JP4724069B2 - 可撓性継手の取付施工方法 - Google Patents

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本発明は、長尺帯状の可撓性継手を一対のコンクリート構造体間に取り付けるための可撓性継手の取付施工方法に関する。
従来から、シードトンネルやボックスカルバート等のコンクリート構造体同士の連結部では、地盤の不等沈下や地震等により発生するコンクリート構造体間の相対変位を許容しつつ、地下水等がコンクリート構造体の内部に侵入し、あるいはコンクリート構造体の内部から流出することを防止するための可撓性継手が使用されている。
上記のような可撓性継手としては、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。この特許文献1に記載された可撓性継手は、全体として長尺帯状に形成されており、長手方向に沿って貫通部を有する筒状の中央部と、この中央部の両端部に径方向外側へ延出するように一体的に形成された一対の翼部とを備えている。この可撓性継手は、中央部が隣接する一対のコンクリート構造体間の打継目に沿って配置されると共に、一対の翼部が隣接する一対のコンクリート構造体内へそれぞれ埋設される。これにより、互いに隣接する一対のコンクリート構造体の打継目が可撓性継手により閉塞されて、液密状態となるようにシールされる。また可撓性継手の中央部には、その厚さ方向沿って相対向する位置する第1の壁部及び第2の壁部が形成されており、この第1の壁部は可撓性継手の幅方向に沿ってジャバラ状に形成されている。これにより、一対のコンクリート構造体が地震、地盤の不等沈下等により相対変位した場合にも、ジャバラ状の第1の壁部が伸縮することにより、可撓性継手の破断が防止されて液密性が確実に維持される。
また上記のような用途に用いられる可撓性継手には、コンクリート構造体への取付施工を容易にすることを目的とし、コンクリート構造体の表面部分へ配置されるものもある。このような可撓性継手は、例えば、樹脂、ゴム等の弾性材料により長尺帯状に形成されており、その長手直角方向に沿った両端部には、それぞれコンクリート構造体内へ埋設固定されるアンカ部が形成されている。この可撓性継手をコンクリート構造体へ取り付ける際には、コンクリートを型枠内へ流し込む際に、可撓性継手を一対のコンクリート構造体の打継目に沿ってコンクリート構造体の表面上に配置すると共に、一対のアンカ部をそれぞれ一対のコンクリート構造体内へ埋設した状態とする。これにより、可撓性継手の長手直角方向に沿った両端部がそれぞれ一対のコンクリート構造体内へ埋設固定された状態となり、一対のコンクリート構造体間の打継目が可撓性継手により液密状態となるようにシールされる。
ところで、上記のようなコンクリート構造体の表面に配置される可撓性継手を用いた場合に、コンクリート構造体の頂面部と可撓性継手との間に隙間(空気溜り)が生じてシール性を低下させることがある。このような空気溜りが形成される原因としては、可撓性継手を硬化前のコンクリート構造体上へ載置する際に、可撓性継手における一対のアンカ部の内側へ存在する空気がコンクリート構造体の表面との間に封入されてしまうこと、コンクリートが硬化する際に退け(体積収縮)が生じてコンクリート構造体の表面が平面状から凹状に変形すること、コンクリートが硬化する際にコンクリート中からコンクリート構造体の表面へ水分が滲み出て可撓性継手に水圧が作用することなどが挙げられる。
上記のような原因によりコンクリート構造体の頂面部と可撓性継手との間に空気溜りが生じることを防止するため、従来、型枠内へコンクリートを流し込みコンクリート構造体を成形する際に、予め型枠にU字状に湾曲した複数本のパイプをそれぞれ固定しておき、このパイプの一端部をコンクリート構造体の表面と可撓性継手の裏面との間に挿入すると共に、パイプの他端部をコンクリート構造体の内部から外側へ突出させることが行われている。これにより、コンクリート構造体の打設時に、パイプを通してコンクリート構造体と可撓性継手との間から円滑に空気及び水分が抜けるので、ここに空気溜りが形成されることを効果的に防止できる。
