JP4216286B2 - 電流計測回路及びその集積回路素子 - Google Patents

電流計測回路及びその集積回路素子 Download PDF

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Description

本発明は、電力回路や電子機器等の電気回路に流れる電流を計測する電流計測回路に関し、高精度かつ広い測定レンジでの電流計測を実現する電流計測回路に関する。
電気回路に流れる電流の計測方法として、シャント抵抗器の両端の電圧降下を測定する方法が知られている。シャント抵抗器を用いる場合は、被計測電流と抵抗Rの積である電圧Vを検出することで被計測電流iを測定する。この方式によるマルチテスタ等では、例えば、異なる値の抵抗Rをスイッチで切り替えることにより被計測電流の大小に対応する。
また、カレントトランスを利用する方法、ホール素子を利用する方法等もある。
さらに、特許文献1及び2では、被計測電流iをFET(Field Effect Transisor)のドレイン・ソース間に流し、FETのドレイン・ソース間電圧Vdを測定することにより被計測電流を測定する方法を開示している。これは、FETのドレイン・ソース間のオン抵抗Ronがドレイン電流の変化に対してほぼ一定であるという特性を利用している。
上記のFET方式では、ゲート電圧によりオン抵抗を所定値に設定する。従って、被計測電流の大きさに応じて測定に適した出力電圧が得られる所定のオン抵抗とするためにゲート電圧を調整する。よって、ゲート電圧により被計測電流の大小に対応できる。
特開平6−201738号公報 特開平7−198758号公報
しかしながら、従来の電流計測方法はいずれも測定レンジに制限があり、例えば1μA〜100Aといった広範囲の電流を1つの回路で測定可能なものは実現されていない。
シャント抵抗器において一定の抵抗値を用いる場合は、その抵抗値に対して十分大きな電流であれば高い精度で被計測電流iを測定することができるが、微小電流の測定時には電圧Vが小さくなり、高精度の電流測定は困難となる。また、一定の抵抗値(例えば1Ω)の測定レンジ(例えば1〜10A)において、シャント抵抗器で発生する電力損失iRの変化(例えば1〜100W)は非常に大きく、特に大電流では大きな電力損失となる。さらに、測定レンジ切り替えのために複数の抵抗値を切り替えるとき、電流路が遮断される。またさらに、マルチテスタ等では、大電流を測定する場合はスイッチ接点の電流容量の制限や接触抵抗の影響があるため、大電流測定用にスイッチ接点のない専用の端子を備えている。従って、大電流測定の場合には専用の端子に接続し替える操作が必要となり煩雑である。
カレントトランスやホール素子を利用する方法は、電流が発生する磁界の強さに基づいて電流計測するため、大きな電流領域では出力電圧の飽和により、また小さな電流領域では測定精度によって測定レンジが制限されることとなる。
FETのドレイン・ソース間電圧Vdによって電流を測定する方法では、FETの特性により大電流領域でオン抵抗Ronが一定領域ではなくなることにより測定レンジが制限され、小さな電流領域では測定精度によって測定レンジが制限されることとなる。
また、FET方式では、測定精度を高めるためには、ドレイン・ソース間のオン抵抗Ronを高精度に設定しなければならないが、オン抵抗Ronを決定するゲート電圧をどのように高精度に設定しても、オン抵抗Ronは一意に決定されない。これは、個々のFETの特性にばらつきがあることに起因しているため、1個のFETのみを用いる限り、ゲート電圧の精度を高めることによってはオン抵抗Ronの高精度化は達成できない。
さらに、FET個体の特性上、ゲート電圧をパラメータとしたドレイン・ソース間電圧Vdとドレイン電流との関係は非線形である。これは、ゲート電圧及びドレイン電流のいずれの変動に対しても、オン抵抗Ronが非線形に変動することを意味する。FET一個体のみでこの本質的な非線形性を解消することは不可能である。
またさらに、ドレイン・ソース間のオン抵抗Ronの温度特性は正特性を有するため、同一ゲート電圧であっても温度によりオン抵抗Ronは変化する。この温度変化についてもFET一個体のみでは対処できない。これらの要因から、FETのドレイン・ソース間電圧Vdによる電流計測方法の高精度化は困難であった。
斯かる現状に鑑み本発明は、簡易な構成によって広範囲の測定レンジと容易な測定操作を実現した高精度の電流計測回路を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するべく本発明は以下の構成を提供する。
(1)請求項1に係る電流計測回路は、被計測電流(i)がソース電流(iS1)またはドレイン電流として流れるべく構成された第1FET(Q1)と、
計測用電流(iS2)がソース電流またはドレイン電流として流れるべく構成された第2FET(Q2)と、
第1及び第2の2つの入力端と第1の出力端とを備え、該第1及び第2の入力端のうち一方の入力端に前記第1FET(Q1)のソース電位またはドレイン電位が印加され、該第1の出力端に前記第1FET(Q1)及び前記第2FET(Q2)の各ゲート電位を制御するための第1制御電位を出力するべく、所定の増幅率もつ増幅器として構成された第1のフィードバック手段(OP1)と、
