JP4214311B2 - 缶蓋用シーリングコンパウンド - Google Patents
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Description
この缶蓋用シーリングコンパウンドとしては、従来から種々のものが知られていると共に、それに要求される性能も多岐にわたるが、主なものとしては低粘性、分散安定性、速乾性、高速ライニング性、密封性能の維持等である。この内密封性能の維持に着目した発明としては例えば特開昭61−145273号の発明があり、又互いに相容れない性能の速乾性と高速ライニング性の双方を満たすように工夫した発明としては例えば特開平1−240590号の発明がある。
従って、本発明は上記従来技術の問題点である飲料缶用シーリングコンパウンドに不適である点と低コストに限界を与えている点の双方をも解決した上で、更に速乾性と高度な密封性能を満たすことのできる水性缶蓋用シーリングコンパウンドを提供することにある。
即ち本発明は、SBR、充填剤、ロジン系液状樹脂とロジン系固形樹脂を一対一で加熱溶解し、水を加えてエマルジョン化したものより成る樹脂から成る缶蓋用シーリングコンパウンドに於いて、上記充填剤は少なくとも水酸化アルミニウムを含み、その水酸化アルミニウムを含む充填剤を前記SBR100重量部に対し20〜110重量部含有し、而も前記SBR100重量部に対し0.1〜20重量部のスチレンマレイン酸共重合体を含有し、総固形分濃度が50〜85重量%であることを特徴とする水性缶蓋用シーリングコンパウンドである。
これら水酸化アルミニウムとその他充填剤は粒径が0.5〜30μm、特に1〜10μmのものが適しており、水酸化アルミニウムとその他充填剤の相対混合比率は20:80〜100:0の範囲に定められる。
そして上述したように、この水酸化アルミニウムを少なくとも含む充填剤のゴムに対する配合比率はSBR100重量部に対し20〜110重量部含有させるものであり、好ましくは30〜90重量部がよい。
本発明は、この充填剤としての水酸化アルミニウムを水に分散させるに当り、分散性に勝れ、機械的安定性の良好なアトライター法に基いて添加するわけであるが、後述する分散剤としてのスチレンマレイン酸共重合体の使用により高固形化を図ることが確認された。
つまり分散性や機械的安定性を図った上で、更に高固形分化を図り速乾性を向上することができた上に、粘度の過度な上昇を抑え、高速ライニング性にも適するようになった。上記に於ける速乾性の向上により、液体媒体蒸発の為のエネルギーコストの低下、乾燥手段としての小型オーブンの使用が可能になった。
水性シーリングコンパウンドの乾燥においてオーブンから出た直後の含水率が20%未満であることが重要である。一般的に製造工程上、水性シーリングコンパウンド塗布蓋はオーブンで乾燥後、直ちに紙袋等に詰められ保管され、48時間の養生後、使用されることが多い。そのため、オーブンから出た直後の含水率が20%以上の場合、包装された紙袋中で蓋のカットエッジに腐食が生じる可能性がある。更に、48時間後の使用時に十分水分が揮発しておらず、巻締時にスクイズし易くなる、あるいは密封性が低下する事が引き起こされる場合がある。
ところでSBR100重量部当り、0.1重量部以下のスチレンマレイン酸共重合体の配合であると分散性の改善はみられず、20重量部以上であると0.1〜20重量部配合したものに比し、分散性、耐水性の改善に大きな差異が見られなかった。
次にこのデイスパージョンに必要な粘度調整をした後、SBRと、ロジン系の液状樹脂と固体樹脂の1:1混合樹脂エマルジョンとを混合した。
上記に於いて、SBR100重量部に対し、水酸化アルミニウム40重量部、スチレンマレイン酸共重合体は0.5重量部であった。又樹脂は40重量部であった。
その後、PH調整剤、防腐剤、圧力粘度調整剤を加えて製品とした。以上の組成を表にすると表1の実施例1の通りである。
