセス流体圧と調節可能バネ圧との合計と再度比較される。ステップ570では、バリヤー流体圧がプロセス流体圧と調節可能バネ406の圧力との合計より低ければ、フィードバックループ575に示されているように可動バルブ408は閉鎖位置に留まり、バリヤー流体分配網をバリヤー流体供給源に接続する。ステップ580に示されているように、バリヤー流体圧がプロセス流体圧と調節可能バネ圧との合計より高ければ、可動バルブ408は開放位置に移動してバリヤー流体分配網をバリヤー流体供給源から切り離す。
【0110】
プロセス流体圧の増加はバリヤー流体圧の増加に至るが、これはシールリングのシール面が分離されて過剰なシール漏れに至る可能性があることを示している。本流体フィードバック圧力調節システムは、システム中の閉鎖流体圧を増加させてこの状態を補正する。逆に、シール面が互いに比較的近いことを示すバリヤー流体圧の減少が起こると、圧力調節システムは閉鎖流体圧を減少させ、シール面を選択した量で分離させる。
【0111】
図5乃至6Bを特に参照すると、バリヤー流体圧の増加は入力チャンバ420’を加圧して(図5)、閉鎖流体分配網を閉鎖流体供給源に繋ぐ。この供給は、閉鎖流体分配網を加圧すると共に、閉鎖流体穿孔414’と416’、中間チャンバ416’、横方向通路444、通路ジャンクション442、半径方向の閉鎖流体通路440及び閉鎖流体チャンバ242を経由して閉鎖流体を固定シールリングの裏面に移動させる。上昇した閉鎖流体圧は上昇したバリヤー流体圧と釣り合って、シール面における漏れを最小限に抑えるよう作用する。
【0112】
図12は、バリヤー流体圧を基準として閉鎖流体圧を或るレベルに設定する方法を説明したものである。ステップ600および610では、バリヤー流体は、入力チャンバ420、穿孔228及び溝180を含むバリヤー流体分配網に導入され、入力チャンバ420内にバリヤー流体圧を発生させる。この圧力と調節可能なバネ406の圧力合計が、このサブシステムの入力圧を規定する。閉鎖流体圧は、閉鎖流体チャンバ242及び閉鎖流体圧通路440を含む閉鎖力流体分配網に導入される。
【0113】
ステップ620では、入力チャンバ420内の入力圧が、出力チャンバ410内の出力圧と比較される。ステップ630では、出力又はバリヤー流体圧(プロセス流体圧の変化に対応する)が入力圧未満に低下すると(これは過剰な好ましくないシール漏れを示す可能性がある)、ステップ640で可動バルブ408’が開放位置に置かれ、閉鎖力流体分配網を、入力通路460に導入された閉鎖流体供給源に接続する。詳しくは、閉鎖流体源からの閉鎖流体は入力閉鎖流体通路460を通過して、入力閉鎖流体穿孔416’に流入し、その後中間チャンバ412’に流入する。閉鎖流体はその後このチャンバから出力閉鎖流体穿孔414’、横方向通路444、ジャンクション442、及び閉鎖流体出力通路440を介して、図示した二次シーリング構造を囲む閉鎖流体チャンバ242に至る。シールの閉鎖力側に導入された付加的閉鎖流体は、閉鎖流体チャンバ242内部の圧力を増加させ、更に、固定子を回転子の方へ軸方向に付勢する。これはステップ640と650に説明してある。逆に、フィードバックループ635で示したように、もし出力圧(つまり閉鎖流体圧)が入力圧(つまりバリヤー圧力)以上であれば、可動バルブは開放位置に移動されるかその位置に維持される。
【0114】
ステップ660、670及び675に示したように、出力チャンバ410’内の出力圧が入力圧と再度比較され、もし閉鎖力流体圧がバリヤー流体圧と調節可能なバネ406の圧力との合計未満であれば、閉鎖流体が閉鎖力流体分配網に閉鎖流体供給源により追加される。もし出力閉鎖流体圧が入力圧より高ければ、可動バルブ408’が閉鎖力流体分配網を閉鎖流体供給源から切り離す位置に置かれる。よって、この図示した実施例では、バリヤー流体圧が上昇すると、閉鎖流体圧も上昇する。
【0115】
図13にも、バリヤー流体圧を基準として閉鎖流体圧を或るレベルに設定する方法が記載されているが、とりわけ調節システム500から流体をバリヤー流体圧の関数として排出させる。このフローチャートの方法は、図6A及び6Bに示したサブシステム520に少なくとも部分的には対応する。ステップ700及び710では、バリヤー流体がバリヤー流体分配網に導入されて、入力流体チャンバ420’’内のバリヤー流体圧を発生させる。この圧力が調節可能なバネ406’’の圧力と協働してサブシステム520の入力圧を規定する。閉鎖流体は閉鎖力流体分配網に導入され、上述したように出力チャンバ410’’内に出力圧を発生させる。
【0116】
ステップ720および730では、入力チャンバ420’’内の圧力を出力チャンバ410’’内の圧力と比較する。フィードバックループ735において、もし出力圧が、バリヤー流体圧と調節可能なバネ406’’の圧力との合計である入力圧よりも低ければ、可動バルブ448を閉鎖位置に移動又は維持し(図6)、閉鎖力流体分配網が調節システム500から閉鎖力流体を排出するのを防ぐ。もし出力圧が入力圧よりも高ければ、ステップ740において、可動バルブは開放位置に移動され、閉鎖力流体分配網を流体排出口450に接続する。ステップ750に記載されているように、この排出で、閉鎖力流体は閉鎖力流体分配網から除去される。ステップ760では、出力チャンバ410’’内の出力圧が、プロセス流体圧と調節可能なバネの圧力との合計である入力圧と比較される。ステップ770では、バリヤー流体圧がプロセス流体圧と調節可能なバネ406’’の圧力との合計である入力圧よりも高ければ、フィードバックループ755において可動バルブが、閉鎖力流体分配網と流体排出口との接続を維持する位置に置かれる。もし出力圧が入力圧よりも低ければ、可動バルブ448を閉鎖位置に付勢して閉鎖力流体分配網を流体排出口から切り離す。よって、もしバリヤー流体圧が減少したり、閉鎖流体圧の上昇が検知されれば(これはシール漏れが予想より低いことを示したり、プロセス流体圧の変化又はバリヤー流体圧の変化を示す可能性があるが)、フィードバック調節システム520はシールから閉鎖流体圧を排出又は減少させる。
【0117】
図示した流体フィードバック圧力調節システム500は、こうしてバリヤー供給圧の増大を感知して閉鎖流体圧を増加させ、更にバリヤー流体圧の減少を検知して閉鎖流体圧を減少させる。
【0118】
図9A、9B及び9Cは、上述の三つの圧力フィードバックサブシステム501、510及び520の別の実施例を示したものであり、内側でアクセスを制限した位置でネジを使用するものである。特に、図9Aは、図4のサブシステム500の別の実施例であるサブシステム1530を開示し、図9Bは、図5のサブシステム510の別の実施例であるサブシステム1540を開示し、図9Cは、図6A及び6Bのサブシステム520の別の実施例であるサブシステム1550を開示している。図示したサブシステム1530、1540及び1550はハウジング11とグランドハウジング30との間のアクセスが制限された箇所に設けられた調節可能なバネ406を使用している。これら図面中では、類似の参照番号は類似の構成部品を示す。図示したフィードバックシステムは、図9A、9B及び9Cに示された種類及び構成のシールだけでなく、適切であれば如何なるメカニカルシールと共に用いてもよい。
【0119】
図9Aは、バリヤー流体圧をプロセス流体圧を基準にして選択されたレベルに維持するための第一サブシステム1530を示す。図示したサブシステムは、グランドハウジング30内に形成された適正な寸法のチャンバ内部に配置された可動バルブ408を用いている。流体フィードバック圧力調節システムの種々の圧力通路と穿孔との間の連通を可能にするように選択された態様で穴繰りされている環状流体マニホールド441が、チャンバ407に取り付けられている。
【0120】
図示した流体マニホールド441は、図4、7および8に関連して説明されたものと同一であり、かつ可動バルブ408を納める中央穿孔を有する。この穿孔は可動バルブの最外径と等しいか或いは若干大きい寸法になっており、この可動バルブが、穿孔内で開放位置と閉鎖位置との間を比較的自由に摺動することができ、しかもマニホールドにリークが生じた場合、可動バルブ周囲のリークを最小限にしたり、或いは阻止することができる。流体マニホールド441は、数多くの放射状に延伸する流体穿孔414および416を具備しており、マニホールドは、特定の圧力が印可された流体をチャンバに選択的に連通させることができる。Oリング426及び428のようなシーリング構造体は、チャンバ407の内側壁と流体マニホールド441の選択部分との間の圧力シール及び流体シールを形成するために、マニホールドの外表面に形成された対応する溝内部に取り付けられている。
【0121】
可動バルブ408は、チャンバを入力チャンバ420と出力チャンバ410とに分割しており、同時に中間チャンバ412が可動バルブのフランジ付端部の間に形成される。可動バルブ408は、調節可能なバネ406に接続されており、その一端は手動調節ネジ404に付着されている。図示した調節可能なネジ404は、手が届き難い箇所に取り付けてあり、工場出荷時に予め決められた設定によるバネ張力を、作業員が不正に改変したり、或いは調整したりすることを防止したり或いは禁止するようになされている。システムオペレータは、選択された仕方でネジを回転させることで、このバネによって印可されている張力を調節できる。このようにして、ネジ404およびバネ406は協同して、図示した圧力調節サブシステム1530における初期すなわち設定点圧力を規定する機能を果たす。
【0122】
ネジ404及びバネ406は、グランドハウジング30の内部表面から入力チャンバ420内へと延伸する。入力チャンバ420は、プロセス流体分配網と連通することで、意図された通り、シールのプロセス流体が入力チャンバ420と連通できるようになる。本発明の流体フィードバック圧力調節システムのプロセス流体分配網はとりわけ、プロセス流体チャンバ300のようなメカニカルシール内部或いは周囲に形成された適正なプロセス流体チャンバと、プロセス流体をチャンバ300から入力チャンバ420へ連通させるプロセス流体穿孔421とを含む。当業者であれば、このプロセス流体分配網が、所望であれば、プロセス流体を可動バルブ408と選択された態様で連通させ得るように、グランドハウジング30内に形成された複数の内部穿孔及び通路を具備し得ることを理解するであろう。この調節システムはまた、グランドハウジング30の外部に継手を用いて、システム流体をシテム1500の特定の部分或いは構成要素と連通させ得る。例えば、プロセス流体を流体ハウジングから入力プロセス流体穿孔421へと移すために、外部流体導管をグランドハウジング30に接続させることもできる。
【0123】
更に図9Aを参照すると、同様に本発明の流体フィードバック圧力調節システム1500は、バリヤー流体をバリヤー流体供給源(図示せず)から流体マニホールド441へと連通させるバリヤー流体分配網を含むこともできる。このバリヤー流体分配網は、図4乃至6Bに関連して前述したものと同一或いは類似のものであることが好ましい。バリヤー流体分配網は、チャンバ407から、例えば軸方向穿孔228及び溝180等のバリヤー流体付勢システムと、グランドハウジング30内部に取り付けることができる他のフィードバックシステムと、入力バリヤー供給源通路415のような他の流体通路/穿孔とへ、バリヤー流体を連通させる適正なバリヤー流体通路を具備してもよい。特に、バリヤー流体分配網は、マニホールド441内に形成された入力バリヤー通路416のような、グランドハウジング30内部に形成された任意の適切かつ適正な穿孔及び/又はチャンバと、出力バリヤー圧力穿孔414及びバリヤー導管234と、出力チャンバ410をメカニカルシールのバリヤー流体付勢システムに接続するバリヤー流体通路402とを具備する。当然のことではあるが、この分配網にはまた、固定シールリング内に形成された軸方向流体穿孔228及び溝180のようなバリヤー流体付勢システムの構成要素も含まれていてもよい。
【0124】
