JP4216458B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技盤に設けられた発光遊技装置と、遊技の統括的な制御を行う遊技制御装置と、遊技制御装置からの装飾制御指令信号により前記発光遊技装置を制御する装飾制御装置と、前記遊技制御装置及び装飾制御装置に電力を供給する電源装置と、を備えた遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機やパチスロ機などの遊技機は、遊技店の島設備に設けた電源供給設備から交流24Vの電源がそれぞれ供給され、遊技機の電源供給装置では、この交流24Vの電源をブリッジダイオードにて構成される整流回路で直流に整流した後に、平滑回路で平滑して、定電圧回路で一定の電圧を出力する電源供給装置を有していた。この電源供給装置から出力される電源にリプル成分が多く含まれていると、電源供給装置から電源が供給される遊技制御装置等が誤動作するおそれがあるので、平滑回路には大容量の電解コンデンサを使用してリプル成分を十分に除去するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
遊技機の電源供給装置では、停電補償などのため上記したように平滑回路に大容量の電解コンデンサを使用しているので、電源投入時の電解コンデンサの充電の初期には大きな突入電流が流れてしまう。
【0004】
このため、多数の遊技機をほぼ同時に起動すると、各遊技機に大きな突入電流が生じ、島設備の電源供給設備が過負荷になる場合があるという問題があり、特に、停電補償回路を備えていない遊技機を、停電補償付きの遊技機へ更新する場合では、島の電源供給設備を更新しなければ、開店時などで一斉に遊技機の電源投入を行うことができず、このため、遊技機の更新に合わせて、島設備の電源供給設備を更新する必要が生じ、遊技店の設備投資が増大するという問題があった。
【0005】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、遊技機へ電源投入したときの突入電流を低減し、島設備の電源供給設備への負荷を低減可能な遊技機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、遊技盤に設けられた発光遊技装置と、遊技の統括的な制御を行う遊技制御装置と、該遊技制御装置から単方向でデータが通信され、前記遊技制御装置からの装飾制御指令信号により前記発光遊技装置を制御する装飾制御装置と、前記遊技制御装置及び装飾制御装置に電力を供給する電源装置と、を備えた遊技機において、前記電源装置は、交流電源を直流電源に変換する整流回路及び該整流回路の出力から一定の電圧を出力する複数の定電圧回路を有し、該複数の定電圧回路は、前記遊技制御装置に電力を供給する第1定電圧回路と、前記装飾制御装置に電力を供給する第2定電圧回路と、からなり、先に電力供給を開始した定電圧回路の安定を待ってから、次の定電圧回路による電力供給を開始することを特徴とする。
【0012】
【発明の効果】
したがって、本発明は、電源装置は、複数の定電圧回路を有し、先に電力供給を開始した定電圧回路の安定を待ってから、次の定電圧回路による電力供給を開始するので、遊技機の電源投入時に供給電圧の安定化を図りながらも、突入電流を大幅に低減することができ、遊技店では既存の電源供給設備を利用して、多数の遊技機を一斉に立ち上げることが可能となり、遊技店の設備投資を抑制することができるのである。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら以下に説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態の遊技機の全体の構成を示す正面図で、図2は、同じく背面図である。
【0020】
図1に示す遊技機(パチンコ遊技機)1はカード球貸ユニット90を併設したCR機である。遊技機1の前面枠3は本体枠(外枠)4にヒンジ5を介して開閉回動可能に組み付けられ、遊技盤6は前面枠3の裏面に取り付けられた収納フレームに収装される。
【0021】
遊技盤6の表面には、変動表示装置8、大入賞口を備えた変動入賞装置10、各入賞口11〜15、始動口16、普通図柄表示器7、普通変動入賞装置9が配設された遊技領域が形成される。前面枠3には、遊技盤6の前面を覆うカバーガラス18が取り付けられている。
【0022】
変動表示装置8(視覚的情報出力手段)は、表示領域に、左、中、右の三つの表示図柄(識別情報)が表示される。これらの表示図柄には「0」〜「9」までの各数字と、「A」〜「E」のアルファベット文字が割り当てられている。
【0023】
変動表示装置8は、始動口16へ遊技球の入賞があると、前述した数字、文字で構成される表示図柄が順に表示される。始動口16への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の特別図柄乱数カウンタ値が当たり値であるとき)には、大当り状態となり、三つの表示図柄が揃った状態(大当たり図柄)で停止する。このとき、変動入賞装置10の大入賞口が所定の時間(例えば30秒)だけ大きく開き、多くの遊技球を獲得することができる。
【0024】
この始動口16への遊技球の入賞は、特別図柄始動センサ52で検知される。この遊技球の通過タイミング(具体的には、入賞検出時点での遊技制御装置100内に備えられた特別図柄乱数カウンタの値)は、特別図柄入賞記憶として、遊技制御装置100内の所定の記憶領域(特別図柄乱数記憶領域)に、最大で連続した4回分を限度に記憶される。この特別図柄入賞記憶の記憶数は、変動表示装置8の下側に設けられた4つのLEDからなる特別図柄記憶状態表示器21に表示される。遊技制御装置100は、特別図柄入賞記憶に基づいて、変動表示装置8にて可変表示ゲームを行う。
