JP4212205B2 - 壁保護材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、壁保護材、特に、足下照明装置としての機能も備えた壁保護材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
足下照明装置としては、特開平10-97804号公報記載のものが知られている。この従来例において、光源ユニット内の光源からの光を中空面発光部内に導光し、該中空面発光部を光らせる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、光源からの発光量は光源ユニット近傍において急速に消失するために、先端方に十分な光量を供給するためには、光源に大きな発光量を必要とする。この結果、装置、とりわけ光源ユニットの大きさが大きくなる上に、壁面1からの飛び出し量も大きくなって、歩行等の邪魔になるという問題がある。
【0004】
また、照明領域の明暗の差が大きなために、実際の照度分布以上に体感的な明るさの差は大きく感じられることから、光源ユニット近傍ではまぶしく、先端方では光を感じないこととなり、体感的には、点光源を配置した状態と変わりがないこととなってしまうという問題がある。
【0005】
さらに、中空発光部内に導光された光は中空発光部の表面全体から外部に照射されるために、歩行者の目に直接入り、夜間にあってはまぶしいという問題がある。
【0006】
本発明は、以上の欠点を解消すべくなされたものであって、装置の小型化が図れ、かつ、夜間等には足下照明装置としても機能する壁保護材の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば上記目的は、
壁面1下部に固定される長尺の受け台2の表面にカバー3を着脱可能に被せた中空本体部4と、
給電ケーブル5を介して接続されて中空本体部4の中空部に所定ピッチで配置される複数の発光ダイオード6とを有し、
前記発光ダイオード6はプリント基板13上に固定されて中空本体部4の下部領域に保持されるとともに、中空本体部4の上部領域には給電ケーブル5の収容部であるケーブル係止溝11が設けられ、
前記給電ケーブル5は、発光ダイオード6の配置に合わせて形成されるケーブル導入部20を介して前記下部領域から上部領域に引き出された後、ケーブル係止溝11に嵌合され、
前記カバー3の下部のみを長手方向に連続する透光窓7として発光ダイオード6の発光光を床面、あるいは階段の踏み板に照射すると共に、前記透孔窓7にほぼ正対する前記受け台2の表面に反射面21を形成する壁保護材を提供することにより達成される。
【0008】
壁保護材には、飾り縁(モール)、巾木、ストレッチャー受けが含まれる。中空本体部4に所定ピッチで配置された発光ダイオード6の発光光は、カバー3の下部に連続状に形成された透光窓7から外部に照射され、床面、あるいは階段の踏み板を照らす。透光窓7がカバー3下部のみに形成されて歩行者の目に直接入ることがなく、かつ、発光ダイオード6は発光量も小さいためにまぶしさを防止することができる。
【0009】
また、発光ダイオード6は小型であるために、装置の小型化、とくに薄型化が可能なために、壁面1からの飛び出し量を小さくすることができる上に、発光ダイオード6は中空本体部4の全長に渡って複数個配置されているために、照明領域を均等に照らすことができる。
【0010】
さらに、前記透光窓7に光散乱処理が施される壁保護材を構成した場合には、発光ダイオード6からの発光光は透光窓7により散乱されて放射されるために、発光ダイオード6が配置される領域と、発光ダイオード6間の領域での照射光量をほぼ均等にすることができる。
た、壁保護材は、
壁面1下部に固定される長尺の中空本体部4と、
発光ダイオード6の給電端子に接続される給電ケーブル5の端部に固定したコネクタ8を介して順次接続されて中空本体部4の中空部に所定ピッチで収容される複数のダイオード発光装置9と、
発光ダイオード6による回路網の終端をとる終端装置10とを有し、
前記発光ダイオード6はプリント基板13上に固定されて中空本体部4の下部領域に保持されるとともに、中空本体部4の上部領域には給電ケーブル5の収容部であるケーブル係止溝11が設けられ、
前記給電ケーブル5は、発光ダイオード6の配置に合わせて形成されるケーブル導入部20を介して前記下部領域から上部領域に引き出された後、ケーブル係止溝11に嵌合させて構成することができる。
【0011】