更に図9Aを参照すると、可動バルブ408によって、バリヤー流体供給通路415と、流体供給源チャンバ424と、流体供給源導管416とを介してバリヤー流体供給源と連通する中間チャンバ即ちチャンネル412が形成される。中間チャンバ412はまた、出力バリヤー穿孔414、バリヤーチャンバ422及び出力バリヤー流体穿孔234のような、バリヤー流体をサブシステム1540へと運ぶバリヤー流体分配網と流体連通するように選択的に配置されている。
【0125】
流体フィードバック圧力調整システム500と同様に、本発明の圧力調整システム1500も、グランドハウジング30内部に完全に取り付けられており、且つ、後に更に詳述するように、選択されたシステム圧を調節する純粋に動的流体システムである。従って、この流体フィードバックシステムは、メカニカルシールのグランドハウジング30内部に取り付けられている一方、一つ或いは複数のシステム圧を調節するコンパクトな調節システムである。
【0126】
動作中は、流体ハウジング11からのプロセス流体が、プロセス流体分配網を介して入力チャンバ420と連通する。好適な一実施例によれば、プロセス流体は、プロセス流体チャンバ300から、入力プロセス圧力穿孔421を介して或いはプロセス流体が入力チャンバ420の中へ流入するのを可能にするシール及び/又はグランドハウジング30内部で適正に形成された任意の他の通路を介して、入力チャンバ420へと送出される。プロセス流体は、所与の動作圧になっている。入力チャンバ420内のプロセス流体は、可動バルブ408の入力側、例えば左側に、圧力を及ぼす。更に、調節可能なバネ406が、可動バルブ408に圧力を及ぼす。これら二つの力即ち圧力が結合して入力圧を形成し、この圧力が、可動バルブ408をシールの外側に、例えば右側に向かって付勢する初期入力軸方向力を発生させる。
【0127】
バリヤー流体源は、バリヤー流体分配網によって、バリヤー流体を、圧力調節サブシステム1530へ、またメカニカルシールへと導入する。一実施例によれば、バリヤー流体源からのバリヤー流体は、入力供給源通路234を介して、入力供給源チャンバ422及び入力バリヤー穿孔416へと導入され、よって中間チャンバ412の中へも導入される。その後、バリヤー流体は、可動バルブ408を閉鎖及び開放位置の間で選択的に付勢する事で、出力チャンバ410及びバリヤー流体分配網へと選択的に導入される。可動バルブ408は閉鎖位置で図示されている。具体的には、可動バルブ408が、出力バリヤー流体穿孔414を塞ぐことができるように位置しており、よって中間チャンバ412を出力チャンバ410から切り離している。
【0128】
入力チャンバ420内のプロセス流体は、可動バルブ408の入力側に圧力を及ぼす。更に、調節可能なバネ406が、この可動バルブに圧力を及ぼす。これらの二つの圧力が結合して入力圧が形成され、この圧力が、可動バルブ408を右側に向かって、従って閉鎖位置から開放位置に向かって付勢する初期入力軸方向力を発生させる。
【0129】
可動バルブが開放位置に配置されると、中間チャンバ412からのバリヤー流体は、出力閉鎖流体穿孔414を通って出力チャンバ424及び410へ流入する。バリヤー流体は、可動バルブ408の右側に対して反対側すなわち軸方向に外側に向かう圧力を及ぼし、出力チャンバ410内に出力圧を形成する。出力チャンバ410内のバリヤー流体によって及ぼされた出力圧が、入力チャンバ420内のプロセス流体圧と調節バネ圧との合計より大きい場合は、可動バルブ408は図示の閉鎖位置へと戻る。具体的には、バリヤー流体分配網が供給源からのバリヤー流体で満たされると、出力チャンバ410内のバリヤー流体圧が、そのチャンバ内の圧力を増大させる。出力チャンバ410内部のバリヤー流体圧が、プロセス流体と調節可能なバネ406によって生じる圧力の合計と等しいか、或いはそれを超える場合は、可動バルブが図示した閉鎖位置へと移動して、バリヤー流体供給源を出力バリヤー通路234から切り離す。従って、流体フィードバック圧力調節システム内部のバリヤー流体は、プロセス圧と可変バネ406圧とによって生じた圧力の合計におよそ等しいレベルまで加圧される。当業者であれば、プロセス圧及び/又はバネ圧より小さい圧力になるまでバリヤー流体分配網を加圧することを含め、他の圧力構成も同様に使用できることを直ちに理解するであろう。閉鎖位置と開放位置との間を移動することで、中間チャンバ412及び出力チャンバ410がバリヤー流体供給源と連通可能になり、これによりバリヤー流体供給源と出力流体穿孔414との間に流体経路が形成される。その後、バリヤー流体は、出力バリヤー通路を介してバリヤー流体分配網の残部及び圧力システム1500へ流入していく。
【0130】
流体フィードバック圧力調節システム1500は、閉鎖流体を閉鎖流体分配網へ導入するための、或いは閉鎖流体をそこから排出するためのサブシステムを更に含むことも可能である。これらのサブシステムには、プロセス流体穿孔421及びバリヤー流体穿孔415以外の、図示したサブシステム1530と殆ど同じ構成要素が具備されている。従って、これら三つのサブシステムは、直接的に或いは間接的にシール面18及び20に作用する特定の流体圧を制御するために、三つ併せて或いは任意の組み合わせで、利用され得る。
【0131】
図9B及び9Cには、メカニカルシールに対して閉鎖流体圧を加えたり、或いはそこから閉鎖流体圧を減じたりするサブシステム1540及び1550が示されている。図中、類似の数字は類似の要素を表す。サブシステム1540は、閉鎖流体供給源(図示せず)をこのシールの閉鎖流体付勢システムに接続する。この付勢システムによって、バリヤー流体分配網及び/又は、例えば軸方向穿孔228及び溝180のようなバリヤー付勢システム内部の圧力の関数として、閉鎖力が固定シールの裏面側に印可される。
【0132】
図示したサブシステム1540も同様に、グランドハウジング30内部の適正な寸法のチャンバ内に取り付けられた流体マニホールド441内部に配置した可動バルブ408を具備している。この可動バルブ408が、チャンバを入力流体チャンバ420と出力チャンバ410に分割しており、中間チャンバ412がこれらの間に形成されている。可動バルブ408は、一つの調節可能なバネ406に接続され、そのバネの一端は一つの手動調節可能なネジ404に付着されている。図示したネジ404及びバネ406は、前述のものと同一のものである。図示したサブシステム1540は、第一シールリング14に対するバリヤー又は閉鎖流体圧、或いは何らかの他の流体でもよい閉鎖流体源の閉鎖流体分配網を更に具備している。閉鎖流体分配システムは、第一及び第二シールリング14及び16の間の分離を調整或いは調節するために、第一シールリングに軸方向の閉鎖付勢力を及ぼす。閉鎖力分配網は、閉鎖流体をシールリングの少なくとも一つに導入して、これらのシールリング間の分離を調整する任意の適切な装置及び数多くの流体導管及び穿孔を具備し得る。特に、図示した分配網は、一つ或いは複数の入力閉鎖流体通路460と、入力閉鎖流体穿孔416と、中間チャンバ412と、出力閉鎖流体穿孔414と、横断方向の閉鎖流体穿孔444と、閉鎖流体ジャンクションと、通路コネクタ442及び440と、閉鎖流体付勢チャンバ242とを具備し得る。
【0133】
サブシステム1540も同様に、バリヤー流体を、サブシステム1530から入力チャンバ420へ、そして溝180へと連通させるためのバリヤー流体分配網を具備し得る。この分配網は、サブシステム1530に関連して前述したものと類似のものであってもよい。従って、バリヤー流体分配網は、バリヤー流体をサブシステム1530から入力チャンバ420へ、そして例えば軸方向穿孔228及び溝180等のバリヤー流体付勢システムへと連通させる、適切なバリヤー流体通路を具備し得る。特に、バリヤー流体分配網には、バリヤー流体を、固定シールリング内に形成した軸方向流体穿孔228と、溝180とに接続するバリヤー流体通路446を含めて、グランドハウジング30内部に形成した任意の適切で且つ適正な穿孔及び/又はチャンバが具備されている。
【0134】
再び図9Bを参照すると、可動バルブ408は、入力チャンバ420及び出力チャンバ410内部の流体によって、開放位置と閉鎖位置との間に交互に配置可能である。例えば、シールが作動すると、バリヤー流体がサブシステム1530から加圧され、そして入力チャンバ420を満たす。バリヤー流体がバネ406と共に、可動バルブ408の一方の側に圧力を及ぼすことで、この可動バルブがどちらか一方の位置へと押しやられる。こうした力は、この可動バルブが開放位置に配置されている場合には、出力チャンバ410の中へと導入される閉鎖力によって相殺される。
【0135】
入力チャンバ420内部の圧力が出力チャンバ410内部の圧力を凌駕する場合は、差圧によって可動バルブ408が右側に、即ち図示した閉鎖位置から開放位置へと付勢される。供給源からの閉鎖流体は、閉鎖流体入力通路460、チャンバ422及び入力閉鎖流体穿孔416を通って中間チャンバ412へ流入していく。この中間チャンバ412から、閉鎖流体は、出力閉鎖流体穿孔414を介して、横断方向の閉鎖流体穿孔444へ、また通路ジャンクション442へと、そして閉鎖流体出力通路440及び閉鎖流体チャンバ242へと流入する。閉鎖流体チャンバは、選択された態様で固定シールリング14に作用するように、この固定シールリングの裏面側に配置される。例えば、軸方向チャンバ242内の閉鎖流体圧は、シールリングのシール面18及び20間の分離を調節するために設定され得る。従って、システム1500は、一つ或いは複数のシール流体圧に基づいてシール漏出を調節することができる。
【0136】
動作時に、入力チャンバ420にはサブシステム1530によって加圧されたバリヤー流体が充満する。バリヤー流体および調節可能なバネは、可動バルブ408の左側面を加圧して入力圧を形成する。入力チャンバ420の圧力が出力チャンバ410の圧力を超えると、可動バルブ408は開放位置に付勢される。この開放位置にあるとき、可動バルブは閉鎖液供給源を出力流体穿孔414および中間チャンバ412と流体的に接続する。次に閉鎖力は、閉鎖流体チャンバ242に伝達されて、選択された方法で固定シールリングに作用する。同時に、中間チャンバの閉鎖流体412は、出力チャンバ410に充満し、可動バルブ408のもう一方の側面(例えば、右の側面)に圧力を印加する。閉鎖流体によって印加される力は、バリヤー流体およびバネ406によって印加される力を相殺して、閉鎖位置へ可動バルブを付勢し戻し、それによって出力閉鎖流体穿孔414から閉鎖流体供給源を切断する。特に、可動バルブ408のフランジは、穿孔414を塞いで、中間チャンバ412から残りの閉鎖流体分配網までの閉鎖流体通路を妨害または抑制する。結果的に、図示のサブシステム1540は、バネ圧とバリヤー流体圧を組合せた関数である閉鎖流体圧を確立する。
【0137】
図示のサブシステム1540は、バリヤー流体圧とプロセス流体圧の関数としての閉鎖流体圧を調整すなわち増加するために使用されることが好ましい。それによって、流体フィードバック調整システムは、シール面の間隙厚さおよび漏れを調整する。このサブシステム1540は、バリヤー流体圧の関数として閉鎖力圧を調整する完全流体的な動圧調整システムを形成する第一のサブシステム1530に接続して使用することができる。サブシステム1530は、バリヤー流体圧をプロセス流体圧とバネ圧に対して選択されたレベルにセットするが、手作業で調節可能である。
【0138】
図9Cを参考とすると、本発明の流体フィードバック圧力調整システムの排出サブシステム1550が示されている。サブシステム1550は、バリヤー流体圧の関数として調整システムから閉鎖流体圧を抜く或いは排出させることができるように構成されている。尚、同様の参照番号は、図面を通して同様の部分に対応する。図示のサブシステムは、グランドチャンバ内に配置される可動バルブ448を含む。チャンバは、流体圧力調整システムの通路および穿孔とメカニカルシールとの間を連通させるために選択された方法で中ぐりされた環状流体マニホールド441を備える。可動バルブ448は、調節可能なバネ406に結合され、その一端が手作業で調節可能なバネ404に取りつけられる。
【0139】