第3及び第4の2つの入力端と第2の出力端とを備え、該第3及び第4の入力端のうち一方の入力端に基準電位として前記第1FET(Q1)のソース電位またはドレイン電位が印加されると共に他方の入力端に前記第2FET(Q2)のソース電位またはドレイン電位が印加され、該第2の出力端に該第2FET(Q2)のソース電位またはドレイン電位を制御するための第2制御電位を出力するべく、さらに計測用抵抗の一端に該第2制御電位に応じた電位が印加されると共に該計測用抵抗の他端が該第2FET(Q2)のソース電位またはドレイン電位を与えるべく、所定の増幅率をもつ増幅器として構成された第2のフィードバック手段(OP2)と、を有し、
前記第1のフィードバック手段(OP1)は、前記被計測電流(i)により前記第1FET(Q1)のソース電位またはドレイン電位が発生したとき、該被計測電流(i)の変化に応じて該第1FET(Q1)のソース電位またはドレイン電位、該第1制御電位、及び該第1FET(Q1)のオン抵抗がそれぞれ変化して所定の値となるように動作し、
前記第2のフィードバック手段(OP2)は、前記第2FET(Q2)のソース電位またはドレイン電位を前記基準電位と同電位とするように動作し、
前記第2制御電位に起因して前記計測用抵抗及び前記第2FET(Q2)に前記計測用電流(iS2)が流れ、該計測用抵抗の電圧降下により前記被計測電流(i)の計測を行うことを特徴とする。
(2)請求項2に係る電流計測回路は、請求項1において、前記第1制御電位により制御される前記第1FET(Q1)及び前記第2FET(Q2)の各ゲート電位を調整するための手段(VR1)をさらに有することを特徴とする。
)請求項に係る電流計測回路は、請求項1において、所定のバイアス電位を生成するための手段(VR2)をさらに有し、
前記第1フィードバック手段は、前記第1及び第2の入力端のうち他方の入力端に前記バイアス電位に応じた電位が印加されるように構成されており、該バイアス電位に応じて前記第1制御電位をオフセットさせることにより、前記被計測電流(i)が流れ始めるときに前記第1FET(Q1)及び前記第2FET(Q2)がオン状態となっているように各ゲート電位を制御することを特徴とする。
)請求項に係る電流計測回路は、請求項1において、前記第2制御電位をエミッタ接地回路により増幅した出力電位を用いて前記第2FETのソース電位またはドレイン電位を制御することを特徴とする。
)請求項に係る電流計測回路は、請求項1〜7のいずれかにおいて、前記第1FET及び前記第2FETのドレインを接地することを特徴とする。
)請求項に係る集積回路素子は、請求項1〜のいずれかの電流計測回路を内蔵したことを特徴とする。
(1)請求項1に係る電流計測回路では、第1及び第2の2つのFETを用い、第1FETのソースとドレインの間のソース電流(またはドレイン電流)として被計測電流が流れる。ここで、「ソース電流」はドレイン接地の場合のソース・ドレイン間電流を称しており、「ドレイン電流」はソース接地の場合のドレイン・ソース間電流を称している。本発明の原理は、被計測電流が第1FETのソースからドレインへ流れるように接続した場合も、その逆に流れるように接続した場合も同様である。以下、説明の便宜上、ドレイン接地の場合を例に説明する。
本回路では、均衡状態における第1FETのソース電流と第2FETのソース電流とが比例するように、第1FET及び第2FETの特性が選択されている。この比例関係を実現し、かつ第1FET及び第2FETの非線形特性による測定精度への影響を解消するように第1と第2の2つのフィードバック手段を組み合わせており、その結果、第2フィードバック手段の出力である第2制御電位を用いて計測を行うことができる。
先ず、第1のフィードバック手段は、被計測電流が流れる第1FETのソース・ドレイン間のオン抵抗による電圧降下に相当する第1FETのソース電位が入力される。そして、第1フィードバック手段は、第1FETのソース電位を均衡状態とするように、第1FETのゲート電位を制御するための第1制御電位を出力する。この第1制御電位によりゲート電位が決定されて第1FETのソース・ドレイン間抵抗が所定の値となり、その結果、ソース電位が変化して再び第1フィードバック手段に入力される。例えば、第1制御電位が上がりゲート電位が上がるとソース・ドレイン間抵抗は小さくなってソース電位が下がり、第1フィードバック手段の出力である第1制御電位も下がる。このフィードバック動作により、一定の被計測電流において第1FETのソース電位、ゲート電位及びソース・ドレイン間抵抗がそれぞれ一定の値をとり均衡状態となる。
一方、第1フィードバック手段の出力である第1制御電位は、第2FETのゲート電位も制御する。これにより、第1FETと第2FETの各々のゲート電位は基本的に同電位となる。
(2)請求項2に係る電流計測回路では、第1FET及び第2FETの各ゲート電位を調整する手段を設けている。第1FETと第2FETとは、理想的にはゲート電位変化に対するオン抵抗の変化特性が完全に同一であるように選択され、その場合には両FETのゲート電位を完全に同電位とすることができる。しかしながら、2つのFETの特性を理想的に一致させることは事実上困難であり、コスト高にもなる。従って、調整手段を設けることにより、少なくとも1つの計測レンジにおいて両FETのオン抵抗の変化特性を同じとすることができる。
