以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。図1〜図20は、本発明の実施の例を示すものである。図1は本発明の先行技術に係る電磁波発生器を用いた電磁波殺菌装置の第1の実施の例を示す紫外線殺菌装置の斜視図、図2は図1に示す紫外線発生ランプ及び電源ユニットの平面図、図3は電源ユニットの側面図、図4は電源回路の第1の例を示す回路図、図5は装置全体の概略構成を示す説明図、図6は光源の先行技術に係る第1の例を示す紫外線発生ランプの断面図、図7A〜Cは紫外線発生ランプのランプ本体を示す説明図である。
図8は光源の先行技術に係る第2の例を示す紫外線発生ランプの断面図、図9は光源の先行技術に係る第3の例を示す紫外線発生ランプの断面図、図10は光源の本発明に係る第1の例を示すもので、紫外線に近い波長範囲の青色可視光線を発生する青色光発生器の断面図、図11A〜Cは本発明の第1の例に係る光源の光触媒層を示す説明図、図12は電源回路の第2の例を示す回路図、図13は電源回路が収納された電源ユニットの第2の例を示すACアダプタの斜視図、図14は同じく電源ユニットの第3の例を示す斜視図、更に、図15は光源の先行技術に係る第4の例を示す紫外線発生ランプの断面図である。
また、図16〜図20は本発明の電磁波発生器を用いた電磁波殺菌装置の他の例を示すもので、図16は電磁波殺菌装置の第2の例に係る自動給茶器の説明図、図17は電磁波殺菌装置の第3の例に係る自動給水器の説明図、図18は電磁波殺菌装置の第4の例に係るトイレ水洗装置の説明図、図19は電磁波発生器の保持状態の第2の例を示す説明図、図20は電磁波発生器の保持状態の第3の例を示す説明図である。
本発明の電磁波発生器の光源としては、波長範囲が240nmから400nm程度までの紫外線と、同じく波長範囲が400nmから480nm程度までの青色可視光線とを使用することができる。従って、本発明にいう電磁波としては、波長範囲が240nmから480nmまでの紫外線及び青色可視光線を言うものとする。
図1に示すように、本発明の電磁波発生器を用いた電磁波殺菌装置の第1の例として示す紫外線殺菌装置110は、電磁波発生器の先行技術の第1の例を示す紫外線発生器10と、この紫外線発生記0が収容される貯留タンクの第1の例を示すリザーバタンク120と、紫外線発生器10に電力を供給する電源ユニット130とを備えている。この紫外線殺菌装置110の紫外線発生器10はリザーバタンク120内に収容され、このリザーバタンク120内に紫外線を照射すべき液体の一具体例を示す水道水を通過させるように構成している。
リザーバタンク120は、上面に開口した凹陥部を有するタンク本体121と、このタンク本体121の開口部を開閉自在に閉じることができるタンク蓋体122とを備え、これらタンク本体121及びタンク蓋体122はポリカーボネート等の紫外線に対して比較的抵抗力の弱い合成樹脂によって形成されている。このタンク本体121の下面には、下方に突出する脚体123が複数個設けられていると共に、底板には上下方向へ貫通する給水口124が設けられている。そして、タンク本体121の上部の一辺には、横方向へ突出する左右一対の止めフック125が設けられている。この止めフック125を装置本体側に設けられる止めピンに係止することにより、このリザーバタンク120が装置本体に着脱可能に係合保持される。
タンク蓋体122は、タンク本体121の平面形状に見合った形状を有する板状体からなり、その下面には、タンク本体121の上部を長手方向に仕切る仕切り板126が設けられている。そして、タンク蓋体122の仕切り板126の一側には、フロート弁127の軸部127aが上下方向へ摺動可能に貫通されている。このフロート弁127は、軸部127aの下端に設けられたフロート127bと、軸部127aの上端に設けられた操作ツマミ127cとを有している。
このフロート弁127は、タンク本体121内の水量に応じて昇降可能とされており、水量の減少に応じてフロート127bが所定位置まで下降することにより、フロート弁スイッチがオンされて水道水がタンク本体121内に自動的に供給される。更に、タンク蓋体122の仕切り板126の他側には上面に突出する複数の筒体128を設け、各筒体128は、ゴム状弾性体からなる盲栓129によってとじられている。そして、一方の筒体128には、紫外線発生器10のリード線が挿通されている。
このようなリザーバタンク120内に収容される電磁波発生器の先行技術の第1の例に係る紫外線発生器10は、図2及び図6に示すように、光源の一具体例を示す紫外線発生ランプ11と、この紫外線発生ランプ11が収容されるカバー部材の一具体例を示す保護チューブ12と、この保護チューブ12の軸方向両端に設けられた開口部をそれぞれ液密に封止するキャップ部材の一具体例を示す一対のゴム栓13,14とを備えている。
紫外線発生ランプ11は、波長範囲が180nmから400nmまでの紫外線のうち、少なくとも波長240nmから300nmまでの波長範囲、特に254nm付近に強い線スペクトルを有する紫外線を発生するものである。この紫外線発生ランプ11は、消費電力が10W以下の小型紫外線殺菌ランプと呼ばれるもので、波長254nm付近の紫外線の出力は0.001mWから10mWまでの範囲内にあるものが好適である。このように紫外線の出力が比較的小さな紫外線殺菌ランプを使用する理由は、紫外線に対する抵抗力の弱い合成樹脂で形成されたリザーバタンク120やフロート弁等が紫外線を浴びることによって劣化することを抑制し、その耐久性が大幅に減少することを防止するためである。
この紫外線発生ランプ11は、紫外線を透過する材質(例えば、紫外線透過性フッ素樹脂、ガラス等)によって形成されたランプ本体15と、このランプ本体15の軸方向両端部に固定された一対のランプフィラメント16a,16bとを有し、両フィラメント16a,16bは互いに対向するよう内側に向けて設けられている。この紫外線発生ランプ11のランプ本体15はパイプ状をなしており、そのランプ本体15内には、例えば水銀とアルゴンガス等が封入されていて、全体として放電灯が構成されている。
このランプ本体15の軸方向両端部を加熱状態で押圧して偏平とすることによって電極保持部17a,17bが形成され、各電極保持部17a,17bの内側にはフィラメント16a,16bがそれぞれ配置固定されている。これらフィラメント16a,16bの基部には電極ピン18a,18bの一端がそれぞれ接合されていると共に、各電極ピン18a,18bの他端は、電極保持部17a,17bの各端部から外側にそれぞれ突出されている。
このランプ本体15の内部には、水銀やアルゴンガス等が充填されて必要により真空とされるが、これを行うために加工前のランプ本体15には、図7Aに示すように、中から空気を引き出して真空としたり、中にガスを充填するために用いられるパイプ状の枝管19が設けられている。この枝管19は、従来では、同図に二点鎖線で示すように、ランプ本体15の軸方向の略中央部に設けられており、真空加工等の所定作業終了後に除去されている。