特開平9−177108号公報
しかしながら、上記のようなパイプを用いて空気溜りの形成を防止した場合には、型枠に複数本のパイプを固定する準備作業が必要となり、さらにコンクリート構造体の打設完了後に、パイプを通して打継目へ水が浸入することを防止するため、パイプ他端部に樹脂、ゴム等を充填して閉塞すると共に、パイプにおけるコンクリート構造体の表面から突出部分を切り落とす後処理作業が必要となり、このような準備作業及び後処理作業が煩瑣であるという問題がある。
本発明の目的は、上記事実を考慮して、打設完了後にコンクリート構造体の表面と可撓性継手との間に空気溜りが形成されることを効果的に防止できる可撓性継手の取付施工方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る可撓性継手の取付施工方法は、長尺帯状の可撓性継手における長手直角方向に沿った両端側を、隣接する一対のコンクリート構造体にそれぞれ埋設固定するための可撓性継手の取付施工方法であって、型枠内へ流し込まれてコンクリート構造体を形成するコンクリートを打ち込む前に、可撓性継手を一対のコンクリート構造体間の打継目に沿って配置する位置決め工程と、前記位置決め工程で一対のコンクリート構造体間の打継目に沿って配置される可撓性継手の長手方向に沿った一部を、コンクリート構造体の表面から離間する方向へ弾性変形させ、可撓性継手の両端側にそれぞれ設けられたアンカ部の長手方向に沿った一部を、それぞれ一対のコンクリート構造体の表面から離間させつつ、アンカ部の残りの部分をコンクリート構造体内へ埋設する初期インサート工程と、前記初期インサート工程の完了後に、硬化前のコンクリート構造体を所定の時間に亘って静置する静置工程と、前記静置工程の完了後に、可撓性継手の長手方向に沿った一部を復元させて、可撓性継手におけるアンカ部の長手方向に沿った一部を硬化前のコンクリート構造体内へ埋設する後期インサート工程と、を有することを特徴とする。
上記請求項1に係る可撓性継手の取付施工方法では、位置決め工程で一対のコンクリート構造体間の打継目に沿って配置される可撓性継手の長手方向に沿った一部を、コンクリート構造体の表面から離間する方向へ弾性変形させ、可撓性継手の両端側にそれぞれ設けられたアンカ部の長手方向に沿った一部を、それぞれ一対のコンクリート構造体の表面から離間させつつ、アンカ部の残りの部分をコンクリート構造体内へ埋設する初期インサート工程を経ることにより、可撓性継手を一対のコンクリート構造体間の打継目に沿って配置する際に、コンクリート構造体を形成する硬化前のコンクリートの表面と可撓性継手と間に介在する空気を、アンカ部のコンクリート構造体の表面から離間した部分(離間部)から効率的に排出できる。
また請求項1に係る可撓性継手の取付施工方法では、初期インサート工程の完了後に、硬化前のコンクリート構造体を所定の時間に亘って静置する静置工程を経ることにより、コンクリート構造体を形成するコンクリートの硬化過程でコンクリート(コンクリート構造体)中から水分が滲み出しても、この水分をアンカ部のコンクリート構造体の表面から離間した部分(離間部)を通して可撓性継手とコンクリート構造体との間から排出できる。
また請求項1に係る可撓性継手の取付施工方法では、静置工程の完了後に、可撓性継手の長手方向に沿った一部を復元させて、可撓性継手におけるアンカ部の長手方向に沿った一部を硬化前のコンクリート構造体内へ埋設する後期インサート工程を経ることにより、コンクリートの硬化過程でコンクリート(コンクリート構造体)に凝固収縮(ブリージング)が生じ、型枠内へコンクリートを流し込んだ直後と比較し、ブリージングの影響によりコンクリート構造体の表面が凹状に変形しても、コンクリート構造体の表面に可撓性継手の裏面側を密着させることができる。
この結果、請求項1に係る可撓性継手の取付施工方法によれば、コンクリート構造体の表面と可撓性継手との間に介在する空気が排出され、かつコンクリート構造体の表面へ滲み出した水分が可撓性継手との間から排出された状態で、可撓性継手の裏面両端部をそれぞれ一対のコンクリート構造体の表面へ密着させると共に、可撓性継手における一対のアンカ部をそれぞれ一対のコンクリート構造体内へ埋設できるので、打設完了後にコンクリート構造体の表面と可撓性継手との間に空気溜りが形成されることを効果的に防止できる。
