JP4211445B2 - 電子時計およびその情報書き込み方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子時計に関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、例えばアナログ電子時計の中には、水晶振動子固有の周波数および温度特性を考慮して年差の書き込み補正を行うものがある。このような補正は特に、年差時計と呼ばれる高い精度(±10秒/年程度)の電子時計で行われており、電子時計の組立後において外部機器のコイルから情報を送り、電子時計内部のモータ用駆動コイルの電磁誘導を利用して情報を受信し、この情報をICのメモリーに記憶させることで行われる(例えば、特許文献1)。
【0003】
一方、年差時計では一般的に、JIS1種、またはJIS2種の耐磁性能が確保されている。この耐磁性能は、JIS2種でいえば、直流磁界16,000A/m(200G)に耐え得る水準である。そして、この年差時計によれば、耐磁性能を確保するために、直流磁界に影響され易いモータの駆動コイルおよびステータを上下から一対の耐磁板で挟み込む構造が採用されている。
耐磁板は磁性特性を有した純鉄等の安価な材料で形成されており、このような耐磁板を設けないと、十分な耐磁性能を確保できないため、ムーブメント内の駆動コイルやステータから生じるモータ側の磁界が外部磁界によって影響され、ロータが回転しなくなったり、回転が不安定になる。従って、耐磁板は、年差時計にかかわらず、電子時計全般に多用されている。
【0004】
さらに、近年では、より優れた耐磁性能、例えば直流磁界40,000A/mの水準を確保することが望まれている。このような要望に対しては、前述の構造では十分に対応できないために、上下の耐磁板の外周縁間に磁性材料からなる中枠状の耐磁リングを配置することが一般的に知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−284078号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、年差時計において耐磁リングを用いた構造を採用すると、耐磁性能の水準が高くなる反面、時計が組み上がった完成品状態では外部装置のコイルからの情報を受信できなくなり、年差の書き込み補正ができないという問題が生じる。すなわち、補正を行うためには、一旦組み上がった状態で時計の精度を確認した後、裏蓋を組み替える等して情報を受信可能にする必要があり、作業が煩雑になる。
また、耐磁リングは、ムーブメントの形状に合わせた複雑な形状となるため、材料費が安価でも加工費がかさんでしまい、コストが大幅に高くなるという問題もある。
【0007】
本発明の目的は、より優れた耐磁性能を確保できるとともに、完成品状態で情報を書き込むことができ、かつコストアップを抑制できる電子時計を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、優れた耐磁性能を有する電子時計への情報書き込みを確実に行える電子時計の情報書き込み方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子時計は、指針駆動用のモータを搭載したムーブメントを備えているとともに、前記モータの駆動コイルが外部装置からの情報受信に使用されている電子時計であって、前記ムーブメントの表裏両側でかつ前記駆動コイルから略等距離の位置に配置された一対の耐磁板を備え、これらの耐磁板の外周縁間の寸法は、駆動コイルの厚み寸法の0.8倍以上、1.2倍以下であるとともに、当該外周縁間には空間および/または非磁性材料の部材が少なくとも存在し、従来のような磁性材料性の環状あるいは略環状に近い耐磁リングが設けられていないことを特徴とする。
【0009】
このような本発明によれば、一対の耐磁板間に駆動コイルが配置されるようになるのであるが、この際に、各耐磁板の外周縁間の寸法を最適に設定するため、外部から強力な磁界が加わった場合でも、これらの耐磁板に磁界が流れるようになって駆動コイルやステータで生じるモータ側の磁界に影響を及ぼさなくなり、より優れた耐磁性能が確保される。
また、外部装置からの情報書き込み用の磁界は、所望の水準を超える大きさにすることで、各耐磁板の外周縁間から駆動コイルに作用するようになり、完成品での書き込み補正が確実に行えるようになる。
さらに、一対の耐磁板の外周縁間の寸法を最適にすることで、当該外周縁間には、従来のような磁性材からなる耐磁リングが不要であり、コストアップが抑制される。