この枝管19は、その基部を加熱溶融させることによって切除され、これによりガス抜き穴跡19aが形成されている。このガス抜き穴跡19aに対しては、加熱して凸部を平らに均す作業が行われるが、その凹凸を修正する作業には熟練を要し、平面的に仕上げることは困難であった。そのため、従来のランプ本体15では、製品としての紫外線発生ランプ11の見栄えが悪いばかりでなく、ガス抜き穴跡19aが邪魔になってランプ本体15を保護チューブ12の穴内に挿入することができない場合が生ずるという不具合があった。
このようなランプ本体15に関する不具合は、この例を示す図7A〜Cのような構成とすることにより、容易に解決することができる。即ち、枝管20の位置を軸方向中央部から一方の端部側に寄せて設け、電極保持部17の角部となる位置に設定するようにする。そして、加熱された枝管20を、従来のように半径方向に引っ張るのではなく、軸方向に引っ張って千切るようにする。
これにより、その後のガス抜き穴跡20aの加熱処理を容易に行うことができるようになる。しかも、ガス抜き穴跡20aの凹凸がランプ本体15の端部に設定されるため、製品としての紫外線発生ランプ11の見栄えの悪化を最小限に抑えることができると共に、保護チューブ12に挿入することができないという不具合をなくすことができる。
このような構成を有する紫外線発生ランプ11が挿入される保護チューブ12は、ランプ本体15と同様に、紫外線を透過する紫外線透過性フッ素樹脂等の紫外線透過性材料によって形成されている。図6に示すように、保護チューブ12の長さはランプ本体15よりも適宜に長く、且つ、その内径はランプ本体15の外径よりも適宜に大きく設定されていて、両端の開口部には、これを液密に封止することができるゴム栓13,14が装着されている。このゴム栓13,14の材質としてはシリコンゴムが好適であるが、紫外線に対する耐久性の高いものであれば、その他のゴムや合成樹脂等を用いることもできる。また、保護チューブ12の肉厚を薄くしたり厚くしたり調整することにより、紫外線の透過量を適宜に調整することができる。
このゴム栓13,14のうち、保護チューブ12の先端側を閉じるゴム栓13は、保護チューブ12の穴に嵌合される嵌合部13aと、この嵌合部13aと同心をなすよう半径方向外側に設けられたリング状の外筒部13bとを有している。そして、外筒部13bと嵌合部13aとの間には保護チューブ12の端部とシール部材21とが挿入される環状溝13cが形成されている。シール部材21としては、Oリングその他のシール用リング等を用いることができる。
また、保護チューブ12の基端側を閉じるゴム栓14は、保護チューブ12の穴に嵌合される嵌合部14aと、この嵌合部14aと同心をなすよう半径方向外側に設けられたリング状の外筒部14bとを有している。そして、外筒部14bと嵌合部14aとの間には保護チューブ12の端部とシール部材21とが挿入される環状溝14cが形成されている。更に、ゴム栓14の外面には、外筒部14bが延びる方向と反対側に延在されたカバーチューブ14dが設けられており、このカバーチューブ14dの穴は嵌合部14aの中央部を貫通して内面に開口されている。
これらゴム栓13,14の外筒部13b,14bは、図6において二点鎖線で示すように、予め外側に180度反り返らせておくことができ、組立時には外筒部13b,14bを反り返らせた状態で嵌合部13a,14aを保護チューブ12の穴に嵌合させるようにする。その後、外筒部13b,14bを180度反転させ、予め嵌合させておいたシール部材21と共に保護チューブ12の端部を抱き込むようにして保持する。
これにより、外筒部13b,14bの復元力によってシール部材21が保護チューブ12の外周面に圧接され、シール性が保持されて、嵌合部13a,14aとの協働作用により保護チューブ12内外の液密性が確保される。しかも、嵌合部13a,14aを嵌合固定した後、外筒部13b,14bを180度反転させるだけでゴム栓13,14を保護チューブ12に固着することができるため、組立時の作業性を向上させることができる。
この際、ゴム栓13,14の締付力によって保護チューブ12の端部が潰れないようにするため、保護チューブ12の穴の両端部には補強材22a,22bを充填させるようにする。そして、この補強材22a,22bで紫外線発生ランプ11の両端部を保持し、ランプ本体15が保護チューブ12の内面に接触しないようにする。この補強材22a,22bの材質としては、最初は液状であって容易に充填することができると共に所定時間の経過後固化されて保護チューブ12とゴム栓13,14とを一体化させることができる、例えば液状シリコンゴムが好適であるが、これと同様の効果を得ることができるものであれば、その他のゴム又は合成樹脂等を用いることもできる。
更に、補強材22a,22bには、必要により接着剤や充填材等を混合させ、補強材22a,22bが固化されるまでの時間や固化後の硬度等を調節するようにしてもよい。このような補強材22a,22bを用いることにより、保護チューブ12の補強効果に加えて、紫外線発生ランプ11が保護チューブ12の内面に接触するのを防止できると共に、ランプ本体15内面のシール面積を増大させて保護チューブ12内の液密性をより向上させることができる。
このように液密に保持される保護チューブ12内に収納される紫外線発生ランプ11の両端部の電極ピン18a,18bには、それぞれリード線23a,23bの一端が接続されている。一方のゴム栓13側のリード線23aは他方のゴム栓14側に引き回され、ゴム栓14の内側で一まとめに集められてカバーチューブ14dの穴内に挿通されている。このカバーチューブ14dを通過した両リード線23a,23bの先端部には、コネクタの一方を構成する雄プラグ24a,24bがそれぞれ取り付けられている。これらの雄プラグ24a,24bは電源ユニット130の雌プラグ131a,131bにそれぞれ接続され、これにより紫外線発生器10が電源ユニット130に接続される。尚、カバーチューブ12の一端に円板状の端面板又は円錐状の筒体部を設け、この端部を保護チューブ12の一端に連続させるようにして保護チューブ12とカバーチューブ14dとを一体成形する構成とすることもできる。
この電源ユニット130は、四角形の箱からなる電源筐体132と、この電源筐体132内に収納された電源回路26とを備えている。電源筐体132は、電源回路26の配線基板や電子部品等が固定されるベース部材132aと、このベース部材132aに搭載された電子部品等を覆うカバー部材132bとから構成されている。そして、ベース部材132aにカバー部材132bを重ね合わせた状態で側方から固定ネジ133を締めつけることにより、両部材132a,132bが着脱可能に連結固定されている。
これらベース部材132a及びカバー部材132bの材質としては、電源回路26から発せられる高周波電波を吸収して外部に漏れ出ないようにするためにアルミニウム合金が好適であるが、これと同様の機能を有する材料(例えば、アルミニウムの粉末を合成樹脂に混ぜ合わせて成形したもの等)であれば、使用することができる。