また、図示のサブシステム1550は、入力チャンバ420にバリヤー流体を送るかまたは移送するバリヤー流体分配網と、出力チャンバ410と流体的に連通して配置される閉鎖流体分配網を含む。バリヤー流体分配網は、既に記述されたものと同様である。閉鎖流体分配網はさらに、出力チャンバ410と選択的に流体的に連通して配置される排出通路450を含む。この排出開口部により、図示のフィードバックサブシステム1550はバリヤー流体圧の関数としてサブシステムから閉鎖流体圧を抜く。
【0140】
可動バルブ448は、入力チャンバ420内のバリヤー流体圧と出力チャンバ410の閉鎖流体圧によって開放位置と閉鎖位置の間で選択的に移動可能である。例えば、シールの操作時に、バリヤー流体分配網はサブシステム1530(図9A)によって加圧され、入力チャンバ420を満たす。バリヤー流体およびバネ406は可動バルブ448の一面に圧力を印加し、可動バルブの位置の何れかに押し込むために可動バルブの片側の圧力を及ぼす。これらの二つの圧力の和が、チャンバ420内の入力圧を形成する。同時に、閉鎖流体分配網は所定の圧力で閉鎖流体を収容する。閉鎖液供給源から送られる閉鎖流体は、出力チャンバ410に進入し可動バルブ448のもう一方の側面(例えば、右側面)に圧力を印加し、出力チャンバ410の出力圧を形成する。出力チャンバ410の閉鎖流体圧が、入力チャンバ420内の合計圧未満であるとき、可動バルブは図示の閉鎖位置に付勢される。この圧力構成は、閉鎖流体分配網からの閉鎖流体圧の抜けを妨げる。結果的に、この調整システムは、排出通路450を通して、閉鎖力圧を抜くことによってその力が減ることはない。
【0141】
出力チャンバ410内で閉鎖流体に対して印加された圧力がバリヤー流体および調節可能なバネ406の圧力の和より大きいときは、この差圧は閉鎖位置から右側の開放位置側に可動バルブ448を付勢する。これにより、閉鎖流体分配網が閉鎖流体をグランドハウジング30に形成された排出通路と連絡することができる。閉鎖流体網は、閉鎖流体チャンバ242および出力チャンバ410に含まれる閉鎖流体をシールから抜く。特に、サブシステム155は、出力チャンバ410まで閉鎖流体通路440、442および444に位置する閉鎖流体を移送する。可動バルブ448が開放位置内へ配置されることで、出力チャンバ410内に収容された閉鎖流体が排出通路450を通過することができる。流体フィードバック調整システムによる閉鎖流体のこの排出により、このシステムは固定シールに印加される閉鎖力を調整することができる。ある実施例によれば、もしバリヤー流体圧が減少する場合、これはその流体圧が減少プロセス圧に対応していることもあるが、閉鎖流体圧を調整して閉鎖流体付勢網がシール面を互いに接触させられることを防止する必要がある場合がある。
【0142】
システム1550が閉鎖流体を除去する際に、出力チャンバ410内の閉鎖流体圧が一般にバリヤー流体圧と調節可能なバネ圧の和に等しくなるまで減少する。これが起こるとき、システム圧力は、閉鎖位置に可動バルブ448を付勢して、排出通路と残りの閉鎖流体分配網の間の流体的な連通を切断する。
【0143】
上述のサブシステム1530、1540および1550を一緒に使用して、メカニカルシールのグランドハウジング30に備えることが好ましい。組合せる場合には、サブシステムは一つ以上のシール圧の関数としてとしてメカニカルシールの一つ以上の圧力を調整する完全な流体圧フィードバックシステム1500を形成する。
【0144】
図14Aおよび14Bは、図9Aから図9Cに示すサブシステム1530、1540および1550の動作方法を説明する略フローチャート図である。これらの図に記述された3つのプロセスはすべて連続的なプロセスであり、並列して、同時に共に実施することができる。
【0145】
図14Aはプロセス圧力を基準にしてあるレベルに第1の中間流体圧を設定または確立する方法を具体的に示す図である。ステップ810では、プロセス流体はプロセス流体分配網に導入される。特に、プロセス流体がプロセス流体室からプロセス流体通路421を通して入力チャンバ420に導入される。調整可能なバネ406によって生成された力と組合せた入力チャンバ420の中のプロセス流体圧が、サブシステム1530の入力圧となる。バリヤー流体供給源により、シールにバリヤー流体が導入され、出力チャンバ410内で選択された中間流動圧が確立される。ステップ820および830では、入力圧を出力流体チャンバ410内の中間流体圧と比較する。中間流体圧が入力チャンバ420の圧力以上である場合、圧力調整サブシステムは閉鎖位置に可動バルブを配置するか維持し、圧力バランスの変更について流体システムを継続的に監視する。これは、フィードバックステップ835で具体的に示される。中間流体圧が入力チャンバ420のプロセス流体圧と調節可能なバネ圧の和未満である場合、ステップ840では可動バルブ408を開放位置に付勢し、バリヤー流体供給源とバリヤー流体分配網を流体的に接続する。ステップ850に記述されるように、供給源はバリヤー流体分配網にバリヤー流体を導入する。特に、供給源は、バリヤー流体を入力バリヤー流体穿孔416を通して出力チャンバに、また、出力バリヤー通路402を通して軸穿孔228および溝180に導入する。
【0146】
ステップ860および870では、出力チャンバ410の中間バリヤー流体圧を入力チャンバ420内の流体圧と再度比較する。出力チャンバ410の流体圧が入力チャンバ420内の圧力未満である場合、可動バルブは開放位置に維持されるか、付勢されて、バリヤー流体がバリヤー流体網に絶えず導入される。これについては、フィードバックステップ875で説明する。中間バリヤー流体圧が入力チャンバ420内の圧力より大きい場合、可動バルブ408は流体供給源からバリヤー流体分配網を切断するために閉鎖位置に付勢される。
【0147】
図14Bは、サブシステム1530について上述したように、バリヤー流体圧とプロセス流体圧力の差圧に対して閉鎖流体を選択されたレベルに設定する方法を示す図である。これは、閉鎖流体を加えるか、または、閉鎖流体分配網から閉鎖流体を抜くつまり排出することによって達成される。図示の実施例では、閉鎖流体供給源はバリヤー流体供給源と同じである。図示のフローチャートは、流体フィードバック調整システム1500のサブシステム1540および1550の動作を含む。
【0148】
ステップ970および980では、入力チャンバ420内のバリヤー流体圧およびバネ圧を出力チャンバ410内の閉鎖流体圧と比較する。出力チャンバ410内の閉鎖流体圧がバリヤー流体圧とバネ圧の和未満である場合、ステップ990に示すように、この可動バルブを右側の開放位置に付勢して閉鎖流体供給源を閉鎖流体分配網と接続する。特に、システムに導入された閉鎖流体は、中間チャンバ412から出力閉鎖流体穿孔414まで、横方向通路444、通路ジャンクション442、閉鎖流体通路440と、閉鎖流体チャンバ242へ通過する。ステップ1000では、液体が閉鎖流体分配網に加えられ、ステップ1010では、閉鎖流体圧を入力チャンバ420内の圧力と比較する。閉鎖流体圧が入力圧より未満である場合、フィードバックステップ1025によって示されるように、閉鎖流体は絶えず閉鎖力流体配網に加えられる。閉鎖流体圧がバリヤー流体圧と第二バネ圧以上であれば、ステップ1030に示すように、可動バルブ408を左側の図示の閉鎖位置に付勢して、閉鎖流体分配網を閉鎖液供給源から切断する。次に、フィードバックステップ1035に示すように、システムはステップ970のシステム圧力を監視する状態に戻る。
【0149】
再びステップ980に戻って説明すると、入力チャンバ420内の閉鎖流体圧がプロセス流体圧とバネ圧の和をより大きい場合、流体フィードバックシステムはサブシステム1550を使用してシステムから選択的に閉鎖流体を抜く。具体的には、ステップ1040で説明したように、可動バルブ448は開放位置に付勢されて、閉鎖流体分配網を閉鎖流体排出口450に接続する。これは、入力チャンバ420内の圧力が出力チャンバ内の圧力未満あるので起こる。結果として生じる差圧は、閉鎖位置から開放位置に可動バルブ448を付勢させる。このシステムは、システム1500からの閉鎖流体を抜いて、相互に離れた選択距離内にシール面を強制的移動させること、特に相互に強制的にシール面を接触させることを防止する。
【0150】
ステップ1050では、閉鎖流体が閉鎖流体分配網から除去されて、ステップ1060では、入力チャンバ420内のバリヤー流体圧を出力チャンバ410の圧力と比較する。出力チャンバ410の閉鎖流体圧が流体圧と第2のバネ圧の和より大きい場合、フィードバックステップ1075で説明されるように流体は閉鎖流体分配網から継続的に除去される。出力チャンバ410の閉鎖流体圧が全入力圧以下である場合、ステップ1080に示すように可動バルブ448を閉鎖位置に付勢して、閉鎖流体分配網から閉鎖流体通排出を切断する。次に、フィードバックステップ1085に示すように、このシステムはステップ970のシステム圧力を監視する状態に戻る。
【0151】
当業者であれば、バネの張力を選択された程度の応答を行うように動作中に設定することができることは、理解できよう。特に、サブシステム1540および1550の整定値は、動作(例えば、可動バルブの運動)が起こらない区間または範囲を確立するために離して設定することができる。例えば、システムに閉鎖流体を加えるための整定値は、閉鎖流体の導入を防止するか、システムから閉鎖流体を抜く或いは排出するための整定値未満である。このため、プロセス流体圧力が安定している限り、整定値の範囲は何も起きないように、設定される。
【0152】
図10Aおよび図10Bは、本発明の流体フィードバック調整システムのさらに別の実施例を示す図である。図示の調整システム715は、可動バルブとしてダイヤフラム702を使用する。また、このシステムは2つのサブシステム、すなわち点線で示される通路703および706を利用するサブシステム717と、通路704および708を利用するサブシステム719を利用する。サブシステム717は、バネ406に対応する選択された量によって、プロセス流体圧に対して選択されたレベルで入力バリヤー流体圧を確立することが好ましい。サブシステム719は、サブシステムに閉鎖流体を加えるか、またはシステムから送られる閉鎖流体を抜くための動作することが好ましい。図示の圧力調整システム715の動作と機能は、図4乃至6Bおよび9A乃至9Cのフィードバック調整システムを示す実施例同様である。尚、同様の参照番号は、各図の同様の部分を示す。
【0153】
グランドハウジング30は軸727に沿って軸方向に相互から離隔する一対のチャンバ407Aおよび407Bを形成するために中ぐりされる。チャンバはお互いと流体的に連絡するように選択的に配置される。ダイヤフラム702は、チャンバ407A内に取付けられるようにサイズおよび寸法が決定され、各チャンバを入力流体チャンバ420と出力チャンバ410に分割する。ダイヤフラム700は、ベローズ部分702Aと両端が開いた中心穿孔702Cを有する軸方向に延在するスピンドル部分702Bを有する。
【0154】
図示のダイヤフラム702はバネ406につながれ、その一端が側作業で調節可能なバネ404に付けられる。ネジ404は、アクセスが限られた位置でグランドハウジングの内表面に沿って取付けられるヘッド部分404Aを含む。環状Oリングは、外部環境とチャンバ407Aの間に流体シールを供給するために、溝のヘッド404A周辺に取り付けられる。ネジによって、バネの張力を可変調節し張力を延いてはその結果としてバネ圧を調節し、同時に入力チャンバ420内の圧力を調整する。このため、ネジ404とバネ406は、図示の圧力調整システム715で初期の圧力または整定値の圧力を規定するために協働で作用する。ネジの接近が制限される位置によって、システムオペレーターはバネの張力を調整することを阻止または妨害するが、このバネの張力は工場で選択された張力に前もって設定してもよい。当業者であれば、側作業で調節可能なネジ404をグランドハウジングの外表面に沿って取付けることができることも理解できよう。
【0155】
