JP4214679B2 - 燃料供給装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インジェクタにより内燃機関の各気筒中へ燃料を噴射する燃料供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3は従来の燃料供給装置に関するデリバリパイプ6の中心線に沿う横断面図を含む燃料供給装置のシステム図である。
【0003】
従来は、図3に示すように図示しない内燃機関のデリバリパイプ6から、インジェクタ取り付け部7A、7B、7C、7Dに装着されたインジェクタ8a、8b、8c、8dを介して各気筒に燃料供給している。その際、デリバリパイプ6内に突出する各インジェクタ取り付け部7A、7B、7C、7Dの燃料取り入れ通路部7a、7b、7c、7dの長さを一定とする構成としていた。
【0004】
しかし、この構成では、インジェクタ8a、8b、8c、8dが燃料を噴射する際に発生する圧力脈動は、デリバリパイプ6内に突出する各インジェクタ取り付け部7A、7B、7C、7Dの燃料取り入れ通路部7a、7b、7c、7dの入口端からインジェクタ8a、8b、8c、8dの先端側にある図示していないインジェクタニードルバルブまでの長さにより決定される周波数でデリバリパイプ6へ伝搬されるため、各インジェクタ8a、8b、8c、8d内で発生した圧力脈動は同一周波数でデリバリパイプ6へ伝搬され、各インジェクタ8a〜8d間では共鳴現象が発生する。
【0005】
爆発順序が♯1−♯3−♯4−♯2の4気筒エンジンを例として、図3により♯1インジェクタ8aと♯3インジェクタ8cとの関係に注目して、この共鳴現象の影響について説明する。
【0006】
♯1インジェクタ8aに印加電圧が加わると、♯1インジェクタ8aは開弁して燃料が噴射され、♯1インジェクタ8a内の内圧は大きく脈動する。ここで、♯1の燃料取り入れ通路部7aと♯3の燃料取り入れ通路部7cは同じ長さであるため、♯1の燃料取り入れ通路部7aからデリバリパイプ6の内部を経由して♯3インジェクタ8c内に圧力脈動が伝搬されると、共鳴現象を生じる。すると、♯3インジェクタ8cに印加電圧が加わると、♯3インジェクタ8cは開弁して燃料が噴射されるが、♯3インジェクタ8cの噴射タイミングに♯1インジェクタ8aの圧力脈動が存在し、調圧された燃料圧力が変動するため、♯3インジェクタ8cの燃料噴射量にばらつきが生じる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来の燃料供給装置では、任意気筒への燃料噴射で発生した圧力脈動が他気筒へ伝搬して共鳴するため、任意気筒で燃料噴射する際に他気筒で発生した圧力脈動が伝搬され、同じ噴射指令値であった場合に各気筒間の燃料噴射量にばらつきが生じるという問題があった。
【0008】
本発明は上記点に鑑み、一つのインジェクタで生じた圧力脈動が他のインジェクタへ伝搬しても共鳴現象を起こさないようにして、各気筒間の燃料噴射量のばらつきを抑えることができる燃料供給装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するために、請求項1ないし請求項4に記載の技術的手段を採用する。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、複数のインジェクタ取り付け部においてデリバリパイプ内に突出する燃料取り入れ通路部の長さを全て、一つのインジェクタで生じる圧力脈動と他のインジェクタで生じる圧力脈動とがデリバリパイプ内で共鳴しないように、互いに異ならせたので、圧力脈動により他のインジェクタにて共鳴現象を生じるのを抑制して、各気筒間の燃料噴射量のばらつきを抑えることができる。
【0012】
請求項に記載の発明によれば、爆発順序が隣合う気筒に対応したインジェクタ取り付け部においてデリバリパイプ内に突出する燃料取り入れ通路部同士の長さを全て、一つのインジェクタで生じる圧力脈動と他のインジェクタで生じる圧力脈動とがデリバリパイプ内で共鳴しないように、互いに異ならせたので、次に爆発する気筒のインジェクタに対し圧力脈動が伝搬しても共鳴現象が生じるのを抑制できる。
【0013】
なお、その次に爆発する気筒のインジェクタに対しては、圧力脈動が減衰して伝搬されるため、共鳴現象による影響は小さくなる。そのため、インジェクタの燃料取り入れ通路部の長さは、爆発順序が隣合う気筒のインジェクタのように制限されることはない。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1実施形態の燃料供給装置のシステム図である。
【0016】
本発明の第1実施形態では、図1に示すように燃料タンク1内の燃料は、フューエルポンプ2により車両配管4を経て、燃料供給口5よりデリバリパイプ6内へ供給される。この時の燃料圧力は燃料タンク1内のプレッシャレギュレータ3により所定圧力に調圧される。
【0017】
デリバリパイプ6には複数のインジェクタ取り付け部7A、7B、7C、7Dがろう付け等により固定されており、その一端がデリバリパイプ6内に嵌通されるとともに、他端にインジェクタ8a、8b、8c、8dが図示してないOリングを介して気密に装着されている。またインジェクタ取り付け部7A、7B、7C、7Dの一部である燃料取り入れ通路部7a、7b、7c、7dがデリバリパイプ6内に突き出しており、各燃料取り入れ通路部7a、7b、7c、7dの長さを♯1〜♯4の各気筒に対応して設けたインジェクタ8a、8b、8c、8d毎にそれぞれ異ならせたので、一つのインジェクタで生じた圧力脈動が他のインジェクタに伝搬しても共鳴現象を起こさないようにして、各気筒間の燃料噴射量のばらつきを抑えることができる。