この電源筐体132の上面には、先端に雌プラグ131a,131bがそれぞれ取り付けられたリード線134a,134bの各基端と、先端に電源プラグ29が取り付けられた電源コード29aの基端とが導かれており、各基端はそれぞれ上面を貫通して内部に導入されて電源回路26と電気的に接続されている。更に、電源筐体132の上面には電源スイッチ135と安定化スイッチ136とが取り付けられている。
電源スイッチ135は、この電源回路26のメインスイッチをなすものであってスイッチ投入と略同時に紫外線発生ランプ11に電流が通電されるが、その電流の大きさは紫外線発生ランプ11を放電させるために十分に大きな値を有するものではなく、必要最小限の電流を通電するようにしている。これは、紫外線発生ランプ11に過大な電流が流れることを防止するために制限しているもので、微量の電流・電圧を供給して紫外線発生ランプ11を放電させるようにしている。このため、電源スイッチ135の投入によっては紫外線発生ランプ11が放電しないことがあるが、その場合に安定化スイッチ136を使用する。
この安定化スイッチ136は、電源スイッチ135の投入によっては紫外線発生ランプ11が放電・点灯しないときに用いるもので、押しボタンスイッチによって構成されている。この安定化スイッチ136は、ボタンを押している間だけ電流が通電され、これにより十分な量の電流が流れ、紫外線発生ランプ11を確実に放電させることができる。尚、安定化スイッチ136としては、押しボタンスイッチに代えてボリューム式のスイッチ手段を適用することもできる。
このボリューム式スイッチ手段は、例えば、冬季と夏季の外気温度の差によって電子が飛びにくくなるような場合に用いて好適なものである。この場合、固定式スイッチ手段によると一度点灯してもスイッチを放すと消えることがあるが、ボリューム式可変抵抗器を入れることで電子の飛び出しを確実にすることができて、放電不良を防止することができる。これにより、1個の部品で冬季及び夏季のいずれにおいても紫外線発生ランプ11の放電・点灯を確実に行うことができ、保守管理のメンテナンスを楽にすることができる。このことは、紫外線発生ランプ11が使用される貯留タンクが、例えば、人気のない寒い場所、山や海或いはゴルフ場のような一年を通して寒暖の差が激しい場所に設置される場合には、考慮しておく必要があるものである。
更に、電源筐体132の背面には、接着剤等の固着手段によって複数個のマグネット137が固定されている。このマグネット137は、その磁力によって電源筐体132を装置本体の壁面に固着するためのもので、装置本体が鉄板等の磁石を吸着できるものであれば、電源ユニット130を任意の位置に固定することができる。
この電源ユニット130の電源回路26は、例えば、図4に示すような構成を有している。この電源回路26は、供給される交流電流を所定電圧の直流電流に変換する整流部26aと、この直流電流に基づき所定の周波数で発振させる発振部26bとを備えている。この電源回路26の発振部26b側には、上述した紫外線発生器10が接続され、整流部26a側には電源コード29aを介して、家庭電源等の交流電源に接続するための電源プラグ29が接続されている。
この電源回路26の整流部26aは、交流電源から供給された交流電流(一般的には100Vであるが、200Vその他の電圧値でもよい。)を一定の電圧値(例えば40V)に下げた後、この定電圧の交流を直流に変換する整流回路としてのダイオードブリッジ71と、このダイオードブリッジ71の出力側端子間に介在された平滑回路としてのコンデンサ72と、上述した電源スイッチ135等を備えている。電源スイッチ135は、ダイオードブリッジ71と電源プラグ29との間に介在されており、例えば40Vの交流電流がダイオードブリッジ71において12Vの直流電流に変換されて発振部26b側に出力される。
尚、電源スイッチ135とダイオードブリッジ71との間に保護回路138を設ける構成とすることもできる。この保護回路138としては、例えばフィルタトランス等を適用することができ、このフィルタトランスで所定値以上の電圧を吸収することにより、整流回路に過大な電圧が付加されるのを防止してダイオードブリッジ71の保護を図ることができる。
また、電源回路26の発振部26bは、整流部26aの平滑回路に連続された高周波定電圧回路140と、この高周波定電圧回路140に連続された変換回路141と、トランス78とを備えている。この発振部26bの高周波定電圧回路140は、ダイオードブリッジ71の出力側端子の一方に接続されたダイオード142と、このダイオード142の他端に接続された電圧安定器143とを有している。電圧安定器143は、内蔵された抵抗器143aと外付けされた抵抗器143bとを具え、両抵抗器143a,143bは互いに並列に接続されている。そして、上述した安定化スイッチ136が、外付けされた抵抗器143bと直列に接続されている。
発振部26bの変換回路141は、互いのエミッタ間が接続された2個のトランジスタ75,76と、両トランジスタ75,76のコレクタ間に1次側が接続されたトランス78とを備えている。2個のトランジスタ75,76のベース間にはトランス78の制御用コイル78aが接続され、そのエミッタ間にはダイオードブリッジ71の出力側端子の他方が接続されている。そして、トランス78の二次側に紫外線発生器10が接続されている。
このような構成を有する電源回路26によれば、プラグ29を家庭電源に接続して紫外線発生器10に電力を供給することにより、整流部26a及び発振部26bの働きを介して紫外線発生ランプ11から、波長254nm付近に強い線スペクトルを有する紫外線が放射される。この紫外線発生器10により発生する紫外線を水道水に照射することにより、水道水に含まれている微生物や細菌の殺菌処理を行うことができる。
また、紫外線発生ランプ11は、少なくとも波長240nmから300nmまでの波長範囲の紫外線を含む電磁波を発生するランプであり、特に、波長254nmの紫外線は殺菌力が強力であるため、上記微生物や細菌の殺菌処理を効果的に行うことができる。更に、紫外線発生ランプ11の紫外線の出力が0.001mWから10mWという小さいものであるため、リザーバタンク120の全体若しくは一部又はこれに収容されるフロート弁127が紫外線に対して抵抗力の弱いポリカーボネートで形成されている場合にも、紫外線発生ランプ11から発生される紫外線によってリザーバタンク120等の劣化が促進されることがなく、装置全体の耐久性の低下を抑制することができる。尚、ボリューム式スイッチ手段を用いて紫外線発生ランプ11の出力を不点灯にならない程度に低く調整することにより、これらリザーバタンク120等の劣化を更に抑制することができる。
因みに、この紫外線発生ランプ11を使用した実験例では、紫外線発生ランプ11が収容されているリザーバタンク内の水に含まれている微生物の数は、1ml当たり100個であったが、紫外線発生ランプ11のないリザーバタンクの水に含まれている微生物の数は、1ml当たり104個であった。
