JP4212705B2 - ヒンジ装置の雌側部材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒンジ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ドアをドア枠内で開閉自在に保持するために用いるヒンジ装置として、ドアとドア枠とに各別に設けられて互いに結合可能とされる雄側部材と雌側部材とを有し、このうち雄側部材には軸心を上下に向けたヒンジ軸が設けられ、他方の雌側部材には雄側部材のヒンジ軸を嵌合可能な軸受部が設けられているものは周知である。
【0003】
なお、上記ヒンジ装置において、ドアの後端面やドア枠の縦桟内面等に対し、これらと平行な取付板を介して取り付ける、いわゆる「蝶番」は除くものとする。すなわち、上記雄側部材や雌側部材は、ドアの上端部及び下端部に対応する位置へ取り付けられるもの(ヒンジ軸がドアの一方面側へ張り出した状態で設けられたものと、ドアの肉厚中心部に設けられたものとがある)とする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この種、ヒンジ装置の雌側部材は、メンテナンス等の各種事情によりドア枠に対してドアの着脱を行う必要が生じたときに、これを簡単且つ迅速に行えるようにするために、雄側部材との着脱、即ち、ヒンジ軸の嵌合や開放が簡単にできる構造にすることが望まれている。
【0005】
しかし、このための構造は、カム機構やクランク機構、或いはラチェット機構等を組み合わせ、場合によっては強力バネを組み込むような構造となり、しかも、いたずらや盗難等に対処するための防犯構造をも採り入れる必要性があること等から、非常に複雑で、且つ大型で重いものとなり、そのうえコスト的にも高価になる等、改良の余地を多く含んだものであった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ヒンジ軸を具備した雄側部材との着脱が簡単且つ迅速に行え、しかも構造的な簡潔化、軽量化、低コスト化等が図れるようにしたヒンジ装置の雌側部材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記目的を達成するために、次の技術的手段を講じた。
即ち、本発明に係るヒンジ装置の雌側部材では、雄側部材のヒンジ軸を横嵌め可能にする切欠部が設けられた本体部と、この本体部に対して摺動自在に設けられた軸掴み部材とを有している。この軸掴み部材の摺動範囲は、本体部における切欠部に対し、これを開放する開位置と、この切欠部内に嵌められたヒンジ軸を脱出不能にする閉位置との間となっている。
【0008】
すなわち、本体部において、軸掴み部材を開位置にして切欠部内へ雄側部材のヒンジ軸を横嵌めし、この状態のまま軸掴み部材を閉位置にすることで、ヒンジ軸を切欠部から脱出不能にできるものであり、またこの状態から軸掴み部材を開位置へ移動させることで、再び切欠部からヒンジ軸を抜き出すことが簡単に行えるものである。
【0009】
軸掴み部材は、切欠部に対する閉位置へ向けてバネで付勢される構造としておけば、開位置から閉位置への移動操作が不要となり、また切欠部にヒンジ軸が嵌められた状態において、このヒンジ軸の脱出やガタツキを防止できる利点に繋がる。
この場合、軸掴み部材は、切欠部に対する開位置で係止保持可能な構造にしておけば、切欠部にヒンジ軸を嵌め入れる作業等を簡単に行える利点に繋がる。
【0010】
軸掴み部材は、切欠部に対する開位置から閉位置へ近づくにつれて、切欠部の径方向内方へ首振り可能な構造にしておけば、切欠部にヒンジ軸が嵌められた状態において、このヒンジ軸のガタツキを防止できる利点に繋がる。
軸掴み部材12は、切欠部に対して閉位置になるときに切欠部へ向けてヒンジ軸の押し込み、かつ切欠部と共にヒンジ軸を挟持すると、ヒンジ軸の位置を正確に設定しかつガタツキをより確実に防止できることになる。
【0011】
軸掴み部材には、ヒンジ軸との当接を受けて開位置への移動力を生じさせるカム面を設けておくと、いちいち軸掴み部材を移動操作する必要が無くなり、扱いが一層便利になる。
すなわち、いま、本体部の切欠部が空であるものとして、軸掴み部材が切欠部に対する閉位置で停止しているとする。この状態で、切欠部へヒンジ軸を横嵌めする要領でヒンジ軸を押し込むようにすれば、ヒンジ軸は当然に、軸掴み部材において切欠部の正面を塞いでいる部分に当接干渉することになる。