【0018】
ここで、燃料取り付け通路部7a、7b、7c、7dの長さを異ならせた割合は、図示しないインジェクタニードルバルブから燃料取り入れ通路部7a、7b、7c、7dの入口端までの長さの比で♯1と♯2、♯2と♯3、♯3と♯4とが各々20%以上異なるようにしたので、共鳴周波数が大きくずれて共鳴しにくくできる。ここで20%の値はシュミレーションにより求めた。
【0019】
図2は本発明の第2実施形態のシステム図である。
【0020】
本発明の第2実施形態では、1つのインジェクタで生じる圧力脈動は短時間のうちに減衰することに着目したものである。
【0021】
つまり、次の次に爆発する気筒のインジェクタに対しては、圧力脈動が減衰して伝搬されるため、共鳴現象による影響は小さくなる。従って、爆発順序が隣合う気筒に対応したインジェクタの燃料取り入れ通路部の長さを異ならせるだけで、インジェクタの共鳴現象を抑制できる。
【0022】
図2に示すように燃料タンク1内の燃料は、フューエルポンプ2により車両配管4を経て、燃料供給口5よりデリバリパイプ6内へ供給される。この時の燃料圧力は燃料タンク1内のプレッシャレギュレータ3により一定圧に調圧される。
【0023】
デリバリパイプ6には複数のインジェクタ取り付け部7A、7B、7C、7Dがろう付け等により固定されており、その一端がデリバリパイプ6内に嵌通されると共に、他端にインジェクタ8a、8b、8c、8dが図示しないOリングを介して気密に装着されている。また、インジェクタ取り付け部7A、7B、7C、7Dの一部である燃料取り入れ通路部7a、7b、7c、7dがデリバリパイプ6内に突き出しており、燃料取り入れ通路部7a、7b、7c、7dの長さを♯1〜♯4の各気筒で爆発順序♯1−♯3−♯4−♯2が隣合う気筒に対応した燃料取り入れ通路部7a、7b、7c、7dの長さを互いに異ならせた。本実施形態では、4気筒のため気筒の爆発順序で1つおきに等しい長さとし、2種類の長さとした。上記構成としたことにより、一つのインジェクタで生じた圧力脈動が他のインジェクタに伝搬しても共鳴現象を抑制して、各気筒間の燃料噴射量のばらつきを抑えることができる。また、燃料取り入れ通路部7a、7b、7c、7dの長さは2種類ですむため、第1実施形態に比してデリバリパイプ6の厚みを薄くでき、燃料供給装置を小型にすることができる。
【0024】
また、燃料取り入れ通路部7a、7b、7c、7dの長さを異ならせた割合は、図示しないインジェクタニードルバルブから燃料取り入れ通路部7a、7b、7c、7dの入口端までの長さの比で20%以上異なるようにしたので、一つのインジェクタで生じた圧力脈動が他のインジェクタに伝搬しても共鳴現象が生じるのを確実にないように抑制できる。ここで20%の値はシュミレーションにより求めた。
【0025】
なお、上記実施形態では直列4気筒エンジンの場合について説明したが、本発明を直列6気筒エンジン、V型6気筒エンジン等、他の種類のエンジンに適用した場合も、爆発順序に応じて気筒毎に順次燃料噴射するタイプについては同様となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の燃料供給装置に関し、デリバリパイプ6の中心線に沿う横断面図を含む燃料供給装置のシステム図である。
【図2】本発明の第2実施形態に関し、デリバリパイプ6の中心線に沿う横断面図を含む燃料供給装置のシステム図である。
【図3】従来の燃料供給装置に関し、デリバリパイプ6の中心線に沿う横断面図を含む燃料供給装置のシステム図である。
【符号の説明】
1 燃料タンク
2 燃料ポンプ(フューエルポンプ)
4 燃料配管(車両配管)
6 デリバリパイプ
7a、7b、7c、7d 燃料取り入れ通路部
7A、7B、7C、7D インジェクタ取り付け部
8a、8b、8c、8d インジェクタ

Claims (2)

  1. 所定圧力に調圧された燃料が供給されるデリバリパイプと、一端が前記デリバリパイプ内に嵌通されると共に他端にインジェクタが装着され、前記デリバリパイプ内の燃料を前記インジェクタに供給する複数のインジェクタ取り付け部とを有する燃料供給装置において、
    前記複数のインジェクタ取り付け部において前記デリバリパイプ内に突出する燃料取り入れ通路部の長さは全て、一つの前記インジェクタで生じる圧力脈動と他の前記インジェクタで生じる圧力脈動とが前記デリバリパイプ内で共鳴しないように、互いに異ならされていることを特徴とする燃料供給装置。
  2. 所定圧力に調圧された燃料が供給されるデリバリパイプと、一端が前記デリバリパイプ内に嵌通されると共に他端にインジェクタが装着され、前記デリバリパイプ内の燃料を前記インジェクタに供給する複数のインジェクタ取り付け部とを有する燃料供給装置において、
    爆発順序が隣合う気筒に対応した前記インジェクタ取り付け部において前記デリバリパイプ内に突出する燃料取り入れ通路部同士の長さは全て、一つの前記インジェクタで生じる圧力脈動と他の前記インジェクタで生じる圧力脈動とが前記デリバリパイプ内で共鳴しないように、互いに異ならされていることを特徴とする燃料供給装置。
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