JP4211096B2 - アクリロニトリル系共重合体用重合開始剤及びそれを用いるアクリロニトリル系共重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、成形材料として使用されるアクリロニトリル系共重合体を製造するためのアクリロニトリル系共重合体用重合開始剤及びそれを用いるアクリロニトリル系共重合体の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、特に着色が少なく、かつゲル分の少ないアクリロニトリル系共重合体を製造可能なアクリロニトリル系共重合体用重合開始剤及びそれを用いてアクリロニトリル系共重合体を生産性良く製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アクリロニトリルとスチレン系単量体との共重合体(以下、アクリロニトリル系共重合体と称する。)は、透明性、耐薬品性及び剛性等に優れた材料として有用である。しかし、通常の重合開始剤を用いてアクリロニトリル系共重合体を製造した場合、重合体が着色し易く、また製造途中で発生したゲル状物質を含んだ重合体となるため、最終製品の品質が悪いといった問題点がある。
【0003】
このような問題点を改善する目的で種々の改良法が検討されている。中でも、重合開始剤に着目した改良法として、例えば次のようなものが知られている。すなわち、特開平4−146908号公報には、非芳香族系で、特定の架橋効率を有し、かつ分解しても有機酸を生成しない重合開始剤として、例えば1, 1−ビス(t−ブチルペルオキシ)3, 3, 5−トリメチルシクロヘキサンが記載されている。そして、その重合開始剤を塊状又は溶液連続重合反応に使用することにより、重合体の着色を低減する方法が開示されている。
【0004】
また、特開平5−155941号公報には、その重合温度で特定の分解速度を有する重合開始剤として、例えばt−ブチルペルオキシ(2−エチルヘキサノエート)が記載されている。そして、その重合開始剤を使用して重合を行うことにより、得られる重合体の着色を低減する方法が開示されている。
【0005】
さらに、特開平10−195141号公報には、重合開始剤として1, 1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン又は1, 1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを使用し、得られる重合体の着色又はゲル分を低減する方法が開示されている。
【0006】
加えて、アクリロニトリル系共重合体の製造に一般に使用されている重合開始剤として、ジクミルペルオキシドが挙げられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特開平4−146908号公報又は特開平5−155941号公報で用いられている重合開始剤は、得られる重合体の着色低減の点では効果は見られたが、ゲル状物質の低減という点では不十分であった。しかも、そこで用いられている重合開始剤は、分解速度が速いために120℃を越える高温での重合では、重合後期に重合開始剤の消失によるいわゆるデットエンド重合となって生産性が低いという問題を生じていた。
【0008】
また、特開平10−195141号公報で用いられている重合開始剤は、得られる重合体の着色及びゲル状物質の低減で効果は見られるが、そこで用いられている重合開始剤もまた、分解速度が速い。このため、120℃を越える高温での重合では、重合後期にデットエンド重合となって生産性が低いという問題があった。
【0009】
さらに、アクリロニトリル系共重合体の製造に使用されるジクミルペルオキシドは、アクリロニトリル系共重合体の加工時にジクミルペルオキシドの分解生成物であるアセトフェノンにより強い臭気が発生するという問題があった。
【0010】
この発明は、以上のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、着色が少なく、またゲル状物質の生成も少なく、低臭気であるアクリロニトリル系共重合体を得るためのアクリロニトリル系共重合体用重合開始剤を提供することにある。他の目的とするところは、着色が少なく、またゲル状物質の生成も少なく、低臭気であるアクリロニトリル系共重合体を生産性良く製造することができるアクリロニトリル系共重合体の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定の重合開始剤を用いることにより上記の目的を達成できることを見い出し、この発明を完成した。即ち、この発明における第1の発明のアクリロニトリル系共重合体用重合開始剤は、下記の一般式(1)で表される有機過酸化物よりなり、アクリロニトリルとスチレン系単量体とのみを溶液重合法で共重合させてなるアクリロニトリル系共重合体用のものである。
