JP4213199B1 - 情報提供システム - Google Patents

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Abstract

利用者の行動パターンを正確に予測し、個々の時点で最適な情報を選択して提供する。ファイル格納部(100)内には、多数の店舗についての提供情報ファイル(F1,F2,...)が格納されている。利用者が携帯電話機(10)から検索条件入力部(130)へアクセスし、位置情報とキーワードを含む検索条件を送信すると、検索実行部(120)は検索条件に対する合致度が基準以上となるファイルを検索する。リスト提示部(140)内には、各地理的領域ごと、各時間帯ごと、各店舗ジャンルごとに、利用者の統計的な関心度を示すテーブルが用意されている。リスト提示部(140)は、検索されたファイルの合致度を、テーブル内の該当する関心度に基づいて補正し、補正合致度の大きい順にソートしたリストを携帯電話機(10)に提示する。利用者がリストから選択した店舗情報は、情報配信部(110)によって携帯電話機(10)に配信される。
【選択図】図1

Description

本発明は、情報提供システムに関し、特に、自分自身の位置を認識する機能を備えた移動端末装置に対して、特定の店舗に関する店舗情報を提供するシステムに関する。
近年、情報の提供手段は、テレビ・ラジオなどの放送を利用した旧来の情報提供方法から、インターネットのWebページなどを利用した新たな情報提供方法に移行しつつある。特に、携帯電話機などの移動端末装置の普及により、利用者は、任意の場所から必要な情報にアクセスすることが可能になり、利便性は大いに高まっている。また、商品やサービスを提供する事業者側にとっては、店舗の宣伝や案内の情報をWebページを介して利用者に広く提供することができる。利用者は、移動中であっても、移動端末装置を用いてこのようなWebページを閲覧することにより、利用予定となる店舗について種々の情報を入手することが可能になる。
このように、インターネットを利用して情報にアクセスする場合、大量の情報の中から、自分の要求に合致した情報を抽出することが重要である。このため、利用者は、通常、所望のキーワードを用いた検索を行い、必要な情報が提示されたWebページへのアクセスを行っている。たとえば、食事や買物などを行う場合、利用者は「イタリア料理」や「婦人服」などのキーワードを用いた検索により、イタリア料理店や婦人服店などのWebページを閲覧することができる。
また、個々の利用者に対して、それぞれ適切な情報を効率良く提供するために、様々な技術が提案されている。たとえば、特開2003−296358号公報には、予め、個々の利用者の嗜好を示す情報を収集しておき、個人個人の嗜好に合致した情報を提供する情報配信システムが開示されており、特開2004−326211号公報には、同伴者を含めた状況情報をもとにして、各利用者の嗜好度をプロファイルとして記憶させておく手法が開示されている。更に、特開2002−108918号公報には、利用者の行動履歴に基づき当該利用者の嗜好を学習する嗜好学習装置が開示されており、特開2007−193352号公報には、移動端末装置から得られる端末位置情報を利用することにより、より利用価値の高い広告情報を配信する方法が開示されている。
前掲の各文献に開示されているように、個々の利用者の嗜好や現在位置を把握して、それぞれの利用者に適切な情報を提供する技術は、既にいくつか提案されている。しかしながら、いずれの技術も、個々の利用者が個々の時点において、どのような行動を予定しているのかを正確に予測することが困難であるため、利用者の行動パターンを反映させた情報提供を行うことが困難であった。
そこで本発明は、利用者の行動パターンをできるだけ正確に予測し、個々の時点において、利用者に最適な情報を選択して提供することが可能な情報提供システムを提供することを目的とする。
(1) 本発明の第1の態様は、自分自身の位置を認識する機能を備えた移動端末装置に対して、特定の店舗に関する店舗情報を提供する情報提供システムにおいて、
提供対象となる店舗情報を構成する店舗情報本体データと、この店舗情報本体データに付随するメタデータと、を有する多数の提供情報ファイルを格納した提供情報ファイル格納部と、
移動端末装置からのアクセスを受け、少なくとも移動端末装置それ自身の位置を示す端末位置情報を含む検索条件を入力する検索条件入力部と、
提供情報ファイル格納部に格納されている多数の提供情報ファイルの中から検索条件に対する合致度が所定の基準以上となる提供情報ファイルを検索する検索実行部と、
検索実行部によって検索された提供情報ファイルのリストを、移動端末装置に送信するリスト提示部と、
移動端末装置から、リストの中の1つを選択する選択指示があったときに、提供情報ファイル格納部から選択指示に係る提供情報ファイル内の店舗情報本体データを読み出し、これを移動端末装置へ配信する情報配信部と、
を設け、
メタデータは、提供情報ファイルを特定するための情報識別コードと、提供情報ファイルに係る店舗のジャンルを示す店舗ジャンルコードと、提供情報ファイルに係る店舗の位置を示す店舗位置コードと、を有しており、
検索実行部は、少なくとも「検索条件に含まれている端末位置情報とメタデータに含まれている店舗位置コードとの合致の程度」を参照して検索を行い、検索された提供情報ファイルの情報識別コードと、当該提供情報ファイルの合致の程度を示す合致度と、を対応づけた情報を検索結果としてリスト提示部へ引き渡し、
リスト提示部は、
検索実行部から引き渡された検索結果を格納する検索結果格納部と、
地図を複数の地区領域に分割し、個々の地区領域の個々の時間帯について設定された単位区画ごとに、各店舗ジャンルに対応する関心度を設定した関心度テーブルを格納するテーブル格納部と、
検索実行部から検索結果が引き渡されたときに、関心度テーブルを参照することにより、端末位置情報によって示される位置を含む地区領域についての現時点に対応する単位区画について設定されている各店舗ジャンルについての関心度を認識し、検索結果格納部に格納されている「各提供情報ファイルの合致度」を、当該提供情報ファイルに係る店舗ジャンルについて認識した関心度を用いて補正することにより、補正合致度を求める補正処理部と、
検索結果格納部に格納されている検索結果の中の合致度を補正合致度に置換した情報を格納する補正結果格納部と、
補正結果格納部に格納されている情報に基づいて、補正合致度の大きい順に情報識別コードをソートし、ソートされた順序に従って店舗情報の見出しを並べたリストを作成し、これを移動端末装置に送信するリスト送信部と、
を有するようにしたものである。
(2) 本発明の第2の態様は、上述の第1の態様に係る情報提供システムにおいて、
メタデータが、店舗情報本体データに関連したキーワードと当該キーワードに付与された重みづけポイントとを含むキーワードコードを有しており、
検索条件入力部が、端末位置情報と、利用者が指定した所定のキーワードと、を含む検索条件を入力し、
検索実行部が、検索条件に含まれる端末位置情報とメタデータに含まれる店舖位置コードとの合致の程度を示す位置合致度と、検索条件に含まれるキーワードとメタデータに含まれるキーワードとの重みづけポイントを考慮して算出された合致の程度を示すキーワード合致度と、の双方を参照して検索を行い、位置合致度とキーワード合致度との双方を考慮した合致度を検索結果としてリスト提示部へ引き渡すようにしたものである。
(3) 本発明の第3の態様は、上述の第1または第2の態様に係る情報提供システムにおいて、
リスト送信部が、店舗情報本体データ内の見出し行の文字列を、ソート順に並べることにより、リストを作成するようにしたものである。
(4) 本発明の第4の態様は、上述の第1〜第3の態様に係る情報提供システムにおいて、
各曜日ごとの時間帯をそれぞれ別個の単位区画とした関心度テーブルを用いるようにしたものである。
(5) 本発明の第5の態様は、上述の第1〜第4の態様に係る情報提供システムにおいて、
補正処理部が、検索結果格納部に格納されている合致度に対して、関心度を乗算もしくは加算することにより補正合致度を求めるようにしたものである。
(6) 本発明の第6の態様は、上述の第1〜第4の態様に係る情報提供システムにおいて、
テーブル格納部が、複数の関心度テーブルを格納しており、
補正処理部が、これら複数の関心度テーブルを参照することにより複数通りの関心度を認識し、認識した複数通りの関心度を用いて補正を行うことにより、補正合致度を求めるようにしたものである。
(7) 本発明の第7の態様は、上述の第6の態様に係る情報提供システムにおいて、
補正処理部が、認識した複数通りの関心度のそれぞれについて重みパラメータを設定する機能を有し、それぞれの関心度に重みパラメータを乗じた値を、合致度に対して乗算もしくは加算することにより補正合致度を求めるようにしたものである。
(8) 本発明の第8の態様は、上述の第1〜第7の態様に係る情報提供システムにおいて、
多数の利用者が所持する移動端末装置から得られる情報に基づいて、関心度テーブルを新たに作成し、テーブル格納部内の関心度テーブルを更新する関心度テーブル作成部を更に設けたものである。
(9) 本発明の第9の態様は、上述の第8の態様に係る情報提供システムにおいて、
情報配信部が、移動端末装置から選択指示を受けたときに、当該移動端末装置の端末位置情報と、選択指示を受けた時点を示す時間情報と、選択指示に係る提供情報ファイルの店舖ジャンルを示す店舗ジャンル情報と、を含む関心情報を、関心度テーブル作成部に引き渡す機能を有し、
関心度テーブル作成部が、引き渡された関心情報に基づいて、端末位置情報によって示される位置を含む地区領域についての時間情報に対応する単位区画について、店舗ジャンル情報で示される店舗ジャンルに対する関心が示された旨の記録を行い、個々の単位区画ごとに、各店舗ジャンルに関心が示された頻度を集計する頻度集計部を有し、この集計結果に基づいて予定立案関心度テーブルを作成するようにしたものである。
(10) 本発明の第10の態様は、上述の第8の態様に係る情報提供システムにおいて、
関心度テーブル作成部が、
個々の移動端末装置の所定のサンプル時刻ごとの位置の変遷を示す位置変遷情報に基づいて、個々の移動端末装置の移動経路上の通過点を認識し、提供情報ファイル格納部内に格納されている提供情報ファイル内の店舗位置コードを参照することにより、個々の通過点について、それぞれ各店舗との距離を算出し、距離の小さい順に所定数m個の店舖を、当該通過点に関する近傍店舗と認識する近傍店舗認識部と、
移動経路上において連続する通過点に共通する共通近傍店舗について、最初の通過点の通過時刻から最後の通過点の通過時刻に至るまでの時間を滞在時間と認識する滞在時間認識部と、
共通近傍店舗について、最初の通過点から最後の通過点に至るまでの全通過点との距離の和を求め、その滞在時間を距離の和で除した値を滞在係数として算出する滞在係数算出部と、
個々の共通近傍店舗について算出された滞在係数を、当該共通近傍店舗の位置を含む地区領域についての当該共通近傍店舗について認識された滞在時間に対応する単位区画について、当該共通近傍店舖の店舗ジャンルに対する関心の程度を示す値として集計する滞在係数集計部と、
を有し、滞在係数集計部による集計結果に基づいて訪問利用関心度テーブルを作成するようにしたものである。
(11) 本発明の第11の態様は、上述の第10の態様に係る情報提供システムにおいて、
滞在時間が複数の単位区画の時間帯を跨いでいる場合に、滞在時間と個々の単位区画の時間帯との重なり度合いに応じて按分した滞在係数を、各単位区間ごとに集計するようにしたものである。
(12) 本発明の第12の態様は、上述の第1〜第11の態様に係る情報提供システムにおいて、
テーブル格納部が、各提供情報ファイルのそれぞれに対応した広告主意向度テーブルを格納しており、広告主意向度テーブルには、関心度テーブルと同様の単位区画が設けられており、個々の単位区画ごとにそれぞれ店舗情報の提供を行う広告主の意向度が設定されており、
広告主の指示に応じた外部からの入力操作に基づいて、各提供情報ファイルについての広告主意向度テーブルをそれぞれ作成し、これをテーブル格納部に格納する広告主意向度テーブル作成部を更に有し、
補正処理部が、合致度の補正対象となる提供情報ファイルについての広告主意向度テーブルを参照することにより、該当単位区画に設定されている意向度を認識し、関心度と意向度との双方を用いて補正を行うことにより、補正合致度を求めるようにしたものである。
(13) 本発明の第13の態様は、上述の第12の態様に係る情報提供システムにおいて、
広告主意向度テーブル作成部が、特定の提供情報ファイルについての特定の単位区画の意向度を広告主の入力操作に基づいて設定する機能と、テーブル格納部内の関心度テーブルを参照することにより、特定の単位区画について特定の提供情報ファイルの店舗ジャンルに対応して設定されている関心度を認識し、認識した関心度を広告主に提示する機能と、を有するようにしたものである。
(14) 本発明の第14の態様は、上述の第13の態様に係る情報提供システムにおいて、
広告主意向度テーブル作成部が、「個々の単位区画に対応し、それぞれ所定の意向度を入力するための入力欄」を広告主に提示し、各単位区画について認識した関心度に応じた表示態様で各入力欄を表示するようにしたものである。
(15) 本発明の第15の態様は、上述の第12の態様に係る情報提供システムにおいて、
広告主意向度テーブル作成部が、特定の提供情報ファイルについての各単位区画の意向度を広告主の入力操作に基づいて設定する機能と、テーブル格納部内の関心度テーブルを参照することにより、各単位区画について特定の提供情報ファイルの店舗ジャンルに対応して設定されている関心度を認識し、関心度の大きさを考慮した優先順位に従って単位区画を広告主に提示する機能と、を有するようにしたものである。
(16) 本発明の第16の態様は、上述の第12〜第15の態様に係る情報提供システムにおいて、
補正処理部が、関心度と意向度とのそれぞれについて重みパラメータを設定する機能を有し、関心度にその重みパラメータを乗じた値および意向度にその重みパラメータを乗じた値を、それぞれ合致度に対して乗算もしくは加算することにより補正合致度を求めるようにしたものである。
(17) 本発明の第17の態様は、上述の第1〜第16の態様に係る情報提供システムにおいて、
テーブル格納部が、各提供情報ファイルのそれぞれに対応した利用者評価値テーブルを格納しており、利用者評価値テーブルには、各提供情報ファイルに対応する店舗についての利用者の評価値が記録されており、
各店舗に対する評価値を利用者から収集することにより、各提供情報ファイルについての利用者評価値テーブルをそれぞれ作成し、これをテーブル格納部に格納する利用者評価値テーブル作成部を更に有し、
補正処理部が、合致度の補正対象となる提供情報ファイルについて、当該提供情報ファイルについての利用者評価値テーブルを参照することにより評価値を認識し、関心度と評価値との双方を用いて補正を行うことにより、補正合致度を求めるようにしたものである。
(18) 本発明の第18の態様は、上述の第17の態様に係る情報提供システムにおいて、
補正処理部が、関心度と評価値とのそれぞれについて重みパラメータを設定する機能を有し、関心度にその重みパラメータを乗じた値および評価値にその重みパラメータを乗じた値を、それぞれ合致度に対して乗算もしくは加算することにより補正合致度を求めるようにしたものである。
(19) 本発明の第19の態様は、上述の第17または第18の態様に係る情報提供システムにおいて、
利用者評価値テーブル作成部が、個々の利用者ごとの個人評価値が記録された利用者評価値テーブルを作成し、
検索条件入力部が、検索条件とともに、アクセスを行っているアクセス利用者を識別する情報を入力し、
補正処理部が、アクセス利用者の評価に類似した評価傾向のある利用者を嗜好類似者と認識し、嗜好類似者についての個人評価値を用いて補正を行うようにしたものである。
(20) 本発明の第20の態様は、上述の第19の態様に係る情報提供システムにおいて、
補正処理部が、合致度の補正対象となる提供情報ファイルについての利用者評価値テーブルに、アクセス利用者自身の個人評価値が掲載されていた場合には、アクセス利用者自身を嗜好類似者と認識し、アクセス利用者自身の個人評価値を用いて補正を行うようにしたものである。
(21) 本発明の第21の態様は、上述の第19または第20の態様に係る情報提供システムにおいて、
補正処理部が、
合致度の補正対象となる提供情報ファイルと同じ店舗ジャンルをもった提供情報ファイルについての利用者評価値テーブルを抽出する第1の手段と、
第1の手段によって抽出された利用者評価値テーブルの中から、アクセス利用者の個人評価値が掲載されたテーブルを抽出する第2の手段と、
第2の手段によって抽出された利用者評価値テーブルを用いて、アクセス利用者と他の利用者との相関度を算出する第3の手段と、
第3の手段によって算出された相関度が所定の基準値以上の者、もしくは、第3の手段によって算出された相関度の高い順に選択された所定数の者を、アクセス利用者に対する嗜好類似者と認識する第4の手段と、
合致度の補正対象となる提供情報ファイルについての利用者評価値テーブルに記録されている嗜好類以者の個人評価値に基づいて、補正に用いる評価値を決定する第5の手段と、
を有するようにしたものである。
(22) 本発明の第22の態様は、上述の第21の態様に係る情報提供システムにおいて、
第3の手段が、利用者Xと利用者Yとの相関度R(X,Y)を算出する際に、第2の手段によって抽出された利用者評価値テーブルの中から、利用者Xの個人評価値と利用者Yの個人評価値との双方が掲載されたテーブルを選抜し、選抜されたn個のテーブルに基づいて、
Sxx=Σi=1〜n (Exi−Exa)
Syy=Σi=1〜n (Eyi−Eya)
Sxy=Σi=1〜n (Exi−Exa)(Eyi−Eya)
なる演算を実行し(但し、Exiは、選抜された第i番目のテーブルにおける利用者Xの個人評価値、Eyiは、選抜された第i番目のテーブルにおける利用者Yの個人評価値、Exaは、選抜されたn個のテーブルにおける利用者Xの個人評価値の平均値、Eyaは、選抜されたn個のテーブルにおける利用者Yの個人評価値の平均値)、更に、
R(X,Y)=Sxy/(√Sxx・√Syy)
なる演算を実行して相関度R(X,Y)を算出し、
アクセス利用者とK名の嗜好類似者との相関度をそれぞれ算出し、合致度の補正対象となる提供情報ファイルについての利用者評価値テーブルに記録されている第k番目の嗜好類似者の個人評価値をEk、第k番目の嗜好類似者との相関度をRkとして(但し、合致度の補正対象となる提供情報ファイルについての利用者評価値テーブルに第k番目の嗜好類似者の個人評価値が記録されていなかった場合には、Ek=0、Rk=0とする)、補正に用いる評価値γを、
γ=Σk=1〜K(Ek×Rk)/Σk=1〜K(Rk)
なる演算によって求めるようにしたものである。
(23) 本発明の第23の態様は、上述の第1〜第22の態様に係る情報提供システムにおいて、
テーブル格納部が、各利用者それぞれについての個人関心度テーブルを格納しており、個人関心度テーブルには、利用者の各店舗ジャンルに対する個人関心度が設定されており、
各利用者に関する情報を収集することにより、各利用者についての個人関心度テーブルをそれぞれ作成し、これをテーブル格納部に格納する個人関心度テーブル作成部を更に設け、
補正処理部が、リストの提示対象となる提示対象利用者についての個人関心度テーブルを参照することにより、合致度の補正対象となる提供情報ファイルについての店舗ジャンルに対する提示対象利用者の個人関心度を認識し、関心度と個人関心度との双方を用いて補正を行うことにより、補正合致度を求めるようにしたものである。
(24) 本発明の第24の態様は、上述の第23の態様に係る情報提供システムにおいて、
個人関心度テーブル作成部が、検索条件入力部から取得した検索条件に基づいて、検索条件の入力操作を行った特定の利用者についての個人関心度テーブルを作成するようにしたものである。
(25) 本発明の第25の態様は、上述の第23の態様に係る情報提供システムにおいて、
個人関心度テーブル作成部が、情報配信部から取得した「特定の利用者に配信した店舗情報の店舗ジャンル」を、特定の利用者についての個人関心情報として収集し、収集した個人関心情報に基づいて、特定の利用者についての個人関心度テーブルを作成するようにしたものである。
(26) 本発明の第26の態様は、上述の第23〜第25の態様に係る情報提供システムにおいて、
個人関心度テーブル作成部が、個々の地区領域の個々の時間帯について設定された単位区画ごとに、各店舗ジャンルに対応する個人関心度を設定した個人関心度テーブルを作成し、
補正処理部が、個人関心度テーブルの中の、端末位置情報によって示される位置を含む地区領域についての現時点に対応する単位区画について設定されている各店舗ジャンルについての個人関心度を参照することにより補正を行うようにしたものである。
(27) 本発明の第27の態様は、上述の第23〜第26の態様に係る情報提供システムにおいて、
補正処理部が、関心度と個人関心度とのそれぞれについて重みパラメータを設定する機能を有し、関心度にその重みパラメータを乗じた値および個人関心度にその重みパラメータを乗じた値を、それぞれ合致度に対して乗算もしくは加算することにより補正合致度を求めるようにしたものである。
(28) 本発明の第28の態様は、上述の第1〜第27の態様に係る情報提供システムを、コンピュータに専用のプログラムを組み込むことにより構成したものである。
本発明の情報提供システムによれば、地理的および時間的な分割を行うことにより複数の単位区画が定義され、個々の単位区画ごとに、各店舗ジャンルに対する関心度が設定される。設定された関心度は、多数の利用者の過去の行動パターンに基づいて、個々の単位区画ごとに、一般利用者がどのようなジャンルの店舗に関心を示すかを示すバロメータとなっている。本発明の情報提供システムでは、検索結果として示される店舗情報リストの掲載順が、この関心度に応じて補正されることになる。このため、利用者がアクセスを行った地理的場所および時間帯に応じて、利用者の行動パターンをできるだけ正確に予測し、利用者に最適な情報を選択して提供することが可能になる。
図1は、本発明の基本的実施形態に係る情報提供システムの構成を示すブロック図である。
図2は、図1に示す提供情報ファイル格納部100内に格納されている提供情報ファイルF1の具体的な構成例を示す図である。
図3は、本発明で用いる店舗ジャンルの具体的な設定例を示す図である。
図4は、図1に示す検索条件入力部130によって入力される検索条件の一例を示す図である。
図5は、図1に示す検索実行部120による検索作業で得られた検索結果の一例を示す図である。
図6は、図5に示す検索結果をそのまま利用して作成されたリストが表示された端末画面図である。
図7は、図6に示すリストの中から一番上の項目を選択することにより提供された店舗情報の一例を示す端末画面図である。
図8は、地図を複数の地区領域に分割した例を示す平面図である。
図9は、本発明に用いられる関心度テーブルの構成例を示す平面図である。
図10は、図9に示す関心度テーブルの1つの単位区画内に格納される関心度の具体例を示す図である。
図11は、図9に示す関心度テーブルの1つの単位区画内に格納される情報の別な具体例を示す図である。
図12は、図1に示すリスト提示部140の内部構成を示すブロック図である。
図13は、図12に示す補正処理部142による補正処理によって、各情報識別コードに対応する合致度について補正が行われた状態を示す図である。
図14は、図13に示す例において、補正合致度の大きい順に各情報識別コードをソートした状態を示す図である。
図15は、図14に示すソート後の検索結果を利用して作成されたリストが表示された端末画面図である。
図16は、関心度テーブルを自動作成する機能をもった実施形態に係る情報提供システムの構成を示すブロック図である。
図17は、予定立案関心度テーブルの作成原理を示すブロック図である。
図18は、訪問利用関心度テーブルの作成原理を示すブロック図である。
図19は、訪問利用関心度テーブルの作成手順の1プロセスを示す図である。
図20は、訪問利用関心度テーブルの作成手順の別な1プロセスを示す図である。
図21は、訪問利用関心度テーブルの作成プロセスにおいて、各通過点についての近傍店舗とその距離を認識した状態を示す図である。
図22は、図21に示す認識結果から、共通近傍店舗を把握し、その滞在係数を算出した状態を示す図である。
図23は、共通近傍店舗についての滞在係数を求める一般的手法を説明する平面図である。
図24は、図23に示す例において、共通近傍店舗Sjの滞在係数を求める具体的な手法を示す表である。
図25は、図16に示す関心度テーブル作成部150の内部構成を示すブロック図である。
図26は、図16に示すリスト提示部140内で行われる補正処理の一例を示すブロック図である。
図27は、広告主意向度テーブルを利用した実施形態に係る情報提供システムの構成を示すブロック図である。
図28は、図27に示す広告主意向度テーブル作成部160によって作成された広告主意向度テーブルの具体例を示す図である。
図29は、図27に示すリスト提示部140内で行われる補正処理の一例を示すブロック図である。
図30は、利用者評価値テーブルを利用した実施形態に係る情報提供システムの構成を示すブロック図である。
図31は、図30に示す利用者評価値テーブル作成部170によって作成された利用者評価値テーブルの具体例を示す図である。
図32は、図30に示すリスト提示部140内で行われる補正処理の一例を示すブロック図である。
図33は、図32に示す評価値γの算出手順を示す流れ図である。
図34は、図33に示す流れ図のステップS3の相関度算出に用いられるn組の個人評価値の対を示す図である。
図35は、図33に示す流れ図のステップS3の相関度算出に用いられる演算式を示す図である。
図36は、個人関心度テーブルを利用した実施形態に係る情報提供システムの構成を示すブロック図である。
