JP4213417B2 - 希土類合金の製造方法、r−t−b系磁石用合金塊、r−t−b系磁石、r−t−b系ボンド磁石、r−t−b系交換スプリング磁石用合金塊、r−t−b系交換スプリング磁石、およびr−t−b系交換スプリングボンド磁石 - Google Patents

希土類合金の製造方法、r−t−b系磁石用合金塊、r−t−b系磁石、r−t−b系ボンド磁石、r−t−b系交換スプリング磁石用合金塊、r−t−b系交換スプリング磁石、およびr−t−b系交換スプリングボンド磁石 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は希土類合金とその鋳造方法に係わり、特にR−T−B系磁石用合金と遠心鋳造方法を用いた該合金の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、磁石用合金としてNd−Fe−B系合金がその高特性から急激に生産量を伸ばしており、HD(ハードディスク)用、MRI(磁気共鳴映像法)用、或いは各種モーター用等に使用されている。通常は、Ndの一部をPr、Dy等の他の希土類元素で置換したもの(Rと表記する、但しRはYを含む希土類元素のうち少なくとも一種からなるものとする。)やFeの一部をCo、Ni、Cu、Al、Cr、Mn等の他の遷移元素で置換したもの(Tと表記する。)が一般的であり、Nd−Fe−B系合金を含め、R−T−B系合金と総称されている。
【0003】
R−T−B系合金は、強磁性相R214Bを主相とする合金であり、活性な金属であることから一般に真空または不活性ガス雰囲気中にて溶解鋳造され、焼結磁石またはボンド磁石として使用されている。
【0004】
(1)焼結磁石
焼結磁石用合金塊は、溶湯を、内部が水冷されている銅製または鉄製の金型に鋳造して厚さ約5〜50mmの塊を製造する金型鋳造法(以下、BM法と称す。)や、内部が水冷されており周速1m/秒前後で回転している銅製ロール上にゆっくり流して急冷凝固させ、厚さ約0.1〜1mmの薄板を製造するストリップキャスティング法(以下、SC法と称す。)等で製造される(特開平05−222488号公報、特開平05−295490号公報)。
【0005】
これらの方法で製造された合金塊は、アルゴンや窒素等の不活性ガス雰囲気中で粉砕され3μm(FSSS:フィッシャーサブシーブサイザーでの測定)程度の粉体とした後、磁場中で0.8〜2トン/cm2の圧力でプレス成形され、焼結炉で真空またはアルゴン等の不活性雰囲気中で約1000〜1100℃の高温にて焼結され(以下、粉砕から焼結までの工程を粉末冶金法的な製法と称する。)、その後必要に応じ真空またはアルゴン等の不活性雰囲気中で400〜1000℃で熱処理され、機械加工や耐食のためのメッキをされて磁石化される。
【0006】
特にSC法は、結晶組織を微細化させ、非磁性で希土類元素の濃縮した低融点のR−リッチ相が微細に分散した組織を有する合金を生成させるものであり、合金内のR−リッチ相が微細に分散しているため、粉砕、焼結後のR−リッチ相の分散性も良好となり、BM法で製造した合金塊を使用した場合よりも磁気特性が向上する。
【0007】
(2)ボンド磁石
ボンド磁石用合金塊は、溶湯を周速20m/秒前後の高速で回転している銅製ロールの上に坩堝底部に設けられたオリフィスより射出して、厚さ10〜100μmの薄帯を製造する、所謂超急冷法で製造される。この超急冷法で製造された薄帯は、必要に応じて400〜1000℃で熱処理された後、500μm以下の大きさまで粉砕され、樹脂と混合して圧縮成形または射出成形して磁石化される。この薄帯は磁気的には等方性であり、したがってボンド磁石も磁気的には等方性である。
【0008】
また最近、それぞれ10〜100nmの大きさの硬磁性相の結晶粒と軟磁性相の結晶粒を複合してなる交換スプリング磁石が提案されている。この交換スプリング磁石用合金塊は結晶粒が非常に細かいため、一般に超急冷法で製造され、必要に応じて400〜1000℃で熱処理された後、500μm以下の大きさまで粉砕され、樹脂と混合して圧縮成形または射出成形して磁石化される。この磁石は、主に軟磁性相の結晶粒が残留磁束密度を担い、主に硬磁性相の結晶粒が保磁力を担う。交換スプリング磁石では、硬磁性相は異方性磁界が大きいことが必要であり、このため希土類系のR214B 、Sm1Co5、Sm2Co17等が硬磁性相として選ばれる。また、軟磁性相には飽和磁化が大きいFe、Fe2B、Fe3B等が選ばれる。
【0009】
BM法やSC法で製造したR−T−B系磁石用合金塊は、そのままの状態では磁性が極めて弱く、磁石としては使用できない。その理由は、R−T−B系磁石の場合、保磁力発現機構がニュークリエーション型であり、鋳造したままの状態では結晶粒の粒界に格子欠陥や凹凸があることに起因する。すなわち、この結晶粒界の格子欠陥や凹凸が逆磁区発生の核(以下、ニュークリエーションサイトと称する。)となり、弱い逆磁界でもこのニュークリエーションサイトで磁化反転が起こるため、この磁化反転をきっかけにして結晶粒全体が磁化反転してしまうのである。特に、BM法で製造した合金塊では長軸径で数mm程度の結晶粒が多数あり、またSC法で製造した合金塊でも長軸径で100μm以上の結晶粒が多数あり、結晶粒が大きすぎるため、合金全体に占める磁化反転する体積が大きくなり、その結果、磁気特性が極めて低くなってしまう。
【0010】
このためR−T−B系焼結磁石は、上述のようにR−T−B系磁石用合金塊を3μm程度まで粉砕し、焼結して磁石化する。この磁石の結晶粒の大きさは5〜20μm程度であり、融点が低く焼結時に液相となったR−リッチ相が粒界の凹凸を無くし、ニュークリエーションサイトを減少させるため、保磁力が高まる。ところが、この粉砕から焼結までの工程はかなりのコストがかかる。特に、R−T−B系磁石用合金粉は活性であり、製品品質の安定と製造工程の安全上の問題から、粉砕から焼結までの工程を不活性ガス雰囲気中で行なう等の対策が必要であり、このこともコストアップの一因になっている。
【0011】
一方、超急冷法で製造したR−T−B系ボンド磁石用薄帯は、磁気特性を最適化するため必要に応じて500〜800℃で熱処理される。この結果、結晶粒径が10〜100nmの磁気的に等方性の薄帯となる。但し、薄帯のままでは実用に供しないため、500μm以下まで粉砕され、樹脂と混合して圧縮成形または射出成形して等方性ボンド磁石として使用される。また、この薄帯を700℃、1トン/cm2で熱間プレスして塊状の等方性磁石にする製法も提案されている(R.W.Lee、Appl.Phys.Lett. 46(1985)、特開昭60−100402号公報)。
【0012】
しかし、BM法やSC法と比較して、超急冷法による薄帯の製造は生産性が低い。さらに、ホットプレスして塊状の等方性磁石にする製法はコストが高い。
【0013】
また、超急冷法で製造した交換スプリング磁石用合金薄帯も磁気特性を最適化するため、必要に応じて500〜800℃で熱処理される。この結果、結晶粒径が10〜100nmの磁気的に等方性の薄帯となる。但し、薄帯のままでは実用に供しないため、500μm以下まで粉砕され、樹脂と混合して圧縮成形または射出成形して等方性ボンド磁石として使用される。また、この薄帯を、プラズマ焼結(SPS法)させて塊状の等方性磁石にする製法も提案されている(例えば、小野、脇、藤木、島田、山元、園田、谷、日本金属学会講演概要 2000年春季大会)。
【0014】
しかし、上述と同様、超急冷法による薄帯の製造は生産性が低い。さらに、プラズマ焼結法による塊状の等方性磁石にする製法は、極めてコストが高い。
【0015】
本発明者らは、従来の遠心鋳造法を改良し、回転する鋳型の内側に配置した、往復運動し複数のノズルを備えた箱型のタンディッシュを介して、溶湯を回転鋳型の内側に堆積凝固させる方法(Centrifugal Casting:以下CC法と称する。)と装置を発明した(特開平08−13078号公報、特開平08−332557号公報)。
【0016】
このCC法では、既に堆積凝固したインゴットの上に次の溶湯が順次注がれ、追加鋳造されたその溶湯は鋳型が1回転する間に半凝固するため、凝固速度を速めることができる。しかしこのCC法でも、Rの濃度の低いR−T−B系合金塊を製造しようとすると、高温域の冷却速度が遅いため、磁気特性や磁石製造工程で有害なα−Feの生成が避けられない。
【0017】