【0012】
【化2】
(式中、R1は炭素数が2〜3の直鎖若しくは分岐のアルキル基、R2は炭素数1のアルキル基、R3は炭素数が2〜3の直鎖若しくは分岐のアルキル基である。)
第2の発明のアクリロニトリル系共重合体の製造方法は、アクリロニトリルとスチレン系単量体とのみを、溶液重合法で第1の発明のアクリロニトリル系共重合体用重合開始剤により重合開始させてアクリロニトリル系共重合体を製造するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施形態について、詳細に説明する。
アクリロニトリル系共重合体用の重合開始剤は、下記の一般式(1)で表される有機過酸化物よりなるものである。
【0014】
【化3】
(式中、R1は炭素数が2〜3の直鎖若しくは分岐のアルキル基、R2は炭素数1のアルキル基、R3は炭素数が2〜3の直鎖若しくは分岐のアルキル基である。)
一般式(1)中のR1、R2及びR3は、この重合開始剤を使用して製造されるアクリロニトリル系共重合体の着色が少なく、ゲル状物質の生成も少なく、かつ低臭気であるという観点及び製造の容易性という観点等から設定されている。
【0015】
この一般式(1)で表される有機過酸化物の具体例としては、例えば、ジ−t−アミルペルオキシド、ジ−t−ヘキシルペルオキシド等が挙げられる。これらは、1種又は2種が混合して用いられる。また、この一般式(1)で表される有機過酸化物と、他の一般的なアゾ化合物又はペルオキシド等の重合開始剤とを併用しても良い。
【0016】
この重合開始剤は、アクリロニトリル系共重合体を溶液重合法で製造するために使用される。
アクリロニトリル系共重合体は、アクリロニトリルを必須成分として含有する単量体を重合することにより得られるものである。従って、単量体としては、アクリロニトリルとスチレン系単量体とのみが組合せて使用される。
【0017】
次に、アクリロニトリル系共重合体は、アクリロニトリルとスチレン系単量体とを、溶液重合法で上記のアクリロニトリル系共重合体用重合開始剤により重合開始させて重合を行うことにより製造される。
【0018】
この場合、アクリロニトリル系共重合体用重合開始剤の使用量は、アクリロニトリルとスチレン系単量体との混合物(以下、単量体混合物と称する。)100重量部に対して好ましくは0.005〜5重量部であり、さらに好ましくは0.01〜2重量部である。この使用量が0.005重量部未満では、重合速度が小さくなり好ましくない。また、その使用量が5重量部を越えると、重合速度を抑制できなくなり好ましくない。
【0019】
スチレン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン及びp−メチルスチレンを挙げることができる。
また、アクリロニトリルとスチレン系単量体との使用割合は、重量比(分子がアクリロニトリルであり、分母がスチレン系単量体)で通常5/95〜80/20であり、好ましくは10/90〜60/40である。この重量比が5/95未満では得られるアクリロニトリル系共重合体の耐薬品性が低下し、80/20を越えるとアクリロニトリル系共重合体の着色が多くなる傾向にある。
【0024】
また、必要により、重合に通常用いられているt−オクチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、α−メチルスチレンダイマー、ターピノーレン等の連鎖移動剤を用いることができる。また、フェノール系又はリン系の酸化防止剤、ベンゾフェノン等の紫外線防止剤等の添加物を用いることもできる。
【0025】
さらに、必要に応じ、重合に通常用いられているメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、トルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、四塩化炭素ジクロルメチレン等のハロゲン化炭化水素、ジメチルフォルムアミド、N−メチルピロリドン等の不活性な重合溶剤を用いることができる。
【0026】
重合方法としては、溶液重合法が採用される。また、その方法による多段昇温型重合方法又は連続型重合方法も採用される。
【0027】
重合温度は、好ましくは80℃〜180℃、より好ましくは120℃〜160℃である。80℃未満では重合速度が低下し、また180℃を越える温度では得られる重合体の着色が多くなるため好ましくない。また、上記の温度範囲でプログラム昇温しながら重合する方法も採用される。
【0028】