このような構成を有する紫外線殺菌装置110は、例えば、図5に概略構成を示すような飲料供給機に用いることができる。この飲料供給機150は、果汁シロップ等の飲料原液を水又は炭酸水で希釈して飲料を調合するポストミックス方式のディスペンサーである。
このディスペンサー150において、紫外線殺菌装置110のリザーバタンク120には紫外線発生器10が収容されていて、水道管151の先端部に取り付けられた給水弁152から水道水が供給される。この水道水には消毒用塩素が残留しているため、給水弁152の前に活性炭フィルタ153を設けて水道水から塩素を抜き取る脱塩処理を行うようにする。この脱塩処理された原料水は、リザーバタンク120内において紫外線発生器10から発生される紫外線の照射を受けることにより、水道水に含まれている微生物や細菌が殺菌される。
このリザーバタンク120の容量は2リットル以下の小型タンクであって、180ccの水を5〜8回分程度供給できる大きさである。このリザーバタンク120内の水量が所定量以下に低下すると、フロート弁127が作動して自動的に水が補充され、常に一定量以上の水量を確保するようになっている。
このリザーバタンク120には希釈水配管154の一端が接続されていて、その他端には飲料供給弁155が接続されている。図示しないが、飲料供給弁155は、希釈水配管154を開閉する希釈水用バルブと、炭酸水配管161を開閉する炭酸水用バルブと、シロップ配管162を開閉するシロップ用バルブとを有しており、これらのバルブは個別に開閉できると共に、互いに連動して開閉できるようになっている。更に、希釈水配管154内には、リザーバタンク120側から順に液圧ポンプ156、冷却コイル157及び流量調整弁158が配置されている。このリザーバタンク120内の原料水は液圧ポンプ156によって吸引され、その原料水が冷却コイル157から流量調整弁158を経て飲料供給弁155に供給される。
また、このディスペンサー150には、2個のレギュレータ160a,160bを有する炭酸ガスボンベ160が設置され、各レギュレータ160a,160bから炭酸ガスが放出される。この炭酸ガスボンベ160の一方のレギュレータ160aには炭酸水配管161の一端が接続され、他方のレギュレータ160bにはシロップ配管162の一端が接続されている。そして、炭酸水配管161及びシロップ配管162の各他端は共に飲料供給弁155に接続されている。
炭酸水配管161内には、炭酸ガスボンベ160側から順にカーボネータ163、冷却コイル164及び流量調整弁165が配置されている。更に、カーボネータ163には、希釈水配管154に一端が連通された連通配管166の他端が接続されており、原料水をカーボネータ163に供給できるようになっている。また、シロップ配管162内には、炭酸ガスボンベ160側から順にシロップタンク167、冷却コイル168及び流量調整弁169が配置されている。
かくして、リザーバタンク120に貯留された原料水は、販売動作に応じて駆動されるポンプ156により吸引され、冷却コイル157及び流量調整弁158を介して飲料供給弁155に圧送される。そして、飲料供給弁155が開いているときには、そのまま弁口から吐出されてカップ170に供給される。一方、飲料供給弁155が閉じているときには、連通配管166を介してカーボネータ163の入口に原料水の圧力が付与される。
ここで、カーボネータ163には炭酸ガスボンベ160の炭酸ガスが一方のレギュレータ160aで一定圧力に調整された状態で供給され、一定圧力の炭酸ガスが充満している。そのため、連通配管166を介して原料水が高圧・高速でカーボネータ163内に吹き込まれると、原料水は炭酸ガスを吸収して炭酸水となり、このカーボネータ163に貯えられる。その結果、飲料供給弁155を開弁すると、冷却コイル164及び流量調整弁165を介して飲料供給弁155に圧送されてカップ170に送出される。
また、炭酸ガスボンベ160の炭酸ガスは、他方のレギュレータ160bで一定圧力に調整された状態でシロップタンク167に供給される。そのため、飲料供給弁155を開弁すると、シロップタンク167内のシロップが冷却コイル168及び流量調整弁169を介して飲料供給弁155に圧送されてカップ170に送出される。
かくして、炭酸飲料を供給する場合には、飲料供給弁155の希釈水用バルブを閉じた状態において、その炭酸用バルブとシロップ用バルブとを共に開弁する。これにより、上述したようにして炭酸水配管161から炭酸水が飲料供給弁155に供給されると共に、シロップ配管162からシロップが飲料供給弁155に供給され、この飲料供給弁155で混合されてカップ170に送出される。また、無炭酸飲料を供給する場合には、炭酸用バルブを閉じた状態において、希釈水用バルブとシロップ用バルブとを共に開弁する。これにより、希釈水配管154から供給される原料水とシロップ配管162から供給されるシロップとが飲料供給弁155で混ぜ合わされて、カップ170に送出される。
このようなディスペンサー150において、リザーバタンク120には紫外線発生器10が収容されており、この紫外線発生器10が発生する紫外線によってリザーバタンク120内の原料水が常に殺菌されているため、衛生的な原料水を飲料供給弁155に供給することができる。しかも、その原料水は活性炭フィルタ153によって脱塩処理されていることから、塩素臭のない美味しい飲料を供給することができる。
図8に示すように、本発明の先行技術として示す電磁波発生器の第2の例に係る紫外線発生器30は、上述した第1の例に係る電磁波発生器10の両端のゴム栓13,14に相当するゴム栓33,34を保護チューブ32の穴内に収納する構成としたものである。この電磁波発生器30に係るカバー部材である保護チューブ32の材質としては、紫外線透過性を有する材料であることに加えて、熱収縮性を有する合成樹脂材であることが必要である。
このように保護チューブ32の材質として熱収縮性を要求するのは、保護チューブ32の両端部に熱を加えて内側に塑性変形させることにより、ゴム栓33,34の抜け出しを防止するためである。保護チューブ32は、上述した保護チューブ12と同様に両端が開口された円形のパイプ状をなしており、紫外線ランプ11と同様の構成を有する光源としての紫外線発生ランプ31が挿入されている。この保護チューブ32の穴に、紫外線発生ランプ31を挿入した後、両端からキャップ部材としてのゴム栓33,34がそれぞれ挿入されている。
これらゴム栓33,34の外周面には、保護チューブ32の内周面との接触性をよくするために複数の環状溝が設けられている。そして、各ゴム栓33,34は、保護チューブ32を側方から貫通して先端部が外周面から半径方向内側に入り込む取付ねじ35により、所定位置に位置決めされて固定されている。更に、この状態で保護チューブ32の軸方向両端部を加熱して内側に塑性変形させ、穴の縁を丸めるようにしている。
