JP3563828B2 - 埋設型の流体圧力調整装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、埋設型の流体圧力調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる埋設型の流体圧力調整装置(以下、圧力調整装置と略称する場合がある)は、地下に埋設された都市ガス等の流体を供給する供給管の途中に組み込んで、供給源から高圧で供給されてくる流体を適正圧に減圧調整するものであり、地下に埋設する。
従来、かかる圧力調整装置は、以下に説明するように構成していた。
遮断弁は、弁体、弁体駆動部及び弁座を一体状態に組み付けて構成するとともに、フィルタとその遮断弁とを、流体の流れ方向に並ぶ状態で一体状態に組み付け、又、圧力調整弁とパイロット圧制御部とを一体状態に組み付けていた。以下、フィルタと遮断弁とを流体の流れ方向に並ぶ状態で一体状態に組み付けたものをフィルタ遮断弁部と、圧力調整弁とパイロット圧制御部とを一体状態に組み付けものを圧力調整部と夫々略記する場合がある。
又、上部に2個の開口部を流体の流れ方向に並ぶ状態で形成したケーシングを、外蓋にて地面部の開口部が開閉される縦坑内に設けていた。そして、流体の流れ方向の上手側に位置する開口部に、前記フィルタ遮断弁部を着脱自在に設け、ガス通流方向下流側に位置する開口部に、前記圧力調整部を着脱自在に設けていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の圧力調整装置では、前記フィルタ遮断弁部と前記圧力調整部とを地面方向に並設した配置構成であるので、設置面積が広くなるという問題があった。
又、点検又は調整の際には、前記フィルタ遮断弁部と、前記圧力調整部を各別に着脱しなければならず作業性が悪かった。
【0004】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、設置面積が狭く、しかも、点検及び調整が簡単な埋設型の流体圧力調整装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明による埋設型の流体圧力調整装置の第1の特徴構成は、流入口及び流出口が側部に形成され、且つ、上部の開口部を閉じる蓋体を着脱自在に備えたケーシング内に、調圧ユニットが前記開口部を通して挿脱自在に設けられ、
その調圧ユニットは、流体の流れ方向に並べて配置する、縦姿勢の筒状のフィルタ、そのフィルタの内部に位置する遮断弁構成用の弁座、及び、前記フィルタの下部に位置するパイロット圧式の圧力調整弁を、一体状態に組み付けて構成され、
前記弁座に接触自在な遮断弁構成用の弁体が、前記蓋体に装着されるとともに、前記圧力調整弁に供給するパイロット圧を制御するパイロット圧制御部、及び、前記弁体を作動させる弁体駆動部が、前記蓋体の外方側に装備され、
前記パイロット圧を前記圧力調整弁に導く導圧路が、前記調圧ユニットに設けられ、
前記パイロット圧制御部からのパイロット圧を前記導圧路の入口に供給する供給路が、前記蓋体の前記ケーシングに対する着脱に伴って、前記導圧路との連通が断続される状態で、前記蓋体に設けられている点にある。
【0006】
第2の特徴構成は、前記蓋体に押されて前記調圧ユニットが挿脱自在に嵌合される受け部が、前記ケーシングの内周面に設けられている点にある。
【0007】
第3の特徴構成は、前記ケーシングの内周面に、前記ケーシング内を前記流入口側と前記流出口側とに仕切る仕切り壁が設けられ、
前記仕切り壁に、前記調圧ユニットの挿脱用の開口部、及び、前記受け部が形成されている点にある。
【0008】
第4の特徴構成は、前記導圧路が、前記圧力調整弁のハウジングに形成された流路部分と、上下方向に可動な状態で前記流路部分に連通接続される管部分を備えて構成され、
前記管部分を上方に付勢する付勢手段が設けられている点にある。
【0009】
【作用】
第1の特徴構成による作用は、以下の通りである。
調圧ユニットは、以下の手順で着脱する。
先ず、蓋体をケーシングから取り外す。蓋体をケーシングから取り外すと、それに伴って、蓋体に設けられた供給路と、調圧ユニットに設けられた導圧路との連通が断たれる。