前記アクリロニトリル系共重合体の使用に際して、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、ガラスビーズ、アスベスト、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム等の充填剤が単独又は併用して配合される。また、公知の難燃剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤等の添加物を配合してもよい。さらに、要求される性能に応じ、他の重合体、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、NBR、SBR、ABS、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS)等の汎用樹脂の他、エンジニアリングプラスチックス、スーパーエンジニアリングプラスチックス等を適宜ブレンドすることができる。
【0029】
以上の実施形態により発揮される効果について、以下に記載する。
・ 実施形態のアクリロニトリル系共重合体用重合開始剤によれば、着色が少ないアクリロニトリル系共重合体を得ることができる。これは、前記一般式(1)の有機過酸化物よりなる重合開始剤が水素引き抜き能が低いことから、その重合開始剤を用いてアクリロニトリル系共重合体を製造する場合、重合体主鎖から水素が引き抜かれることが抑制されるためと推定される。
【0030】
・ 実施形態のアクリロニトリル系共重合体用重合開始剤によれば、ゲル状物質の生成も少ないアクリロニトリル系共重合体を得ることができる。これは、一般式(1)の有機過酸化物よりなる重合開始剤が水素引き抜き能が低いので、その重合開始剤を用いてアクリロニトリル系共重合体を製造する場合、重合体主鎖から水素が引き抜かれることが抑制されるためと推定される。
【0031】
・ 実施形態のアクリロニトリル系共重合体用重合開始剤によれば、重合開始剤は前記一般式(1)で表される構造を有しているため、分解温度が高く、分解生成物として臭気の原因となるアセトフェノンが生成しない。このため、低臭気のアクリロニトリル系共重合体を得ることができる。
【0032】
・ 実施形態のアクリロニトリル系共重合体用重合開始剤によれば、重合開始剤は前記一般式(1)で表される構造を有していることから、分解温度が高く、120℃以上という高温において重合を行う場合の重合開始剤として適している。
特に、高温下での溶液重合法、そしてその連続重合法に有効である。
【0033】
・ 実施形態のアクリロニトリル系共重合体の製造方法によれば、上記のような一般式(1)の有機過酸化物よりなる重合開始剤を用いて重合を行うことから、着色が少なく、またゲル状物質の生成も少なく、低臭気であるアクリロニトリル系共重合体を生産性良く製造することができる。
【0034】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げ、前記実施形態をさらに具体的に説明する。
各例における色相、ゲル分及び臭気の測定方法は以下の通りである。
<色相>
得られた共重合体に含まれる単量体及び溶剤を加熱留去した後、共重合体の色相を下記の基準で評価した。
【0035】
◎:無色透明、○:薄い黄色、△:黄色、×:濃い黄色
<ゲル分>
得られた共重合体20gを精秤(A)してアセトン500gに溶解し、200メッシュの金網で濾過した後、金網の付着物を乾燥してゲル分の重量(B)を測定した。
【0036】
ゲル分 (ppm)=(B(g)×1000000)/(A×重合転化率×単量体濃度)
<臭気>
共重合体、未反応単量体及び溶剤を含む混合物から未反応単量体と溶剤を留去するため、減圧下(5mmHg)で加熱(190℃)する。冷却後、共重合体を粉砕してガラス製サンプル瓶に入れ、臭いを15人に嗅がせた。そして、その臭気を下記の基準で評価した。
【0037】
○:不快な臭気を感じた人数0〜4人
△: 〃 5〜8人
×: 〃 9〜15人
また、表中の重合開始剤及び単量体についての略記号は以下の意味を表す。
DHP :ジ−t−ヘキシルペルオキシド
DAP :ジ−t−アミルペルオキシド
BOP :下記化学式(2)で表されるt−ブチル−t−オクチルペルオキシド
【0038】
【化4】
DBP :ジ−t−ブチルペルオキシド
DCP :ジクミルペルオキシド
HPCH:1,1’−ビス−(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン
BPEH:t−ブチルペルオキシ(2−エチルヘキサノエート)
AN :アクリロニトリル
St :スチレン
BCP :t−ブチル−1−シクロヘキシル−1−メチル−エチルペルオキシドBPTMC:1,1’−ビス−(t−ブチルペルオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
(実施例1)