図37は、図36に示す個人関心度テーブル作成部180によって作成された個人関心度テーブルの具体例を示す図である。
図38は、図36に示すリスト提示部140内で行われる補正処理の一例を示すブロック図である。
以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。
<<< §1.本発明に係るシステムに基本構成 >>>
図1は、本発明の基本的実施形態に係る情報提供システムの構成を示すブロック図である。図示のとおり、このシステムは、提供情報ファイル格納部100,情報配信部110,検索実行部120,検索条件入力部130,リスト提示部140によって構成されており、インターネットNを介して移動端末装置10からアクセスを受けることができる。
本発明に係る情報提供システムは、自分自身の位置を認識する機能を備えた移動端末装置10に対して、特定の店舗に関する店舗情報を提供するためのシステムである。本発明に利用可能な移動端末装置10の典型例は、GPS機能付きの携帯電話機、小型パソコン、PDAなどの機器である。これらの機器は、GPSを利用して自分自身の位置を示す緯度経度情報を取得することができる。ここでは、このようにして取得した緯度経度情報を「端末位置情報」と呼ぶことにする。
移動端末装置10から本発明に係るシステムへのアクセスは、どのような方法で行ってもよいが、ここに示す実施形態では、移動端末装置10に備わっているWebブラウザ機能を用いてインターネットNを介してシステムへのアクセスを行う典型例を述べることにする。
図示の提供情報ファイル格納部100は、多数の提供情報ファイルF1,F2,F3,....を格納した構成要素であり、実際には、ファイルサーバ装置によって構成されている。個々の提供情報ファイルには、それぞれ特定の店舗に関する店舗情報(利用者に配信する店舗の広告情報)が収容されている。図示のとおり、1つの提供情報ファイルF1は、提供対象となる店舖情報を構成する店舗情報本体データD1と、この店舗情報本体データD1に付随するメタデータD2と、によって構成されている。ここで、メタデータD2は、提供情報ファイルF1を特定するための情報識別コードC0と、店舖情報本体データD1に関連したキーワードコードC1と、提供情報ファイルF1に係る店舗のジャンルを示す店舗ジャンルコードC2と、提供情報ファイルF1に係る店舗の位置を示す店舗位置コードC3と、を含んでいる。
図2は、この提供情報ファイル格納部100内に格納されている提供情報ファイルF1の具体的な構成例を示す図である。この例では、提供情報ファイルF1は、「XXX in Tokyo」なるインド料理店に関する店舖情報を示すファイルになっており、店舗情報本体データD1には、「インドレストラン:XXX in Tokyo」なる見出し行の文字列に続いて、店舗広告の文字列が収容されている。利用者が操作する移動端末装置10には、この店舗情報本体データD1が配信されることになり、移動端末装置10のディスプレイ画面上に図示の文字列が表示されることになる。なお、店舗情報本体データD1は、移動端末装置10に備わっているWebブラウザによる解釈が可能なように、テキスト形式もしくはHTML形式で記述されている。
メタデータD2は、上述したように、情報識別コードC0,キーワードコードC1,店舗ジャンルコードC2,店舗位置コードC3から構成されている。図2に示す例では、情報識別コードC0として、「DDD111111」なるコードが示されているが、これは、提供情報ファイルF1を特定するためのユニークなコードであり、たとえば、提供情報ファイルF1のファイル名をそのまま用いてもかまわない。
キーワードコードC1は、店舗情報本体データD1に関連したキーワードと当該キーワードに付与された重みづけポイントとによって構成されるコードである。図2に示す例において、「XXX」,「食事」,「レストラン」,「インド」等の文字列はそれぞれキーワードであり、括弧書きの数値は当該キーワードに付与された重みづけポイントである。重みづけポイントは、後述するように、検索時の合致度を算出するために利用される。
店舗ジャンルコードC2は、店舗情報本体データD1による広告対象となる店舗のジャンルを示すコードである。店舗ジャンルをどのように区分けするかは、このシステムの管理者の判断に委ねられる事項であり、本発明を実施する上で、任意に設定可能な事項である。ただ、ここでは便宜上、図3に示すような具体的な店舗ジャンルの設定が行われているものとして、以下の説明を行うことにする。
一般に「店舗」といっても、飲食物を提供する店舗、物品販売を行う店舗、映画観劇を提供する店舗、遊技施設を提供する店舗など、その事業内容は様々である。そこで、図3に示す店舗ジャンルの設定例では、まず、「食べる」,「買う」,「見る」,「遊ぶ」の4つの大分類の店舗ジャンルを設定し、更に、その下位概念として小分類の店舗ジャンルを設定している。たとえば、「食べる」の下位概念には、「フランス料理」,「イタリア料理」,「中華料理」,...等の小分類の店舗ジャンルが設定されている。そして、メタデータD2内の店舗ジャンルコードC2としては、「大分類/小分類」という形式で、当該店舗のジャンルを示している。図2に示す例における「食べる/インド料理」なる店舗ジャンルコードC2は、「XXX in Tokyo」なるインド料理店の店舗ジャンルが、「大分類:食べる」、「小分類:インド料理」に属することを示す。
上述したとおり、店舗ジャンルの設定はシステム管理者の判断に委ねられる任意事項であるので、他にも様々な設定が可能である。たとえば、「大分類」のみを店舗ジャンルコードC2として用いてもよいし、「小分類」のみを店舖ジャンルコードC2として用いてもよい。あるいは、その中間的な「中分類」を用いることも可能である。また、ジャンルの分類方法も、当該店舗が提供するサービスや当該店舗が販売する商品に関する分類に限定されず、たとえば、「若年層向け」,「壮年層向け」,「アベック向け」,「家族向け」というような顧客層を基準とした分類を行ったり、「低価格帯」,「中価格帯」,「高価格帯」というような価格帯を基準とした分類を行ったりすることも可能である。
なお、ここでは、説明の便宜上、「食べる」,「買う」,「フランス料理」,「イタリア料理」等、人間が直接識別可能な文字列からなるコードをそのまま店舗ジャンルコードC2として用いた例を述べるが、実用上は、必要に応じて、アルファベットと数字の組み合わせ等からなる人間が直接識別不能な店舗ジャンルコードC2を用いてもかまわない。
店舗位置コードC3は、店舗情報本体データD1による広告対象となる店舗の位置を示すコードであり、ここでは、店舖所在地の緯度経度を示すコードを店舗位置コードC3として用いている。たとえば、図2に示す例における「N35.6238,E139.7308」なる店舗位置コードC3は、「XXX in Tokyo」なるインド料理店の店舗所在地が、北緯35.6238度、東経139.7308度に位置することを示している。
以上、図2に示す例に基づいて、提供情報ファイルF1の具体的なデータ構造を説明したが、提供情報ファイル格納部100内には、多数の店舗(たとえば、数千軒〜数万軒)のそれぞれについて、同様のデータ構造をもった提供情報ファイルが格納されることになる。なお、このような提供情報ファイルの内容は、広告主(店舗情報の提供主体)の意向に基づいて、システム管理者が決定することになる。たとえば、キーワードコードC1のキーワードにどのような語句を選定するか、重みづけポイントをいくつに設定するか、店舗ジャンルコードC2としてどのジャンルを選択するか、といった事項は、システム管理者の判断により任意に設定することができる。
さて、利用者は、移動端末装置10を用いてシステムにアクセスし、提供情報ファイル格納部100内に格納されている多数の店舖情報の中から、所望の店舗情報の配信を要求することになる。そのために、利用者は、まず、移動端末装置10から検索条件入力部130へのアクセスを行い、所望の検索条件の入力を行う。検索条件入力部130へのアクセスは、移動端末装置10のWebブラウザ機能を利用して、インターネットNを経由して行うことができる。別言すれば、利用者は、移動端末装置10のWebブラウザを用いて、検索条件入力部130が提供する所定のWebページへのアクセスを行い、当該Webページ上で、所望の検索条件を入力すればよい。
検索条件入力部130は、実際には、Webサーバ装置によって構成され、移動端末装置10からのアクセスを受けると、所定のWebページデータを移動端末装置10宛に送信し、続いて移動端末装置10から送信されてくる検索条件を取り込む処理を行う。ここに示す実施形態では、「端末位置情報とキーワード」から構成される検索条件が、移動端末装置10から検索条件入力部130へと送信される。前述したとおり、移動端末装置10は、GPSを利用して自分自身の位置を示す緯度経度情報を自動的に取得することができるので、利用者は、実際には端末位置情報を入力する作業を行う必要はなく、Webページ上でキーワードのみを入力する操作を行えばよい。
図4は、このようにして、移動端末装置10から検索条件入力部130へと送信される検索条件の一例を示す図である。図示のとおり、この例では、「エスニック」なるキーワードと「(N35.6221,E139.7310)」なる端末位置情報とによって構成される検索条件が、移動端末装置10から検索条件入力部130へと送信される。ここで、「エスニック」なるキーワードは、利用者の操作によって移動端末装置10に入力されたものであるが、「(N35.6221,E139.7310)」なる端末位置情報は、移動端末装置10のGPS機能によって自動取得されたものである。移動端末装置10に、この端末位置情報を検索条件入力部130へ自動送信する機能を設けておけば、利用者が、キーワードの入力操作を行うだけで、図4に示すような検索条件が検索条件入力部130へ引き渡される。
検索条件入力部130によってシステムに入力された検索条件(端末位置情報と利用者が指定した所定のキーワードとを含む検索条件)は、検索実行部120へと引き渡される。検索実行部120は、提供情報ファイル格納部100に格納されている多数の提供情報ファイルF1,F2,F3,...の中から検索条件に対する合致度が所定の基準以上となる提供情報ファイルを検索する処理を実行する。ここで述べる実施形態の場合、検索実行部120による検索は、位置合致度とキーワード合致度との双方を参照することによって行われる。
位置合致度は、利用者の現在位置に適合した店舗情報、すなわち、移動端末装置10の現在位置に近い店舗に関する店舗情報を優先的に選択する目的で参照されるものである。これは、何らかの行動を起こそうと考えている利用者からのアクセスに対して、検索条件に合致した店舗情報を提供する場合、当該利用者の現在位置に近い店舗(利用者が短時間で到達可能な店舗)に関する情報を優先的に配信した方が、利用者の便宜に適うと考えられるからである。
移動端末装置10の現在位置と各店舗との距離は、検索条件に含まれている端末位置情報と、各提供情報ファイル内のメタデータに含まれている店舗位置コードとを用いた演算(地理的な2地点間距離を求める演算)によって算出できる。したがって、距離が小さいほど位置合致度が大きくなるように、距離と位置合致度との対応関係を予め定めておけば、提供情報ファイル格納部100に格納されている個々の提供情報ファイルF1,F2,F3,...について、位置合致度を求めることができる。
たとえば、距離が100m以下の場合は位置合致度=10、距離が100〜300mの場合は位置合致度=8、距離が300m〜1kmの場合は位置合致度=5、距離が1〜2kmの場合は位置合致度=3、距離が2〜4kmの場合は位置合致度=1、距離が4km以上の場合は位置合致度=0といった設定を行っておけば、個々の提供情報ファイルについての位置合致度を一義的に算出することができる。
一方、キーワード合致度は、検索条件に含まれるキーワードとメタデータに含まれるキーワードとの文字列の一致の有無と、一致したキーワードについての重みづけポイントに基づいて算出することができる。たとえば、「エスニック」なるキーワードを含む検索条件による検索では、図2に示すようなキーワードコードC1に対するキーワード合致度は5(「エスニック」なるキーワードに付与された重みづけポイント)ということになる。また、複数のキーワードを含む検索条件が与えられた場合にも、たとえば、「文字列が一致したキーワードについての重みづけポイントの和をキーワード合致度とする」というような取り決めをしておくことにより、キーワード合致度の算出が可能になる。たとえば、検索条件として与えられたキーワードが「食事」,「エスニック」,「ランチ」であった場合、図2に示すようなキーワードコードC1に対するキーワード合致度は19(重みづけポイントの和=10+5+4)ということになる。
検索実行部120は、こうして、個々の提供情報ファイルF1,F2,F3,...について、位置合致度およびキーワード合致度を求めたら、両者の和を、当該提供情報ファイルの合致度と認定し、合致度が所定の基準以上となる提供情報ファイルを検索結果として抽出する。
かくして、ここで述べる実施形態の場合、検索実行部120は、検索条件に含まれる端末位置情報とメタデータに含まれる店舖位置コードとの合致の程度を示す位置合致度と、検索条件に含まれるキーワードとメタデータに含まれるキーワードとの重みづけポイントを考慮して算出された合致の程度を示すキーワード合致度と、の双方を参照した検索を行い、合致度が所定の基準以上となる提供情報ファイルの情報識別コードと、当該提供情報ファイルの合致度(位置合致度とキーワード合致度との双方を考慮した合致度)と、を対応づけた情報を検索結果として出力し、これをリスト提示部140へ引き渡す処理を実行する。
なお、ここでは、端末位置情報とキーワードを検索条件として用いた例を述べたが、検索条件としては、この他にも種々の条件を設定することが可能である。たとえば、メタデータD2内に、店舗の価格帯を示す価格帯コードを収容しておけば、利用者の希望する価格帯を検索条件とした検索を行うことができる。
あるいは、個々の利用者の嗜好や過去の利用履歴などの個人情報がシステム側に登録されるような仕組みを設けておき、移動端末装置10から検索条件入力部130にアクセスを行う際に、アクセスを行っている利用者(以下、アクセス利用者という)を特定する情報を検索条件入力部130側へ送信するようにしておけば、当該アクセス利用者に関する個人情報を検索条件の一部に加えた検索も可能である。たとえば、個人情報として、「仏教」に興味があり、「カレー」が好物である旨の登録がなされていた場合には、移動端末装置10から「仏教」,「カレー」というキーワードが与えられなかったとしても、これらの文字列を自動的にキーワードに加えて検索を行うようなことも可能になる。
個人情報を収集するには、個々の利用者が検索条件入力部130に対して何らかの検索条件を入力するたびに、当該検索条件を当該利用者についての検索履歴として保存しておくようにすればよい。こうして蓄積された検索履歴は当該利用者の個人情報として利用することが可能である。たとえば、ある利用者の検索履歴から、過去に「仏教」,「カレー」というキーワードを用いた検索が頻繁に行われていることが確認できれば、当該利用者の個人情報として、「仏教」に興味があり、「カレー」が好物である旨の登録を行うことが可能である。
以上、検索実行部120が行う検索処理のいくつかを例示したが、一般に、様々な検索条件の下で、利用者が所望するWebページを検索する技術は、既に公知の技術である。そして、検索実行部120には、これまで例示した検索処理の他にも、様々な検索処理を行う機能を付加することが可能である。
本発明に係るシステムでは、検索条件には、少なくとも移動端末装置10それ自身の位置を示す端末位置情報が含まれていれば足りる。したがって、利用者が、キーワード等の入力を一切行わなくても、移動端末装置10から検索条件入力部130に対して端末位置情報さえ送信されれば、検索実行部120は検索処理を実行することが可能である。検索実行部120は、少なくとも「検索条件に含まれている端末位置情報とメタデータに含まれている店舗位置コードとの合致の程度」を参照して検索を行うことができ、検索された提供情報ファイルの情報識別コードと、当該提供情報ファイルの合致の程度を示す合致度と、を対応づけた情報を検索結果としてリスト提示部140へ引き渡すことができる。
要するに、本発明に係る検索実行部120は、少なくとも端末位置情報が含まれている何らかの検索条件に基づいて、提供情報ファイル格納部100内に格納されている個々の提供情報ファイルF1,F2,F3,...についての合致度を認識し、合致度が所定の基準以上となる提供情報ファイルについての情報識別コードと、当該提供情報ファイルの合致の程度を示す合致度と、を対応づけた情報を検索結果としてリスト提示部へ引き渡す機能を有していればよい。
図5は、検索実行部120による検索作業で得られた検索結果の一例を示す図である。上述したとおり、検索実行部120からリスト提示部140へ引き渡される検索結果は、情報識別コードと合致度とが対応づけられた情報であればよい。ただ、図5に示す例の場合、これに店舗ジャンルコードの情報を付加したものを検索結果として引き渡すようにしており、検索結果は、情報識別コード・合致度・店舗ジャンルコードを対応づけた情報によって構成されている。なお、図5の第1列目に示す「順位」の情報は、検索結果を合致度の大きさの順にソートした場合の順位を示すためのものであり、検索結果にこの「順位」の情報まで含ませておく必要はない。
図5に示す検索結果の第1順位には、「合致度:85」,「情報識別コード:DDD111111」,「店舗ジャンルコード:食べる/インド料理」という3つの情報が対応づけられているが、これは、検索処理を行った結果、情報識別コード「DDD111111」で特定される提供情報ファイルについての合致度が85であり、合致度の大きさの順にソートした場合に第1位となり、その店舗ジャンルコードは「食べる/インド料理」であることを示している。また、合致度「79」が得られた情報識別コード「DDD222222」で特定される提供情報ファイル(店舗ジャンルコードは「買う/装身具」)が第2順位となっており、合致度「64」が得られた情報識別コード「DDD333333」で特定される提供情報ファイル(店舗ジャンルコードは「遊ぶ/テーマパーク」)が第3順位となっており、...以下同様である。
さて、ここで、リスト提示部140が、図5に示す検索結果を、その順位どおりにそのまま並べて提供情報ファイルのリストを作成したとすると、図6に示すようなリストが得られる。すなわち、リスト提示部140が、このようなリストを作成して、移動端末装置10に対して検索結果として送信したとすれば(具体的には、テキスト形式もしくはHTML形式のWebページデータを送信すればよい)、移動端末装置10のディスプレイ画面上には、図6に示すような表示がなされることになる。このように、リスト提示部140は、検索実行部120によって検索された提供情報ファイルのリストを、移動端末装置10に送信する機能を果たす。
図6のリストに表示されている文字列は、各提供情報ファイル内の店舗情報本体データの見出し行の文字列である。たとえば、リストの第1順位に表示されている「インドレストラン:XXX in Tokyo」なる文字列は、図2に示す提供情報ファイルF1内の店舗情報本体データD1の見出し行の文字列である。また、リストの第2順位に表示されている「アジアンショップ」なる文字列は、情報識別コード「DDD222222」で特定される提供情報ファイル(店舗ジャンルコードは「買う/装身具」)内の見出し行の文字列であり、リストの第3順位に表示されている「エスニックランドZZZ」なる文字列は、情報識別コード「DDD333333」で特定される提供情報ファイル(店舗ジャンルコードは「遊ぶ/テーマパーク」)内の見出し行の文字列であり、...以下同様である。
ここで、利用者が、移動端末装置10上に表示されている図6に示すリストを見ながら、「インドレストラン:XXX in Tokyo」なる文字列部分をクリックするなどの操作を行い、リストの中の1つを選択する選択指示を与えると、図1に示されているように、当該選択指示は情報配信部110へと送信される。リスト提示部140が移動端末装置10に与えるリストのデータ内に、各店舗情報の見出しの文字列とともに、各店舗情報の情報識別コードC0を埋め込んでおくようにすれば、移動端末装置10は、利用者がクリックした店舗情報の情報識別コードC0それ自身を選択指示として情報配信部110へ送信することができる。
情報配信部110は、移動端末装置10から選択指示があったときに、提供情報ファイル格納部100から当該選択指示に係る提供情報ファイルF1内の店舗情報本体データD1を読み出し、これを移動端末装置10へ配信する処理を行う。上述したように、情報識別コードC0が選択指示として与えられた場合、情報配信部110は、この情報識別コードC0を用いて該当する提供情報ファイルF1を把握することができる。その結果、移動端末装置10のディスプレイ画面上には、図7に示すような表示がなされることになる。この表示は、図2に示す店舗情報本体データD1に対応する表示である。
もっとも、図6に示すリストは、従来の一般的な情報提供システムにおいて提示されるリストであり、実は、本発明に係るシステムで提示されるリストではない。別言すれば、リスト提示部140は、図5に示すような検索結果を、その順位どおりにそのまま並べて提供情報ファイルのリストを作成するわけではなく、リスト作成時に掲載順を修正する処理を実行する。本発明の最も重要な特徴は、このリスト提示部140によって実行されるリスト掲載順の修正処理であり、このような修正処理を施したリストを移動端末装置10へ送信することにより、利用者の行動パターンをできるだけ正確に予測し、個々の時点において、利用者に最適な情報を選択して提供する、という本発明の目的が達成されることになる。以下、このリスト提示部140によって実行される修正処理の基本概念を§2で述べる。
<<< §2.リスト提示部で行われる修正処理の基本概念 >>>
さて、§1では、たとえば、図4に示すような検索条件(キーワード+端末位置情報)に基づいて、検索実行部120による検索処理が実行された結果、図5に示すような検索結果が得られた具体例を示した。この検索結果において、合致度が高い提供情報ファイルは、検索条件として与えられたキーワードに対する適合性が高く、しかも移動端末装置10の現在位置に近い店舗情報についてのファイルということになる。
しかしながら、このような合致度の高いファイルから優先的にリストの上位に掲載する方法は、必ずしも利用者の要望に適う方法にはならない。なぜなら、検索処理により得られた合致度は、利用者の行動パターンを十分に予測したものにはなっていないからである。
たとえば、利用者が「エスニック」というキーワードを用いて検索を行った場合、エスニックな料理を提供するレストラン(店舗ジャンル:食べる)、エスニックな雑貨・家具などの商品を販売する販売店(店舗ジャンル:買う)、エスニックな美術品を展示する美術館(店舗ジャンル:見る)、エスニックな雰囲気の遊技施設(店舗ジャンル:遊ぶ)などの店舗情報が合致度の高い店舗情報として検索されることになろう。この場合、利用者が、エスニックな料理を提供するレストランを検索する意図で「エスニック」というキーワードを用いた検索を行ったのであれば、本来であれば、「店舗ジャンル:食べる」に該当する店舗情報を優先的にリストの上位に掲載するべきである。しかしながら、§1で述べた方法では、利用者の「食べる」という行動を予測することができないため、図6に示す例のように、雑貨店、遊技施設、家具店、美術館などの店舗情報までもがリストの上位に掲載されてしまう結果となる。
もちろん、システムにアクセスしてきた個々の利用者が、次にどのような行動を意図しているかを確実に知ることは非常に困難である。ただ、多数の利用者の行動を統計的に解析することにより、ある程度の行動パターンの予測を行うことは可能である。そこで本発明では、統計的な解析結果に基づいて利用者の行動パターンを予測し、当該予測結果に基づいてリストの掲載順に対する修正処理を施す、という手法を採ることにより、個々の時点において、利用者に最適な情報を選択して提供することを可能にしている。
行動パターンを予測するための第1の手掛かりは、利用者の地理的な位置である。たとえば、利用者がレストランの密集地区からアクセスを行ってきた場合には、この利用者は、これから「食べる」という行動を予定している可能性が高いものと判断することができよう。あるいは、利用者が複数の遊技施設へ向かうバスターミナルからアクセスを行ってきた場合には、この利用者は、これから「遊ぶ」という行動を予定している可能性が高いものと判断することができよう。このように、アクセスを行ってきた利用者の地理的な位置は、当該利用者の行動パターンを予測するための何らかの情報を含んでいるものと考えられ、利用者が望んでいる店舗情報のジャンルを予測する上で有用な手掛かりとなる。
行動パターンを予測するための第2の手掛かりは、アクセスの時間帯である。たとえば、利用者が正午近くにアクセスを行った場合には、この利用者は、これから昼食を「食べる」という行動を予定している可能性が高いものと判断することができよう。また、時間帯という概念を曜日まで拡張して考えれば、利用者が日曜日の午前中にアクセスを行った場合には、月曜日の午前中にアクセスを行った場合に比べて、これから「遊ぶ」という行動を予定している可能性が高いものと判断することができよう。このように、アクセスを行ってきた時間帯も、当該利用者の行動パターンを予測するための何らかの情報を含んでいるものと考えられ、利用者が望んでいる店舗情報のジャンルを予測する上で有用な手掛かりとなる。
本願発明者は、この2つの手掛かりを相互に組み合わせると、その相乗効果により、更に正確な行動パターンの予測が可能になると考えている。たとえば、ある地理的な位置において、ある時間帯に多数の利用者が、どのような行動を行ったか、という統計的データを用意することができれば、当該地理的な位置から、当該時間帯に利用者からのアクセスがあった場合、当該利用者の行動を予測することが可能になる。もちろん、この予測は、あくまでも統計的な見地から得られる行動確率を示すものにすぎないが、当該予測に基づいてリストの掲載順に対する修正処理を施すことにより、利用者にとってより好ましいと確率上推定される情報を選択して提供することが可能になる。