ネジ404とバネ406はグランドハウジング30の内面から入力チャンバ420内に延伸する。入力流体チャンバ420はプロセス流体分配網に連絡し、シールのプロセス流体をそれに連絡することができる。流体フィードバック調整システムのプロセス流体分配網は、プロセス流体チャンバ300などのメカニカルシール内またはその付近で形成される適切なプロセス流体チャンバと、チャンバ300から入力流体チャンバ420までプロセス流体を連通する入力流体通路703を含むことができる。当業者であれば、プロセス流体分配網についてグランドハウジング内に形成された内部穿孔および通路を修正し、プロセス流体が選択された方法で可動バルブと連通することができることを含み得ることは理解できよう。この調整システムは、グランドハウジングの外部にカプリングを使用してシステム流体をシステムの特定の部分または構成要素に連通することもできる。例えば、外部流体導管は、グランドハウジングに接続して流体ハウジングから入力プロセス流体穿孔703までプロセス流体を移送することができる。これに代わる実施例では、グランドハウジングは内部を中ぐりして、プロセス流体は外部流体継側を使用せずに完全にグランドハウジングの中でプロセス流体穿孔と連通することができる。
【0156】
図10Aに戻って説明すると、グランドチャンバ407Bは、軸727に沿ってチャンバ407Aの軸方向前方に形成され、グランドハウジングの外表面30Bで開口することが好ましい。さらにこのチャンバは、入力流体供給通路234で片側に連通する。チャンバ407Bにはネジとバネの組体728が取付けられる。図示の組体728は、グランド外表面に対してチャンバ開口部と座を被覆するネジ731を含む。ネジはヘッド部分731Aと軸方向内側に延在する本体部分731Bを有する。ヘッド731Aの下側には、ネジとチャンバ407Bの間に流体シールを形成するためにそれに対応する溝にOリング733が取付けられる。ネジの本体部分731Bは、バネ714の一端を固定する穿孔を有し、もう一方の端が軸方向内側に取付けられる中間プレート712に連結される。特に、ネジのヘッドの反対のバネ端は、プレートに形成された開口部内に取付けられる。プレート712の反対側または裏側では、チャンバ407Aと407Bの間に形成された座716に選択的に係合し取付けられるエラストマー部材721が固定される。プレート712は選択された流体と機械力によって開放位置と閉鎖位置の間で選択的に配置可能である。アセンブリ728が図示の閉鎖位置に配置される時、エラストマー部材721はチャンバ407Bを出力チャンバ410から切断する取付座716に係合する。組体728が開放位置に配置される場合、エラストマー部材721は座716から切断され、流体は供給源からチャンバ407Bを通過して出力チャンバ410に至ることができる。
【0157】
さらに図10Bを参照すると、軸スピンドル702Bは、エラストマー部材721に対して閉鎖位置で固定される外側端を有する。開放位置に配置される時は、スピンドルは部材721から切断されるため、出力チャンバ410はスピンドルの中心穿孔702Cを介して入力チャンバ420と連通することができる。
【0158】
最初に図示されたサブシステム717では、入力チャンバ420はプロセス流体分配網に流体的に接続しており、特に、プロセス流体穿孔703を介してプロセス流体チャンバ300に連結される。出力チャンバ410は、バリヤー流体穿孔706と穿孔228と溝180によってバリヤー流体分配網に流体的に接続される。本発明の流体フィードバック圧力調整システムは、バリヤー流体供給源からダイヤフラムおよび/またはバリヤー流体付勢網までバリヤー流体を送るバリヤー流体分配網を含む。バリヤー流体分配網は、既に述べた分配網と同様に、流体供給源からメカニカルシールまでバリヤー流体を運ぶように適合させたグランドハウジング内に形成された適切な穿孔および/またはチャンバであれば含むことができる。好ましい実施例によれば、流体分配網はバリヤー流体入力通路234、チャンバ407B、スピンドル702B周囲に形成された通路、出力チャンバ410、出力流体バリヤー通路706、また、任意にメカニカルシールのバリヤー流体付勢システムの構成要素を含む。例えば、バリヤー流体付勢システムは、固定シールリングに形成された軸流体穿孔228と溝180を含む。
【0159】
動作時に、流体ハウジングから送られたプロセス流体は、プロセス流体を入力チャンバ420に進入可能にするシールおよび/またはグランドハウジング内で入力プロセス圧通路703およびそれ以外の適切に形成された通路を通して入力チャンバ407に移動する。プロセス流体は、所定の作業圧力にある。入力チャンバ420のプロセス流体は、ダイヤフラム702の入力側(例えば、左の側面)に対して圧力を印加する。さらに、調整可能なバネ406はダイヤフラム702に圧力を印加する。これらの2つの力あるいは圧力の組合せは、入力圧となり、右方向にダイヤフラムを付勢するために作用する初期の入力軸力を印加する。
【0160】
(図示せず)バリヤー流体源からのバリヤー流体は、バリヤー流体分配網によって調整システム715およびメカニカルシールに導入される。ある実施例によれば、バリヤー流体源からのバリヤー流体は、入力供給通路234およびチャンバ407Bに選択的に導入される。プレート712およびエラストマー部材721の位置により、バリヤー流体が出力チャンバ410に導入されるかどうかが決まる。一旦出力チャンバ410に受容されるとバリヤー流体は、ダイヤフラム702の右側面に対して反対側および軸方向内側に圧力を印可し、出力圧を発生させる。
【0162】
プロセス流体およびバネ406によって印加された入力圧が出力チャンバ410内のバリヤー流体圧より大きい場合、ダイヤフラム702は右側に移動して、スピンドル702Bはエラストマー部材721に係合する。入力チャンバと出力チャンバの差圧が十分に大きい場合、スピンドルは座716からエラストマー部材721を押す。これにより、プレート712を開放位置に移動させて、流体供給源とチャンバ407Bを入力チャンバ410に接続させる。次に、バリヤー流体はそこから出力バリヤー通路706に、さらには軸穿孔228と溝180に至る。
【0163】
バリヤー流体分配網が、供給源から送られるバリヤー流体で満たされる際に、出力チャンバ410のバリヤー流体圧はダイヤフラム702に対する圧力を次第に高く印加していき、反対方向に追いやる。出力チャンバ410内のバリヤー流体圧がプロセス流体と調整可能なバネ406によって印加された圧力の和を超える時、ダイヤフラム702は左側に押される。バネ714とプレート712は、出力チャンバ410内のバリヤー流体圧と協働で、座716にエラストマー部材721を後退させる。それらによって、カラーを閉鎖位置に移動させ、出力チャンバ410から流体供給源を切断する。このため、流体フィードバック調整システム715のバリヤー流体は、プロセス圧力とバネ406の選択可能な圧力によって印加される圧力の和にほぼ等しいレベルまで加圧される。そのため、出力チャンバ410内のバリヤー流体は、バネ406の張力または圧力に対応する量分でプロセス流体を超えるレベルに加圧される。さらに、出力チャンバ410内のバリヤー流体圧を高めることが必要であれば、一般にシール面のバリヤー圧が低く、このためにシール面がすぐにも接触してしまいそうなことを示している。軸穿孔228と溝180を通してシール面へバリヤー流体を追加すると、シール面の間隙が加圧され、シール面を分離する。
【0164】
図10Bに示すように、入力チャンバ420内の圧力が出力チャンバ410内の圧力未満であるように減少する場合、システムは2つのチャンバ内の圧力を均等化することによって補正する。特に、出力チャンバ内の圧力がより高ければ、左側にダイヤフラム702を付勢する差圧が生じる。この運動によって、スピンドル702Bをエラストマー部材721と噛み合って係合しないように離すので、スピンドル穿孔702Cを介して出力チャンバ410を入力チャンバ420に流体的に接続することができる。実線の矢印729によって例証されるように、出力チャンバ410内のより高い圧力のバリヤー流体は、出力チャンバ410から穿孔を通じて入力チャンバ420に流体を強制的に送る。これは、2つのチャンバ内の圧力が、スピンドル702Bが再びエラストマー部材721に係合して入力チャンバと出力チャンバの間で流体的な連通を切断するまで行われる。
【0165】
再び図10Aを参照すると、第2のサブシステム709では、入力チャンバ420は、バリヤー流体分配網に流体的に接続されており、図示の実施例では、入力流体穿孔708によって軸穿孔228と溝180に接続される。出力チャンバ410は、出力流体通路704によって閉鎖流体分配網に流体的に接続される。サブシステム719は、グランドハウジング内に取付けられる別のシステムとなり得るが、明確に説明するために、ここではサブシステム717に重ねて示されている。残りの構成要素およびサブシステム719の動作は、サブシステム717に関連して上述したものと実質的に同じである。
【0166】
動作時に、バリヤー流体分配網からのバリヤー流体は、入力チャンバ420に充満して、ダイヤフラムの左側からダイヤフラム702に圧力を印加する。調整可能なバネ406も、ダイヤフラム702の左側に圧力を印加し、これらの2つの圧力の和がサブシステム719の入力チャンバ圧力を規定する。閉鎖流体分配網は、閉鎖液供給源(図示せず)からの閉鎖流体で出力チャンバ410を加圧し、出力流体通路704と閉鎖流体チャンバ242を介して固定シールリング14で流体的に接続されている。閉鎖流体分配網はダイヤフラム702の右側に圧力を印加し、このためにネジとバネの組体728に関連してサブシステム719の出力圧が定まる。閉鎖流体分配網は、回転シールリングに対して固定シールリングを付勢し、シール面の間の離隔を調整する。
【0167】
入力チャンバ420の圧力が出力チャンバ410内の圧力より大きい場合、スピンドル702Bは、チャンバ407Bを出力チャンバ410に流体的に接続し、座面716からエラストマー部材721を離す。閉鎖流体供給源は、チャンバ407Bと410に流体を導入し、流体は出力流体通路704および閉鎖流体チャンバ242内に進入する。出力チャンバ410から閉鎖流体チャンバ242への閉鎖流体の移動により、固定シールリングの裏面に印加された軸閉鎖力が高まる。閉鎖力が高ければ固定子が回転子の方向に付勢され、シール面間の間隙のサイズが減少するため、シール漏れが低減する。
【0168】
出力チャンバ410内の閉鎖流体圧が増加するにつれて、ダイヤフラム702は左側に動かされて、プレート712のエラストマー部材721は座面716に係合し、チャンバ407Bと出力チャンバ410の間でこれ以上流体的に連通することを防止する。出力チャンバ410内の圧力が入力チャンバ420内の圧力を超える時、出力チャンバ410の閉鎖流体圧によりダイヤフラム702が左に移動する。この運動により、スピンドル702Bをエラストマー部材721から切り離して出力チャンバ410を入力チャンバ420にスピンドル穿孔702Cを通して流体的に連通させる。出力チャンバ410内の閉鎖流体が高圧であれば、出力チャンバ410から穿孔を通して入力チャンバ420内に流体が送り込まれる。これは、2つのチャンバ内の圧力が均等化し、スピンドル702Bが再びエラストマー部材721に係合するまで行われる。
【0169】
図15Aおよび図15Bは、システムに加圧し、入力チャンバ内の圧力に対して選択されたレベルに、選択されたチャンバ内の流体圧を維持するための法を説明する図である。ステップ1100で、プロセス流体分配網は入力チャンバ420にプロセス流体を導入して、バネ406によって印加された圧力と共にサブシステム717の入力圧となる。次に、出力チャンバ410は、既に述べたように、バリヤー流体付勢システムに流れるバリヤー流体によって加圧される。次に、入力チャンバ420のプロセス流体とバネによって生成される圧力を、出力チャンバ410の内のバリヤー流体の圧力とって比較する。バリヤー流体圧が入力チャンバ420内の圧力未満であるというのは、例えば、シール面がお互いに比較的近い時などに見られるが、この時はダイヤフラム702は右側に動く。スピンドル702Bは右側にプレート712を右に押し、出力チャンバ410と流体的に連通する位置にバリヤー供給源234とチャンバ407Bを配置する。バリヤー流体は、出力チャンバ410から出力流体バリヤー通路706を通って軸穿孔228と溝180へ通過する。バリヤー流体は、穿孔と溝に加圧し、選択的にシール面をお互いから離すように動作する。これについては、ステップ1100から1120までに具体的に示される。
