JP4211375B2 - データ転送制御方法、データ転送回路装置およびこれを備えた印刷装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インターフェイスデバイスによって受信したデータを、これを格納するための受信バッファに転送するデータ転送制御方法、データ転送回路装置およびこれを備えた印刷装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、インターフェイスバイスによってホストコンピュータから受信したデータを、これを一時的に格納する受信バッファに転送する手段として、CPUによる転送およびDMA(Direct Memory Access)コントローラによる転送の2種類が知られている。DMAコントローラによるデータの転送、いわゆるDMA転送は、システムバスを利用しCPUの介入なしでデータの転送を行えるため、CPUによる転送と比較してデータを高速転送することができる。このため、大容量のデータ(例えば、イメージデータ)を連続して高速転送する必要がある印刷装置等では、インターフェイスデバイスで受信したデータを受信バッファに転送する手段として、DMA転送が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−180006号公報(第4−6頁、第1、2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、USB(Universal Serial Bus)インターフェイスデバイス等の高速インターフェイスデバイスによって、CPUによる解析を必要とするデータ(例えば、コマンドデータ)を連続的に複数受信し、これをDMA転送により受信バッファに連続的に転送する場合、受信バッファ内に格納されたコマンドデータをCPUが解析する時間が足りず受信バッファが満杯(受信バッファフル)となり、この受信処理を一時的に停止しながらコマンドデータを解析しなければならなくなる。また、データを連続転送している間は、システムバスがDMAコントローラにより専有され、他機能(例えば印刷処理等)に対する処理に遅延が生じるおそれがあり、さらに、即答を要するコマンドデータの解析においては、転送するデータが無くなるまで解析することができず、応答速度に遅延をきたす原因にもなる。
【0005】
本願発明は、インターフェイスデバイスで受信したデータを高速転送する際、他機能により発生した処理に与える影響を抑え、受信したコマンドデータに対する応答性を向上させることができるデータ転送制御方法、データ転送回路装置およびこれを備えた印刷装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のデータ転送制御方法は、インターフェイスデバイスによって受信したデータを、DMA転送を用いて受信バッファに転送するデータ転送制御方法であって、インターフェイスデバイスから受信バッファへのデータ転送を行なう転送期間と、データ転送を禁止する転送禁止期間とを交互に設けることによってデータ転送間隔を制御するデータ転送間隔制御工程と、データの受信に基づく割込み要求が発生しているか否かを検出する割込み要求検出工程と、転送期間において、データをインターフェイスデバイスから受信バッファへ転送し、受信バッファ内に格納するデータ転送工程と、転送禁止期間において、割込み要求に基づく割込み処理を含むデータ処理を実行するデータ処理工程と、割込み要求を検出した場合、割込み処理の実行に伴い転送禁止期間の延長を行う転送禁止期間延長工程と、割込み処理の実行に伴い転送禁止期間延長工程を開始する通常停止モードと、転送禁止期間の開始と同時に転送禁止期間延長工程を自動的に開始する自動停止モードとのいずれか一方を設定するモード設定工程と、を備え、転送禁止期間延長工程は、モード設定工程で設定したモード情報に基づいて転送禁止期間の延長を開始することを特徴とする。
【0007】
本発明のデータ転送回路装置は、インターフェイスデバイスによって受信したデータを、DMA転送を用いて受信バッファに転送するデータ転送回路装置において、インターフェイスデバイスから受信バッファへのデータ転送を行なう転送期間と、データ転送を禁止する転送禁止期間とを交互に設けることによってデータ転送間隔を制御するデータ転送間隔制御手段と、データの受信に基づく割込み要求が発生しているか否かを検出する割込み要求検出手段と、転送期間において、データをインターフェイスデバイスから受信バッファへ転送し、受信バッファ内に格納するDMAコントローラと、転送禁止期間において、割込み要求に基づく割込み処理を含むデータ処理を実行するデータ処理手段と、割込み要求を検出した場合、割込み処理の実行に伴い転送禁止期間の延長を行う転送禁止期間延長手段と、割込み処理の実行に伴い転送禁止期間延長手段を実行する通常停止モードと、転送禁止期間の開始と同時に転送禁止期間延長手段を自動的に実行する自動延長モードとのいずれか一方を設定するモード設定手段と、を備え、転送禁止期間延長手段は、モード設定手段で設定したモード情報に基づいて転送禁止期間の延長を開始することを特徴とする。
【0008】
これらの構成によれば、転送期間においてインターフェイスデバイスによって受信したデータを受信バッファにDMA転送した後、DMA転送を禁止する転送禁止期間を設けることでDMA転送を行なうタイミングを調整し、連続的にDMA転送が行われ受信バッファ内にデータが滞留するのを回避することができる。また、即答性を要するデータ(例えば、優先順位の高いコマンドデータ等)を受信した場合、あるいはデータの受信に伴い割込み要求が発生した場合であっても、これを転送禁止期間において処理することにより即答性を向上させることができる。そして、割込み要求の検出に伴い転送禁止期間を延長することで、割込み処理を実行したことにより、それ以外の処理(受信バッファ内に格納されているデータの処理や他機能によって発生した処理等)に遅延が生じるのを回避することができる。
ここで、転送禁止期間を極端に短く設定した場合、割込み処理の実行に伴い転送禁止期間の延長を指示してから実行されるまでの間に転送禁止期間が終了し、次のDMA転送要求が検出されるおそれがある。これらの構成によれば、転送禁止期間を極端に短く設定した場合であっても、転送禁止期間の開始と同時にその延長を自動的に行う自動停止モードを設定することで確実に転送禁止期間の延長を行うことができる。また、この自動停止モードと、割込み処理の実行に伴い転送禁止期間の延長を行う通常停止モードとを選択的に設定できるので、動作環境が異なる装置に適用しても、その環境に見合ったモードを適宜選択することができる。