調圧ユニットをケーシング内に設置した儘で、ケーシングの開口部を通して調圧ユニットを点検する。この場合、フィルタが上部に位置しているので、フィルタの目詰まり状態等を点検することができる。
続いて、ケーシングの開口部を通して、調圧ユニットをケーシング外に取り出し、調圧ユニットの点検又は調整を行う。
続いて、調圧ユニットを、ケーシングの開口部を通して、ケーシング内に挿入して設置する。
続いて、蓋体をケーシングに取り付ける。蓋体をケーシングに取り付けると、それに伴って、蓋体に装着した弁体が、調圧ユニットの弁座に接触自在に配置されるとともに、供給路と導圧路とが連通して、パイロット圧制御部からのパイロット圧が供給路を通じて導圧路に導かれる状態となる。従って、パイロット圧制御部からのパイロット圧を導圧路に導くための管路の接続作業や接続解除作業が不要となり、又、パイロット圧制御部からのパイロット圧を導圧路に導くための外部配管が不要となる。
【0010】
又、調圧ユニットがケーシング内に設置された状態では、騒音を発生する調圧ユニットが地面から最も離れた最下部に位置するので、調圧ユニットから発生する騒音が地面上に漏洩するのを抑制することができる。
【0011】
第2の特徴構成による作用は、以下の通りである。
蓋体をケーシングから取り外すと、調圧ユニットを受け部から離脱することができる。
調圧ユニットを、ケーシングの開口部を通してケーシング内に挿入し、続いて、蓋体をケーシングに取り付けると、調圧ユニットは、蓋体に押されて受け部に嵌合され、ケーシング内に所定の位置に位置決めされて保持される。
【0012】
第3の特徴構成によれば、調圧ユニットを仕切り壁の調圧ユニットの挿脱用の開口部に挿入し、続いて、蓋体をケーシングに取り付けると、調圧ユニットは、蓋体に押されて仕切り壁に形成された受け部に嵌合されて、ケーシング内の所定の位置に位置決めされて保持されるとともに、ケーシング内が流入口側と流出口側とに仕切られる。
【0013】
第4の特徴構成によれば、調圧ユニットをケーシング内に設置して、蓋体をケーシングに取り付けると、付勢手段の付勢力によって、管部分が蓋体に押し当てられる。
【0014】
【発明の効果】
第1の特徴構成によれば、フィルタ、圧力調整弁を上下方向に並べて一体状態に組み付けた調圧ユニットと、パイロット圧制御部及び弁体駆動部を外方に装備した蓋体とを上下方向に並設した配置構成であるので、埋設型の流体圧力調整装置の設置面積を狭くすることができるようになった。しかも、フィルタの内部に弁座を配置してあるので、調圧ユニットの上下方向の長さを短くすることができ、その結果、埋設型の流体圧力調整装置をコンパクトに構成することができるようになった。
又、フィルタ、遮断弁、圧力調整弁及びパイロット圧制御部を、一挙に着脱することができるので、埋設型の流体圧力調整装置の点検及び調整が簡単になった。
【0015】
フィルタ、遮断弁、圧力調整弁及びパイロット圧制御部を一挙に着脱可能な構成にしながらも、フィルタ、遮断弁構成用の弁座及び圧力調整弁を一体状態に組付けた調圧ユニットと、遮断弁構成用の弁体、パイロット圧制御部及び弁体駆動部を装備した蓋体とを別体に構成してあるので、夫々の重量を軽くするとともに形状をコンパクトにして、着脱が楽にできるようにしてある。又、蓋体をケーシングから取り外すと、調圧ユニットをケーシング内に設置した儘で、ケーシングの開口部を通して調圧ユニットを点検することができるので、フィルタのみを点検するような場合、調圧ユニットをケーシングから取り出さずに点検することができる。従って、その場合は、フィルタの交換の必要があるときのみ、調圧ユニットをケーシングから取り出して、フィルタを交換すればよい。又、調圧ユニットをケーシング内に設置した儘でもフィルタが着脱可能なようにしておけば、フィルタのみを取り出して点検したり、交換したりすることができる。
【0016】
調圧ユニットと蓋体とを別体としてあるものの、蓋体にパイロット圧制御部からのパイロット圧を導圧路の入口に供給する供給路を設けて、蓋体の着脱に伴って、自動的に、その供給路と導圧路との連通が断続されるようにしてあるので、蓋体の着脱の際に、パイロット圧制御部からのパイロット圧を導圧路に導くための管路の接続作業や接続解除作業が不要となるので、点検及び調整が簡単になった。又、パイロット圧制御部からのパイロット圧を導圧路に導くための外部配管が不要となるので、構成を簡略化することができるようになった。