第2フィードバック手段は2つの入力を有し、一方の入力には第1FETのソース電位が基準電位として印加され、他方の入力には第2FETのソース電位が印加される。そして第2フィードバック手段の出力である第2制御電位は、第2FETのソース電位を制御する。よって、第2制御電位は、第2FETのソース電位を基準電位すなわち第1FETのソース電位と同電位とするように制御し、制御された第2FETのソース電位が再び第2フィードバック手段に入力される。このフィードバック動作により均衡状態となったとき、第1FETと第2FETの各々のソース電位は同電位となる。
本回路の第1及び第2フィードバック手段により均衡状態が達成されたとき、第1FETと第2FETのゲート電位同士及びソース電位同士はいずれも基本的に同電位となる。このときの第2制御電位を用いて計測を行うことができる。
均衡状態における第1FETのソース電流(被計測電流)と第2FETのソース電流との比は、被計測電流が変化しても一定に保持される。第1FETと第2FETは、この比例関係を保持する特性をもつように選択されている。一対の第1FETと第2FETの組合せがこの関係を保持する限りにおいて、第1FET(または第2FET)自体の個体特性のばらつきを考慮する必要はなくなる。
また、被計測電流が変化すると、第1FETのソース電位が変化し、それによりゲート電位が変化し、ソース・ドレイン間抵抗も変化するが、例えば、被計測電流が大きくなればゲート電位が上がりソース・ドレイン間抵抗が小さくなる傾向で変化する。このことは、被計測電流が大きくなってもソース・ドレイン間抵抗が小さくなることで第1FETにおける電力消費が大きく増大しない、つまり電力消費の自己制御機構を有することを意味する(第2FETについても同様)。この点で、一定の抵抗値の両端電圧降下を測定する従来のシャント抵抗方式に対して大きな利点がある。
)請求項に係る電流計測回路では、第1フィードバック手段の他方の入力端にバイアス電位に応じた電位を印加する。従って、その出力である第1制御電位は、第1FETのソース電位を反映した電位に対しさらにバイアス電圧を反映した電位を重畳したものとなる。このような第1制御電位を用いて第1FETと第2FETのゲート電位を制御することにより、所定の計測レンジにおける最小電流に対しても第1FET及び第2FETをわずかながらオン状態で動作させることが可能となる。すなわち、第1FET及び第2FETがオフ状態からオン状態に移行するゲートしきい値電位を、バイアス電圧を反映した分だけオフセットさせる。このため安定かつ精確な計測を行うことができる。
)請求項に係る電流計測回路では、第2フィードバック手段の出力である第2制御電位をエミッタ接地回路により増幅し、その出力電位を用いて第2FETのソース電位を制御する。第1FETのソース電流(被計測電流)が一つのレンジ内における最小電流である場合には、第2FETが計測可能な程度にオン状態となるゲート電位が得られないために第2FETのソース・ドレイン間抵抗が非常に大きな値をとる領域がある。第2FETのソース・ドレイン間抵抗が大きいと第2フィードバック手段が増幅機能を発揮できず第2フィードバック手段のフィードバック動作が働かない。このため、仮にエミッタ接地回路がないとすると不安定になる。一方、エミッタ接地回路は電圧増幅率が大きくかつ定電流特性をもつ。従って、第2フィードバック手段の出力をエミッタ接地回路に通すことで十分な電圧増幅が行われかつ安定な電流が得られる。そして、第2フィードバック手段とエミッタ接地回路とを含めたフィードバック回路全体でのフィードバック動作が行われる結果、第2FETが直ちにオン状態(飽和状態という意味ではなく、多様な値を取り得る。以下同じ。)となりソース電流が安定して精確な計測を行うことができる。
電流計測回路の一態様においては、第2FETにおけるソース電位変化(ドレイン電位)に対するソース電流(ドレイン電流)の変化特性、及びゲート電位変化に対するソース・ドレイン間抵抗またはドレイン・ソース間抵抗の変化特性(非線形性を含めた変化特性)が、第1FETと同じである。前述のように両FETのソース電位同士及びゲート電位同士はそれぞれ同電位に保持されるため、これらの変化特性が揃っていることにより、両FETのソース電流同士の比例関係を常に保持することができる。
本回路では、2つのフィードバック手段により、第1FETのもつ個体特性の非線形性と、第2FETのもつそれとが完全に相殺されるため、ソース電流同士の比には影響を及ぼさない。これにより、FETの個体特性の非線形性、特にソース電流及びゲート電位に対するソース・ドレイン間抵抗の非線形性による誤差を全く含まない、高精度の電流計測回路が実現される。
電流計測回路の一態様においては、第1FETと第2FETとは、温度変化に対するソース・ドレイン間(またはドレイン・ソース間)のオン抵抗の変化特性が同一である。これにより、両FETの温度環境を共通とすれば、各FETの温度変化に対するオン抵抗の変化を完全に相殺することができ、高精度の電流計測回路が実現される。
上記請求項1の電流計測回路において、第2FETのソース電流(ドレイン電流)として流れる計測用電流を所定の計測用抵抗に流せば、均衡状態におけるその電圧降下を計測することにより被計測電流を計測することができる。