【0009】
この場合、データ転送間隔制御工程は、データの種別および/または受信バッファ内に格納されているデータ数に基づき、転送禁止期間を設定することが、好ましい。
【0010】
この場合、データ転送間隔制御手段は、データの種別および/または受信バッファ内に格納されているデータ数に基づき、転送禁止期間を設定することが、好ましい。
【0011】
これらの構成によれば、インターフェイスデバイスで受信したデータの種別に基づいて、転送禁止期間を設定するようにし、解析を要するデータ(例えばコマンドデータ等)をDMA転送した場合は、転送禁止期間を長く設定してデータを解析するための時間を確保し、解析を必要としないデータ(例えばイメージデータ等)をDMA転送した場合は、転送禁止期間を短く設定することで転送効率を向上させることができる。
また、受信バッファ内に格納されているデータ数に基づき、転送禁止期間を設定するようにして、受信バッファ内に格納されているデータ数が少ない(データが無い)場合は、転送禁止期間を短く設定して転送効率を向上させ、受信バッファ内に格納されているデータ数が多い場合は、転送禁止期間を長く設定して受信バッファ内に格納されているデータを処理するための時間を確保するようにすることができる。
【0012】
これらの場合、データ転送間隔制御工程は、インターバルタイマによって転送禁止期間をタイマ制御し、転送禁止期間延長工程は、割込み処理の開始に伴いインターバルタイマによるカウントを停止するタイマ停止工程と、割込み処理の終了に伴いインターバルタイマによるカウントを再開し、カウントの完了により転送禁止期間を終了するタイマ再開工程と、を有することが、好ましい。
【0013】
これらの場合、データ転送間隔制御手段は、転送禁止期間をタイマ制御するインターバルタイマを有し、転送禁止期間延長手段は、割込み処理の開始に伴いインターバルタイマによるカウントを停止するタイマ停止手段と、割込み処理の終了に伴いインターバルタイマによるカウントを再開し、カウントの終了により転送禁止期間を終了するタイマ再開手段と、を有することが、好ましい。
【0014】
これらの構成によれば、割込み処理を開始してから終了するまでに掛かる時間分、転送禁止期間を延長することができるので、割込み処理に掛かる時間が延長した転送禁止期間を超過するような弊害が生じるのを確実に防止することができる。また、転送禁止期間をインターバルタイマによってタイマ制御するようにしたことで、インターバルタイマの設定を変更するだけで転送禁止期間の長さ、すなわちデータ転送間隔を変更することができるため、データの解析(処理)速度または転送速度等の動作環境が異なる装置にも容易に適用することができる。
【0015】
この場合、タイマ停止工程で、インターバルタイマによるカウントをリセットし、タイマ再開工程で、データの種別および/または受信バッファ内に格納されているデータ数に基づき、転送禁止期間を設定することが、好ましい。
【0016】
この場合、タイマ停止手段で、インターバルタイマによるカウントをリセットし、タイマ開始手段で、データの種別および/または受信バッファ内に格納されているデータ数に基づき、転送禁止期間を設定することが、好ましい。
【0017】
これらの構成によれば、割込み処理を実行する場合、インターバルタイマを停止すると共にそのカウントをリセット(初期化)することで、割込み処理を実行するための時間に加えて、転送禁止期間分の時間を設けることができる。また、インターバルタイマをリセットすることで、延長する転送禁止期間は、DMA転送したデータの種別や受信バッファ内に格納されているデータ数に基づき適宜設定することができ、受信バッファ内にデータが滞留するのを防止することができる。
【0021】
これらの場合、データには、イメージデータとコマンドデータとが含まれており、データの転送は、データがコマンドデータである場合、1バイト毎に行なわれ、データがイメージデータである場合、n(nは、n≧1の整数)バイト毎に行なわれることが、好ましい。
【0022】
この構成によれば、コマンドデータのDMA転送を1バイト毎とすることで、解析を要するコマンドデータが受信バッファに対して大量に転送され、転送禁止期間内にコマンドデータを解析することができず受信バッファ内に滞留するのを防止することができる。それに対して、イメージデータは解析が不要でありDMA転送をn(nは、n≧1の整数)バイト毎としても受信バッファ内に滞留するおそれがない。これにより、コマンドデータとイメージデータとでDMA転送の単位を区別し、転送の効率化を図ることができる。
【0023】
これらの場合、インターフェイスデバイスは、シリアルインターフェイスデバイスであることが、好ましい。
【0024】
この構成によれば、シリアルインターフェイスデバイス、特に高速通信可能なUSB(Universal Serial Bus)インターフェイスデバイスを採用することで、DMA転送されたデータを処理するための転送禁止期間を有効に活用することができる。
【0025】
本発明の印刷装置によれば、上記したデータ転送回路装置を備えたことを特徴とする印刷装置を特徴とする。
【0026】
この構成によれば、インターフェイスデバイスで受信したデータを滞留させることなく順次処理することができるので、印刷動作等の他機能に対する処理も滞ることなく円滑に実行することができる。また、転送禁止期間の設定を変更すれば、例えば、インクジェットプリンタ、ダイレクトサーマルプリンタ、あるいはドットインパクトプリンタ等の印刷機構が異なる印刷装置で簡単に転用することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態に係るデータ転送制御方法、データ転送回路装置およびそれを備えた印刷装置について詳細を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る印刷装置の概略ブロック図である。印刷装置2は、USB(Universal Serial Bus)インターフェイスデバイス(以下、I/Fデバイス14)によりホストコンピュータ1との間で相互に接続されており、I/Fデバイス14により受信したデータに基づいて記録紙上に印刷を行う印刷機構部6と、印刷機構部6による印刷を制御する装置制御部5とにより構成されている。
【0028】
印刷機構部6は、特に図示しないが、I/Fデバイス14により受信したデータを記録紙上に印刷するための印刷ヘッドを有するヘッドユニット、ヘッドユニットを主走査方向である記録紙の幅方向に往復移動させるヘッド移動機構、主走査方向と直交する副走査方向に記録紙を送る記録紙送り機構、ヘッドユニットのメンテナンスを行うためのヘッド保全機構等が設けられており、それぞれ装置制御部5による制御に基づいて動作する。