そこで、第1の手掛かりとなる利用者の地理的位置に基づく行動パターン予測を行うために、地図を複数の領域に分割し、個々の地区領域を定義する。図8は、地図を複数の地区領域に分割した例を示す平面図である。図示の例では、地図を東西の方向に分割することにより座標A〜Nが定義され、地図を南北の方向に分割することにより座標1〜8が定義され、座標A〜Nと、座標1〜8の組み合わせによって、1つの地区領域が表される。たとえば、図にハッチングを施した部分は、「地区領域4M」ということになる。
図8に示す例は、単純なモデルであるため、すべての地区領域が同一寸法をもった正方形から構成されているが、もちろん、個々の地区領域の大きさや形状は任意に設定することが可能である。たとえば、ターミナル駅の周辺領域を1つの地区領域に設定したり、繁華街の1ブロックを1つの地区領域に設定したりしてもよい。また、店舗が道路に沿って存在する場合であれば、利用者がこの道路に沿って移動することを想定して、当該道路に沿った領域を1つの地区領域に設定するなど、道路に沿った人間の移動のしやすさを考慮して地区領域の設定を行うようにしてもよい。
更に、第2の手掛かりとなる時間帯に基づく行動パターン予測を行うために、図8に示されている個々の地区領域のそれぞれを時間帯に基づいて区分けする。ここでは、こうして区分けされた個々の時間帯を「単位区画」と呼ぶことにする。たとえば、個々の地区領域を水平方向に並べ、個々の時間帯を垂直方向に並べることにより、特定の地区領域と特定の時間帯とによって示される単位区画を二次元マトリックスとして示せば、図9に示すようなテーブルが得られる。後述するように、このテーブル内の各単位区画には、それぞれ固有の関心度が設定されるため、ここでは、このテーブルを「関心度テーブル」と呼ぶことにする。
この図9に示す関心度テーブルの水平方向に示されている1A,2A,3A,...6N,7N,8Nなる区分けは、図8に示す地図上の各地区領域1A〜8Nに対応するものである。すなわち、図8では、地図上の各地区領域1A〜8Nが二次元平面上に配置されているが、図9では、一次元の水平方向軸上に配置されていることになる。
一方、図9の関心度テーブルの垂直方向に示されている日曜日0〜23,月曜日0〜23,...土曜日0〜23なる区分けは、時間軸上の各時間帯に対応するものである。具体的には、たとえば、「日曜日0」なる時間帯は、日曜日の0:00〜1:00までの時間帯を示し、「日曜日1」なる時間帯は、日曜日の1:00〜2:00までの時間帯を示し、...「土曜日23」なる時間帯は、土曜日の23:00〜日曜日の0:00までの時間帯を示している。
この関心度テーブル上の個々の矩形が、それぞれ1つの単位区画を示している。別言すれば、関心度テーブル上の個々の単位区画は、それぞれ特定の地区領域および特定の時間帯を表している。そして、1つの単位区画内には、該当する地区領域および該当する時間帯において統計的に求められた各店舗ジャンルについての多数の利用者の関心度が設定されている。
図10は、図9に示す関心度テーブルの1つの単位区画内に格納される関心度の具体例を示す図である。この例では、単位区画「1A:日曜日14」に設定されている関心度が例示されており、大分類の店舗ジャンルについて、「食べる:20%」,「買う:60%」,「見る:15%」,「遊ぶ:5%」なる関心度の設定がなされている。これは、地図上の地区領域1A内に、日曜日の14:00〜15:00までの時間帯に居る利用者のその時点における関心の程度を店舗ジャンルごとに解析すると、「食べる」というジャンルに関心をもっている確率が20%、「買う」というジャンルに関心をもっている確率が60%、「見る」というジャンルに関心をもっている確率が15%、「遊ぶ」というジャンルに関心をもっている確率が5%であることを示している。
このように、本発明における「関心度」とは、利用者が、個々の時点において直近の行動として、個々のジャンルに対して、どの程度の関心をもっているかを示すパラメータである。ここで重要な点は、本発明における「関心度」とは、個々の利用者の一般嗜好上の関心の程度を示すものではなく、特定の地区領域に特定の時間帯に居るという特定の条件下において、個々のジャンルに対する関心の程度を示す数値である点である。
たとえば、一般に「グルメ」と呼ばれる人達に、一般嗜好上の関心の程度を尋ねれば、「食べる」というジャンルに対する関心が最も高い、という回答が得られるであろう。しかしながら、このような「グルメ」と呼ばれる人達であっても、たとえば、ショッピングモールが密集している地区領域1A内に、日曜日の14:00〜15:00までの時間帯(昼食後の時間帯)に居る場合であれば、直近に予定している行動としては、「買う」というジャンルの行動である可能性が高いであろう。したがって、この場合、アクセスを行ってきた利用者が「グルメ」と呼ばれる人達であっても、「食べる」というジャンルの店舗情報よりも、「買う」というジャンルの店舗情報を優先的に提供した方が好ましいことになる。
このように、特定の条件下における関心度を求めるためには、多数の利用者の行動を調査し、統計的な解析を行う必要がある。具体的には、たとえば、地図上の地区領域1A内に、日曜日の14:00〜15:00までの時間帯に居る多数の利用者に対して、これからどんな行動を行う予定であるか、あるいは、現在、どんな行動を行っているかを、「食べる」,「買う」,「見る」,「遊ぶ」の4つのジャンルから選択して回答してもらうアンケート調査を行い、各ジャンルごとの選択割合を百分率で求めれば、図10に示すような関心度の数値を得ることができる。このような調査を、地図上のすべての地区領域のすべての時間帯について行うようにすれば、すべての単位区画に図10に示すような関心度の数値が収録された関心度テーブルを作成することができる。図9に示す関心度テーブルは、このようにして作成されたテーブルである。
このように、関心度テーブルは、多数の利用者についての過去の行動に基づいて得られた統計情報であり、特定の地区領域内に特定の時間帯に居る利用者が、どのジャンルに関心をもっているかを統計的に示す情報であるが、個々の利用者が今後どのような行動をとる可能性が高いかを示す情報としても利用できる。すなわち、利用者の行動パターンを予測するための材料として利用することができる。
たとえば、図10に示す例の場合、関心度テーブル内の各数値は、地区領域1A内に、日曜日の14:00〜15:00までの時間帯に居る利用者について調査を行ったところ、「食べる」というジャンルに関心をもっている人が20%、「買う」というジャンルに関心をもっている人が60%、「見る」というジャンルに関心をもっている人が15%、「遊ぶ」というジャンルに関心をもっている人が5%いた、という過去の調査結果を示すものである。この調査結果を利用者の行動パターンを予測するための材料として利用すれば、地区領域1A内に、日曜日の14:00〜15:00までの時間帯に居る利用者が予定している行動は、「食べる」というジャンルである確率が20%、「買う」というジャンルである確率が60%、「見る」というジャンルである確率が15%、「遊ぶ」というジャンルである確率が5%という予測を行うことができる。
結局、過去の調査結果として得られた関心度テーブルを用意しておき、この関心度テーブル内の各ジャンルごとの関心度に基づいて、検索結果のリスト掲載順を修正するようにすれば、利用者の行動パターンの予測結果に基づく修正が可能になり、個々の時点において、利用者に最適な情報を選択して提供することが可能になる。たとえば、地区領域1A内に、日曜日の14:00〜15:00までの時間帯に居る利用者からアクセスがあった場合、図10に示す関心度テーブルの内容に基づいて、関心度60%という最も高い値を示す「買う」という店舗ジャンルに係る店舗情報の掲載順がより上位になるようにリスト掲載順の修正を行えばよい。過去の調査結果から、当該単位区画に居る利用者は、60%が「買う」という行動に関心をもっているので、「買う」という店舗ジャンルに係る店舗情報の掲載順が上位となるような修正を加えることにより、利用者により最適と推定されるリスト提示が可能になる。
なお、図10には、関心度テーブルの内容例として、「食べる」,「買う」,「見る」,「遊ぶ」という4つの大分類ジャンルについての関心度を収録した例を示したが、もちろん、小分類ジャンルについての関心度を収録するようにしてもよい。図11は、このような小分類ジャンルについての関心度を収録した例を示す図である。図示のとおり、「食べる」という大分類ジャンルの下には、「フランス料理」,「イタリア料理」,「中華料理」等の小分類ジャンルが設けられており、各小分類ジャンルごとに関心度が百分率で示されている。
このように、各小分類ジャンルごとに関心度を収録した関心度テーブルを用いれば、店舗情報の掲載順の修正をより細かく行うことができる。たとえば、図11に示す例の場合、同じ「食べる」という大分類ジャンルであっても、「中華料理」という小分類ジャンルの関心度は1%であるのに対して、「イタリア料理」という小分類ジャンルの関心度は3%である。したがって、「中華料理」の店舗情報に比べて、「イタリア料理」の店舗情報をより優先するような掲載順の修正が行われることになる。
もっとも、図11に示す例のように、小分類ジャンルごとに関心度を収録した関心度テーブルを作成するには、利用者に対する行動調査も、小分類ジャンルごとに行う必要がある。たとえば、地図上の地区領域1A内に、日曜日の14:00〜15:00までの時間帯に居る多数の利用者に対して、これからどんな行動を行う予定であるか、あるいは、現在、どんな行動を行っているか、を回答してもらう際に、単に「食べる」という大分類ジャンルを回答してもらう代わりに、「イタリア料理を食べる」、「中華料理を食べる」というような小分類ジャンルの回答をもらう必要がある。
なお、図10および図11に示す例では、全ジャンルについての関心度の合計が100%となるような規格化を行い、関心度を百分率で表すようにしているが、関心度は必ずしも百分率で表現する必要はなく、任意の数値で表現することが可能である。また、図9には、各曜日ごとの時間帯をそれぞれ別個の単位区画とした関心度テーブルの例が示されているが、時間帯の設定は、必ずしも曜日ごとに別個にする必要はない。たとえば、曜日の区別を全く行わないことにするのであれば、0:00〜1:00、1:00〜2:00、2:00〜3:00、...23:00〜0:00というような時刻単位の時間帯を設定すれば足りる。もちろん、曜日の代わりに、平日と週末といった区分けを行うようにしてもよい。また、時間帯の区分けの単位も必ずしも1時間単位にする必要はなく、30分単位、10分単位など、任意の時間単位で区分けしてかまわない。
<<< §3.リスト提示部の具体的な構成とその動作 >>>
上述した§2では、リスト提示部140で行われる修正処理の基本概念を説明したが、ここでは、リスト提示部140の具体的な構成とその動作を述べる。図12は、図1に示すリスト提示部140の内部構成を示すブロック図である。図示のとおり、リスト提示部140は、検索結果格納部141,補正処理部142,テーブル格納部143,補正結果格納部144,リスト送信部145によって構成されている。
検索結果格納部141は、検索実行部120から引き渡された検索結果を格納する構成要素である。既に§1で述べたとおり、検索実行部120から引き渡された検索結果は、たとえば、図5に示す例のように、検索された提供情報ファイルの情報識別コードと、当該提供情報ファイルの合致の程度を示す合致度と、を対応づけた情報になっている。
テーブル格納部143は、§2で述べた関心度テーブルを格納する構成要素である。関心度テーブルは、地図を複数の地区領域に分割し、個々の地区領域の個々の時間帯について設定された単位区画ごとに、各店舗ジャンルに対応する関心度を収録したテーブルである。ここで、「関心度」とは、既に述べたとおり、特定の地区領域に特定の時間帯に居るという特定の条件下において、個々のジャンルに対する多数の利用者の関心の程度を示す数値であり、多数の利用者についての過去の行動を調査することによって求めることができる。ここでは、図9に示すような単位区画をもった関心度テーブルがテーブル格納部143内に格納されており、個々の単位区画内には、図10に例示するように、大分類の店舗ジャンル(食べる、買う、見る、遊ぶの4つのジャンル)ごとに、それぞれ百分率で関心度が収録されているものとする。
補正処理部142は、検索実行部120から検索結果格納部141に対して、図5に示すような検索結果(情報識別コードと合致度とを対応づけた情報)が引き渡されたときに、テーブル格納部143内の関心度テーブルを参照することにより、端末位置情報によって示される位置を含む地区領域についての現時点に対応する単位区画について設定されている各店舗ジャンルについての関心度を認識する。
ここでは、説明の便宜上、図8に示す地区領域1A内に居る利用者が、移動端末装置10を用いて、日曜日の時刻14:25に検索条件入力部130に対するアクセスを行い、何らかのキーワードを検索条件として入力した結果、検索実行部120によって、図5に示すような検索結果が得られた場合を考えてみよう。上述したように、このような検索結果は、検索実行部120から検索結果格納部141へと引き渡される。一方、図1のブロック図にも示されているとおり、移動端末装置10から送信されてきた検索条件に含まれている端末位置情報が、検索条件入力部130からリスト提示部140へと引き渡される。図12において、補正処理部142に与えられる端末位置情報は、こうして検索条件入力部130から引き渡された情報である。
補正処理部142は、この端末位置情報に基づいて、アクセスを行ってきた移動端末装置10の現在位置、すなわち、アクセス利用者の現在位置を認識することができ、当該現在位置を含む地区領域を特定することができる。上述の例の場合、アクセス利用者の現在位置が、地区領域1Aであることが認識される。一方、補正処理部142は、システムに用意されている時計機能により、現時点の曜日および時刻を認識することができる。上述の例の場合、日曜日の時刻14:25という現在時刻が認識される。
なお、厳密に言えば、検索実行部120による検索処理には多少なりとも時間がかかるので、利用者が移動端末装置10に検索条件を入力してから、検索結果格納部141内に検索結果が引き渡されるまでには多少のタイムラグが生じるので、補正処理部142が認識した時刻は、正確には利用者がアクセスを行った時刻には一致しない。しかしながら、この程度のタイムラグによって、実用上の支障はほとんど生じない。ただ、検索実行部120による検索処理にかなり時間を要する場合には、検索条件入力部130からリスト提示部140に対して、利用者がアクセスを行った時刻も併せて引き渡すようにし、補正処理部142が、この引き渡された時刻を現在時刻として以下の処理を実行するようにすれば、タイムラグの問題は解消する。
さて、補正処理部142は、「地区領域1A」という利用者の居場所および「日曜日の時刻14:25」という現在時刻に基づいて、図9に示す関心度テーブル上の該当する単位区画「1A:日曜日14」を参照することにより、図10に示すような各店舗ジャンルごとの関心度を認識することができる。そこで、検索結果格納部141に格納されている「各提供情報ファイルの合致度」を、当該提供情報ファイルに係る店舗ジャンルについて認識した関心度を用いて補正することにより、補正合致度を求める補正処理を実行する。具体的には、検索結果格納部141に格納されている各合致度に対して、関心度を乗算することにより補正合致度を求めることができる。
図13は、図5に示す検索結果に対して、図10に示す関心度を用いて補正を行った状態を示す図である。図13の表の第1列目に示されている情報識別コードおよび第2列目に示されている合致度のデータは、図5の表の各対応欄に示されているデータである。
また、図13の表の第3列目に示されている関心度のデータは、図5の表の店舗ジャンルコード欄のデータを用いて、図10を参照することにより得られたデータである。たとえば、図13の第1行目の関心度が「20%」となっているのは、情報識別コード「DDD111111」に対応する店舗情報(提供情報ファイル)の店舗ジャンルコードが「食べる」であり、図10を参照することにより得られる「食べる」というジャンルについての関心度が「20%」となっているためである。
そして、図13の表の第4列目に示されている補正合致度のデータは、第2列目の合致度のデータに第3列目の関心度のデータを乗じることにより得られたデータである。たとえば、図13の第1行目の補正合致度「17.0」は、合致度「85」に関心度「20%」を乗じることにより算出されたものであり、第2行目の補正合致度「47.4」は、合致度「79」に関心度「60%」を乗じることにより算出されたものである。
補正処理部142は、検索結果格納部141内に格納されている検索結果における各合致度に対して、上述した補正処理を実施して補正合致度を算出した後、合致度を補正合致度に置換した情報を補正結果格納部144に格納する。したがって、補正結果格納部144には、検索結果格納部141に格納されている検索結果の中の合致度を補正合致度に置換した情報が格納されることになる。
リスト送信部145は、この補正結果格納部144に格納されている情報に基づいて、補正合致度の大きい順に情報識別コードをソートし、ソートされた順序に従って店舗情報の見出しを並べたリストを作成し、これを移動端末装置10に送信する処理を実行する。リストに掲載する各店舗情報の見出しは、「情報識別コード」を用いて提供情報ファイル格納部100内に格納されている各提供情報ファイルを調べることにより入手できる。すなわち、リスト送信部145は、該当する店舗情報本体データD1内の見出し行の文字列を、ソート順に並べることによりリストを作成すればよい(もちろん、見出しの文字列を、メタデータD2内に用意しておいてもよい)。図14は、補正結果格納部144内に格納された補正後の検索結果を、補正合致度の大きい順にソートした状態を示している。図15は、ソートされた順序に従って店舗情報の見出しを並べたリストが、移動端末装置10の画面上に表示された状態を示す図である。
すなわち、図15に示されているリストにおける「アジアンショップ」なる見出しは、情報識別コード「DDD222222」で示される提供情報ファイル(図14における順位1位のファイル)の見出しであり、「トロピカルファニチャー」なる見出しは、情報識別コード「DDD444444」で示される提供情報ファイル(図14はおける順位2位のファイル)の見出しであり、「インドレストラン:XXX in Tokyo」なる見出しは、情報識別コード「DDD111111」で示される提供情報ファイル(図14における順位3位のファイル)の見出しであり、「カレーショップ:YYY」なる見出しは、情報識別コード「DDD666666」で示される提供情報ファイル(図14における順位4位のファイル)の見出しであり、「仏教美術ガンダーラ」なる見出しは、情報識別コード「DDD555555」で示される提供情報ファイル(図14における順位5位のファイル)の見出しであり、「エスニックランドZZZ」なる見出しは、情報識別コード「DDD444444」で示される提供情報ファイル(図14における順位6位のファイル)の見出しである。
§1で述べたとおり、リスト提示部140が、図5に示す検索結果を、その順位どおりにそのまま並べて提供情報ファイルのリストを作成したとすると、図6に示すようなリストが得られる。ところが、実際には、リスト提示部140は、上述したとおり、図5に示す検索結果を図14に示すように補正した上で、補正合致度の大きい順にソートしたリストを作成するため、移動端末装置10の画面上には、図6に示すリストではなく、図15に示すようなリストが提示されることになる。
ここで、利用者が、この図15に示すリストの中の1つを選択する選択指示を与えると、移動端末装置10から情報配信部110に対して選択指示が送信され、情報配信部110が、提供情報ファイル格納部100から当該選択指示に係る提供情報ファイル内の店舗情報本体データを読み出し、これを移動端末装置10へ配信する点は、既に§1で述べたとおりである。たとえば、利用者が、移動端末装置10上に表示されている図15に示すリストを見ながら、「インドレストラン:XXX in Tokyo」なる文字列部分をクリックするなどの操作を行うと、提供情報ファイルF1内の店舗情報本体データD1が移動端末装置10へ配信され、ディスプレイ画面上には、図7に示すような表示がなされることになる。
このように、リスト提示部140で行われる修正処理は、検索実行部120から引き渡される検索結果の表示順序(利用者に対する提示の優先順位)に対する修正であり、検索された店舗情報の見出しの並び順を入れ換える処理ということができる。実際、図5に示す検索結果と図14に示す補正後の検索結果とを比較すると、両者の相違は、前者の「合致度」が後者では「補正合致度」に置換されている点と、前者が「合致度」の大きい順にソートされているのに対して、後者が「補正合致度」の大きい順にソートされている点のみである。そして、図6に示すリストと図15に示すリストとを比較すると、両者の相違は、各見出しの表示順序だけである。
このように、本発明の本質的な特徴は、検索結果をリスト上で一覧表示する際に、利用者の個々の時点の状況に応じて、見出しの表示順序を適宜修正する、という点にある。たとえば、図5に示す検索結果は、店舗ジャンルコードとは無関係に、合致度の高い順に各店舗情報をソートした結果である。ところが、もし、このような検索が、地区領域1Aに居る利用者によって、日曜日の時刻14:25という時刻に行われたものだとすれば、統計的には、当該利用者の各ジャンルごとの関心度は図10に示すような分布をとる。すなわち、当該利用者がこれから予定している行動が「食べる」である確率は20%しかないのに、「買う」である確率は60%もあることになる。
そこで、本発明では、このようなジャンルごとの関心度を考慮して、「買う」というジャンルの店舗情報の提示がより優先されるような修正を施すことになる。具体的には、図13に示すように、「買う」というジャンルの店舗情報に係る合致度に対しては、「60%」という関心度を乗じて補正合致度を算出し、「食べる」というジャンルの店舗情報に係る合致度に対しては、「20%」という関心度を乗じて補正合致度を算出することによって調整を行っている。その結果、図14に示す補正後の検索結果では、「買う」というジャンルの店舗情報の順位が「食べる」というジャンルの店舗情報の順位よりも相対的に向上することとなり、図15に示すリストでは、「買う」というジャンルの店舗情報の見出しが上位に表示されることになる。
ここでは、便宜上、上位6位までの検索結果についての順位修正処理を例にとって説明を行ったため、図6に示すリストと図15に示すリストとを比較すると、利用者に対する提示効果の面では大差ないように見えるかもしれない。しかしながら、実際には、より多数の店舗情報が検索結果として提示されることになるので、リスト上での見出しの提示順序は、利用者の便宜を大きく左右する要因になる。たとえば、全100件もの店舗情報の見出しをリスト上に表示する場合、上位10件に提示されるか否かは、当該店舗情報に対して利用者が選択指示を与える可能性を大きく変えることになろう。
特に、移動端末装置10のディスプレイ画面は、一般的に表示面積が小さいため、一画面中に一覧表示可能な見出しの件数は制限されている。このため、提示の優先順位が低い見出しを表示させるためには、利用者は、スクロール操作やページ送り操作を行う必要がある。したがって、実質的に、利用者は、提示の優先順位が高い見出しに対してのみ選択指示を与える傾向にある。このような理由からも、個々の時点における利用者の状況に基づいて利用者の行動パターンを予測し、利用者がこれから予定していると推測される行動ジャンルに合致した店舗情報を優先的に提示することは非常に重要である。
なお、図5の表や図14の表の第1列目に示された「順位」の情報は、説明の便宜上、ソート順を示すためのものであり、検索結果にこの「順位」の情報まで含ませておく必要はない。また、図5の表や図14の表の第4列目に示された「店舗ジャンルコード」の情報は、「情報識別コード」を用いて提供情報ファイル格納部100内に格納されている各提供情報ファイルのメタデータを調べることにより認識することができるので、検索結果にこの「店舗ジャンルコード」の情報まで含ませておくことも必須ではない。本発明を実施するにあたって、検索結果として必須な情報は、情報識別コードと合致度のみである。
<<< §4.関心度テーブル作成機能をもった実施形態 >>>
既に§3で述べたとおり、図12に示すリスト提示部140内のテーブル格納部143には、たとえば、図9に示すような単位区画について、それぞれ店舗ジャンルごとの関心度を収録した関心度テーブルが予め用意されている。そして、補正処理部142は、この関心度テーブルに収録されている関心度を用いて、検索結果内の合致度に対する補正を行うことになる。したがって、この関心度テーブルは、本発明において極めて重要な機能を果たすことになる。
関心度テーブルに収録されている関心度は、多数の利用者についての過去の行動に基づいて得られた統計情報であり、特定の地区領域内に特定の時間帯に居る利用者が、どのジャンルに関心をもっているかを統計的に示す情報である。したがって、関心度テーブル内の各単位区画についての関心度を求めるためには、多数の利用者の行動を調査し、統計的な解析を行う必要がある。このような調査は、たとえば、アンケート調査のような方法で行うことができるが、人手でこのような調査を行うには、多大な費用や時間が必要になる。
また、各単位区画についての関心度は、時代とともに変遷してゆくことが予想される。たとえば、ある地区領域内に大きな商業施設が開業したような場合、当該地区領域についての各ジャンルごとの関心度に変化が生じることが予想される。したがって、実用上は、所定の周期ごとに(たとえば、3ヶ月おきに)、関心度テーブルの内容が最新の調査結果を反映したものになるように更新する必要がある。