ちなみに、フィルタ、遮断弁構成用の弁座及び圧力調整弁を一体状態に組付けた調圧ユニットと、遮断弁構成用の弁体、パイロット圧制御部及び弁体駆動部を装備した蓋体とを、一体状態に組み付けて構成する場合が想定されるが、この場合は、重量が重くなるとともに形状が大きくなるので、着脱が面倒になる。又、フィルタの目詰まり状態のみを点検するような場合でも、一旦、ケーシングから取り出さなければならない。
【0017】
又、調圧ユニットから発生する騒音が地面上に漏洩するのを抑制することができるので、騒音対策の面でも向上することができるようになった。
【0018】
第2の特徴構成によれば、調圧ユニットをケーシング内に着脱する際に、調圧ユニットをケーシング内に保持したり、保持を解除したりする作業が不必要になるので、埋設型の流体圧力調整装置の点検及び調整が一層簡単になった。
【0019】
第3の特徴構成によれば、ケーシング内を流入口側と流出口側とに仕切るための仕切り壁を利用して、調圧ユニットをケーシング内に位置決め保持するための受け部を形成してあるので、埋設型の流体圧力調整装置の構成を簡略化することができるようになった。
【0020】
第4の特徴構成によれば、付勢手段の付勢力によって、管部分が蓋体に当て付けられるので、温度変化による熱膨張収縮にかかわらず、供給路と導圧路との連通状態を確実に維持することができ、埋設型の流体圧力調整装置の信頼性を向上することができるようになった。
【0021】
【実施例】
以下、図面に基づいて、本発明の実施例を説明する。
図7に示すように、圧力調整装置Rは、地中に埋設された都市ガス等を供給する供給管Kの途中に組み込んで、一次側の流入口11から高圧で供給される都市ガスを適正圧に減圧調整して、二次側の流出口12から排出するものである。圧力調整装置Rは、ピットP内において、蓋体2部分をピットP内に位置させた状態で、ケーシング1部分の略全体は直接地中に埋設してある。圧力調整装置よりも上流側の供給管Kには、流入側バルブViを介装し、圧力調整装置Rよりも下流側の供給管Kには、流出側バルブVoを介装してある。これらのバルブVi,Voは、開閉操作部をピットP内に位置させた状態で、地中に埋設してある。図中のCは、ピットPの地面部の開口部を開閉する外蓋である。
【0022】
先ず、図1ないし図3に基づいて、圧力調整装置Rの概略構成について説明する。
圧力調整装置Rは、流入口11と流出口12を側部に形成し、且つ、上部の開口部13を閉じる蓋体2を着脱自在に備えたケーシング1、流出圧力を調整するパイロット圧式の圧力調整弁としてのガバナ3、そのガバナ3に供給するパイロット圧を制御するパイロット圧制御部4、フィルタ5、流出圧力が異状高圧又は異状低圧になったときに閉弁してガス供給を遮断する緊急遮断弁6を主な構成要素として構成してある。ガバナ3は、パイロット圧制御部4から導かれるパイロット圧に基づいて、流出圧力を調整するように構成してある。
【0023】
流体の流れ方向に並べて配置する、縦姿勢の円筒状のフィルタ5、そのフィルタ5の内部に位置する緊急遮断弁構成用の弁座62、及び、フィルタ5の下部に位置するガバナ3を一体状態に組み付けて、調圧ユニットUに構成してある。そして、その調圧ユニットUを、ケーシング1内に、開口部13を通して挿脱自在に設けてある。
弁座62に接触自在な緊急遮断弁構成用の弁体61を、蓋体2の内方側に装着するとともに、パイロット圧制御部4、及び、弁体61を作動させる弁体駆動部63を、蓋体2の外方側に装備してある。
パイロット圧制御部4からのパイロット圧をガバナ3に導くパイロット圧導圧路Lを、調圧ユニットUに設けてあり、パイロット圧制御部4からのパイロット圧をパイロット圧導圧路Lの入口に供給するパイロット圧供給路Mを、蓋体2のケーシング1に対する着脱に伴って、パイロット圧導圧路Lとの連通が断続される状態で、蓋体2に設けてある。
又、パイロット圧制御部4に制御用一次圧を供給する一次圧導圧管78を、調圧ユニットUに設けてある。
【0024】
以下、各構成要素について説明を加える。