【0029】
装置制御部5は、I/Fデバイス14と、I/Fデバイス14により受信したデータをDMA(Direct Memory Access)転送するDMAコントローラ111を有するCPU11と、CPU11等で実行するためのプログラムが格納されているROM13と、CPU11の作業領域であるRAM12と、DMA転送を行なう間隔を調整するためのデータ転送間隔制御手段であるスルーレート調整回路15とを備えている。そして、CPU11、ROM13、RAM12、およびスルーレート調整回路15は、相互にシステムバス21を介してP−CON16(周辺制御回路)に接続され、CPU11、I/Fデバイス14、スルーレート調整回路15は、信号線22によって接続されている。
【0030】
I/Fデバイス14は、ホストコンピュータ1との間でデータをパケット方式で送受信し、受信したデータをDMA転送が行われるまで一時的に格納するFIFO(First In First Out)バッファ142と、FIFOバッファ142内に格納されたデータのDMA転送要求が発生したことをスルーレート調整回路15に通知する信号であるDMA転送要求信号(詳しくは後述する)を生成するDMA転送要求信号生成回路141とが設けられている。そして、FIFOバッファ142内に一時的に格納されているデータは、DMA転送要求信号の出力に基づき、DMAコントローラ111によって順次DMA転送される。
【0031】
RAM12は、I/Fデバイス14によって受信したデータで、CPU11によって解析を必要とするコマンドデータ(実行コマンドを構成するデータ列)を一時的に格納するための受信バッファ121と、記録紙上に印刷するためのラスタフォーマットデータ等(以下、イメージデータ)を一時的に格納するためのイメージバッファ122とが設けられている。そして、受信バッファ121内に格納されているコマンドデータは、CPU11による解析が順次行われ、その結果に基づいて、印刷機構部6によりイメージバッファ122内に格納されているイメージデータの印刷が実行される。
【0032】
ROM13は、CPU11等によって実行される各種制御プログラムを記憶しており、このプログラムには、主制御プログラム131と、以下で記載する割込み処理を実行するための割込みプログラム132等がある。また、ROM13には、フォントデータやフォーマットデータ等の印刷を行なうために必要な各種データが記憶されている。
【0033】
CPU11は、受信バッファ121内に格納されているデータを解析して、その結果に基づいてROM13に格納されているプログラムを実行し、印刷装置2を制御するものであり、FIFOバッファ142内に一時的に格納されているデータを受信バッファ121やイメージバッファ122に対してDMA転送するDMAコントローラ111と、受信したデータに基づき、割込み要求が発生しているか否かを記憶するための割込みフラグレジスタ112とが内蔵されている。
【0034】
DMAコントローラ111は、FIFOバッファ142内に一時的に格納されているデータを、受信バッファ121やイメージバッファ122に対してDMA転送するものである。本実施形態のDMAコントローラ111は、コマンドデータは1バイト、イメージデータはnバイト(nは、n≧1の整数)を単位データとし、FIFOバッファ142内に格納されているデータに対して単位データ毎のDMA転送を行なう。
【0035】
このように、コマンドデータのDMA転送を1バイト毎とすることで、コマンドデータが受信バッファ121に連続転送され、解析待ちの実行コマンドが滞留したり、また、コマンドデータの解析が頻繁に且つ連続的に行われるのを回避し、他機能により発生した処理が滞ることのないようにしている。それに対して、解析が不要なイメージデータのDMA転送をn(nは、n≧1の整数)バイト毎とすることでDMA転送の効率化を図ることができる。但し、以下で詳しく説明するが、複数回のDMA転送を行なう場合であっても、連続的にDMA転送が行なわれないようにDMA転送間隔が制御されている。
【0036】
割込みフラグレジスタ112は、I/Fデバイス14で受信したデータに基づき、受信割込み要求が発生しているか否かを記憶するものであり、通常は受信割込み要求が発生していないことを示す割込みフラグ=0(F1=0)が記憶されている。受信割込み要求は、例えば、コマンドデータの受信に伴い生じるコマンド受信割込み要求、イメージデータの受信開始に伴い生じる受信開始割込み要求、イメージデータの受信終了に伴い生じる受信終了割込み要求等があり(いずれも詳しくは後述する)、これらの発生に伴い割込みフラグレジスタ112に割込みフラグ=1(F1=1)が書き込まれる。そして、CPU11は、FIFOバッファ142から受信バッファ121やイメージバッファ122へのDMA転送が完了し、システムバス21の専有権を取り戻すと、この割込みフラグを確認し、割込みプログラム132を実行することにより、受信割込み処理を行う。
【0037】
スルーレート調整回路15は、ASIC(特定用途向け集積回路)により構成され、FIFOバッファ142から受信バッファ121やイメージバッファ122へのDMA転送間隔を調整するためのDMA転送制御信号(詳しくは後述する)を生成するDMA転送制御信号生成回路151と、DMA転送制御信号の出力をタイマ制御するインターバルタイマ152と、インターバルタイマ152によるカウントの停止/再開を制御する停止フラグを記憶するための停止フラグレジスタ153と、それを自動的に実行するように制御する自動停止フラグを記憶するための自動停止フラグレジスタ154とが設けられている。また、スルーレート調整回路15は、I/Fデバイス14とCPU11との間に配設され、DMA転送要求信号の入力およびDMA転送制御信号の出力をするための信号線22によって接続されている。そして、詳しくは後述するが、DMA転送制御信号生成回路151から出力しているDMA転送制御信号によって、FIFOバッファ142から受信バッファ121やイメージバッファ122へ単位データのDMA転送を行うための転送期間と、CPU11による処理が自由に行えるようにDMA転送を禁止する転送禁止期間とを交互に設けることでDMA転送間隔を制御している。
【0038】
停止フラグレジスタ153は、CPU11による指示に基づき、インターバルタイマ152のカウントを一時的に停止するための停止フラグを記憶するレジスタであり、停止フラグレジスタ153に停止フラグ=0(F2=0)が設定されているときはインターバルタイマ152によるカウントをそのまま続行し、停止フラグ=1(F2=1)が設定されているときはインターバルタイマ152によるカウントを停止する。