このような課題に対処するためには、システム自体に関心度テーブルの自動作成機能をもたせておけばよい。図16は、このような関心度テーブル作成機能をもった実施形態のブロック図である。図1に示す基本的な実施形態との相違は、新たに、関心度テーブル作成部150が付加されている点のみである。
関心度テーブル作成部150は、多数の利用者が所持する移動端末装置10から得られる情報に基づいて、関心度テーブルを新たに作成し、テーブル格納部143内の関心度テーブルを更新する機能を有している。なお、このシステムの初期導入時には、任意の関心度(たとえば、いずれの店舗ジャンルについても50%の値)を設定した初期関心度テーブルを格納して運用を開始し、関心度テーブル作成部150による更新が行われるまで、仮の運用を行えばよい。ここで述べる実施形態の場合、関心度テーブル作成部150は、2通りのアルゴリズムに基づいて、2通りの関心度テーブルを作成する機能を有している。以下、この2通りのアルゴリズムを順に述べる。
<§4−1:予定立案関心度テーブル>
第1のアルゴリズムは、「個々の利用者が、どのようなジャンルに属する行動についての予定を立案したか」という観点から、各単位区画についてのジャンルごとの関心度を決定する方法をとる。そこで、ここでは、この第1のアルゴリズムにより作成された関心度テーブルを「予定立案関心度テーブル」と呼ぶことにする。
図17は、予定立案関心度テーブルの作成原理を示すブロック図である。図示のとおり、予定立案関心度テーブルT1は、多数の関心情報I1に対して統計処理を行うことにより作成することができる。関心情報I1は、図示のとおり、端末位置情報、時間情報、店舗ジャンル情報によって構成されている情報であり、情報配信部110から関心度テーブル作成部150に引き渡される情報である。
ここに示す実施形態の場合、情報配信部110は、移動端末装置10から選択指示を受けたときに、当該移動端末装置10の端末位置情報と、当該選択指示を受けた時点を示す時間情報と、当該選択指示に係る提供情報ファイルの店舗ジャンルを示す店舗ジャンル情報と、を含む関心情報I1を、関心度テーブル作成部150に引き渡す機能を有している。図17に示す関心情報I1は、このようにして、情報配信部110から関心度テーブル作成部150に引き渡された情報である。
このような関心情報I1の引き渡しが行われるまでの経緯は次の通りである。たとえば、所定の地区領域に居る利用者が、移動端末装置10を用いて検索条件入力部130にアクセスし、何らかの検索条件を入力したものとしよう。この場合、既に述べたとおり、検索実行部120による検索が行われ、検索結果はリスト提示部140へと引き渡され、移動端末装置10の表示画面には、たとえば、図15に示すようなリストが提示される。
ここで、利用者が、このリストの3番目に提示されている「XXX in Tokyo」なるインド料理店に関する店舗情報を選択する選択指示を与えると、当該選択指示は、情報配信部110へと送信される。情報配信部110は、当該選択指示に基づいて、提供情報ファイル格納部100から該当する提供情報ファイルF1内の店舗情報本体データD1を読み出し、これを移動端末装置10へと配信する。その結果、移動端末装置10の表示画面上に、図7に示すような店舗情報の表示が行われることになる。このとき、情報配信部110は、移動端末装置10への情報配信を行うとともに、関心度テーブル作成部150に対して、図17に示すような関心情報I1を引き渡す処理を行う。
関心情報I1内の端末位置情報は、図示の例では、「N35.6221,E139.7310」なる緯度経度情報であり、移動端末装置10の現時点(選択指示を送信した時点)の位置を示す情報である。このような端末位置情報は、移動端末装置10から情報配信部110に選択指示を送信する際に、付随させて送信すればよい。前述したように、移動端末装置10はGPS機能を有しているため、選択指示を送信する際に、GPS機能によって認識した緯度経度情報を自動的に情報配信部110へ送信させることが可能である。
なお、利用者が検索条件入力部130に対して検索条件を送信する時刻と、当該検索条件に基づいて提示されたリストに基づいて、情報配信部110に対して選択指示を送信する時刻との時間差が、比較的小さいと予想される利用環境であれば、関心情報I1内の端末位置情報として、検索条件入力部130に入力された端末位置情報(すなわち、検索条件に含まれていた端末位置情報)をそのまま流用するようにしてもかまわない。
関心情報I1内の時間情報は、図示の例では、「日曜日14:23」なる曜日も含めた情報となっているが、これは、ここで述べる実施形態の場合、図9に示す例のように、関心度テーブルの時間帯が、各曜日ごとの時間帯となっているためである。この時間情報は、基本的には、利用者が情報配信部110に対して選択指示を送信した時点の時刻を示すものであるが、利用者が検索条件を送信する時刻と、当該検索条件に基づいて提示されたリストについて選択指示を送信する時刻との時間差が、比較的小さいと予想される利用環境であれば、選択指示を送信した時点の時刻の代わりに、検索条件を送信した時点の時刻を用いてもかまわない。
関心情報I1内の店舗ジャンル情報は、図示の例では、「食べる/インド料理」なる情報となっているが、これは、配信対象となる提供情報ファイルF1のメタデータD2内の店舗ジャンルコードC2をそのまま読み出すことにより得られる情報である。なお、図11に示す例のように、小分類の店舗ジャンルについての関心度を収録した関心度テーブルを作成するためには、関心情報I1内にも小分類の店舗ジャンルが必要になるが、図10に示す例のように、大分類の店舗ジャンルについての関心度を収録した関心度テーブルを作成する場合は、「食べる」という大分類の店舗ジャンルコードを関心情報I1内に用意しておけば十分である。
ここで、図17に示されている関心情報I1のもつ具体的な意味は、「日曜日14:23」に、「N35.6221,E139.7310」なる地点に居る利用者が、「食べる/インド料理」なる店舗ジャンルに所属する特定の店舗情報の配信を要求した、という事実を示している。利用者がこのような配信要求を行ったということは、当該利用者のその時点における関心事が、「食べる/インド料理」なる店舗ジャンルに属する店舗にあり、そのようなジャンルに属する店舗を利用する計画を立てている最中であると推測することができる。そこで、図17に示すような関心情報I1が与えられた場合、関心度テーブル作成部150は、「1A:日曜日14」なる単位区画について、「食べる/インド料理」なる店舗ジャンルに1ポイントの得点を与えることにする。
ところで、関心情報I1内の時間情報として、利用者が検索条件を送信した時刻を採用しても、あるいは、当該検索条件に基づいて提示されたリストについて選択指示を送信した時刻を採用しても、これらの時刻はいずれも、利用者が、これから行う行動の予定を立案している時点を示すものであって、その行動を実行している時点(たとえば、「食べる」というジャンルであれば、実際に店舗で食事をしている時点)を示しているわけではない。別言すれば、実際に行動が行われる時点は、関心情報I1内の時間情報よりも所定の時間だけ遅れることになる。
そこで、関心情報I1に対する統計処理を行う際に、このような遅延時間を考慮して、敢えて、時間情報が示す時刻が所属する時間帯の単位区画ではなく、それよりも先の時間帯(時間軸上で未来の時間帯)の単位区画に集計するようにしてもよい。たとえば、図17に示すような関心情報I1が与えられた場合、「1A:日曜日14」なる単位区画についての集計を行う代わりに、時間軸上で次に位置する「1A:日曜日15」なる単位区画について集計を行うようにする。すなわち、「1A:日曜日15」なる単位区画について、「食べる/インド料理」なる店舗ジャンルに1ポイントの得点を与えることになる。結局、図17に示されている関心情報I1の「日曜日14:23」なる時刻を、利用者が「食べる/インド料理」なる店舗ジャンルに所属する店舗の利用を検討中(予定を立案中)の時刻であると考え、当該利用者が実際に店舗を利用した時間帯は、「日曜日の14:00〜15:00」ではなく、「日曜日の15:00〜16:00」であろう、という予測を行うことになる。要するに、関心情報I1に含まれている時間情報から、利用者が実際に店舗を利用するであろう時刻を予想し、当該予想時刻が所属する単位区画について、当該関心情報I1についての統計処理を行うことになる。このような運用は、時間帯の区分けの単位を10分単位など、比較的細かく区分けした場合に特に有効である。
さて、実際には、移動端末装置10を用いて本システムを利用する利用者は、多数(たとえば、数千人〜数万人)にわたる。しかも、これら多数の利用者がリスト内の所望の店舗情報の見出しをクリックするたびに、図17に示すような関心情報I1が関心度テーブル作成部150に引き渡される。このため、関心度テーブル作成部150には、統計処理に十分な量の関心情報I1を収集することができる。こうして、図9に示す関心度テーブルを構成する個々の単位区画内の各店舗ジャンルごとに、それぞれ得点の合計値が得られたら、当該合計値をそのまま関心度の値として用いることができる。こうして作成された関心度テーブルは、多数の利用者の予定立案に係る関心度を示すものであるため、前述したように、ここでは「予定立案関心度テーブルT1」と呼ぶことにする。
このようなポイントの集計を行うためには、関心度テーブル作成部150に、各店舗ジャンルに関心が示された頻度を集計する機能を設けておけばよい。すなわち、情報配信部110から、図17に示すような関心情報I1が引き渡されたときに、この関心情報I1内に含まれている端末位置情報、時間情報、店舗ジャンル情報を利用して、端末位置情報によって示される位置を含む地区領域についての時間情報に対応する単位区画について、店舗ジャンル情報で示される店舗ジャンルに対する関心が示された旨の記録を行い、個々の単位区画ごとに、各店舗ジャンルに関心が示された頻度(上述したポイント)を集計し、こうして得られた集計結果に基づいて、予定立案関心度テーブルを作成すればよい。
なお、実用上は、所定の期間(たとえば、1ヶ月間)にわたって収集した多数の関心情報I1について、ポイントを集計し、各集計値を規格化した値を関心度として、予定立案関心度テーブルを作成するのが好ましい。たとえば、図10に示す例は、1つの単位区画内の全店舗ジャンルの関心度の和が100%となるような規格化を行った例である。
この図10に示すような内容をもつ予定立案関心度テーブルは、「日曜日の14:00〜15:00の時間帯」に「地区領域1A」内に居る多数の利用者が情報配信部110に対して行った選択指示のうち、20%は「食べる」というジャンルに属する店舗情報の配信を要求するものであり、60%は「買う」というジャンルに属する店舗情報の配信を要求するものであり、15%は「見る」というジャンルに属する店舗情報の配信を要求するものであり、5%は「遊ぶ」というジャンルに属する店舗情報の配信を要求するものであった、という事実に基づく統計処理によって作成されたものである。
<§4−2:訪問利用関心度テーブル>
第2のアルゴリズムは、「個々の利用者が、どのようなジャンルに属する店舗を訪問し、利用したか」という観点から、各単位区画についてのジャンルごとの関心度を決定する方法をとる。そこで、ここでは、この第2のアルゴリズムにより作成された関心度テーブルを「訪問利用関心度テーブル」と呼ぶことにする。
たとえば、「日曜日の14:00〜15:00の時間帯」に「地区領域1A」内に居る多数の利用者が、実際にどのようなジャンルに属する店舗を利用したか、という事実を把握することができれば、このような事実を多数収集して統計処理を施すことにより、「1A:日曜日14」なる単位区画についての各店舗ジャンルごとの関心度を求めることができる。利用者が実際に特定の店舗を訪問したり、当該店舗を利用した事実があれば、当該利用者が、当該店舗のジャンルに関心があることは明白である。
しかしながら、個々の利用者が、どの店舗を実際に訪問し、あるいは、どの店舗を実際に利用したか、という事実を自動的に収集することは非常に困難である。そこで、ここで述べる実施形態では、個々の利用者の移動経路を解析することにより、当該移動経路の周辺に存在する個々の店舗に立ち寄った可能性を定量的に評価する手法を採っている。たとえば、「日曜日の14:00〜15:00の時間帯」に「地区領域1A」内に居る多数の利用者が、店舗S1に立ち寄った可能性、店舗S2に立ち寄った可能性、店舗S3に立ち寄った可能性、...をそれぞれ数値で評価することができれば、各店舗ジャンルごとに、この評価値を集計することにより、「1A:日曜日14」なる単位区画についての各店舗ジャンルごとの関心度を求めることができる。こうして求められた関心度は、利用者が当該ジャンルに属する店舗を訪問したり、利用したりした可能性を示すものである。
図18は、訪問利用関心度テーブルの作成原理を示すブロック図である。図示のとおり、訪問利用関心度テーブルT2は、多数の位置変遷情報I2に対して統計処理を行うことにより作成することができる。位置変遷情報I2は、ある特定の移動端末装置の所定のサンプル時刻ごとの位置の変遷を示す情報であり、図示のとおり、端末位置情報と時間情報とを列挙したデータによって構成される。移動端末装置10は、GPS機能を有しており、任意の時刻における自分自身の位置を緯度経度情報として認識することが可能である。そこで、たとえば、移動端末装置10に、所定のサンプル時刻ごとに端末位置情報を記録する機能を設けておく。そうすれば、移動端末装置10内には、図18に示すような位置変遷情報I2が作成されることになる。たとえば、サンプル時刻を1分周期に設定しておけば、移動端末装置10内には、14:01における位置、14:02における位置、14:03における位置、...といった端末位置情報が時間情報とともに記録されてゆく。もちろん、サンプル時刻の周期は、GPSの機能上可能な範囲内であれば、たとえば、8秒周期など、より細かく設定することも可能である。
こうして、作成された位置変遷情報I2を、所定のタイミングで関心度テーブル作成部150に送信するようにする。たとえば、24時間おきに送信を行うように設定しておけば、0:00における位置、0:01における位置、0:02における位置、...、23:58における位置、23:59における位置というデータから構成される24時間分の位置変遷情報が、関心度テーブル作成部150に毎日送信されることになる。したがって、たとえば、1ヶ月の間に多数の利用者から送信されてきた位置変遷情報I2は、統計処理を施すのに十分な情報になり、関心度テーブル作成部150は、これらの情報に基づく統計処理により、訪問利用関心度テーブルT2を作成することができる。
続いて、位置変遷情報I2に基づいて訪問利用関心度テーブルT2を作成するアルゴリズムを説明する。上述したように、位置変遷情報I2は、特定の移動端末装置の所定のサンプル時刻ごと(ここで述べる実施形態の場合は、1分ごと)の位置の変遷を示す情報であるから、この情報に基づいて個々の移動端末装置の移動経路上の通過点を認識することができる。
図19は、このようにして認識された移動経路R1と通過点P1〜P8を示す平面図である。図に黒丸で示す各通過点P1〜P8の位置は、位置変遷情報I2に含まれていた端末位置情報(移動経度情報)に基づいて決定されたものである。一方、図に実線で示す移動経路R1は、各通過点P1〜P8を位置変遷情報I2に含まれていた時間情報によって示される時間の順序に従って連結した直線である。もちろん、2つの隣接する通過点間の実際の移動経路は、必ずしも直線であるとは限らないので、図示する移動経路R1は、移動端末装置10の正確な移動経路を示すものではない。
また、図19にX印で示す各点S1〜S7は、移動経路R1の周辺に存在する店舗の位置を示している。ここに示す店舗は、店舗ジャンルとその位置が既知である店舗であれば、どのような店舗であってもかまわない。ただ、ここに示す実施形態の場合、提供情報ファイル格納部100内に格納されている個々の提供情報ファイルに対応する店舗を、X印で示す各店舗S1〜S7として利用している。図16のブロック図に示されているとおり、個々の提供情報ファイル内のメタデータD2内には、店舗ジャンルコードC2と店舗位置コードC3とが含まれているので、個々の提供情報ファイルに対応する店舗であれば、メタデータD2を参照することにより、店舗ジャンルとその位置を認識することができる。
さて、図19に示す例のように、位置変遷情報I2に基づいて、その通過点P1〜P8が認識できたら、提供情報ファイル格納部100に格納されている多数の提供情報ファイル内の店舗位置コードC3を参照することこより、個々の通過点について、それぞれ各店舗との距離を算出し、距離の小さい順に所定数m個の店舗を、当該通過点に関する近傍店舗と認識する。ここでは、便宜上、所定数m=3に設定した例を述べることにする。なお、実際には、1つの通過点に対してすべての店舗との距離演算を行う必要はなく、明らかに遠方にあると考えられる店舗との距離演算は省略するのが好ましい。
図19には、通過点P5について、3つの近傍店舗S3,S4,S5が認識された例が示されている。通過点P5と各近傍店舗S3,S4,S5との距離は、図の破線の長さとして与えられ、点P5の位置情報と点S3,S4,S5の位置情報とを用いた幾何学的な演算によって算出することができる。図示の例の場合、通過点P5に最も近い店舗は店舗S4であり、2番目に近い店舗は店舗S3であり、3番目に近い店舗は店舗S5である。したがって、通過点P5については、店舗S3,S4,S5が近傍店舗として認識されることになる。
もちろん、個々の通過点ごとに別個独立した近傍店舗が求められる。たとえば、図20には、通過点P6についての近傍店舗が、店舗S4,S5,S6になることが示されている。図21は、通過点P1〜P8のそれぞれについて求めた近傍店舗の一覧を示す表である。この表には、各通過点の通過時刻(位置変遷情報I2に含まれる時間情報)と、各通過点と各近傍店舗との距離も併せて示されている。たとえば、通過点P1については、通過時刻が「14:01」であり、3つの近傍店舗が「S1,S2,S4」であり、通過点P1と各近傍店舗S1,S2,S4との距離が「40m,28m,56m」であることが示されている。なお、ここでは一例として、m単位の精度で距離が算出された例を示すが、実際には、この距離の精度は、GPSの位置取得精度に依存して定まることになる。
この図21の表を眺めると、移動経路R1上において連続する複数の通過点に共通する近傍店舗の存在が認識できる。たとえば、通過点P1,P2は、移動経路R1上において連続する通過点であるが、これら2つの通過点P1,P2に関して、近傍店舗S1,S2,S4は共通している。更に、通過点P1〜P3に着目すると、この3つの通過点も、移動経路R1上において連続する通過点であるが、これら3つの通過点P1〜P3に関しては、近傍店舗S4が共通していることになる。実は、この店舗S4は、7つの連続する通過点P1〜P7に関して共通する店舗である。ここでは、このように移動経路上において連続する通過点に共通する近傍店舗を共通近傍店舗と呼ぶことにする。
図21の表は、個々の通過点に着目して、その近傍店舗を示した表であるが、逆に、個々の近傍店舗に着目して、当該近傍店舗を共通近傍店舗とする通過点を示す表を作成してみよう。図22の表は、このように個々の共通近傍店舗に着目した表であり、図21の表に基づいて作成することができる。たとえば、図22の表において、共通近傍店舗S1については、2つの通過点P1,P2が掲載されているが、これは、図21の表において、S1を近傍店舗とする連続した通過点がP1とP2であることを意味している。同様に、図22の表において、共通近傍店舗S4については、7つの通過点P1〜P7が掲載されているが、これは、図21の表において、S4を近傍店舗とする連続した通過点がP1〜P7であることを意味している。
なお、図22の表における時刻の欄のデータは、図21の表における各通過点の通過時刻を示すものであり、図22の表における距離の欄のデータは、図21の表における各通過点と各近傍店舗との距離を示すものである。また、図22の表における滞在係数の欄のデータは、各共通近傍店舗について、演算によって求められた滞在係数の値を示すものである。ここで、特定の共通近傍店舗についての滞在係数とは、当該共通近傍店舗に関する最初の通過点の通過時刻から最後の通過点の通過時刻に至るまでの時間(滞在時間)を、当該共通近傍店舗に関する最初の通過点から最後の通過点に至るまでの全通過点との距離の和で除した値である。
たとえば、図22の表に示す共通近傍店舗S1に関しての滞在時間は、最初の通過点P1の通過時刻「14:01」から最後の通過点P2の通過時刻「14:02」に至るまでの時間として与えられるので、滞在時間=1分=60秒になる。一方、最初の通過点P1と共通近傍店舗S1との距離は40m、最後の通過点P2と共通近傍店舗S1との距離は33mであるから、「共通近傍店舗S1に関する最初の通過点から最後の通過点に至るまでの全通過点との距離の和」は、40m+33mということになる。したがって、共通近傍店舗S1に関しての滞在係数は、滞在時間60秒を距離の和「40m+33m」で除した値「60/(40+33)」で与えられる。
同様に、図22の表に示す共通近傍店舗S4に関しての滞在時間は、最初の通過点P1の通過時刻「14:01」から最後の通過点P7の通過時刻「14:07」に至るまでの時間として与えられるので、滞在時間=6分=360秒になる。一方、最初の通過点P1と共通近傍店舗S4との距離は56m、次の通過点P2と共通近傍店舗S4との距離は35m、次の通過点P3と共通近傍店舗S4との距離は20m、次の通過点P4と共通近傍店舗S4との距離は15m、次の通過点P5と共通近傍店舗S4との距離は22m、次の通過点P6と共通近傍店舗S4との距離は39m、最後の通過点P7と共通近傍店舗S4との距離は44mであるから、「共通近傍店舗S4に関する最初の通過点から最後の通過点に至るまでの全通過点との距離の和」は、56m+35m+20m+15m+22m+39m+44mということになる。したがって、共通近傍店舗S4に関しての滞在係数は、滞在時間360秒を距離の和「56m+35m+20m+15m+22m+39m+44m」で除した値「360/(56+35+20+15+22+39+44)」で与えられる。
一方、図22の表に示す共通近傍店舗S7に関しては、通過点P8が唯一の通過点となっているため、最初の通過点P8の通過時刻「14:08」から最後の通過点P8の通過時刻「14:08」に至るまでの時間は0であり、滞在時間=0になる。このように滞在時間が0になる共通近傍店舗の滞在係数は0であり、実用上、このような唯一の通過点しかもたない近傍店舗は、共通近傍店舗として取り扱う必要はない。
このように、滞在係数を求める式の分子(滞在時間)が0になる場合は、滞在係数=0になるが、分母(距離の総和)が0になる場合は、滞在係数=無限大となる。もちろん、理論的には、滞在係数の範囲を0〜無限大とする定義を行ってもかまわない。ただ、実用上、一般的なコンピュータでは、分母を0とする演算は実行できない場合が多い。このような問題を解決するためには、たとえば、予め滞在係数の上限値を定めておき、分母(距離の総和)が0になる場合は、当該上限値を滞在係数とするような取り扱いを行えばよい。
あるいは、上記問題を解決する別な方法として、滞在係数の定義を若干修正してもよい。たとえば、特定の共通近傍店舗についての滞在係数を、当該共通近傍店舗に関する最初の通過点の通過時刻から最後の通過点の通過時刻に至るまでの時間(滞在時間)を、当該共通近傍店舗に関する最初の通過点から最後の通過点に至るまでの全通過点との距離の和に所定の定数Δを加えた値で除した値、とする定義を行えばよい。所定の定数Δを0でない正の数に設定しておけば、距離の総和が0であったとしても、滞在係数を求める式の分母はΔになり、0にはならない。
なお、ここでは、滞在時間の単位を秒、距離の単位をmとして、滞在係数の値を定義しているが、滞在時間や距離の単位は任意に設定することができる。どのような単位を用いて滞在係数を定義するかという問題は、単なるスケーリングの問題であり、本質的な問題ではない。
さて、ここで、各共通近傍店舗について求められた滞在係数の意味するところを考えてみる。上述したとおり、滞在係数は、滞在時間を距離の総和で除した値として定義されるパラメータであり、滞在時間を分子、距離の総和を分母とする分数式で与えられる。したがって、分子の滞在時間が大きくなればなるほど、滞在係数は大きくなり、分母の距離の総和が大きくなればなるほど、滞在係数は小さくなる。このようなパラメータは、利用者が共通近傍店舗に立ち寄った可能性を定量的に評価するパラメータとして利用することができる。
もちろん、この分数式の分子となる滞在時間は、単に、当該店舗が近傍店舗として認識されていた時間を示すものであり、当該店舗に利用者が実際に滞在していた時間を示すものではない。そもそも位置変遷情報I2は、サンプル時刻ごとの緯度経度情報の羅列であり、利用者が特定の店舗を訪問したり、当該店舗を実際に利用したりした事実を示すものではない。しかしながら、特定の店舗について算出された上記滞在時間が長ければ長いほど、当該店舗に実際に滞在していた可能性は高いと判断することができるので、上記滞在時間は、利用者が当該店舗に立ち寄った可能性を示す定量的な値として利用することが可能である。たとえば、図22に示す例の場合、店舗S1についての滞在時間は60秒であるのに、店舗S4についての滞在時間は360秒であるから、店舗S1に立ち寄った可能性よりも、店舗S4に立ち寄った可能性の方が高い、という推定を行うことができる。
一方、この分数式の分母となる距離の総和は、各通過点と店舗とがどれほど離れているかを示しており、距離の総和が小さければ小さいほど、当該店舗に実際に滞在していた可能性は高いと判断することができるので、やはり利用者が当該店舗に立ち寄った可能性を示す定量的な値として利用することが可能である。距離を求めるために利用される各店舗の位置は、緯度経度情報によって示される店舗の代表点位置(たとえば、店舗の敷地のほぼ中央の点)であるから、利用者が当該店舗に実際に立ち寄っていたとしても、通常、距離の総和は0にはならない。しかしながら、利用者が当該店舗に実際に立ち寄っていれば、その滞在期間中の各サンプル時刻に得られた通過点と当該店舗との距離は、非常に小さくなると考えられるので、距離の総和を分母とする分数式の値は、店舗に立ち寄った可能性を示す値として利用可能である。逆言すれば、特定の店舗について算出された滞在時間が長くても、距離の総和が大きければ、当該店舗についての滞在係数は小さくなるが、これは、実際には当該店舗ではなく別な場所に滞在していた可能性が高まるためである。