そこで本発明者らは、R−T−B系合金塊中でのα−Feの生成を避けるためにCC法で凝固冷却速度を速めるため、溶湯の堆積速度をより小さくするように回転するタンディッシュから溶湯を飛散させ、回転鋳型へ堆積させる遠心鋳造方法を考案した(特願2000−262605号)。これによりα−Feの生成が抑制されることがわかった。これにより、磁石として磁気特性を上げることができる、Rの濃度の低いR−T−B系合金の鋳造塊が得られるようになった。しかし、この方法で得られたR−T−B系合金塊でも、長軸径が1000μm以上の結晶粒が多数あるため、鋳造したままの状態では磁気特性が極めて低く、凝固冷却速度をさらに速めて結晶粒径を小さくすることが必要であると考えられた。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、従来の遠心鋳造法について改良を重ね、溶湯の供給速度を抑えかつ堆積凝固させた合金塊の鋳型面から鋳型内壁面への熱伝達率を上げる方法を発明した。それによって、従来にない微細な結晶粒を持つR−T−B系合金の鋳造塊が得られ、その鋳造塊はそのままでも等方性で高い磁気特性を発揮することを確認した。本発明は、遠心鋳造法により、希土類合金、特にR−T−B系磁石用合金を製造する際に、鋳造塊の鋳型面から鋳型内壁面への熱伝達率を上げる方法を提供し、それにより従来にない微細な結晶粒を持つR−T−B系磁石用合金を製造することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、
(1)希土類合金の溶湯を回転体に受け、該回転体の回転によって溶湯を飛散させ、その飛散した溶湯を回転する円筒状鋳型の内壁面で堆積凝固させる、遠心鋳造方法による希土類合金の製造方法において、鋳型材質よりも熱伝導率が小さい膜が、円筒状鋳型の内壁面に取り付けられていることを特徴とする希土類合金の製造方法。
(2)膜の熱伝導率が、80W/mK以下であることを特徴とする上記(1)に記載の希土類合金の製造方法。
(3)膜が、少なくとも1層の金属、セラミックス、または金属とセラミックスの複合物からなることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の希土類合金の製造方法。
(4)膜が、塗布、メッキ、溶射、または溶接により、鋳型の内壁面に取り付けられていることを特徴とする上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の希土類合金の製造方法。
(5)膜の厚さが1μmから1mmの範囲であることを特徴とする上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の希土類合金の製造方法。
(6)回転体の回転軸と円筒状鋳型の回転軸とが傾斜角θをなすことを特徴とする上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の希土類合金の製造方法。
(7)遠心鋳造方法により、円筒状鋳型の内壁面に希土類合金を2層以上重ねて鋳造することを特徴とする上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の希土類合金の製造方法。
(8)上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の方法で製造した希土類合金を、500〜1100℃で熱間加工することを特徴とする希土類合金の製造方法。
(9)上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の方法で製造した希土類合金を、400〜1000℃で熱処理することを特徴とする希土類合金の製造方法。
(10)上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の方法で製造した希土類合金を、1000〜1100℃で熱処理し、さらに400〜1000℃で熱処理することを特徴とする希土類合金の製造方法。
(11)希土類合金がR−T−B系磁石用合金(RはYを含む希土類元素のうち少なくとも一種、TはFeを主成分とし一部をCo、Ni、Cu、Al、Ga、Cr、Mnで置換してもよい。)であることを特徴とする上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の希土類合金の製造方法。
である。
【0020】
また本発明は、
(12)Nd、Pr、Dyのいずれか一種以上の元素を合計で11.8〜16.5原子%、Bを5.6〜9.1原子%含有し、残部T(TはFeを主成分とし一部をCo、Ni、Cu、Al、Ga、Cr、Mnで置換してもよい。)からなり、粒径が10μm以下の結晶粒の体積が合金全体の50%以上ある、上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の方法で製造したR−T−B系磁石用合金塊。
(13)Nd、Pr、Dyのいずれか一種以上の元素を合計で11.8〜16.5原子%、Bを5.6〜9.1原子%含有し、残部T(TはFeを主成分とし一部をCo、Ni、Cu、Al、Ga、Cr、Mnで置換してもよい。)からなり、鋳造したままで合金厚さが1mm以上であり、粒径が10μm以下の結晶粒の体積が合金全体の50%以上あるR−T−B系磁石用合金塊。
(14)上記(12)または(13)に記載のR−T−B系磁石用合金塊を、切断、研削、研磨、打ち抜き法のいずれか一種以上の方法で機械加工したR−T−B系磁石。
(15)上記(12)または(13)に記載のR−T−B系磁石用合金塊から作製した外径が100mm以上の円筒状のR−T−B系磁石。
(16)上記(12)または(13)に記載のR−T−B系磁石用合金塊を500μm以下まで粉砕したR−T−B系磁石用合金粉。
(17)上記(16)に記載のR−T−B系磁石用合金粉を使用して製造したR−T−B系ボンド磁石。
である。
【0021】
また本発明は、
(18)Nd、Pr、Dyのいずれか一種以上の元素を合計で1〜12原子%、Bを3〜30原子%含有し、残部T(TはFeを主成分とし一部をCo、Ni、Cu、Al、Ga、Cr、Mnで置換してもよい。)からなり、硬磁性相の結晶粒と軟磁性相の結晶粒を複合してなり、結晶粒径が1μm以下の硬磁性結晶粒と軟磁性結晶粒の体積が合金全体の50%以上ある、上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の方法で製造したR−T−B系交換スプリング磁石用合金塊。
(19)Nd、Pr、Dyのいずれか一種以上の元素を合計で1〜12原子%、Bを3〜30原子%含有し、残部T(TはFeを主成分とし一部をCo、Ni、Cu、Al、Ga、Cr、Mnで置換してもよい。)からなり、硬磁性相の結晶粒と軟磁性相の結晶粒を複合してなり、鋳造したままで合金厚さが1mm以上であり、結晶粒径が1μm以下の硬磁性結晶粒と軟磁性結晶粒の体積が合金全体の50%以上あるR−T−B系交換スプリング磁石用合金塊。
(20)鋳造後、400〜1000℃で熱処理した上記(18)または(19)に記載のR−T−B系交換スプリング磁石用合金塊。
(21)上記(18)ないし(20)のいずれかに記載の合金塊を、切断、研削、研磨、打ち抜き法のいずれか一種以上の方法で機械加工したR−T−B系交換スプリング磁石。
(22)上記(18)ないし(20)のいずれかに記載の合金塊から作製した外径が100mm以上の円筒状のR−T−B系交換スプリング磁石。
(23)上記(18)ないし(20)のいずれかに記載の合金塊を500μm以下まで粉砕したR−T−B系交換スプリング磁石用合金粉。
(24)上記(23)に記載の合金粉を使用して製造したR−T−B系交換スプリングボンド磁石。
である。
【0022】
(25)円筒状鋳型の内壁面に堆積凝固した希土類合金の合金片を、剥ぎ取りながら鋳造を続けることを特徴とする上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の希土類合金の製造方法。
(26)上記(25)に記載の方法で製造した希土類合金を、400〜1000℃で熱処理することを特徴とする希土類合金の製造方法。
(27)上記(25)に記載の方法で製造した希土類合金を、1000〜1100℃で熱処理し、さらに400〜1000℃で熱処理することを特徴とする希土類合金の製造方法。
(28)希土類合金がR−T−B系磁石用合金であることを特徴とする上記(25)ないし(27)のいずれかに記載の希土類合金の製造方法。