また請求項2に係る可撓性継手の取付施工方法は、請求項1記載の可撓性継手の取付施工方法において、前記静置工程では、前記初期インサート工程の完了後に、硬化前のコンクリート構造体を1時間以上の静置時間に亘って静置することを特徴とする。
また請求項3に係る可撓性継手の取付施工方法は、請求項1又は2記載の可撓性継手の取付施工方法において、前記初期インサート工程では、可撓性継手におけるコンクリート構造体の頂面上に配置される部分に、アンカ部の長手方向に沿った一部がコンクリート構造体の表面からアンカ部が離間する離間部を設けることを特徴とする。
また請求項4に係る可撓性継手の取付施工方法は、請求項3記載の可撓性継手の取付施工方法において、前記初期インサート工程では、可撓性継手の長手方向に沿って所定の間隔毎に前記離間部を設けることを特徴とする。
また請求項5に係る可撓性継手の取付施工方法は、請求項4記載の可撓性継手の取付施工方法において、前記初期インサート工程では、可撓性継手の長手方向に沿って3m以下の間隔毎に前記離間部を設けることを特徴とする。
以上説明したように本発明に係る可撓性継手の取付施工方法によれば、打設完了後にコンクリート構造体の表面と可撓性継手との間に空気溜りが形成されることを効果的に防止できる。
以下、本発明の実施形態に係る可撓性継手の取付施工方法を図面に基づいて説明する。
(コンクリート構造体及び可撓性継手の構成)
図1には本発明の実施形態に係る可撓性継手の取付施工方法が適用されるコンクリート構造体が示され、図2には本発明の実施形態に係る可撓性継手が示されている。図1に示されるように、コンクリート構造体10は略矩形断面を有する筒状に形成されている。コンクリート構造体10の頂板部12には、中央部分に外部へ連通するダクト部14が全長に亘って形成されている。コンクリート構造体10は、例えば、地中に埋設された状態で複数個が直列的に連結されることにより、その内側に形成される細長い空間が道路等の設置スペースとして利用される。
複数個のコンクリート構造体10は、内部空間の連通方向(矢印P方向)に沿って配列されており、互いに隣接するコンクリート構造体10の側端面同士が所定の間隔を有する隙間である打継目G(図3参照)を空けて正対するように配置されている。打継目Gは、温度変化等に伴うコンクリート構造体10の膨張や、不等沈下、地震等によるコンクリート構造体10間の相対変位が吸収する。このようなコンクリート構造体10は、例えば、地面を掘り下げて形成された凹状のピット内に型枠(図示省略)を組み立て、この型枠内にコンクリートを流し込み、コンクリートの硬化完了後に型枠を分解、除去することにより成形される。
図1に示されるように、隣接する一対のコンクリート構造体10は、可撓性継手16により液密状態となるように連結される。可撓性継手16は細長い帯状に形成されており、隣接する一対のコンクリート構造体10を連結すると共に、打継目Gをコンクリート構造体10の表面側から閉塞する。
図2に示されるように、可撓性継手16には、長手直角方向に沿った中央部に中空筒状のバルブ部18が形成されると共に、このバルブ部18の両端部から外側へそれぞれ延出する一対のプレート部22が一体的に形成されている。バルブ部18には、その内部に可撓性継手16の長手方向へ貫通する中空部20が形成されている。バルブ部18の断面形状は、その幅が基端側から先端側へ向ってテーパ状に狭くなるような略台形状とされおり、可撓性継手16の中央部から厚さ方向に沿って突出している。
プレート部22には、その裏面側における外側寄りの部位に厚さ方向に沿って突出するアンカ部24が一体的に形成されている。アンカ部24は断面形状が略I字状に形成されており、基端側に対して先端側の幅が広くなっている。