図23は、共通近傍店舗についての滞在係数を求める一般的手法を説明する平面図である。この図は、移動経路R1上において連続する第(i−2)番目の通過点P(i−2)から、第(i+n+3)番目の通過点P(i+n+3)に至るまで、第j番目の店舗Sjが共通する近傍店舗となった例を示している。図において、合計(n+1)個の通過点P(i)〜P(i+n)は同一の黒丸で示されているが、これは同一の緯度経度情報を有しているためである。店舗Sjは、図23に示されているすべての通過点P(i−2)〜P(i+n+3)に共通する共通近傍店舗であるから、これら各通過点のいずれについても、近い順の順位がm位以内(前掲の例の場合、m=3)に入る店舗になっている。
この図23に示す位置の変遷は、利用者が実際に店舗Sjを利用した場合の典型的な例である。たとえば、店舗Sjがレストランであり、当該店舗の店舗位置コードC3としては、図の点Sjの緯度経度情報が登録されており、客席の位置が、図の通過点P(i)〜P(i+n)を示す黒丸の位置であったような場合、利用者がこのレストランを利用すると、図示のような位置変遷情報が得られることになる。通過点P(i)〜P(i+n)の通過時間を時間t(i)〜t(i+n)とすれば、当該時間は、利用者がレストランで食事をとっていた時間ということになる。
図24は、図23に示す例において、共通近傍店舗Sjの滞在係数を求める具体的な手法を示す表である。この表における通過点P(i−2)〜P(i+n+3)は、図23に黒丸で示す各通過点を示しており、この表における時刻t(i−2)〜t(i+n+3)は、各通過点P(i−2)〜P(i+n+3)の通過時刻を示しており、この表における距離L(i−2)〜L(i+n+3)は、各通過点P(i−2)〜P(i+n+3)と共通近傍店舗Sjとの距離を示している。
この例の場合、共通近傍店舗Sjに関する連続する一連の通過点のうち、最初の通過点P(i−2)の通過時刻はt(i−2)であり、最後の通過点P(i+n+3)の通過時刻はt(i+n+3)であるから、滞在時間は、t(i+n+3)−t(i−2)として求まる。一方、距離の総和は、L(i−2)+L(i−1)+L(i)+...+L(i+n+3)として求まる。結局、店舗Sjに関する滞在係数は、図24の表の右欄に示す分数式によって算出される。
以上、1人の利用者の一部分の移動経路に基づいて共通近傍店舗を認識し、当該店舗についての滞在係数を算出する方法を説明した。通常、1人の利用者の1日の移動経路からは、複数の共通近傍店舗が認識されることになる。また、場合によっては、午前と午後とで、同一の店舗がそれぞれ共通近傍店舗として別個独立して認識される場合もあろう。こうして認識された個々の共通近傍店舗について、それぞれ上述した滞在係数が算出される。このような滞在係数の算出値は、多数の利用者の移動経路のそれぞれについて得られることになり、しかも、たとえば30日間といった期間にわたって収集されることになる。
そこで、個々の共通近傍店舗について算出された滞在係数を、当該共通近傍店舗の位置を含む地区領域についての当該共通近傍店舗について認識された滞在時間に対応する単位区画について、当該共通近傍店舗の店舗ジャンルに対する関心の程度を示す値として集計すれば、この集計結果に基づいて訪問利用関心度テーブルを作成することができる。
具体的には、図22の表の右欄に示されている各滞在係数は、次のようにして集計されることになる。たとえば、共通近傍店舗S1についての滞在係数「60/(40+33)」は、店舗S1の位置(店舗位置コードC3によって示される位置)を含む地区領域についての滞在時間:日曜日14:01〜14:02に対応する単位区画について、店舗S1の店舗ジャンルに対する関心度として集計される。具体的には、店舗S1が地区領域1Aに所属している映画館であれば、単位区画「1A:日曜日14」の店舗ジャンル「見る」について、滞在係数「60/(40+33)」なるポイントが加算されることになる。
同様に、共通近傍店舗S4についての滞在係数「360/(56+35+20+15+22+39+44)」は、店舗S4の位置を含む地区領域についての滞在時間:日曜日14:01〜14:07に対応する単位区画について、店舗S4の店舗ジャンルに対する関心度として集計される。具体的には、店舗S4が地区領域1Aに所属しているレストランであれば、単位区画「1A:日曜日14」の店舗ジャンル「食べる」について、滞在係数「360/(56+35+20+15+22+39+44)」なるポイントが加算されることになる。
このような集計を、多数の利用者について、所定の期間にわたって行い、各単位区画ごとの集計値(累積加算されたポイントの合計値)が得られれば、当該集計値を関心度とする訪問利用関心度テーブルを作成することができる。実用上は、各集計値を規格化した値を関心度として、予定立案関心度テーブルを作成するのが好ましい。たとえば、図10に示す例は、1つの単位区画内の全店舗ジャンルの関心度の和が100%となるような規格化を行った例である。
この図10に示すような内容をもつ訪問利用関心度テーブルは、「日曜日の14:00〜15:00の時間帯」に「地区領域1A」内に居た多数の利用者が実際に訪問したり、利用したりしたと推測される店舗のうち、20%は「食べる」というジャンルに属する店舗であり、60%は「買う」というジャンルに属する店舗であり、15%は「見る」というジャンルに属する店舗であり、5%は「遊ぶ」というジャンルに属する店舗であった、という推測結果を示すものである。
<§4−3:関心度テーブル作成部の具体的な構成>
ここでは、図16に示す関心度テーブル作成部150の内部構成およびその動作を、図25のブロック図を参照しながら説明する。ここに示す関心度テーブル作成部150は、§4−1で述べた予定立案関心度テーブルT1と、§4−2で述べた訪問利用関心度テーブルT2との2種類の関心度テーブルを作成する機能を有している。
図25に示す頻度集計部151は、情報配信部110から引き渡される関心情報I1に基づいて、予定立案関心度テーブルT1を作成するための構成要素である。すなわち、頻度集計部151は、図17に示すような関心情報I1に基づいて、端末位置情報によって示される位置を含む地区領域についての時間情報に対応する単位区画について、店舗ジャンル情報で示される店舗ジャンルに対する関心が示された旨の記録を行い、個々の単位区画ごとに、各店舗ジャンルに関心が示された頻度を集計し、この集計結果に基づいて予定立案関心度テーブルを作成する処理を行う。その具体的な処理内容については、既に§4−1で述べたとおりである。
一方、図25に示す近傍店舗認識部152,滞在時間認識部153,滞在係数算出部154,滞在係数集計部155は、各移動端末装置10から引き渡される位置変遷情報I2に基づいて、訪問利用関心度テーブルT2を作成するための構成要素である。
まず、近傍店舗認識部152は、個々の移動端末装置10の所定のサンプル時刻ごとの位置の変遷を示す位置変遷情報I2に基づいて、個々の移動端末装置10の移動経路上の通過点Pを認識し、提供情報ファイル格納部100に格納されている提供情報ファイル内の店舗位置コードC3を参照することにより、個々の通過点Pについて、それぞれ各店舗との距離を算出し、距離の小さい順に所定数m個の店舗を、当該通過点Pに関する近傍店舗Sと認識する処理を行う。たとえば、図19,図20に示す例の場合、各通過点P1〜P8のそれぞれについて、図21の表に示すような近傍店舗の認識がなされる。
次に、滞在時間認識部153は、移動経路上において連続する通過点に共通する共通近傍店舗について、最初の通過点の通過時刻から最後の通過点の通過時刻に至るまでの時間を滞在時間と認識する処理を行う。たとえば、図19,図20に示す例の場合、図22の表に示すような各共通近傍店舗S1〜S7について、最初の通過点の通過時刻から最後の通過点の通過時刻に至るまでの滞在時間が求められる。
なお、共通近傍店舗は、基本的には、1つの移動経路上において「連続する」通過点に共通する近傍店舗として定義されるものである。したがって、1つの移動経路上において「断続する」通過点に共通する近傍店舗があっても、当該近傍店舗は、これら「断続する」通過点についての共通近傍店舗として認識すべきではない。たとえば、図19に示す例において、通過点P8に後続して、通過点P9,P10,P11,P12が存在し、通過点P11およびP12の近傍店舗の1つに店舗S2が含まれていた場合を考える。
この場合、店舗S2は、通過点P1,P2,P11,P12についての近傍店舗であるが、この4つの通過点P1,P2,P11,P12についての共通近傍店舗にはならない。なぜなら、通過点P1,P2は移動経路上において「連続する」通過点であり、通過点P11,P12も移動経路上において「連続する」通過点であるが、通過点P2とP11との間は連続していないため、通過点P1,P2,P11,P12の4点は、1つの移動経路上において「連続する」通過点ではないからである。このような場合、店舗S2は、通過点P1,P2について共通近傍店舗S2として認識されるとともに、通過点P11,P12について別個の共通近傍店舗S2として認識されることになる。
もっとも、実用上は、「連続する」という条件の解釈には、若干の余裕をもたせておくのが好ましい。たとえば、図23には、利用者が時間t(i)〜t(i+n)の時間帯に店舗Sjで食事をとっていた例を示した。この例の場合、本来は、移動経路上において「連続する」通過点P(i−2)〜P(i+n+3)のすべてについて、店舗Sjが近傍店舗となり、店舗Sjは、通過点P(i−2)〜P(i+n+3)についての共通近傍店舗となるはずである。ところが、何らかの原因で、通過点P(i−2)〜P(i+n+3)内の1点についての緯度経度情報の取得にエラーが生じ、当該エラーが生じた通過点については、店舗Sjが近傍店舗にはならなかったとしよう。
この場合、「連続する」という条件解釈を厳密に行うと、店舗Sjは、通過点P(i−2)〜P(i+n+3)についての共通近傍店舗にはならず、エラーが生じた通過点の前後で分断された2つのグループの通過点について、それぞれ別個独立した共通近傍店舗として認識されてしまう。このような認識による処理が行われても、重大な支障は生じないが、このような認識による処理を防ぐためには、たとえば、途中の通過点部分について連続性が途絶えていたとしても、途絶えた通過点の数が所定数以下であった場合には、これを「連続する」と解釈した取り扱いを行うようにすればよい。
また、移動端末装置の位置を認識するシステムとして一般的なGPSを用いた場合、屋内での位置情報の取得は不得手である。したがって、図23に示す例の場合、店舗Sjが屋内のレストランであると、図の通過点P(i)〜P(i+n)の位置情報は取得できない可能性がある。このように、通過点の情報が一定期間にわたって脱落しているような場合には、この脱落期間の直前および直後の通過点の位置情報に基づいて、両者が移動経路上において連続しているか否かを判断すればよい。具体的には、図23に示すように、直前の通過点P(i−1)と直後の通過点P(i+n+1)とが極めて接近している場合には(たとえば、「両者の距離が30m以下」といった基準を満たす場合には)、その途中で途絶えた通過点の数が多数(図23の例では「n+1」個)あったとしても、両通過点P(i−1),P(i+n+1)は移動経路上において連続しているものと解釈した取り扱いを行うようにすればよい。
次に、図25に示す滞在係数算出部154は、各共通近傍店舗について、最初の通過点から最後の通過点に至るまでの全通過点との距離の和を求め、滞在時間認識部153によって求められた滞在時間を距離の和で除した値を滞在係数として算出する処理を行う。たとえば、図19,図20に示す例の場合、図22の表の右欄に示すような分数式によって、各共通近傍店舗についての滞在係数が求められる。なお、距離の和が0になった場合に演算に支障が生じる場合には、前述したとおり、滞在時間を「距離の和に所定の定数Δを加えた値」で除した値を滞在係数とすればよい。
最後の滞在係数集計部155は、滞在係数算出部154が算出した個々の共通近傍店舗についての滞在係数を、当該共通近傍店舗の位置を含む地区領域についての当該共通近傍店舗について認識された滞在時間に対応する単位区画について、当該共通近傍店舗の店舗ジャンルに対する関心の程度を示す値として集計する処理を行い、その集計結果に基づいて訪問利用関心度テーブルを作成する。
なお、集計処理を行う際に、滞在時間が複数の単位区画の時間帯を跨いでいる場合には、滞在時間と個々の単位区画の時間帯との重なり度合いに応じて按分した滞在係数を、各単位区間ごとに集計するようにすればよい。たとえば、図22に示す例において、店舗S4についての滞在係数は、滞在時間である「日曜日の14:01〜14:07」を含む時間帯、すなわち、「日曜日14」なる時間帯(日曜日の14:00〜15:00の時間帯)の単位区画に集計されることになる。このように、滞在時間が1つの単位区画の時間帯に包含される場合は、当該単位区画について滞在係数を集計すればよい。
ところが、滞在時間が、たとえば、「日曜日の13:30〜14:20」であった場合、「日曜日13」と「日曜日14」という2つの時間帯に跨がることになる。このような場合、滞在時間と個々の単位区画の時間帯との重なり度合いを求めると、「日曜日13」という時間帯に対しては30分間だけ重なり、「日曜日14」という時間帯に対しては20分間だけ重なっていることになる。そこで、集計対象となる滞在係数を、30:20に按分し、滞在係数の30/50の部分を「日曜日13」なる時間帯の単位区画に集計し、滞在係数の20/50の部分を「日曜日14」なる時間帯の単位区画に集計すればよい。
<§4−4:複数の関心度テーブルの取り扱い>
さて、図25のブロック図に示すように、ここに述べる実施形態の場合、関心度テーブル作成部150は、予定立案関心度テーブルT1と訪問利用関心度テーブルT2という2種類の関心度テーブルを作成する機能を有している。こうして作成された各関心度テーブルT1,T2は、図12に示すリスト提示部140内のテーブル格納部143に格納されることになり、補正処理部142による合致度の補正処理に利用される。
このように、テーブル格納部143内に、複数の関心度テーブルを格納しておき、補正処理部142が、これら複数の関心度テーブルを参照することにより複数通りの関心度を認識し、認識した複数通りの関心度を用いて補正を行うことにより、補正合致度を求めるようにすることは有用である。
たとえば、ここに示す実施形態の場合、予定立案関心度テーブルT1は、「個々の利用者が、どのようなジャンルに属する行動についての予定を立案したか」という観点から、各利用者の関心度を定義したテーブルであるのに対して、訪問利用関心度テーブルT2は、「個々の利用者が、どのようなジャンルに属する店舗を訪問し、利用したか」という観点から、各利用者の関心度を定義したテーブルである。このように、異なる観点から作成した複数の関心度テーブルを用いれば、より適切な関心度を定義することが可能になり、利用者に最適な情報を選択して提供するという本発明の目的を達成するための効果を増進させることができる。
複数の関心度テーブルを参照して補正合致度を求めるには、補正処理部142が、各関心度テーブルから得た関心度のそれぞれについて予め重みパラメータを設定しておき、それぞれの関心度に重みパラメータを乗じた値を、合致度に対して乗算すればよい。
図26は、このような方針に基づいて、リスト提示部140内で行われる補正処理の一例を示すブロック図である。図示のとおり、テーブル格納部143には、予定立案関心度テーブルT1と訪問利用関心度テーブルT2とが格納されている。これらの各テーブルT1,T2は、水平方向に地区領域、垂直方向に時間帯をとった個々の単位区画ごとに、各店舗ジャンルに対応する関心度を設定したテーブルであり、関心度テーブル作成部150によって所定期間ごと(たとえば、1ヶ月ごと)に作成され更新される。
ここでは、予定立案関心度テーブルT1内に設定されている関心度をα1とし、訪問利用関心度テーブルT2内に設定されている関心度をα2としよう。図において、各関心度テーブルT1,T2内にハッチングを施して示した部分は、それぞれテーブル内の1つの単位区画である。予定立案関心度テーブルT1内の各単位区画には、図示のとおり、「食べる」なるジャンルの関心度α1(1)、「買う」なるジャンルの関心度α1(2)、「見る」なるジャンルの関心度α1(3)、「遊ぶ」なるジャンルの関心度α1(4)が設定されている。同様に、訪問利用関心度テーブルT2内の各単位区画には、図示のとおり、「食べる」なるジャンルの関心度α2(1)、「買う」なるジャンルの関心度α2(2)、「見る」なるジャンルの関心度α2(3)、「遊ぶ」なるジャンルの関心度α2(4)が設定されている。ここでは、大分類のジャンルについて設定した関心度を示したが、もちろん、小分類のジャンルについて関心度の設定を行ってもかまわない。
さて、既に§3で述べたとおり、補正処理部142は、関心度テーブルを参照することにより、端末位置情報によって示される位置を含む地区領域についての現時点に対応する単位区画について設定されている各店舗ジャンルについての関心度を認識し、検索結果格納部141に格納されている「各提供情報ファイルの合致度」を、当該提供情報ファイルに係る店舗ジャンルについて認識した関心度を用いて補正することにより、補正合致度を求める処理を行う。図26に示す実施形態の場合、補正処理部142は、2つの関心度テーブルT1,T2を参照することにより、該当する単位区画について設定されている該当ジャンルについてのそれぞれの関心度を認識することになる。
たとえば、合致度Mの補正を行う対象となる提供情報ファイルの店舗ジャンルが第j番目のジャンルであった場合、補正処理部142は、予定立案関心度テーブルT1の該当単位区画から関心度α1(j)を読み出し、訪問利用関心度テーブルT2の該当単位区画から関心度α2(j)を読み出す。そして、予め設定されていた重みパラメータk1,k2を用いて、補正対象となる合致度Mに対して、M=M×(k1・α1(j))×(k2・α2(j)なる演算を行うことにより、補正合致度Mを求める処理を行う。ここで、k1は、予定立案関心度テーブルT1内の関心度についての重みを示すパラメータであり、k2は、訪問利用関心度テーブルT2内の関心度についての重みを示すパラメータである。k1,k2の値は、2つの関心度テーブルT1,T2のどちらを重視した補正を行うかを考慮して、適宜設定しておけばよい。
<<< §5.広告主意向度テーブルを用いる実施形態 >>>
本発明に係る情報提供システムの重要な特徴は、過去の調査結果として得られた関心度テーブルに基づいて、検索結果の合致度を補正し、利用者に提示する検索結果のリスト掲載順を修正するという手法にある。ここで利用される関心度テーブルは、あくまでも利用者側の立場から、どのような状況では、どのようなジャンルに対する関心が高いかという関心度を示すものである。
ここで述べる実施形態は、このような利用者の関心度に加えて、更に広告主の意向度を考慮して検索結果の合致度を補正し、利用者に提示する検索結果のリスト掲載順を修正するものである。ここで、広告主の意向度とは、特定の時間帯に特定の地区領域に居る利用者に対して、自己の店舗情報を配信したい意向の程度を示すパラメータである。ここで述べる実施形態の場合、補正処理に広告主の意向度を反映させるために、広告主意向度テーブルを用いている。
図27は、このような広告主の意向度を考慮した処理を行う機能をもった実施形態のブロック図である。図16に示す実施形態との相違は、新たに、広告主意向度テーブル作成部160が付加されている点と、リスト提示部140が意向度を考慮した処理を行う点である。広告主意向度テーブル作成部160は、広告主の指示に応じた外部からの入力操作に基づいて、各提供情報ファイルについての広告主意向度テーブルをそれぞれ作成し、これをリスト提示部140内のテーブル格納部143に格納する処理を実行する。
図28は、図27に示す広告主意向度テーブル作成部160によって作成された広告主意向度テーブルT3の具体例を示す図である。図示のとおり、この広告主意向度テーブルT3には、図9に示す関心度テーブルと同様の単位区画が設けられており、個々の単位区画ごとにそれぞれ店舗情報の提供を行う広告主の意向度が設定されている。すなわち、広告主意向度テーブルT3の基本的な構成は、水平方向に個々の地区領域を並べ、垂直方向に個々の時間帯を並べることにより、特定の地区領域および特定の時間帯に対応した多数の単位区画が定義される。図28のテーブル内にハッチングを施して示した部分は、1つの単位区画を示している。
ただ、関心度テーブルと広告主意向度テーブルとの第1の相違点は、関心度テーブルの個々の単位区画には、図10や図11に示す例のように、複数の店舗ジャンルについての関心度が設定されていたのに対し、広告主意向度テーブルの個々の単位区画には、1つの意向度のみが設定されている点である。たとえば、図28にハッチングを施して示した単位区画には、1つの意向度βのみが設定されている。
そして、関心度テーブルと広告主意向度テーブルとの第2の相違点は、広告主意向度テーブルが、1つ1つの提供情報ファイルごとにそれぞれ別個独立して用意される点である。図28には、複数枚の広告主意向度テーブルが重なって描かれているが、これは、1つの提供情報ファイルについて、1つの広告主意向度テーブルが用意されることを示すものである。図28において一番上に示されている広告主意向度テーブルT3(DDD111111)は、情報識別コード「DDD111111」で特定される提供情報ファイルF1(図2に示すファイル)について用意された広告主意向度テーブルである。したがって、提供情報ファイル格納部100内に1万組の提供情報ファイルが格納されている場合、広告主意向度テーブルも1万組だけ用意されることになる。
上述したように、広告主の意向度とは、特定の時間帯に特定の地区領域に居る利用者に対して、自己の店舗情報を配信したい意向の程度を示すパラメータである。たとえば、図27に示す広告主意向度テーブルT3(DDD111111)は、図2に示す店舗情報の広告主(通常は、「インドレストラン:XXX in Tokyo」の経営者)が、当該店舗情報を配信したいと欲する意向の程度を、個々の単位区画ごとにそれぞれ設定したテーブルである。すなわち、図28にハッチングを施して示した単位区画に設定された意向度βは、当該単位区画に対応する地区領域および時間帯に居る利用者に対して、図2に示す店舗情報本体データD1を配信したいと欲する意向の程度を示す値ということになる。
意向度βの値としては、どのような数値を設定してもかまわないが、たとえば、0〜100の任意の値を設定することができる。意向度100は、当該店舗情報の配信を強く望む意向を示し、意向度0は、当該店舗情報の配信を望まない意向を示すことになる。もちろん、意向度βの値としては、「配信する(β=1)」か「配信しない(β=0)」の二値データを設定してもかまわない。広告主意向度テーブル作成部160は、広告主の指示に応じた外部からの入力操作に基づいて、このような広告主意向度テーブルを作成し、リスト提示部140内のテーブル格納部143に格納する処理を実行する。
具体的には、たとえば、広告主が操作するパソコンなどの端末装置に対して、各単位区画の部分が空欄となった空の広告主意向度テーブルを表示するためのWebページのデータを送信し、当該Webページ上において、広告主に、空欄部分に所望の意向度を示す数値を入力する操作を行ってもらうようにすれば、広告主が入力した数値を取り込むことにより、広告主意向度テーブルを作成することができる。もちろん、過去に設定した意向度の値を、必要に応じて、更新することができるようにしておくのが好ましい。
結局、図27に示す実施形態の場合、リスト提示部140内のテーブル格納部143には、図29に示すように、予定立案関心度テーブルT1および訪問利用関心度テーブルT2の他に、個々の提供情報ファイルに対応した複数の広告主意向度テーブルT3が格納されていることになる。これらの各テーブルT1,T2,T3は、いずれも水平方向に地区領域、垂直方向に時間帯をとった個々の単位区画ごとに、所定のパラメータを設定したテーブルという点において共通している。
そして、ここに示す実施形態の場合、補正処理部142は、合致度の補正対象となる提供情報ファイルについての広告主意向度テーブルT3を参照することにより、該当単位区画に設定されている意向度を認識し、関心度と意向度との双方を用いて補正を行うことにより、補正合致度を求める処理を行う。具体的には、補正処理部142は、関心度と意向度とのそれぞれについて重みパラメータを設定する機能を有しており、関心度にその重みパラメータを乗じた値および意向度にその重みパラメータを乗じた値を、それぞれ合致度に対して乗算することにより補正合致度を求める。
ここでは、たとえば、「日曜日の14:00〜15:00の時間帯」に「地区領域1A」内に居る特定の利用者が、何らかの検索条件を入力することにより、検索実行部120が、所定の検索結果を得た場合を考えてみよう。このとき、図2に示すような「インドレストラン:XXX in Tokyo」に関する店舗情報が、合致度Mを有する検索結果として含まれていたものとする。この場合、図29に示す補正処理部142は、次のような処理によって、合致度Mに対する補正を行うことになる。
まず、補正処理部142は、予定立案関心度テーブルT1の該当単位区画「1A:日曜日14」から関心度α1(j)を読み出し、訪問利用関心度テーブルT2の該当単位区画「1A:日曜日14」から関心度α2(j)を読み出す。ここで、「インドレストラン:XXX in Tokyo」の店舗ジャンルは、「食べる」であるから、j=1である。補正処理部142は、更に、「インドレストラン:XXX in Tokyo」についての広告主意向度テーブルT3(DDD111111)の該当単位区画「1A:日曜日14」から意向度βを読み出す。