【0025】
普通図柄表示器7は、普通図柄始動ゲート(図示省略)へ遊技球の入賞があると、普通図柄(例えば一つの数字からなる図柄)の変動表示を始める。普通図柄始動ゲートへの入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の普通図柄乱数カウンタ値が当たり値であるとき)には、普通図柄に関する当たり状態となり、普通図柄が当たり図柄(当たり番号)で停止する。このとき、始動口16の手前に設けられた普通変動入賞装置9が所定の時間(例えば0.5秒)だけ大きく開き、遊技球の始動口16への入賞可能性が高められる。
【0026】
この普通図柄始動ゲートへの遊技球の通過は、普通図柄始動センサ(図示省略)で検知される。この遊技球の通過タイミング(具体的には、遊技制御装置100内に備えられた普通図柄乱数カウンタの通過検出時点での値)は、普通図柄入賞記憶として、遊技制御装置100内の所定の記憶領域(普通図柄乱数記憶領域)に、最大で連続した4回分を限度に記憶される。この普通図柄入賞記憶の記憶数は、変動入賞装置10の右側に設けられた4つのLEDからなる普通図柄記憶状態表示器19に表示される。遊技制御装置100は、普通図柄入賞記憶に基づいて、普通図柄に関する当たりの抽選を行う。
【0027】
前面枠3の下部の開閉パネル20には球を打球発射装置に供給する上皿21が、固定パネル22には下皿23及び打球発射装置の操作部24等が配設される。
【0028】
カード球貸ユニット90には、前面のカード挿入部25に挿入されたカード(プリペイドカード等)のデータの読込、書込等を行うカードリーダライタと球貸制御装置が内蔵され、カード球貸ユニット用の操作パネル26は遊技機1の上皿21の外面に形成される。
【0029】
カード球貸ユニット用の操作パネル26には、球貸しを指令する球貸しスイッチ28と、カードの返却を指令するカード返却スイッチ30、カードの残高を表示するカード残高表示部等が設けられている。
【0030】
カバーガラス18の枠の上部には、点灯により球の排出の異常等を報知する第1報知ランプ31、第2報知ランプ32が設けられている。
【0031】
図2は、本発明の実施の形態の遊技機の全体の構成を示す背面図である。
【0032】
遊技盤6の裏面側には、大入賞口、各入賞口11〜15、始動口16に入賞した入賞球を案内する入賞球集合カバー(図示せず)が取り付けられている。
【0033】
前面枠3の収納フレームの裏面側には、裏機構盤60が取り付けられている。
【0034】
この裏機構盤60の中央部には、変動表示装置8等を制御する表示制御装置150、遊技制御装置100からの装飾制御指令信号により遊技盤6と前面枠3に設けられて発光遊技装置として例示される装飾用のランプ45.1〜45.N(図3参照)の点灯(発光)/消灯を制御する装飾制御装置200、スピーカ95の音響出力を制御する音制御装置300、遊技盤用外部端子41が遊技盤カバーの内部に配置されている。なお、本実施の形態においては、変動表示装置8や装飾用のランプ45.1〜45.Nなど、遊技機を取り扱う者が動作を視覚的に認識できるものを視覚的情報出力手段とし、スピーカ95等の遊技機を取り扱う者が聴覚によって認識できるものを聴覚的出力手段としている。
【0035】
また、裏機構盤60の中央部左側には、それぞれ独立した基板で構成された各制御装置(遊技制御装置100、表示制御装置150、装飾制御装置200、音制御装置300、排出制御装置400、発射制御装置550等)に供給する所定の電圧を発生する電源装置250が設けられている。
【0036】
裏機構盤60の開放軸側の上部には、ターミナル基板42が装着されている。このターミナル基板42には、遊技機1の外部(遊技店の島設備に配設される電源供給設備350)から24ボルトの交流電源を取り入れて電源装置250へ中継するとともに、電源スイッチ、過電流防止手段としてのヒューズ等が配置されており、遊技店の管理装置との間の外部信号線を接続する枠用外部情報出力部(外部ターミナル)42Aが配置されている。
【0037】
ターミナル基板42に接続される電源線はカールコードとなっており、遊技機の裏面において下方まで垂れ下がらないようになっている。また、この電源線の先端には電源コネクタが設けられおり、遊技店の島設備のAC24Vの電源供給用端子に接続される。
【0038】
さらに、裏機構盤60の上部には、遊技球を貯留する球貯留タンク61、球貯留タンク61の球を半端球検出センサ64を備えた樋ユニット部(半端センサユニット)63に導く誘導樋62が取り付けられている。誘導樋62及び樋ユニット部63には2条の流路が形成されている。
【0039】
裏機構盤60の右側には、樋ユニット部38の球を遊技機1の前面側の受皿に払い出す排出装置(排出ユニット600、流路切換ユニット700)が取り付けられている。
【0040】
裏機構盤60の下部には、遊技を統括的に制御する遊技制御装置100、排出ユニット600を制御する排出制御装置400、打球発射装置500、打球発射装置500を制御する発射制御装置550、カード球貸ユニット用中継基板43等が取り付けられている。
【0041】
カード球貸ユニット90はプリペイドカードにより遊技球を貸し出す。貸球の排出は、カード球貸ユニット90からカード球貸ユニット用中継基板43を経由して入力された貸球制御指令信号により、排出制御装置400により制御された球排出装置(排出ユニット600、流路切換ユニット700)によりなされる。
【0042】
打球発射装置500より遊技領域に発射された球が各入賞口11〜15、大入賞口に入賞すると、遊技制御装置100から賞球制御指令信号が排出制御装置400に送られ、排出制御装置400により排出ユニット600が駆動され、排出装置から所定数の賞球が排出される。
【0043】
図3は、本発明の実施の形態の遊技機の全体の構成を示すブロック図である。