【0012】
従って、軸掴み部材において、上記カム面は、この当接を受ける部分に形成するものであって、ヒンジ軸による当接力を受けたときに、この当接力を軸掴み部材に対する開位置への移動力として変換する傾斜を有したものとする。
本体部には、軸掴み部材が切欠部に対する閉位置で停止したときに、この軸掴み部材の開位置への移動通路へ突出可能になるストッパ部材が設けられている。
【0013】
すなわち、このストッパ部材を移動通路へ突出させることで、軸掴み部材を閉位置から開位置へ向けて移動させることができなくなり、その結果、ヒンジ軸の脱出、即ち、雌側部材と雄側部材との離反ができない状態になるため、これら雌側部材や雄側部材等を、いたずらや盗難等から守ることができることになる。
このようなストッパ部材は、この雌側部材と雄側部材とが重なった状態にあるとき(ドアが閉じられているようなとき)に、この雄側部材の陰に隠れるような位置付けにしておくのが好適である。
【0014】
すなわち、このような位置付けであれば、ストッパ部材は、雄側部材が邪魔となり操作できず、雌側部材における本体部の上記移動通路から退避させることができなくなるためである。結局、これによって上記防犯的効果を高めることができる。
軸掴み部材は、本体部の両側面を挟み込むコ字状断面に形成させておくことで、強度の向上が図れると共に、移動性において円滑性が得られるものとなる。
【0015】
本体部は、切欠部をドアの肉厚範囲内へ位置付け可能な構造として設けることも可能である。これにより、ドア全体をすっきりとした構成にできるものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
まず、図4乃至図6においてヒンジ装置1を概説する。
このヒンジ装置1は、図4に示すようにドア2の上端部に対応する位置に設けられるもの(Uタイプ)と、ドア2の下端部に対応する位置に設けられるもの(Lタイプ)とに大別される。
【0017】
そして、これら両タイプは、いずれも、ドア2へ取り付ける部材(d部材)とドア枠3へ取り付ける部材(f部材)との組み合わせによって構成されている。ここにおいて、これらd部材とf部材との組み合わせパターンは、図5及び図6に示すように、一方が、軸心を上下に向けたヒンジ軸5を具備した雄側部材であるとされる場合に、必ず他方が、このヒンジ軸5を嵌合可能な軸受部6を具備した雌側部材であるとされる。
【0018】
但し、これら図5及び図6から明らかなように、d部材を雄側部材又は雌側部材のいずれにするか、またf部材を雌側部材又は雄側部材のいずれにするかは、何ら限定されるものではなく、またUタイプとLタイプとをどのように組み合わせるかについても、何ら限定されるものではない。場合によっては、UタイプとLタイプとで同一のd部材及びf部材を用いることも可能である。
【0019】
このようなことから、本発明に係るヒンジ装置1の雌側部材は、上記したUタイプのd部材やf部材、Lタイプのd部材やf部材のうち、いずれとしても適用可能とされるものである。
図7は、Uタイプ(上側)のf部材を雌側部材、d部材を雄側部材とするヒンジ装置1(即ち、図5(a)に示すパターンである)と、Lタイプ(下側)のd部材を雌側部材、f部材を雄側部材とするヒンジ装置1(即ち、図6(b)に示すパターンである)とを用いて、ドア2をドア枠3へ取り付けた例を示している。
【0020】
この中で、Uタイプのf部材として、本発明に係る雌側部材10(第1実施形態)を適用している。なお、この雌側部材10の相手側とされる雄側部材は、ヒンジ軸5が、その軸芯まわりで回転自在とされているものを用いるのが好適とされている。
この第1実施形態の雌側部材10は、図1乃至図3に示すように、本体部11と、この本体部11に対して移動(摺動)自在に設けられた軸掴み部材12とを有している。この軸掴み部材12において、本体部11に対する移動方向は、ドア枠3に対してドア2が閉止状態にあるとき、そのドア2のドア面に平行する方向(以下、この方向を「左右方向」とする)とされている。
【0021】
本体部11は、板状に形成されたもので、ドア枠3等への取付孔14が設けられたベース板部11aと、このベース板部11aから斜め前方へ延び出た延出板部11bとを有している。