【0170】
次に、ステップ1130から1140で説明するように、システム715は入力圧を出力圧と比較し、バリヤー流体圧が入力チャンバ420内の圧力より依然として低い場合には、システムはそれにバリヤー流体を導入し続ける。バリヤー流体圧が入力圧とほぼ等しいかそれ以上であれば、ダイヤフラムは左側に移動する。次に、チャンバ407B内に取付けられるバネとプレートの組体は、座面716にエラストマー部材721を付勢して出力チャンバ410からバリヤー流体供給源を切断する。
【0171】
再びステップ1100について説明すると、バリヤー流体圧が入力圧より大きい場合、ダイヤフラム702は左側に移動する。ステップ1145と1150では、スピンドル702Bはプレートと座面から分かれて、一端では入力圧に、他端では出力圧に702Cを曝す。出力チャンバ410内のバリヤー流体が高圧であれば、入力チャンバ420の中に中心穿孔702Cを介して通過する。このプロセスは、2つのチャンバでの圧力がほぼ等しくなるまで続く。次に、ダイヤフラム702は右側に移動し、スピンドルはエラストマー部材721と噛み合い、2つのチャンバ410と420の間の流体的な接続を切断する。
【0172】
図15Bは、システム715のサブシステム719の動作方法を説明する図である。バリヤー流体がバリヤー流体分配網に導入された後、サブシステム719はネットワークにバリヤー流体を導入する。次に、バリヤー流体付勢システムは、入力チャンバ通路708を介して入力チャンバ420にバリヤー流体を導入する。ステップ1155に示されるようにバリヤー流体はチャンバに充満し、バネ406と共にダイヤフラム702の入力側の入力圧を規定する。閉鎖流体は、閉鎖液供給源から閉鎖力流体配網まで導入される。図示のサブシステム719では、バリヤー流体源も閉鎖流体供給源として機能する。出力チャンバ410内に位置する閉鎖流体は、出力チャンバ圧力を規定する。
【0173】
ステップ1160では、出力チャンバ410内の閉鎖流体圧または出力圧を入力圧と比較し、閉鎖力流体圧力がバリヤー流体圧と調節可能なバネの和未満であれば、ステップ1165で説明するように、ダイヤフラム702は右側に移動する。スピンドル702Bは座716からプレートを移動させる。閉鎖流体供給源は、出力チャンバ410と流体的に連通して配置される。ステップ1170および1175で説明するように、閉鎖流体は閉鎖力流体配網、また、特に出力チャンバ410とチャンバ242に加えられる。2つのチャンバ内の閉鎖流体が回転翼に向かって固定子を付勢し、シール面の間のギャップ幅を調節または調整する。
【0174】
ステップ1185および1187では、閉鎖流体圧がバリヤー流体圧と調整可能なバネ圧の和未満である場合、ダイヤフラムは閉鎖流体分配網を閉鎖流体供給源に接続する位置で維持される。ステップ1190で示すように、出力圧が入力圧より大きい場合、ダイヤフラム702は、閉鎖力流体供給源から閉鎖力流体配網を切断するために左に動かされる。
【0175】
ステップ1165に戻って説明すると、出力流体圧または閉鎖流体圧が入力圧より大きい場合、ステップ2000では、ダイヤフラムは左に動かされる。スピンドル702Bはプレート712から離れて、ダイヤフラム中心穿孔702Cのようなガス抜き開口部を通して出力チャンバ410を入力チャンバに流体的に接続する。ステップ2005および2010に記載されるように、閉鎖流体は閉鎖流体分配網から除去されて、出力チャンバの出力圧を入力圧と再度比較される。閉鎖流体網からの閉鎖流体の除去により、固定子に印加された軸方向の付勢閉鎖力を低減する。このため、固定子は特定のシール作業必要条件を受け入れるために、選択された位置あるいは広くした間隙幅で維持することができる。特に、シール漏れが少ない場合、システムは、システム内の閉鎖流体圧を調整または維持し、シール面を相互に接触さることを防止することができる。
【0176】
ステップ2015および2025では、閉鎖流体圧がバリヤー流体圧と調整可能なバネ圧の和より大きい場合、ダイヤフラムは閉鎖流体分配網を流体排出口に引き続き接続させる。出力圧が入力圧未満である場合、ステップ2020に示すように、ダイヤフラム702は右側に押され、スピンドルはもう一度プレート712と嵌め合う。この嵌め合い構成によって、流体排出口から閉鎖力流体配網を切断する。
【0177】
図示の実施例715は、プロセス流体圧またはバリヤー流体圧が増加するときに閉鎖圧力が増加するように動作する。特に、プロセス圧力が高ければ、ダイヤフラムは右に動き、システムに別のバリヤー流体を導入する。バリヤー流体圧が高くなると、サブシステム719で入力圧が高くなり、右側にサブシステムのダイヤフラムを付勢する。これは、閉鎖液供給源を閉鎖流体分配網に接続し、このために固定子に印加される閉鎖力が高くなる。
【0178】
逆に、プロセス流体圧またはバリヤー流体圧が低くなる場合、サブシステム717の出力チャンバのバリヤー流体は、入力チャンバの中に排出される。サブシステム719の出力チャンバ410内のバリヤー流体圧は、それに対応して低くなる。入力圧は出力圧よりも低くなり、左側にダイヤフラムを押す。閉鎖流体システムの中の閉鎖流体は、中心穿孔702C介して入力チャンバ420に排出される。これにより、閉鎖流体チャンバ242内の閉鎖流体圧が減少し、固定子に印加される軸方向閉鎖力もそれに対応して減少する。次に、間隙幅は、選択された位置において広げられるかまたは維持される。
【0179】
図示の流体フィードバック圧力調整システムの重要な利益は、実質的に完全な動的流体フィードバックシステムを使用して、1つ以上のシール流体の圧力を、選択された方法で制御または調整し、間隙幅を制御し、それによって漏れを制御できることにある。このため、本発明の流体フィードバック圧力調整システムは、シール面漏れを制御するためにシステム圧を利用する。この動的システムによって、シールは様々な条件で動作すると同時に、コンパクトではあるがメカニカルシールのグランドハウジング内に完全取付けられることが好ましいフィードバックシステムを利用することができる。
【0180】
図16は、図示の同心シールを併用するのに適した流体フィードバック調整システム1300の別の実施例を示す図である。シール構成要素の大部分は、本願明細書で既に記述されたものと同様であり、同様の参照番号が割り当てられている。このため、同様の部分には、図16と図17に同様の参照番号が指定されている。
【0181】
例証されたフィードバックシステム1300は、別のシステム流体の圧力に基づいてシステム流体を制御するため使用することが好ましい。ある実施例によれば、システムはバネ圧に対応する選択された量によって、プロセス圧に対して選択されたレベルにバリヤー流体圧を最初に設定する。次に、バリヤー圧は、選択的にシステム1300に閉鎖流体を加えるためにシステム流体センサーとして機能するシステム出力調整流体として使用される。調節された閉鎖流体は、上述の閉鎖流体付勢システムに含まれる閉鎖流体に対応する。
【0182】
例証されたフィードバックシステム1300は内側および外側のグランドプレート1434と1436内に取付けるためにサイズおよび寸法を決定することが好ましい。システムは図示のシールに連結される。固定シールリング1414は、一端は固定シール面1418に、他端はバリヤー流体供給源に連絡する軸穿孔1328を含む。固定シールリング1416は、その中に形成されたポンプ溝1380を有し、直接に軸穿孔1328と流体的に連絡するように位置決めされる。溝および軸穿孔は、シール面に直接バリヤー流体を向けるために機能し、その間に流体力学的揚力が発生し、それらの間に間隙を形成する。
【0183】
流体フィードバック調整システム1300は、グランド1434および1436内に形成された適切なサイズのチャンバの中に配置された可動差圧可動バルブ1308を使用する。また、可動バルブ1308は、複数の異なった可動バルブを含んでいてもよく、スプールバルブ、シャトルバルブ、ポペットバルブ、ダイヤフラム、ベローズや加圧流体によって運ばれるバルルかまたは作用されうるその他の可動バルブを含み得るが、この限りではない。チャンバは、流体フィードバック圧力調整システムの種々の圧力通路と穿孔の間を連絡することができる環状流体マニホールド1314に取付けられる。図示の流体マニホールド1314は可動バルブ1308を固定する中心穿孔を有する。穿孔は開放位置と閉鎖位置の間の穿孔内の可動バルブで比較的自由に軸が動けるように可動バルブの最外側の直径よりもわずかに大きいサイズに定められる。流体マニホールド1314は、複数の半径方向に広がる流体穿孔1310および1312を含み、マニホールドが特定の加圧流体を選択的に送ることができる。Oリング1322および1324のようなシール構造は、チャンバの内壁と流体シールを形成するために、多岐管の外表面に形成されたそれに対応する溝の中に設けられる。
【0184】
可動バルブ1308は、チャンバを入力流体チャンバ1302と出力流体チャンバ1304に分割し、中間チャンバ1313は可動バルブのフランジ形の部分に形成される。可動バルブ1308は、その一端が手作業で調節可能なネジ1306に付けられる調節可能なバネ1304に連結される。図示の調節可能なネジ1306は、人員が工場で予め設定した値からバネの張力を不法に変更するかまたは調整するのを防止する接近に制限のある位置に取付けられる。必要な場合には、システムオペレーターは選択された方法でネジに接近し、回転させることで調整することは可能である。このため、ネジ1306およびバネ1304は、図示の圧力調整サブシステム1300に対する初期圧力または設定値圧力を規定しやすいように一緒に機能する。
【0185】
ネジ1306とバネ1304はグランドハウジングの内表面から入力流体チャンバ1302まで延在する。入力流体チャンバ1302は、指定の通りにプロセス流体分配網と連絡し、シールのプロセス流体が入力調整チャンバ1302に移動することができる。流体フィードバック調整システム1300のプロセス流体分配網は、その他の構造の中に、チャンバ1390から入力流体チャンバ1302までプロセス流体を送るプロセス流体チャンバ1390やプロセス流体穿孔1321(点線で示す)などのメカニカルシール内またはその付近に形成された適切なプロセス流体チャンバを含むことができる。当業者であれば、プロセス流体分配網は、グランドハウジング内に形成された内部穿孔および通路を修正して、必要であれば、選択された方法で可動バルブ1308にプロセス流体を送ることを含み得ることは理解できよう。調整システムは、グランドハウジングの外部のカップリングを使用して、システム流体をシステムの特定部分またはシステムの構成要素に送ることもできる。例えば、外部流体導管をグランドハウジングに接続して、プロセス流体を流体ハウジングから入力プロセス流体穿孔421まで移送することができる。
【0186】
図16についてさらに説明すると、流体フィードバック調整システム1300は高圧バリヤー流体供給源(図示せず)から流体マニホールド1314までバリヤー流体を送るバリヤー流体分配網を含むことができる。バリヤー流体分配網は、グランドチャンバからシールの別の部分、例えば、バリヤー流体付勢システム(つまり、軸穿孔1328および溝1380)、グランドハウジング内に取付けることができる他のフィードバックシステム、さらには、流体供給源1320やバリヤー通路1330などのその他の流体通路/穿孔までバリヤー流体を伝達する適切なバリヤー流体通路を含むことができる。可動バルブ1308は、入力供給穿孔1320および入力チャンバ穿孔1310を介してバリヤー流体供給源を接続することができる中間チャンバまたは流路1313を規定する。中間チャンバ1313は、出力バリヤー穿孔1312および1340を経由してバリヤー流体分配網と流体的に連絡する位置に選択的に配置される。