(29)Nd、Pr、Dyのいずれか一種以上の元素を合計で11.8〜16.5原子%、Bを5.6〜9.1原子%含有し、残部T(TはFeを主成分とし一部をCo、Ni、Cu、Al、Ga、Cr、Mnで置換してもよい。)からなり、粒径が10μm以下の結晶粒の体積が合金全体の50%以上ある、上記(25)ないし(28)のいずれかに記載の方法で製造したR−T−B系磁石用合金片。
(30)最大長さが5cm以下であり、厚さが1mm以下であることを特徴とする上記(29)に記載のR−T−B系磁石用合金片。
(31)上記(29)または(30)に記載のR−T−B系磁石用合金片を500μm以下まで粉砕したR−T−B系磁石用合金粉。
(32)上記(31)に記載のR−T−B系磁石用合金粉を使用して製造したR−T−B系ボンド磁石。
である。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明に係わる遠心鋳造装置の概略を図1に示す。なお図1は、本発明の1例である。R−T−B系磁石用合金等を含む希土類合金は、その活性な性質のため真空または不活性ガス雰囲気の溶解チャンバー1内で例えばアルミナ製の坩堝3にて溶解される。希土類合金の鋳造は、坩堝を徐々に傾けて希土類合金の溶湯31を湯道6に流し、例えば底面を有する円筒状の回転体5に受け、該回転体5の回転によって、該回転体5の側面に開けた複数の孔部11から溶湯を、該回転体の外側にある円筒状鋳型4の内壁に飛散させる。円筒状の回転体5は、円状の底面の中心を通り、この底面に垂直な回転軸Rで回転する構造とする。なお、この回転体は注がれた溶湯を周囲に飛散させる機能を有していればよく、底面を有する円筒状の他、円盤状、上に角度を持つカップ状、下に角度を持つコーン状等にて飛散させられる構造でもよいが、図に示すような側面に複数の孔部11を有する円筒状の形状が好ましい。
【0024】
このような回転体や回転体の内部に溶湯が注がれた場合、溶湯は回転による力や遠心力により、回転体の周囲に飛散させられる。この場合、回転体の熱容量を小さくすることによって溶湯を回転体上で凝固させず、円筒状鋳型の内壁にて堆積凝固させることができる。
【0025】
なお、図1では、鋳型が水平に置かれているが、円筒状の鋳型は水平に置いても、垂直に置いても、傾斜させておいても回転体との位置関係を一定に保てばなんら問題はない。
【0026】
また、回転体5の回転軸Rと鋳型4の回転軸Lとの間にある角度θをもたせることにより、堆積面を鋳型の長手方向全体に広げることができ、それによって溶湯の堆積速度をコントロールすることが出来る。この角度θをつけることにより、溶湯を円筒状鋳型の大きな面積範囲にばら撒くことができ、結果的に凝固速度を大きくすることができる。さらに回転体5の回転軸Rを可変として、鋳造中に角度θを変化させることにより、溶湯をより大きな面積範囲にばら撒くことができる。
【0027】
溶湯を円筒状鋳型4の全体にばら撒くには、上述の回転体5の回転軸Rと鋳型4の回転軸Lとの間に角度θをつける以外に、鋳型又は回転体を鋳型回転軸方向に前後させることによっても同様の効果が得られる。
【0028】
なお、回転体と鋳型は同一方向に回転速度をずらして回転させることが好ましい。回転体と鋳型を反対方向に回転させると、溶湯が鋳型に衝突する際に鋳型に乗らずに飛散するスプラッシュ現象が発生し易くなり、歩留りの低下を招く。
【0029】
また、回転体と鋳型の回転が同一方向で速度が同じであると、鋳型上の同一面に線状に堆積することになり、鋳型全面に広がらない。従って両者の回転速度があまり近いことも避けるべきで、通常は、両者の回転速度の差は少なくとも10%以上、望ましくは20%以上差をつけるべきである。
【0030】
回転体の回転数は、遠心力により溶湯が鋳型の内壁面に衝突するような条件を選ぶ必要がある。具体的な回転数は、回転体と鋳型の大きさや回転体から溶湯が飛び出す方向、鋳型に乗らずに飛散するスプラッシュの量等も考慮して決められる。溶湯の凝固速度を速くする場合は、鋳型の内壁面への溶湯の衝突力を大きくするように回転数を決めることが好ましい。
【0031】
また、円筒状鋳型4の回転数は、堆積凝固した合金塊7が落下しないように1G以上の遠心力を与える必要がある。溶湯を鋳型内壁へ押し付けることで冷却効果を増すためには2G以上の遠心力を与えることが好ましい。
【0032】
円筒状鋳型4の材質は、銅が熱伝導率から見て好ましいが、鉄でも問題はない。本発明の特徴は、この回転する円筒状鋳型の内壁面に、鋳型材質よりも熱伝導率が小さい膜を取り付けることにある。常温での鉄の熱伝導率は、およそ80W/mKであり、鋳型の内壁面に取り付ける膜の熱伝導率は、80W/mK以下とするのが好ましい。この膜は、鋳型に堆積した溶湯の熱を鋳型に伝える際の障壁となるため、鋳造の最初の段階で鋳型の内壁面に堆積した合金塊7の温度はあまり下がらず、高温のままとなる。この高温の合金塊は鋳型の遠心力により鋳型の内壁面に押し付けられ、鋳型と接する面が鋳型内壁面と同程度の平滑さになり、鋳型との間の隙間がほとんど無くなる。この結果、合金塊から鋳型への熱伝達率が逆に高くなり、その後に堆積した溶湯の冷却速度が極めて速くなる。
【0033】
本発明により、鋳型に堆積した溶湯の冷却速度が極めて速くなるため、R−T−B系磁石用合金塊の結晶粒径は非常に細かくなり、粒径10μm以下の結晶粒の占める体積を合金全体の50%以上、好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上にすることができる。その結果、鋳造塊のままの状態でも、等方性で高い磁気特性を発揮させることができる。
【0034】
また、堆積した溶湯の冷却速度を速くするには、鋳型への溶湯の堆積速度も重要である。冷却速度を速くするには、堆積速度を遅くする必要があり、好ましくは平均で0.1mm/秒以下、さらに好ましくは平均で0.05mm/秒以下とする。
【0035】
なお、本発明に係る膜を鋳型の内壁面に取り付けない場合は、鋳造の最初に鋳型に付着した溶湯は急冷され付着した時の形状のままで凝固してしまう。このため合金塊の鋳型面側の表面はひどい凸凹状になり、その後に堆積した溶湯の熱の鋳型への熱伝達速度を極めて悪くしてしまう。その結果、合金塊の全体に結晶粒が成長してしまい、長軸径が1000μm以上の結晶粒も多数存在することになる。
【0036】
ここで、合金塊の結晶粒の大きさは、例えば次のようにして合金塊の断面観察を行って測定することができる。つまり、合金塊断面を研磨し、磁気Kerr効果を利用した偏光顕微鏡にて断面の任意の視野を200倍にて観察し写真に撮り、この写真中のそれぞれの結晶粒の大きさを画像処理等で測定する。また、ある粒径以下の結晶粒が合金全体に対して占める体積の割合は、次のような方法で求められる。例えば、偏光顕微鏡にて合金塊の断面のランダムな10視野を200倍にて写真を撮り、これらの写真において画像処理等によりその粒径以下の結晶粒が占める面積を求めて合計し、10枚の写真の面積の合計で除した値を求めれば、その粒径以下の結晶粒が合金全体に対して占める体積の割合とみなすことが出来る。
【0037】
本発明では、鋳型の内壁面へ膜を取り付ける方法は、塗布、メッキ、溶射、溶接のいずれでも良い。例えば、塗布にはハケ塗り、スプレー等があり、溶射には高圧ガス溶射、爆発溶射、プラズマ溶射、自溶合金溶射等がある。また、例えば溶射膜の上にさらに塗布膜を取り付けてもよい。膜の厚さは合計で1μmから1mmの範囲とするのが好ましく、さらに好ましくは1μmから500μmの範囲とする。
【0038】
膜の材質は、金属、セラミックス、または金属とセラミックスの複合物のいずれでも良い。また、異なる材質の膜を2層以上重ねて取り付けても良い。膜の材質は、鋳型の内壁面に膜を取り付けた場合に、鋳型よりも熱伝導率が低くなるように選ぶ。膜が金属の場合は、例えば、ステンレス、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Nb、Mo、Ta、W等やこれらの金属を構成成分とする合金を用いることができる。鋳型材質がCuであり、膜もCuであっても、膜内に微細なポアを多数作ること等により熱伝導率を鋳型よりも低くすることができる。同様の方法を用いれば、鋳型材質がFeであっても、膜としてFeを使用することも可能となる。膜がセラミックスの場合は、窒化ホウ素、酸化ナトリウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化アルミ、酸化カルシウム、酸化クロム、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化バナジウム、酸化バリウム、酸化マンガン、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、希土類酸化物、タングステンカーバイド、クロムカーバイド、ニオブカーバイド、チタンカーバイド等やこれらのセラミックスの複合物を用いることができる。さらに上述の金属とセラミックスの複合物も膜として使用することができる。
