JP4212530B2 - 逆打ち工法におけるコンクリートの打継方法 - Google Patents
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Description
特許文献1には逆打ち工法における打継部の隙間の処理方法が開示されている。
これを図11〜図13を基に説明すると、この方法は、先打ちコンクリート1aの下面と後打ちコンクリート1bとの上面の間に、仕切板2を設けて打継部をブロックに分割し、予め先打ちコンクリート1aの下面に取り付けた逆止弁機能付きの注入ホース3を通じてブロック単位で打継部の隙間に注入材を効率よく注入するものである。
仕切板2は断面形状がT字形やL字形を呈し、その全長がコンクリート躯体の幅厚と等しい長さを有するもので、先打ちコンクリート1aの下面に予め取り付けてある。尚、図中符号4は山留め壁、5は地山である。
(1)図13に示すように先打ちコンクリート1aと後打ちコンクリート1bの打継部における隙間6の発生の有無や発生量、および仕切板2による仕切り状況を確認する好適な手段がない。
そのため、両コンクリート1a,1bの打継部に、仕切板2の高さを越える大きさの隙間6があると仕切り機能を喪失する。その結果、図11に矢印で示すように、注入材が仕切板2を越えて隣のブロックへ逃げ出てしまう。
このように仕切板2を設置していながら、ブロック毎に確実な注入ができないことから、打継部における耐久性と防水性に対する信頼性が低いものとなる。
(2)仕切板2の仕切り機能を高める手段として、仕切板の高さを高くする方法が考えられるが、仕切板2の高さを高くするほどコンクリート躯体の分断量が増して強度面で悪影響を及ぼすという不具合がある。
(3)仕切板2はコンクリートに付着して撤去が困難であることから埋め殺しにしている。
仕切板2の使い捨ては単に不経済なだけでなく、コンクリート躯体の断面欠損を放置することになり強度面で悪影響を及ぼす。
(4)予め組み付けた逆止弁機能付きの注入ホース3を通じて隙間6を解消しているが、逆止弁機能付きの注入ホース3の時間単位当たりの注入性能はそれほど高くないため、隙間6が大きい場合は注入に長時間を要する。
(1)先打ちコンクリートと後打ちコンクリートの打継部において、確実に区画できて耐久性と防水性に対する信頼性の向上が図れること。
(2)コンクリート躯体の分断を解消すると共に、断面欠損の発生も回避できること。
(3)経済的に施工できること。
(4)打継部に大きな隙間が発生している場合、効率よく短時間に注入材を注入できること。
本願の第二発明は、前記した第一の発明において、コンクリート打継部に形成した注入路を利用入してコンクリート打継部の状況を確認した後に、前記注入路に注入材を充填して仕切材を形成することを特徴とするものである。
本願の第三発明は、前記した第一または第二の発明において、注入ホースの敷設長より広い間隔を隔てて拡縮成形体を配置して注入路と仕切材を形成することを特徴とするものである。
本願の第四発明は、前記した第一乃至第三の何れかの発明において、拡縮成形体が断面方向にその形状を膨張及び収縮可能に構成されていることを特徴とするものである。
(1)注入路を利用して仕切材を形成できるので、先打ちコンクリートと後打ちコンクリートの打継部の間を確実に仕切ることができる。
そのため、注入材の漏出を回避しながら注入ホースによる注入を確実に行うことができ、打継部の耐久性と防水性に対する信頼性が向上する。
(2)拡縮成形体は撤去するので打継部に拡縮成形体が残ることがない。
注入路は注入材を充填して閉鎖するのでコンクリート躯体の分断の問題や断面欠損の問題も解消できる。
(3)注入路を利用することによりコンクリート打継部の状況を正確に把握して、注入材の充填に役立たせることができ、経済的な施工が可能となる。
(4)打継部に大きな隙間が発生している場合でも、注入ホースではなく、注入路を通じてこの隙間に注入材を効率よく短時間で注入できる。
(5)撤去した拡縮成形体は繰り返し再使用(転用)が可能であるため、資材の無駄を省いて経済的である。
まず施工に使用する主要な機材について説明する。
<1>注入ホース
注入ホース3は逆流防止機能を具備した公知の注入管で、図1に示すように先打ちコンクリート1aと後打ちコンクリート1bの打継部に介装される。
注入ホース3は上記したものに限定されず、例えば逆止弁機構は公知の各種機構を適用でき、また吐出方向は全方向に吐出する他に特定方向に吐出する形態も適用できる等、公知の注入機材を適用することができることは勿論である。
拡縮成形体50は図1に示すように先打ちコンクリート1aの下面の打継面に配置し、後打ちコンクリート1bの躯体に注入路11を成形するための型材であり、少なくとも断面(径)方向に向けて拡縮可能に構成してある。
また拡縮成形体50の拡張時の断面形状は、円形に限定されるものではなく、楕円形や角形であってもよく、断面形状に制約を受けない。
また拡縮成形体50のその全長は後打ちコンクリート1bの幅厚以上であることが望ましいが、カバー等の補助資材を併用すればその全長は後打ちコンクリート1bの幅厚より小さくてもよい。
つぎに逆打ち工法における打継部の処理方法について説明する。
型枠工と配筋工を行い、コンクリートを打設して先打ちコンクリート1aを構築する。
コンクリートの養生後に型枠を撤去する。
先打ちコンクリート1aの下面の打継面に、図6に示すような定着クリップ37を介して注入ホース3を設置する。両端の延長管36を内側へ出しておく。
また、先打ちコンクリート1aの下面の打継面に横断溝を形成し、この横断溝内に注入ホース3を配置する場合もある。