また、各ゴム栓33,34の内側には、上述した例と同様に補強材36a,36bが充填されており、この補強材36a,36bを介して紫外線ランプ31が保護チューブ32に対して両端支持されていると共に、ゴム栓33,34内外のシール性が高められている。更に、一方のゴム栓34には、中央部を軸方向に貫通する貫通穴34aが設けられており、この貫通穴34aには、ゴム栓34と別体に形成されたカバーチューブ37の基部が嵌合固定されている。
このカバーチューブ37の基部には軸方向に所定間隔あけて外向きのフランジ部37a,37bが設けられており、これにより軸方向への移動を阻止してゴム栓34との一体性が確保されている。このカバーチューブ37の穴には、紫外線ランプ31の両端から導出されたリード線23a,23bが挿通されると共に、その先端部には補強材36bの一部が入り込み、カバーチューブ37内外の液密性が確保されている。このカバーチューブ37及びゴム栓33,34の材質としてはシリコンゴムが好適であるが、紫外線に対する耐久性の高いものであれば、その他のゴム及び合成樹脂を用いることもできる。
また、図9に示すように、本発明の先行技術として示す電磁波発生器の第3の例に係る紫外線発生器40は、上述した第1の例に係る電磁波発生器10の保護チューブ12の穴を一方にのみ開口させ、1個のゴム栓を用いる構成としたものである。この電磁波発生器40のカバー部材である保護チューブ42は、一端が閉鎖された円形(四角形その他の多角形でもよい。)パイプ状をなしており、その穴内に紫外線発生ランプ31が挿入されている。この保護チューブ42の穴に紫外線発生ランプ31を挿入した後、その開口部にキャップ部材としてのゴム栓44が装着される。
このゴム栓44の内側には上述した例と同様に補強材46が充填されており、この補強材46によって紫外線発生ランプ31の基端部が片持ち状に支持されている。尚、図示しないが、紫外線発生ランプ31の先端部にも鍔状の支持部材を嵌合させて設けることにより、紫外線発生ランプ31を両端支持する構成とすることもできる。このように紫外線発生ランプ31を両端支持する場合には、紫外線発生ランプ31の倒れを防止して、その先端部が保護チューブ42の内周面に当接するのを防ぐことができる。
ゴム栓44は、上記ゴム栓14と略同様の構成を有し、保護チューブ42の穴に嵌合される嵌合部44aと、この嵌合部44aと同心をなすよう半径方向外側に設けられたリング状の外筒部44bと、一対のリード線23a,23bが挿通されるカバーチューブ47とを備えている。このゴム栓44の嵌合部44aと外筒部44bとの間には、保護チューブ42の開口側の端部が挿入される環状溝44cが形成されている。
このような構成を有する紫外線発生器40では、第1の例とは異なって、Oリングその他のシール用リングをシール部材21として用いていないが、このような構造であっても、ゴム栓44の外筒部44b自体の締付力或いは補強材46のシール性等によって保護チューブ42内の液密性を十分に確保することができる場合には、シール部材21は不要である。他の構成は、上述した例と同様である。
図10に示すように、本発明の電磁波発生器の第1の例に係る紫外線に近い波長範囲の青色可視光線を発生する青色光発生器50は、多数の発光ダイオード(LED)53を使用して光源としてのLED発光体51を構成したものである。このLED発光体51は、棒状に形成されたプリント配線基板からなる取付基板55と、この取付基板55に交互に千鳥状に配置されて取り付けられた波長範囲が400nm程度から480nmまでの青色可視光線を発生する発光ダイオード53と、同じく取付基板55に取り付けられたソケット56とを有している。そして、発光ダイオード53及びソケット56の各端子は、取付基板55に設けられたプリント配線に接続されて通電可能とされている。
このLED発光体51の先端部には、これが収納されるカバー部材としての保護チューブ52の穴に対して取付基板55の先端側を位置決めするための支持部材57が取り付けられている。この支持部材57は、取付基板55の先端部に嵌合される頭部57aと、この頭部57aに連続して設けられ且つ半径方向外側に放射状に突出する複数の半径方向凸起57bと、同じく頭部57aに連続して設けられ且つ軸方向外側に突出する軸方向凸起57cとを有している。この支持部材57の半径方向凸起57bを保護チューブ52の穴の内周面に当接させると共に、軸方向凸起57cを穴の底面に当接させることにより、LED発光体51の先端側の位置決めがなされる。
このLED発光体51の基端部は、保護チューブ52の軸方向の一方に開口する開口部を液密に閉じることができるキャップ部材としてのゴム栓54に支持されている。このゴム栓54は、保護チューブ52の穴に嵌合される嵌合部54aと、この嵌合部54aと同心をなすよう半径方向外側に設けられたリング状の外筒部54bとを有し、嵌合部54aと外筒部54bとの間には保護チューブ52の開口側の端部が挿入される環状溝54cが形成されている。
このゴム栓54の環状溝54cには保護チューブ52の開口側の端部が挿入され、外筒部54bを締付バンド58で外側から締め付けることにより、この電磁波発生器50の液密性が確保されている。この締付バンド58は、外筒部54bよりも若干幅狭のバンド体58aと、このバンド体58aの両端に連続し且つ半径方向外側に対向設置された一対のフランジ部58bと、これらフランジ部58bを貫通する締付ネジ58cとを有している。この締付ネジ58cを締め込むことにより、外筒部54bが保護チューブ52の外周面に圧接されて、ゴム栓54による液密性が確保される。この締付バンド58の材質としては、光触媒作用を有する材料、例えばチタン含有率の高い鋼板等が好適であるが、その他の金属や合成樹脂等を用いることもできる。
更に、ゴム栓54の嵌合部54aの中央部には、LED発光体51の取付基板55の他端を嵌合支持できる嵌合穴54dが設けられており、この嵌合穴54dに取付基板55の他端を嵌合することによってLED発光体51が保護チューブ52の略中央部に保持されている。この状態では、LED発光体51の他端に設けたソケット56には、ゴム栓54の嵌合部54aに内蔵されたプラグ25aの接続部が接続されていて、取付基板55を介して全ての発光ダイオード53と電気的に接続されている。
ゴム栓54に内蔵されたプラグ25aには、絶縁性の被膜によって被覆されたリード線26が接続され、これらはゴム栓54と一体に形成されて液密性が確保されている。そして、ゴム栓54の外端面からリード線25cが外部に導出され、その先端がソケット25bに接続されている。このソケット25bにはプラグ27aが接続され、このプラグ27aにはリード線27bを介して電源回路の第2の実施例を示すACアダプタ28が接続されている。
このACアダプタ28にはリード線27cを介して電源プラグ29が接続されている。この電源プラグ29を家庭電源等の電源に接続することにより、ACアダプタ28を介してLED発光体51に電力が投入され、多数の発光ダイオード53が一度に発光される。