先ず、調圧ユニットUについて説明する。
先ず、調圧ユニットUのガバナ3について説明する。
ガバナ3は、小径部31aと大径部31bを備えた略円筒形状のガバナケーシング31と、そのガバナケーシング31の大径部31b内に同軸状に位置する筒形状の第1ダイヤフラム保持体32と、円筒部33aを備えその円筒部33aがガバナケーシング31と同軸状態で大径部31b内に位置する第2ダイヤフラム保持体33と、第1ダイヤフラム保持体32と第2ダイヤフラム保持体33とに挟持させて設けた可撓性を有するダイヤフラム34と、第2ダイヤフラム保持体33の円筒部33aの内周面の案内で軸芯方向に移動自在で且つダイヤフラム34に接当する状態で第2ダイヤフラム保持体33に取り付けたピストン体35と、そのピストン体35をダイヤフラム34側に付勢するスプリング36と、ガバナケーシング31の大径部31bの開口端面に複数のボルト38により取り付けて、第1ダイヤフラム保持体32及び第2ダイヤフラム保持体33を大径部31b内に保持するケーシングカバー37とから構成してある。
【0025】
ダイヤフラム34と第2ダイヤフラム保持体33とケーシングカバー37とにより、パイロット圧室39を区画形成してある。
【0026】
第1ダイヤフラム保持体32には、截頭円錐形状側壁部32aを備えさせるとともに、截頭円錐形状側壁部32aには、軸芯方向に長い通流孔32bの多数を周方向に沿って全周にわたって形成してある。
ダイヤフラム34は、截頭円錐形状側壁部32aの内周面に対向する状態で配設してある。
【0027】
ガバナケーシング31の外周面には、環状突起部31cを形成してある。又、ガバナケーシング31の大径部31bの側壁には、環状突起部31cの上端面と大径部31bの開口端面とに開口する導圧孔31dを形成してある。又、ガバナケーシング31の大径部31bの側壁には、ケーシング内外に開口する通流開口31eを形成してある。
又、ガバナケーシング31の小径部31aの側壁の上下方向中間部には、ケーシング内外に開口する導圧孔31fを形成してある。
ケーシングカバー37には、上端面とパイロット圧室39とに開口する導圧孔37aを形成してある。
そして、ケーシングカバー37をガバナケーシング31の大径部31bの開口端面に取り付けると、導圧孔31dの開口部と導圧孔37aの開口部とが対向位置して、導圧孔31dと導圧孔37aとパイロット圧室39とを一連に連通接続するように構成してある。つまり、ガバナケーシング31とケーシングカバー37とにより、ガバナ3のハウジングを構成するようにしてあり、一連に連通する導圧孔31d及び導圧孔37aを、後述するように、パイロット圧導圧路Lの流路部分として機能させるように構成してある。
【0028】
次に、フィルタ5、緊急遮断弁構成用の弁座62、及び、フィルタ5を一体状態に組み付ける構成について説明する。
フィルタ5は、内径がガバナケーシング31の小径部31aの外径よりも大なる円筒状に形成してある。
上下のフィルタ保持体71,72を複数の棒状体73にて連結するとともに、下方のフィルタ保持体72を、ガバナケーシング31の環状突起部31cの上端面に複数のボルト85にて取り付けてある。上方のフィルタ保持体71は、ガバナケーシング31の小径部31aの上端部よりも上方に位置する。そして、フィルタ5を、上下のフィルタ保持体71,72に外嵌した状態で、ガバナケーシング31の環状突起部31c上に載置してある。従って、フィルタ5は、フィルタ保持体71,72に対して上下方向に移動自在である。
緊急遮断弁構成用の弁座62を、フィルタ5の内部に位置する、ガバナケーシング31の小径部31aの上端開口部に取り付けてある。
フィルタ5をフィルタ保持体71,72に外嵌した状態で、フィルタ5とガバナケーシング31との間に間隙が形成されるようにして、この間隙に塵埃等を溜めるようにしてある。従って、万が一フィルタ5が損傷しても、塵埃等をこの間隙に溜めて緊急遮断弁構成用の弁座62及びガバナ3へ流れるのを防止して、弁座62及びガバナ3の損傷を防止することができる。
【0029】
フィルタ保持体71,72を複数の棒状体73にて連結する構成について説明を加える。