電流計測回路の一態様においては、計測用抵抗の値を変化させることにより、被計測電流の計測レンジを変化させる。これにより広範囲の電流計測が可能となる。従来のシャント抵抗方式では、被計測電流の電流路であるシャント抵抗を変更して計測レンジの切り替えを行うため、切り替え時に被計測電流の遮断が生じるが、本回路では、被計測電流の電流路(第1FETのソースとドレインの間)を遮断することなく計測レンジの切り替えができる。
)請求項に係る電流計測回路では、第1FET及び第2FETのドレインを接地する。両FETのドレイン同士を強固に温度結合させることができ、両FETのソース・ドレイン間抵抗をよりいっそう安定化させることができ、より高精度の電流測定を実現できる。
)請求項に係る集積回路素子は、請求項1〜のいずれかの電流計測回路を内蔵したものである。これにより、コンパクト化、製造コストの低減、省電力消費等を図ることができる。
(1)第1の実施形態
(1−1)回路構成
図1は、本発明による電流計測回路の第1の実施形態である。本回路は、2つのNチャネル型FETQ1及びFETQ2並びに2つの演算増幅器OP1及びOP2を主たる構成要素とする。本回路は、被測定電流路から流れ込む(矢印の方向)被計測電流iを計測するためのものであり、被計測電流iの大きさに対応する計測出力は、計測用の電流iS2が流れる計測用抵抗Rx1...xnの一端の電位Voutとして得ることができる。
第1のFETQ1のソースは被計測電流iの入力端子へ接続され、ドレインは接地される。被計測電流iは、FETQ1がオン状態のときソースからドレインへと流れるソース電流iS1となる。図示の回路では、この方向へ流れる電流のみを計測できる。さらに、FETQ1のソースは、演算増幅器OP1の非反転入力に接続されている。よってFETQ1のソース電位が演算増幅器OP1の非反転入力に印加される。
逆方向電流バイパス用のダイオードD1は、FETQ1のソースにカソードが、FETQ1のドレインにアノードがそれぞれ接続されている。
尚、図1の回路において、FETQ1のソースとドレインを入れ替えて接続してもよい。その場合、ドレインからソースへ被計測電流iが流れ(FETQ1のドレイン電流)、ドレイン電位が演算増幅器OP1の非反転入力に印加される。
演算増幅器OP1は、反転入力と出力との間にフィードバック抵抗R3が接続され、反転入力と接地点との間には抵抗R2を介してバイアス電圧回路が接続されている。演算増幅器OP1は、非反転増幅器(増幅率=1+R3/R2、ただしバイアス回路の抵抗分を無視)構成する。バイアス電圧回路は、演算増幅器OP1の反転入力に対してバイアス電圧を印加するための回路である。抵抗R2の接地側は可変抵抗VR2の中間端子に接続され、この中間端子により正電源電位+Vccと負電源電位−Vccの間でバイアス電圧(接地電位との間の電位差)を設定できる。
このバイアス電圧に関して実験の結果、大電流レンジの場合、若干(mV単位で)正電位、小電流レンジの場合、若干(mV単位で)負電位が好適であった。これは、FETQ1、Q2の素子のバラツキが考えられる。
さらに、演算増幅器OP1の出力は可変抵抗VR1の中間端子に接続される。可変抵抗VR1の一端とFETQ1のゲートとが接続され、可変抵抗VR1の他端とFETQ2のゲートとが接続されている。よって、FETQ1とFETQ2のゲート電位は、演算増幅器OP1の出力電位(第1制御電位)により制御されることになる。
可変抵抗VR1は、両FETのゲート電位の調整用に設けられる。原理的には、特性の揃ったFETQ1とFETQ2の各ゲートを同電位とすればよいが、実際には両FETの特性を理想的に揃えることは難しいため可変抵抗VR1により調整する。
一方、演算増幅器OP2は、その非反転入力がFETQ1のソースと接続され、そして反転入力がFETQ2のソースと接続されている。よって、演算増幅器OP2の非反転入力へはFETQ1のソース電位が印加され、反転入力にはFETQ2のソース電位が印加される。
さらに、演算増幅器OP2の出力は、NPN型バイポーラトランジスタQ3のベースに接続される。トランジスタQ3のコレクタは正電源+Vccへ、エミッタは計測用抵抗Rx1〜Rxnのいずれかの一端に接続される。トランジスタQ3は、演算増幅器OP2の出力電流の増幅のために設けられているが必須要素ではない。
計測用抵抗Rx1〜Rxnは、切り替えスイッチSWによりいずれかを選択できる。計測用抵抗Rx1〜Rxnの他端は、FETQ2のソースと接続される。計測用抵抗Rx1〜RxnとFETQ2のソース・ドレイン間抵抗とは直列となるため、計測用抵抗Rx1〜RxnにはFETQ2のソース電流iS2が流れる。FETQ2のソース電流iS2が計測用の電流となる。実用上、計測用抵抗Rx1〜Rxnの一端と接地電位との間で計測出力Voutを得る。
なお、FETQ1のソースとドレインを入れ替えて接続する場合は、FETQ2についてもソースとドレインを入れ替えて接続する。その場合は、ドレインからソースへ計測用の電流が流れ(FETQ2のドレイン電流)、ドレイン電位が演算増幅器OP2の反転入力に印加される。
尚、FETQ1は、被計測電流iが流れる測定用電流路であるから、大電流計測を行う場合は大電流容量のものが必要であるのに対し、FETQ2はFETQ1の非線形特性相殺用、かつ電流計測用であるから大電流用である必要はなく、また、測定電力損を回避すべく小電流用とすることが好ましい。