この延出板部11bには、前方側を開口させて雄側部材のヒンジ軸5を横嵌め可能にするU字状の切欠部15が設けられている。
【0022】
これに対し、軸掴み部材12も板状に形成されたもので、本体部11の延出板部11b上に重ねられるように設けられている。この軸掴み部材12の前端部には、本体部11に対する移動に伴い、切欠部15の開口部分を横断するように突き出したり、引き込んだりするシャッター片部18が側部突出状に設けられている。
【0023】
すなわち、このことを換言すれば、本体部11に対する軸掴み部材12の移動範囲は、上記シャッター片部18が、切欠部15内に嵌められたヒンジ軸5を脱出不能にする閉位置(切欠部15を完全なエンドレス孔にする必要はない)と、この切欠部15に対するヒンジ軸5の出し入れを可能なように開放する開位置との相互間とされている。
【0024】
このように、この雌側部材10において、本体部11の切欠部15と軸掴み部材12のシャッター片部18とにより、雄側部材のヒンジ軸5を嵌合するための孔を形成するものであって、この孔により軸受部6を構成させているものである。
なお、上記軸掴み部材12には、シャッター片部18の前縁部に沿って折曲状に立ち上がるように、指掛け片19が設けられている。
【0025】
本体部11に対し、軸掴み部材12を移動自在にするための具体的構造は、軸掴み部材12の板面にその長手方向を左右方向へ向けるようにしてガイド溝23を貫通形成させると共に、このガイド溝23に対して互いに所定間隔をおいた状態で2本の支軸24,25を差し込んで、これら支軸24,25を本体部11へネジ又は圧入等により固定するものとしてある。
【0026】
これら支軸24,25のうち、少なくとも一方(図例では両方とした)には、軸掴み部材12のガイド溝23に対してその開口縁部に対して当接可能となるように、鍔状に張り出した抜け止め片26が設けられている。
そのため、本体部11に対する軸掴み部材12の移動は、ガタツキなく円滑に行われるものとなり、且つ本体部11から軸掴み部材12が外れることも防止されたものとなっている。
【0027】
一方の支軸(図例では切欠部15に近い方の支軸25とした)には、抜け止め片26を超えて軸方向に突出するバネ掛け部28が設けられている。また、これと対を構成させるように、軸掴み部材12には、シャッター片部18の突出側とは反対側の端部寄りにバネ掛けピン29が突設されており、このバネ掛けピン29と、上記したバネ掛け部28付き支軸25のバネ掛け部28との間に、バネ30が引張状態で張り渡されている。
【0028】
従って、このバネ30は、バネ掛けピン29とバネ掛け部28付き支軸25とを相互近接させる向きにバネ力を発生させ、これによって軸掴み部材12は、常に、シャッター片部18を本体部11の切欠部15内へ突き出させる向き、即ち、切欠部15に対する閉位置(図2の状態)へ向けてバネ付勢されていることになる。
【0029】
ところで、軸掴み部材12のガイド溝23において、シャッター片部18寄りの溝端部には、鉤型に折れ曲がった係止部33(図2参照)が設けられ、反対寄りの溝端部には、斜めに傾いた首振り誘導部34(図1参照)が設けられている。
従って、軸掴み部材12を切欠部15に対する閉位置から開位置へ向けて移動させた場合には、バネ掛け部28付き支軸25に対して上記係止部33が嵌まり込み、係止状態となるため、軸掴み部材12は、切欠部15に対する開位置で停止した状態(図1の状態)を係止保持されることになる。
【0030】
そのため、この状況下において、切欠部15に対するヒンジ軸5の出し入れを容易にできる(1人の作業者でもできる)という利点がある。
なお、この状態から軸掴み部材12を元の閉位置へ戻すには、指掛け片19を奥方へ押し込むように軽く押すだけでよい。
一方、軸掴み部材12を、切欠部15に対する開位置から閉位置へ向けて移動させた場合には、この閉位置に到達するときに、支軸24に対して上記首振り誘導部34が摺接案内され、その結果、軸掴み部材12は、シャッター片部18を切欠部15の径方向内方へ向かわせるように首振りを行う。すなわち、これに伴い、切欠部15の内径(軸受部6としての内径)が縮径されることになるので、この軸受部6としてヒンジ軸5が嵌め込まれた状態であれば、ヒンジ軸5の掴みが強められ、ガタツキの無い状態に保持されることになる。