拡縮成形体50の設置間隔は、少なくとも注入ホース3の敷設長より広くする。
先打ちコンクリート1aと同様に、型枠工と配筋工を行う。
拡縮成形体50は所定の大きさに膨張させておき、そし図8に示すように先打ちコンクリート1aの下面に接するまでコンクリートを打設して後打ちコンクリート1bを構築する。
拡縮成形体50の外形はコンクリートの打設圧力によって変形しない。
先打ちコンクリート1aと後打ちコンクリート1bの打継部に、横断方向に配置した棒状の拡縮成形体50を残置したまま養生する。
尚、先打ちコンクリート1aと後打ちコンクリート1bを構築する際に、必要に応じて型枠にエア抜き管を取り付ける。
後打ちコンクリート1bの強度がある程度発現してきたら、図9に示すように流体を抜く等の収縮操作を行って拡縮成形体50をコンクリートから剥離して撤去し、拡縮成形体50の撤去跡に注入路11をする。
回収した拡縮成形体50は再使用に供する。
尚、拡縮成形体50の外周面を予め剥離性のコーティングやシート等で被覆しておくと、コンクリートとの縁切りを容易にすることができる。
ブリージングや自己沈下、施工不良等の理由により、両コンクリート1a,1bの打継部に隙間が生じる。
これまでは、打継部の躯体幅が厚くなるほど隙間の奥が見え難く、隙間の発生程度や位置等の状況を確認することが極めて困難であった。
状況確認は目視により行ってもよいが、注入路11内にファイバースコープ等のカメラを差し込んで見れば、隙間の発生量や発生程度を正確に確認できる。
つぎに図1に示すように、注入路11内に注入材を充填して仕切材12を形成する。
本発明では、図10に拡大して示すように、打継部に発生する隙間が拡縮成形体50の拡張時の高さを超えた大きさであっても、注入路11に注入材を充填することによって、拡縮成形体50の拡張時の高さを超えた範囲にも注入材を充填できるので、注入ホース3の設置した両側を仕切材12,12で仕切ってブロック化することができる。
これに対して本発明では、注入路11内に注入材を充填して仕切材12を形成するときに、このような大きな間隙を解消しておくことができる。
すなわち、注入路11の容積は既知であり、またの近くの隙間量は注入路11を利用して確認済であるから、注入路11の入口側からこれらの既知の量の注入材を充填することで、注入路11と近くの隙間に注入材を無駄なく経済的に充填することができる。
また通常、注入材には高価な無収縮性の樹脂やセメント系固結材が用いられるが、注入路11と周辺の隙間の充填に安価で一定品質以上の固結材を使用すると経済的である。
先打ちコンクリート1aと後打ちコンクリート1bの打継部に介在させた注入ホース3の一方から所定の注入材を注入して、打継部へ圧入する。
このとき、注入ホース3の他端に圧力計や開閉弁を設けておき、注入材の注入圧力を管理して好適な圧力で注入する。
注入材としては、例えばエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、セメント系スラリー等が使用可能である。
このようにブロック毎に確実な注入をすることができることから、両コンクリート1a,1bの打継部における耐久性と防水性に対する信頼性が著しく向上する。
そして、一次注入した注入材が硬化した後、再度注入材の二次注入を行う場合もある。この再注入工程は防水の必要性に応じて繰り返すこととし、その都度、注入ホース3内を洗浄して次注入に備える。
注入材を打継部に十分に注入した後、注入ホース3の両端を切断し、公知のシール材によって埋没処理する。
以上の各工程を各ブロック毎に行って、両コンクリート1a,1bの打継部の空隙処理を行うと共に、両コンクリート1a,1bの一体化を図る。
以上は拡縮成形体50が棒状を呈する場合について説明したが、中心部に孔を有するドーナツ形(竹輪形)であっても、同様に注入路11を形成することができる。
中心部に孔を有する拡縮成形体50使用した場合は、後打ちコンクリート1bの構築時に拡縮成形体50をエア抜き管と兼用して活用できる利点がある。
1b・・・後打ちコンクリート
11・・・注入路
12・・・仕切材
2・・・・仕切板
3・・・・注入ホース
4・・・・山留壁
5・・・・地山
50・・・拡縮成形体
Claims (4)
- コンクリート打継部に注入ホースを設置し、該注入ホースを介して打継部に注入材を注入する、逆打ち工法におけるコンクリートの打継方法であって、
コンクリート躯体の幅厚方向に向けた複数の拡縮成形体を、先打ちコンクリートの打継面に間隔を隔てて設置し、
前記拡縮成形体を埋没させて後打ちコンクリートを構築し、
前記拡縮成形体を撤去してコンクリート打継部に注入路を形成し、
前記注入路に注入材を充填して仕切材を形成し、
前記仕切材でコンクリート打継部をブロック化した区画内で、注入ホースを介して打継部に注入材を注入することを特徴とする、
逆打ち工法におけるコンクリートの打継方法。 - 請求項1において、コンクリート打継部に形成した注入路を利用してコンクリート打継部の状況を確認した後に、前記注入路に注入材を充填して仕切材を形成することを特徴とする、逆打ち工法におけるコンクリートの打継方法。
- 請求項1又は請求項2において、注入ホースの敷設長より広い間隔を隔てて拡縮成形体を配置して注入路と仕切材を形成することを特徴とする、逆打ち工法におけるコンクリートの打継方法。
- 請求項1乃至請求項3の何れかにおいて、拡縮成形体が断面方向にその形状を膨張及び収縮可能に構成されていることを特徴とする、逆打ち工法におけるコンクリートの打継方法。
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