JP4210813B2 - 多糖類およびオリゴ糖類のビス・シラン、ビス・チオエーテル、ビス・スルホキシド、ビス・スルホンおよびブタン・ジ・イルの誘導体をベースとする架橋ポリマー、並びに担体物質としてのその成形 - Google Patents

多糖類およびオリゴ糖類のビス・シラン、ビス・チオエーテル、ビス・スルホキシド、ビス・スルホンおよびブタン・ジ・イルの誘導体をベースとする架橋ポリマー、並びに担体物質としてのその成形 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多糖類またはオリゴ糖類のビス・シラン、ビス・チオエーテル、ビス・スルホキシド、ビス・スルホンおよびブタン・ジ・イルの誘導体をベースとする新規架橋ポリマー、並びに鏡像異性体の分離または調製において役立つ担体物質(support material)としてのその成形に関する。
【0002】
本発明は、前記架橋ポリマー化合物の調製方法、および前記架橋ポリマー化合物を含む担体物質の球状物の調製方法にも関する。
【0003】
本発明は、クロマトグラフィーまたは有機合成において役立つ担体物質の球状物を得る方法にも関する。
【0004】
本発明は、不均質媒質でのクロマトグラフィーまたは有機合成プロセスにおける使用を介する、鏡像異性体の分離または調製における架橋ポリマー化合物を含む前記担体物質の使用にも関する。
【0005】
本発明は、鏡像異性体の分離または調製において膜を介するパーコレーションを用いるプロセスにおける膜形態での前記架橋ポリマー化合物の使用にも関する。
【0006】
【従来技術および解決すべき課題】
鏡像体の分離は、約20年間、調製および分析の両方のレベルで拡大している分野である。このことは特に、法制が、医薬の組成物に含まれるあらゆる化合物の光学異性体の分離の研究を要求する薬学的応用に当てはまる。置換多糖類は多くの研究の課題であり、シリカゲル保持体に物理的に担持されているセルロースは市販されている。しかしながら、それらの化合物は、ほとんどしばしば有機極性溶媒に可溶であるという欠点を有しており、そのことは非常にそれらの使用を制限する。
【0007】
最近の解決法は、置換多糖と保持体との間に共有結合を確立することにより、溶解の問題に提供されている。Kimataらは、シリカゲルに担持され、次いで保持体上で重合したセルロース−トリス−2,3,6−(4−ビニルベンゾエート)をベースとするキラルな固定相についての結果(Analytical Methods and Instrumentation, Vol. 1, 23-29 (1993))を発表した。
【0008】
2つのラセミ試験混合物を用いて得られたクロマトグラフィーのデータは下記の通りである。
【0009】
【表1】
Figure 0004210813
表中
−k´1およびk´2は容量因子である。すなわちi=1または2であるならば、k´=(tRi−t)/tであり、tRiは化合物iの保持時間であり、tは不動時間である;
−αは選択性因子である:α=(tR2−t)/(tR1−t)=k´2/k´1
−Rは分割(分離)因子である。
【0010】
【数1】
Figure 0004210813
Nはクロマトグラム上で測定されるクロマトグラフィー値に基づいて決定される板の数である。
【0011】
得られる選択性因子における系統的下落を、担持された保持体と担持されかつ重合した保持体との間に見ることができる:トランス−スチルベンオキシドでは10%未満であり(αは1.54から1.39に変化する)、1−(1−ナフチル)エタノールでは7.5%未満である(αは1.32から1.22に変化する)。
【0012】
この現象を、使用される反応条件におけるビニルベンゾエート基の低い反応性による不完全な重合のための重合した保持体の部分的な溶解性によって説明することができた。
【0013】
一方、Kimataらは純粋な極性溶媒中での分離の例を提供していない(特許または公報)。
【0014】
Okamoto らはシリカゲルに化学的に結合したポリマーについて述べている(EP-B-0 155 637)。彼らは特に、トリチル化された中間体を経るシリカゲル上のセルローストリス−2,3,6−フェニルカルバメートのグラフト、次いでジイソシアネートの作用による、シリカゲルと部分的に誘導された多糖カルバメートとの間の共有結合の実現について述べている。