なお、外周縁間の寸法が0.8倍よりも小さいと、耐磁性能はさらに向上するが、情報書き込みが安定してできなくなる可能性があり、反対に1.2倍よりも大きいと、情報の書き込みがより容易になる反面、所望の耐磁性能を確保するのが難しい。
さらに、本発明の電子時計では、前記一対の耐磁板を、前記駆動コイルから略等距離の位置に配置している。ここで、駆動コイルやステータにとっては、その長手方向に沿って加わる外部磁界が最も悪影響を及ぼすのであるが、各耐磁板を駆動コイルから略等距離に配置することにより、外部磁界がそれぞれの耐磁板に均等に、かつスムーズに流れるようになり、モータ側から生じる磁界への影響がより少なくなって耐磁性能が一層向上する。
ここで、駆動コイルから一方の耐磁板までの距離と、他方の耐磁板までの距離との比は、0.8〜1.2程度が好ましく、より好ましくは0.9〜1.1である。すなわち、これらの比の範囲内は、略等距離の範囲内に含まれる。0.8〜1.2の範囲を超えると、外部磁界が各耐磁板内を均等に流れ難くなり、多く流れる側の耐磁板で飽和し易くなって外部磁界がモータ側に影響を及ぼすようになる。
【0010】
本発明の電子時計では、前記一対の耐磁板を略等しい厚み寸法で形成することが望ましい。
駆動コイルやステータにとっては、その長手方向に沿って加わる外部磁界が最も悪影響を及ぼすのであるが、各耐磁板を略等しい厚み寸法で形成することにより、外部磁界がそれぞれの耐磁板に均等に、かつスムーズに流れるようになり、モータ側から生じる磁界への影響がより少なくなって耐磁性能が一層向上する。
ここで、一方の耐磁板の厚み寸法と、他方の耐磁板の厚み寸法との比は、0.7〜1.3程度が好ましく、より好ましくは0.9〜1.1である。すなわち、これらの比の範囲であれば、略等しい厚み寸法の範囲内に含まれる。0.7〜1.3の範囲を超えるとやはり、外部磁界が各耐磁板内を均等に流れ難くなってモータ側に影響を及ぼすようになる。
【0011】
本発明の電子時計では、前記一対の耐磁板のうちの少なくとも一方の耐磁板の外周縁には、他方の耐磁板の外周縁側に向けて折曲した壁状部を設けることが望ましい。
単に平板状の耐磁板を用いると、ムーブメントの厚みが大きい場合には、外周縁間の寸法も大きくなってしまい、最適な外周縁間寸法が得られない可能性がある。これに対して本発明では、一方の耐磁板の外周縁に壁状部を設けるので、厚みの大きいムーブメントを用いた場合でも、その厚みに応じた壁状部を設けることにより最適な外周縁間寸法が確保されるようになるうえ、壁状部によって側方からの外部磁界による影響が抑制され、耐磁性能が確実に向上する。
【0012】
一方、本発明の電子時計の情報書き込み方法は、指針駆動用のモータを搭載したムーブメントを備えているとともに、前記モータの駆動コイルが外部装置からの情報受信に使用されている電子時計に情報を書き込むための電子時計の情報書き込み方法であって、前記電子時計は、前記ムーブメントの表裏両側でかつ前記駆動コイルから略等距離の位置に配置された前記一対の耐磁板を備え、これらの耐磁板の外周縁間の寸法は、駆動コイルの厚み寸法の0.8倍以上、1.2倍以下であるとともに、当該外周縁間には空間および/または非磁性材料の部材が少なくとも存在し、一方の耐磁板の外周縁には、他方の耐磁板の外周縁側に向けて突出した壁状部を設け、この壁状部が設けられた耐磁板側を前記外部装置から離間させ、かつ他方の耐磁板側を前記外部装置に近接させた状態で情報を書き込むことを特徴とする。
【0013】
この発明は、一方の耐磁板に壁状部が設けられている場合の情報書き込み方法である。耐磁板に壁状部を設けると、この壁状部に外部磁界が遮られてモータ側への影響を少なくでき、耐磁性能が向上するのであるが、その分、外部装置からの情報を受信し難くなる。そこで、本発明では、壁状部が設けられていない他方の耐磁板側を外部装置に近接させ、外部装置からすれば、発生させる磁界の中でも磁束密度の大きい部分を作用させることになる。従って、一方の耐磁板に壁状部を設けて耐磁性能を向上させた場合でも、外部装置からの情報が確実に書き込まれるようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の電子時計1の概略構成を示す断面図である。図2は、年差書き込み補正を行うために電子時計1を書き込み装置(外部装置)100にセットした状態を示す断面図である。
【0015】
電子時計1は、時針A、分針B、および秒針Cを備えたいわゆるアナログクオーツ時計であり、外装ケース2と、外装ケース2内に収容されたムーブメント3と、ムーブメント3の図1中の上方に配置された文字板4とを備えている。また、電子時計1は、書き込み装置100を用いることにより、完成品の状態で周波数温度特性カーブ等の係数を情報としてICメモリーに書き込まれるように構成されている。