これらの発光ダイオード53から放射される青色可視光線は比較的微弱であって殺菌等の効果も低いものであるため、そのような微弱光下でも有効に殺菌処理が行えるように保護チューブ52の外周面には、図11A〜Cに示すような各種の模様を採用できる光触媒層59が設けられている。この光触媒層59は、酸化チタン等の光触媒が光の照射を受けることにより光触媒反応を生じさせるものであり、光励起された酸化チタンは非常に強い酸化力を有するため、これを利用して微生物や細菌等の殺菌を行うようにしたものである。
図11において、同図A及びBは、保護チューブ52の外周面に直接光触媒層59A,59Bを設けたものであり、同図Cは、保護チューブ52に装着される保持部材の第1の具体例を示す被覆部材49に光触媒層59Cを形成し、この被覆部材49を介して保護チューブ52に光触媒層を設けるようにしたものである。
光触媒層59Aは、保護チューブ52の軸方向に螺旋状に延びる一条の螺旋模様をなしており、また、光触媒層59Bは、保護チューブ52の軸方向に直線状に延びる4本の縦縞模様をなしている。これら光触媒層59A,59Bは、光触媒の塗料を保護チューブ52の外周面に塗って紫外線で焼付けしてもよく、また光触媒の塗料が塗布された紫外線透過性のテープを保護チューブ52の外周面に巻き付けて固定させるようにしてもよい。更に、光触媒層の模様は、これらの例に限定されるものではなく、例えば、横縞模様、水玉模様等の各種の模様を採用することができる。
また、光触媒層59Cは、紫外線透過性の材質からなる筒状の被覆部材49に光触媒の塗料を塗布したものである。この被覆部材49に設けられる光触媒層59Cの模様についても、螺旋模様、横縞模様、水玉模様等の各種の模様を採用することができる。更に、被覆部材49の形状としては、保護チューブ52が挿入される有底の筒体としてもよく、また、模様と同一の形状に形成することもできる。
図12は、上述したような紫外線発生器30,40及び青色光発生器50を点灯駆動するための電源回路の第2の例を示す回路図である。この電源回路28は、供給される交流電流を所定電圧の直流電流に変換する整流部28aと、この直流電流に基づき所定の周波数で発振させる発振部28bとを備えている。この電源回路28の発振部28b側には、紫外線発生器30等が接続され、整流部28a側には、家庭電源等の交流電源に接続するための電源プラグ29が接続されている。
この電源回路28の整流部28aは、交流電源から供給された交流電流(例えば100V)を一定の電圧値(例えば40V)に下げて出力する定電圧回路としての減圧器70と、この定電圧の交流を直流に変換するダイオードブリッジ71と、このダイオードブリッジ71の出力側端子間に介在されたコンデンサ72等を備えている。この整流部28aのダイオードブリッジ71において、例えば40Vの交流電流が12Vの直流電流に変換され、発振部28b側に出力される。
この電源回路28の発振部28bは、ダイオードブリッジ71の出力側端子の一方に接続されたコイル73と、互いのエミッタ間が接続された2個のトランジスタ75,76と、両トランジスタ75,76のコレクタ間に介在された発振用コンデンサ77と、同じくトランジスタ75,76のコレクタ間に1次側が接続されたトランス78と、このトランス78の二次側に接続されたコンデンサ79等を備えている。2個のトランジスタ75,76のベース間にはトランス78の制御用コイル78aが接続され、そのエミッタ間はダイオードブリッジ71の出力側端子の他方に接続されている。そして、コイル73はトランス78の一次側に調整可能に接続されていると共に、トランジスタ76のベース側にも接続されている。
このような構成を有する電源回路28によれば、電源プラグ29を電源に接続して紫外線発生器10に電力を供給することにより、整流部28a及び発振部28bの働きを介して紫外線発生器10から強い紫外線が発射される。この紫外線発生器10から発生する紫外線を用いることにより、水やその他の液体に含まれている微生物や細菌等の殺菌処理を行うことができる。
このような電源回路28は、例えば、図13に示すような四角形の電源筐体80に収容されて使用される。この図13に示す電源筐体80は、装置本体の側壁等に固定されたフックに掛け止めて使用するようにしたものである。この電源筐体80は、電源回路28を構成する部品が収納される室を有するケース本体と、このケース本体の収容室を開閉可能に閉じる蓋体とを有し、ケース本体の一方の側面からは先端にプラグ27aを有するリード線27bが導出され、他方の側面からは先端に電源プラグ29を有するリード線27cが導出されている。
更に、ケース本体の上部には、上方に展開される取付板80aが設けられている。この取付板80aには、フックに係止するための係止穴81aが設けられていると共に、この係止穴81aにはL字状に延びて上方に開口されるガイド穴81bが連通されている。このガイド穴81bに代えて、横方向に延びて側方に開口されるガイド穴81cを設け、このガイド穴81cを係止穴81aに連通させるようにしてもよい。このような電源筐体80の材質としては、アルミニウム合金や鋼板等の金属、絶縁性或いは難燃性等に優れた合成樹脂等を用いることができる。
この実施例に係る電源筐体80によれば、装置本体や壁等に取り付けられたフックやネジ等に係止穴81aを引っ掛けるだけで簡単に取り付けることができ、着脱動作を容易に行うことができる。
また、電源筐体の他の例としては、図14に示すような形状に構成することができる。この図14に示す電源筐体82は、係止穴83aを有する取付板82a,82bを両側面から側方にそれぞれ突出させて設けたものである。一対の取付板82a,82bの各係止穴83aは横方向に延びるように開口されていて、各係止穴83aの一方の側部には、斜め上方に延びるガイド穴83bの下端部がそれぞれ連通されている。この例のように、係止穴83aを2箇所に設けて2本のフック等で係合保持することにより、上述した電源筐体80と同様の効果に加えて、電源筐体82の振れを防止して当該電源筐体82の脱落を防ぐことができる。
これら電源筐体80,82は、紫外線発生器10等の装置本体や建物の壁等に取り付けられたフックやネジ或いはビス等に引っ掛けて使用するタイプのものであるが、装置本体や壁等に直接取り付ける構成とすることもできる。例えば、電源筐体80,82の背面に両面テープ等の粘着用パッドを貼り付け、その粘着力によって固着するようにしてもよく、また、吸盤を背面に取り付けて、その吸着力によって固着してもよい。更に、上述したように電源筐体80,82にマグネットを取り付け、このマグネットの磁力によって着脱可能に固着する構造とすることもできる。尚、マグネットを使用する場合、その電源筐体80,82の材質にはアルミニウム合金或いは合成樹脂等を用いて、内蔵される電子部品に影響を与えることがないようにする。