【0039】
さらに、この円筒状鋳型の内壁面を凹凸の組合せによる非平滑面にして鋳型の冷却面積を増し、その表面に膜を付けることにより冷却能を上げ冷却速度を上げることもできる。内壁面の凹凸は、曲面でも良いが、直線的に角度のついた溝のほうが、溶湯が鋳型面に当った瞬間の凝固収縮による鋳型面からのずれによる剥離を防ぎ、鋳型との密着性を上げ熱伝導を向上させる意味で好ましい。なお、凹凸の深さは、鋳型体積、鋳型表面積、比熱等を勘案して設計することが必要であるが、0.5mm〜5mm程度が適当である。浅過ぎると冷却効果が小さくなり、所望の組織が得られなくなり、深すぎると鋳造後の鋳造品の剥離に手間がかかる。
【0040】
本発明では、鋳造塊が十分冷却してからその上に重ねて鋳造することを繰り返すことにより、厚さをより厚くした微細結晶粒組織の合金塊を製造することができる。実用面から、合金塊の好ましい全厚は1mm以上、より好ましい厚さは5mm以上、さらに好ましい厚さは10mm以上である。
【0041】
本発明の合金塊は、不活性ガス雰囲気中または真空中で熱間加工することにより、異方性化させることも可能である。好ましい加工方法は、ダイアプセット法、圧延、鍛造、プレス法等である。好ましい温度は500〜1100℃である。より好ましい加工温度は600〜800℃である。好ましい圧力は、0.5トン/cm2以上、より好ましくは1トン/cm2以上である。
【0042】
また本発明の合金塊は、鋳造後または熱間加工後、真空中または不活性ガス雰囲気中400〜1000℃で熱処理することにより、保磁力や角型性を高めることができる。あるいは、鋳造後または熱間加工後、真空中または不活性ガス雰囲気中1000〜1100℃で熱処理し、真空中または不活性ガス雰囲気中400〜1000℃で熱処理することにより、磁化と保磁力をさらに高めることができる。
【0043】
本発明のR−T−B系磁石用合金の組成は、Nd、Pr、Dyのいずれか一種以上の元素を合計で11.8〜16.5原子%、Bを5.6〜9.1原子%含有し、残部T(TはFeを主成分とし一部をCo、Ni、Cu、Al、Ga、Cr、Mnで置換してもよい。)である。Nd、Pr、Dyのいずれか一種以上の元素が合計で11.8原子%未満になると、R−リッチ相が不足し、磁気特性が低下してしまう。また15.2原子%を超える場合は非磁性のR−リッチ相が多くなり過ぎて磁化が低下してしまう。一方、Bについては、5.6原子%未満になると、B成分が不足し、磁気特性が低下してしまう。また9.1原子%を超える場合は、非磁性のB−リッチ相(R1+ ε44相)が多くなり過ぎて磁化が低下してしまう。このため、Nd、Pr、Dyのいずれか一種以上の元素を合計で11.8〜16.5原子%、Bを5.6〜9.1原子%、残部Tとする。
【0044】
さらにR−T−B系磁石用合金には、結晶粒を微細化するため、高融点金属であるTi、V、Cr、Mn、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W等を添加してもよい。この場合は磁化の低下を防ぐため、合計で1質量%以下にすることが好ましい。
【0045】
本発明のR−T−B系磁石用合金は、鋳造後の合金塊のままでも等方性で高い磁気特性を発揮する。このため、合金塊を、切断、研削、研磨、打ち抜き法で所定の形状に機械加工するだけで、高い磁気特性を有する等方性のR−T−B系磁石を製造することができる。すなわち、従来の焼結磁石を製造する場合の粉砕、磁場中プレス、焼結という工程や、ボンド磁石を製造する場合の粉砕、圧縮成形または射出成形という工程が不要となるため、安価なR−T−B系磁石を製造することができる。また本発明のR−T−B系磁石は、ボンド磁石よりも密度が高いので磁化が高くなり強力な磁石にできる。
【0046】
また本発明のR−T−B系磁石用合金塊は、円筒状鋳型に堆積させられることを利用して、円筒形状の磁石を合金塊から直接製造することも可能である。この場合、装置上の制約から、円筒形状のR−T−B系磁石の外径は100mm以上にすることが好ましい。
【0047】
本発明のR−T−B系磁石には酸化しやすい希土類成分やFe成分が含まれているため、磁石の表面を、樹脂またはNiやAl等の金属でコーティングすることが好ましい。さらに、樹脂をコーティングした後、その上に金属をコーティングすることが好ましい。
【0048】
なお、本発明のR−T−B系合金塊は、大部分の結晶粒が微細であるため、粉砕しても磁気特性の低下が少ない。このため、500μm以下まで粉砕して、エポキシ樹脂等と混合して圧縮成形、またはナイロン等と混合して射出成形してボンド磁石にすることも可能である。本発明のR−T−B系磁石用合金塊の製造方法は、従来の超急冷法による方法よりも生産効率が高いため、安価なR−T−B系ボンド磁石用合金粉を提供することができる。
【0049】
さらに、本発明では、鋳型の内壁面に堆積凝固した希土類合金をスクレパー等で剥ぎ取りながら鋳造を続けることにより、最大長さが5cm以下であり厚さが1mm以下の扁平な希土類合金の薄片を製造することができる。このようにして製造したR−T−B系合金からなる合金片は、鋳造後真空中または不活性ガス雰囲気中400〜1000℃で熱処理することにより、保磁力や角型性を高めることができる。また、真空中または不活性ガス雰囲気中1000〜1100℃で熱処理し、真空中または不活性ガス雰囲気中400〜1000℃で熱処理することにより、磁化と保磁力をさらに高めることができる。
【0050】
また、このR−T−B系合金片は大部分の結晶粒が微細であるため、粉砕しても磁気特性の低下が小さい。このため、500μm以下まで粉砕して、エポキシ樹脂等と混合して圧縮成形、またはナイロン等と混合して射出成形してボンド磁石にすることも可能である。このように合金片を粉砕してボンド磁石とすると、合金塊を粉砕してボンド磁石とするよりも粉砕効率が高く、より安価な合金粉を提供することができるので好ましい。
【0051】
また本発明の希土類合金の製造方法を用いると、Nd、Pr、Dyのいずれか一種以上の元素を合計で1〜12原子%、Bを3〜30原子%含有し、残部T(TはFeを主成分とし一部をCo、Ni、Cu、Al、Ga、Cr、Mnで置換してもよい。)からなり、結晶粒径がそれぞれ1μm以下の硬磁性相の結晶粒と軟磁性相の結晶粒の合計の体積が合金全体の50%以上、好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上であるR−T−B系交換スプリング磁石用合金塊を製造することができる。合金塊の厚さは1mm以上、より好ましくは5mm以上、さらに好ましくは10mm以上とする。
【0052】
なお本発明のR−T−B系交換スプリング磁石では、硬磁性相は異方性磁界が大きいR214Bからなり、軟磁性相は飽和磁化が大きいFe、Fe2B、Fe3Bのいずれか一種以上からなる。
【0053】
さらに本発明のR−T−B系交換スプリング磁石用合金塊では、結晶粒を微細化するため、高融点金属であるTi、V、Cr、Mn、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W等を添加してもよい。この場合は磁化の低下を防ぐため、合計で1重量%以下にすることが好ましい。
【0054】
本発明の遠心鋳造法によりR−T−B系交換スプリング磁石用合金塊を製造する場合は、鋳型の回転数は、溶湯を鋳型内壁へ押し付けることで冷却効果をより増加させるため、鋳型内壁が2G以上、より好ましくは5G以上、さらに好ましくは10G以上の遠心力になるように選ぶことが好ましい。
【0055】
また、回転体の回転数は、鋳型の内壁面への溶湯の衝突力を大きくして溶湯の凝固速度を速くするため、溶湯が5G以上、より好ましくは20G以上、さらに好ましくは30G以上の遠心力を受けるように選ぶことが好ましい。
【0056】
さらに、鋳型への溶湯の堆積速度も重要である。堆積した溶湯の冷却速度を速くするため、堆積速度は平均で0.1mm/秒以下、好ましくは平均で0.05mm/秒以下、さらに好ましくは平均で0.03mm/秒以下とする。
【0057】