原理的には、FETQ1とFETQ2とは、ソース電位変化(またはドレイン電位変化)に対するソース電流(またはドレイン電流)の変化特性が同一であるように選択される。言い換えるならば、FETQ1とFETQ2とは、ゲート電位変化に対するソース・ドレイン間抵抗(またはドレイン・ソース間抵抗)の変化特性が同一であるように選択される。ここでいうソース・ドレイン間抵抗はオン抵抗を意味する。
さらに、FETQ1とFETQ2とは、温度変化に対するオン抵抗の変化特性も同一であることが好適である。
(1−2)回路動作
<概要>
本回路は、2つの演算増幅器の各々を含む第1及び第2のフィードバック手段により、被計測電流iすなわちFETQ1のソース電流iS1に対して常に同じ比率でFETQ2のソース電流iS2が流れるように動作する。初期状態から被計測電流iが流れ始めたとき、あるいは、被計測電流iが一定の値から別の値に変化したときは、これらのフィードバック手段が動作し、過渡状態を経て均衡状態が達成される。実際には、均衡状態へ移行する時間は瞬時であり、実時間電流計測には支障がない。この均衡状態において電流計測が行われる。
<演算増幅器OP1による第1のフィードバック動作>
FETQ1のソースに、負荷を経由した電圧が印加される前の初期状態では、FETQ1は前記バイアス電圧回路により生じるオフセットにより、わずかながら導通状態にある。FETQ1のソースに前記電圧が印加されたとき(被測定電流が流れ始めるとき)、本回路の動作状態における最大の電圧がFETQ1のソースに印加されることになる。したがって、前記第1フィードバック手段を構成する演算増幅器OP1の非反転入力に印加されたFETQ1のソース電位が演算増幅器OP1により増幅されて、FETQ1のゲートに印加される。これにより、FETQ1のオン抵抗が小さくなりFETQ1のソース電位を下げる動作が実行される。この場合、FETQ1のソース電位によりフィードバックされるFETQ1のゲート電位、これにより決定されるFETQ1のソース・ドレイン間抵抗値及びこれにより決定されるFETQ1のソース電位が瞬時に均衡し、ある一定の値に落ち着く(FETQ1のソース電流が変動しないとする)。
このフィードバック動作時、前記オフセットにより、FETQ1のソース電流が、一つの計測レンジ内の最小電流値であっても、FETQ1がオフである状態から、わずかながらオンである状態に遷移する過程を含まないことから、安定した高精度の電流計測が可能となる。
この第1のフィードバック動作は、均衡状態にあるときに被計測電流iすなわちFETQ1のソース電流iS1の値が変化し、均衡が破れたときも瞬時に実行され、再び均衡状態が実現される。その際は、FETQ1のソース電位、ゲート電位及びソース・ドレイン間抵抗もまたそれぞれ変化し、別の値に定まる。
<FETQ2のゲートの制御>
演算増幅器OP1の出力電位はFETQ2のゲートにも印加されるため、FETQ1とFETQ2のゲート電位は、基本的に常に同電位となる。よって、FETQ1が所定のゲート電位でオン状態となると同時に、FETQ2もそのソース・ドレイン間抵抗がわずかながらFETQ2のソース・ドレイン間を導通させている状態から直ちに所定のオン抵抗の値となり、オン状態となる。
FETQ1とFETQ2とは、理想的にはゲート電位変化に対するオン抵抗の変化特性が完全に同一であるように選択され、その場合には両FETのゲート電位を完全に同電位とすることができ、可変抵抗VR1も不要である。しかしながら、2つのFETの特性を理想的に一致させることは事実上困難であり、コスト高にもなる。従って、少なくとも1つの計測レンジにおいて両FETのオン抵抗の変化特性が同じとなるように、両FETのゲート電位のバランスを可変抵抗VR1により調整する。
<演算増幅器OP2による第2のフィードバック動作>
FETQ1のソース電位は、演算増幅器OP2の非反転入力にも印加される。そして演算増幅器OP2により所定の増幅率で増幅され、その出力電位によりFETQ2のソース電位を制御する。そして、FETQ2のソース電位は、演算増幅器OP2の反転入力に印加される。従って、演算増幅器OP2の非反転入力に印加されているFETQ1のソース電位を基準電位とし、反転入力に印加されるFETQ2のソース電位がこの基準電位と同電位となるように、演算増幅器OP2の出力電位によりFETQ2のソース電位を制御する。こうして、演算増幅器OP2のフィードバック動作によりFETQ2のソース電位がFETQ1のソース電位と同電位で均衡状態となる。
こうして均衡状態となったとき、FETQ2のソース電位及びゲート電位はFETQ1のそれらとそれぞれ同電位であり、FETQ2のオン抵抗も所定の値に定まる。演算増幅器OP2の出力電位及び計測用のソース電流iS2も一定に定まる。
この第2のフィードバック動作は、均衡状態にあるとき被計測電流iすなわちFETQ1のソース電流iS1の値が変化し、FETQ1のソース電位が変化して均衡が破れたとき実行され、再び均衡状態が瞬時に実現される。その際は、FETQ2のソース電位、ゲート電位及びオン抵抗もまたそれぞれ変化し、別の値に定まる。同じく、演算増幅器OP2の出力電位及び計測用のソース電流iS2も別の値に定まる。
<バイアス電圧の印加>