図3に示されるように、可撓性継手16には、プレート部22の裏面側における外側よりの領域に厚さが略一定のシール材26が貼り付けられている。このシール材26は、柔軟性及び密着性に富んだ未加硫状態のブチルゴムにより形成されている。可撓性継手16は、表面側がコンクリート構造体10の表面と略同一面上に位置するように、コンクリート構造体10の表層部に埋設される。このとき、可撓性継手16は、バルブ部18の幅方向中央が打継目Gの幅方向中央と略一致するように位置決めされる。これにより、バルブ部18が打継目Gを介して一対のコンクリート構造体10に跨るように埋設され、バルブ部18により打継目Gが外側から閉塞される。
アンカ部24はコンクリート構造体10の内部に埋設された状態となり、プレート部22をコンクリート構造体10に連結固定する。このとき、プレート部22の裏面側に貼り付けられたシール材26がコンクリート構造体10の表面に密着することにより、このシール材26によりプレート部22の裏面側とコンクリート構造体10の表面との間が液密状態となるようにシールされる。
上記のように構成された可撓性継手16を一対のコンクリート構造体10間に取り付けることにより、コンクリート構造体10の外部から打継目G内へ水が浸入することや、打継目G内からコンクリート構造体10の外部への水の漏洩することを効果的に防止できる。
また可撓性継手16では、打継目Gを閉塞すると共に一対のコンクリート構造体10に跨るように配置されるバルブ部18が中空筒状に形成されていることから、一対のコンクリート構造体10が連通方向及び厚さ方向に沿って相対変位した場合でも、この変位に追従するようにバルブ部18が容易に変形できるので、可撓性継手16の損傷が防止され、高いシール性が長期間に亘って安定的に維持される。
(可撓性継手の取付施工方法)
次に、上記のように構成された可撓性継手16をコンクリート構造体10へ取付施工する方法について説明する。
先ず、作業者は、コンクリートを型枠内へ流し込みコンクリート構造体10を成形する前に、可撓性継手16を型枠内へ装填する。このとき、可撓性継手16は、連通方向に沿って隣接する一対の型枠内に跨るように配置され、幅方向一端側が一方の型枠内におけるコンクリート構造体10の表層部の側端付近に対応する位置へ装填されると共に、幅方向他端側が他方の型枠内におけるコンクリート構造体10の表層部の側端付近に対応する位置へ装填される。このとき、バルブ部18は、その幅方向中心が一対の型枠間の隙間の中心と略一致するように配置される。
次いで、作業者は、可撓性継手16の長手方向に沿った一部分であって、コンクリート構造体10の頂面に配置される頂面対応領域T(図1参照)における一対のプレート部22をそれぞれ局部的に型枠内から離脱する方向へ弾性変形させ、図4に示されるように、一対のアンカ部24がそれぞれ型枠内へ流し込まれるコンクリートから浮き上がる状態とする。このとき、頂面対応領域Tにおける一対のプレート部22を全長に亘って弾性変形させる必要はなく、所定のピッチP毎に一対のプレート部22をそれぞれ局部的に弾性変形させ、型枠内へ流し込まれるコンクリートから浮き上がらせる。
なお、一対のプレート部22をそれぞれ局部的に型枠内から離脱する方向へ弾性変形させる時期は、型枠内へコンクリートを流し込む前でも、流し込んだ後の何れであっても良い。
ここで、頂面対応領域Tを局部的に弾性変形させる間隔であるピッチPは、本実施形態では3mに設定されているが、このピッチPは3m以下であれば良く、また頂面対応領域Tにおける一対のプレート部22を全長に亘って弾性変形させ、一対のアンカ部24を全長に亘って型枠内へ流し込まれるコンクリートから浮き上がらせても良い。
頂面対応領域Tにおける一対のプレート部22を局部的に弾性変形させる際には、図5に示される拘束治具30を用いる。拘束治具30には、一対のグリッププライヤ32が設けられると共に、一対のグリッププライヤ32を連結する連結ロッド部40が設けられている。グリッププライヤ32は固定部34及び開閉部36を備えている。開閉部36は軸部38を介して固定部34に揺動可能に連結されおり、固定部34に対する揺動方向に沿った位置が調整可能とされている。これにより、グリッププライヤ32は、開閉部36の固定部34に対する揺動方向に沿った位置を適宜調整することで、図4に示されるように、開閉部36の先端部と固定部34の先端部との間にアンカ部24を挟持することが可能になっている。また連結ロッド部40は幅方向に沿って長さが調整可能とされており、可撓性継手16の幅に応じて長さが調整される。