アクリロニトリル25重量部、スチレン75重量部、溶媒としてのキシレン30重量部、ジ−t−ヘキシルペルオキシド0.05重量部の割合で溶解し、調製した重合原液を脱気した。内容量20ミリリットルのガラスアンプル中に重合原液を10ミリリットル仕込み、アンプル内を窒素ガスで置換した後溶封し、重合温度を140℃に保ちながら6時間重合させた。
【0039】
重合後、ガスクロマトグラフィーによる重合液中の残存単量体の定量から重合転化率を求めた。さらに、得られたアクリロニトリル系共重合体の色相、ゲル分及び臭気を測定した。それらの結果及び反応条件について表1に示した。
(実施例2)
実施例1において重合開始剤として、ジ−t−ヘキシルペルオキシドの代わりにジ−t−アミルペルオキシドを用いた他は実施例1と同様にして重合及び測定を行った。その結果を表1に示した。
(参考例3)
実施例1において重合開始剤として、ジ−t−ヘキシルペルオキシドの代わりにt−ブチル−1−シクロヘキシル−1−メチル−エチルペルオキシドを用いた他は実施例1と同様にして重合及び測定を行った。その結果を表1に示した。
(参考例4)
実施例1において重合開始剤として、ジ−t−ヘキシルペルオキシドの代わりにtブチル−t−オクチルペルオキシドを用いた他は実施例1と同様にして重合及び測定を行った。その結果を表1に示した。
(比較例1)
実施例1において重合開始剤として、ジ−t−ヘキシルペルオキシドの代わりにジ−t−ブチルペルオキシドを用いた以外は実施例1に準じて重合及び測定を行った。その結果を表1に示した。
(比較例2)
実施例1において重合開始剤として、ジ−t−ヘキシルペルオキシドの代わりにジ−クミルペルオキシドを用いた以外は実施例1に準じて重合及び測定を行った。その結果を表1に示した。
(比較例3)
実施例1において重合開始剤として、ジ−t−ヘキシルペルオキシドの代わりに1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサンを用いた以外は実施例1に準じて重合及び測定を行った。その結果を表1に示した。
(比較例4)
実施例1において重合開始剤として、ジ−t−ヘキシルペルオキシドの代わりにt−ブチルペルオキシ(2−エチルヘキサノエート)を用いた以外は実施例1に準じて重合及び測定を行った。その結果を表1に示した。
(比較例5)
実施例1において重合開始剤として、ジ−t−ヘキシルペルオキシドの代わりに1,1’−ビス−(t−ブチルペルオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを用いた以外は実施例1に準じて重合及び測定を行った。その結果を表1に示した。
【0040】
【表1】
表1に示したように、実施例1及び2では、前記一般式(1)で表される重合開始剤を使用したことから、重合転化率が高く、得られたアクリロニトリル系共重合体は、色相が無色透明に近く、ゲル分が少なく、しかも臭気が低減された。
【0041】
これに対し、比較例1〜5では、一般式(1)で表される重合開始剤以外の重合開始剤を用いたことから、重合転化率が低く、色相、ゲル分及び臭気のうちいずれかの特性が不良であった。
【0042】
なお、前記実施形態より把握される技術的思想について以下に記載する。
・ 重合温度は120℃〜160℃である請求項2に記載のアクリロニトリル系共重合体の製造方法。
【0043】
この製造方法によれば、前記一般式(1)で表される構造を有する重合開始剤は分解温度が高く、高温における重合を行う場合に適しており、特に、高温下での塊状重合法や溶液重合法、そしてそれらの連続重合法に有効である。
【0044】
・ 前記アクリロニトリルとスチレン系単量体との使用割合は、重量比で10/90〜60/40である請求項2に記載のアクリロニトリル系共重合体の製造方法。
【0045】
この製造方法によれば、得られるアクリロニトリル系共重合体の着色が少なく、またゲル状物質の生成も少なく、低臭気であるうえに、耐薬品性も保持することができる。
【0048】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば以下のような効果を奏する。
第1の発明のアクリロニトリル系共重合体用重合開始剤によれば、着色が少なく、またゲル状物質の生成も少なく、低臭気であるアクリロニトリル系共重合体を得ることができる。
【0049】
第2の発明のアクリロニトリル系共重合体の製造方法によれば、着色が少なく、またゲル状物質の生成も少なく、低臭気であるアクリロニトリル系共重合体を生産性良く製造することができる。
【0050】
従って、これらの発明は、樹脂成形品の原料として工業的に利用価値が高い。
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