【0044】
遊技制御装置100、装飾制御装置200、排出制御装置400は、それぞれ、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェース(I/F)で構成されており、例えば、遊技制御装置100はこれらの回路を集積したワンチップマイクロコンピュータ(制御手段)などで構成されている。
【0045】
遊技制御装置100には各種検出装置からの検出信号が入力され、入出力インターフェース(I/F)を介してCPUに入力される。これらの各種検出装置には、一般入賞口11〜15への入賞を検出する一般入賞口センサ51.1〜51.N、始動口16への入賞球の検出によって変動表示装置8による可変表示ゲームを開始するための特別図柄始動センサ52、球の検出によって普通変動入賞装置9の作動を決定するための普通図柄表示装置7の変動を開始させる普通図柄始動センサ53A、53B、大入賞口への入賞を検出するカウントセンサ54及び大入賞口継続センサ55、遊技盤前面のガラス枠の開放を検出する金属枠開放センサ56、排出ユニット600によって排出された遊技球が貯留過多となったことを検出するオーバーフローセンサ57、排出ユニット600への遊技球の供給が不十分であることを検出する半端球検出センサ64などが含まれる。
【0046】
遊技制御装置100のCPUは、これらの検出信号に基づいて、ROMに記録されたプログラム(遊技プログラム)を実行し、遊技の統括的な制御(遊技制御)を行う。具体的には、遊技制御装置100は装飾制御装置200、排出制御装置400にそれぞれ装飾制御指令信号、賞球制御指令信号を出力し、これらを制御する。なお、遊技制御装置100から装飾制御装置200、排出制御装置400へのデータは単方向で通信され、装飾制御装置200、排出制御装置400から遊技制御装置100へのデータの送信は行われないようになっている。
【0047】
また、遊技制御装置100は、大入賞口ソレノイド10A、普通変動入賞口ソレノイド9Aに制御信号を送信し、これらのソレノイドへの通電を制御することにより、特別変動入賞装置10、普通変動入賞装置9の開閉を制御する。さらに、普通図柄表示装置7に制御信号を送信し、この表示を制御する。
【0048】
また、遊技制御装置100は、賞球排出が正確に行われているかを監視する。具体的には、排出制御装置400へ賞球制御指令信号として送信した排出を指令した賞球数と、賞球検出センサ713A、713Bにより計数された実際の排出数が一致するかの監視及び賞球排出指令が送信されていないにも関わらず賞球排出がなされていないかの監視を行う。
【0049】
賞球排出指令信号が送信されていないにも拘わらず、賞球排出がされている等の異常が認められたときは、異常対応処理を行う。例えば、枠用外部情報出力部42Aから異常検出信号をホールコンピュータに出力し、装飾制御装置200に装飾制御指令信号を送信して、賞球異常報知LED31を点滅させて異常を報知する。あるいは、遊技制御の停止、打球発射の停止等により、遊技を強制的に中止させる。
【0050】
排出制御装置400には、排出された球を検出する賞球検出センサ713A、713Bからの検出信号が入力される。具体的には、排出ユニット600から賞球として排出された球を検出する賞球検出センサ713A、713Bの各検出信号と、排出ユニット600から貸球として排出された球を検出する貸球検出センサ714A、714Bの各検出信号とが入力される。そして、排出制御装置400は、賞球制御指令信号に基づいて、排出ユニット600からの遊技球の排出及び流路切換ユニット700における流路切換を制御する。また、排出制御装置400には、遊技制御装置100からの賞球制御指令信号とは別に、カードユニット90から貸球制御指令信号が入力される。排出制御装置400は、賞球制御指令及び貸球制御指令信号に基づいて排出ユニット600を制御し、排出球検出手段としての排出センサ(賞球検出センサ713A、713B、貸球検出センサ714A、714B)の検出信号を用いて、賞球及び貸球の排出を行う。
【0051】
なお、賞球検出センサ713A、713Bの各検出信号は、中継基板710を介して遊技制御装置100へも入力されている。
【0052】
遊技制御装置100、排出制御装置400は、通常動作中は、所定時間(2ミリ秒)間隔で発生するクロックパルスに基づいて(又は所定時間(2ミリ秒)のウェイトを設けることにより)呼び出される割込処理により、所定時間間隔で賞球検出センサ713A、Bの出力を読み込みカウンタ(確認カウンタ、貯留カウンタ)を減算する。
【0053】
また、遊技制御装置100、排出制御装置400の通常動作中に停電が発生すると、監視回路253により発生する停電検出信号に基づくNMI割込により、停電検出処理が実行される。
【0054】
遊技制御装置100では、ROM内に記録された遊技プログラムには、予めセキュリティコードが付され(埋め込まれ)ており、CPUは、電源投入直後に、このセキュリティコードと予め設定されたキーコードとを比較してセキュリティチェック(認証手段)を実行し、ROMの遊技プログラムが正当である場合にのみ遊技プログラムが実行可能となり、遊技プログラムに改竄などがあれば遊技プログラムが実行されないようになっている。同様に、排出制御装置400においても、ROM内に記録された排出制御のプログラムにもセキュリティコードが付されており、電源投入直後のセキュリティチェックの結果、ROMの排出制御プログラムが正当である場合にのみ、排出制御のプログラムが実行可能となる。
【0055】
装飾制御装置200には、遊技制御装置100からのランプを点灯(点滅)させる指令信号である装飾制御指令信号が入力され、各種ランプを点灯駆動する。具体的には、遊技制御装置100が遊技機1の異常を検出すると、異常報知ランプ31を点灯させる。また、遊技制御装置100から排出制御装置400に賞球制御指令信号が送られ、賞球の排出が始まると、賞球排出ランプ32を点灯させる。さらに、遊技機1が大当り状態となると、遊技に抑揚をつけるように、装飾ランプ45.1〜45.Nを点灯(点滅)させる。