【0015】
種々の合成段階で行われた元素分析の結果は下記の通りである(EP-B-0 155 637、8〜9頁、33行)。
【0016】
【表2】
Figure 0004210813
シリカ上に担持されたセルロース(2) とシリカに結合したセルロースフェニルカルバメート(4) との間のグラフトの速度の低下は、(2) に従って計算された(4) の速度が炭素14%の程度であることを知ることにより本質的である。フェニルイソシアネートを用いるOHの誘導を伴ってジイソシアネートのアームを形成すること、およびクロロホルムで最後に洗浄することによって、セルロースとシリカとの間に、共有結合を実現することから炭化水素基の損失をこのように80%と見積もることができる。極性溶媒中での分離の例は、得られた保持体について挙げられていない。
【0017】
Okamoto らは、アミンが減少したイミン官能基を経てシリカゲルに化学的に結合した少糖について述べている(特開平6−206893)。アミロースは次いで、この少糖から化学酵素的経路によって再生される。利用できる水酸官能基は次いでカルバメート官能基として誘導される。純粋な極性溶媒中での分離の例は挙げられていない。
【0018】
一方、予備的応用のために実質的なカラム過負荷を研究の対象とすることは有利である。置換された多糖類の純粋なポリマーの球の形態のキラルな物質を、保持体に物理的に担持する代わりに、100%使用する可能性は、予備的キラルクロマトグラフィー方法の質量収率を増大させるときに有効であることが証明されている。このように、特許EP-B-348 352、EP-B-316 270およびWO-A-96/27 639は、光学異性体の分離のためのセルロース球の実現に関する。
【0019】
しかしながら、純粋なポリマー球は、ハロゲン化された溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の極性溶媒に可溶である。このように、異性体の分離を実現するために、これらの純粋な溶媒または高い割合の溶媒との混合物を使用することは不可能である。
【0020】
この欠点を克服するために、Francotte らは、誘導された多糖類の放射線による重合について述べている(WO-A-96/27 615)。
【0021】
しかしながら、重合の速度はそのような過程において制御するのが難しいと思われ、光化学的方法による架橋がポリマー球の表面で選択的に起こり、光線は球の内側に浸透することができない。純粋なポリマーにおける分離の例は挙げられていない。
【0022】
Francotte らは、国際出願WO-A-97/04 011において、重合性の基を含まない多糖類のカルバメートおよびエステルの化学的架橋についても述べている。著者によると、架橋はラジカル重合開始剤の存在下で起こった。反応機構および得られる生成物の構造は述べられていない。純粋な極性溶媒中での分離の例は挙げられていない。
【0023】
Lange らは、メタクリル酸の光学活性な誘導体の重合について述べている(US-A-5 274 167)が、担体の構造は説明されていない。純粋な極性溶媒中での分離の例は挙げられていない。
【0024】
Minguillonらは、塩化ウンデセノイルを用いる、部分的に誘導されたセルロースカルバメートの合成について述べている。しかしながら、担体の構造は説明されていない(J. of Chromatog. A728 (1996), 407-414 および415-422 )。
【0025】
Oliverosらは、エチレン基を含み、ビニル基を含むシリカゲル保持体に担持され、次いで重合される多糖誘導体について述べている(WO-A-95/18 833)。純粋な極性溶媒を用いる分離の例は挙げられていない。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明は、多糖類誘導体またはオリゴ糖類誘導体の配糖体結合の分離鎖間で共有結合の仲介により架橋された新規ポリマー化合物に関する。前記共有結合は、ブタン・ジイル官能基、ビス・シラン官能基、ビス・チオエーテル官能基、ビス・スルホキシド官能基またはビス・スルホン官能基を含む。
【0027】