1)固形分
メトラー・トレド株式会社製ハロゲン水分計(HR73/HG53)にて実施例のシーリングコンパウンドを測定した。
2)含水率
乾燥性の良否を調べるためライニングされた200径のアルミ蓋を100℃の熱風循環式電気オーブンに入れ乾燥時間1分間の時の缶蓋に塗布した実施例のシーリングコンパウンド皮膜中の残留水分を測定し含水率として表示した。
(1分間乾燥後の皮膜重量−皮膜絶乾重量)/皮膜絶乾重量×100=含水率(%)
評価は良好:含水率20%未満
不良:含水率20%以上とした。
3)抗張力および伸び率
抗張力および伸び率は皮膜厚約250μmの実施例のシーリングコンパウンドの乾燥皮膜をJIS1号ダンベルにて打ち抜き引っ張りスピード500mm/minで測定した。
4)圧縮率50%時の圧縮力
皮膜厚約250μmの実施例のシーリングコンパウンドの乾燥皮膜を16φの円形ダンベルで打ち抜き重ね合せて7.5mmの厚さにして、1mm/minの圧縮スピードで50%圧縮時の圧縮力を測定した。
1)スクイズアウト性
スクイズアウトは、実施例のシーリングコンパウンドをTFS200径蓋に塗布し、100℃×1分間加熱乾燥しシーズニング後、この蓋を容積190mlの缶に90℃の熱水を充填し巻き締めしてその後125℃×30分の殺菌を実施し、冷却後シーリングコンパウンドの缶外へのスクイズアウト缶数を数えた。
2)耐衝撃密封性
実施例のシーリングコンパウンドをTFS200径蓋に塗布し、100℃×1分間加熱乾燥しシーズニング後、この蓋を容積190mlの缶に90℃の熱水を充填し巻き締してその後125℃×30分の殺菌を実施し、冷却し100缶のサンプルを作成した。得られた缶のサイドシームの巻締部に重量500gの鉄のブロックを高さ10cmより落下し、変形を与えた後、室温1ヶ月間保管後、真空度測定により漏れ缶数を調べた。
3)安定性(攪拌安定性試験)
実施例のシーリングコンパウンド200gを200mlビーカーへ投入し、攪拌3時間後のコンパウンドの状態を目視にて確認し、次の評価とした。
良好:シーリングコンパウンドにつやが有り粒子が発生していない。
不良:シーリングコンパウンドにゲル化、粒子発生などがみられる。
4)耐水性
実施例のシーリングコンパウンドをTFS200径蓋に塗布し、加熱乾燥シーズニング後、この蓋は90℃の熱水に30秒間浸漬し、シーリングコンパウンド乾燥皮膜の状態を調べて、次の評価とした。
良好:ペン先でひっかいた時、剥がれ難く膜質しっかりしている。
不良:ペン先でひっかいた時、剥がれ易い、白化、泥状になる。
又伸び率が200%以上(好ましくは700〜2000%)であるとき、実験によれば耐衝撃密封性、スクイズアウト性について良好であり、200%以下の場合には耐衝撃密封性が不良であるところ、この実施例品は2000%なのでこの点からも耐衝撃性が良好で且つスクイズアウト性も0であった。加えて圧縮率50%時の圧縮力は5〜25kg/cm2(好ましくは7〜20kg/cm2)であるとき、実験によれば耐衝撃密封性、スクイズアウト性が良好であり、この実施例品は7kg/cm2であるので、この点からも耐衝撃性が良好で且つスクイズアウト性も良好であった。
そして、シーリングコンパウンドの缶蓋へのライニング作業性の点から、実験によればブルックフィールド粘度計のローターの回転数が20rpmで測定した粘度が25℃の温度で2500〜13000mPa・s、特に4000〜10000mPa・sの粘度であることが望ましいが、この実施例品は6500mPa・sであるのでライニング作業性も良好であり、過度な粘度上昇もなく、ライニング性に適していた。
以下の比較例は、水酸化アルミニウムを含む充填剤がSBR100重量部に対し20〜110重量部外のものである例(比較例1,2)と、スチレンマレイン酸共重合体を含まない例(比較例3,6)と、水酸化アルミニウムを含む充填剤を含有しない例(比較例4,5)と、スチレンマレイン酸共重合体がゴム100重量部に対し0.1〜20重量部外のものである例(比較例7,8)である。