そして、予め設定されていた重みパラメータk1,k2,k3を用いて、補正対象となる合致度Mに対して、M=M×(k1・α1(j))×(k2・α2(j))×(k3・β)なる演算を行うことにより、補正合致度Mを求める処理を行う。ここで、k1は、予定立案関心度テーブルT1内の関心度についての重みを示すパラメータであり、k2は、訪問利用関心度テーブルT2内の関心度についての重みを示すパラメータであり、k3は、広告主意向度テーブルT3内の意向度についての重みを示すパラメータである。k1,k2,k3の値は、3つのテーブルT1,T2,T3のいずれを重視した補正を行うかを考慮して、適宜設定しておけばよい。
広告主は、広告主意向度テーブルT3内の各単位区画の意向度の設定を適宜変えることにより、各店舗情報の配信確率をある程度コントロールすることができる。たとえば、地区領域1Aに位置する店舗Aと、地区領域1Fに位置する店舗Fとの2店舗を経営している事業主が、地区領域1Aの近傍にいる利用者に対しては店舗Aの店舗情報を配信し、地区領域1Fの近傍にいる利用者に対しては店舗Fの店舗情報を配信したいと考えたとしよう。この場合、店舗Aの店舗情報についての広告主意向度テーブル上では、地区領域1Aに近い単位区画の意向度を高く設定し、地区領域1Fに近い単位区画の意向度を低く設定するとともに、店舗Fの店舗情報についての広告主意向度テーブル上では、地区領域1Aに近い単位区画の意向度を低く設定し、地区領域1Fに近い単位区画の意向度を高く設定すればよい。そうすれば、地区領域1Aの近傍にいる利用者に提示されるリストでは、店舗Aの見出しが店舗Fの見出しよりも上位に表示されるが、地区領域1Fの近傍にいる利用者に提示されるリストでは、店舗Fの見出しが店舗Aの見出しよりも上位に表示される傾向になる。
あるいは、同一店舗について、ランチメニューを掲載した昼用店舗情報と、ディナーメニューを掲載した夜用店舗情報との2通りの店舗情報を用意した場合であれば、昼間の時間帯には昼用店舗情報を配信したいと考えるであろうし、夜間の時間帯には夜用店舗情報を配信したいと考えるであろう。この場合、昼用店舗情報についての広告主意向度テーブルでは、昼間の時間帯に対応する単位区画の意向度を高く設定し、夜間の時間帯に対応する単位区画の意向度を低く設定するとともに、夜用店舗情報についての広告主意向度テーブルでは、昼間の時間帯に対応する単位区画の意向度を低く設定し、夜間の時間帯に対応する単位区画の意向度を高く設定すればよい。そうすれば、昼間に検索を行った利用者に提示されるリストでは、昼用店舗情報の見出しが夜用店舗情報の見出しよりも上位に表示されるが、夜間に検索を行った利用者に提示されるリストでは、夜用店舗情報の見出しが昼用店舗情報の見出しよりも上位に表示される傾向になる。
なお、広告主に意向度βを設定させるには、前述したとおり、広告主が操作するパソコンなどの画面上に、空の広告主意向度テーブルを表示し、空欄部分に意向度を示す数値を入力してもらうのが実用的であるが、この空の広告主意向度テーブル上に、関心度テーブル作成部150によって作成された関心度テーブルの関心度αを何らかの形式で表示するようにすれば、広告主が意向度βを設定する上で有用な情報を提供することができる。
本発明における関心度テーブルには、たとえば、図9に示す例のように、複数の単位区画(地区領域と時間帯によって分けられた区画)が設けられている。また、本発明における広告主意向度テーブルにも、たとえば、図28に示す例のように、複数の単位区画(地区領域と時間帯によって分けられた区画)が設けられている。したがって、図28に示す広告主意向度テーブルT3(DDD111111)の個々の単位区画は、図9に示す関心度テーブルの個々の単位区画に1対1に対応する。そこで、広告主に空の広告主意向度テーブルを提示して個々の空欄に意向度βを設定してもらう際に、関心度テーブルを参照して、個々の空欄に対応する単位区画における対応する店舗ジャンルについての関心度αを何らかの形式で表示することができれば、広告主は、当該関心度αを参考にして、意向度βを設定することができる。
たとえば、図28に示す広告主意向度テーブルT3(DDD111111)が、「インドレストラン:XXX in Tokyo」に関する店舗情報についての空のテーブルであり、広告主がその空欄(入力欄)に意向度βを設定する操作を行う場合を考えてみよう。このような場合、個々の入力欄には、関心度テーブル上の対応する単位区画における対応する店舗ジャンル、すなわち、ジャンル「食べる」についての関心度αを表示すればよい。
要するに、広告主意向度テーブル作成部160は、特定の提供情報ファイルについての特定の単位区画の意向度を広告主の入力操作に基づいて設定する際に、テーブル格納部143内の関心度テーブルT1,T2を参照することにより、当該特定の単位区画について当該特定の提供情報ファイルの店舗ジャンル(上例の場合は「食べる」)に対応して設定されている関心度αを認識し、認識した関心度αを広告主が操作するパソコン等の端末装置に提示する処理を行うようにすればよい。
実用上は、関心度αを示す数値をそのまま表示する代わりに、関心度αの大きさを入力欄の色で示すようにすると、広告主に対して直観的な提示が可能になる。たとえば、関心度αが0〜100%の範囲の数値で設定されている場合であれば、「食べる」についての関心度αが、100%≧α≧80%の範囲内の値をとる入力欄は赤色で表示、80%>α≧60%の範囲内の値をと入力欄はオレンジ色で表示、60%>α≧40%の範囲内の値をとる入力欄は黄色で表示、40%>α≧20%の範囲内の値をとる入力欄は緑色で表示、20%>α≧0%の範囲内の値をとる入力欄は青色で表示、というように色分けすればよい。もちろん、関心度αが40%未満の入力欄は、何ら着色を行わない、というような表示形式をとることも可能である。
なお、意向度βの入力欄に関心度αを表示する方法は、色彩を変える方法に限定されるものではない。たとえば、各入力欄を、対応する関心度αに応じたハッチングを施して表示したり、対応する関心度αに応じた輝度で表示したり、対応する関心度αに応じたフォントで表示したりすることもできるし、各入力欄に関心度αに応じたマーク(たとえば、円、正方形、三角形などの幾何学図形など)を表示することもできる。
要するに、広告主意向度テーブル作成部160が、「個々の単位区画に対応し、それぞれ所定の意向度βを入力するための入力欄」を広告主に提示し、各単位区画について認識した関心度αに応じた表示態様で各入力欄を表示するようにすればよい。
本発明における「関心度」は、特定の地区領域において特定の時間帯に居る標準的な利用者が、何らかの行動を行うにあたって、個々のジャンルに対してどの程度の関心をもっているかを示す統計的なデータである。このような統計的なデータは、広告主が意向度βを設定する上で非常に参考になるデータと言える。たとえば、単位区画「1A:日曜日14」に対応する空欄に意向度βを設定する場合(すなわち、地区領域1Aに、日曜日14:00〜15:00の時間帯に居る利用者に対して配信を行うことを示す意向度βを設定する場合)、当該空欄が赤色で表示されていれば、当該地区に当該時間帯に居る大多数の利用者は、「食べる」ことが重大な関心事であることが統計的に示されていることになるので、通常、「インドレストラン:XXX in Tokyo」の広告主は、効率的な広告配信を行うために、当該空欄には数値の高い意向度βを設定することになろう。逆に、当該空欄が青色で表示されていれば、当該地区に当該時間帯に居る大多数の利用者は、「食べる」ことには興味をもっていないことが統計的に示されていることになるので、当該広告主は、低い意向度βを設定することになろう。
意向度βの設定用画面上で上述のような表示形態をとる場合、広告主意向度テーブル作成部160は、テーブル格納部143内に格納されている関心度テーブルを参照して、対応する単位区画の対応するジャンルについての関心度αの値を取得すればよい。なお、参考にする関心度αとしては、予定立案関心度テーブルT1内の関心度α1を用いてもよいし、訪問利用関心度テーブルT2内の関心度α2を用いてもよい。もちろん、α1とα2の双方から求まる関心度α(たとえば、両者の積や、これを規格化した値など)を用いてもよい。
広告主に、各単位区画について、当該区画の関心度αを考慮して意向度βの設定を行わせる方法は、必ずしも各欄に関心度αを色彩などによって提示する方法に限定されるものではない。たとえば、個々の単位区画を、関心度αの大きい順に並べて提示するような方法を採ることもできる。この方法では、広告主意向度テーブル作成部160が、関心度αの大きい単位区画を優先的に広告主に提示することにより、関心度αの大きい単位区画を推薦していることになる。広告主は、順序が先の単位区画に対して、より高い意向度βを設定することにより、より効果的な広告配信が可能な設定を行うことができる。
要するに、広告主意向度テーブル作成部160が、特定の提供情報ファイルについての各単位区画の意向度を広告主の入力操作に基づいて設定する際に、テーブル格納部143内の関心度テーブルT1,T2を参照することにより、各単位区画について当該特定の提供情報ファイルの店舗ジャンルに対応して設定されている関心度を認識し、関心度の大きさを考慮した優先順位に従って単位区画を広告主に提示するようにすればよい。
また、上例のように単位区画に優先順位をつける際には、関心度αだけでなく、単位区画の地区領域と広告対象店舗との距離を参酌するようにしてもよい。ここで述べる実施形態の場合、前述したとおり、各提供情報ファイル内には、店舗位置コードC3がメタデータとして用意されているので、広告対象となる店舗の位置と各地区領域との距離を算出することができる。そこで、「インドレストラン:XXX in Tokyo」についての意向度βを設定する場合であれば、たとえば、当該店舗から1km以内の地区領域についての単位区画のみを推薦対象として、この推薦対象となる単位区画を、関心度αの大きい順に並べて提示する、というような方法を採ることも可能である。
このような方法を更に発展させれば、広告主意向度テーブル作成部160は、広告主の入力操作によって意向度βを設定する代わりに、所定のアルゴリズムに基づいて、意向度βを自動的に設定することも可能になる。たとえば、「インドレストラン:XXX in Tokyo」についての意向度βを設定する場合であれば、当該店舗から1km以内の地区領域についての単位区画のうち、ジャンル「食べる」についての関心度αが60%以上である単位区画には、一律、意向度β=100%を設定し、残りの単位区画については、一律、意向度β=0%を設定する、というアルゴリズムを予め定めておけば、広告主が入力操作を行うことなしに、各単位区画に100%もしくは0%の意向度βを自動的に設定することが可能になる。
<<< §6.利用者評価値テーブルを用いる実施形態 >>>
§5では、利用者の関心度を示す関心度テーブルと、広告主の意向度を示す広告主意向度テーブルとの双方を用いて、検索結果の合致度を補正し、利用者に提示する検索結果のリスト掲載順を修正する実施例を述べた。ここで述べる実施形態は、このような利用者の関心度および広告主の意向度の加えて、更に利用者の評価値を考慮して検索結果の合致度を補正し、利用者に提示する検索結果のリスト掲載順を修正するものである。ここで、利用者の評価値とは、個々の店舗に対する利用者の評価を示すパラメータであり、他の利用者に対して当該店舗を薦めたい程度を示すものである。ここで述べる実施形態の場合、補正処理に利用者の評価値を反映させるために、利用者評価値テーブルを用いている。
図30は、このような利用者の評価値を考慮した処理を行う機能をもった実施形態のブロック図である。図27に示す実施形態との相違は、新たに、利用者評価値テーブル作成部170が付加されている点と、リスト提示部140が利用者の評価値を考慮した処理を行う点である。利用者評価値テーブル作成部170は、各店舗に対する評価を利用者から収集することにより、各提供情報ファイルについての利用者評価値テーブルT4をそれぞれ作成し、これをリスト提示部140内のテーブル格納部143に格納する処理を実行する。
図31は、図30に示す利用者評価値テーブル作成部170によって作成された利用者評価値テーブルT4の具体例を示す図である。この利用者評価値テーブルT4の構成は、これまで述べてきた関心度テーブルT1,T2や広告主意向度テーブルT3とは若干異なっている。すなわち、利用者評価値テーブルT4には、単位区画は設けられておらず、地区領域や時間帯という概念は存在しない。
利用者評価値テーブルT4は、1つ1つの提供情報ファイルごとにそれぞれ別個独立して用意される(この特徴は、広告主意向度テーブルT3の特徴と共通する)。図31には、複数枚の利用者評価値テーブルT4が重なって描かれているが、これは、1つの提供情報ファイルについて、1つの利用者評価値テーブルT4が用意されることを示すものである。図31において一番上に示されている利用者評価値テーブルT4(DDD111111)は、情報識別コード「DDD111111」で特定される提供情報ファイルF1(図2に示すファイル)について用意された利用者評価値テーブルである。したがって、提供情報ファイル格納部100内に1万組の提供情報ファイルが格納されている場合、利用者評価値テーブルも1万組だけ用意されることになる。もっとも、利用者からの評価値の回答が寄せられていない提供情報ファイルについての利用者評価値テーブルは、空のテーブルということになる。
上述したように、特定の店舗に関する利用者の評価値は、当該店舗に対する利用者の評価を示すパラメータである。たとえば、図31に示す利用者評価値テーブルT4(DDD111111)には、利用者ID「U000X」についての個人評価値E=3、利用者ID「U000Y」についての個人評価値E=5、利用者ID「U000Z」についての個人評価値E=2、という評価値が収録されているが、これは情報識別コード「DDD111111」で特定される店舗、すなわち、図2に示す「インドレストラン:XXX in Tokyo」についての各利用者ごとの「満足度」や「お薦め度」を示すものである。具体的には、利用者ID「U000X」をもつ利用者は評価値3を与え、利用者ID「U000Y」をもつ利用者は評価値5を与え、利用者ID「U000Z」をもつ利用者は評価値2を与えた結果が示されている。
個人評価値Eの値としては、どのような数値を設定してもかまわないが、ここに示す例の場合、「E=5:大変良い、E=4:良い、E=3:普通、E=2:悪い、E=1:大変悪い」の5段階評価を行うようにしている。利用者評価値テーブル作成部170は、各店舗に対する評価値を利用者から収集することにより、各提供情報ファイルについての利用者評価値テーブルをそれぞれ作成し、リスト提示部140内のテーブル格納部143に格納する処理を実行する。
具体的には、たとえば、移動端末装置10からアクセス可能な評価値入力用Webページを用意しておき、当該Webページ上において、個々の利用者に、所望の店舗についての個人評価値を入力してもらうようにすればよい。実用上は、個々の利用者に会員登録をしてもらって利用者IDを発行し、利用者が入力した特定の店舗に関する個人評価値Eを、利用者IDに対応づけて、当該特定の店舗の提供情報ファイルについての利用者評価値テーブルに記録する処理を行えばよい。
あるいは、情報配信部110から店舗情報本体データD1を配信したときに、当該店舗情報本体データD1に対する個人評価値Eを利用者から回答してもらうような方法を採ることも可能である。たとえば、情報配信部110から配信する店舗情報本体データD1の最後に、個人評価値Eを回答するためのWebページのURLを含ませておけば、当該Webページへと誘導して、個人評価値Eの入力を促すことができる。また、情報配信部110から配信する店舗情報本体データD1の最後に、個人評価値Eを返信するための電子メールアドレスを含ませておき、当該電子メールアドレス宛てに個人評価値Eを回答するメールを送信させるようにしてもよい。
個人評価値Eを与えるための評価基準は、個々の利用者の恣意的な判断に委ねてかまわない。たとえば、レストランであれば、味、価格、内装、店員のサービスなど、個々の利用者の自由裁量に基づく総合的な判断により、個人評価値を設定してもらえばよい。また、個人評価値の回答者は、当該店舗を実際に利用した利用者に限定する必要はない。たとえば、情報配信部110から店舗情報の配信を受けた利用者が、当該配信内容のみに基づいて個人評価値の回答を行ってもかまわない。
なお、同一の利用者(同一の利用者IDをもった利用者)から、同一の店舗に対する評価値が複数回にわたって寄せられた場合には、最新の評価値を当該利用者についての個人評価値としてテーブルに収録すればよい(あるいは、複数の評価値の平均値を収録してもよい)。
こうして、テーブル格納部143内には、各提供情報ファイルのそれぞれに対応した利用者評価値テーブルが格納されることになり、各利用者評価値テーブルには、各提供情報ファイルに対応する店舗についての利用者の評価値が記録されていることになる。このように、利用者評価度テーブルは、基本的には、それぞれの提供情報ファイルに対応して用意されることになる。ただ、同一の店舗について複数通りの提供情報ファイルが用意されている場合(たとえば、同一店舗について、ランチメニューを掲載した昼用店舗情報と、ディナーメニューを掲載した夜用店舗情報との2通りの店舗情報が用意されているような場合)は、これら複数通りの提供情報ファイルについて、共通する1つの利用者評価値テーブルを用意すれば足りる。
結局、図30に示す実施形態の場合、リスト提示部140内のテーブル格納部143には、図32に示すように、予定立案関心度テーブルT1,訪問利用関心度テーブルT2,個々の提供情報ファイルに対応した複数の広告主意向度テーブルT3の他に、更に、個々の提供情報ファイルに対応した複数の利用者評価値テーブルT4が格納されていることになる。
ここに示す実施形態の場合、補正処理部142は、合致度の補正対象となる提供情報ファイルについての利用者評価値テーブルT4の内容を参照することにより、該当店舗に設定されている利用者評価値を認識し、関心度、意向度、利用者評価値のすべてを用いて補正を行うことにより、補正合致度を求める処理を行う。具体的には、補正処理部142は、関心度、意向度、利用者評価値のそれぞれについて重みパラメータを設定する機能を有しており、関心度にその重みパラメータを乗じた値、意向度にその重みパラメータを乗じた値、利用者評価値にその重みパラメータを乗じた値を、それぞれ合致度に対して乗算することにより補正合致度を求める。
ところで、図31に示す例のように、1つの店舗に関する利用者評価値テーブルには、多数の利用者それぞれについての個人評価値Eが収録されているので、補正処理部142は、これら複数の個人評価値Eに基づいて、合致度の補正演算に利用する評価値を決定する必要がある。最も簡単な方法は、テーブルに収録されているすべての利用者についての個人評価値Eの平均値を合致度の補正演算に利用する方法である。以下、この方法によって、実際に行われる合致度の補正演算の一例を説明する。
たとえば、§5で述べた例と同様に、「日曜日の14:00〜15:00の時間帯」に「地区領域1A」内に居る特定の利用者が、何らかの検索条件を入力することにより、検索実行部120が、所定の検索結果を得た場合を考えてみよう。このとき、図2に示すような「インドレストラン:XXX in Tokyo」に関する店舗情報が、合致度Mを有する検索結果として含まれていたものとする。この場合、図32に示す補正処理部142は、次のような処理によって、合致度Mに対する補正を行うことになる。
まず、補正処理部142は、予定立案関心度テーブルT1の該当単位区画「1A:日曜日14」から関心度α1(j)を読み出し、訪問利用関心度テーブルT2の該当単位区画「1A:日曜日14」から関心度α2(j)を読み出す。ここで、「インドレストラン:XXX in Tokyo」の店舗ジャンルは、「食べる」であるから、j=1である。続いて、補正処理部142は、「インドレストラン:XXX in Tokyo」についての広告主意向度テーブルT3(DDD111111)の該当単位区画「1A:日曜日14」から意向度βを読み出す。補正処理部142は、更に、「インドレストラン:XXX in Tokyo」についての利用者評価値テーブルT4(DDD111111)を参照することにより、補正演算に用いる評価値γを決定する。具体的には、利用者評価値テーブルT4(DDD111111)に収録されているすべての利用者についての個人評価値Eの平均値を評価値γと決定すればよい。
そして、予め設定されていた重みパラメータk1,k2,k3,k4を用いて、補正対象となる合致度Mに対して、M=M×(k1・α1(j))×(k2・α2(j))×(k3・β)×(k4・γ)なる演算を行うことにより、補正合致度Mを求める処理を行う。ここで、k1は、予定立案関心度テーブルT1内の関心度についての重みを示すパラメータであり、k2は、訪問利用関心度テーブルT2内の関心度についての重みを示すパラメータであり、k3は、広告主意向度テーブルT3内の意向度についての重みを示すパラメータであり、k4は、利用者評価値テーブルT4内の評価値についての重みを示すパラメータである。k1,k2,k3,k4の値は、4つのテーブルT1,T2,T3,T4のいずれを重視した補正を行うかを考慮して、適宜設定しておけばよい。
こうして、利用者評価値テーブルの内容を考慮して、リスト上での検索結果の提示優先度を変えるようにすれば、一般的に評価の高い店舗の見出しは、評価の低い店舗の見出しよりも上位に表示されるようになる。
以上、1つの利用者評価値テーブルに収録されているすべての利用者についての個人評価値Eの平均値を、補正演算に用いる評価値γとする単純な例を述べた。このように、常に個人評価値Eの平均値を用いて合致度の補正演算を行うのであれば、各利用者評価値テーブルには、多数の利用者の個人評価値Eを個別に収録しておく必要はなく、その平均値のみを収録しておけば足りる。しかしながら、一般に個人個人の嗜好は千差万別であり、特定の店舗に関する他人の評価が自分の評価に必ずしも類似するとは限らない。そこで、実用上は、多数の利用者の個人評価値Eの平均値の代わりに、自分の嗜好と類似した嗜好をもった利用者(以下、嗜好類似者と呼ぶ)の個人評価値Eを評価値γとして用い、合致度の補正演算を行うようにするのが好ましい。以下、このような方法で合致度の補正演算を行う具体的な手順を説明する。
この方法では、利用者評価値テーブル作成部170により、個々の利用者ごとの個人評価値Eが記録された利用者評価値テーブルT4を、各提供情報ファイルについて作成し、テーブル格納部143内に格納しておく。具体的には、図31に示す例のように、多数の利用者についての個人評価値Eを当該利用者の利用者IDとともに収録した利用者評価値テーブルT4を、各提供情報ファイルごとに用意しておけばよい。
一方、検索条件入力部130は、検索条件を入力する際に、アクセスを行っているアクセス利用者を識別する情報(利用者ID)を入力するようにする。たとえば、検索用のWebページ上で、利用者に自分の利用者IDを入力させるようにすれば、検索条件入力部130は、アクセス利用者の利用者IDを取得できる。あるいは、移動端末装置10側に利用者IDを自動送信する機能をもたせておくようにしてもよい。
そして、リスト提示部140により検索結果をリストとして提示する際に、補正処理部142によって、図32に示すアルゴリズムに基づいて、合致度Mを補正合致度Mに補正する処理が行われることになるが、このとき、アクセス利用者の評価に類似した評価傾向のある利用者を嗜好類似者と認識し、この嗜好類似者についての個人評価値Eを用いて評価値γを算出し、補正を行うようにするのである。
図33は、この評価値γの算出手順を示す流れ図である。まず、ステップS1において、合致度の補正対象となる提供情報ファイルと同じ店舗ジャンルをもった提供情報ファイルについての利用者評価値テーブルを抽出する。たとえば、図2に示す提供情報ファイル(「インドレストラン:XXX in Tokyo」に関する店舗情報)についての合致度Mに対して補正を行う場合、大分類の店舗ジャンルは「食べる」であるから、多数の利用者評価値テーブルの中から、「食べる」というジャンルに属する店舗に関する利用者評価値テーブルを抽出する(もちろん、小分類のジャンルが同一のファイルのみを抽出するようにしてもかまわない)。
このように、補正対象となる提供情報ファイルと同一ジャンルの利用者評価値テーブルを抽出するのは、個人個人の嗜好の類似性には、ジャンル依存性があると考えられるからである。たとえば、10軒のレストランに対する個々の個人評価値が極めて類似する傾向にある2人の利用者X,Yがいた場合を考えよう。この場合、利用者X,Yは、「食べる」というジャンルの嗜好に関しては類似性があり、11軒目のレストランに対する両者の個人評価値も類似したものになるであろうと予想される。しかしながら、「買う」という別のジャンルの嗜好に関しても類似性があるか否かは疑問である。したがって、この場合、利用者X,Yは、「食べる」というジャンルの嗜好に関する嗜好類似者として取り扱うべきである。
続くステップS2では、ステップS1で抽出された利用者評価値テーブルの中から、アクセス利用者(検索条件を指定して、リストの提示を要求している利用者)の個人評価値Eが掲載されたテーブルを抽出する。もちろん、ステップS1で抽出された利用者評価値テーブル(「食べる」というジャンルに属する店舗に関する利用者評価値テーブル)内に、アクセス利用者自身の個人評価値Eが全く収録されていない場合は、このステップS2ではテーブルの抽出を行うことができないので、この図33の流れ図に示す手順は実行できなくなる。これは、「食べる」というジャンルの嗜好に関してアクセス利用者に類似する嗜好をもった嗜好類似者を探そうとしているのに、アクセス利用者自身の嗜好を示す情報(すなわち、アクセス利用者自身による特定の店舗に対する個人評価値E)が存在しなければ、そもそも嗜好類似者の探索が不可能なためである。このような場合には、この図33の流れ図に示す手順を中止し、別な方法に切り替えればよい。たとえば、前述した単純な方法(テーブルに収録されているすべての利用者の個人評価値Eの平均値を評価値γとして用いた補正演算を行う方法)に切り替えたり、利用者評価値を考慮しない方法(たとえば、§5で述べた補正演算方法)に切り替えたりすればよい。もちろん、これら様々な方法を組み合わせるようにしてもよい。