棒状体73の両端部夫々には小径部73aを備えさせるとともに、上方の小径部73aには雄ネジ部を形成してある。そして、下方の小径部73aをフィルタ保持体72の凹部72aに挿入し、且つ、図4にも示すように、上方の小径部73aを、大径部73bの上端面とフィルタ保持体71の下面との間に複数の皿バネ74を介在させた状態でフィルタ保持体71の孔71aに挿入し、上方の小径部73aの雄ネジ部にナット75を螺着してある。
【0030】
次に、調圧ユニットUに設けたパイロット圧導圧路Lについて説明する。
下端部に小径部76aを備えたパイロット圧導圧管76を、上端部を上方のフィルタ保持体71に形成した孔71bに挿入し、且つ、図5にも示すように、下端小径部76aを、大径部76bの下端面と下方のフィルタ保持体72の上端面との間に複数の皿バネ77を介在させた状態で、フィルタ保持体72の孔72bとガバナケーシング31の導圧孔31dの上端開口部に挿入して、上下方向に可動な状態で設けてある。
つまり、パイロット圧導圧路Lは、ガバナ3のハウジング31,37に形成した流路部分31d,37aと、上下方向に可動な状態で流路部分31d,37aに連通接続する管部分としてのパイロット圧導圧管76を備えて構成してある。
【0031】
次に、調圧ユニットUに設けた一次圧導圧管78について説明する。
下端部を略直角に屈曲させた一次圧導圧管78を、その上端部を上方のフィルタ保持体71の孔71cに内嵌し、且つ、その下端屈曲部をガバナケーシング31の導圧孔31fに内嵌して、設けてある。
【0032】
次に、ケーシング1について説明を加える。
ケーシング1の内周面の上下方向中間部に、流入口11側の一次側室15と流出口12側の二次側室16とに仕切る水平方向の仕切り壁14を設け、その仕切り壁14に、調圧ユニットUの挿脱用の開口部17を形成してある。そして、挿脱用の開口部17を形成することにより、ケーシング1の内周面から環状に突起する形状となった仕切り壁14を、後述するように、蓋体2にて押すことにより調圧ユニットUを挿脱自在に嵌合させる受け部Dとして機能させるように構成してある。仕切り壁14の上部には、上向きの凹部を形成してあり、この凹部に塵埃を溜めるようにしてある。
又、ケーシング1の側壁部には、その側面と上端面とに開口させた状態で、孔18を形成してある。
【0033】
次に、蓋体2について説明を加える。
蓋体2には、上下に貫通する4個の孔21,22,23,24を形成してある。パイロット圧制御部4を蓋体2の外方側に取り付けたときに、孔21の上面開口部はパイロット圧制御部4の二次圧導入口41に、孔22の上面開口部はパイロット圧送出口42に、及び、孔23の上面開口部は一次圧導入口43に夫々対向するように位置させてある。又、蓋体2をケーシング1に取り付けたときに、孔21の下面開口部はケーシング1の孔18の上面開口部に、孔22の下面開口部はパイロット圧導圧管76の上端開口部に、及び、孔23の下面開口部は一次圧導圧管78の上端開口部に夫々に対向するように位置させてある。
【0034】
一連に連通する孔18,21を、後述するように、パイロット圧制御部4へ制御用二次圧を供給するための二次圧供給路として機能させる。又、孔22を、後述するように、パイロット圧制御部4からのパイロット圧をパイロット圧導圧路Lの入口に供給するパイロット圧供給路Mとして機能させる。又、孔23を、後述するように、パイロット圧制御部4へ制御用一次圧を供給するための一次圧供給路として機能させる。又、孔24は、緊急遮断弁6の弁体61と弁体駆動部63とを連結する弁棒64の挿通用として使用する。
【0035】
次に、パイロット圧制御部4について説明を加える。
パイロット圧制御部4を、蓋体2の外方側に取り付けてある。それに伴って、二次圧導入口41が二次圧供給路としての孔21に、パイロット圧送出口42がパイロット圧供給路Mとしての孔22に、及び、一次圧導入口43が一次圧供給路としての孔23に夫々連通接続される。又、二次圧供給路として機能させる孔18の側面開口部には、図1及び図7に示すように、二次圧を流出側バルブVoよりも下流側から導出してパイロット圧制御部4に供給する制御用二次圧供給管79を連通接続してある。又、二次圧導入口41から導入した制御用二次圧を分岐して送出する二次圧送出口44を設けてある。
【0036】
次に、緊急遮断弁6について説明を加える。