演算増幅器OP1の反転入力に印加されるバイアス電圧は、反転増幅されて出力に反映される。一方、演算増幅器OP1の非反転入力に印加されたソース電位は、非反転増幅されて出力に反映される。これらの出力は差動増幅されてFETQ1及びFETQ2のゲート電位を制御する。従ってバイアス電圧は、FETQ1のソース電位のみから決定されるゲート電位を、所定の電圧だけオフセットさせる働きがある。なお、図1の場合はバイアス電圧が反転入力に印加されるので、ゲート電位を増加方向にオフセットさせる場合は負のバイアス電圧を入力し、減少方向にオフセットさせる場合は正のバイアス電圧を入力すればよい。仮にこのバイアス電圧を印加しないとすると、前記のとおり一つの計測レンジ内における最小電流の場合安定した高精度の電流計測ができないことがある。両FETを計測可能な程度にオン状態とするだけのゲート電位を与えるためのバイアス電圧を印加することにより見かけ上のゲートしきい値電位をオフセットさせることができるので、ソース電流が1つの計測レンジにおける最小電流の場合にも両FETをわずかながらオン状態とすることができ、安定かつ精確な計測を行うことができる。
<被計測電流iと計測用電流iS2との比例関係の実現>
上記の通り、第1のフィードバック手段によりFETQ1のゲート電位が一定に定まり、FETQ1とFETQ2のゲート電位が同電位に維持され、第2のフィードバック手段によりFETQ1とFETQ2のソース電位が同電位に維持されるという本回路動作により、被計測電流i(FETQ1のソース電流)と計測用電流iS2(FETQ2のソース電流)の比例関係を常に維持することが可能となる。このためにはFETQ1とFETQ2とを、ソース電位変化に対するソース電流の変化特性が同じであるように選択すればよい。両FETのソース電位は常に同電位に維持されるので、ソース電位が変化するときその変化量は両FETにおいて同じである。従って、ソース電位が変化したとき、例えばFETQ1のソース電流が2倍になったとすると、FETQ2のソース電流も2倍となるならば、両FETの変化特性が同じといえる。
このことは、ゲート電位変化に対する両FETのオン抵抗の変化特性が同じであることと同じ意味である。両FETのゲート電位は常に同電位に維持されるので、ゲート電位が変化するときその変化量は両FETにおいて同じである。従って、ゲート電位が変化したとき、例えばFETQ1のオン抵抗が2倍になったとすると、FETQ2のオン抵抗も2倍となるならば、両FETの変化特性が同じといえる。これは、FETQ1とFETQ2の個体特性の非線形性を同一とすることにより実現できる。両FETの非線形性は、両FETのソース電位が演算増幅器OP2の互いに逆相の2つの入力に対し電圧の形態で同相同電位で印加されることにより、演算増幅器OP2の出力電位において相殺される。これにより高精度の電流計測回路が実現される。
さらに、FETQ1とFETQ2とは、温度変化に対するオン抵抗の変化特性が同じであることにより、両FETの温度環境を共通とすれば、各FETの温度変化に対するオン抵抗の変化を完全に相殺することができ、より高精度の電流計測回路が実現される。両FETのドレイン同士を強固に温度結合させることができるという点で、図1のようにFETQ1とFETQ2のドレインを接地することが好適である。両FETのドレインを接地する場合、ドレインを共通基盤としてIC化することができ、容易に温度特性を一致させ、温度特性から生じる誤差を相殺できる。
<出力電圧計測>
本回路では、演算増幅器OP2の出力電位を用いて被計測電流iの計測を行っていると云うこともできる。
実用上は、図1のFETQ2のソース電流is2が流れる計測用抵抗Rx1〜Rxnの一端と接地電位との間で計測出力Voutを計測する。その場合、FETQ2のオン抵抗による計測誤差が問題とならない程度に計測用抵抗Rx1〜Rxnの各々の値を設定する。
図2は、図1の回路の出力部分の変形例を示しており(計測用抵抗Rx1〜RxnはRxに省略)、FETQ2のオン抵抗による計測誤差を解消できる。図2に示すようにカレントミラー回路(バイポーラトランジスタQ4、バイポーラトランジスタQ5、R9)を設けて、バイポーラトランジスタQ4を流れるソース電流is2と同量の電流がバイポーラトランジスタQ5を流れるようにし、抵抗R9により計測を行う。これにより、FETQ2のオン抵抗による計測誤差のない計測出力が得られると同時に、接地電位との間で電圧計測することができる。
計測レンジ設定については、例えば、被計測電流iが10アンペアのとき、計測用電流iS2が10μアンペアであるとすると、図1の計測用抵抗Rx1〜Rx2のうち1MΩを選択すれば、計測出力10ボルトをフルスケール電圧として得られる。なお、FETQ2のオン抵抗が誤差となるが、オン抵抗による誤差を無視できる程度の値に計測用抵抗を設定すれば問題ない。
また、計測用抵抗が1MΩのとき被計測電流iが1アンペアであれば、計測用電流iS2は1μアンペアとなるから計測出力は1ボルトとなる。こうして10〜1アンペアの被計測電流に対し、10〜1ボルトの線形出力電圧を得ることができる。
このように計測用抵抗Rx1〜xnの各々の値は、計測しやすいフルスケールとなるように設定し、これらを切り替えることにより計測レンジを選択できる。こうして広範囲の計測レンジを実現できる。