上記のような拘束治具30を用いて頂面対応領域Tを局部的に弾性変形させる際には、作業者は、一方のグリッププライヤ32により頂面対応領域Tにおける一方のアンカ部24を挟持した後、他方のグリッププライヤ32により他方のアンカ部24を挟持し、連結ロッド部40の長さを必要に応じて調整する。これにより、図4に示されるように、頂面対応領域Tが長手方向に沿って局部的に弾性変形し、一対のアンカ部24がそれぞれ型枠内へ流し込まれるコンクリートから浮き上がる状態になる。
次いで、作業者は、一対の型枠内にそれぞれコンクリートを流し込む。このとき、作業性等を考慮して一方の型枠内にコンクリートを流し込んだ後に、他方の型枠内にコンクリートを流し込んでも、一対の型枠内に略同時にコンクリートを流し込んでも良い。型枠内への所要量のコンクリートの流し込み(打設)が完了したならば、この硬化前のコンクリートからなるコンクリート構造体10を所定の静置時間に亘って静置する。
ここで、本実施形態では、静置時間が60分に設定されているが、この静置時間は、周辺温度、コンクリート中の水分量等に応じて60分から120分程度の範囲で適宜調整可能である。具体的には、静置時間が45分未満の場合には、コンクリートからの水分の滲出及びブリージングが十分に進行せず、また120分を超える場合には、コンクリートの硬化が進行し過ぎて、後述するアンカ部24のコンクリート中への埋設が難しくなるので、静置時間は60〜120分程度の範囲で調整することが好ましい。
型枠内へのコンクリートの打設が完了してから静置時間が経過したならば、作一対のプレート部22をそれぞれ局部的に型枠内から離脱する方向へ弾性変形させ、業者は、拘束治具30を頂面対応領域Tから取り外す。これにより、弾性材料からなる可撓性継手16(頂面対応領域T)は、拘束治具30により拘束されていたアンカ部24の一部を硬化前のコンクリート中へ挿入しつつ、拘束前の形状に序々に復元する。これにより、頂面対応領域Tのアンカ部24が全長に亘ってコンクリート構造体10内へ埋設される。このとき、頂面対応領域Tにおける一方のアンカ部24を一方のコンクリート構造体10内へ埋設した後、他方のアンカ部24を他方のコンクリート構造体10内へ埋設しても、頂面対応領域Tにおける一対のアンカ部24を隣接する一対のコンクリート構造体10内へ埋設しても良い。
(可撓性継手の取付施工方法の作用)
以上説明した本実施形態に係る可撓性継手16の取付施工方法では、一対のコンクリート構造体10の頂面間の打継目Gに沿って配置される可撓性継手16(頂面対応領域T)の長手方向に沿った一部を、拘束治具30によりコンクリート構造体10の表面から離間する方向へ弾性変形させ、可撓性継手16における一対のプレート部22にそれぞれ形成されたアンカ部24の長手方向に沿った一部を一対のコンクリート構造体10の表面から離間させつつ、アンカ部24の残りの部分をコンクリート構造体10内へ埋設する工程(初期インサート工程)を経ることにより、可撓性継手16をコンクリート構造体10の頂面間の打継目に沿って配置する際に、コンクリート構造体10を形成する硬化前のコンクリートの表面と可撓性継手16と間に介在する空気を、アンカ部24のコンクリート構造体の表面から離間した部分である離間部28(図4参照)から効率的に排出できる。
また本実施形態に係る可撓性継手16の取付施工方法では、初期インサート工程の完了後に、硬化前のコンクリート構造体10を所定の静置時間(本実施形態では、60分)に亘って静置する工程(静置工程)を経ることにより、コンクリート構造体10を形成するコンクリートの硬化過程でコンクリート(コンクリート構造体10)中から水分が滲み出しても、この水分をアンカ部24のコンクリート構造体の表面から離間した離間部28を通して可撓性継手16とコンクリート構造体10との間から排出できる。