【0031】
本体部11には、軸掴み部材12が切欠部15に対する閉位置にあるとき(図2及び図3参照)に、この軸掴み部材12を開位置へ移動させるための移動通路内へ突出可能になるストッパ部材36が設けられている。
このストッパ部材36には、ボルトを用いてあり、本体部11に対してその下面側から螺合させたものとしてある。
【0032】
従って、このストッパ部材36を締め込むことで移動通路へ突出させることができ、この突出により、軸掴み部材12を閉位置から開位置へ向けて移動させることができなくなるので、その結果、ヒンジ軸5の脱出、即ち、雌側部材10から雄側部材を離反させることができない状態となる。これにより、雌側部材10や雄側部材、ひいてはドア2自体を、いたずらや盗難等から守ることができることになる。
【0033】
このストッパ部材36は、この雌側部材10と雄側部材とが重なった状態、即ち、ドア2を閉じているときには、雄側部材の陰に隠れる位置付けになっている。従って、このストッパ部材36は、本体部11の上記移動通路から退避させることができないものとなっている。そのため、上記したような防犯的効果を、より一層高めることができることになる。
【0034】
このような構成の雌側部材10において、雄側部材を組み付けるには、まず、ストッパ部材36を緩めて軸掴み部材12の移動通路から退避させておき、軸掴み部材12の指掛け片19に指を掛け、これを開位置方向へ向けて移動させる。この移動を、ガイド溝23の長さ一杯に行えば、自ずと、ガイド溝23の係止部33と支軸25とが係合し、これによって軸掴み部材12の開位置での停止状態が係止保持されることになる。
【0035】
そこで、本体部11において開放状態とされた切欠部15内へ雄側部材のヒンジ軸5を横嵌め状に嵌め込む。そして、軸掴み部材12の指掛け片19を軽く奥方へ押し込むようにするだけで、ガイド溝23の係止部33と支軸25との係合が外れ、軸掴み部材12がバネ30のバネ力によって元の閉位置へ戻るため、軸受部6に対するヒンジ軸5の嵌合、即ち、雌部材10に対する雄側部材の組み付けが行えるものである。
【0036】
この状態で、ストッパ部材36を締め込んで、本体部11に対する軸掴み部材12の開移動を阻止する状態とさせればよい。
また、雌側部材10から雄側部材を外す場合は、上記したのと略逆の手順で操作を行えばよい。
図8は、本発明に係る雌側部材10の第2実施形態を示している。
【0037】
この第2実施形態において、第1実施形態と異なるところは、軸掴み部材12が本体部11の表裏両面を挟み込むように、コ字状断面を有して形成されている点と、軸掴み部材12のシャッター片部18に対してその前面側にカム面40が設けられている点とにある。
軸掴み部材12がコ字状断面を有していることは、強度アップと、移動性の円滑化を図ったものである。
【0038】
また、シャッター片部18に設けたカム面40は、軸掴み部材12が切欠部15に対する閉位置で停止している状態にあって、且つ切欠部15が空(ヒンジ軸5が嵌まっていない状態)にあるときに、この切欠部15へヒンジ軸5を押し込むようにしたときに、このヒンジ軸5との当接力を受けて軸掴み部材12を開位置へ移動させるべく、力の向きを変換させるようになっている。
【0039】
そのため、このカム面40は、前後方向(ヒンジ軸5の押込み方向)に対して約45°の傾斜面となっている。
このようなことから、雌側部材10に対する雄側部材の組み付け時において、いちいち軸掴み部材12を移動操作する必要が無くなり、扱いが一層便利になっている。
【0040】
図9は、本発明に係る雌側部材10の第3実施形態を示している。
この第3実施形態では、軸掴み部材12は一枚ものとして形成されており、ガイド溝23において係止部33や首振り誘導部34は設けられていないものとされている。すなわち、全体として構造の簡潔化が図ってある。
ただ、軸掴み部材12において、シャッター片部18にはカム面40を設けてあるし、またシャッター片部18とは反対側へ向けて補助的な指掛け片42を設けている等、使用上の利便はある程度図ってある。
【0041】
図10は、本発明に係る雌側部材10の第4実施形態を示している。
この第4実施形態は、上記第3実施形態(図9参照)の軸掴み部材12をコ字状断面に形成させたものである。