中空本体部4には発光ダイオード6の給電端子に給電ケーブル5を接続して一単位としたダイオード発光装置9の複数が配置される。ダイオード発光装置9はコネクタ8を介して相互に接続することができ、故障の際には故障したダイオード発光装置9のみを交換できる。また、終端装置10は、給電ケーブル5の終端をグランドラインに接続して電源のグランド端子に帰還させる単なる短絡コネクタ8として構成したり、あるいは、発光ダイオード6への供給電流を調整するための抵抗内蔵コネクタ10’として構成することができる。抵抗内蔵コネクタ10’として構成した場合には、電源装置14での調整を要することなく、中空本体部4内へのダイオード発光装置9の収容個数を変化させることができ、汎用性が向上する。
【0012】
さらに、発光ダイオード6は中空本体部4の下部領域に保持されるとともに、中空本体部4の上部領域には給電ケーブル5の収容部11が設けられる壁保護材を構成した場合には、中空本体部4の中空部を上下段に分けて使用することができるために、中空本体部4を薄くすることができ、壁面1からの突出高さを低く抑えることができる。また、給電ケーブル5を中空部の上部領域に係止させることにより、給電ケーブル5が発光ダイオード6の照射光を遮って照射領域に影を作ることが避けられる。
【0013】
加えて、前記発光ダイオード6は、中空本体部4内の保持溝12に摺動自在に保持されるプリント基板13上に固定され、
発光ダイオード6の配置間隔を調整可能とした壁保護材を構成した場合には、例えば、階段に沿って壁保護材を固定する場合等に、発光ダイオード6間の間隔を階段の踏み板のピッチに合わせることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1に本発明による壁保護材に電源装置14から給電して足下照明装置を構成した実施の形態を示す。電源装置14は、スイッチボックス15内に収容され、商用電源から給電されて所定電圧の直流電流を出力し、壁裏配線16を経由して壁保護材中の発光ダイオード6に給電する。電源装置14には所望によりLEDドライブ回路を含ませ、発光ダイオード6をパルス駆動することができる。この実施の形態において電源装置14は壁保護材の近傍に配置される壁面1に固定されるスイッチボックス15内に収容されているが、トランスのみをスイッチボックス15に収容し、AD変換部、およびLEDドライブ回路を壁保護材に収容したり、あるいは電源装置14の全部を壁保護材に収容することができる。また、電源装置14として、直流電源パックを使用することもできる。また、点灯スイッチとしては明暗センサーや人感センサーを使用することもできる。
【0015】
壁保護材は、階段の踏み板17に近接した位置に階段の傾斜に沿って配置される中空本体部4を備える。中空本体部4は受け台2にカバー3を被せて形成され、長手方向に連続する中空部を有する。
【0016】
上記受け台2は、図2(b)に示すように、例えばアルミニウム材に押し出し成形を加えて製造された長尺材で、ボルト18等を使用して壁面1に固定される。図1、図6(a)に示すように、電源装置14近傍に配置される受け台2には壁裏配線を中空本体部4内に引き込むためのケーブル挿入開口2aが開設される。また、受け台2は中央部から前方に向けて張り出す張り出し部2bを有し、該張り出し部2bにより上記中空部は上部中空部19aと下部中空部19bに区画される。張り出し部2bの先端には下部中空部19b側、すなわち下方に垂下する垂下壁2cが設けられ、垂下壁2cと受け台2の表面には、互いに対向して長手方向に連続する保持溝12が設けられる。さらに、張り出し部2bの先端には、上部中空部19a側、すなわち上方に延びる立ち上がり壁2dが設けられ、該立ち上がり壁2dにケーブル係止溝(収容部11)が設けられる。
【0017】
上記張り出し部2bには、受け台2の長手方向に長い長孔からなるケーブル導入部20が所定ピッチで開設される。ケーブル導入部20の長手方向の長さは、後述する発光ダイオード6の位置調整必要寸法によって適宜決定される。
【0018】
上記カバー3は合成樹脂材により形成される長尺材で、受け台2の全長に渡って被冠され、受け台2の表面、および垂下壁2c、立ち上がり壁2dを覆い隠す。カバー3は望ましくは台車や車椅子等が衝接した際にも容易に破壊しない程度の強度に形成され、図2(b)に示すように、垂下壁2c、および立ち上がり壁2dをカバー3裏面に当接させると、全体の強度を高めることができる。また、垂下壁2cは発光ダイオード6の前面を覆う長さにすることにより、発光ダイオード6を衝撃から保護する。
【0019】
カバー3は裏面上下端縁に形成された係止縁3a、3bを受け台2側の係止縁2e、2fに係止させることにより受け台2に装着される。受け台2の下端係止縁2fは曲率面により形成されており、カバー3は全体、あるいはカバー3の下端係止縁3bを撓ませながら受け台2の下端係止縁2fとの係止を解除することにより、受け台2から取り外すことができる。