また、従来のシャント抵抗方式では、被計測電流の電流路であるシャント抵抗を変更して計測レンジの切り替えを行うため、切り替え時に被計測電流の遮断が生じるが、本回路では、被計測電流の電流路(FETQ1のソース・ドレイン間)を遮断することなく計測レンジの切り替えができる。
またさらに、被計測電流が増大するとその電流路の抵抗が減少する傾向があるので、電流路における電力消費が被計測電流に比例して増大することがない。
<交流への対応>
図1の回路では、被計測電流iが被測定電流路から流れ込む方向の場合にのみ計測可能である。被計測電流iが被測定電流路へ流れ出す方向の場合は、演算増幅器OP1の出力電位が負電位となり、また演算増幅器OP2の非反転入力もまた負電位となるため、FETQ1もFETQ2もオン状態とならず、回路が動作しないからである。
しかしながら、一般的な交流については正相と負相が対称であるから、いずれか一方を計測すればよいことになる。従って、図1においては、交流が負相のときは電流をダイオードD1によりバイパスさせ、正相のときのみ本回路動作による電流計測を行うようにする。これにより交流計測も可能となる。
交流が大電流の場合はダイオードD1による電力損が大きくなるため、ダイオードD1を用いず、交流位相を検知して負相のときFETQ1をオン状態(完全飽和オン)とするように制御してもよい。
(2)第2の実施形態
図3は、本発明による電流計測回路の第2の実施形態である。第2の実施形態は、演算増幅器OP1及びOP2のフィードバック動作等の基本動作については第1の実施形態と同じであるが、バイアス電圧回路の形態が異なる。なお、計測用抵抗Rxは省略して1つのみを示している。
第2の実施形態のバイアス電圧回路では、演算増幅器OP1の非反転入力に対してバイアス電圧を印加している。可変抵抗VR2により正電源電位+Vccと接地電位の間でバイアス電圧を設定でき、このバイアス電圧が抵抗R8及びR6を介して非反転入力に印加される。
演算増幅器OP1の非反転入力に印加されたバイアス電圧は、非反転増幅されて出力に反映される。演算増幅器OP1の非反転入力には、FETQ1のソース電位とバイアス電位が抵抗R1及びR6により両電位が分圧されて重畳印加され(バイアス電位の基点を抵抗R6とR7の接続点電位として)、FETQ1及びFETQ2のゲート電位を制御する。第1の実施形態について説明したと同様に、このバイアス電圧を印加して両FETのゲート電位をオフセットさせることにより、被計測電流が所定の計測レンジにおける最小電流であっても両FETをわずかながらオン状態とし安定かつ精確な計測を可能とする。
ただし、図3の回路ではバイアス電圧を非反転入力に印加するため、バイアス電圧により抵抗R6に流れる電流iB1が抵抗R1を介してFETQ1へ流れ、FETQ1のソース電位に影響を及ぼしてしまう。したがって、電流iB2をFETQ2のソースにも流し、FETQ1のソース電位とFETQ2のソース電位のバランスをとるように、抵抗R7を、抵抗R6の一端とFETQ2のソースとの間に接続している。バランスをとるためには、電流iB1と電流iB2の比率が、FETQ1のソース電流iS1とFETQ2のソース電流iS2の比率と同じとなるようにすればよい。
(3)第3の実施形態
図4は、本発明による電流計測回路の第3の実施形態である。第3の実施形態は、演算増幅器OP1及びOP2のフィードバック動作については第1及び第2の実施形態と同じであるが、バイアス電圧回路を用いることなく所定の計測レンジにおける最小電流領域での安定かつ精確な計測を実現している。
図4の回路では、演算増幅器OP2の出力をPNP型バイポーラトランジスタQ3を用いて構成したエミッタ接地回路により増幅している。すなわち、トランジスタのベースに演算増幅器OP2の出力が抵抗R10を介して接続され、エミッタに正電源電位+Vccを印加し、コレクタから出力を得ている。エミッタ接地回路は定電流特性をもつため、ベース電流が微少であっても速やかにコレクタ電流を出力することができる。この結果、正電源電位+Vccが直ちにFETQ2のソースに印加されてオン状態となる。因みに、前述の図1及び図3の回路では、この部分がエミッタフォロア回路であるため、図4の回路のような定電流特性による効果は得られない。
さらに、エミッタ接地回路は電圧増幅率が大きいという特性が重要である。図5は、その効果を模式的に説明する図である。図5の左図は、図4の回路の一部を抽出しており、演算増幅器OP2、トランジスタQ3、計測用抵抗Rx及びFETQ2の部分が示されている。なお、図4の回路では、演算増幅器OP2の出力電圧増幅手段が反転増幅器であるため、演算増幅器OP2の2つの入力の極性を前述の図1及び図3の回路(エミッタフォロワにより増幅)とは逆にする必要があり、FETQ1のソース電位を反転入力に、FETQ2のソース電位を非反転入力に印加している。図5の右図は、左図からトランジスタQ3を取り除いて、演算増幅器OP2だけの場合の増幅度を説明するものである。図5の右図では、FETQ2のソース・ドレイン間抵抗をRdsで示している。RdsとRxにより、演算増幅器OP2は非反転増幅器(増幅率=1+Rx/Rds)を構成しているとみなすことができる。FETQ2がオフ状態のときは、Rdsが無限大であるため、演算増幅器OP2自体の増幅率はほぼ1であり増幅しない。増幅機能がなければ、演算増幅器OP2を含むフィードバック動作は働かず、FETQ2はオン状態となることができない。