【0016】
外装ケース2は、非磁性材料製の胴21を有し、この胴21の表面側外周には、樹脂製のガラス縁パッキン22Aを介してガラス縁22が取り付けられ、ガラス縁22には、やはり樹脂製のガラスパッキン23Aを介してガラス23が嵌め込まれている。胴21の裏面側には、樹脂製の裏蓋パッキン24Aを介して裏蓋24が螺合している。
【0017】
ムーブメント3は、駆動コイル31A、ステータ31B、およびロータ(不図示)で構成されたステップモータ(モータ)31を有するとともに、このステップモータ31で駆動される輪列(不図示)を介して前述の指針A,B,Cを運針させる。その他、図示を省略するが、ムーブメント3には一般的な構成として、竜頭32の操作によって時刻修正を行う時刻修正輪列や、水晶振動子および前記ICを含むモータ制御用の回路ブロックなどが設けられ、この回路ブロックおよび前記ステップモータ31がボタン電池等の一次電池からの電気エネルギで駆動される。このようなムーブメント3は、裏蓋24側から収容され、外周の一部に設けられた係止部3Aが胴21に一体に形成された被係止部21Aに文字板4側から係止され、この被係止部21Aを固定片33で挟持するようにしてねじ34で固定されている。
【0018】
また、ムーブメント3は、文字板4側と裏蓋24側とから純鉄(JIS−SUY−P1)などの磁性材料製の耐磁板で覆われている。具体的には、ムーブメント3と文字板4との間には文字板下板(耐磁板)5が設けられ、ムーブメント3と裏蓋24との間には、裏板(耐磁板)6が設けられている。
文字板下板5は、ステップモータ31から文字板4側に向けて生じる磁界をシールドすると同時に、文字板4側から作用する外部磁界に対してステップモータ31を遮蔽している。裏板6は、ステップモータ31から裏蓋24側に向けて生じる磁界をシールドし、これと同時に裏蓋24側から作用する外部磁界に対してステップモータ31を遮蔽している。
【0019】
さらに、文字板4が円形平板状であるの対して、裏板6は円形皿状である。つまり、裏板6の外周縁には文字板4側に折曲した壁状部61が周方向に連続して設けられている。この壁状部61はステップモータ31のステータ31B付近に達する高さを有し、これによりムーブメント3に対して側方から作用する磁界、すなわち駆動コイル31Aの長手方向に沿って加わる外部磁界をも効果的に遮蔽している。この壁状部61の端面62は、裏板6が板ばね24Bによって裏蓋24側から付勢されることにより、胴21と一体の当接部21Bに当接し、また、この状態で裏蓋24を閉めることで裏板6全体が固定されている。
【0020】
なお、文字板4は、文字板下板5を貫通する固定ピン(不図示)を介してムーブメント3に固定されており、文字板下板5が樹脂製の受けリング51と文字板4との間に挟持されている。そして、文字板4および文字板下板5は、互いに接着等で固定されている。
【0021】
以下には、本実施形態での特徴的な構成についてより具体的に説明する。
本実施形態では、文字板下板5の外径寸法が裏板6の外形寸法よりも僅かに大きく、文字板下板5の裏面52と裏板6に設けられた壁状部61の端面62とが対向している。この際、当該裏面52および端面62で形成される外周縁間の隙間寸法C1は、駆動コイル31Aの厚み寸法T1の0.8倍以上、1.2倍以下である。外周縁間の隙間寸法C1が厚み寸法T1の0.8倍よりも小さいと、耐磁性能はさらに向上するが、情報書き込みが安定してできなくなる可能性があり、反対に1.2倍よりも大きいと、情報の書き込みがより容易になる反面、所望の耐磁性能を確保するのが難しい。
【0022】
ここで、竜頭32側において、文字板下板5および裏板6の外周縁間には磁性材料製の巻真35が挿通され、巻真35周りには僅かに空間が形成されている。その他の部分では、図1中の左側に示すように、当該外周縁間には胴21と一体の被係止部21Aや当接部21Bが介装されている。このように本実施形態では、当該外周縁間には、従来のような磁性材料製の耐磁リング等が設けられていない。
【0023】
また、駆動コイル31Aから文字板下板5までの距離L1、および駆動コイル31Aから裏板6までの距離L2は、略等距離に設定されている。この際、距離L1=距離L2であれば最も望ましいが、厳密に等しくない場合であってもよい。しかし、厳密に等しくない場合でも、各距離L1,L2の比(L1/L2)は、0.8〜1.2程度が好ましく、より好ましくは0.9〜1.1である。すなわち、これらの比の範囲内であれば、略等距離の範囲内に含まれる。0.8〜1.2の範囲を超えると、外部磁界が文字板下板5および裏板6内を均等に流れ難くなり、流れにくい側の耐磁板で飽和し易くなって外部磁界がステップモータ31側に影響を及ぼす。