【0020】
このカバー3は全体として不透明に形成され、下部のみを透光可能にして透光窓7が形成される。下部のみを透光可能にしたカバー3は、透光可能な透明樹脂、あるいは半透明樹脂により形成した透光窓7とカバー3の上部を形成する不透明合成樹脂を同時成型して製造することができる。透光窓7には後述する発光ダイオード6からの照射光を散乱させ、点光源として歩行者の目に直接入らなくして防眩するための光散乱処理が施される。この実施の形態において、光散乱処理は、図2(c)に示すように、透光窓7の表面に凹凸条7aを形成することによりなされているが、凹凸条7aのかわりに透光窓の7の表面を粗面としたり、あるいは、透光窓7の裏面に凹凸条7a、あるいは粗面を形成してもよい。また、透光窓7にほぼ正対する受け台2の表面、詳しくは、発光ダイオード6の背面には、反射面21が形成される。反射面21は、例えば受け台2の表面にアルミニウム等を蒸着させたり、あるいはアルミニウム箔等の金属薄膜を貼り付けて形成される。反射面21は発光ダイオード6の背面側への発光光を前方に反射して発光光の利用効率を向上させるために設けられる。なお、巾木材のように床面に近接して設けられる場合には、反射面21の取付角度を大きく設定して、下向きの発光光を下部側面より照射するようにする。
【0021】
上記中空本体部4の中空部には複数のダイオード発光装置9が収容される。ダイオード発光装置9は、図3に示すように、プリント基板13上に搭載される発光ダイオード6を有する。発光ダイオード6はプリント基板13上に形成される電源パターン13aにアノード、およびカソード端子(以下、「給電端子」)を接合して実装され、さらに、プリント基板13上には、発光ダイオード6と並列に保護ダイオード22が実装される。また、プリント基板13上には、グランドパターン13bが形成され、グランドパターン13b、および電源パターン13aには、端部にコネクタ8が取り付けられた給電ケーブル5が接続される。プリント基板13の両端に接続される給電ケーブル5にはオスコネクタとメスコネクタが取り付けられ、複数のダイオード発光装置9のコネクタ8、8をプラグイン接続することにより、各発光ダイオード6は直列に接続される。
【0022】
図4に示すように、終端に位置するダイオード発光装置9の開放端には終端装置10が接続される。発光ダイオード6の使用数が予め決定されており、各ダイオードに所定の供給電流を供給するように設計された電源装置14を使用するこの実施の形態において、終端装置10は、図4(a)に示すように、回路網の終端を閉じるための短絡コネクタ8として形成されているが、出力が大きな電源装置14を使用するとき、あるいは、発光ダイオード6の数を減少させるときは、終端装置10として、図4(b)に示すように、抵抗内蔵のコネクタ10’が使用されて各発光ダイオード6への供給電流が調整される。
【0023】
上記ダイオード発光装置9は、図2に示すように、プリント基板13の両側縁を保持溝12に嵌合させた状態で中空本体部4の所定位置に装着される。装着に際して給電ケーブル5は、ケーブル導入部20から上部中空部19aに引き出された後、上部中空部19aのケーブル係止溝11に係止されて下部中空部19b内への垂れ下がりが防止される。プリント基板13は、保持溝12に対して摺動させることができ、プリント基板13上の発光ダイオード6は、階段の踏み板17に1対1で対応するように位置決めされるものであり、図6においては、階段室の両側の壁にそれぞれ交互に1段おきで配置される例の一側方を示している。給電ケーブル5はケーブル係止溝11に圧入された状態で嵌合しており、位置決め後にプリント基板13が不用意にずれることが防止される。
【0024】
なお、以上においては、プリント基板13を水平姿勢で保持する場合を示したが、図5に示すように、受け台2に沿う垂直姿勢で保持することもできる。この場合、プリント基板13は受け台2の表面に形成された保持溝12に摺動自在に保持され、発光ダイオード6は光軸が垂直下方を向くようにリード6aを折り曲げた状態でプリント基板13上に実装される。また、ケーブル係止溝11は受け台2の表面で、保持溝12の上部に形成される。
【0025】
図6に示すように、各壁保護材は、各々両端にエンドキャップ23が装着されて端部処理された状態で複数本が壁面1に固定される。図6(a)に示すように、複数の壁保護材中の発光ダイオード6に同一の電源ラインから給電する場合には、図7に示すように、エンドキャップ23には給電ケーブル5が挿通するケーブル挿通溝23aが設けられる。また、給電ケーブル5の外部への露出を避けるために、図6(b)に示すように、壁保護材の連結部位にジョイントカバー24を装着し、給電ケーブル5をジョイントカバー24により覆うこともできる。