【0187】
動作時に、ハウジング1411からのプロセス流体は、プロセス流体分配網を通じて入力チャンバ1302に送られる。ある実施例によれば、プロセス流体は、入力プロセス圧力穿孔1321を通じてプロセスチャンバ1390から入力チャンバ1302に向けられる。プロセス流体は、所定の作業圧力にある。入力流体チャンバ1302でのプロセス流体は、可動バルブ1308の入力側(例えば、左の側面)に圧力を印加する。さらに、調節可能なバネ1304は、可動バルブ1308に圧力を印加する。これらの2つの力あるいは圧力の組合せは入力圧を生じ、初期の入力軸力を印加して可動バルブ1308を右側に付勢する。
【0188】
バリヤー流体供給源は、バリヤー流体分配網によって、流体フィードバック圧力調整システムとメカニカルシールにバリヤー流体を導入する。バリヤー流体供給源からのバリヤー流体は、入力バリヤー穿孔1410と中間チャンバ1413に入力供給通路1420を介して選択的に導入される。次に、バリヤー流体は、開放位置と閉鎖位置の間で選択的に可動バルブ1308を付勢することによって選択的に出力チャンバ1304に導入される。可動バルブ1308は、閉鎖位置に図示されている。
【0189】
出力流体チャンバ1304に収容されるバリヤー流体1304は、可動バルブ1308の右側に対しての反対または軸内側方向の圧力を印加し、出力圧となる。バリヤー流体によって印加された出力圧がプロセス流体圧と調節可能なバネ圧の和未満である時、可動バルブ1308は右側の開口位置に移動する。これによって、中間チャンバ1313が出力バリヤー穿孔1312に連絡し、出力穿孔導管1312にバリヤー流体供給源から流体供給源導管を介する流体通路が得られる。バリヤー流体は、通路1340を通過し軸穿孔1328を通り、このため、残りのバリヤー流体分配網を通過する。通路1340は、さらに閉鎖チャンバ1480を加圧する。
【0190】
バリヤー流体分配網が供給源からのバリヤー流体で充満する際、出力流体チャンバ1304のバリヤー流体圧は、プロセス流体と調節可能なバネ1304によって印加される圧力の和以上になるまで増加する。これが起こる時、可動バルブ1308は、出力バリヤー通路1340からバリヤー流体供給源を切断するために図示の閉鎖位置に付勢される。流体フィードバック調整システム内のバリヤー流体はプロセス圧とバネ1306の可変圧力によって印加される圧力の和にほぼ等しいレベルに加圧される。
【0191】
図示のシステム1300は、閉鎖流体網から閉鎖流体を排出するためのサブシステムをさらに含むことができる。サブシステムは、プロセス流体穿孔1321とバリヤー流体穿孔1340以外図示のサブシステム1300と大部分は同じ構成要素を含む。サブシステムは、一緒にまたはいずれかを組合せて、特定の流動的な圧力を制御するために、直接あるいは間接的に、シール面1418および1420に作用する特定の流体圧を制御することができる。図示のサブシステム1300は、選択的に閉鎖液供給源(図示せず)を流体システムとは無関係のシールの閉鎖力付勢システムに接続するためにも使用され得る。閉鎖流体システムは、バリヤー流体分配網および/またはバリヤー流体付勢システム、例えば、軸穿孔1328と溝1380内の圧力の関数として閉鎖力を固定シールの後方に印加する。
【0192】
サブシステムの閉鎖流体分配網は、閉鎖流体の供給源を固定シールリング1414と接続する。閉鎖流体ネットワークは、固定シールリング1414と回転シールリング1416の間の分離を調節または調整するためにシールリング1414に閉鎖軸付勢力を印加する。閉鎖流体分配網は、少なくとも1つのシールリングに流体を導入してそれらの間の分離を調整する流体管および穿孔の適切な配置を含むことができる。特に、図示のネットワークは入力閉鎖力供給通路1320、入力閉鎖流体穿孔1310、中間チャンバ1313、出力閉鎖流体穿孔1312、閉鎖流体通路1340と閉鎖流体チャンバ1480を1つ以上含むことができる。図示のシステム1300では、バリヤー流体システムと閉鎖流体分配網は、同じ通路/穿孔の多くを共有する。従って、個別かつ専用のシリーズの流体的に接続された通路を使用して、同時にバリヤー流体システムと閉鎖流体網に加圧することができる。望ましい実施例では、閉鎖流体は、適当なバリヤー流体であればいずれでもよい。
【0193】
図17は、図16の流体フィードバック調整システム1300の代替となる実施例を示す図である。図示のシステム1301は、可動バルブとしてダイヤフラムDを使用する。ある実施例によれば、システム1301は、入力バリヤー流体圧をプロセス流体圧力とバネ1354によって供給される圧力に対する選択されたレベルで割り当て、同時にシステムに閉鎖流体を加えることが好ましい。図示のシステム1301の動作および機能は、図16のフィードバック調整システム1300の動作と同様である。また、同様の参照番号が各図の同様の部分に付されている。
【0194】
グランドプレート1434および1436は、中ぐりされて、相互から軸方向に離隔した1対のチャンバ1370および1371を形成する。チャンバは、相互に流体的に連絡するように選択的に配置される。ダイヤフラムDは、チャンバ1370内に取付けるためにサイズおよび寸法が決定され、チャンバを入力流体チャンバ1302と出力流体チャンバ1304に分割する。ダイヤフラムDは、ベローズ部分1380と、両端で開いている中心穿孔を有する軸方向に延在するスピンドル部分1381を有する。図示のダイヤフラムDは、バネ1354につながれ、その一端が手作業で調節可能なネジ1356に付けられる。ネジ1356は、接近に制限のある位置においてグランドハウジングの内表面に沿って取付けられるヘッド部1356Aを含む。環状Oリング1357は、外部環境とチャンバ1370の間に流体シールを提供するために溝でヘッド1356Aの周囲に取り付けられる。ネジは、バネの張力を可変的に調整するものであり、張力を増減し、その結果バネの圧力を調整し、同時に入力チャンバ1302内の圧力を高める。このため、ネジ1356とバネ1354は、図示の圧力調整サブシステムで初期の圧力または整定値の圧力を定義するために協働で作用する。ネジの接近に制限のある位置により、システムオペレーターがバネの張力を調整することを防止または阻止するが、工場で選択された張力に前もって設定することができる。また、当業者であれば、手作業で調節可能なネジ1356がグランドハウジングの外表面に沿って取付け可能であることは理解できよう。
【0195】
ネジ1356とバネ1354は、内側グランドプレート1434の軸の内表面から入力流体チャンバ1302の中に延在する。入力流体チャンバ1302はプロセス流体分配網と連絡し、シールのプロセス流体が入力チャンバ1302に移動することができる。流体フィードバック調整システムのプロセス流体分配網は、プロセス流体チャンバ1390などのメカニカルシールの内部または周囲に形成される適切なプロセス流体チャンバと、チャンバ1390から入力流体チャンバ1302までプロセス流体を送る入力プロセス流体通路1362(点線で示す)を含んでもよい。当業者であれば、プロセス流体分配網は、プロセス流体が選択された方法でダイヤフラムに移動することができるグランドハウジング内に形成される内部穿孔および通路の適切な修正を含むことは理解できよう。調整システムは、システムの特定の部分あるいは構成要素にシステム流体を送る伝達するためにグランドハウジング外側のカップリングを使用することもできる。例えば、例えば、外部流体導管は、流体ハウジングから入力プロセス流体穿孔1362までプロセス流体を送るためにグランドハウジングに接続することができる。代替的な実施例では、グランドハウジングはプロセス流体が外部流体継手を使用せずに完全にグランドハウジングの中でプロセス流体穿孔と移動することができるように内部を中ぐりすることができる。
【0196】
チャンバ1371は、チャンバ1370に対して軸方向外側に形成される。さらに、チャンバ1371は片側で入力流体供給通路1320と連絡する。チャンバ1371には、バネ1372と、U形断面を有する中間プレート1373と、固定環状シールプラグ1374とを有するバネ付勢組体1369が取付けられている。バネ1372の一端はチャンバ1371の軸方向最外部分に固定され、他端は、プレート1373で形成されるくぼみ内に固定される。中間プレート1373は、シールプラグ1374の一端に形成されるシール面1375に接触するシール面1373Aを有する。シールプラグ1374は、チャンバ1370および1371の間に流体シールを提供するOリング1376を備える環状溝を有する。プラグは、堅くしっかりと適宜プラグ1374を固定するためにチャンバ壁に形成された嵌め合い溝に固定される肩部分1377を有する。プラグは、滑動自在にダイヤフラムDのスピンドル部分1381を固定するようにサイズ決定された中心穿孔1377を有する。プラグは、プレートが座1375に緊密に接触して面する場合には、流体通路1320からチャンバ1371に供給される流体が、出力チャンバ1304と連絡できないように機能する。
【0197】
図示の中間プレート1373は選択された流体および機械力によって開放位置と閉鎖位置の間で選択的に配置可能である。バネ付勢組体1369が図示の閉鎖位置に配置される時、シール面1373Aはプラグ1374の座面1375と密閉関係になるように接触する。このポジションでは、チャンバ1371に含まれる液体が、出力チャンバ1304に移動できない。組体1369が、開口位置に配置される時、プレート1373はプラグ1374から軸方向に離隔し、チャンバ1371内の液体が中心穿孔1377を通過して出力チャンバ1304を通過することができる。図17を参照すると、軸スピンドル1381は、中間プレート1373のシール面1373Aに対して閉鎖位置で固定される外側端を有する。開口位置に配置される時、スピンドルはシール面1373Aから切断され、出力チャンバ1304の流体はスピンドル中心穿孔を介してチャンバ1302に移動することができる。
【0198】
図示のシステム1301では、入力流体チャンバ1302は、プロセス流体穿孔1362経由でプロセス流体室1390に流体的に接続される。出力流体チャンバ1304は、流体穿孔1340経由でバリヤー流体分配網と閉鎖流体網に流体的に接続されている。本発明の流体フィードバック圧力調整システムは、高圧バリヤー流体供給源からダイヤフラムおよび/またはバリヤー流体付勢網にバリヤー流体を送るバリヤー流体分配網を含む。さらに、このシステムは、閉鎖流体チャンバ1480にバリヤー流体のような、閉鎖流体を送る閉鎖流体網を含む。
【0199】
動作時に、流体ハウジングからのプロセス流体は、入力プロセス圧力通路1362やプロセス流体に入力チャンバ1302を入力することができるシールおよび/またはグランドハウジングの内で適切に形成された通路を通して入力チャンバ1302に移動する。プロセス流体は所定の作業圧力にある。入力流体チャンバ1302のプロセス流体は、ダイヤフラムDの入力側、例えば、左の側面、に圧力を印加する。さらに、調節可能なばね1354は、ダイヤフラムDに圧力を印加する。これらの2つの力あるいは圧力の組み合わせが入力圧となり、右側にダイヤフラムを付勢する初期の入力軸力を印加する。
【0200】
バリヤー/閉鎖液供給源からのバリヤー流体(図示せず)は、バリヤー流体分配網によって調整システム1301とメカニカルシール1416に導入される。ある実施例によれば、バリヤー流体供給源からのバリヤー流体は、フィードバックシステムに、また、特に供給穿孔1302を介して出力チャンバ1304に選択的に導入される。結果的に、中間プレート1373の位置によって、バリヤー流体が出力チャンバ1304に導入されるかどうかが決まる。出力流体チャンバ1304に収容されるバリヤー流体は、ダイヤフラムDの右側に対して反対方向かまたは内側軸方向に圧力を印加して、出力圧を生じさせる。
【0201】