【0056】
電源装置250は、電源回路251、監視回路253、バックアップ電源回路256を有している。
【0057】
遊技店の島設備に配設された電源供給設備350から、多数配置された遊技機1へ電力が供給されており、遊技機1が外部ターミナル42Aを介して受電した24ボルトの交流電源を、各制御装置(遊技制御装置100、排出制御装置400等)の動作に必要な直流電圧(30V等)に変換して、後述するように、各制御装置100、400等へブロック毎に供給する。
【0058】
図4は、本発明の実施の形態の電源装置250の主要部の構成を示す回路図である。
【0059】
遊技店の島設備に配設された電源供給設備350から、遊技機1が外部ターミナル42を介して受電した24ボルトの交流電源は、電源装置250の入力端子260に供給される。
【0060】
電源装置250は電気的遊技装置(変動表示装置8、変動入賞装置10、打球発射装置500、排出ユニット600、流路切換ユニット700等)、制御装置(遊技制御装置100、表示制御装置150、装飾制御装置200、音制御装置300、排出制御装置400、発射制御装置550等)に供給する所定の電圧を生成する。
【0061】
入力端子260から供給された24ボルトの交流電源は、4個の整流用ダイオードから構成された整流回路としてのブリッジダイオード261により24ボルトの直流に変換(整流)され、第1の定電圧回路160a〜第3の定電圧回路160cを構成する定電圧レギュレータ264a、264b、264cに、後述するように加えられる。
【0062】
ブリッジダイオード261と第1定電圧回路160aの定電圧レギュレータ264aとの間には、大容量の電解コンデンサ262aから構成される平滑回路が設けられており、ブリッジダイオード261から出力されたリプル成分を多く含んだ直流電源からリプル成分を除去する。
【0063】
同様に、第2定電圧回路160bの定電圧レギュレータ264bとブリッジダイオード261との間には、大容量の電解コンデンサ262bから構成される平滑回路が設けられ、また、第3定電圧回路160cの定電圧レギュレータ264cとブリッジダイオード261との間には、大容量の電解コンデンサ262cから構成される平滑回路が設けられ、それぞれブリッジダイオード261から出力されたリプル成分を多く含んだ直流電源からリプル成分を除去する。
【0064】
またこれら電解コンデンサ262a〜262cは、供給電圧(AC24V)の低下、故障等により、ブリッジダイオード261からの出力電圧が低下しても、遊技制御装置100等が必要なデータをバックアップするための僅かな時間、遊技制御装置100等に供給する電源を蓄えている。
【0065】
また、第1定電圧回路160a〜第3停電圧回路160cで平滑回路を構成する電解コンデンサ262a〜262cに並列して、発振防止用のコンデンサ263a〜263cがそれぞれ接続されている。
【0066】
定電圧レギュレータ264a、264b、264cは、平滑化された24Vの電源を所定の電圧(30V等)に変換する。
【0067】
定電圧レギュレータ264a、264b、264cの出力側には、出力の安定化のための電解コンデンサ265a、265b、265cがそれぞれ接続されており、定電圧レギュレータ264a、264b、264cの出力電圧が多少変動しても、安定した電圧を出力できるように構成されている。
【0068】
そして、各定電圧回路160a〜160cの出力側にも、電解コンデンサ265a〜265cに並列して、発振防止用のコンデンサ266a〜266cがそれぞれ接続されている。
【0069】
こうして、第1定電圧回路160aは、定電圧レギュレータ264a、と電解コンデンサ262a、265a及び発振防止用のコンデンサ263a、266aから構成され、第2定電圧回路160bは、定電圧レギュレータ264b、と電解コンデンサ262b、265b及び発振防止用のコンデンサ263b、266bから構成され、また、第3定電圧回路160cは、定電圧レギュレータ264c、と電解コンデンサ262c、265c及び発振防止用のコンデンサ263c、266cから構成される。
【0070】
ここで、第1定電圧回路160aの出力は、遊技制御装置100と排出制御装置にのみ供給され、第2定電圧回路160bの出力は、装飾制御装置200と表示制御装置150にのみ供給され、また、第3定電圧回路160cの出力は、音制御装置300、発射制御装置550及びその他の回路へ供給される。
【0071】
すなわち、第1定電圧回路160a〜第3定電圧回路160cの出力は、予め設定された制御装置のグループ毎に供給される
次に、定電圧レギュレータ264aを主体とする第1定電圧回路160aは、ブリッジダイオード261と直接接続されて電力の供給を常時受けるのに対し、第2定電圧回路160bとブリッジダイオード261との間には、第1定電圧回路160aの出力電圧に応じて駆動されて、第2定電圧回路160bへの通電を断続するリレー269aが配置され、定電圧レギュレータ264aの出力電圧が所定値まで立ち上がってから、リレー269aがONとなって、ブリッジダイオード261から第2定電圧回路160bへの通電が開始される。なお、リレー269aのコイル側に第1定電圧回路160aの出力側が接続される。
【0072】
さらに、第3定電圧回路160cとブリッジダイオード261との間には、第1定電圧回路160aの出力電圧に応じて駆動されるリレー269aと、第2定電圧回路160bの出力電圧に応じて駆動されて、第3定電圧回路160cへの通電を断続するリレー269bが直列に接続され、第1定電圧回路160aの出力電圧が所定値まで立ち上がってリレー269aがONとなり、ブリッジダイオード261から第2定電圧回路160bへの通電が開始され、さらに、第2定電圧回路160bの出力電圧が所定値まで立ち上がってリレー269bがONとなってから、初めて第3定電圧回路160cへの通電が開始される。なお、リレー269bのコイル側に第2定電圧回路160bの出力側が接続される。