次に、ステップS3において、ステップS2で抽出された利用者評価値テーブルを用いて、アクセス利用者と他の利用者との相関度の算出を行う。たとえば、第1の店舗に関する利用者評価値テーブルに、アクセス利用者X自身の個人評価値Ex1と、別な利用者Yの個人評価値Ey1とが収録されていた場合、これらの個人評価値Ex1,Ey1は、同一の店舗に関する2人の個人評価値ということになるので、Ex1とEy1との差が小さければ小さいほど、利用者X,Yの嗜好は類似していることになり、両者の相関度は大きくなる。もっとも、両者の相関度は、本来は統計的に算出されるべきものであり、1つの店舗に関する個人評価値の比較だけでは、正確な相関度を算出することはできない。利用者X,Yの相関度は、両者が共通して評価を行っている店舗の数が多ければ多いほど、より正確に算出することが可能になる。
図34は、このステップS3の相関度算出に用いられるn組の個人評価値の対を示す図である。この例は、2人の利用者X,Yが、いずれも合計n軒の共通する店舗について、それぞれ評価を行っていた場合の例である。たとえば、店舗識別コード「DDD111111」で特定される第1番目の店舗に関しては、図示の利用者評価値テーブルT4(DDD111111)に示されているように、利用者ID「U000X」をもつ利用者Xの個人評価値Ex1と、利用者ID「U000Y」をもつ利用者Yの個人評価値Ey1とが収録されている。同様に、店舗識別コード「DDDnnnnnn」で特定される第n番目の店舗に関しては、図示の利用者評価値テーブルT4(DDDnnnnnn)に示されているように、利用者ID「U000X」をもつ利用者Xの個人評価値Exnと、利用者ID「U000Y」をもつ利用者Yの個人評価値Eynとが収録されている。
利用者X,Yの特定ジャンルの嗜好に関する相関度R(X,Y)は、図34に示すn組の評価値の対に基づいて統計学上の演算によって算出することができる。図35は、この相関度算出に用いられる演算式の一例を示す図である。すなわち、相関度R(X,Y)は、
R(X,Y)=Sxy/(√Sxx・√Syy)
但し、
Sxx=Σi=1〜n (Exi−Exa)
Syy=Σi=1〜n (Eyi−Eya)
Sxy=Σi=1〜n (Exi−Exa)(Eyi−Eya)
なる式で求めることができる。ここで、Exiは、図34に示すn組の個人評価値の対のうち、利用者Xの第i番目の店舗についての個人評価値であり、Eyiは、図34に示すn組の個人評価値の対のうち、利用者Yの第i番目の店舗についての個人評価値である。また、Exaは、図34に示すn組の個人評価値の対のうち、利用者Xの全n個の個人評価値の平均値、Eyaは、図34に示すn組の個人評価値の対のうち、利用者Yの全n個の個人評価値の平均値である。
上記式によると、利用者X,Yの個人評価値が全n軒の店舗すべてについて完全に一致した場合、Sxx=Syy=Sxyになるので、R(x,y)=1になる。したがって、相関度R(x,y)の最大値は1である。また、相関度R(x,y)の最小値は−1である。相関度R(x,y)=0の場合は、両者間に全く相関が見られないことを示し、相関度R(x,y)>0の場合は両者間に正の相関があることを示し、相関度R(x,y)<0場合は両者間に負の相関があることを示す。
結局、上記式を用いた演算は、利用者Xと利用者Yとの相関度R(X,Y)を算出する際に、ステップS2で抽出された利用者評価値テーブルの中から、利用者Xの個人評価値と利用者Yの個人評価値との双方が掲載されたテーブルを選抜し、選抜されたn個のテーブルに基づいて、
Sxx=Σi=1〜n (Exi−Exa)
Syy=Σi=1〜n (Eyi−Eya)
Sxy=Σi=1〜n (Exi−Exa)(Eyi−Eya)
なる演算を実行し(但し、Exiは、選抜された第i番目のテーブルにおける利用者Xの個人評価値、Eyiは、選抜された第i番目のテーブルにおける利用者Yの個人評価値、Exaは、選抜されたn個のテーブルにおける利用者Xの個人評価値の平均値、Eyaは、選抜されたn個のテーブルにおける利用者Yの個人評価値の平均値)、更に、
R(X,Y)=Sxy/(√Sxx・√Syy)
なる演算を実行して相関度R(X,Y)を算出する演算ということになる。
以上、アクセス利用者Xと別な利用者Yとの相関度R(X,Y)を算出する例を述べたが、実際には、ステップS2で抽出された利用者評価値テーブルには、他にも様々な利用者の個人評価値が収録されている。したがって、ステップS3では、アクセス利用者Xと他の様々な利用者との間の相関度を同様の方法で算出する処理が行われる。その結果、アクセス利用者Xに対する利用者Yの相関度R(X,Y)、利用者Zの相関度R(X,Z)、利用者WのR(X,W)...などが得られることになる。
図33の流れ図のステップS4では、こうしてステップS3で算出された個々の利用者との間の相関度を比べ、アクセス利用者Xに対する相関度の高い人を嗜好類似者と認識する処理が行われる。具体的には、相関度が所定の基準値以上の者を嗜好類似者と認識すればよい。たとえば、基準値として0.8を設定しておけば、R(X,Y)≧0.8であれば、利用者Yはアクセス利用者Xに対する嗜好類似者と認定されることになる。
ただ、相関度が所定の基準値以上の者を嗜好類似者とする方法では、嗜好類似者が1人も認定されない場合もあるし、非常に多数の嗜好類似者が認定される場合もある。そこで、嗜好類似者の人数を所定数に維持させたい場合には、ステップS3で算出された相関度の高い順に選択された所定数の者を、嗜好類似者と認識するようにしてもかまわない。この場合、実際の相関度の値とは無関係に、相関度の大きい順に所定数の者が嗜好類似者として認定されることになる。
最後のステップS5では、合致度の補正対象となる提供情報ファイルについての利用者評価値テーブルに記録されている嗜好類似者の個人評価値に基づいて、補正に用いる評価値γの決定が行われる。具体的には、ステップS4において、アクセス利用者Xに対して、合計K名の嗜好類似者が認識された場合、合致度の補正対象となる提供情報ファイルについての利用者評価値テーブルに記録されている第k番目の嗜好類似者の個人評価値をEk、第k番目の嗜好類似者との相関度をRkとして、図35の最下段の式に示されているとおり、
γ=Σk=1〜K(Ek×Rk)/Σk=1〜K(Rk)
なる演算によって、補正に用いる評価値γを決定すればよい。但し、合致度の補正対象となる提供情報ファイルについての利用者評価値テーブルに第k番目の嗜好類似者の個人評価値が記録されていなかった場合には、Ek=0、Rk=0とする。
たとえば、合致度の補正対象となる提供情報ファイルが、図2に示すファイルF1であった場合、図31に示す利用者評価値テーブルT4(DDD111111)(ファイルF1についての利用者評価値テーブル)に記録されている合計K名の嗜好類似者の個人評価値に基づいて、上記式に基づく演算を行うことにより、補正演算に用いる評価値γが決定されることになる。
上記式の分子Σk=1〜K(Ek×Rk)は、各嗜好類似者の個人評価値に、その相関度(重みを示すパラメータ)を乗じた値を積算したものであり、合計K名の嗜好類似者の個人評価値についての重み(相関度)を考慮した総和に相当する。一方、分母Σk=1〜K(Rk)は、合計K名の嗜好類似者の相関度の総和であり、評価値γを規格化する役割を果たす。なお、この利用者評価値テーブルに第k番目の嗜好類似者の個人評価値が記録されていなかった場合には、Ek=0、Rk=0とした演算が行われるので、そのような嗜好類似者は、評価値γを求める演算には何ら寄与しないことになる。
このような方法で評価値γを算出するようにすれば、図2に示す提供情報ファイル(「インドレストラン:XXX in Tokyo」に関する店舗情報)についての合致度Mに対して補正を行う場合に用いる評価値γの値は、アクセス利用者Xについての嗜好類似者(「食べる」というジャンルに関して、アクセス利用者Xと嗜好が類似すると推定される他の利用者)が当該「インドレストラン:XXX in Tokyo」に対して与えた評価値に基づいて決定されることになるので、アクセス利用者Xに対して提供するリストという見地からは、検索結果の見出しをより適切な順序で並べたリストを作成することが可能になる。
なお、合致度の補正対象となる提供情報ファイルについての利用者評価値テーブルに、アクセス利用者X自身の個人評価値が掲載されていた場合には、アクセス利用者X自身を嗜好類似者と認識し、アクセス利用者X自身の個人評価値を用いて補正を行うようにしてもよい。たとえば、上述した例の場合に、もしアクセス利用者X自身が、過去に「インドレストラン:XXX in Tokyo」に対して何らかの評価値を回答していたとすると、図31に示す利用者評価値テーブルには、アクセス利用者X自身の個人評価値が掲載されていることになる。この場合、アクセス利用者X自身を、最大の相関度(R(X,X)=1)をもった嗜好類似者として取り扱い、上記式に基づく演算により、評価値γを算出するようにすればよい。あるいは、この場合、別な利用者の評価値を一切参酌せずに、アクセス利用者X自身の個人評価値をそのまま評価値γと決定するようにしてもよい。
<<< §7.個人関心度テーブルを用いる実施形態 >>>
§6では、利用者の関心度を示す関心度テーブルと、広告主の意向度を示す広告主意向度テーブルと、利用者の評価値を示す利用者評価値テーブルとを用いて、検索結果の合致度を補正し、利用者に提示する検索結果のリスト掲載順を修正する実施例を述べた。ここで述べる実施形態は、「利用者の関心度」、「広告主の意向度」、「利用者の評価値」に加えて、更に「利用者の個人関心度」を考慮して検索結果の合致度を補正し、個々の利用者に提示する検索結果のリスト掲載順を修正するものである。
ここで、「関心度」と「個人関心度」との相違点は、「関心度」は、個人ごとの関心度を統計的に処理することにより得られる全利用者に共通した一般的な傾向を示すパラメータであるのに対して、「個人関心度」は、一人一人の利用者が個々のジャンルに対して、どの程度の関心をもっているかを示す個人ごとに定められるパラメータである点である。
図36は、このような個人関心度を考慮した処理を行う機能をもった実施形態のブロック図である。図30に示す実施形態との主たる相違点は、新たに、個人関心度テーブル作成部180が付加されている点と、リスト提示部140が利用者の個人関心度を考慮した処理を行う点である。なお、図36では、便宜上、提供情報ファイル格納部100内のファイル構成の図示は省略されているが、図36に示す提供情報ファイル格納部100と図30に示す提供情報ファイル格納部100とは同じものである。図36に示す個人関心度テーブル作成部180は、個々の利用者について収集した様々な情報に基づいて、各利用者ごとの個人関心度テーブルT5をそれぞれ作成し、これをリスト提示部140内のテーブル格納部143に格納する処理を実行する。
図37は、図36に示す個人関心度テーブル作成部180によって作成された個人関心度テーブルT5の具体例を示す図である。この個人関心度テーブルT5の構成は、これまで述べてきた関心度テーブルT1,T2や広告主意向度テーブルT3とは若干異なっている。すなわち、個人関心度テーブルT5には、単位区画は設けられておらず、地区領域や時間帯という概念は存在しない。すなわち、「関心度」は、図9の関心度テーブルに示されているとおり、個々の単位区画ごとに別個独立して設定されるパラメータであるのに対して、ここに示す実施例における「個人関心度」は、このような単位区画とは無関係に設定されるパラメータである。
個人関心度テーブルT5は、特定の利用者の各店舗ジャンルに対する個人関心度を示すテーブルであり、一人一人の利用者ごとにそれぞれ別個独立して用意される。図37には、複数枚の個人関心度テーブルT5が重なって描かれているが、これは、一人の利用者について、1組の個人関心度テーブルT5が用意されることを示すものである。図37において一番上に示されている個人関心度テーブルT5(U000X)は、利用者ID「U000X」で特定される一人の利用者について用意された個人関心度テーブルである。したがって、このシステムに1万人の利用者が登録されている場合、個人関心度テーブルT5も1万組だけ用意されることになる。
もっとも、十分な情報収集が行われていない利用者については、個人関心度を把握することができないので、そのような利用者についての個人関心度テーブルは、空のテーブルということになる。実用上、このシステムの運用当初は、すべての個人関心度テーブルT5が空のテーブルであるかもしれないが、システムを継続的に運用してゆくことにより、各利用者の個人関心度を示す情報が徐々に収集されてゆくので、やがて全利用者についての個人関心度テーブルT5を用意することができる。
ここに示す実施例の場合、特定の利用者についての個人関心度は、当該利用者の各店舗ジャンルに対する一般的な嗜好を示すパラメータということになる。たとえば、図37に示す個人関心度テーブルT5(U000X)には、利用者ID「U000X」をもつ利用者の一般的な嗜好として、「食べる」というジャンルへの関心度が50%、「買う」というジャンルへの関心度が10%、「見る」というジャンルへの関心度が40%、「遊ぶ」というジャンルへの関心度が0%であることを示している。
個人関心度テーブル作成部180は、各利用者に関する情報を収集することにより、各利用者について、このような個人関心度テーブルT5を作成して、リスト提示部140内のテーブル格納部143に格納する処理を実行する。ここに示す実施形態の場合、個人関心度テーブル作成部180は、情報配信部110から取得した個人関心情報と、検索条件入力部130から取得した検索条件とに基づいて、個人関心度テーブルT5を作成する機能をもっている。
たとえば、利用者ID「U000X」をもつ利用者が、検索条件入力部130に対して、「食事」あるいは「ランチ」といったキーワードを検索条件として用いて検索を行ったとしよう。この場合、検索条件入力部130から個人関心度テーブル作成部180に対して、当該検索条件とともに利用者ID「U000X」を報告させるようにする。そうすれば、個人関心度テーブル作成部180は、この利用者が検索を行うたびに、当該利用者が入力した検索条件を把握することができるので、この検索条件を解析することにより、当該利用者の各店舗ジャンルごとの個人関心度を認識することができる。要するに、個人関心度テーブル作成部180は、検索条件入力部130から取得した検索条件に基づいて、当該検索条件の入力操作を行った特定の利用者についての個人関心度テーブルを作成することになる。
具体的には、「食事」,「ランチ」,「ディナー」,「レストラン」などのキーワードが検索条件に含まれていた場合には、「食べる」というジャンルにポイントを加算し、「買物」,「デパート」,「ブティック」などのキーワードが検索条件に含まれていた場合には、「買う」というジャンルにポイントを加算し、...といった方法により、各ジャンルごとにポイント加算を行い、その集計値に基づいて当該利用者についての個人関心度テーブルT5(U000X)を作成すればよい。
また、「エスニック」のようなキーワードが検索条件に含まれていた場合は、当該キーワードだけでは、利用者が関心をもつジャンルを特定することは困難であるが、そのような場合でも、当該利用者に実際に配信した店舗情報のジャンルを個人関心情報として取得すれば、個人関心度の認識が可能になる。
たとえば、利用者ID「U000X」をもつ利用者が、「エスニック」というキーワードを用いた検索を行い、その結果、図15に示すようなリストが提示されたとしよう。ここで、このリストを見た利用者が「アジアンショップ」に対する選択指示を情報配信部110に対して与えた場合には、情報配信部110から当該利用者に対して、「アジアンショップ」なる店舗についての店舗情報の配信が行われることになるが、このとき、情報配信部110から個人関心度テーブル作成部180に対して、「アジアンショップ」なる店舗のジャンル「買う」と利用者ID「U000X」とを個人関心情報として報告させるようにする。個人関心度テーブル作成部180は、この報告を受けて、当該利用者について、「買う」というジャンルにポイントを加算する処理を行う。そうすれば、やはり各ジャンルごとのポイント集計値に基づいて当該利用者についての個人関心度テーブルT5(U000X)を作成することができる。
要するに、個人関心度テーブル作成部180は、情報配信部110から取得した「特定の利用者に配信した店舗情報の店舗ジャンル」を、当該特定の利用者についての個人関心情報として収集し、収集した個人関心情報に基づいて、当該特定の利用者についての個人関心度テーブルを作成すればよい。
このように、個人関心度テーブルT5は、情報配信部110から取得した個人関心情報に基づいて作成することもできるし、検索条件入力部130から取得した検索条件に基づいて作成することもできる。実用上は、両者の方法を組み合わせて個人関心度テーブルT5を作成するのが好ましい。もちろん、個人関心度テーブル作成部180には、このシステムを運用している最中は、各利用者の入力した検索条件や、各利用者の個人関心情報が随時報告されることになるので、個人関心度テーブルT5は定期的に更新するようにするのが好ましい。
以上、個人関心度テーブル作成部180によって個人関心度テーブルT5を作成する方法として2通りの方法を説明したが、個人関心度テーブルT5の作成方法は、この2通りの方法に限定されるものではなく、この他にも種々の方法を採用することができる。たとえば、本システムを利用するにあたって、各利用者に会員登録してもらうようにし、そのときに、各店舗ジャンルに対する個人関心度を自己申告してもらってもよい。具体的には、図37に示すような個人関心度テーブルをWebページ上に提示し(個人関心度の数値の部分は空欄にしておく)、個々の利用者自身に、個人関心度の数値を入力させればよい。
結局、図36に示す実施形態の場合、リスト提示部140内のテーブル格納部143には、図38に示すように、予定立案関心度テーブルT1,訪問利用関心度テーブルT2,個々の提供情報ファイルに対応した複数の広告主意向度テーブルT3、個々の提供情報ファイルに対応した複数の利用者評価値テーブルT4の他に、更に、個々の利用者に対応した複数の個人関心度テーブルT5が格納されていることになる。
ここに示す実施形態の場合、補正処理部142は、検索を行っている利用者(リスト提示140がリストを提示する相手となる利用者)についての個人関心度テーブルT5の内容を参照することにより、合致度Mの補正対象となる店舗のジャンルに対する当該利用者の個人関心度を認識し、関心度、意向度、利用者評価値、個人関心度のすべてを用いて補正を行うことにより、補正合致度を求める処理を行う。具体的には、補正処理部142は、関心度、意向度、利用者評価値、個人関心度のそれぞれについて重みパラメータを設定する機能を有しており、関心度にその重みパラメータを乗じた値、意向度にその重みパラメータを乗じた値、利用者評価値にその重みパラメータを乗じた値、個人関心度にその重みパラメータを乗じた値を、それぞれ合致度に対して乗算することにより補正合致度を求める。
具体的には、図38に示されているとおり、予め設定されていた重みパラメータk1,k2,k3,k4,k5を用いて、補正対象となる合致度Mに対して、M=M×(k1・α1(j))×(k2・α2(j))×(k3・β)×(k4・γ)×(k5・δ)なる演算を行うことにより、補正合致度Mを求める処理を行う。ここで、δは、個人関心度テーブルT5を参照することにより得られた特定の個人関心度(検索を行っている利用者についての、合致度Mの補正対象となる店舗のジャンルに対する個人関心度)であり、k5は、その重みを示すパラメータである。
こうして、個人関心度テーブルT5の内容を考慮して、リスト上での検索結果の提示優先度を変えるようにすれば、リストの提示相手となる利用者が一般的に高い関心をもっているジャンルの店舗の見出しは、上位に表示されるようになる。たとえば、図37に例示されているような個人関心度テーブルT5(U000X)が作成されている利用者に対して提示されるリストでは、「食べる」というジャンルの店舗の見出しは上位に優先的に表示される傾向にあり、「遊ぶ」というジャンルの店舗の見出しはほとんど表示されないことになる。
このように「個人関心度」は、各個人について、ジャンルごとの個人的な関心度を示すものであるから、実用上は、ジャンルの分類を更に細かくしても、十分に意味をもつ情報として利用できる。これまで述べた実施形態では、図3に例示するように、店舗のジャンルを、「食べる」,「買う」,「見る」,「遊ぶ」の4つの大分類に分類し、更に、その下位概念として、「フランス料理」,「イタリア料理」,「中華料理」などの小分類に分類している。しかしながら、「個人関心度」は、いわば個人の嗜好を示すものであるので、実際には、より細分化されたジャンル分けが可能である。
たとえば、「フランス料理」の更に下位概念に「エスカルゴ」というジャンルを設け、同じフランス料理店であっても、「エスカルゴ」を提供する店とそうでない店とが異なるジャンルに属するようにする。そうすれば、「エスカルゴ」が好物である利用者であれば、「エスカルゴ」というジャンルについての個人関心度が高くなるので、同じフランス料理店であっても、「エスカルゴ」を提供する店がリストのより上位に提示されるような補正を行うことができる。同様に、大分類「買う」,小分類「書籍」の更に下位概念に「推理小説」というジャンルを設け、同じ書店であっても、「推理小説」の品揃えが豊富な店とそうでない店とが異なるジャンルに属するようにすれば、「推理小説」というジャンルの個人関心度が高い利用者が検索した場合に、「推理小説」の品揃えが豊富な店がリストのより上位に提示されるような補正を行うことができる。
このように、「個人関心度」は、個人の嗜好や性格などを顕著に反映した極めて個人的な情報になるため、ジャンル分けも、これに応じたものにすると効果的である。たとえば、「明るい店」,「暗い店」といった雰囲気によるジャンル分け、「モダン調の店」,「クラシック調の店」といった装飾様式によるジャンル分け、「赤を基調とした装飾の店」,「青を基調とした装飾の店」といった色によるジャンル分け、を行うこともできよう。
さて、これまでの実施例では、「個人関心度」が、「単位区画」(特定の地区領域と特定の時間帯とによって示される二次元マトリックス上の区画)とは無関係に設定されるパラメータであるという前提で話を進めてきた。たとえば、図37に示す個人関心度テーブルT5(U000X)は、利用者ID「U000X」で特定される一人の利用者について用意された個人関心度テーブルであるが、そこには、特定の地区領域や特定の時間帯といった区分けはなされていない。これは、「個々の利用者の個人的な嗜好は、場所や時間に依存せずに不変であろう」という基本的な考え方に立脚するものである。
もちろん、「エスカルゴ」が好物とか、「推理小説」が好き、といった個人的嗜好は、通常、場所や時間に左右されることはないであろう。しかしながら、本発明の目的は、利用者の行動パターンをできるだけ正確に予測し、個々の時点において、利用者に最適な情報を選択して提供することにある。そして、そのような目的を達成するという見地からは、「各利用者が、その時点で何を欲しているか」をできるだけ正確に予測することが重要である。
たとえば、ある利用者が従事する職場は火曜日が定休日であったとしよう。そして、この利用者は、定休日である火曜日には、午後3時頃から遅めの昼食として「イタリア料理」を食べる習慣があったとしよう。このような場合、当該特定の利用者の「個人関心度」と、一般大衆の平均的な「関心度」とは、「単位区画」を考慮すると、大きく異なってくるであろう。たとえば、月曜日に関しては、この特定の利用者も仕事に従事しているので、「個人関心度」は一般大衆の平均的な「関心度」と大差ないかもしれないが、日曜日が一般大衆の休日であるのに対して、この特定の利用者の休日は火曜日であるので、日曜日と火曜日に関しては、この特定の利用者の「個人関心度」は一般大衆の平均的な「関心度」と大きく異なってくるであろう。もちろん、ある特定の地区領域を訪問したときに限って、特定のジャンルの店舗を利用する、という特性をもった利用者もいるであろう。この場合、当該特定の地区領域に関しては、この特定の利用者の「個人関心度」は一般大衆の平均的な「関心度」と大きく異なってくるであろう。
そこで、個人関心度テーブル作成部180が、特定の利用者から与えられた検索条件や、特定の利用者についての個人関心情報を収集する際に、特定の地区領域および特定の時間帯によって示される単位区画を考慮して収集するようにすれば(§4で述べた関心度テーブルの作成方法と同様の手法で収集すればよい)、図9に示すような「関心度テーブル」と同様に、二次元マトリックス状の構造をもった「個人関心度テーブル」を、個々の利用者のそれぞれについて作成することが可能になる。
このように、単位区画を考慮した二次元マトリックス状の個人関心度テーブルT5が、図38に示すテーブル格納部143内に用意されている場合、補正処理部142は、該当する利用者の個人関心度テーブルT5の中の該当する単位区画から、個人関心度δを読み出す処理を行うことになる。したがって、前述した例のように、火曜日の午後3時頃から遅めの昼食(イタリア料理)をとる習慣がある特定の利用者が、火曜日の午後3時前に検索のためのアクセスを行ってきた場合、「イタリア料理店」がリストのより上位に提示されるような補正処理が行われることになる。
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以上、本発明をいくつかの実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、この他にも種々の形態で実施可能である。以下にいくつかの変形例を例示しておく。
(1) 情報提供システムの構成
これまで述べた実施形態では、本発明に係る情報提供システムを、それぞれブロックで示す各機能要素の集合体として示したが、実際には、このシステムは、データベースサーバやWebサーバなどを用いて構築したコンピュータシステムに専用のプログラムを組み込むことにより構成される。