プロセス流体とばね1306によって印加される入力圧が出力チャンバ1304内の圧力より大きい場合、ダイヤフラムDが右に移動し、スピンドル1381が座面1375からプレート表面1373Aを分離する。流体供給源は、バリヤー流体をチャンバ1371に導入し、バリヤー流体はプラグ1374の中心穿孔1377を通って出力チャンバ1304を通過する。次に、バリヤー流体は、そこから出力通路1340と軸穿孔1328とチャンバ1480を通過する。
【0202】
図17を再び参照すると、バリヤー流体分配網が供給源からのバリヤー流体で満たされる際に、出力流体チャンバ1304中のバリヤー流体圧が次第にダイアフラムDに圧力を掛け、それを反対方向、すなわち左側へ押しやる。出力流体チャンバ1304中のバリヤー流体圧がプロセス流体と調節可能なバネ1354が作用させる圧力の和に概ね等しくなると、ダイアフラムDが左方向へ押しやられる。バネ1372及び中間プレート1373は、チャンバ1371内部のバリヤー流体圧と共に、プレートシーリング表面1373Aを再び座1375と接触させ、よって、流体供給源を出力流体チャンバ1304から切り離す。流体フィードバック圧力調節システム1301は、よって、プロセス圧とバネ1354の選択可能な圧力の和に概ね等しいレベルまで加圧される。よって、出力流体チャンバ1304中のバリヤー流体はバネ1354の張力すなわち圧力に対応した値で、プロセス流体よりも高い圧力まで加圧される。当業者であれば、出力流体チャンバ1304中のバリヤー流体圧の増加は、シール面におけるバリヤー圧が低いことを示すことは理解できよう。軸方向穿孔1328及び溝1380を介してバリヤー流体をシール面に付加すれば、シール面における隙間を加圧して、シール面を分離することになる。
【0203】
本発明が、上述した記載から明白になったものの他に、既に述べた目的を効果的に達成するのは明白だろう。添付の特許請求の範囲に記載の本発明が意図する範囲から逸脱することなく、種々の変更が形態及び細部に加えられうることは当業者には明らかなので、上記記載に含まれたり、添付図面に示された全ての事項は、例示的に解釈されるべきで、限定的な意味はないことが意図されている。
【0204】
本発明の特許請求の範囲は、本発明の全ての一般的及び特定的な特徴および、その範囲に文言上で包含される可能性がある発明の範囲の全言明を網羅するはずであることは、理解されるべきである。
【0205】
こうして本発明を説明してきたが、新規で特許証により確保したいと願うものは、特許請求の範囲に記載されている。
【図面の簡単な説明】
本発明のこれら及び他の特徴及び利点は、種々の図中、同一の参照数字が同一の要素を表す添付図面と共に以下の詳細な説明を参照することで、より完全に分かるであろう。これらの図面は、本発明の原理を例示するものであり、縮尺ではないが、相対的な寸法を示している。
【図1】図1Aはシール面へ流体を導入するための、また本発明に関して使用するに適切な構造を示すメカニカルシールの断面部の断片図である。図1Bは本発明に関して使用するに適切な図1Aのメカニカルシールの回転シールリングの半分割の斜視図である。図1Cは本発明に関して使用するに適切な図1Aのメカニカルシールの固定シールリングの半分割の斜視図である。図1Dは本発明に関して使用するに適切な図1Aのメカニカルシールのシールグランド集成体の半分割の斜視図である。図1Eは本発明に関して使用するに適切な図1Aのメカニカルシールの集成されたメカニカルシールの半分割の斜視図
図1Fは本発明に関して使用するに適切な図1Dのシール構成要素の半分割の斜視図である。図1Gは本発明に関して使用するに適切な図1Aの回転シールリングホルダ集成体の半分割の斜視図である。図1Hは本発明に関して使用するに適切な図1Aの回転シールリングホルダ区分の面の側面図である。図1Iは本発明に関して使用するに適切な図1Aの回転シールリング区分の面の側面図である。図1Jは更に溝内部の力を示す、図1Dのシールリング面の断片側面図である。
【図2】本発明の開示によるシーリング溝内部で発生する分離力を示す、図1Aのメカニカルシールの固定及び回転シールリング区分の側面図である。
【図3】本発明による図1Aのメカニカルシールの断面部の断片図である。
【図4】非分割シールを含め他のシール設計が本発明によって考慮されるが、分割シールに関連して用いられたバリヤー流体を、プロセス圧を基準にして選択された圧力に維持するための、本発明による流体圧フィードバック調節システムのサブシステムの一つを示す略図である。
【図5】閉鎖力流体分配網を流体供給源に選択的に接続する差圧バルブを示す、本発明の流体圧フィードバックシステムの別のサブシステムの略図である。
【図6】図6Aは排出口を介して閉鎖力流体圧を減ずることで、バリヤー流体圧を基準にして選択された圧力に閉鎖力流体を維持するための本発明による流体圧フィードバックシステムの別の実施例の略図である。図6Bは閉鎖力流体分配網を排出口に接続する種々の圧力バルブを示す、本発明の流体圧フィードバックシステムの別の実施例の略図である。
【図7】閉鎖位置に配置された図4の差圧バルブの部分断面図である。
【図8】流体分配網を流体供給源に接続するために開放位置に配置された図4の差圧バルブを取り付けているグランド30ハウジングの部分断面図である。
【図9】図9Aはプロセス圧を基準にしてバリヤー流体を選択された圧力に維持するための流体圧フィードバックシステムの別の実施例のサブシステムを示す略図である。図9Bは高圧流体供給源において、バリヤー流体圧を基準にして閉鎖力流体を選択された圧力に維持するための本発明による流体圧フィードバックシステムの別の実施例のサブシステムを示す略図である。図9Cは排出口を介して選択的に流体を除去することで、バリヤー流体圧を基準にして選択された圧力に閉鎖力流体を維持するための本発明による流体圧フィードバックシステムの別の実施例の一サブシステムを示す略図である。
【図10】図10Aは差圧バルブにダイヤフラムを用いている、本発明の流体圧フィードバックシステムの更に別の実施例を示す略図である。図10Bは入力及び出力チャンバが連通できるような位置に配置された図10Aのダイヤフラムの部分略図である。
【図11】プロセス流体を基準にして選択された圧力にバリヤー流体を維持するための方法を示す模式的なフローチャート図である。
【図12】閉鎖力流体圧を増加させることで、バリヤー流体圧を基準にして選択された圧力に閉鎖力流体圧を維持するための方法を示す模式的なフローチャート図である。
【図13】閉鎖力流体圧を減少させることで、バリヤー流体圧を基準にして選択された圧力に閉鎖力流体圧を維持するための方法を示す模式的なフローチャート図である。
【図14】図14Aはプロセス圧を基準にして一定の水準にバリヤー流体圧を維持するための方法を示す模式的なフローチャート図である。図14Bは高圧流体供給源と排出口の両方を用いることで、バリヤー流体圧がプロセス圧より大きく、且つ一定のセットアップ値より小さい水準に閉鎖力流体圧を維持するための方法を示すの模式的なフローチャート図である。
【図15】図15A及びBは高圧流体供給源と排出口の両方を用いることで、バリヤー流体圧より大きな水準に閉鎖力流体圧を維持するための方法を示すの模式的なフローチャート図である。
【図16】二重同心状のシールに関して使用するに適切な本発明の流体圧フィードバック圧力調節システムの別の実施例の略図である。
【図17】二重同心状の同軸シールに関して使用するに適切な図16の流体圧フィードバック圧力調節システムの一代替実施例の略図である。
Claims (43)
- ハウジングと回転軸との間に流体シーリングを提供するメカニカル面シールであって、
第一シール面を備えた第一シールリング及び第二シール面を備えた第二シールリングであって、前記第一及び第二シール面が組み付けられた際には互いに対向し、前記第一及び第二シールリングの何れかが前記軸と共に回転し得るようにされている一方、前記第一及び第二シールリングの他方が回転を防止されている、第一シールリング及び第二シールリングと、
前記シールリングの少なくとも一方の周囲に取り付けられる寸法で形成されていると共に、前記ハウジングに機械的に接続され、内部にチャンバが形成されたグランドハウジングと、
前記グランドハウジングの前記チャンバの主として内部に取り付けられる寸法及び大きさで形成されている流体的な圧力フィードバック網であって、動作中は前記シールリング内部の第一流体の選択した圧力を第二流体の圧力に関連して調節し得るように、前記グランドハウジングの前記チャンバ内部に収容される寸法及び大きさで形成されている可動バルブを具備した流体的な圧力フィードバック網とを包含し、
前記流体的圧力フィードバック網が、
少なくとも前記グランドハウジング内部に形成された、バリヤー流体を前記二つのシール面に導入するためのバリヤー流体分配網と、
少なくとも前記グランドハウジング内部に形成された、閉鎖流体を前記シールリングの一方の裏面に導入して、そのシールリングを選択した方向に付勢する、閉鎖流体分配網とを包含するメカニカル面シール。 - バリヤー流体分配網を更に包含し、このバリヤー流体分配網が、
前記第二シールリング内に形成された第一流体通路であって、一端において前記第二シール面上に開口すると共に他端において流体源と流体連通するように配置される第一流体通路と、
前記第一シールリングの前記第一シール面に形成された溝であって、動作中は前記流体通路と流体連通して配置される溝と、
前記第二シールリング内部に形成された第二流体通路であって、一端において前記第二シール面上に開口すると共に、他端において流体源と流体連通して配置される第二流体通路と、を包含する請求項1に記載のメカニカル面シール。 - 前記第二シールリング内部に形成された第二流体通路であって、一端において前記第二シール面上に開口すると共に、他端において流体源と流体連通して配置される第二流体通路を設けたことを特徴とする請求項2に記載のメカニカル面シール。
- 前記グランドハウジング内部に形成されるとともに前記チャンバ及び前記第二流体通路と連通し、そこへ第一流体を送出するように構成された第三流体通路を設けたことを特徴とする請求項3に記載のメカニカル面シール。
- 前記グランドハウジング内部に形成されるとともに前記チャンバと連通して配置され、第一流体を前記チャンバから選択的に送出する出力流体通路を設けたことを特徴とする請求項2、3、4に記載のメカニカル面シール。
- 前記流体圧フィードバック網が、
前記グランドハウジング内部に形成されて、前記チャンバに第一流体を導入する第一流体通路と、前記グランドハウジング内部に形成された第二流体通路であって、前記チャンバと、更に前記第一及び第二シールリングの一方と連通して前記第一流体をそこへ送達し得るようにされた第二流体通路とを包含し、前記バルブが、前記第一流体が前記第一流体通路を介して前記チャンバに導入されるのを許容する開放位置と、流体が前記第一流体通路を介して前記チャンバに導入されるのを防ぐ閉鎖位置との間を移動可能である、請求項1に記載のメカニカル面シール。 - 前記チャンバ内部で前記可動バルブの周囲に取り付けられた、第一流体を前記シールリングへ多岐管集配する円筒状の流体マニホールドを包含する、請求項2又は6に記載のメカニカル面シール。
- 前記流体マニホールドがその内部に形成された第一及び第二流体穿孔を包含し、その一方が前記第一流体通路と流体連通するよう配置されたことを特徴とする請求項7に記載のメカニカル面シール。
- 前記流体穿孔の他方が、前記第一流体を前記シールに送出し得るようにされた第三通路と流体連通することを特徴とする請求項7、8に記載のメカニカル面シール。
- 前記可動バルブが、前記グランドハウジング内部に形成された前記穿孔によって規定されたチャンバ内部に収容され、前記チャンバを入力チャンバと出力チャンバとに分離し、前記流体圧フィードバック網が、前記グランドハウジング内部に形成されると共に、プロセス流体を前記流体ハウジングから前記入力チャンバに導入し得るようにされたプロセス流体通路と、
前記グランドハウジング内部に形成されると共に、前記出力チャンバと流体連通して配置されて、バリヤー流体をそこへ導入する第一バリヤー流体通路と、