しかしながら、大きな電圧増幅率Aをもつエミッタ接地回路を挿入することにより、演算増幅器OP2が増幅できなくとも回路全体として増幅率が得られるためフィードバック動作が可能となり、FETQ2をオン状態とすることができる。FETQ2がオン状態となればRdsは極めて小さく(例えば数mΩ〜数百Ω)なるため、演算増幅器OP2も十分な増幅率を得てフィードバック動作に寄与できるようになる。
このように図3の回路は、演算増幅器OP2の出力側にエミッタ接地回路を設けるだけで、所定の計測レンジとしたときの被計測電流の最小電流領域における不安定な動作を解消することができる。
最後に、図4の回路では、FETQ1とFETQ2のゲート電位の調整用の可変抵抗VR1〜VRnを複数個設け、これらを切り替えスイッチSW2により切り替え可能とし、さらに計測レンジ切り替えスイッチSW1と連動させている。複数の可変抵抗抗VR1〜VRnの各々は、対応する1つの計測レンジにおいて両FETのわずかなオン状態での変化特性が同じとなるようにそれぞれ調整されている。これは、計測レンジによってFETQ1とFETQ2のバラツキが必ずしも一致しないことに対応したものである。
本発明による電流計測回路の一実施形態である。 図1の回路の出力部分の変形例を示す図である。 本発明による電流計測回路の別の実施形態である。 本発明による電流計測回路のさらに別の実施形態である。 図3の回路におけるエミッタ接地回路の効果を説明する図である。
符号の説明
Q1 第1FET
Q2 第2FET
Q3 トランジスタ
OP1 第1の演算増幅器
OP2 第2の演算増幅器
Rx、Rx1〜Rxn 計測用抵抗
VR1、VR2 可変抵抗
VR2 可変抵抗

Claims (6)

  1. 被計測電流(i)がソース電流(iS1)またはドレイン電流として流れるべく構成された第1FET(Q1)と、
    計測用電流(iS2)がソース電流またはドレイン電流として流れるべく構成された第2FET(Q2)と、
    第1及び第2の2つの入力端と第1の出力端とを備え、該第1及び第2の入力端のうち一方の入力端に前記第1FET(Q1)のソース電位またはドレイン電位が印加され、該第1の出力端に前記第1FET(Q1)及び前記第2FET(Q2)の各ゲート電位を制御するための第1制御電位を出力するべく、所定の増幅率もつ増幅器として構成された第1のフィードバック手段(OP1)と、
    第3及び第4の2つの入力端と第2の出力端とを備え、該第3及び第4の入力端のうち一方の入力端に基準電位として前記第1FET(Q1)のソース電位またはドレイン電位が印加されると共に他方の入力端に前記第2FET(Q2)のソース電位またはドレイン電位が印加され、該第2の出力端に該第2FET(Q2)のソース電位またはドレイン電位を制御するための第2制御電位を出力するべく、さらに計測用抵抗の一端に該第2制御電位に応じた電位が印加されると共に該計測用抵抗の他端が該第2FET(Q2)のソース電位またはドレイン電位を与えるべく、所定の増幅率をもつ増幅器として構成された第2のフィードバック手段(OP2)と、を有し、
    前記第1のフィードバック手段(OP1)は、前記被計測電流(i)により前記第1FET(Q1)のソース電位またはドレイン電位が発生したとき、該被計測電流(i)の変化に応じて該第1FET(Q1)のソース電位またはドレイン電位、該第1制御電位、及び該第1FET(Q1)のオン抵抗がそれぞれ変化して所定の値となるように動作し、
    前記第2のフィードバック手段(OP2)は、前記第2FET(Q2)のソース電位またはドレイン電位を前記基準電位と同電位とするように動作し、
    前記第2制御電位に起因して前記計測用抵抗及び前記第2FET(Q2)に前記計測用電流(iS2)が流れ、該計測用抵抗の電圧降下により前記被計測電流(i)の計測を行うことを特徴とする電流計測回路。
  2. 前記第1制御電位により制御される前記第1FET(Q1)及び前記第2FET(Q2)の各ゲート電位を調整するための手段(VR1)をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の電流計測回路。
  3. 所定のバイアス電位を生成するための手段(VR2)をさらに有し、
    前記第1フィードバック手段は、前記第1及び第2の入力端のうち他方の入力端に前記バイアス電位に応じた電位が印加されるように構成されており、該バイアス電位に応じて前記第1制御電位をオフセットさせることにより、前記被計測電流(i)が流れ始めるときに前記第1FET(Q1)及び前記第2FET(Q2)がオン状態となっているように各ゲート電位を制御することを特徴とする請求項1に記載の電流計測回路。
  4. 前記第2制御電位をエミッタ接地回路により増幅した出力電位を用いて前記第2FETのソース電位またはドレイン電位を制御することを特徴とする請求項1に記載の電流計測回路。
  5. 前記第1FET及び前記第2FETのドレインを接地することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の電流計測回路。
  6. 請求項1〜のいずれかの電流計測回路を内蔵したことを特徴とする集積回路素子。
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