【0073】
一方、電源装置250には、定電圧レギュレータで構成された第1〜第3定電圧回路160a〜160cに加えて、停電を検出するとともに、同期信号を発生する監視回路253が設けられる。
【0074】
ブリッジダイオード261の出力は分岐されて、監視回路253の停電検出回路161にも供給される。この停電検出回路161は電源電圧の低下を検出して制御装置100、400等に対して停電検出信号を送信し、バックアップ等の停電処理を開始させるものである。
【0075】
2つの抵抗271、272にて分圧された整流後の電源電圧は、電圧監視回路273にて、電圧監視回路273の内部で生成する基準電圧と比較され、この監視結果により所定の電圧より低くなったと判定されたなら、内部の出力トランジスタを閉じる。これによりプルアップ抵抗274により5ボルトが維持されていた出力はゼロボルトに低下する。この出力はパルス生成回路275に入力され、パルス生成回路275では制御装置100、400等に停電処理を行わせるように停電検出信号(所定時間(例えば、310ミリ秒)のパルス信号)を出力する。この停電検出信号はバッファ276を介して各制御装置に送出される。
【0076】
また、パルス生成回路275の出力は遅延回路277に入力され、パルス生成回路275から出力される停電検出信号がハイレベル(例えば、5V)まで立ち上がってから所定時間ΔTrを経過するまではロウレベル出力(例えば、0V)を維持した後、所定時間ΔTr経過後にハイレベル(例えば、5V)まで立ち上がるように設定され、この遅延回路277の出力が同期信号として、各制御装置(遊技制御装置100、表示制御装置150、装飾制御装置200、音制御装置300、排出制御装置400、発射制御装置550等)へ同期的に送出される。
【0077】
以上のように構成されて、次に作用について説明する。
【0078】
図4のように構成された電源装置250の入力端子260に、島の電源供給設備350から供給される24ボルトの交流を投入すると、電源回路251のブリッジダイオード261から整流された直流が出力され、第1定電圧回路160aと監視回路253への通電が開始される。
【0079】
第1定電圧回路160aでは、平滑回路の電解コンデンサ262a及び発振防止のコンデンサ263aへのチャージが完了すると、定電圧レギュレータ264aへの電圧も所定値まで上昇して所定の出力(30V)の供給を開始し、第1定電圧回路160aの出力側に設けた電解コンデンサ265aと発振防止用のコンデンサ266aにチャージが行われる。
【0080】
そして、各コンデンサへのチャージが完了すると、第1定電圧回路160aの出力電圧が所定値(30V)まで上昇して、接続された遊技制御装置100と排出制御装置400の駆動可能となる。
【0081】
同様に、遊技機1の電源が投入されると、電源回路251のブリッジダイオード261から監視回路253にも通電が開始され、電圧監視回路273、パルス生成回路275も起動して、電圧監視回路273が所定の電圧を超えたことを判定すると、停電検出信号は通電中を示す所定の電圧(5V)に立ち上がる。なお、遅延回路277からの同期信号は、後述するように、停電検出信号が立ち上がってから所定時間ΔTr後にハイレベルとなる。
【0082】
すなわち、遊技制御装置100と排出制御装置400は、第1定電圧回路160aからの電力供給開始によってそれぞれ駆動可能となるものの、この時間T1の時点では同期信号がロウレベルであるため、ΔTrを経過するまでは、各制御装置のCPUは同期的に稼働せず、それぞれセキュリティチェック、イニシャライズなどの初期化処理を行う。
【0083】
すなわち、図5のタイミングチャートで示すように、時間T0で遊技機1の電源投入が行われると、第1定電圧回路160aの出力は各コンデンサへのチャージ等が完了する時間T1で、所定の出力電圧(30V)に達し、この時間T1あるいは時間T1の近傍で停電検出信号が通電中を示す値となる。
【0084】
そして、この時間T1から、第1停電圧回路160aより電力の供給を受ける遊技制御装置100のCPU、排出制御装置400のCPUが起動して、上記セキュリティチェックやイニシャライズなどの初期化処理の実行を開始するが、同期信号がハイレベルとなるまでは、相互に通信することはなく、同期は取られていない。
【0085】
時間T1からは、第1定電圧回路160aの出力電圧が所定値まで上昇したため、リレー269aがONとなり、時間T2ではブリッジダイオード261から第2定電圧回路160bへの通電が開始される。なお、時間T1、T2の差は、リレー269a等の応答速度に応じて決定される。
【0086】
そして、第2定電圧回路160bの各コンデンサへのチャージが完了する時間T3では、第2定電圧回路160bに接続された装飾制御装置200、表示制御装置150が起動する。
【0087】
しかし、上記したように、この時間T3の時点では同期信号がロウレベルであるため、ΔTrを経過するまでは、各制御装置は初期化処理を行った後に、同期信号がハイレベルになるのを待つ。
【0088】
時間T3からは、第2定電圧回路160bの出力電圧が所定値まで上昇したため、リレー269bがONとなり、時間T4ではブリッジダイオード261から第3定電圧回路160cへの通電が開始される。
【0089】
そして、第3定電圧回路160cの各コンデンサへのチャージが完了する時間T5では、第3定電圧回路160bに接続された音制御装置300、発射制御装置装飾制御装置550及びその他の回路が起動する。上記と同様に、この時間T5では、音制御装置300及び発射制御装置装飾制御装置550はそれぞれ独立して初期化処理を行い、その後、同期信号がハイレベルになるのを待つ。