【0026】
さらに、壁保護材への給電距離が長くなる場合には、電源装置14又はターミナルボックス等から複数の給電系統を分配し、図8(a)に示すように、壁裏配線16を使用して給電したり、あるいは、図8(b)に示すように、壁保護材内に他の壁保護材の給電線25を収容することができる。
【0027】
また、以上においては、階段に沿って壁保護材を配置する場合を示したが、図9に示すように、廊下等の壁面1下部に固定することもできる。ドア26、あるいは開口27の存在により壁面1が連続しない場合には、給電ケーブル5は壁裏を利用して配線される。
【0028】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、装置の小型化が図れ、かつ、夜間等には足下照明装置として周囲を弱い光で均等に照明することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を示す斜視説明図である。
【図2】壁保護材を示し、(a)は図2(b)の2A-2A線断面図、(b)は図1の2B-2B線断面図、(c)はカバーの透明窓の拡大図である。
【図3】ダイオード発光装置を示す図で、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図4】ダイオード発光装置を連結した回路図で、(a)は短絡コネクタにより回路網を閉じた状態を示す図、(b)は抵抗内蔵コネクタにより回路網を閉じた状態を示す図である。
【図5】図2の変形例を示す図である。
【図6】階段に沿って壁保護材を装着した状態を示す側面図で、(a)は図1の側面図、(b)は(a)の変形例を示す図である。
【図7】エンドキャップを示す図で、(a)は側面図、(b)は(a)の7B方向矢視図である。
【図8】図1の変形例を示す図で、(a)は壁裏配線を使用して給電する状態を示す図、(b)は壁保護材内を使用して給電する状態を示す図である。
【図9】廊下等平らな場所に壁保護材を固定した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 壁面
2 受け台
3 カバー
4 中空本体部
5 給電ケーブル
6 発光ダイオード
7 透光窓
8 コネクタ
9 ダイオード発光装置
10 終端装置
10’ 抵抗内蔵コネクタ
11 収容部
12 保持溝
13 プリント基板

Claims (5)

  1. 壁面下部に固定される長尺の受け台の表面にカバーを着脱可能に被せた中空本体部と、
    給電ケーブルを介して接続されて中空本体部の中空部に所定ピッチで配置される複数の発光ダイオードとを有し、
    前記発光ダイオードはプリント基板上に固定されて中空本体部の下部領域に保持されるとともに、中空本体部の上部領域には給電ケーブルの収容部であるケーブル係止溝が設けられ、
    前記給電ケーブルは、発光ダイオードの配置に合わせて形成されるケーブル導入部を介して前記下部領域から上部領域に引き出された後、ケーブル係止溝に嵌合され、
    前記カバーの下部のみを長手方向に連続する透光窓として発光ダイオードの発光光を床面、あるいは階段の踏み板に照射すると共に、前記透孔窓にほぼ正対する前記受け台の表面に反射面を形成する壁保護材。
  2. 前記透光窓に光散乱処理が施される請求項1記載の壁保護材。
  3. 壁面下部に固定される長尺の中空本体部と、
    発光ダイオードの給電端子に接続される給電ケーブルの端部に固定したコネクタを介して順次接続されて中空本体部の中空部に所定ピッチで収容される複数のダイオード発光装置と、
    発光ダイオードによる回路網の終端をとる終端装置とを有し、
    前記発光ダイオードはプリント基板上に固定されて中空本体部の下部領域に保持されるとともに、中空本体部の上部領域には給電ケーブルの収容部であるケーブル係止溝が設けられ、
    前記給電ケーブルは、発光ダイオードの配置に合わせて形成されるケーブル導入部を介して前記下部領域から上部領域に引き出された後、ケーブル係止溝に嵌合される壁保護材。
  4. 前記プリント基板は、中空本体部の長手方向に連続して設けられる保持溝に対して発光ダイオードの配置に合わせて摺動自在に保持され、
    発光ダイオードの配置間隔を調整可能とした請求項1、2または3記載の壁保護材。
  5. 前記終端装置が抵抗内蔵コネクタとして構成される請求項3記載の壁保護材。
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