さらに鋳造後、R−T−B系交換スプリング磁石用合金塊を真空中または不活性ガス雰囲気中400〜1000℃で熱処理することにより、保磁力や角型性を高めることができる。
【0058】
本発明の交換スプリング磁石用合金塊は、逆磁界中で磁化が低下しても磁界を0に戻すと磁化がほとんど回復しスプリングバック率が大きい。また塊状のままでも等方性で高い磁気特性を発揮する。このため、合金塊を、切断、研削、研磨、打ち抜き法で所定の形状に機械加工するだけで、高い磁気特性を有する等方性の交換スプリング磁石を製造することができる。すなわち、従来の交換スプリングボンド磁石のように、粉砕・圧縮成形または射出成形というボンド磁石化するための工程を必要としないので、安価である。また、ボンド磁石よりも密度が高いので磁化が高くなり強力な磁石にできる。
【0059】
また、合金塊を円筒状鋳型に堆積させることを利用して、円筒形状のR−T−B系交換スプリング磁石を溶湯から直接製造することも可能である。この場合、装置上の制約から、円筒形状の磁石の外径は100mm以上にすることが好ましい。
【0060】
なお、本発明の交換スプリング磁石用合金塊を、不活性ガス雰囲気中または真空中で高温で積極的に変形させることにより、異方性化させることも可能である。変形させる方法には、ダイアプセット法、圧延、鍛造、プレス法等がある。好ましい温度は400〜1000℃で、より好ましくは600〜800℃である。変形させるための圧力は、0.5トン/cm2以上、より好ましくは1トン/cm2以上とする。
【0061】
本発明の交換スプリング磁石には酸化しやすい希土類成分やFe成分が含まれているため、磁石の表面を、樹脂またはNiやAl等の金属でコーティングすることが好ましい。さらに、樹脂をコーティングした後、その上に金属をコーティングすることが好ましい。
【0062】
なお、上述の本発明の交換スプリング磁石用合金塊は、大部分の結晶粒が微細であるため、粉砕しても磁気特性の低下が少ない。このため、500μm以下まで粉砕して、エポキシ樹脂等と混合して圧縮成形、またはナイロン等と混合して射出成形してボンド磁石にすることも可能である。本発明により交換スプリング磁石用合金塊を製造した場合、前述の超急冷法により製造した場合よりも生産効率が高いため、安価な合金粉を提供することができる。
【0063】
【実施例】
以下、本発明の実施例および比較例について説明する。
(実施例1)
組成が、Nd:10.4原子%(23.0質量%)、Pr:3.2原子%(7.0質量%)、B:6.0原子%(1.0質量%)、Al:0.7原子%(0.30質量%)、Cu:0.1原子%(0.10質量%)、Co:1.1原子%(1.0質量%)残部が鉄となるように、金属ネオジム、金属プラセオジム、フェロボロン、アルミニウム、電解銅、電解コバルト、電解鉄の各原料を配合し、アルゴンガス雰囲気中で、アルミナ坩堝を使用して高周波誘導加熱で溶解し、溶湯を図1に示す装置を使って、以下の条件で鋳造を行った。
【0064】
円筒状鋳型は、内径が500mm、長さが500mmの大きさの鉄製(27℃での熱伝導率:80.3W/mK)とした。鋳型内壁面には、プラズマ溶射により、80質量%Ni−20質量%Cr(27℃での熱伝導率:12.6W/mK)の組成となる厚さ100μmの膜を形成した。回転体は円筒形状の容器とし、内径が250mmで、側壁に直径が3mmの孔部を8個形成した。また、円筒状鋳型の回転軸Lは水平方向とし、容器の回転軸Rと円筒状鋳型の回転軸Lとの成す傾斜角度θは25度で鋳造中固定した。
鋳型内壁への平均溶湯堆積速度は0.05mm/秒とした。この時の鋳型の回転数は、遠心加速度が10Gとなるように設定し、容器状回転体の回転速度は溶湯に約20Gの遠心力を加えた。
【0065】
得られた合金塊の厚さは円筒状鋳型の中央部で8mm、両端部近傍の最も厚い部分で約10mmであった。合金塊の断面を、偏光顕微鏡を用いて結晶粒径を測定した結果、結晶粒径が10μm以下の占める面積率が95%であった。
【0066】
この合金塊から1辺が7mmの立方体を切り出し、BHカーブトレーサーで磁気特性を測定したところ、3方向共に特性はほぼ同じであり、残留磁束密度Br=8.6kG、保磁力iHc=10.2kOe、最大エネルギー積(BH)max=14.2MGOeであった。このことから、本合金は等方性磁石用合金塊として好適であることが分かる。
【0067】
(実施例2)
組成が実施例1と同様の組成になるように各原料を配合し、アルゴンガス雰囲気中で、アルミナ坩堝を使用して高周波誘導加熱で溶解し、実施例1と同様の装置および条件で鋳造を行った。但し、鋳型内壁面には、厚さ10μmの窒化ホウ素(BN)(27℃での熱伝導率:17〜42W/mK)の膜をスプレー塗布した。
【0068】
得られた合金塊の断面を、偏光顕微鏡を用いて結晶粒径を測定した結果、結晶粒径が10μm以下の占める面積率が88%であった。
【0069】
この合金塊から1辺が7mmの立方体を切り出し、BHカーブトレーサーで磁気特性を測定したところ、3方向共に特性はほぼ同じであり、Br=8.6kG、iHc=10.1kOe、(BH)max=14.0MGOeであった。このことから、本合金は等方性磁石用合金塊として好適であることが分かる。
【0070】
(実施例3)
組成が、Nd:4.6原子%(12.5質量%)、B:15.2原子%(3.1質量%)、残部が鉄となるように、金属ネオジム、フェロボロン、電解鉄の各原料を配合し、アルゴンガス雰囲気中で、アルミナ坩堝を使用して高周波誘導加熱で溶解し、溶湯を図1に示す装置を使って、以下の装置および条件で鋳造を行った。
【0071】
円筒状鋳型は、内径が500mm、長さが500mmの大きさの鉄製(27℃での熱伝導率:80.3W/mK)とした。鋳型内壁面には、プラズマ溶射により、80質量%Ni−20質量%Cr(27℃での熱伝導率:12.6W/mK)の組成となる厚さ500μmの膜を形成した。容器状回転体は、内径が250mmで、側壁に直径が2mmの孔部を8個形成した。また、円筒状鋳型の回転軸Lは水平方向とし、容器状回転体の回転軸Rと円筒状鋳型の回転軸Lとの成す傾斜角度θは25度で鋳造中固定とした。
【0072】
鋳型内壁への平均溶湯堆積速度は0.02mm/秒とした。この時の鋳型の回転数は、遠心加速度が20Gとなるように設定し、容器状回転体の回転速度は溶湯に約40Gの遠心力が加わるように設定した。
【0073】
得られた合金塊の結晶粒径を、偏光顕微鏡を用いて測定した結果、粒径1μm以下の結晶粒が占める面積率は65%であった。
【0074】
この合金塊から1辺が7mmの立方体を切り出し、BHカーブトレーサーで磁気特性を測定したところ、3方向共に特性はほぼ同じであり、Br=11.8kG、iHc=3.0kOe、(BH)max=14.9MGOeであった。このことから、本合金は等方性磁石用合金塊として好適であることが分かる。
また、この磁石を着磁後、逆方向に磁界を2.5kOe加えた後、磁界を0に戻すとBrは元の95%まで回復し大きくスプリングバックした。このことから、この磁石は等方性交換スプリング磁石であると判断できる。
【0075】
(比較例1)
組成は実施例1と同様の組成になるように各原料を配合し、アルゴンガス雰囲気中で、アルミナ坩堝を使用して高周波誘導加熱で溶解し、実施例1と同様の装置および条件で鋳造した。但し、鋳型内壁面には何ら膜を形成せず、鉄製鋳型の地肌に堆積凝固させた。得られた合金塊の結晶粒径を、偏光顕微鏡を用いて測定した結果、長軸径が1mm以上の柱状晶が多数あり、粒径10μm以下の結晶粒が占める面積率は3%しかなかった。
【0076】
この合金塊から1辺が7mmの立方体を切り出し、BHカーブトレーサーで磁気特性を測定したところ、鋳型面に垂直な面で測定した場合に特性が最も高かったが、Br=3.0kG、iHc=0.8kOe、(BH)max=0.4MGOeであり、実施例1と比較すると極めて低かった。
【0077】
(比較例2)
組成は実施例3と同様の組成になるように各原料を配合し、アルゴンガス雰囲気中で、アルミナ坩堝を使用して高周波誘導加熱で溶解し、実施例1と同様の装置および条件で鋳造した。但し、鋳型内壁面には何ら膜を形成せず、鉄製鋳型の地肌に堆積凝固させた。得られた合金塊の結晶粒径を、偏光顕微鏡を用いて測定した結果、長軸径が1mm以上の柱状晶が多数あったが、デントライト状で磁区が見えない相が多数認められ、柱状結晶の成長を妨げているように見えた。走査電子顕微鏡の反射電子像およびエネルギー分散型X線分析装置でデントライト状で磁区が見えない相を調べたところ、αFeであることが分かった。なお偏光顕微鏡観察から、この合金塊において結晶粒径が10μm以下の占める面積率は3%しかなかった。