【0039】
自動停止フラグレジスタ154は、受信割込み処理の開始に伴なうCPU11の指示でインターバルタイマ152のカウントを停止する通常停止モードと、DMA転送制御信号の出力に基づいてインターバルタイマ152のカウントを自動的に停止する自動停止モードとを識別するための自動停止フラグを記憶するレジスタであり、通常停止モードでは、自動停止フラグ=0(F3=0)が、自動停止モードでは、自動停止フラグ=1(F3=1)が記憶されている。なお、停止したインターバルタイマ152のカウントは、停止フラグと同様にCPU11による指示に基づいて再開される。
【0040】
次に、上記したようにFIFOバッファ142から受信バッファ121やイメージバッファ122へのDMA転送間隔を制御するための信号およびフラグであるDMA転送要求信号、DMA転送制御信号、停止フラグ、および自動停止フラグについての詳細を説明する。
【0041】
図2に示すように、DMA転送要求信号は、I/Fデバイス14に設けられたDMA転送要求信号生成回路141からスルーレート調整回路15に対して出力される信号であり、その出力には、DMA転送要求が発生していない状態を示すハイレベル出力と、受信したデータをFIFOバッファ142内に格納しDMA転送要求が発生している状態を示すローレベル出力とがある。そして、DMA転送要求信号は、受信したデータをFIFOバッファ142内に格納しDMA転送要求が発生したとき、その出力がハイレベルからローレベルにシフトし、受信バッファ121またはイメージバッファ122へ単位データのDMA転送が完了したとき、その出力は再びローレベルからハイレベルにシフトする。
【0042】
DMA転送制御信号は、スルーレート調整回路15に設けられたDMA転送制御信号生成回路151からCPU11に対して出力される信号であり、FIFOバッファ142から受信バッファ121やイメージバッファ122に単位データのDMA転送を行うための転送期間を示すローレベル出力と、DMA転送を禁止する転送禁止期間(およびDMA転送要求信号のダウンエッジが検出されるまでの期間)を示すハイレベル出力とがある。そして、DMA転送制御信号は、転送禁止期間が終了し、且つDMA転送要求信号の出力がハイレベルからローレベルにシフトするダウンエッジを検出したとき、その出力がハイレベルからローレベルにシフトし、DMA転送要求信号の出力がローレベルからハイレベルにシフトするアップエッジを検出したとき、その出力が再びローレベルからハイレベルにシフトする。
【0043】
インターバルタイマ152は、転送禁止期間の終了をタイマ制御するタイマであり、DMA転送制御信号の出力がローレベルからハイレベルにシフトすると同時に起動し、転送禁止期間の経過時間をカウントする。そして、インターバルタイマ152のカウント終了値は、直前にDMA転送したデータの種別に基づいて設定され、転送禁止期間は、インターバルタイマ152によるカウントが、カウント終了値(カウントエンド)に達したことが検出された時点で終了する。また、インターバルタイマ152は、直前にDMA転送したデータが解析を要するコマンドデータである場合は、カウント終了値を大きく設定することで転送禁止期間を長くし、コマンドデータを解析するための時間を確保するようにしている。これに対して、直前にDMA転送したデータが解析の必要がないイメージデータである場合は、カウント終了値を小さく設定することで転送禁止期間を短くすることができる。
【0044】
尚、本実施形態のインターバルタイマ152では、カウント終了値の設定によって転送禁止期間を最大約170μsまで設けることができ、また、カウント終了値は、直前にDMA転送したデータの種別(または、詳しくは後述するが、受信バッファ121内に格納されているデータ数)に基づき、カウント終了値(小)=50μs、カウント終了値(中)=100μs、カウント終了値(大)=150μsから選択的に設定される。
【0045】
停止フラグは、DMA転送制御信号をハイレベルで出力した状態を維持したままインターバルタイマ152によるカウントの停止/再開を指示し、インターバルタイマ152によるカウントエンドの検出を遅延させるためのフラグである。CPU11は、上記した受信割込み処理が開始したとき、停止フラグレジスタ153に対して、停止フラグ=1(F2=1)を書き込みインターバルタイマ152によるカウントを停止し、受信割込み処理が終了したとき、停止フラグ=0(F2=0)を書き込みインターバルカウンタによるカウントを再開する。即ち、受信割込み処理を実行している期間内において、インターバルタイマ152によるカウントを停止し、カウントエンドの検出を遅延させることで転送禁止期間を延長している。
【0046】
また、本実施形態では、受信割込み処理を開始したとき、停止フラグ=1(F2=1)を書き込みインターバルタイマ152によるカウントを停止し、それと同時にカウントを初期化(カウント=0)するようにしている。これにより、インターバルタイマ152は、受信割込み処理が終了したときに初期状態からカウントを再開することになる。尚、インターバルタイマ152によるカウントを再開するとき、受信バッファ121内に格納されているデータ数を確認し、このデータ数に基づいてカウント終了値が設定される。受信バッファ121内に格納されているデータ数が多いときは、カウント終了値を大きく設定することで転送禁止期間を長くし、受信バッファ121内に格納されているデータを処理するための時間を確保する。それに対して、受信バッファ121内に格納されているデータ数が少ない(無い)ときは、カウント終了値を小さく設定することで転送禁止期間を短くし、DMA転送の効率化を図るようにしている。
【0047】
自動停止フラグは、自動停止フラグレジスタ154に自動停止フラグ=1(F3=1)、即ち自動停止モードが設定されることで、DMA転送制御信号のダウンエッジの検出に伴い、CPU11による指示を待たずに自動的に停止フラグ=1(F2=1)が停止フラグレジスタ153に書き込まれ、DMA転送制御信号のアップエッジと同時に起動するインターバルタイマ152のカウントを初期状態のままで停止させる。そして、受信割込み処理の終了に伴い停止フラグレジスタ153に対して、停止フラグ=0(F2=0)を書き込むことでインターバルタイマ152のカウントを再開する。このようにして、DMA転送制御信号のダウンエッジの検出に伴い、インターバルタイマ152によるカウントを停止させた状態で転送禁止期間を開始することで、確実にカウントエンドの検出を遅延させ、転送禁止期間を延長することができる。尚、自動停止フラグによる停止モード(通常停止モードおよび自動停止モード)の設定は、特に図示しないが、装置制御部5に設けられたレジスタの設定に動的に変更することができる。
