JP4213623B2 - 車両用収容装置 - Google Patents

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Description

本発明は、乗用車等の車両の車室に設けられる車両用収容装置に関するものである。
この種の車両用収容装置には、例えば特許文献1に開示されるものがある。これは、コンソールボックスの開口部に、複数のブロックを連結して構成された蛇腹ドアを設けたものである。蛇腹ドアは、コンソールボックスに設けられたレールに案内され、前記開口部に沿って開閉方向にスライド動作するようになっている。
特開平9−20176号公報
ところが、上記特許文献1のコンソールボックスでは、比較的薄い物品、例えば、携帯電話、財布等を出し入れするときにも蛇腹ドアを大きく開かなければ、これらを出し入れすることができず、このような物品を頻繁に出し入れするときの利便性が低い。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、物品の大きさに応じた利便性を向上することができる車両用収容装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、車室内の収容部をスライドにより開閉するための蓋体を設けた車両用収容装置であって、前記蓋体を複数枚の開閉回動可能な鎧板により構成するとともに、これらの鎧板が一斉に開閉回動するように各鎧板を連結するための連結機構を設け、さらに蓋体をスライドさせるとともに、鎧板を開閉回動させるための操作部を設けたことを特徴とする。
従って、請求項1に記載の発明によれば、蓋体をスライドさせることによって、収容部を大きく開放して物品の出し入れを行うことができる上、蓋体を構成する複数枚の鎧板を開閉回動させることによって、蓋体を閉じたまま各鎧板の間を通じて物品の出し入れを行うことができる。このため、収容部に出し入れする物品の大きさが比較的小さい場合には、蓋体を開くことなく収容部に対する物品の出し入れを行うことができるとともに、鎧板間に立てかけておくことも可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記鎧板を、閉鎖回動位置と開放回動位置とに保持するための保持手段を設けたことを特徴とする。
従って、請求項2に記載の発明によれば、保持手段により、鎧板が閉鎖回動位置と開放回動位置とに保持されるので、各鎧板がひとりでに開閉されるのを防止することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記蓋体を物品収容用の収容凹部の開口部に設けたことを特徴とする。
本発明によれば、蓋体をスライドさせることによって、収容部を大きく開放して物品の出し入れを行うことができる上、蓋体を構成する複数枚の鎧板を開閉回動させることによって、蓋体を閉じたまま各鎧板の間を通じて物品の出し入れを行うことができる。このため、収容部に出し入れする物品の大きさが比較的小さい場合には、蓋体を開くことなく収容部に対する物品の出し入れを行うことができるとともに、鎧板間に立てかけておくことも可能となる。従って、物品の大きさに応じた利便性を向上することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明を、車両のフロントドアに設けられた小物入れに具体化した第1実施形態を図1〜図8に従って説明する。
図1に示すように、車両のフロントドア10のドアトリム11には、車両用収容装置としての小物入れ12が設けられている。この小物入れ12は、図3に示すように、上方に開口する物品収容用の収容凹部としての収容部13を備えるとともに、この収容部13の開口部14を開閉する蓋体15を備えている。この蓋体15は、複数枚の鎧板16で構成されている。
図5に示すように、収容部13の両側壁内側には、蓋体15を開閉動作させるための案内レール17がそれぞれ配設されている。各案内レール17は、収容部13内に配置された直線状の上部17aと、収容部13の外側において上部17aの端部から下方へ湾曲した後、同下方に延びる下部17bとからなる。
図5、図6(a),(b)及び図8(a),(b)に示すように、案内レール17は、側方に開口する第1案内溝18と、この第1案内溝18の下部に位置する第2案内溝19とを備えている。両案内レール17間には、前記蓋体15がスライド開閉されるように支持されている。蓋体15は、各案内レール17の第1案内溝18に位置する一対のスライダ20を備え、このスライダ20は第1案内溝18に案内される案内部21と、その案内部21間を一体に連結するとともに可撓性を有する連結部21aとにより構成されている。両スライダ20は、対向する案内レール17の案内部21間に前記鎧板16を支持している。各鎧板16は、蓋体15とともに一体にスライドする。また、図5、図6(a),(b)及び図8(a),(b)に示すように、各スライダ20の案内部21の内、最も端部の案内部21には、鎧板16側に延びる係止突起22(保持手段)がそれぞれ一体形成されている。
図3に示すように、各鎧板16は略長方形の板状に形成され、両スライダ20間において、蓋体15のスライド開閉方向に配列されている。図5、図6(a),(b)及び図8(a),(b)に示すように、各鎧板16は、その両端中央に支軸16aをそれぞれ備えている。各支軸16aは、対応するスライダ20の案内部21にそれぞれ回動可能に支持されている。図2、図3、図5及び図6(a),(b)に示すように、各鎧板16の内、両案内レール17の端部に配置されるものには、その長手方向中央部に、蓋体15をスライド開閉させるための操作部としてのつまみ23が設けられている。また、つまみ23は、各鎧板16を一斉に開閉回動させるためにも用いられる。
図5、図6(a),(b)及び図8(a),(b)に示すように、各鎧板16は、各案内レール17の第2案内溝19内に配設された可撓性を有する連結部材24によってその両側でそれぞれ連結されている。各連結部材24は、案内レール17の上部17aとほぼ同じ長さを有する直線状の基部24aと、この基部24aからそれぞれ上方に突出する複数の連結片24bとから構成されている。各連結片24bは、鎧板16の端面に連結軸25を介して回動可能に連結されている。そして、両連結部材24は、両スライダ20間に支持された各鎧板16が一斉に同じ方向に回動するように各鎧板16を連結する。本実施形態では、支軸16a、スライダ20及び連結部材24が連結機構を構成する。