【0078】
この合金塊から1辺が7mmの立方体を切り出し、BHカーブトレーサーで磁気特性を測定したところ、鋳型面に垂直な面で測定した場合に特性が最も高かったが、Br=1.8kG、iHc=0.2kOe、(BH)max=測定不能であり、実施例3と比較すると極めて低かった。
【0079】
(実施例4)
実施例1の合金塊をアルゴンガス雰囲気中でスタンプミルを使って500μm以下まで粉砕し、振動試料型磁気測定装置(VSM)でiHcを測定したところ9.5kOeであり、iHcの低下は少なかった。
この合金粉にエポキシ樹脂3重量%を混合して、アルゴンガス雰囲気中でプレス成形した。成形圧力は6トン/cm2とした。その後、アルゴンガス雰囲気中で180℃で焼いてエポキシ樹脂を硬化させた。エポキシ樹脂硬化後の密度は5.8g/cm3であった。BHカーブトレーサーで磁気特性を測定したところ、Br=6.6kG、保磁力iHc=9.1kOe、最大エネルギー積(BH)max=8.4MGOeであった。
【0080】
(実施例5)
実施例1の合金塊を、真空中550℃で1時間熱処理した。この熱処理を施した合金塊から1辺が7mmの立方体を切り出し、BHカーブトレーサーで磁気特性を測定したところ、3方向共に特性はほぼ同じであり、Br=8.7kG、iHc=11.2kOe、(BH)max=14.9MGOeであった。
【0081】
(実施例6)
実施例5の合金塊をアルゴンガス雰囲気中でスタンプミルを使って500μm以下まで粉砕し、VSMでiHcを測定したところ10.5kOeであり、iHcの低下は少なかった。
この合金粉を使って実施例4と同様の方法で密度5.8g/cm3のボンド磁石を製造した。BHカーブトレーサーで磁気特性を測定したところ、Br=6.8kG、iHc=10.2kOe、(BH)max=8.9MGOeであった。
【0082】
(実施例7)
実施例1の合金塊を、アルゴン雰囲気中1020℃で2時間熱処理し、その後、真空中550℃で1時間熱処理した。
この熱処理を施した合金塊から1辺が7mmの立方体を切り出し、BHカーブトレーサーで磁気特性を測定したところ、3方向共に特性はほぼ同じであり、Br=8.9kG、iHc=11.3kOe、(BH)max=15.5MGOeであった。
【0083】
(実施例8)
実施例7の合金塊をアルゴンガス雰囲気中でスタンプミルを使って500μm以下まで粉砕し、VSMでiHcを測定したところ10.7kOeであり、iHcの低下は少なかった。
この合金粉を使って実施例4と同様の方法で密度5.8g/cm3のボンド磁石を製造した。BHカーブトレーサーで磁気特性を測定したところ、Br=6.9kG、iHc=10.4kOe、(BH)max=9.3MGOeであった。
【0084】
(比較例3)
比較例1の合金塊をアルゴンガス雰囲気中でスタンプミルを使って500μm以下まで粉砕し、振動試料型磁気測定装置(VSM)でiHcを測定したところ0.4kOeであり、iHcは極めて低かった。
この合金粉を使って実施例4と同様の方法で密度5.8g/cm3のボンド磁石を製造した。BHカーブトレーサーで磁気特性を測定したところ、Br=2.3kG、iHc=0.3kOe、(BH)max=0.1MGOeであり、磁気特性は極めて悪かった。
【0085】
(実施例9)
組成が、Nd:14.7原子%(32.0質量%)、B:6.1原子%(1.0質量%)、Al:0.7原子%(0.30質量%)、Cu:1.0原子%(1.0質量%)、Nb:0.4原子%(0.5質量%)残部が鉄となるように、金属ネオジム、フェロボロン、アルミニウム、電解銅、フェロニオブ、電解鉄の各原料を配合し、アルゴンガス雰囲気中で、アルミナ坩堝を使用して高周波誘導加熱で溶解し、実施例2と同様の装置および条件で鋳造を行った。その後、堆積した合金塊を円筒状鋳型から剥ぎ取らず、この合金塊の上に、先の組成と同様の組成および同様の製造条件で合金塊を堆積させた。
【0086】
得られた合金塊の厚さは円筒状鋳型の中央部で16mm、両端部近傍の最も厚い部分で約20mmであった。偏光顕微鏡を用いてこの合金塊の結晶粒径を測定した結果、粒径10μm以下の結晶粒が占める面積率は83%であった。
【0087】
この合金塊の後から堆積凝固させた部分から1辺が7mmの立方体を切り出し、BHカーブトレーサーで磁気特性を測定したところ、3方向共に特性はほぼ同じであり、Br=8.2kG、iHc=10.4kOe、(BH)max=12.9MGOeであった。
【0088】
(実施例10)
実施例9の合金塊から厚さ16〜18mmの部分を切り出し、厚さ3.2mmの鉄製の容器内に真空封入した。この合金塊が封入された容器を800℃に設定してある大気炉に入れて十分加熱し、圧下率が30%になるように設定した圧延ロール間を通して圧延した。その後、この容器を800℃に保持されている大気炉に戻して十分に加熱し、圧延ロール間の隙間を狭くして再度圧下率30%で圧延した。この圧延操作を合計で4回繰り返し、合金塊を厚さ4.0mmまで圧延した。この合金塊を2枚貼り合わせて1辺が7mmの立方体に加工した。BHカーブトレーサーで磁気特性を測定したところ、圧下方向での磁力が最も強く、この方向での磁気特性はBr=12.0kG、iHc=12.9kOe、(BH)max=28.7MGOeであった。
【0089】
(実施例11)
実施例10で熱間圧延した合金塊を真空中550℃で1時間熱処理した。その後、この合金塊2枚を貼り合わせて1辺が7mmの立方体に加工して、BHカーブトレーサーで磁気特性を測定したところ、実施例10の場合よりも圧下方向でのiHcと角型性が向上し、Br=12.0kG、iHc=13.6kOe、(BH)max=29.8MGOeであった。
【0090】
(実施例12)
実施例10で熱間圧延した合金塊を真空中1020℃で2時間熱処理した後、さらに真空中550℃で1時間熱処理した。その後、この合金塊2枚を貼り合わせて1辺が7mmの立方体に加工して、BHカーブトレーサーで磁気特性を測定したところ、実施例11の場合よりも圧下方向でのiHcと角型性が向上し、Br=12.0kG、iHc=14.1kOe、(BH)max=31.6MGOeであった。
【0091】
(実施例13)
実施例3の合金塊をアルゴンガス雰囲気中でスタンプミルを使って500μm以下まで粉砕し、VSMでiHcを測定したところ2.9kOeであり、iHcの低下は少なかった。
この合金粉を使って実施例4と同様の方法で密度5.8g/cm3のボンド磁石を製造した。BHカーブトレーサーで磁気特性を測定したところ、Br=9.1kG、iHc=2.8kOe、(BH)max=8.9MGOeであった。
【0092】
(実施例14)
実施例3の合金塊を真空中750℃で5分間熱処理した。BHカーブトレーサーで磁気特性を測定したところ、3方向共に特性はほぼ同じであり、Br=11.8kG、iHc=4.2kOe、(BH)max=15.0MGOeとなり、磁気特性が向上した。
また、この磁石を着磁後、逆方向に磁界を2.5kOe加えた後、磁界を0に戻すとBrは元の95%まで回復し大きくスプリングバックし、この磁石が等方性交換スプリング磁石であることを示した。
【0093】
(実施例15)
実施例14の合金塊をアルゴンガス雰囲気中でスタンプミルを使って500μm以下まで粉砕し、VSMでiHcを測定したところ4.0kOeであり、iHcの低下は少なかった。
この合金粉を使って実施例4と同様の方法で密度5.8g/cm3のボンド磁石を製造した。BHカーブトレーサーで磁気特性を測定したところ、Br=9.1kG、iHc=3.9kOe、(BH)max=9.2MGOeであった。
【0094】
(実施例16)
組成が、Nd:10.8原子%(23.5質量%)、Pr:3.3原子%(7.0質量%)、Dy:0.6原子%(1.5質量%)、B:6.1原子%(1.0質量%)、Al:0.7原子%(0.30質量%)、Co:1.1原子%(1.0質量%)、Cu:0.1原子%(0.1質量%)、Zr:0.4原子%(0.5質量%)残部が鉄となるように、金属ネオジム、金属プラセオジム、金属ディスプロシウム、フェロボロン、アルミニウム、電解コバルト、電解銅、フェロジルコニウム、電解鉄の各原料を配合し、アルゴンガス雰囲気中で、アルミナ坩堝を使用して高周波誘導加熱で溶解し、以下の条件で鋳造を行い円筒状の合金塊を得た。
【0095】