弁体駆動部63を蓋体2の外方側に取り付け、蓋体2の孔24に挿通した弁棒64の上端部を弁体駆動部63に連結し、下端部に弁体61を取り付けてある。尚、図中の65は、弁体61を下方に付勢するスプリングである。
又、図1及び図7にも示すように、一端部をパイロット圧制御部4の二次圧送出口44に連通接続した監視用二次圧供給管80の他端部を、弁体駆動部63に連通接続してあり、二次圧供給管79を通じてパイロット圧制御部4に導入された二次圧を分岐させて、その分岐二次圧を監視用二次圧として監視用二次圧供給管80を通じて導入して弁体駆動部63を作動させるように構成してある。
【0037】
図中の81は、ケーシング1の上端面と蓋体2の下面とに密着してそれらの間を封止するOリング、82は、ケーシング1の環状仕切り壁14の内周面と調圧ユニットUのガバナケーシング31の外周面とに密着してそれらの間を封止するOリングである。又、83は、調圧ユニットUをケーシング1内に取り付ける際に、調圧ユニットUをケーシング1に対して所定の位置に位置決めするための位置決めピンである。
【0038】
次に、調圧ユニットUをケーシング1内に取り付ける手順、及び、ケーシング1内から取り外す手順について説明する。
先ず、調圧ユニットUをケーシング1内に取り付ける手順について説明する。
調圧ユニットUを、ケーシング1の開口部13を通してケーシング1内に挿入するとともに、その下方部を仕切り壁14の開口部17に挿入する。続いて、位置決めピン83にて位置決めした状態で、ガバナケーシング31を開口部17に内嵌させる。続いて、蓋体2をケーシング1の開口部13に複数のネジ式の締付部84にて取り付ける。それに伴って、調圧ユニットUの上方のフィルタ保持体71が蓋体2の下面に接当することにより、調圧ユニットUが下方に押されて、環状突起部31cが仕切り壁14に押し当てられて係合され、調圧ユニットUがケーシング1内の所定の位置に位置決めされて保持される。
又、パイロット圧導圧管76の上端開口部が蓋体2の孔22の下面開口部に対向した状態で接当して、パイロット圧導圧路Lとパイロット圧供給路Mとしての孔22とが連通接続され、且つ、一次圧導圧管78の上端開口部が蓋体2の孔23の下面開口部に対向した状態で接当して、一次圧導圧管78と一次圧供給路としての孔23とが連通接続される。又、ケーシング1の孔18の上面開口部が蓋体2の孔21の下面開口部に対向した状態で接当して、孔18と孔21とが一連に連通接続される。
又、蓋体2に装着した弁体61が、調圧ユニットUに取り付けた弁座62に接触自在に配置される。
【0039】
更に、蓋体2をケーシング1の開口部13に取り付けるのに伴って、上方のフィルタ保持体71が蓋体2により下方に押されることにより、皿バネ74が圧縮され、その付勢力によって、上方のフィルタ保持体71が蓋体2の下面に押し当てられ、且つ、環状突起部31cが仕切り壁14に押し当てられるので、温度変化に伴う熱膨張収縮にかかわらず、調圧ユニットUを確実にケーシング1内に保持することができる。又、皿バネ77も圧縮され、その付勢力によって、パイロット圧導圧管76が蓋体2に押し当てられるので、温度変化に伴う熱膨張収縮にかかわらず、パイロット圧導圧管76の上端開口部と蓋体2の孔22の下面開口部との接当部のシールを確実に維持することができる。
【0040】
又、皿バネ74及び皿バネ77の付勢力によって、温度変化に伴う、ケーシング1、蓋体2、フィルタ5、ガバナケーシング31、フィルタ保持体71,72、棒状体73、パイロット圧導圧管76等の熱膨張差及び熱収縮差を吸収することができるので、それらの寸法精度を低く押さえることができ、加工コストを低減することができる。
【0041】
つまり、仕切り壁14を利用して、蓋体2に押されて調圧ユニットUを挿脱自在に嵌合させる受け部Dを形成してある。又、皿バネ77は、パイロット圧導圧路Lの管部分としてのパイロット圧導圧管76を上方に付勢する付勢手段に相当する。
【0042】
次に、調圧ユニットUをケーシング1内から取り外す手順について説明する。
ネジ式の締付部84の螺合を解除して、蓋体2をケーシング1の開口部13から取り外す。それに伴って、パイロット圧導圧路Lとパイロット圧供給路Mとしての孔22との連通、及び、一次圧導圧管78と一次圧供給路としての孔23との連通が断たれる。