【0048】
次に、図2の(a)のタイミングチャートを参照して、停止フラグ=0(F2=0)である場合、すなわち、受信割込みが発生しない場合について説明する。但し、(a)のタイミングチャートでは、初期状態(t0)でDMA転送要求信号およびDMA転送制御信号はハイレベル出力され、FIFOバッファ142内にI/Fデバイス14で受信したデータが格納されていない状態であるとする。また、図2のDMA転送制御信号において、横向き矢印は転送禁止期間であり、実線矢印は、インターバルタイマ152によるカウントが実行されている期間を、破線矢印は、インターバルタイマ152によるカウントが停止している期間を示す。
【0049】
I/Fデバイス14では、受信したデータをFIFOバッファ142内に格納し、DMA転送要求が発生したとき、これに伴いDMA転送要求信号生成回路141によって出力しているDMA転送要求信号をローレベルにシフトさせる(t1)。スルーレート調整回路15では、DMA転送要求信号のダウンエッジ(t1)を検出し、DMA転送制御信号生成回路151によって出力しているDMA転送制御信号をローレベルにシフトさせ転送期間とする(t2)。CPU11では、DMA転送制御信号のダウンエッジ(t2)を検出し、システムバス21の専有権をDMAコントローラ111に対して解放すると共にFIFOバッファ142内に格納されている単位データのDMA転送を指示する。これにより、DMAコントローラ111による制御に基づいてFIFOバッファ142内に格納されているデータの先頭から単位データ分が受信バッファ121内にDMA転送される。そして、単位データのDMA転送が完了するとシステムバス21の専有権がCPU11に返却される。尚、DMA転送は、転送期間に比してDMA転送制御信号におけるダウンエッジ直後の極めて短い時間で行われている。
【0050】
単位データのDMA転送が完了すると、DMA転送要求信号の出力は、ハイレベルにシフトし(t3)、スルーレート調整回路15では、DMA転送要求信号のアップエッジ(t3)の検出に伴い、DMA転送制御信号の出力をハイレベルにシフトさせて転送禁止期間とし(t4)、これと同時にDMA転送されたデータの種別に基づいてカウント終了値が設定され、インターバルタイマ152が起動する。これにより、CPU11は、次のDMA転送制御信号のダウンエッジを検出するまで返却されたシステムバス21の専有権を保持し、受信バッファ121内に格納されているコマンドデータの解析や他機能によって生じた処理を実行することができる。
【0051】
また、インターバルタイマ152のカウントエンドが検出される以前にDMA転送要求信号のダウンエッジ(t5)が検出された場合、DMA転送要求が発生しDMA転送要求信号がローレベル出力されていてもDMA転送が行われることはなく、カウントエンドが検出されDMA転送制御信号の出力がローレベルにシフトするのを待機する。そして、カウントエンドの検出に伴いDMA転送制御信号の出力がローレベルにシフトしたとき(t6)、CPU11は、このDMA転送制御信号のダウンエッジ(t6)を検出し、DMAコントローラ111に対してDMA転送を指示する。そして、単位データのDMA転送が完了すると、DMA転送要求信号の出力はハイレベルにシフトされ(t7)、このアップエッジの検出によりDMA転送制御信号の出力もハイレベルにシフトし(t8)、転送禁止期間となる。
【0052】
これに対して、インターバルタイマ152のカウントエンド(t9)が検出されてもDMA転送要求信号のダウンエッジが検出されていない場合は、DMA転送制御信号はハイレベル出力が維持される。そして、I/Fデバイス14で次のデータを受信しDMA転送要求信号によるダウンエッジ(t10)が検出されたときに、インターバルタイマ152によるカウントエンド(t9)が検出され転送禁止期間が終了しているため、DMA転送制御信号の出力がローレベルにシフトし転送期間となり(t11)、単位データのDMA転送が行われる。このようにして、インターバルタイマ152によるカウントエンドが検出されても、次のDMA転送要求が生じるまでは、受信バッファ121内に格納されたコマンドデータの解析、および他機能によって発生した処理等を自由に行なうことができる。
【0053】
このようにして、スルーレート調整回路15によって転送期間と転送禁止期間とを交互に設けてDMA転送間隔を調整することにより、I/Fデバイス14で連続的にデータを受信しても、単位データのDMA転送を行う毎に転送禁止期間が設けられるので、DMA転送が連続的に行われることがない。そして、受信バッファ121内に単位データ毎にDMA転送されたデータは、転送禁止期間を利用してCPU11により解析することができるので、受信バッファ121内にDMA転送されたデータが滞留するのを防止することができる。
【0054】
次に、同図(b)を参照して、コマンドデータの受信によって受信割込み要求が発生した場合でのタイミングチャートについて説明する。この場合、転送禁止期間は、少なくとも受信割込み処理が開始されてから終了するまでに要する期間が延長される。尚、(b)のタイミングチャートに示す停止フラグは、ローレベルで記載している期間は停止フラグレジスタ153に停止フラグ=0(F2=0)が記憶されていることを示し、ハイレベルで記載している期間は停止フラグ=1(F2=1)が記憶されていることを示す。また、自動停止フラグは、自動停止フラグ=0(F3=0)の通常停止モードに設定されているものとする。
【0055】
上記したように、コマンドデータをI/Fデバイス14で受信し、それをFIFOバッファ142内に格納したときにDMA転送要求が発生し、これに伴い割込みフラグレジスタ112に割込みフラグ=1(F1=1)が書き込まれる。これに基づき、転送禁止期間において割込み要求の発生が検出されると、CPU11の指示によって停止フラグレジスタ153に停止フラグ=1(F2=1)が書き込まれると共に、インターバルタイマ152によるカウントが初期化されて停止し、受信割込み処理が実行される(t21)。そして、受信割込み処理が終了しCPU11の指示によって停止フラグレジスタ153に停止フラグ=0(F2=1)が書き込まれたとき、初期化されたインターバルタイマ152にカウント終了値が設定されカウントが再開する(t23)。尚、上記したように、受信割込み処理が行なわれている間、即ちインターバルタイマ152によるカウントが停止している間(t21からt23)は、DMA転送制御信号のハイレベル出力が維持されているため、DMA転送が発生することは無い。