【0090】
時間T5で第1〜第3定電圧回路160a〜160cの出力電圧が所定値に立ち上がった後の時間T6では、遅延回路277でカウントした所定の時間ΔTrが経過することによって、同期信号がハイレベルに変化し、電源装置250から電力の供給を受ける各制御装置が相互に通信を開始して同期を取って処理の実行を開始することができるのである。
【0091】
ここで、上記図5のタイミングチャートに示した起動時における遊技制御装置100のCPUと賞球及び貸し球を制御する排出制御装置400のCPUの起動処理の一例について、図6のフローチャートを参照しながら説明する。なお、図6のフローチャートは、遊技制御装置100及び排出制御装置400のCPUがそれぞれ独立して実行するものである。
【0092】
遊技制御装置100のCPUと、排出制御装置400のCPUは、第1定電圧回路160aの出力が所定値となった時間T1で起動し、まず、ステップS1で、上記したように、ROM内の遊技プログラムに付されたセキュリティコードと、所定のキーコードを比較してセキュリティチェックを行う。
【0093】
セキュリティチェックの後には、ステップS2でCPUのレジスタやインターフェース等をイニシャライズする初期化処理を行ってから、ステップS3で同期信号がハイレベルになるのを待つ。
【0094】
上記図5のタイミングチャートで示したように、順次電源が投入されて各停電圧回路160a〜160cの出力が所定値となった後に、同期信号がハイレベルになると、ステップS4へ進んで遊技の制御を開始する。
【0095】
一方、表示制御装置150や装飾制御装置200のCPUでは、図7に示すように、ステップS2でCPUのレジスタやインターフェースのイニシャライズを行った後、ステップS3で同期信号がハイレベルになるのを待つ。
【0096】
各停電圧回路160a〜160cの出力が所定値となった後に、同期信号がハイレベルになると、ステップS4へ進んで遊技の制御を開始する。
【0097】
こうして、リレー269a、リレー269bを介して並列的にブリッジダイオード261と接続された第1〜第3定電圧回路160a〜160cは、順次所定の時間差をおいて通電が開始され、かつ、ひとつの定電圧回路が立ち上がった後に、次の定電圧回路へ通電が開始されることになり、遊技機1の電源投入時に生じる突入電流を大幅に低減することができ、遊技店では既存の電源供給設備350を利用して、多数の遊技機1を一斉に立ち上げることが可能となって、遊技店の設備投資を抑制することができるのである。また、先に電力供給を開始した定電圧回路の安定を待ってから、次の定電圧回路による電力供給を開始するので、電源投入時に供給電圧の安定化を図りながらも、突入電流の低減を実現することができる。
【0098】
さらに、同期信号は、第1〜第3定電圧回路160a〜160cの出力電圧が所定値に達するまで、ロウレベル出力を維持した後にハイレベル出力へ変化するように、停電検出信号が通電中となってから所定時間ΔTrだけ遅延するようにしたため、各制御装置間で出力電圧の立ち上がる時間が異なっても、制御装置同士を確実に同期させることが可能となり、信頼性を確保することができるのである。
【0099】
加えて、起動する順序を、遊技の統括を行う遊技制御装置100と球の制御を行う排出制御装置400へ電力の供給を行う第1定電圧回路160aへの通電を、他の制御装置への電力の供給を行う停電圧回路(停電圧回路160b、160c)よりも先に通電することで、遊技制御装置100と排出制御装置400の起動開始を他の制御装置よりも早めることができるので、その時間差をセキュリティチェックのための時間として、遊技機全体の初期化に必要な時間を短縮することができる。
【0100】
なお、セキュリティチェックの時間が比較的短時間であれば、遊技制御装置100と球の制御を行う排出制御装置400へ電力の供給を行う第1定電圧回路160aよりも、変動表示装置8を駆動する表示制御装置150及び装飾制御装置200へ電力の供給を行う第2定電圧回路160bへ先に通電するようにしてもよい。このような構成であれば、表示制御装置150や装飾制御装置200を早期に駆動開始させることにより、変動表示装置8や装飾ランプ45も駆動開始が早くなり、その結果、遊技機1への電源投入操作から電源投入による通電確認までの時間が短縮される。
【0101】
図8、図9は第2の実施形態を示し、前記第1実施形態のリレー269a、リレー269bの駆動を、マイクロコンピュータを主体に構成されたコントローラ280によってそれぞれ制御するように変更したもので、その他の構成は前記第1実施形態と同様である。
【0102】
コントローラ280は、リレー269aとリレー269bのコイル側を独立して励磁可能に接続され、図9に示すフローチャートに基づいて電源投入時の起動処理を行う。
【0103】
まず、ステップS11では、タイマ1、2のリセットなどコントローラ280の初期化を行ってから、ステップS12でタイマ1の値が、所定の時間T1を経過したかを判定する。
【0104】
この所定の時間T1は、前記第1実施形態の図5で示したように、電源投入の時間T0から第1定電圧回路160aの出力電圧が所定電圧(30V)に達するまでの時間に設定される。
【0105】
所定の時間T1が経過していなければ、ステップS13へ進んでタイマ1の加算を行い、さらに、ステップS12の判定を繰り返す。
【0106】
そして、所定時間T1が経過するとステップS14へ進んでリレー269aをONにし、第2定電圧回路160bへの通電を開始する。
【0107】
次に、ステップS15では、タイマ2の値が、所定の時間T3を経過したかを判定する。
【0108】