円筒状鋳型は、内径が150mm、長さが150mmの大きさの銅製(27℃での熱伝導率:398W/mK)とした。鋳型内壁面には、プラズマ溶射により、SUS304(27℃での熱伝導率:16.0W/mK)の組成となる厚さ100μmの膜を形成した。回転体は円筒形状の容器とし、内径が50mmで、側壁に直径が3mmの孔部を8個形成した。また、円筒状鋳型の回転軸Lと容器の回転軸Rはともに鉛直方向とした。
鋳型内壁への平均溶湯堆積速度は0.05mm/秒とした。この時の鋳型の回転数は、遠心加速度が20Gとなるように設定し、容器状回転体の回転速度は溶湯に約10Gの遠心力を加えた。さらに、鋳造中に、回転している容器を上下方向に幅50mm、周期4秒で往復運動させた。
【0096】
得られた円筒状合金塊の外形は150mmであり、厚さは長軸方向の中央部で8mm、両端部近傍の最も厚い部分で約10mmであった。偏光顕微鏡を用いてこの合金塊の結晶粒径を測定した結果、粒径10μm以下の結晶粒が占める面積率は96%であった。
【0097】
この合金塊から1辺が7mmの立方体を切り出し、BHカーブトレーサーで磁気特性を測定したところ、3方向共に特性はほぼ同じであり、残留磁束密度Br=8.1kG、保磁力iHc=16.8kOe、最大エネルギー積(BH)max=12.5MGOeであった。このことから、本合金は円筒状の等方性磁石として好適であることが分かる。
【0098】
(比較例4)
組成は実施例16と同様の組成になるように各原料を配合し、アルゴンガス雰囲気中で、アルミナ坩堝を使用して高周波誘導加熱で溶解し、実施例16と同様の装置および条件で鋳造した。但し、鋳型内壁面には何ら膜を形成せず、銅製鋳型の地肌に堆積凝固させた。得られた円筒状合金塊の外形は150mmであり、厚さは長軸方向の中央部で8mm、両端部近傍の最も厚い部分で約10mmであった。偏光顕微鏡を用いてこの合金塊の結晶粒径を測定した結果、長軸径が1mm以上の柱状晶が多数あり、粒径10μm以下の結晶粒が占める面積率は5%しかなかった。
【0099】
この合金塊から1辺が7mmの立方体を切り出し、BHカーブトレーサーで磁気特性を測定したところ、鋳型面に垂直な面で測定した場合に特性が最も高かったが、Br=2.8kG、iHc=1.2kOe、(BH)max=0.4MGOeであり、実施例1と比較すると極めて低かった。
【0100】
(実施例17)
実施例16の装置を用いて、実施例16と同様の組成および条件で製造した円筒状合金塊を、真空中550℃で1時間熱処理した。この熱処理を施した合金塊から1辺が7mmの立方体を切り出し、BHカーブトレーサーで磁気特性を測定したところ、3方向共に特性はほぼ同じであり、Br=8.2kG、iHc=17.2kOe、(BH)max=13.1MGOeであり、実施例16の合金塊よりも磁気特性が向上した。
【0101】
(実施例18)
実施例16の装置を用いて、実施例16と同様の組成および条件で製造した円筒状合金塊を、アルゴン雰囲気中1020℃で2時間熱処理し、その後、真空中550℃で1時間熱処理した。
この熱処理を施した合金塊から1辺が7mmの立方体を切り出し、BHカーブトレーサーで磁気特性を測定したところ、3方向共に特性はほぼ同じであり、Br=8.3kG、iHc=17.5kOe、(BH)max=13.7MGOeであり、実施例17の合金塊よりも磁気特性が向上した。
【0102】
(実施例19)
実施例1と同様の装置を用いて、実施例1と同様の組成および条件で鋳造を行った。但し、内壁面に深さ1mm、底部の巾5mm、3mm間隔で溝を彫りその後プラズマ溶射によりSUS304(27℃での熱伝導率:16.0W/mK)の組成で厚さ100μmの膜を形成した円筒状鉄製鋳型(27℃での熱伝導率:80.3W/mK)を使用した。
【0103】
得られた合金塊の厚さは円筒状鋳型の中央部で8mm、両端部近傍の最も厚い部分で約10mmであった。偏光顕微鏡を用いてこの合金塊の結晶粒径を測定した結果、粒径10μm以下の結晶粒が占める面積率は98%であった。
【0104】
この合金塊から1辺が7mmの立方体を切り出し、BHカーブトレーサーで磁気特性を測定したところ、3方向共に特性はほぼ同じであり、残留磁束密度Br=8.6kG、保磁力iHc=11.0kOe、最大エネルギー積(BH)max=14.4MGOeであった。
【0105】
(実施例20)
実施例16の装置を用いて、実施例3と同様の組成になるように原料合金を配合し、実施例16と同様の条件で円筒状の合金塊を得た。但し、鋳型内壁への平均溶湯体積速度は0.02mm/秒とした。
【0106】
得られた円筒状合金塊の外形は150mmであり、厚さは長軸方向の中央部で8mm、両端部近傍の最も厚い部分で約10mmであった。合金塊の断面を、偏光顕微鏡を用いて結晶粒径を測定した結果、結晶粒径が1μm以下の占める面積率は65%であった。粒径1μm以下の結晶粒が占める面積率は65%であった。
【0107】
この合金塊から1辺が7mmの立方体を切り出し、BHカーブトレーサーで磁気特性を測定したところ、3方向共に特性はほぼ同じであり、Br=11.8kG、iHc=3.0kOe、(BH)max=14.8MGOeであった。このことから本合金は円筒状の等方性交換スプリング磁石として好適であることが分かる。
また、この磁石を着磁後、逆方向に磁界を2.5kOe加えた後、磁界を0に戻すとBrは元の95%まで回復し大きくスプリングバックした。このことから、この磁石は等方性交換スプリング磁石であると判断できる。
【0108】
(実施例21)
実施例16の装置を用いて、実施例3と同様の組成になるように原料合金を配合し、実施例16と同様の条件で円筒状の合金塊を得た。但し、鋳型内壁への平均溶湯体積速度は0.02mm/秒とした。この合金塊を真空中750℃で5分間熱処理した。この熱処理を施した合金塊から1辺が7mmの立方体を切り出し、BHカーブトレーサーで磁気特性を測定したところ、3方向共に特性はほぼ同じであり、Br=11.8kG、iHc=4.1kOe、(BH)max=15.0MGOeとなり、磁気特性は実施例20より向上した。
また、この磁石を着磁後、逆方向に磁界を2.5kOe加えた後、磁界を0に戻すとBrは元の95%まで回復し大きくスプリングバックし、この磁石が等方性交換スプリング磁石であることを示した。
【0109】
(実施例22)
実施例1と同様の組成になるように各原料合金を配合し、アルゴンガス雰囲気中で、アルミナ坩堝を使用して高周波誘導加熱で溶解し、以下の条件で鋳造を行った。
【0110】
円筒状鋳型は、内径が600mm、長さが600mmの大きさの鉄製(27℃での熱伝導率:80.3W/mK)とした。鋳型内壁面には、プラズマ溶射により、80質量%Ni−20質量%Cr(27℃での熱伝導率:12.6W/mK)の組成となる厚さ100μmの膜を形成した。回転体は円筒形状の容器とし、内径が250mmで、側壁に直径が3mmの孔部を8個形成した。また、円筒状鋳型の回転軸Lは水平方向とし、容器の回転軸Rと円筒状鋳型の回転軸Lとの成す傾斜角度θは25度で鋳造中固定した。さらに、鋳造時に鋳型内壁面に堆積凝固した合金片を剥ぎ取るため、鋳型内壁に先端が接するようにスクレパーを取り付けた。また、鋳造時にスクレパー自体に溶湯が直接堆積しないようにスクレパーの回転体側に厚さ5mmの鉄板で防御壁を設置した。
鋳型内壁への平均溶湯堆積速度は0.05mm/とした。この時の鋳型の回転数は、遠心加速度が10Gとなるように設定し、容器状回転体の回転速度は溶湯に約20Gの遠心力を加えた。
【0111】
得られた合金片は5mm程度の大きさであり厚さは概略50〜100μmであった。偏光顕微鏡を用いてこの合金片の結晶粒径を測定した結果、粒径10μm以下の結晶粒が占める面積率は95%であった。
【0112】
VSMでこの合金片のiHcを測定したところ、10.2kOeであった。この合金片をアルゴンガス雰囲気中でスタンプミルを使って500μm以下まで粉砕した後、実施例4と同様の方法で密度5.8g/cm3のボンド磁石を製造した。BHカーブトレーサーで磁気特性を測定したところ、Br=6.6kG、保磁力iHc=9.8kOe、最大エネルギー積(BH)max=8.4MGOeであった。
【0113】
(実施例23)
実施例22の合金片を、真空中550℃で1時間熱処理した。VSMでこの熱処理を施した合金片のiHcを測定したところ、10.2kOeであった。この合金片をアルゴンガス雰囲気中でスタンプミルを使って500μm以下まで粉砕した後、実施例4と同様の方法で密度5.8g/cm3のボンド磁石を製造した。BHカーブトレーサーで磁気特性を測定したところ、Br=6.8kG、保磁力iHc=10.6kOe、最大エネルギー積(BH)max=8.9MGOeであった。