【0024】
そして、文字板下板5の厚み寸法t1、および裏板6の厚み寸法t2も、略同じに設定されている。この際、厚み寸法t1=厚み寸法t2であれば最も望ましいが、厳密に等しくない場合であってもよい。しかし、厳密に等しくない場合でも、厚み寸法t1,t2の比(t1/t2)は、0.7〜1.3程度が好ましく、より好ましくは0.9〜1.1である。すなわち、これらの比の範囲であれば、略等しい厚み寸法の範囲内に含まれる。0.7〜1.3の範囲を超えるとやはり、外部磁界が文字板下板5および裏板6を均等に流れ難くなってステップモータ31側に影響を及ぼす。
【0025】
以上に説明した電子時計1は、図2に示すようにして、書き込み補正が行われる。すなわち、組立が完了した電子時計1(ただし、バンドは未装着)を樹脂製の箱状の梱包容器200に入れ、ガラス23側が書き込み装置100側(図2中の下側)となるようにして梱包容器200ごとセットする。これにより、平板状の文字板下板5を書き込み装置100に近接させるとともに、壁状部61が設けられた裏板6を書き込み装置100から離間させ、文字板下板5および裏板6の外周縁間をより書き込み装置100側に近づける。
【0026】
次いで、書き込み装置100の芯部201に電力を供給し、書き込み用コイル202から磁界を生じさせ、この磁界を電子時計1にかける。この際の磁界の強さは、所望する耐磁性能を勘案して、その水準となる強さよりも大き目に設定される。このような書き込み装置100からの磁界の大部分は、文字板下板5および裏板6を通して流れるため、駆動コイル31Aに大きく作用することはないが、磁界が強力であることによりその一部は、僅かではあるが文字板下板5および裏板6の外周縁間から(ムーブメント3の側方から)内部に入り込み、文字板下板5および裏板6を流れることなく駆動コイル31Aに確実に作用する。これにより、駆動コイル31Aは、書き込み装置100側から情報を受信することになり、IC内のメモリーを更新して補正を行うことになる。
なお、図2には、電子時計1が一つの場合を図示したが、梱包容器200として複数個収容可能であれば、複数の電子時計1に関する補正を一度に行うことも可能である。ただし、電子時計1を複数個収容した場合には、電子時計1間を近づけ過ぎると、相互に影響しあって書き込みができない場合があるため、相互間の距離を十分に考慮する必要がある。
【0027】
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)すなわち、電子時計1では、ムーブメント3を挟む文字板下板5および裏板6の外周縁間の隙間寸法C1が、駆動コイル31Aの厚み寸法T1との関係で、当該厚み寸法T1の0.8〜1.2倍とされ、最適に設定されているので、外部から40,000A/mの強力な磁界が加わった場合でも、耐磁性能を有したこれらの文字板下板5および裏板6に磁界が流れるようになり、駆動コイル31Aやステータ31Bで生じるステップモータ31側の磁界に影響を及ぼすのを有効に防止でき、より優れた耐磁性能を確保できる。
また、外部の書き込み装置100からの情報書き込み用の磁界を、所望の水準(例えば40,000A/m)を超える大きさにすることで、文字板下板5および裏板6の外周縁間から駆動コイル31Aに作用させることができ、完成品での書き込み補正を確実実施できる。
さらに、文字板下板5および裏板6間における隙間寸法C1の最適化により、従来のような磁性材からなる耐磁リングを不要にでき、コストを削減できる。
【0028】
(2)また、駆動コイル31Aから文字板下板5までの距離L1、および駆動コイル31Aから裏板6までの距離L2は、略等距離に設定されているため、外部磁界を文字板下板5および裏板6のそれぞれに均等に、かつスムーズに流すことができ、外部磁界がステップモータ31へ与える影響をより少なくして耐磁性能を一層向上させることができる。
【0029】
(3)そして、文字板下板5の厚み寸法t1、および裏板6の厚み寸法t2も、略同じに設定されているから、前記(2)の作用をより促進でき、耐磁性能をさらに良好なものにできる。
【0030】