図11は、本発明に係る雌側部材10の第5実施形態を示している。
この第5実施形態は、構造の徹底した簡潔化を図ったもので、ガイド溝23を形成させた軸掴み部材12を、1本の支軸24により、本体部11に対して移動自在に止め付けただけのものである。このようなものでも、雄側部材との着脱を簡単且つ迅速化するという、本発明の基本原理は十分に具備しており、比較的軽量の開閉体の取付部分等において好適に使用可能である。
【0042】
図12は、本発明に係る雌側部材10の第6実施形態を示している。
この第6実施形態では、本体部11において、ベース板部11aからの延出板部11bの延び出し量を抑えて、切欠部15がドア2の肉厚範囲内へ位置付けられるようにしたものである。
この場合、ドア枠3の上框3aには、この雌側部材10を取り付けるための収納凹部45が形成されており、またこの収納凹部45は、軸掴み部材12の移動操作、及び雄側部材のヒンジ軸5との着脱を可能にすべく、下方及び前方へ開口したものとされている。そして、ヒンジ軸5の組付け後には、ヒンジ軸5に対する逃げ用切欠47を具備したカバー48をドア枠3の上框3aへ取り付けて、収納凹部45の各開口を塞ぐようにしてある。
【0043】
ところで、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、その細部の構造や部材形状等は、実施の態様に応じて適宜変更可能なものである。
また、本発明に係る雌側部材10を具備するヒンジ装置1として、その取付対象とされるドア2についても、出入口用とされるものに限らず、窓用、戸棚用等の各種のものに適用可能である。
【0044】
さらに、前記軸掴み部材12を首振りさせる方法としては、ガイド溝23に傾斜部を形成するのが最も確実であるが、他の方法を用いてもよく、シャッタ片部18の切欠部15側の面を傾斜面にしておいて、閉位置になるときにシャッタ片部18でヒンジ軸5を切欠部15に押し込んでかつ切欠部15と共に挟持できればよい。
【0045】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係るヒンジ装置の雌側部材は、雄側部材のヒンジ軸を横嵌め可能にする切欠部が設けられた本体部と、この本体部に対して移動自在に設けられた軸掴み部材とを有し、この軸掴み部材が、本体部の切欠部を開放する開位置と、この切欠部内に嵌められたヒンジ軸を脱出不能にする閉位置との間を摺動自在になったものである。
【0046】
そのため、本体部に対して軸掴み部材を開位置と閉位置との間で摺動させるだけで切欠部に対するヒンジ軸の着脱、即ち、ヒンジ軸を具備した雄側部材との組み付け及び取り外しが極めて簡単且つ迅速に行えるものである。
しかも、本体部と軸掴み部材とを具備するだけであり、従来のものに比べて、構造的な簡潔化、軽量化、低コスト化等が飛躍的に図れるものである。
【0047】
軸掴み部材を閉位置へバネ付勢させる構造とすれば、閉位置へ向けた移動操作の不要化、及びヒンジ軸の嵌め付け後の脱出防止やガタツキ防止等が図れる等の利点がある。
このとき、軸掴み部材は、開位置で係止保持可能な構造とすれば、ヒンジ軸の着脱を容易化できる(一人の作業者でもできる)等の利点に繋がる。
【0048】
軸掴み部材は、閉位置で切欠部内方へ首振りする構造とすれば、切欠部に嵌められたヒンジ軸のガタツキを防止できる利点に繋がる。
軸掴み部材は、切欠部に対して閉位置になるときに切欠部へ向けてヒンジ軸の押し込み、かつ切欠部と共にヒンジ軸を挟持する構造とすれば、ヒンジ軸の位置を正確に設定しかつガタツキをより確実に防止できる利点に繋がる。
【0049】
軸掴み部材に対し、これが閉位置にあるときにヒンジ軸の押し込むだけで開位置へ移動可能とするカム面を設けておけば、開位置への移動操作をも不要化でき、一層便利になる。
本体部に対し、軸掴み部材を開位置から閉位置へ移動不能にできるストッパ部材を設けておけば、雌側部材や雄側部材、ひいてはドア等において、いたずらや盗難等から守ることができることになる。
【0050】
ストッパ部材は、雌側部材と雄側部材との重なり状態で操作不能になる位置付けとすることで、上記防犯的効果を一層高められる。
軸掴み部材をコ字状断面にすれば、強度の向上や移動性の円滑化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る雌側部材の第1実施形態においてヒンジ軸の嵌め込み前の状態を示す平面図である。