そして、調圧ユニットUを上方に引き上げると、調圧ユニットUと仕切り壁14との嵌合が解除されて、調圧ユニットUをケーシング1の開口部13を通して、ケーシング1外に取り出すことができる。
ボルト38を外してケーシングカバー37をガバナケーシング31から取り外すと、ダイヤフラム34及びピストン体35等を支持している第1ダイヤフラム保持体32及び第2ダイヤフラム保持体33をガバナケーシング31から取り出して分解することができるので、ガバナ3の点検及び調整を簡単に行うことができる。
【0043】
尚、フィルタ5をフィルタ保持体71,72に対して挿脱することにより、調圧ユニットUをケーシング1内に設置した状態で、フィルタ5のみの着脱が可能であるので、フィルタ5のみの点検の際は、調圧ユニットUをケーシング1内に設置した儘でフィルタ5のみを取り出して、点検したり交換したりすることができる。
【0044】
つまり、パイロット圧制御部4からのパイロット圧を前記導圧路Lの入口に供給する供給路M(孔22)を、蓋体2のケーシング1に対する着脱に伴って、導圧路Lとの連通が断続される状態で、蓋体2に設けてある。
【0045】
次に、上述のように構成した埋設型の流体圧力調整装置の動作について説明する。
先ず、ガバナ3及びパイロット圧制御部4の動作について説明する。
一次側の流入口11から流入した高圧の一次側のガスは、図2中において、実線の矢印にて示すように、フィルタ5を通過して、調圧ユニットUのガバナケーシング31の上端開口部からガバナ3に流入する。そして、ガバナ3にて所定の圧力に減圧調整された二次側のガスは、図2中において、破線の矢印にて示すように、ガバナケーシング31の通流開口31eを通じて流出し、二次側の流出口12から流出する。
【0046】
ガバナ3においては、パイロット圧制御部4にて制御されるパイロット圧によって、截頭円錐形状側壁部32aに対するダイヤフラム34の接触面積が制御されることにより、通流孔32bの開口面積が調整されて、二次側のガス圧が減圧調整される。
ガバナ3においては、一次圧は、図2中において実線の矢印にて示すように、ダイヤフラム34の上面に印加さる。又、パイロット圧制御部4にて制御されたパイロット圧は、図2中において一点鎖線の矢印にて示すように、パイロット圧送出口42から送出されて、孔22、パイロット圧導圧管76、導圧孔31d及び導圧孔37aを順次通じて、パイロット圧室39に導入され、ダイヤフラム34の下面に印加される。
【0047】
制御用一次圧は、ガバナケーシング31の導圧孔31f、一次圧導圧管78、及び、蓋体2の孔23を順次通じて、一次圧導入口43からパイロット圧制御部4に導入される。又、制御用二次圧は、制御用二次圧供給管79、孔18,21を順次通じて、二次圧導入口41からパイロット圧制御部4に導入される。パイロット圧は、制御用一次圧及び制御用二次圧に基づいて制御される。
制御用二次圧が設定圧力よりも高い状態では、パイロット圧は、図2に示すような、ダイヤフラム34が通流孔32bを全閉する状態を維持する圧力(以下、全閉状態維持圧力と略記する)に制御される。制御用二次圧が設定圧力よりも低くなるほど、パイロット圧は前記全閉状態維持圧力よりも低くなるように制御される。パイロット圧が低くなるほど、ダイヤフラム34がパイロット圧室39側に押されるので、通流孔32bの開口面積が大きくなる。図6は、ダイヤフラム34がパイロット圧室39側に押されて、通流孔32bの一部が開口されている状態を示している。従って、一次側のガスは、通流孔32bの開口部分を通過して二次側に流出するのである。
【0048】
次に、緊急遮断弁6の動作について説明する。
監視用二次圧供給管80を通じて導入された監視用二次圧が、設定範囲内のときは、弁体駆動部63は、弁体61をスプリング65の付勢力に抗して弁座62から離間した状態に保持する。前記監視用二次圧が、前記設定範囲外になると、弁体駆動部63は弁体61の保持を解除するので、スプリング65の付勢力により、弁体61は弁座62に接触して閉弁するので、二次側へのガス供給が遮断される。