(4)裏板6の外周縁には、文字板下板5側に向けて立ち上がって折曲した壁状部61が設けられているため、厚みの大きいムーブメント3を用いた場合でも、その厚みに応じた高さの壁状部61を設けることにより、最適な外周縁間寸法C1を確実に確保できる。また、壁状部61は、ステップモータ31のステータ31B付近に達する高さを有しているので、ムーブメント3の側方から作用する外部磁界の影響を効果的に抑制でき、この点でも耐磁性能を確実に向上させることができる。
【0031】
(5)電子時計1の書き込み補正を行うにあたっては、壁状部61が設けられていない文字板下板5を書き込み装置100側に近接させるため、書き込み装置100側からすれば、発生させる磁界の中でも磁束密度の大きい部分を作用させることができる。従って、裏板6に壁状部61を設けて耐磁性能を向上さた場合でも、書き込み装置100からの磁界を駆動コイル31Aに確実に作用させることができ、情報を正確に書き込むことができる。
【0032】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態では、裏板6に壁状部61が設けられていたが、同様な壁状部を文字板下板5に設けてもよく、文字板下板5および裏板6の両方に設けてもよい。また反対に、壁状部が文字板下板5および裏板6のいずれにも設けられない場合でも、本発明の請求項4を除く他の発明に含まれる。
【0033】
また、前記実施形態では、駆動コイル31Aから文字板下板5や裏板6までの各距離L1,L2が略等距離であり、文字板下板5および裏板6の各厚み寸法t1,t2も略同じであったが、本発明では、必ずしも等距離であったり同じ厚みである必要はない。しかし、等距離および同じ厚みにすることで、前述した(2),(3)の効果を得ることできるので、そうすることが望ましい。
【0034】
前記実施形態の電子時計1は、時針A、分針B、および秒針Cを備えた3針式のアナログクオーツ時計であったが、本発明としては、時針Aおよび分針Bのみを備えた2針式の電子時計や、3針式に加えて任意のクロノグラフ、あるいはアラーム、タイマー、温度、気圧、湿度等を指し示す機能を備えた電子式の多機能時計であってもよい。また、電子時計には、ステップモータを1次電池で駆動する一般のタイプの他、回転錘の駆動力で発電する発電機を備え、この発電機からの電気エネルギでステップモータを駆動するタイプも含まれる。
【0035】
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る電子時計の概略構成を示す断面図。
【図2】 年差書き込み補正を行うために電子時計を外部装置にセットした状態を示す断面図。
【符号の説明】
1…電子時計、3…ムーブメント、5…文字板下板(耐磁板)、6…裏板(耐磁板)、21…胴(非磁性材料の部材)、31…モータ、31A…駆動コイル、61…壁状部、A…時針(指針)、B…分針(指針)、C…秒針(指針)、C1…隙間寸法、L1,L2…距離、t1,t2,T3…厚み寸法。
Claims (4)
- 指針駆動用のモータを搭載したムーブメントを備えているとともに、前記モータの駆動コイルが外部装置からの情報受信に使用されている電子時計であって、
前記ムーブメントの表裏両側でかつ前記駆動コイルから略等距離の位置に配置された一対の耐磁板を備え、これらの耐磁板の外周縁間の寸法は、駆動コイルの厚み寸法の0.8倍以上、1.2倍以下であるとともに、当該外周縁間には空間および/または非磁性材料の部材が少なくとも存在することを特徴とする電子時計。 - 請求項1に記載の電子時計において、前記一対の耐磁板は、厚み寸法が略等しいことを特徴とする電子時計。
- 請求項1または請求項2に記載の電子時計において、前記一対の耐磁板のうちの少なくとも一方の耐磁板の外周縁には、他方の耐磁板の外周縁側に向けて折曲した壁状部が設けられていることを特徴とする電子時計。
- 指針駆動用のモータを搭載したムーブメントを備えているとともに、前記モータの駆動コイルが外部装置からの情報受信に使用されている電子時計に情報を書き込むための電子時計の情報書き込み方法であって、
前記電子時計は、前記ムーブメントの表裏両側でかつ前記駆動コイルから略等距離の位置に配置された一対の耐磁板を備え、これらの耐磁板の外周縁間の寸法は、駆動コイルの厚み寸法の0.8倍以上、1.2倍以下であるとともに、当該外周縁間には空間および/または非磁性材料の部材が少なくとも存在し、一方の耐磁板の外周縁には、他方の耐磁板の外周縁側に向けて突出した壁状部を設け、この壁状部が設けられた耐磁板側を前記外部装置から離間させ、かつ他方の耐磁板側を前記外部装置に近接させた状態で情報を書き込むことを特徴とする電子時計の情報書き込み方法。
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