【0056】
また、停止フラグ=1を書き込んだことで、インターバルタイマ152のカウントが停止すると、I/Fデバイス14でデータを受信しDMA転送要求信号のダウンエッジ(t22)が検出されても、インターバルタイマ152のカウントエンドが検出されていないため、DMA転送は行われず、DMA転送要求信号は、ローレベル出力の状態で維持される。そして、受信割込み処理の終了に伴い開始されたインターバルタイマ152のカウントによるカウントエンドが検出されると、DMA転送制御信号の出力がハイレベルからローレベルにシフトし、単位データのDMA転送が行われる(t24)。単位データのDMA転送の完了に伴いDMA転送要求信号の出力がローレベルからハイレベルにシフトすると、このアップエッジ(t25)の検出により、DMA転送制御信号の出力がローレベルからハイレベルにシフトし転送禁止期間となる(t26)。
【0057】
このようにして、転送禁止期間は、受信割込み要求に基づき、少なくとも受信割込み処理を実行するための期間分が確実に延長され、これにより、受信割込み処理の発生に伴いそれ以外の処理(受信バッファ121内に格納されているデータの処理や他機能によって発生した処理等)が滞るのを回避することができる。
【0058】
次に、同図(c)を参照して、自動停止モードが設定されている場合に、コマンドデータの受信によって受信割込みが発生した場合のタイミングチャートについて説明する。尚、(c)のタイミングチャートに示す停止フラグは、(b)と同様に、ローレベルで記載している期間は停止フラグレジスタ153に停止フラグ=0(F2=0)が記憶されていることを示し、ハイレベルで記載している期間は停止フラグ=1(F2=1)が記憶されていることを示す。
【0059】
自動停止フラグレジスタ154に自動停止フラグ=1(F3=1)が設定されている場合、DMA転送要求の発生によりDMA転送要求信号のダウンエッジ(t31)が検出され、DMA転送制御信号の出力がハイレベルからローレベルにシフトすると同時に、停止フラグレジスタ153に停止フラグ=1(F2=1)が書き込まれる(t32)。これにより、DMA転送要求信号のアップエッジ(t33)が検出され、DMA転送制御信号をローレベルからハイレベルにシフトさせ転送禁止期間としても(t34)、インターバルタイマ152によるカウントを初期状態で停止したままの状態とすることができる。そして、受信割込み処理が終了しCPU11の指示によって停止フラグレジスタ153に停止フラグ=0(F2=1)が書き込まれたとき、初期化されたインターバルタイマ152によってカウントが再開される(t35)。
【0060】
自動停止フラグは、転送禁止期間を極端に短く設定した場合に、CPU11によって自動停止フラグの書き込みを指示し、自動停止フラグレジスタ154に書き込みが行なわれる以前にカウントエンドが検出されるのを防止するために設けたフラグである。この自動停止フラグを設けたことにより、転送禁止期間が開始されてもインターバルタイマ152によるカウントを初期状態で停止したままの状態にすることができ、転送禁止期間を極端に短く設定した場合であっても受信割込み処理を行なうための時間を確保することができる。
【0061】
次に、図3、4および5を参照し、受信割込み処理について詳細を説明する。受信割込み要求には、コマンドデータの受信に伴い生じるコマンド受信割込み要求、イメージデータの受信開始に伴い生じる受信開始割込み要求、およびイメージデータの受信終了に伴い生じる受信終了割込み要求等がある。割り込みフラグは、I/Fデバイス14で受信したデータの種別に基づき、受信割込み処理を行なうか否かが判断され、受信したデータに対するDMA転送要求の発生に伴い、割込みフラグレジスタ112に割込みフラグ=1(F1=1)が書き込まれる。尚、受信割込み要求は、コマンドデータ(コマンド受信割込み要求)、イメージデータの先頭データ(受信開始割込み要求)、イメージデータの最終データ(受信終了割込み)等を受信したときに発生する。
【0062】
図3を参照して、コマンドデータの受信に伴い生じるコマンド受信割込み要求について説明する。コマンドデータのDMA転送は、1バイトを単位データとし、単位データ毎に行なわれ、この単位データに対するDMA転送要求の発生に伴い、割込みフラグレジスタ112に割込みフラグ=1(F1=1)が書き込まれる。そして、CPU11は、単位データのDMA転送が行なわれ転送禁止期間が開始されたとき、割込みフラグレジスタ112を確認し、割込みフラグ=1(F1=1)が書き込まれていた場合に受信割込み処理を開始する(S0)。
【0063】
CPU11は、受信割込み処理の開始に伴い割込みフラグを初期化(F1=0)し(S1)、停止フラグレジスタ153に停止フラグ=1(F2=1)を書き込むことで、インターバルタイマ152によるカウントを停止および初期化する(S2)。そして、受信バッファ121内に優先順位の高いコマンドデータであるリアルタイムコマンドが格納されているか否かを確認し(S3)、このリアルタイムコマンドが格納されている場合はそれを解析する(S4)。
【0064】
リアルタイムコマンドの解析が終了すると(または、受信バッファ121内にリアルタイムコマンドが格納されてない場合)、受信バッファ121内に格納されているデータ数を確認し(S5)、この確認結果に基づき受信割込み処理の終了に伴い再開するインターバルタイマ152のカウント終了値を設定する(S6またはS7)。このとき、受信バッファ121に格納されているデータ数が多いと判断した場合は、カウント終了値(大)を設定し(S6)、少ないと判断した場合は、カウント終了値(中)を設定する(S7)。そして、次に行なうDMA転送の準備のために、DMA転送先に受信バッファ121のアドレスを設定すると共に、転送データ長に1回に1バイト毎のDMA転送が行われるように設定し(S8)、これの終了に伴い停止フラグレジスタ153に停止フラグ=0(F2=0)を書き込み(S9)受信割込み処理を終了する(S10)。
【0065】
このように、コマンド受信割込み処理において、受信バッファ121内に格納されているリアルタイムコマンドを解析することで、リアルタイムコマンドの応答性を向上することができる。また、受信バッファ121内に格納されているデータ数を確認し、その確認結果に基づいてカウント終了値を設定することで、受信バッファ121内に格納されているデータを処理するための転送禁止期間を確保することができ、受信バッファ121内にデータが滞留していても、それを解消することができる。
【0066】