また本実施形態に係る可撓性継手16の取付施工方法では、静置工程の完了後に、拘束治具30を可撓性継手16から取り外すことで、可撓性継手16の長手方向に沿った一部を元の形状に復元させて、可撓性継手16におけるアンカ部24の長手方向に沿った一部を硬化前のコンクリート構造体10内へ埋設する工程(後期インサート工程)を経ることにより、コンクリートの硬化過程でコンクリート(コンクリート構造体10)に凝固収縮(ブリージング)が生じ、型枠内へコンクリートを流し込んだ直後と比較し、ブリージングの影響によりコンクリート構造体10の頂面が凹状に変形しても、コンクリート構造体10の頂面に可撓性継手の裏面側を密着させることができる。
この結果、本実施形態に係る可撓性継手16の取付施工方法によれば、コンクリート構造体10の表面と可撓性継手16との間に介在する空気が排出され、かつコンクリート構造体10の表面へ滲み出した水分が可撓性継手16との間から排出された状態で、可撓性継手16における一対のプレート部22をそれぞれ一対のコンクリート構造体10の頂面へ密着させると共に、可撓性継手16における一対のアンカ部24をそれぞれ一対のコンクリート構造体内へ埋設できるので、コンクリートの打設完了後にコンクリート構造体10の表面と可撓性継手16との間に空気溜りが形成されることを効果的に防止できる。
本発明の実施形態に係る可撓性継手の取付施工方法が適用される可撓性継手により互いに連結された一対のコンクリート構造体を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る可撓性継手の取付施工方法が適用される可撓性継手の構成を示す斜視図である。 図1に示される一対のコンクリート構造体における可撓性継手による連結部の構成を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る可撓性継手の取付施工方法における初期インサート工程で可撓性継手に設けられた離間部を示す断面図である。 図5に示される離間部を可撓性継手に設けるために用いられる拘束治具の構成を示す側面図である。
符号の説明
10 コンクリート構造体
16 可撓性継手
18 バルブ部
22 プレート部
24 アンカ部
G 打継目

Claims (5)

  1. 長尺帯状の可撓性継手における長手直角方向に沿った両端側を、隣接する一対のコンクリート構造体にそれぞれ埋設固定するための可撓性継手の取付施工方法であって、
    型枠内へ流し込まれてコンクリート構造体を形成するコンクリートを打ち込む前に、可撓性継手を一対のコンクリート構造体間の打継目に沿って配置する位置決め工程と、
    前記位置決め工程で一対のコンクリート構造体間の打継目に沿って配置される可撓性継手の長手方向に沿った一部を、コンクリート構造体の表面から離間する方向へ弾性変形させ、可撓性継手の両端側にそれぞれ設けられたアンカ部の長手方向に沿った一部を、それぞれ一対のコンクリート構造体の表面から離間させつつ、アンカ部の残りの部分をコンクリート構造体内へ埋設する初期インサート工程と、
    前記初期インサート工程の完了後に、硬化前のコンクリート構造体を所定の時間に亘って静置する静置工程と、
    前記静置工程の完了後に、可撓性継手の長手方向に沿った一部を復元させて、可撓性継手におけるアンカ部の長手方向に沿った一部を硬化前のコンクリート構造体内へ埋設する後期インサート工程と、
    を有することを特徴とする可撓性継手の取付施工方法。
  2. 前記静置工程では、前記初期インサート工程の完了後に、硬化前のコンクリート構造体を1時間以上の静置時間に亘って静置することを特徴とする請求項1記載の可撓性継手の取付施工方法。
  3. 前記初期インサート工程では、可撓性継手におけるコンクリート構造体の頂面上に配置される部分に、アンカ部の長手方向に沿った一部がコンクリート構造体の表面からアンカ部が離間する離間部を設けることを特徴とする請求項1又は2記載の可撓性継手の取付施工方法。
  4. 前記初期インサート工程では、可撓性継手の長手方向に沿って所定の間隔毎に前記離間部を設けることを特徴とする請求項3記載の可撓性継手の取付施工方法。
  5. 前記初期インサート工程では、可撓性継手の長手方向に沿って3m以下の間隔毎に前記離間部を設けることを特徴とする請求項4記載の可撓性継手の取付施工方法。
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