前記グランドハウジング内部に形成されると共に、前記チャンバと流体連通して配置されて、動作中に前記グランドチャンバから選択的に移送する第二バリヤー流体通路と、を包含する請求項1に記載のメカニカル面シール。 - 前記可動バルブが、前記入力チャンバと前記出力チャンバとの間に中間チャンバを更に規定し、前記第二バリヤー流体通路が前記中間チャンバと選択的に連通し、
前記可動バルブが、バリヤー流体が前記第二バリヤー流体通路に導入されるのを防ぐための閉鎖位置と、バリヤー流体を前記中間チャンバを介して前記第二バリヤー流体通路に導入するための開放位置との間を交互に配置可能な、請求項10に記載のメカニカル面シール。 - 前記入力チャンバ内の前記プロセス流体が入力圧を規定する一方、前記出力チャンバ内の前記バリヤー流体が出力圧を規定し、更に、この入力圧と出力圧との差が前記可動バルブを前記開放位置及び前記閉鎖位置の何れかに配置する、請求項10又は11に記載のメカニカルシール。
- 前記入力圧が前記出力圧より高い時は、前記の差圧が前記可動バルブを前記閉鎖位置に配置し、前記入力圧が前記出力圧より低い時は、前記の差圧が前記可動バルブを前記開放位置に配置する、請求項12に記載のメカニカル面シール。
- 前記第二シールリング内部に形成された第三バリヤー流体通路を更に包含し、この第三バリヤー流体通路が一端で前記第二シール面上に開口すると共に、他端で前記出力チャンバと流体連通して配置され、前記バリヤー流体通路が、前記バリヤー流体と共同して前記シール面を互いから選択した距離に配置してその間に隙間を形成するように作用的に用いられる、請求項10乃至13の何れかに記載のメカニカルシール。
- 前記第一シールリングと前記第二シールリングとの隙間幅を前記入力チャンバと前記出力チャンバとの差圧に基づいて選択的に調節する手段を更に包含する、請求項10乃至14の何れかに記載のメカニカルシール。
- 前記閉鎖流体分配網が、
前記グランドハウジング内部に形成された閉鎖流体チャンバと、
前記グランドハウジング内部に形成されると共に、選択したシール流体の差圧に応答して前記閉鎖流体チャンバへ、又は前記閉鎖流体チャンバから閉鎖流体を運び得るようにされた複数の穿孔と、を包含し、更に任意に、
前記グランドハウジング内部に形成されると共に、前記第二バリヤー流体通路と連通して配置された閉鎖流体チャンバを含む、請求項1乃至15に記載のメカニカルシール。 - 前記閉鎖流体分配網が、
前記閉鎖流体チャンバ内に収容された第二可動バルブであって、前記閉鎖流体チャンバを入力チャンバと出力チャンバと分離しつつそれらの間に中間チャンバを形成する第二可動バルブと、
前記グランドハウジング内部に形成されると共に、前記閉鎖流体チャンバの前記中間チャンバと流体連通して配置されて、そこへ閉鎖流体を流体供給源から導入する第一閉鎖流体通路と、
前記グランドハウジング内部に形成されると共に、前記閉鎖流体チャンバと流体連通して配置されて、動作中は、そこから前記閉鎖流体を前記シールへ選択的に移送する第二閉鎖流体通路と、を更に包含する請求項16に記載のメカニカル面シール。 - 前記閉鎖流体分配網が、前記第一及び第二シールリングの一方の裏面に配置された第二閉鎖流体チャンバを包含し、更に、前記第二閉鎖流体通路が前記グランドハウジング内部に位置して、前記中間チャンバ及び前記第二閉鎖流体チャンバに連通し、前記閉鎖流体をこれらチャンバの間で運ぶ、請求項17に記載のメカニカルシール。
- 前記第二可動バルブが、前記閉鎖流体が前記第二閉鎖流体通路に導入されるのを防ぐための閉鎖位置と、前記閉鎖流体を前記中間チャンバを介して前記第二閉鎖流体通路に導入するための開放位置との間を交互に配置可能である、請求項18に記載のメカニカル面シール。
- 前記第二バリヤー流体通路からの前記バリヤー流体が、前記閉鎖流体チャンバの前記入力チャンバを加圧して入力圧を規定する一方、前記出力チャンバ内の閉鎖流体が出力圧を規定し、更に、入力圧と出力圧との差が前記第二可動バルブを前記開放位置及び前記閉鎖位置の何れかに配置した、請求項19に記載のメカニカル面シール。
- 前記入力チャンバ内の前記入力圧が前記出力チャンバ内の前記出力圧より高い時は、前記二つのチャンバの差圧が前記可動バルブを前記閉鎖位置に配置し、よって前記第一閉鎖流体通路を前記中間チャンバから、よって前記第二閉鎖流体チャンバからも切り離す、請求項20に記載のメカニカル面シール。
- 前記入力チャンバ内の前記入力圧が前記出力圧より低い時は、前記差圧が前記可動バルブを前記開放位置に配置し、よって前記流体供給源を前記中間通路及び前記第二閉鎖流体通路に接続して、前記閉鎖流体を前記第二閉鎖流体チャンバに導入する、請求項20に記載のメカニカル面シール。
- 前記シール面における漏れを制御するために、前記シール面間に形成された隙間を調整する手段を更に包含し、前記閉鎖位置に配置された時は、前記可動バルブが前記第一閉鎖流体通路を前記中間チャンバから、よって前記閉鎖流体チャンバからも切り離して、閉鎖流体が前記閉鎖流体チャンバに導入されるのを防ぎ、更に、前記開放位置に配置された時は、前記可動バルブが前記流体供給源を前記中間チャンバ及び前記第二閉鎖流体通路にも接続して、前記第二閉鎖流体を前記閉鎖流体チャンバに導入し、前記閉鎖流体チャンバ内の前記閉鎖流体は制御されて、前記第二シールリングの前記裏面に可変力を印可して前記シール面間の前記隙間を調節する、請求項19に記載のメカニカル面シール。
- 前記閉鎖流体分配網が、閉鎖流体を前記閉鎖流体分配網に選択的に移送するための、前記グランドハウジング内部に形成された第二閉鎖流体チャンバを包含する、請求項10に記載のメカニカル面シール。
- 前記閉鎖流体分配網が、前記閉鎖流体内に収容された第二可動バルブであって、前記第二チャンバを入力チャンバと出力チャンバに分離しつつそれらの間に中間チャンバを形成する第二可動バルブと、
前記グランドハウジング内部に形成されると共に、前記閉鎖流体の前記中間チャンバと流体連通して配置されて、そこへ閉鎖流体を導入する第一閉鎖流体通路と、
前記グランドハウジング内部に形成されると共に、前記第二チャンバと流体連通して配置されて、前記シールの動作中は、前記第二チャンバから前記閉鎖流体を選択的に除去する第二閉鎖流体通路とを更に包含する、請求項24に記載のメカニカル面シール。 - 前記閉鎖流体分配網が、前記二次シールの裏面に配置された第二閉鎖流体チャンバを更に包含し、更に、第二閉鎖流体通路が、前記中間チャンバ及び前記第二閉鎖流体チャンバと選択的に連通するよう前記グランドハウジング内部に位置する請求項25に記載のメカニカル面シール。
- 前記第二可動バルブが、前記閉鎖流体が前記第二閉鎖流体通路に導入されるのを防ぐための閉鎖位置と、前記閉鎖流体を前記第二チャンバから前記中間チャンバを介して前記第二閉鎖流体通路に導入して、そこから閉鎖流体を除去するための開放位置との間を交互に配置可能である、請求項26に記載のメカニカル面シール。
- 前記閉鎖流体チャンバの前記入力チャンバが加圧されて入力圧を規定する一方、前記出力チャンバ内の前記閉鎖流体が出力圧を規定し、更に、これら入力圧と出力圧との差が前記第二可動バルブを前記開放位置及び前記閉鎖位置の何れかに配置する、請求項27に記載のメカニカル面シール。
- 前記入力チャンバ内の前記入力圧が前記出力チャンバ内の前記出力圧より高い時は、前記二つのチャンバの差圧が前記第二可動バルブを前記閉鎖位置に配置し、よって前記第一閉鎖流体通路を前記中間チャンバから、よって前記第二閉鎖流体チャンバからも切り離し、請求項28に記載のメカニカル面シール。
- 前記入力チャンバ内の前記入力圧が前記出力圧より低い時は、前記の差圧が前記可動バルブを前記開放位置に配置し、よって前記第二閉鎖流体チャンバを前記中間チャンバと前記第二閉鎖流体通路に接続して、閉鎖流体を前記閉鎖流体分配網から除去する、請求項29に記載のメカニカル面シール。
- 前記第一及び第二シールリングの前記シール面間の隙間を調整する調整手段を更に包含し、更に、前記調整手段が前記第二可動バルブを、前記第二閉鎖流体チャンバから閉鎖流体を除去するための開放位置と、閉鎖流体が前記第二閉鎖流体チャンバから除去されるのを防ぐ閉鎖位置との間を移動させる手段を更に包含する、請求項24に記載のメカニカル面シール。
- 前記溝に導入された流体の圧力を調節することで、前記シール面間の分離を制御する流体制御システムを更に包含する、請求項2に記載のメカニカル面シール。
- 前記流体圧フィードバック網が、
前記グランドハウジングで形成された第一流体分配網内で第一圧力を備えた第一流体を調節する調節手段であって、前記第一流体分配網が前記グランドハウジング内に複数の穿孔を備えた、調節手段を包含し、
前記調節手段が、前記グランドハウジング内に形成された第二流体分配網内で第二圧力を備えた第二流体に応答し、前記第二流体分配網が前記グランドハウジング内に複数の穿孔を備える、請求項1に記載のメカニカル面シール。 - 前記調節手段が、前記第二流体分配網内の前記第二流体の圧力を、前記第一分配網内の圧力の関数として選択的に調節する手段を包含する、請求項33に記載のメカニカル面シール。
- 前記第二流体が、前記第一流体の圧力よりも選択された値で高い圧力に設定され、前記調節された出力圧が前記シールリングの前記シール面間の隙間を調節するために用いられる、請求項34に記載のメカニカル面シール。
- 前記調節手段が、
前記グランドハウジング内に形成されたチャンバと、
前記チャンバ内に配置された可動バルブであって、前記チャンバを入力チャンバと出力チャンバとに分割する可動バルブと、
前記グランドハウジング内に形成されると共に前記チャンバと連通して、前記入力チャンバと前記第二流体分配網との間に流体経路を確立する入力流体導管と、
前記グランドハウジング内に形成されると共に前記チャンバと連通して、前記出力チャンバと前記第一流体分配網との間に流体経路を確立する出力流体導管と、
前記グランドハウジング内に形成され、前記可動バルブと流体供給源との間に流体経路を確立する請求項33に記載のメカニカル面シール。 - 前記可動バルブが、前記第一流体圧と前記第二流体圧との差圧に応答し、前記差圧が前記可動バルブを、前記入力流体導管と前記出力流体導管との間に流体通路を形成して、前記流体供給源から流体を前記第一流体分配網に導入するための位置に移動し、よって、前記第一流体分配網内の前記第一流体の流体圧を増加させる、請求項36に記載のメカニカル面シール。
- 前記第一流体がバリヤー流体を包含し、前記第二流体がプロセス流体を包含する、請求項36又は37に記載のメカニカル面シール。
- 前記シールが第一圧力のバリヤー流体を含む一方、前記流体ハウジングが選択した圧力のプロセス流体を含み、前記流体的圧力フィードバック網が、
前記プロセス流体の前記選択した圧力より所定の値で高い第二圧力に前記バリヤー流体圧を設定する手段を包含した、請求項33乃至38の何れかに記載のメカニカル面シール。 - 前記流体的圧力フィードバック網が、前記第二圧力のバリヤー流体を前記フィードバック網に導入する手段を更に包含し、前記バリヤー流体圧が調整された入力圧を規定する、請求項39に記載のメカニカル面シール。
- 前記流体的圧力フィードバック網が、前記グランドハウジング内部に形成された閉鎖流体圧分配網を包含し、この閉鎖流体分配網が閉鎖流体を前記シールリングの一方の裏面に導入すると共に、前記裏面において選択した圧力を発生して、前記裏面に対して軸方向の付勢力を作用させて前記シールリングの前記シール面を互いに向けて押しつける、請求項33乃至40の何れかに記載のメカニカル面シール。
- 流体的圧力フィードバック網が、前記調整された入力圧の関数として前記閉鎖流体の圧力を調節して、前記閉鎖流体圧を選択的に調節する調節手段を更に包含する、請求項41に記載のメカニカル面シール。
- 前記調節手段が、
前記調整された入力圧が上昇する際に、前記閉鎖流体圧を前記分配網から除去する手段と、
前記調整された入力圧が降下する際に、前記分配網内の前記閉鎖流体圧を上昇させる手段との少なくとも一方を包含する、請求項40に記載のメカニカル面シール。
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