この所定の時間T3は、前記第1実施形態の図5で示したように、電源投入の時間T0から第2定電圧回路160bの出力電圧が所定電圧(30V)に達するまでの時間に設定される。
【0109】
所定の時間T3が経過していなければ、ステップS16へ進んでタイマ2の加算を行い、さらに、ステップS15の判定を繰り返す。
【0110】
そして、所定時間T3が経過するとステップS17へ進んでリレー269bをONにし、第3定電圧回路160cへの通電を開始する。
【0111】
この場合でも、前記第1実施形態と同様に、リレー269a、リレー269bを介して並列的にブリッジダイオード261と接続された第1〜第3定電圧回路160a〜160cは、順次所定の時間差をもって通電が開始され、かつひとつの定電圧回路が立ち上がった後に、次の定電圧回路へ通電が開始されることになり、遊技機1の電源投入時に生じる突入電流を大幅に低減することができ、遊技店では既存の電源供給設備350を利用して、多数の遊技機1を一斉に立ち上げることが可能となって、遊技店の設備投資を抑制することができるのである。
【0112】
さらに、コントローラ280では、タイマ1、2のしきい値である所定時間T1、T3を任意に変更することが可能であるため、第1〜第3定電圧回路160a〜160cの回路定数の設計変更などに起因する起動時間の変化を容易に吸収することができ、回路設計の自由度を向上させることができる。
【0113】
また、遊技制御装置100と排出制御装置400では、セキュリティチェックを実行するため、他の制御装置に比して起動に要する時間が若干長くなる。そこで、セキュリティチェックに要する時間だけタイマ1の所定値T1で調整することで、最適なタイミングで定電圧回路を起動することができる。
【0114】
図10は、第3の実施形態を示し、前記第1実施形態がブリッジダイオード261の後段で、各定電圧回路への通電入力を制御したのに対し、各定電圧回路ごとにブリッジダイオードを設け、各ブリッジダイオードの前段、換言すれば交流側で通電を制御したものである。
【0115】
第1定電圧回路160a’及び停電検出回路161は、前記第1実施形態と同様に、常時入力端子260と接続されたブリッジダイオード261から電力の供給を受け、遊技制御装置100と排出制御装置400へ所定の電圧(30V)を供給する。
【0116】
装飾制御装置200と表示制御装置150へ電力を供給する第2定電圧回路160b’は、出力電圧がDC18Vへ変更され、また、第2定電圧回路160b’は、入力端子260との間にリレー269aを設けたブリッジダイオード261aから直流の供給を受ける点が前記第1実施形態と異なる。
【0117】
また、リレー269aは、前記第1実施形態と同様に、コイル側が第1定電圧回路160aの出力側に接続されて、第1定電圧回路160a’の出力電圧が所定値(30V)になると、リレー269aがONとなって、ブリッジダイオード261aから第2定電圧回路160b’への通電が開始されるように設定される。
【0118】
音制御装置300と発射制御装置550及びその他の回路へ電力を供給する第3定電圧回路160c’は、出力電圧がDC12Vへ変更され、また、第3定電圧回路160c’は、入力端子260との間にリレー269bを設けたブリッジダイオード261bから直流の供給を受ける点が前記第1実施形態と異なる。
【0119】
また、リレー269bは、前記第1実施形態と同様に、コイル側が第2定電圧回路160b’の出力側に接続されて、第2定電圧回路160b’の出力電圧が所定値(18V)になると、リレー269bがONとなって、ブリッジダイオード261bから第2定電圧回路160c’への通電が開始されるように設定される。
【0120】
この場合では、電圧の異なる制御装置毎に第1定電圧回路160a’〜第3定電圧回路160c’と接続する制御装置を設定することができ、独立して取り付けられる各制御装置の設計の自由度を向上させることができる。
【0121】
また、この意場合でも、起動する順序を、遊技の統括を行う遊技制御装置100と球の制御を行う排出制御装置400へ電力の供給を行う第1定電圧回路160a’への通電を、他の制御装置への電力の供給を行う停電圧回路(停電圧回路160b、160c)よりも先に通電することで、遊技制御装置100と排出制御装置400の起動開始を他の制御装置よりも早めることができるので、その時間差をセキュリティチェックのための時間として、遊技機全体の初期化に必要な時間を短縮することができる。
【0122】
なお、セキュリティチェックの時間が比較的短時間であれば、遊技制御装置100と球の制御を行う排出制御装置400へ電力の供給を行う第1定電圧回路160aよりも、変動表示装置8を駆動する表示制御装置150及び装飾制御装置200へ電力の供給を行う第2定電圧回路160bへ先に通電するようにしてもよい。このような構成であれば、表示制御装置150や装飾制御装置200を早期に駆動開始させることにより、変動表示装置8や装飾ランプ45も駆動開始が早くなり、その結果、遊技機1への電源投入操作から電源投入による通電確認までの時間が短縮される。
【0123】
図11は、第4の実施形態を示し、前記第3実施形態のリレー269a、リレー269bを、それぞれ第2定電圧回路160b’、第3定電圧回路160c’の出力側に配置するとともに、各定電圧回路160a〜160cへの入力を、ひとつのブリッジダイオード261から行うようにしたもので、その他の構成は前記第3実施形態と同様である。
【0124】
第2定電圧回路160b’の出力側に配置されたリレー269aは、コイル側を第1定電圧回路160a’の出力側に接続して、第1定電圧回路160a’の出力電圧が所定値(30V)になると、リレー269aがONとなって、第2定電圧回路160b’の出力が装飾制御装置200と表示制御装置150へ接続されるように設定される。
【0125】