図5及び図8(b)に示すように、各鎧板16がほぼ水平となった閉鎖回動位置では、最も端に位置する鎧板16の図5における下面が前記両係止突起22に当接し、各鎧板16が閉鎖回動位置から図5の反時計方向に回動されることを阻止するようになっている。また、図6(a)及び図8(a)に示すように、各鎧板16がほぼ直立となった開放回動位置では、最も端に位置する鎧板16の図6における左側面が前記両係止突起22に当接し、各鎧板16が開放回動位置から図6の時計方向に回動されることを阻止するようになっている。
次に、上記にように構成された小物入れ12の作用について説明する。
さて、図5に示すように各鎧板16が閉鎖回動位置に配置された状態では、係止突起22に鎧板16の1つが当接して各鎧板16の回動が規制される。このため、図2に示すように、蓋体15によって小物入れ12の開口部14が閉じられる。
図5の状態から矢印Qで示す向きにつまみ23を操作すると、両連結部材24を介して各鎧板16が水平状態から同図における時計方向に一斉に回動する。そして、図6(a),(b)に示すように、鎧板16の1つが両係止突起22に当接して各鎧板16の同図時計方向での回動が阻止され、各鎧板16が開放回動位置に保持される。この結果、小物入れ12の開口部14は、図3に示すように、各鎧板16で仕切られた状態で開口する。この状態では、蓋体15を閉めたままで、比較的薄い小物、例えば、携帯電話、手帳、財布、カード等を、鎧板16の間から収容部13に入れることができる。また、比較的丈のある携帯電話、CD、手帳、財布であれば、取り出し可能な状態で鎧板16間に立てかけておくこともできる。
また、図5の状態から矢印Rで示す向きにつまみ23を操作すると、両連結部材24を介して各鎧板16が閉鎖回動位置のままで蓋体15が両案内レール17に沿って上部17aから下部17b側に移動する。そして、図7に示すように、蓋体15は、開口部14から退避し、下部17bの端まで移動されて停止する。この結果、小物入れ12の開口部14は、図4に示すように、完全に開口した状態となる。この状態では、大きな小物を収容部13に出し入れすることができる。
従って、この実施形態によれば、各鎧板16を開閉回動させることにより、蓋体15を閉じたまま各鎧板16の間を通じて収容部13へ比較的薄い小物を出し入れすることができる。例えば、頻繁に使用する携帯電話や財布を各鎧板16の間に差し込んで立てかけておけば、使用時毎に蓋体15を開閉することなく即座に取り出して使用することができる。このため、利便性を向上することができる。
また、蓋体15が案内レール17に沿ってスライド開閉されるように構成したので、大きな小物の出し入れに支障はない。
さらに、各鎧板16を、閉鎖回動位置と開放回動位置とに保持するための係止突起22を設けたので、各鎧板16がひとりでに開閉されるのを防止することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
さて、この第2実施形態においては、図9に示すように、車両用収容装置としての小物入れ30が、車両の後席31の中央部に設けられたアームレスト32に設けられている。この小物入れ30は、上方に開口する物品収容用凹部としての収容部33の開口部34を開閉する蓋体35を備えている。この蓋体35は、複数枚の鎧板36で前記第1実施形態と同様に構成されている。
従って、この第2実施形態においても、前記第1実施形態に記載の効果と同様の効果を得ることができる。
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 蓋体15を構成する複数の鎧板16の内における一部の複数の鎧板16のみを連動して開閉するように連結部材で連結するとともに、残りの鎧板16を単独で開閉するように構成すること。
・ 図10に示すように、車両用収容装置としての小物入れ40を、車両荷室内のホイールハウス41に設けた構成とすること。
あるいは、小物入れを、センタコンソール、ダッシュボードあるいはセンタクラスタに設けた構成とすること。
・ 各鎧板の開閉を、スイッチ操作に基づいて電動アクチュエータを作動させることで行うように構成すること。この場合には、スイッチが操作部となる。
・ 物品収容部の開口部に設けられた蓋体に限らず、車両の荷室に設けられたトノカバー(蓋体)に本発明を具体化すること。この場合には、荷室が収容部となる。
本実施形態の小物入れを備えたフロントドアを示す斜視図。 小物入れを示す斜視図。 小物入れを示す斜視図。 小物入れを示す斜視図。 小物入れを示す縦断面図。 (a)は小物入れを示す縦断面図、(b)は(a)におけるA部拡大図。 小物入れを示す縦断面図。 (a),(b)は共に案内レールの縦断面図。 他の実施形態の小物入れを示す斜視図。 他の実施形態の小物入れを示す斜視図。
符号の説明
12…車両用収容装置としての小物入れ、13…収容凹部としての収容部、14…開口部、15…蓋体、16…鎧板、16a…連結機構を構成する支軸、20…連結機構を構成するスライダ、22…保持手段としての係止突起、23…操作部としてのつまみ、24…連結機構を構成する連結部材、30…車両用収容装置としての小物入れ、33…収容凹部としての収容部、34…開口部、35…蓋体、36…鎧板、40…車両用収容装置としての小物入れ。

Claims (3)

  1. 車室内の収容部をスライドにより開閉するための蓋体を設けた車両用収容装置であって、
    前記蓋体を複数枚の開閉回動可能な鎧板により構成するとともに、これらの鎧板が一斉に開閉回動するように各鎧板を連結するための連結機構を設け、さらに蓋体をスライドさせるとともに、鎧板を開閉回動させるための操作部を設けたことを特徴とする車両用収容装置。
  2. 前記鎧板を、閉鎖回動位置と開放回動位置とに保持するための保持手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の車両用収容装置。
  3. 前記蓋体を物品収容用の収容凹部の開口部に設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用収容装置。
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