【0114】
(実施例24)
実施例22の合金片を、アルゴン雰囲気中1020℃で2時間熱処理し、その後、真空中550℃で1時間熱処理した。VSMでこの熱処理を施した合金片のiHcを測定したところ、11.3kOeであった。この合金片をアルゴンガス雰囲気中でスタンプミルを使って500μm以下まで粉砕した後、実施例4と同様の方法で密度5.8g/cm3のボンド磁石を製造した。BHカーブトレーサーで磁気特性を測定したところ、Br=6.9kG、保磁力iHc=11.0kOe、最大エネルギー積(BH)max=9.3MGOeであった。
【0115】
【発明の効果】
本発明の合金塊は、塊状のままでも等方性で高い磁気特性を有し、本合金塊を切断、研削、研磨、打ち抜き法等で機械加工することにより、従来は製造できなかった安価な方法で等方性磁石を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる遠心鋳造装置を示す図である。
【符号の説明】
1 溶解チャンバー
2 鋳造チャンバー
3 坩堝
4 円筒状鋳型
5 回転体
6 湯道
7 合金塊
8 鋳型駆動機構
9 回転体の回転駆動軸
10 回転体の回転駆動用動力
11 孔部
31 溶湯

Claims (28)

  1. R−T−B系磁石用合金(RはYを含む希土類元素のうち少なくとも一種、TはFeを主成分とし一部をCo、Ni、Cu、Al、Ga、Cr、Mnで置換してもよい。)の溶湯を回転体に受け、該回転体の回転によって溶湯を飛散させ、その飛散した溶湯を回転する円筒状鋳型の内壁面で堆積凝固させる、遠心鋳造方法による希土類合金の製造方法において、前記円筒状鋳型の内壁面に厚さが1μmから1mmの範囲である膜を取り付け、該膜の熱伝導率を80W/mK以下で、かつ円筒状鋳型の熱伝導率より小さくし、この筒状鋳型を遠心力で2G以上にして回転させ、前記膜表面と金属凝固面との間に隙間なく密着させて遠心鋳造することを特徴とするR−T−B系磁石用合金の製造方法。
  2. 膜が、少なくとも1層の金属、セラミックス、または金属とセラミックスの複合物からなることを特徴とする請求項1に記載のR−T−B系磁石用合金の製造方法。
  3. 膜が、塗布、メッキ、溶射、または溶接により、鋳型の内壁面に取り付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のR−T−B系磁石用合金の製造方法。
  4. 回転体の回転軸と円筒状鋳型の回転軸とが傾斜角θをなすことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のR−T−B系磁石用合金の製造方法。
  5. 遠心鋳造方法により、円筒状鋳型の内壁面に希土類合金を2層以上重ねて鋳造することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のR−T−B系磁石用合金の製造方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の方法で製造した希土類合金を、500〜1100℃で熱間加工することを特徴とするR−T−B系磁石用合金の製造方法。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の方法で製造した希土類合金を、400〜1000℃で熱処理することを特徴とするR−T−B系磁石用合金の製造方法。
  8. 請求項1ないし6のいずれかに記載の方法で製造した希土類合金を、1000〜1100℃で熱処理し、さらに400〜1000℃で熱処理することを特徴とするR−T−B系磁石用合金の製造方法。
  9. Nd、Pr、Dyのいずれか一種以上の元素を合計で11.8〜16.5原子%、Bを5.6〜9.1原子%含有し、残部T(TはFeを主成分とし一部をCo、Ni、Cu、Al、Ga、Cr、Mnで置換してもよい。)からなり、粒径が10μm以下の結晶粒の体積が合金全体の50%以上ある、請求項1ないし8のいずれかに記載の方法で製造したR−T−B系磁石用合金塊。
  10. Nd、Pr、Dyのいずれか一種以上の元素を合計で11.8〜16.5原子%、Bを5.6〜9.1原子%含有し、残部T(TはFeを主成分とし一部をCo、Ni、Cu、Al、Ga、Cr、Mnで置換してもよい。)からなり、鋳造したままで合金厚さが1mm以上であり、粒径が10μm以下の結晶粒の体積が合金全体の50%以上ある、請求項1ないし8のいずれかに記載の方法で製造したR−T−B系磁石用合金塊。
  11. 請求項9または請求項10に記載のR−T−B系磁石用合金塊を、切断、研削、研磨、打ち抜き法のいずれか一種以上の方法で機械加工したR−T−B系磁石。
  12. 請求項9または請求項10に記載のR−T−B系磁石用合金塊から作製した外径が100mm以上の円筒状のR−T−B系磁石。
  13. 請求項9または請求項10に記載のR−T−B系磁石用合金塊を500μm以下まで粉砕したR−T−B系磁石用合金粉。
  14. 請求項13に記載のR−T−B系磁石用合金粉を使用して製造したR−T−B系ボンド磁石。
  15. Nd、Pr、Dyのいずれか一種以上の元素を合計で1〜12原子%、Bを3〜30原子%含有し、残部T(TはFeを主成分とし一部をCo、Ni、Cu、Al、Ga、Cr、Mnで置換してもよい。)からなり、硬磁性相の結晶粒と軟磁性相の結晶粒を複合してなり、結晶粒径が1μm以下の硬磁性結晶粒と軟磁性結晶粒の体積が合金全体の50%以上ある、請求項1ないし5のいずれかに記載の方法で製造したR−T−B系交換スプリング磁石用合金塊。
  16. Nd、Pr、Dyのいずれか一種以上の元素を合計で1〜12原子%、Bを3〜30原子%含有し、残部T(TはFeを主成分とし一部をCo、Ni、Cu、Al、Ga、Cr、Mnで置換してもよい。)からなり、硬磁性相の結晶粒と軟磁性相の結晶粒を複合してなり、鋳造したままで合金厚さが1mm以上であり、結晶粒径が1μm以下の硬磁性結晶粒と軟磁性結晶粒の体積が合金全体の50%以上ある、請求項1ないし5のいずれかに記載の方法で製造したR−T−B系交換スプリング磁石用合金塊。
  17. 鋳造後、400〜1000℃で熱処理した請求項15または16に記載のR−T−B系交換スプリング磁石用合金塊。
  18. 請求項15ないし17のいずれかに記載の合金塊を、切断、研削、研磨、打ち抜き法のいずれか一種以上の方法で機械加工したR−T−B系交換スプリング磁石。
  19. 請求項15ないし17のいずれかに記載の合金塊から作製した外径が100mm以上の円筒状のR−T−B系交換スプリング磁石。
  20. 請求項15ないし17のいずれかに記載の合金塊を500μm以下まで粉砕したR−T−B系交換スプリング磁石用合金粉。
  21. 請求項20に記載の合金粉を使用して製造したR−T−B系交換スプリングボンド磁石。
  22. 円筒状鋳型の内壁面に堆積凝固した希土類合金の合金片を、剥ぎ取りながら鋳造を続けることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のR−T−B系磁石用合金の製造方法。
  23. 請求項22に記載の方法で製造した希土類合金を、400〜1000℃で熱処理することを特徴とするR−T−B系磁石用合金の製造方法。
  24. 請求項22に記載の方法で製造した希土類合金を、1000〜1100℃で熱処理し、さらに400〜1000℃で熱処理することを特徴とするR−T−B系磁石用合金の製造方法。
  25. Nd、Pr、Dyのいずれか一種以上の元素を合計で11.8〜16.5原子%、Bを5.6〜9.1原子%含有し、残部T(TはFeを主成分とし一部をCo、Ni、Cu、Al、Ga、Cr、Mnで置換してもよい。)からなり、粒径が10μm以下の結晶粒の体積が合金全体の50%以上ある、請求項22ないし24のいずれかに記載の方法で製造したR−T−B系磁石用合金片。
  26. 最大長さが5cm以下であり、厚さが1mm以下であることを特徴とする請求項25に記載のR−T−B系磁石用合金片。
  27. 請求項25または26に記載のR−T−B系磁石用合金片を500μm以下まで粉砕したR−T−B系磁石用合金粉。
  28. 請求項27に記載のR−T−B系磁石用合金粉を使用して製造したR−T−B系ボンド磁石。
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