また、図15に示すように、本発明の先行技術として示す電磁波発生器の第4の例に係る紫外線発生器60は、上述した電源回路28を紫外線発生ランプ11と一体に設け、保護チューブ12内に電源回路28を内蔵する構成としたものである。この紫外線発生器60は、上述した本発明の第1の例と略同様の構成を有するもので、異なる点は、紫外線発生ランプ11の両端部に設けられた電極保持部17a,17bに電源回路28の構成部品を2組に分けて収納したところである。
即ち、この紫外線発生器60は、紫外線発生ランプ11が挿通される保護チューブ12と、この保護チューブ12の両端の開口部を閉じるゴム栓13,14とを有し、紫外線発生ランプ11の電極保持部17a,17bには円筒状の電源ホルダ61がそれぞれ取り付けられている。電源ホルダ61は内向きのフランジ部61aを有し、そのフランジ部61aには電極保持部17a,17bが挿通される長穴が形成されている。これら電源ホルダ61の穴内には、電源回路28を構成する電子部品62が搭載された絶縁基板63がそれぞれ嵌合されている。
このように電源ホルダ61が取り付けられた紫外線発生ランプ11の基端側がゴム栓14によって嵌合保持されており、その電源ホルダ61から導出されたリード線23がカバーチューブ14dの穴に挿通されている。そして、カバーチューブ14dとリード線23との間にはシール剤を充填して液密性を確保するようにする。他の構成は、上記第1の例と同様である。
この第4の例に係る紫外線発生器60によれば、電源回路がランプ部分に一体形成されるため、ランプ部分を含めた装置全体の取扱の利便性を高めることができる。
このような構成を有する紫外線発生器10,30,40,60及び青色光発生器50は、上述した図5に示す第1の実施の例の他、図16〜図20に示すような状態によっても使用される。
図16は、自動給茶器の貯水タンクに紫外線発生器10を収容して原料水の殺菌等を行うようにした例を示すものである。この自動給茶器65は、水が供給されるリザーバタンク66と、このリザーバタンク66に収納された水を所定温度に加熱する加熱ヒータ67と、所定量の茶葉を受けて湯を通す受け皿69と、茶の濃度を調整する混合皿85と、茶葉が収納される茶葉タンク90等を備えている。リザーバタンク66は、上面に開口した四角形の匣体からなるタンク本体66aと、このタンク本体66aの上部に着脱可能に装着されて開口部を閉じることができるタンク蓋体66bとからなり、タンク蓋体66bには取手66cが取り付けられている。
このリザーバタンク66の外側には、タンク本体66aの周囲を囲う加熱装置としての加熱ヒータ67が取り付けられている。この加熱ヒータ67を作動させてタンク本体66a内の水を加熱することにより、水を沸騰させた湯が得られる。このリザーバタンク66内に、上述したような紫外線発生器10,30,40,60又は青色光発生器50のうちの任意の発生器(例えば、紫外線発生器10)が収納される。この紫外線発生器10は、その全体が完全に水に浸漬される状態で用いられるが、その一部が水面から露出するように用いてもよい。この紫外線発生器10に接続されたACアダプタ28は、断熱部材86を介してタンク本体66aの側面に取り付けられている。
このリザーバタンク66の底面には湯供給口87aと追い湯口88aとが設けられていて、湯供給口87aには湯供給弁87bが取り付けられ、追い湯口88aには追い湯調整弁88bが取り付けられている。これら湯供給弁87b及び追い湯調整弁88bは制御信号の入力によって自動的に開閉動作の可能な弁装置(例えば電磁開閉弁等)によって構成され、それぞれ弁の開閉時間を調節することにより湯供給口87a又は追い湯口88aを通過する湯の量が調節可能とされている。
この湯供給口87aの先端部には、適当な量の茶葉が収納される受け皿69が移動可能に配置されている一方、追い湯口88aの先端部には、搾り出された茶に湯を混ぜ合わせて濃度を調整する混合皿85が配置されている。この混合皿85は漏斗状をなしていて湯供給口87aの下方に設けられ、受け皿69から出される茶と追い湯口88aから出される湯とを受けることができるようになっている。この混合皿85に設けられた給茶口85aの下方に飲料カップ89が設置される。
予め適当な量の茶葉が収納される茶葉タンク90は、上面に開口した筒状の匣体からなるタンク本体90aと、このタンク本体90aの上部に着脱可能に装着されて開口部を閉じることができるタンク蓋体90bとからなり、タンク蓋体90bには取手90cが取り付けられている。この茶葉タンク90の底面には茶供給口91aが設けられていて、この茶供給口91aには茶供給弁91bが取り付けられている。この茶供給弁91bは、制御信号の入力によって自動的に開閉動作の可能な弁装置(例えば電磁開閉弁等)によって構成され、その弁の開閉時間を調節することにより茶供給口91aを通過する茶葉の量が調節可能とされている。
この茶葉タンク90とリザーバタンク66との間を受け皿69が移動可能とされており、茶供給口91aの下方にて所定量の茶葉が受け皿69に供給され、湯供給口87aの下方に移動したところで湯を供給することによって茶が搾り出され、その茶が受け皿69に設けられた多数の穴(或いは網目等)を貫通して混合皿85内に流れ落ちる。この混合皿85において茶が、必要により追い湯口88aから供給される湯と混合されて、給茶口85aから飲料カップ89に流入される。
このような構成及び作用を有する自動給茶器65において、水が貯留されるリザーバタンク66には紫外線発生器10が収納されており、しかも、紫外線発生器10の全体が完全に水中に浸漬されているため、沸騰だけでは十分な効果が得られない原料水の殺菌処理を、紫外線発生器10から発生させる紫外線によって確実且つ完全に行うことができる。更に、リザーバタンク66内に水のカビ臭やスライムの悪臭が混じらないため、その水を飲む人に不快感を与えることがなく、おいしい水を提供することができる。
図17は、冷却水給水器のリザーバタンクに紫外線発生器40を使用した例を示すものである。この冷却水給水器92は、リザーバタンク93内に収納された水を所定温度に冷却した後、飲料水として給水できるようにしたものである。リザーバタンク93は、上面に開口した有底の円形筒体からなるタンク本体93aと、このタンク本体93aの上面開口部を開閉可能に閉じるタンク蓋体93bとを有している。そして、タンク本体93aの底面には給水管94aが接続され、この給水管94aの先端部には給水バルブ94bが取り付けられている。
このリザーバタンク93の外側には、図示しない水冷却装置が設けられており、タンク内に収納された水を所定温度以下に冷却して保持できるように構成されている。更に、タンク蓋体93bには紫外線発生器40のカバーチューブ47が挿通され、このカバーチューブ47を貫通して外部に露出されたプラグ48は、給水器本体に取り付けられたACアダプタ28に接続されている。この紫外線発生器40をリザーバタンク93内の所定位置に固定するため、保護チューブ42には固定クリップ95が取り付けられている。