第3定電圧回路160c’の出力側に配置されたリレー269bは、コイル側を第2定電圧回路160b’の出力側に接続して、第2定電圧回路160b’の出力電圧が所定値(18V)になると、リレー269bがONとなって、第3定電圧回路160c’の出力が音制御装置300や発射制御装置550へ接続されるように設定される。
【0126】
この場合も、前記第3実施形態と同様に、電圧の異なる制御装置毎に第1定電圧回路160a’〜第3定電圧回路160c’と接続する制御装置を設定することができ、独立して取り付けられる各制御装置の設計の自由度を向上させることができる。
【0127】
図12は、第5の実施形態を示し、前記第1実施形態の各定電圧回路160a〜160cを、各制御装置にそれぞれ配設するとともに、各定電圧回路とリレー269a、269bまでの電源回路251を別々に構成したもので、その他の構成は前記第1実施形態と同様である。
【0128】
第1定電圧回路160aの出力は遊技制御装置100に配設され、第2定電圧回路160bの出力は装飾制御装置200に配設され、第3定電圧回路160cの出力は表示制御装置150に配設されている。なお、排出制御装置400、発射制御装置550、音制御装置300等も、それぞれ停電圧回路(図示せず)を配設し、これら定電圧回路は電源回路251側にそれぞれ設けたリレー(図示せず)を介してブリッジダイオード261と並列的に接続される。
【0129】
この場合では、第1定電圧回路160aから順次所定の時間差で出力電圧が所定値に達し、遊技機1の電源投入の際に生じる突入電流を低減できる。また、各定電圧回路と制御装置(負荷)は一対一で接続され、かつ、各定電圧回路は電源回路251から独立した基板で各制御装置と一体的に構成しているので、電源装置250の設置スペースが確保できない場合では、遊技機1内で電源回路251と各定電圧回路を分離して配置することで設計の自由度を向上させることができる。
【0130】
図13は、第6の実施形態を示し、前記第1実施形態の各定電圧回路の出力電圧を、12V、18V、5Vとし、各制御装置に必要な電圧を供給するようにしたものである。
【0131】
第1定電圧回路160a’は出力電圧が12Vに設定され、第2定電圧回路160b’は出力電圧が18Vに、第3定電圧回路160c’は出力電圧が5Vに設定され、第2定電圧回路160b’と第3定電圧回路160cの入力側には、前記第1実施形態と同様のリレー269a、296bが配置されて、12Vが立ち上がった後に、18Vが立ち上がり、最後に、5Vが立ち上がってから同期信号が出力される。
【0132】
遊技制御装置100等の各制御装置に、複数の電圧が必要な場合には、定電圧回路を電圧毎に立ち上げることで、遊技機1を起動する際の突入電流を低減できる。
【0133】
なお、上記実施形態において、同期信号によって各制御装置の遊技開始の同期を取ったが、この同期信号を各制御装置のCPUをリセットするための信号として利用することにより、各制御装置の同期を取るようにしてもよい。
【0134】
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の遊技機全体の構成を示す正面図である。
【図2】同じく遊技機全体の構成を示す背面図である。
【図3】同じく遊技機全体の構成を示すブロック図である。
【図4】同じく電源装置の構成を示す回路図である。
【図5】電源投入時のタイミングチャートである。
【図6】遊技制御装置または排出制御装置で行われる起動処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】表示制御装置などで行われる起動処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施形態を示し、電源装置の回路図である。
【図9】同じくコントローラで行われる制御の一例を示すフローチャートである。
【図10】第3の実施形態を示し、電源装置の回路図である。
【図11】第4の実施形態を示し、電源装置の回路図である。
【図12】第5の実施形態を示し、電源装置の回路図である。
【図13】第6の実施形態を示し、電源装置の回路図である。
【符号の説明】
1 遊技機
3 前面枠
4 本体枠
5 ヒンジ
6 遊技盤
8 変動表示装置
60 裏機構盤
90 カード球貸ユニット
100 遊技制御装置
150 表示制御装置
160a〜160c 第1〜第3定電圧回路
161 停電検出回路
200 装飾制御装置
250 電源装置
251 電源回路
260 入力端子
261 ブリッジダイオード
262a〜262c 電解コンデンサ
264a〜264c 定電圧レギュレータ
265a〜265c 電解(安定化)コンデンサ
266a〜266c コンデンサ
269a、b リレー
273 電圧監視回路
275 パルス生成回路
280 コントローラ
300 音制御装置
350 電源供給設備
400 排出制御装置
500 打球発射装置
550 発射制御装置
600 排出ユニット
700 流路切換ユニット
Claims (1)
- 遊技盤に設けられた発光遊技装置と、
遊技の統括的な制御を行う遊技制御装置と、
該遊技制御装置から単方向でデータが通信され、前記遊技制御装置からの装飾制御指令信号により前記発光遊技装置を制御する装飾制御装置と、
前記遊技制御装置及び装飾制御装置に電力を供給する電源装置と、
を備えた遊技機において、
前記電源装置は、交流電源を直流電源に変換する整流回路及び該整流回路の出力から一定の電圧を出力する複数の定電圧回路を有し、
該複数の定電圧回路は、前記遊技制御装置に電力を供給する第1定電圧回路と、前記装飾制御装置に電力を供給する第2定電圧回路と、からなり、
先に電力供給を開始した定電圧回路の安定を待ってから、次の定電圧回路による電力供給を開始することを特徴とする遊技機。
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