(2) 移動端末装置の位置認識機能
これまで述べた実施形態では、移動端末装置10として、GPS機能をもった携帯電話機を用いた例を述べたが、移動端末装置の位置認識機能は必ずしもGPSにより実現する必要はない。たとえば、周囲に存在する基地局と交信することにより、各基地局からの電波強度に基づいて自分自身の位置座標を取得するような方法を用いてもかまわない。
(3) キーワードコードの省略
これまで述べた実施形態では、各提供情報ファイル内のメタデータにキーワードコードC1を設けておき、このキーワードコードC1と検索条件として与えられたキーワードとの合致度に基づいて検索を行っていた。しかしながら、メタデータ内のキーワードコードC1は、本発明を実施する上での必須の要素ではない。たとえば、店舗情報本体データD1内の個々の文字列と検索条件として与えられたキーワードとの合致度に基づいて検索を行うようにすれば、メタデータ内にキーワードコードC1が存在しなくても、検索を行うことが可能である。この場合、たとえば、見出し行の文字列に合致した場合は3点、本文中の文字列に合致した場合は1回につき1点、というようにポイントを定めておき、ポイントの合計値を合致度と定義するようにすればよい。
(4) 関心度+意向度+評価値+個人関心度の組み合わせ
§7で述べた実施形態では、図38に示すように、予定立案関心度テーブルT1、訪問利用関心度テーブルT2、広告主意向度テーブルT3、利用者評価値テーブルT4、個人関心度テーブルT5という5つのテーブルのすべてを利用して、合致度Mに対する補正を行った例を示した。しかしながら、補正を行う際に参照するテーブルの組み合わせは任意であり、必ずしもこの5つのテーブルのすべてを利用する必要はない。たとえば、予定立案関心度テーブルT1と利用者評価値テーブルT4という2つのテーブルだけを利用して補正を行うのであれば、M=M×(k1・α1(j))×(k4・γ)なる演算を行うことにより、補正合致度Mを求めることができる。
(5) 各補正項の和をとる補正演算
これまで述べた実施形態では、補正合致度Mを求める補正演算の式として、合致度Mに、種々の補正項(各テーブルから得られた関心度、意向度、評価値、個人関心度などのパラメータを含む項)を乗じる形の式を用いていた。たとえば、図38には、M=M×(k1・α1(j))×(k2・α2(j))×(k3・β)×(k4・γ)×(k5・δ)なる演算を行うことにより、補正合致度Mを求める処理が例示されている。しかしながら、これらの各補正項は、必ずしも合致度Mに対する乗算項にする必要はなく、場合によっては加算項としてもかまわない。
実際、これまで述べた実施形態では、関心度、意向度、評価値、個人関心度などのパラメータ値に対して、重みパラメータk1,k2,k3,k4,k5などを乗じて補正項を作成し、これらの補正項を合致度Mに乗じることにより、補正合致度Mを求めていた。しかしながら、各補正項を合致度Mに対する乗算項とする限り、各重みパラメータk1,k2,k3,k4,k5は本質的な意味をなさない。たとえば、上例の式、M=M×(k1・α1(j)×(k2・α2(j))×(k3・β)×(k4・γ)×(k5・δ)は、整理すれば、M=M×(k1・k2・k3・k4・k5)×α1(j)×α2(j)×(β)×(γ)×(δ)となるので、重みパラメータk1,k2,k3,k4,k5をそれぞれ別個に設定することは、本質的には意味がない。また、α1,α2,β,γ,δの1つでも0をとる値があると、補正合致度M=0となってしまう。
しかしながら、上例の式の代わりに、M=M+(k1・α1(j))+(k2・α2(j)+(k3・β)+(k4・γ)+(k5・δ)のように、各補正項を合致度Mに対する加算項とする演算式を用いて補正合致度Mを求めることも可能である。この場合、重みパラメータk1,k2,k3,k4,k5は、文字どおり、各補正項に重みづけを与えるパラメータとして機能することになる。もちろん、M=M×(k1・α1(j))×(k2・α2(j))+(k3・β)×(k5・δ)+(k4・γ)のように、乗算項と加算項とを混合させた演算式を用いて補正合致度Mを求めることも可能である。また、M=M×((k1・α1(j))+(k2・α2(j))+(k3・β)+(k4・γ))×(k5・δ)のように、括弧を含む演算式を用いて補正合致度Mを求めることも可能である。この最後の演算式では、α1,α2,β,γのいずれかが0であっても、補正合致度Mは必ずしも0にはならないが、δが0の場合は、必ず補正合致度M=0となるので、個人意向度δを重視した補正を行うことが可能である。このように、実用上は、重みパラメータk1,k2,k3,k4,k5の各値や、演算式を構成する括弧・乗算項・加算項の組み合わせを様々に変えることにより、どのパラメータを重視した補正を行うかを適宜設定することができる。
本発明に係る情報提供システムは、GPS機能をもった携帯電話機など、自分自身の位置を認識する機能を備えた移動端末装置に対して、種々の店舗に関する広告情報をWebページの形式で提供する用途に広く利用できる。

Claims (28)

  1. 自分自身の位置を認識する機能を備えた移動端末装置(10)に対して、特定の店舗に関する店舗情報を提供する情報提供システムであって、
    提供対象となる店舗情報を構成する店舗情報本体データ(D1)と、この店舗情報本体データに付随するメタデータ(D2)と、を有する多数の提供情報ファイル(F1,F2,F3)を格納した提供情報ファイル格納部(100)と、
    前記移動端末装置(10)からのアクセスを受け、少なくとも前記移動端末装置それ自身の位置を示す端末位置情報を含む検索条件を入力する検索条件入力部(130)と、
    前記提供情報ファイル格納部(100)に格納されている多数の提供情報ファイル(F1,F2,F3)の中から前記検索条件に対する合致度が所定の基準以上となる提供情報ファイルを検索する検索実行部(120)と、
    前記検索実行部(120)によって検索された提供情報ファイルのリストを、前記移動端末装置(10)に送信するリスト提示部(140)と、
    前記移動端末装置(10)から、前記リストの中の1つを選択する選択指示があったときに、前記提供情報ファイル格納部(100)から前記選択指示に係る提供情報ファイル内の店舗情報本体データ(D1)を読み出し、これを前記移動端末装置(10)へ配信する情報配信部(110)と、
    を備え、
    前記メタデータ(D2)は、提供情報ファイル(F1,F2,F3)を特定するための情報識別コード(C0)と、提供情報ファイルに係る店舗のジャンルを示す店舗ジャンルコード(C2)と、提供情報ファイルに係る店舗の位置を示す店舗位置コード(C3)と、を有しており、
    前記検索実行部(130)は、少なくとも「前記検索条件に含まれている端末位置情報と前記メタデータ(D2)に含まれている店舗位置コード(C3)との合致の程度」を参照して検索を行い、検索された提供情報ファイルの情報識別コード(C0)と、当該提供情報ファイルの合致の程度を示す合致度(M)と、を対応づけた情報を検索結果として前記リスト提示部(140)へ引き渡し、
    前記リスト提示部(140)は、
    前記検索実行部(120)から引き渡された前記検索結果を格納する検索結果格納部(141)と、
    地図を複数の地区領域に分割し、個々の地区領域の個々の時間帯について設定された単位区画ごとに、各店舗ジャンルに対応する関心度を設定した関心度テーブル(T1,T2)を格納するテーブル格納部(143)と、
    前記検索実行部(120)から前記検索結果が引き渡されたときに、前記関心度テーブル(T1,T2)を参照することにより、前記端末位置情報によって示される位置を含む地区領域についての現時点に対応する単位区画について設定されている各店舗ジャンルについての関心度(α1,α2)を認識し、前記検索結果格納部(141)に格納されている「各提供情報ファイルの合致度(M)」を、当該提供情報ファイルに係る店舗ジャンルについて認識した関心度(α1,α2)を用いて補正することにより、補正合致度(M)を求める補正処理部(142)と、
    前記検索結果格納部(141)に格納されている検索結果の中の合致度(M)を前記補正合致度(M)に置換した情報を格納する補正結果格納部(144)と、
    前記補正結果格納部(144)に格納されている情報に基づいて、前記補正合致度(M)の大きい順に前記情報識別コード(C0)をソートし、ソートされた順序に従って店舗情報の見出しを並べたリストを作成し、これを前記移動端末装置(10)に送信するリスト送信部(145)と、
    を有することを特徴とする情報提供システム。
  2. 請求項1に記載の情報提供システムにおいて、
    メタデータ(D2)が、店舗情報本体データ(D1)に関連したキーワードと当該キーワードに付与された重みづけポイントとを含むキーワードコード(C1)を有しており、
    検索条件入力部(130)が、端末位置情報と、利用者が指定した所定のキーワードと、を含む検索条件を入力し、
    検索実行部(120)が、前記検索条件に含まれる前記端末位置情報と前記メタデータ(D2)に含まれる店舗位置コード(C3)との合致の程度を示す位置合致度と、前記検索条件に含まれるキーワードと前記メタデータ(D2)に含まれるキーワードとの前記重みづけポイントを考慮して算出された合致の程度を示すキーワード合致度と、の双方を参照して検索を行い、前記位置合致度と前記キーワード合致度との双方を考慮した合致度(M)を検索結果としてリスト提示部(140)へ引き渡すことを特徴とする情報提供システム。
  3. 請求項1または2に記載の情報提供システムにおいて、
    リスト送信部(145)が、店舗情報本体データ(D1)内の見出し行の文字列を、ソート順に並べることにより、リストを作成することを特徴とする情報提供システム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の情報提供システムにおいて、
    各曜日ごとの時間帯をそれぞれ別個の単位区画とした関心度テーブル(T1,T2)を用いることを特徴とする情報提供システム。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の情報提供システムにおいて、
    補正処理部(142)が、検索結果格納部(141)に格納されている合致度(M)に対して、関心度(α1,α2)を乗算もしくは加算することにより補正合致度(M)を求めることを特徴とする情報提供システム。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の情報提供システムにおいて、
    テーブル格納部(143)が、複数の関心度テーブル(T1,T2)を格納しており、
    補正処理部(142)が、これら複数の関心度テーブルを参照することにより複数通りの関心度(α1,α2)を認識し、認識した複数通りの関心度を用いて補正を行うことにより、補正合致度(M)を求めることを特徴とする情報提供システム。
  7. 請求項6に記載の情報提供システムにおいて、
    補正処理部(142)が、認識した複数通りの関心度(α1,α2)のそれぞれについて重みパラメータ(k1,k2)を設定する機能を有し、それぞれの関心度に重みパラメータを乗じた値を、合致度(M)に対して乗算もしくは加算することにより補正合致度(M)を求めることを特徴とする情報提供システム。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の情報提供システムにおいて、
    多数の利用者が所持する移動端末装置(10)から得られる情報に基づいて、関心度テーブル(T1,T2)を新たに作成し、テーブル格納部(143)内の関心度テーブルを更新する関心度テーブル作成部(150)を更に有することを特徴とする情報提供システム。
  9. 請求項8に記載の情報提供システムにおいて、
    情報配信部(110)が、移動端末装置(10)から選択指示を受けたときに、当該移動端末装置の端末位置情報と、前記選択指示を受けた時点を示す時間情報と、前記選択指示に係る提供情報ファイルの店舗ジャンルを示す店舗ジャンル情報と、を含む関心情報(I1)を、関心度テーブル作成部(150)に引き渡す機能を有し、
    関心度テーブル作成部(150)が、引き渡された関心情報(I1)に基づいて、前記端末位置情報によって示される位置を含む地区領域についての前記時間情報に対応する単位区画について、前記店舗ジャンル情報で示される店舗ジャンルに対する関心が示された旨の記録を行い、個々の単位区画ごとに、各店舗ジャンルに関心が示された頻度を集計する頻度集計部(151)を有し、この集計結果に基づいて予定立案関心度テーブル(T1)を作成することを特徴とする情報提供システム。
  10. 請求項8に記載の情報提供システムにおいて、
    関心度テーブル作成部(150)が、
    個々の移動端末装置(10)の所定のサンプル時刻ごとの位置の変遷を示す位置変遷情報(I2)に基づいて、個々の移動端末装置(10)の移動経路上の通過点(P1〜P8)を認識し、提供情報ファイル格納部(100)内に格納されている提供情報ファイル(F1,F2,F3)内の店舖位置コード(C3)を参照することにより、個々の通過点について、それぞれ各店舗(S1〜S7)との距離を算出し、距離の小さい順に所定数m個の店舗を、当該通過点に関する近傍店舗と認識する近傍店舗認識部(152)と、
    前記移動経路上において連続する通過点に共通する共通近傍店舗について、最初の通過点の通過時刻から最後の通過点の通過時刻に至るまでの時間を滞在時間と認識する滞在時間認識部(153)と、
    前記共通近傍店舗について、前記最初の通過点から前記最後の通過点に至るまでの全通過点との距離の和を求め、その滞在時間を前記和で除した値を滞在係数として算出する滞在係数算出部(154)と、
    個々の共通近傍店舗について算出された滞在係数を、当該共通近傍店舗の位置を含む地区領域についての当該共通近傍店舗について認識された滞在時間に対応する単位区画について、当該共通近傍店舗の店舖ジャンルに対する関心の程度を示す値として集計する滞在係数集計部(155)と、
    を有し、前記滞在係数集計部(155)による集計結果に基づいて訪問利用関心度テーブル(T2)を作成することを特徴とする情報提供システム。
  11. 請求項10に記載の情報提供システムにおいて、
    滞在時間が複数の単位区画の時間帯を跨いでいる場合に、滞在時間と個々の単位区画の時間帯との重なり度合いに応じて按分した滞在係数を、各単位区間ごとに集計することを特徴とする情報提供システム。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の情報提供システムにおいて、
    テーブル格納部(143)が、各提供情報ファイル(F1,F2,F3)のそれぞれに対応した広告主意向度テーブル(T3)を格納しており、前記広告主意向度テーブルには、関心度テーブル(T1,T2)と同様の単位区画が設けられており、個々の単位区画ごとにそれぞれ店舗情報の提供を行う広告主の意向度(β)が設定されており、
    広告主の指示に応じた外部からの入力操作に基づいて、各提供情報ファイルについての前記広告主意向度テーブル(β)をそれぞれ作成し、これを前記テーブル格納部(143)に格納する広告主意向度テーブル作成部(160)を更に有し、
    補正処理部(142)が、合致度(M)の補正対象となる提供情報ファイルについての広告主意向度テーブル(T3)を参照することにより、該当単位区画に設定されている意向度(β)を認識し、関心度(α1,α2)と意向度(β)との双方を用いて補正を行うことにより、補正合致度(M)を求めることを特徴とする情報提供システム。
  13. 請求項12に記載の情報提供システムにおいて、
    広告主意向度テーブル作成部(160)が、特定の提供情報ファイルについての特定の単位区画の意向度を広告主の入力操作に基づいて設定する機能と、テーブル格納部(143)内の関心度テーブル(T1,T2)を参照することにより、前記特定の単位区画について前記特定の提供情報ファイルの店舗ジャンルに対応して設定されている関心度(α1,α2)を認識し、認識した関心度を前記広告主に提示する機能と、を有することを特徴とする情報提供システム。
  14. 請求項13に記載の情報提供システムにおいて、
    広告主意向度テーブル作成部(160)が、「個々の単位区画に対応し、それぞれ所定の意向度を入力するための入力欄」を広告主に提示し、各単位区画について認識した関心度(α1,α2)に応じた表示態様で各入力欄を表示することを特徴とする情報提供システム。
  15. 請求項12に記載の情報提供システムにおいて、
    広告主意向度テーブル作成部(160)が、特定の提供情報ファイルについての各単位区画の意向度(β)を広告主の入力操作に基づいて設定する機能と、テーブル格納部(143)内の関心度テーブル(T1,T2)を参照することにより、各単位区画について前記特定の提供情報ファイルの店舗ジャンルに対応して設定されている関心度(α1,α2)を認識し、関心度の大きさを考慮した優先順位に従って単位区画を広告主に提示する機能と、を有することを特徴とする情報提供システム。
  16. 請求項12〜15のいずれかに記載の情報提供システムにおいて、
    補正処理部(142)が、関心度(α1,α2)と意向度(β)とのそれぞれについて重みパラメータ(k1,k2,k3)を設定する機能を有し、関心度にその重みパラメータを乗じた値および意向度にその重みパラメータを乗じた値を、それぞれ合致度(M)に対して乗算もしくは加算することにより補正合致度(M)を求めることを特徴とする情報提供システム。
  17. 請求項1〜16のいずれかに記載の情報提供システムにおいて、
    テーブル格納部(143)が、各提供情報ファイル(F1,F2,F3)のそれぞれに対応した利用者評価値テーブル(T4)を格納しており、前記利用者評価値テーブルには、各提供情報ファイルに対応する店舗についての利用者の評価値(E)が記録されており、
    各店舗に対する評価値を利用者から収集することにより、各提供情報ファイル(F1,F2,F3)についての利用者評価値テーブル(T4)をそれぞれ作成し、これを前記テーブル格納部(143)に格納する利用者評価値テーブル作成部(170)を更に有し、
    補正処理部(142)が、合致度(M)の補正対象となる提供情報ファイルについて、当該提供情報ファイルについての利用者評価値テーブル(T4)を参照することにより評価値(γ)を認識し、関心度(α1,α2)と評価値(γ)との双方を用いて補正を行うことにより、補正合致度(M)を求めることを特徴とする情報提供システム。
  18. 請求項17に記載の情報提供システムにおいて、
    補正処理部(142)が、関心度(α1,α2)と評価値(γ)とのそれぞれについて重みパラメータ(k1,k2,k4)を設定する機能を有し、関心度にその重みパラメータを乗じた値および評価値にその重みパラメータを乗じた値を、それぞれ合致度に対して乗算もしくは加算することにより補正合致度(M)を求めることを特徴とする情報提供システム。
  19. 請求項17または18に記載の情報提供システムにおいて、
    利用者評価値テーブル作成部(170)が、個々の利用者ごとの個人評価値(E)が記録された利用者評価値テーブル(T4)を作成し、
    検索条件入力部(130)が、検索条件とともに、アクセスを行っているアクセス利用者を識別する情報を入力し、
    補正処理部(142)が、前記アクセス利用者の評価に類似した評価傾向のある利用者を嗜好類似者と認識し、前記嗜好類似者についての個人評価値を用いて補正を行うことを特徴とする情報提供システム。
  20. 請求項19に記載の情報提供システムにおいて、
    補正処理部(142)が、合致度(M)の補正対象となる提供情報ファイルについての利用者評価値テーブル(T4)に、アクセス利用者自身の個人評価値が掲載されていた場合には、前記アクセス利用者自身を嗜好類似者と認識し、前記アクセス利用者自身の個人評価値を用いて補正を行うことを特徴とする情報提供システム。
  21. 請求項19または20に記載の情報提供システムにおいて、
    補正処理部(142)が、
    合致度(M)の補正対象となる提供情報ファイルと同じ店舗ジャンルをもった提供情報ファイルについての利用者評価値テーブル(T4)を抽出する第1の手段と、
    前記第1の手段によって抽出された利用者評価値テーブル(T4)の中から、アクセス利用者の個人評価値が掲載されたテーブルを抽出する第2の手段と、
    前記第2の手段によって抽出された利用者評価値テーブル(T4)を用いて、前記アクセス利用者と他の利用者との相関度を算出する第3の手段と、
    前記第3の手段によって算出された相関度が所定の基準値以上の者、もしくは、前記第3の手段によって算出された相関度の高い順に選択された所定数の者を、前記アクセス利用者に対する嗜好類似者と認識する第4の手段と、
    合致度(M)の補正対象となる提供情報ファイルについての利用者評価値テーブル(T4)に記録されている前記嗜好類似者の個人評価値に基づいて、補正に用いる評価値(γ)を決定する第5の手段と、
    を有することを特徴とする情報提供システム。
  22. 請求項21に記載の情報提供システムにおいて、
    第3の手段が、利用者Xと利用者Yとの相関度R(X,Y)を算出する際に、第2の手段によって抽出された利用者評価値テーブル(T4)の中から、前記利用者Xの個人評価値と前記利用者Yの個人評価値との双方が掲載されたテーブルを選抜し、選抜されたn個のテーブルに基づいて、
    Sxx=Σi=1〜n (Exi−Exa)
    Syy=Σi=1〜n (Eyi−Eya)
    Sxy=Σi=1〜n (Exi−Exa)(Eyi−Eya)
    なる演算を実行し(但し、Exiは、選抜された第i番目のテーブルにおける利用者Xの個人評価値、Eyiは、選抜された第i番目のテーブルにおける利用者Yの個人評価値、Exaは、選抜されたn個のテーブルにおける利用者Xの個人評価値の平均値、Eyaは、選抜されたn個のテーブルにおける利用者Yの個人評価値の平均値)、更に、
    R(X,Y)=Sxy/(√Sxx・√Syy)
    なる演算を実行して相関度R(X,Y)を算出し、
    アクセス利用者とK名の嗜好類似者との相関度をそれぞれ算出し、合致度(M)の補正対象となる提供情報ファイルについての利用者評価値テーブル(T4)に記録されている第k番目の嗜好類似者の個人評価値をEk、第k番目の嗜好類似者との相関度をRkとして(但し、合致度の補正対象となる提供情報ファイルについての利用者評価値テーブルに第k番目の嗜好類似者の個人評価値が記録されていなかった場合には、Ek=0、Rk=0とする)、補正に用いる評価値γを、
    γ=Σk=1〜K(Ek×Rk)/Σk=1〜K(Rk)
    なる演算によって求めることを特徴とする情報提供システム。
  23. 請求項1〜22のいずれかに記載の情報提供システムにおいて、
    テーブル格納部(143)が、各利用者それぞれについての個人関心度テーブル(T5)を格納しており、前記個人関心度テーブルには、利用者の各店舗ジャンルに対する個人関心度(δ)が設定されており、
    各利用者に関する情報を収集することにより、各利用者についての前記個人関心度テーブル(T5)をそれぞれ作成し、これを前記テーブル格納部(143)に格納する個人関心度テーブル作成部(180)を更に有し、
    補正処理部(142)が、リストの提示対象となる提示対象利用者についての個人関心度テーブル(T5)を参照することにより、合致度(M)の補正対象となる提供情報ファイルについての店舗ジャンルに対する前記提示対象利用者の個人関心度(δ)を認識し、関心度(α1,α2)と個人関心度(δ)との双方を用いて補正を行うことにより、補正合致度(M)を求めることを特徴とする情報提供システム。
  24. 請求項23に記載の情報提供システムにおいて、
    個人関心度テーブル作成部(180)が、検索条件入力部(130)から取得した検索条件に基づいて、前記検索条件の入力操作を行った特定の利用者についての個人関心度テーブル(T5)を作成することを特徴とする情報提供システム。
  25. 請求項23に記載の情報提供システムにおいて、
    個人関心度テーブル作成部(180)が、情報配信部(110)から取得した「特定の利用者に配信した店舗情報の店舗ジャンル」を、前記特定の利用者についての個人関心情報として収集し、収集した個人関心情報に基づいて、前記特定の利用者についての個人関心度テーブル(T5)を作成することを特徴とする情報提供システム。
  26. 請求項23〜25のいずれかに記載の情報提供システムにおいて、
    個人関心度テーブル作成部(180)が、個々の地区領域の個々の時間帯について設定された単位区画ごとに、各店舗ジャンルに対応する個人関心度(δ)を設定した個人関心度テーブル(T5)を作成し、
    補正処理部(142)が、個人関心度テーブル(T5)の中の、端末位置情報によって示される位置を含む地区領域についての現時点に対応する単位区画について設定されている各店舗ジャンルについての個人関心度(δ)を参照することにより補正を行うことを特徴とする情報提供システム。
  27. 請求項23〜26のいずれかに記載の情報提供システムにおいて、
    補正処理部(142)が、関心度(α1,α2)と個人関心度(δ)とのそれぞれについて重みパラメータ(k1,k2,k5)を設定する機能を有し、関心度にその重みパラメータを乗じた値および個人関心度にその重みパラメータを乗じた値を、それぞれ合致度(M)に対して乗算もしくは加算することにより補正合致度(M)を求めることを特徴とする情報提供システム。
  28. 請求項1〜27のいずれかに記載の情報提供システムとしてコンピュータを機能させるプログラム。
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