尚、制御用一次圧の導圧孔31fを、緊急遮断弁6の弁座62よりもガス通流方向下流側に設けてあるので、緊急遮断弁6が閉弁すると、パイロット圧制御部4に対する制御用一次圧の供給も遮断することができる。
【0049】
〔別実施例〕
次に別実施例を説明する。
▲1▼ 流入口11と流出口12をケーシング1の側部に形成する場合の、流入口11と流出口12との相対位置関係は、種々変更することができる。例えば、平面視において、流入口11及び流出口12夫々の軸芯が、同一線上に位置する相対位置関係、平行になる相対位置関係、あるいは、交差する相対位置関係に形成することができる。
【0050】
▲2▼ 流入口11と流出口12のいずれか一方を、ケーシング1の底部に形成してもよい。
【0051】
▲3▼ 上記実施例では、仕切り壁14を利用して、蓋体2に押されて調圧ユニットUを挿脱自在に嵌合させる受け部Dを形成する場合について例示したが、これに代えて、仕切り壁14と受け部Dとを別個に設けてもよい。例えば、受け部Dをケーシング1の底部の内周面に設けてもよい。
【0052】
尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】埋設型の流体圧力調整装置の分解縦断側面図
【図2】埋設型の流体圧力調整装置の縦断側面図
【図3】図1におけるイ−イ矢視図
【図4】埋設型の流体圧力調整装置の要部の縦断側面図
【図5】埋設型の流体圧力調整装置の要部の縦断側面図
【図6】埋設型の流体圧力調整装置のガバナ部分の縦断側面図
【図7】埋設型の流体圧力調整装置の設置状態を示す縦断側面図
【符号の説明】
1 ケーシング
2 蓋体
3 圧力調整弁
4 パイロット圧制御部
5 フィルタ
11 流入口
12 流出口
13 開口部
14 仕切り壁
17 挿脱用の開口部
31,37 ハウジング
61 弁体
62 弁座
63 弁体駆動部
74 付勢手段
76 管部分
31d,37a 流路部分
D 受け部
L 導圧路
M 供給路
U 調圧ユニット
Claims (4)
- 流入口(11)及び流出口(12)が側部に形成され、且つ、上部の開口部(13)を閉じる蓋体(2)を着脱自在に備えたケーシング(1)内に、調圧ユニット(U)が前記開口部(13)を通して挿脱自在に設けられ、
その調圧ユニット(U)は、流体の流れ方向に並べて配置する、縦姿勢の筒状のフィルタ(5)、そのフィルタ(5)の内部に位置する遮断弁構成用の弁座(62)、及び、前記フィルタ(5)の下部に位置するパイロット圧式の圧力調整弁(3)を、一体状態に組み付けて構成され、
前記弁座(62)に接触自在な遮断弁構成用の弁体(61)が、前記蓋体(2)に装着されるとともに、前記圧力調整弁(3)に供給するパイロット圧を制御するパイロット圧制御部(4)、及び、前記弁体(61)を作動させる弁体駆動部(63)が、前記蓋体(2)の外方側に装備され、
前記パイロット圧を前記圧力調整弁(3)に導く導圧路(L)が、前記調圧ユニット(U)に設けられ、
前記パイロット圧制御部(4)からのパイロット圧を前記導圧路(L)の入口に供給する供給路(M)が、前記蓋体(2)の前記ケーシング(1)に対する着脱に伴って、前記導圧路(L)との連通が断続される状態で、前記蓋体(2)に設けられている埋設型の流体圧力調整装置。 - 前記蓋体(2)に押されて前記調圧ユニット(U)が挿脱自在に嵌合される受け部(D)が、前記ケーシング(1)の内周面に設けられている請求項1記載の埋設型の流体圧力調整装置。
- 前記ケーシング(1)の内周面に、前記ケーシング(1)内を前記流入口(11)側と前記流出口(12)側とに仕切る仕切り壁(14)が設けられ、
前記仕切り壁(14)に、前記調圧ユニット(U)の挿脱用の開口部(17)、及び、前記受け部(D)が形成されている請求項2記載の埋設型の圧力調整装置。 - 前記導圧路(L)が、前記圧力調整弁(3)のハウジング(31),(37)に形成された流路部分(31d),(37a)と、上下方向に可動な状態で前記流路部分(31d),(37a)に連通接続される管部分(76)を備えて構成され、
前記管部分(76)を上方に付勢する付勢手段(74)が設けられている請求項1、2又は3記載の埋設型の圧力調整装置。
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