次に、図4を参照して、I/Fデバイス14によってイメージデータの先頭データを受信したときに発生する受信開始割込み要求について説明する。受信開始割込み要求は、イメージデータの先頭データを受信したとき、それに対するDMA転送を一時中断し、以後に受信するイメージデータのDMA転送準備を行なうために設けられる。
【0067】
I/Fデバイス14でイメージデータの先頭データを受信した場合、これに対するDMA転送を一時中断し(S21)、停止フラグレジスタ153に停止フラグ=1(F2=1)を書き込むことで、インターバルタイマ152によるカウントを停止および初期化する(S22)。そして、受信開始割込み処理の終了に伴い再開するインターバルタイマ152のカウント終了値を設定する(S23)。尚、イメージデータでは解析を行なう必要がないのでカウント終了値(小)が設定される。また、本実施形態では、カウント終了値(小)を設定するようにしたが、イメージデータのDMA転送を高速に行なうために、カウント終了値=0、即ち転送禁止期間を設けないように設定することもできる。
【0068】
そして、カウント終了値を設定した後に行なうDMA転送準備では、イメージデータをFIFOバッファ142からイメージバッファ122へDMA転送するように、DMA転送先にはイメージバッファ122のアドレスを設定すると共に、転送データ長に1回にnバイト毎のDMA転送が行われるように設定する(S24)。ここで、nバイトはホストコンピュータ1の設定により都度変更されるものである。そして、DMA転送準備の終了に伴い停止フラグレジスタ153に停止フラグ=0(F2=0)を書き込み受信開始割込み処理を終了する(S25)。これにより、受信開始割込み処理を終了後に受信したイメージデータは、1回のDMA転送でnバイト毎にイメージバッファ122へ転送される。
【0069】
このようにして、受信開始割込み処理により、DMA転送準備を行なうことで、容量の大きいイメージデータを単位データ毎にDMA転送する場合、コマンドデータのDMA転送に比して転送禁止期間を短く設定し(または、転送禁止期間を設定しない)、DMA転送を高速に行なうことができる。
【0070】
また、図5に参照される受信終了割込み処理は、イメージデータの受信が全て終了した後、イメージデータの受信処理をコマンドデータの受信処理に戻すための処理であり、受信したイメージデータに対する最後の単位データをDMA転送した後、転送禁止期間において実行される。また、この単位データのDMA転送要求が発生したときに割込みフラグレジスタ112に割込みフラグ=1(F1=1)が書き込まれる。
【0071】
最後の単位データのDMA転送が完了し、転送禁止期間が開始されると、割込みフラグレジスタ112に割込みフラグ=1(F1=1)が書き込まれていることを確認して受信終了割込み処理を開始する(S30)。受信終了割込み処理の開始に伴うCPU11の指示により、割込みフラグを初期化(F1=0)し(S31)、停止フラグレジスタ153に停止フラグ=1(F2=1)を書き込むことで、インターバルタイマ152によるカウントを停止および初期化させる(S32)。そして、受信バッファ121内に格納されているデータ数を確認し(S33)、データ数が多い場合は、受信終了割込み処理の終了に伴い再開するインターバルタイマ152のカウントをカウント終了値(大)に設定し(S34)、データ数が少ない(または無い)場合は、カウント終了値(中)に設定する(S35)。DMA転送準備では、コマンドデータの受信処理に戻すために、DMA転送先アドレスに受信バッファ121のアドレスを設定すると共に、転送データ長に1回に1バイト毎のDMA転送が行われるように設定し(S36)、これらの設定の終了に伴い停止フラグレジスタ153に停止フラグ=0(F2=0)を書き込み(S37)受信終了割込み処理を終了する(S38)。
【0072】
このようにして、受信終了割込み処理により、イメージデータの受信処理からコマンドデータの受信処理に移行することができる。また、受信バッファ121内に格納されているデータ数を確認し、イメージデータのDMA転送を行うことで、待ち状態となっているデータが発生している場合、それを実行することで、受信バッファ121内にデータが滞留していても、それを解消することができる。
【0073】
以上の説明のように、本実施形態のデータ転送制御方法、データ転送回路装置およびこれを備えた印刷装置2では、DMA転送を行なう間隔を処理状況に応じて適切に制御することで、受信バッファ121内にデータが滞留するのを防止し、コマンドデータに対する応答性を向上させることができる。また、それと同時に他機能により発生した処理を円滑に実行することができる。
【0074】
尚、上記した例では、停止フラグの設定は、受信割込み処理の開始および終了に伴いCPU11の指示に基づいて行なうようにしたが、特定のコマンドデータを実行するとき、特定の処理を行なうとき、または、受信バッファ121内に格納されているデータ数等に基づいて、停止フラグを設定するようにもできる。即ち、転送禁止期間における処理状況に応じて自由に停止フラグを設定するようにもできる。この構成によれは、例えば、受信バッファ121内にデータが滞留したとき、そのデータ数に基づいて任意のタイミングで転送禁止期間を延長し確実に処理することで、データの滞留を解消することができる。
【0075】
【発明の効果】
以上のように、本発明の本実施形態のデータ転送制御方法、データ転送回路装置およびこれを備えた印刷装置2によれば、DMA転送を行なう間隔を処理状況に応じて適切に制御することで、受信バッファ121内にデータが滞留するのを防止し、コマンドデータに対する応答性を向上させることができる。それと同時に他機能により発生した処理を円滑に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る印刷装置2の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】 DMA転送の実施タイミングを示すタイミングチャートであり、(a)は、受信割込み要求が発生しない場合を示し、(b)は、通常停止モードにおいて受信割込み要求が発生している場合を示し、(c)は、自動停止モードにおいて受信割込み要求が発生している場合を示す。
【図3】 本発明の一実施形態に係る受信割込み処理の流れを示す概略フローチャートである。
【図4】 本発明の一実施形態に係るイメージデータの受信開始割込み処理の流れを示す概略フローチャートである。
【図5】 本発明の一実施形態に係るイメージデータの受信終了割込み処理の流れを示す概略フローチャートである。
【符号の説明】
1 ホストコンピュータ