【図2】本発明に係る雌側部材の第1実施形態においてヒンジ軸の嵌め込み状況を示す平面図である。
【図3】図2のA−A線矢視図である。
【図4】ヒンジ装置を用いてドアをドア枠に取り付けた状況を示す正面図である。
【図5】ヒンジ装置において適用されるドア用部材及びドア枠用部材と雄側部材及び雌側部材との各種の相関関係を、ドア上部側について説明した模式図である。
【図6】ヒンジ装置において適用されるドア用部材及びドア枠用部材と雄側部材及び雌側部材との各種の相関関係を、ドア下部側について説明した模式図である。
【図7】本発明に係る雌側部材の第1実施形態における使用例を示す中間省略斜視図である。
【図8】本発明に係る雌側部材の第2実施形態を示す斜視図である。
【図9】本発明に係る雌側部材の第3実施形態を示す斜視図である。
【図10】本発明に係る雌側部材の第4実施形態を示す斜視図である。
【図11】本発明に係る雌側部材の第5実施形態を示す斜視図である。
【図12】本発明に係る雌側部材の第6実施形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ヒンジ装置
2 ドア
3 ドア枠
5 ヒンジ軸
6 軸受部
10 雌側部材
15 切欠部
11 本体部
12 軸掴み部材
18 シャッター片部
23 ガイド溝
24 支軸
25 支軸
30 バネ
33 係止部
34 首振り誘導部
36 ストッパ部材
40 カム面
Claims (4)
- ヒンジ軸(5)を具備した雄側部材との組み合わせでヒンジ装置(1)を構成する雌側部材において、ヒンジ軸(5)を横嵌め可能にする切欠部(15)が設けられた本体部(11)と、該本体部(11)に対して上記切欠部(15)を開放する開位置と、該切欠部(15)内に嵌められたヒンジ軸(5)を脱出不能にする切欠部を塞ぐ位置との間を移動する軸掴み部材(12)とを有し、軸掴み部材(12)にはドア面に略平行方向のガイド溝(23)を設け、本体部(11)に2本の支軸を設け、2本の支軸によってガイド溝(23)を有する軸掴み部材(12)が常に規制されて移動するように2本の支軸をガイド溝(23)に同時に挿入して両者を組み付け、2本の支軸が共にガイド溝(23)のドア面に平行な部分に位置する範囲内においては軸掴み部材(12)を直線移動のみ可能な状態で規制し、バネ(30)をどちらか片方の支軸と軸掴み部材(12)に装着して常に軸掴み部材(12)が切欠部(15)に被さって切欠部(15)を塞ぐ位置に付勢されるように配置し、さらに軸掴み部材(12)に該ヒンジ軸(5)による当接力を開位置方向への移動力に変換するカム面(40)とヒンジ軸(5)を抱き込むためのシャッター片部(18)を設けたことを特徴とするヒンジ装置の雌側部材。
- 前記軸掴み部材(12)のガイド溝(23)の片端部に鉤型に折れ曲がった係止部(33)を設け、軸掴み部材(12)をバネ力に逆らって最も切欠部(15)から離れた位置まで移動し、さらに手前に引く動作により片方の支軸が係止部(33)に挿入され、その位置にて係止保持可能としたことを特徴とする請求項1に記載のヒンジ装置の雌側部材。
- 前記軸掴み部材(12)のガイド溝(23)の他端部に傾斜面からなる首振り誘導部(34)を設け、閉位置に向けて軸掴み部材(12)が移動する最終段階で、首振り動作によりシャッター片部(18)を切欠部(15)の径方向内方に向かわせる動作を得、その結果切欠部(15)とシャッター片部(18)の空間が縮径されることにより、ヒンジ軸(5)の掴みが強められることを特徴とする請求項1または2に記載のヒンジ装置の雌側部材。
- 本体部(11)にストッパ部材(36)を出没自在に装着し、軸掴み部材(12)が切欠部(15)に対する閉位置で停止した状態で軸掴み部材(12)の移動通路側にストッパ部材(36)を突出させて戻る動作を阻止し、さらにストッパ部材(36)は雄側部材の本体部と雌側部材の本体部の間に配置されており、扉が閉じた状態では外部からストッパ部材(36)の出没操作ができないように構成したことを特徴とする請求項1及至3いずれか1項に記載のヒンジ装置の雌側部材。
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