この固定クリップ95は、保護チューブ42を嵌合保持する保持部95aと、この保持部95aの両側に連続する固定部95bとからなり、これらは針金のような細長い部材によって一体に形成されている。即ち、固定クリップ95は、針金状部材を円弧状に湾曲させて一対の保持部95aを形成すると共に、これら保持部95aの両端にU字状に湾曲された固定部95bをそれぞれ連続させることによって形成されている。そして、保持部95aの弾性による挟持力で紫外線発生器40を把持する一方、保持部95aに対する固定部95bの弾性によって紫外線発生器40をリザーバタンク93内の任意の位置に位置決め固定するための固定力を付与している。
かくして、この固定クリップ95によれば、保持部95aに紫外線発生器40を保持した状態でリザーバタンク93内に収納し、両端の固定部95bをタンク本体93aの内面に圧接させることにより、その位置で固定クリップ95を固定することができる。この固定クリップ95を用いることにより、水の浮力による紫外線発生器40の浮き上がりを防止して、常に水中内から紫外線による水の殺菌処理を実行することができ、微生物や細菌の増殖を防止して、衛生的な水を給水することができる。
尚、固定クリップ95の材質としては、水に対する耐腐食性の高いステンレス鋼が好適であるが、他の金属は勿論のこと、合成樹脂材その他各種の材料を用いることもできる。また、板状の部材を同様に折り曲げることによって固定クリップを構成してもよい。
図18は、水洗トイレ装置96の水洗タンク97及びお尻洗い用温水タンク98に紫外線発生器40を使用した例を示すものである。この水洗トイレ装置96は、水洗便器99と、この水洗便器99を水洗いするための水洗タンク97と、お尻を洗うための温水タンク98とを備えている。水洗タンク97と水洗便器99とは連通管100によって連結されている一方、温水タンク98と水洗便器99とは配管101によって連通されている。
また、水洗タンク97は、上面に開口した四角形の匣体からなるタンク本体97aと、このタンク本体97aの上面開口部を開閉可能に閉じるタンク蓋体97bとを有し、タンク本体97aには、連通管100を開閉させて所定量の水を水洗便器99に流すことができる弁開閉装置102が取り付けられている。この水洗タンク97には、図示しない水道に連通された配管が接続されており、弁開閉装置102の作動により一定量の水道水が常時タンク内に貯留されるようになっている。
この水洗タンク97内に紫外線発生器40が収納されており、その紫外線発生器40は自重により水底に横たえられて、当該紫外線発生器40の全体が完全に水中に埋没されている。そして、紫外線発生器40のリード線26はタンク本体97aの上端部からタンク外に取り出され、その先端のソケット25bはACアダプタ28のソケット27aに接続されている。尚、ACアダプタ28は、両面テープ等の固定手段によってタンク蓋体97bの上面に取り付けられている。
また、温水タンク98は、タンクカバー103内に収納されている。この温水タンク98には、水洗タンク97と同様に図示しない水道の配管が接続され、常時所定量の水が温水タンク98内に貯留される構造となっている。
このような構成を有する水洗トイレ装置96においては、紫外線発生器40が水洗タンク97又は温水タンク98に蓄えられた水中に完全に浸漬されるため、これらのタンク97,98を大型化することなく、紫外線によって殺菌された衛生的な水で水洗便器99を洗い、或いは殺菌された衛生的な水でお尻を洗うことができる。従って、トイレ回りの水関係を衛生的に保持することができ、水洗用及びお尻洗い用として衛生的な水を十分に供給することができる。
図19は、水洗トイレ装置96の水洗タンク97の他の例を示すもので、紫外線発生器40の固定用として板材によって形成された固定クリップ104を使用し、この固定クリップ104で紫外線発生器40を所定位置に保持するようにしたものである。この場合には、紫外線発生器40が水洗タンク97の所定位置に常に保持されるため、収納されている水を満遍なく、しかも効率よく殺菌処理することができる。
尚、図19に示す水洗タンク97では、ACアダプタ28に吸盤105を取り付けている。この吸盤105をタンク本体97aの側面に吸着させることによりACアダプタ28が水洗タンク97の側面に取り付けられている。
また、電磁波発生器40には、図20に示すような固定部材106を使用することができる。この固定部材106は、保持部材の第2の具体例を示すもので、紫外線発生器40の補強材として用いることができ、或いは図10に示す青色光発生器50による光触媒反応処理に用いることもできる。
固定部材106は、互いに等角度間隔に配置された3枚の羽根板106aと、この羽根板106aの長手方向両端部を互いに連結する連結リング106bとを有し、3枚の羽根板106aは略等角度となるように放射状に配置されている。連結リング106bの穴径は、紫外線発生器40の保護チューブ42よりも若干大きく形成し、これらの保護チューブ42が容易に挿入できるようにする。この固定部材106の材質としては、比重の大きな金属、セラミック等が好適であるが、比重が大きいものであれば合成樹脂を用いることもできる。
この固定部材106を紫外線発生器40又は青色光発生器50の補強材として用いる場合には、連結リング106bに保護チューブ42,52を挿通するだけでよく、その状態で水洗タンク97の水中に埋没させるようにする。このように用いるときには、水の給水や排水等による水流によっても紫外線発生器40又は青色光発生器50が移動することがなく、紫外線発生器40又は青色光発生器50を常に一定の高さに保持しておくことができる。
また、固定部材106を青色光発生器50による光触媒反応処理に用いる場合には、保護チューブ52の外周面に設けた光触媒層59A〜59Cを、各羽根板106aの表面に設ける構成とする。この場合には、光触媒層59A〜59Cの表面積を極めて大きなものとすることができるため、紫外線に近い波長範囲の青色可視光線を受光することによって反応が進行する酸化チタンの酸化力により、有機物の合成や分解反応を効率よく行うことができ、微生物や細菌の殺菌に寄与することができる。
10,30,40,60…紫外線発生器(電磁波発生器)、 11,31…紫外線発生ランプ(光源)、 12,32,42,52…保護チューブ(カバー部材)、 13,14,33,34,44,54…ゴム栓(キャップ部材)、 14d,47…カバーチューブ、 15…ランプ本体、 21…シール部材、 22a,22b,36a,36b,46…補強材、 23a,23b…リード線、 26,28…電源回路(ACアダプタ)、 49…被覆部材(保持部材)、 50…青色光発生器(電磁波発生器)、 51…LED発光体(光源)、 53…発光ダイオード、 59A,59B,59C…光触媒層、 65…自動給茶器、 66,93,120…リザーバタンク(貯留タンク)、 92…冷却水給水器、 96…水洗トイレ装置、 106…固定部材(保持部材)、 110…紫外線殺菌装置(電磁波殺菌装置 )、 127…フロート弁、 150…飲料供給機