2 印刷装置
5 装置制御部
6 印刷機構部
11 CPU
12 RAM
13 ROM
14 USBインターフェイスデバイス(I/Fデバイス)
15 スルーレート調整回路
16 P−CON
21 システムバス
22 信号線
111 DMAコントローラ
112 割込みフラグレジスタ
121 受信バッファ
122 イメージバッファ
141 DMA転送要求信号生成回路
142 FIFOバッファ
151 DMA転送制御信号生成回路
152 インターバルタイマ
153 停止フラグレジスタ
154 自動停止フラグレジスタ
Claims (13)
- インターフェイスデバイスによって受信したデータを、DMA転送を用いて受信バッファに転送するデータ転送制御方法であって、
前記インターフェイスデバイスから前記受信バッファへのデータ転送を行なう転送期間と、前記データ転送を禁止する転送禁止期間とを交互に設けることによってデータ転送間隔を制御するデータ転送間隔制御工程と、
前記データの受信に基づく割込み要求が発生しているか否かを検出する割込み要求検出工程と、
前記転送期間において、前記データを前記インターフェイスデバイスから前記受信バッファへ転送し、当該受信バッファ内に格納するデータ転送工程と、
前記転送禁止期間において、前記割込み要求に基づく割込み処理を含むデータ処理を実行するデータ処理工程と、
前記割込み要求を検出した場合、前記割込み処理の実行に伴い前記転送禁止期間の延長を行う転送禁止期間延長工程と、
前記割込み処理の実行に伴い前記転送禁止期間延長工程を開始する通常停止モードと、前記転送禁止期間の開始と同時に前記転送禁止期間延長工程を自動的に開始する自動停止モードとのいずれか一方を設定するモード設定工程と、を備え、
前記転送禁止期間延長工程は、前記モード設定工程で設定したモード情報に基づいて前記転送禁止期間の延長を開始することを特徴とするデータ転送制御方法。 - 前記データ転送間隔制御工程は、前記データの種別および/または前記受信バッファ内に格納されているデータ数に基づき、前記転送禁止期間を設定することを特徴とする請求項1に記載のデータ転送制御方法。
- 前記データ転送間隔制御工程は、インターバルタイマによって前記転送禁止期間をタイマ制御し、
前記転送禁止期間延長工程は、前記割込み処理の開始に伴い前記インターバルタイマによるカウントを停止するタイマ停止工程と、
前記割込み処理の終了に伴い前記インターバルタイマによる前記カウントを再開し、当該カウントの完了により前記転送禁止期間を終了するタイマ再開工程と、を有することを特徴とする請求項1または2に記載のデータ転送制御方法。 - 前記タイマ停止工程で、前記インターバルタイマによる前記カウントをリセットし、
前記タイマ再開工程で、前記データの種別および/または前記受信バッファ内に格納されているデータ数に基づき、前記転送禁止期間を設定することを特徴とする請求項3に記載のデータ転送制御方法。 - 前記データには、イメージデータとコマンドデータとが含まれており、
前記データの転送は、前記データが前記コマンドデータである場合、1バイト毎に行なわれ、前記データが前記イメージデータである場合、n(nは、n≧1の整数)バイト毎に行なわれることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のデータ転送制御方法。 - 前記インターフェイスデバイスは、シリアルインターフェイスデバイスであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のデータ転送制御方法。
- インターフェイスデバイスによって受信したデータを、DMA転送を用いて受信バッファに転送するデータ転送回路装置において、
前記インターフェイスデバイスから前記受信バッファへのデータ転送を行なう転送期間と、前記データ転送を禁止する転送禁止期間とを交互に設けることによってデータ転送間隔を制御するデータ転送間隔制御手段と、
前記データの受信に基づく割込み要求が発生しているか否かを検出する割込み要求検出手段と、
前記転送期間において、前記データを前記インターフェイスデバイスから前記受信バッファへ転送し、当該受信バッファ内に格納するDMAコントローラと、
前記転送禁止期間において、前記割込み要求に基づく割込み処理を含むデータ処理を実行するデータ処理手段と、
前記割込み要求を検出した場合、前記割込み処理の実行に伴い前記転送禁止期間の延長を行う転送禁止期間延長手段と、
前記割込み処理の実行に伴い前記転送禁止期間延長手段を実行する通常停止モードと、前記転送禁止期間の開始と同時に前記転送禁止期間延長手段を自動的に実行する自動延長モードとのいずれか一方を設定するモード設定手段と、を備え、
前記転送禁止期間延長手段は、前記モード設定手段で設定したモード情報に基づいて前記転送禁止期間の延長を開始することを特徴とするデータ転送回路装置。 - 前記データ転送間隔制御手段は、前記データの種別および/または前記受信バッファ内に格納されているデータ数に基づき、前記転送禁止期間を設定することを特徴とする請求項7に記載のデータ転送回路装置。
- 前記データ転送間隔制御手段は、前記転送禁止期間をタイマ制御するインターバルタイマを有し、
前記転送禁止期間延長手段は、前記割込み処理の開始に伴い前記インターバルタイマによるカウントを停止するタイマ停止手段と、
前記割込み処理の終了に伴い前記インターバルタイマによる前記カウントを再開し、当該カウントの終了により前記転送禁止期間を終了するタイマ再開手段と、を有することを特徴とする請求項7または8に記載のデータ転送回路装置。 - 前記タイマ停止手段で、前記インターバルタイマによる前記カウントをリセットし、
前記タイマ開始手段で、前記データの種別および/または前記受信バッファ内に格納されているデータ数に基づき、前記転送禁止期間を設定することを特徴とする請求項9に記載のデータ転送回路装置。 - 前記データには、イメージデータとコマンドデータとが含まれており、
前記データの転送は、前記データが前記コマンドデータである場合、1バイト毎に行なわれ、前記データが前記イメージデータである場合、n(nは、n≧1の整数)バイト毎に行なわれることを特徴とする請求項7ないし10のいずれか1項に記載のデータ転送回路装置。 - 前記インターフェイスデバイスは、シリアルインターフェイスデバイスであることを特徴とする請求項7ないし11のいずれか1項に記載のデータ転送回路装置。
- 請求項7ないし12のいずれか1項に記載のデータ転送回路装置を備えたことを特徴とする印刷装置。
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