表7に示す水性缶蓋用シーリングコンパウンドの組成は比較例1を示し、表7中の試験結果及び評価はその比較例1のシーリングコンパウンドの試験結果及び評価を示す。試験項目の試験方法及び評価項目の評価方法は本発明の各実施例と同じであり、水酸化アルミニウムが120なので抗張力が25kg/cm2となり、耐衝撃密封性に関し、漏洩缶数が100缶当り8缶生じた。
表8に示す水性缶蓋用シーリングコンパウンドの組成は比較例2を示し、表8中の試験結果及び評価はその比較例2のシーリングコンパウンドの試験結果及び評価を示す。試験項目の試験方法及び評価項目の評価方法は本発明の各実施例と同じであり、評価としては水酸化アルミニウムが10と少なく、100℃×1分乾燥後の含水率が30%であって速乾性が悪く、抗張力も3kg/cm2であるからスクイズアウト缶が100缶中15缶も生じた。
表9に示す水性缶蓋用シーリングコンパウンドの組成は比較例3を示し、表9中の試験結果及び評価はその比較例3のシーリングコンパウンドの試験結果及び評価を示す。試験項目の試験方法及び評価項目の評価方法は本発明の各実施例と同じであり、スチレンマレイン酸共重合体を入れないと分散性が悪く、スクイズアウト缶も100缶中30缶であり、耐水性も劣り、耐衝撃密封性も100缶当り5缶生じた。
表10に示す水性缶蓋用シーリングコンパウンドの組成は比較例4を示し、表10中の試験結果及び評価はその比較例4のシーリングコンパウンドの試験結果及び評価を示す。試験項目の試験方法及び評価項目の評価方法は本発明の各実施例と同じであり、水酸化アルミニウムを用いないと固形分40%であって
100℃×1分乾燥後の含水率は32%であって速乾性は不良であった。
表11に示す水性缶蓋用シーリングコンパウンドの組成は比較例5を示し、表11中の試験結果及び評価はその比較例5のシーリングコンパウンドの試験結果及び評価を示す。試験項目の試験方法及び評価項目の評価方法は本発明の各実施例と同じであり、充填剤として水酸化アルミニウムを用いずクレーのみなので、速乾性も高速ライニング性も不適であった。
表12に示す水性缶蓋用シーリングコンパウンドの組成は比較例6を示し、表12中の試験結果及び評価はその比較例6のシーリングコンパウンドの試験結果及び評価を示す。試験項目の試験方法及び評価項目の評価方法は本発明の各実施例と同じであり、100℃×1分乾燥後の含水率が25%で速乾性不良であった。
表13に示す水性缶蓋用シーリングコンパウンドの組成は比較例7を示し、表13中の試験結果及び評価はその比較例7のシーリングコンパウンドの試験結果及び評価を示す。試験項目の試験方法及び評価項目の評価方法は本発明の各実施例と同じであり、スチレンマレイン酸共重合体を0.05含有したが、少量なので分散性の改善効果がなく、100℃×1分乾燥後の含水率が25%であって速乾性が不良であった。
Claims (2)
- SBR、充填剤、ロジン系液状樹脂とロジン系固形樹脂を一対一で加熱溶解し、水を加えてエマルジョン化したものより成る樹脂から成る缶蓋用シーリングコンパウンドに於いて、上記充填剤は少なくとも水酸化アルミニウムを含み、その水酸化アルミニウムを含む充填剤を前記SBR100重量部に対し20〜110重量部含有し、而も前記SBR100重量部に対し0.1〜20重量部のスチレンマレイン酸共重合体を含有し、総固形分濃度が50〜85重量%であることを特徴とする水性缶蓋用シーリングコンパウンド。
- 上記充填剤は水酸化アルミニウムとその他充填剤より成り、水酸化アルミニウムとその他充填剤の混合比率が20:80〜100:0の範囲に定められていることを特徴とする請求項1記載の水性缶蓋用シーリングコンパウンド。
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