これらの新規架橋ポリマー化合物は、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、イソプロピル・クロリド、クロロブタン、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、ニトロメタン、メタノールおよびエタノールのようなアルコール、並びにエチルまたはブチルアセテートのようなエステルの極性有機溶媒中では不溶性である。
【0028】
前記架橋ポリマー化合物を含む担体物質の球状物は、液体クロマトグラフィーまたは超臨界クロマトグラフィーによる鏡像異性体の分離に役立つ。予期しないことではあるが、極性有機溶媒中での前記担体物質の80℃までの熱処理は、該担体物質が、鏡像選択的分離プロセスにおいて使用される場合には、そのキラル識別特性を変更しないものである。
【0029】
例えばラセミ化合物の混合物の工業的分離において準備されるキラル・クロマトグラフィー内での純粋または高割合の極性有機溶媒からなる溶離剤混合物を使用することにより、クロマトグラフィー法の展開につれて溶質の濃度のかなりの上昇が可能になるので、この特性は薬学産業において特に役立つ。その結果、溶媒の消費量は低減され、分離生産力はそれに応じて改善される。
【0030】
架橋ポリマー化合物は、一般式(I)または一般式(II):
【化12】
Figure 0004210813
(式中、Xは酸素原子または−NH基であり、mは0以外の大きくとも5の整数であり、Rは水素原子または炭素原子数1〜8を有する直鎖状または分枝状、置換または非置換アルキル基であり、Yは単結合、−NH−CO−基、−NH−CS−基または−CO−基であり、Aは単結合、炭素原子数1〜21を有する直鎖状または分枝状アルキレン基、炭素原子数6〜18を有するアリーレン基または炭素原子数7〜40を有するアラルキレン基であり、Lは下記一般式(IIIa)のビス・チオエーテル基、下記一般式(IIIb)のビス・スルホキシド基、または下記一般式(IIIc)のビス・スルホン基、または下記一般式(IV)のビス・シラン基である:
【化13】
Figure 0004210813
(これらの式中、Sは硫黄原子であり、Oは酸素原子であり、Siは珪素原子であり、
およびW は、同一または異なって、各々、炭素原子数1〜21を有する直鎖状または分枝状アルキレン基、炭素原子数6〜18を有するアリーレン基または炭素原子数7〜40を有するアラルキレン基であり、
は単結合、W 、酸素原子、硫黄原子または下記式(V)の対称ジエステルであり、
【化14】
Figure 0004210813
は炭素原子数1〜5を有する直鎖状または分枝状アルキル基あるいは水素であり、またR は、下記式(VI):
【化15】
Figure 0004210813
(式中、R は(CHn2または酸素であり、n1は0〜3000の範囲で変化し、n2は0〜10の範囲で変化する)の基である)の基を含むことを特徴とする。
【0031】
L基を含まない式(I)は、場合によっては置換されるブタン・ジ・イル基に基づいて構成される。
【0032】
一般式(I)および一般式(II)の基内に各々含まれるアリーレン基は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4を含むアルキル基、炭素原子数1〜4を含むアルコキシ基およびニトロ基から選ばれる、同一または異なる、1つまたは複数の原子または基により場合によっては置換されてもよい。一般式(I)および一般式(II)の基内に含まれるアリーレン基は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4を含むアルキル基、炭素原子数1〜4を含むアルキルオキシ基およびニトロ基から選ばれる同一または異なる1つまたは複数の原子または基により場合によっては置換され、好ましくはフェニレン基またはナフチレン基である。
【0033】
一般式(II)の基、より詳しくは一般式(IIIa)のビス・チオエーテル型基を有する、本発明による架橋ポリマー化合物は、ビス・スルホキシド型またはビス・スルホン型の官能基に導くために、酸化性化合物を用いる酸化により一般式(IIIb)または一般式(IIIc)を含む化合物に変換されてもよい。
【0034】
チオエーテル官能基のスルホキシド官能基およびスルホン官能基への変換はそれ自体で公知であり、いくつかの酸化剤が使用される。スルホキシドは、過酸化水素("Organic Compounds of Bivalent Sulfur"2巻、64〜66頁、Chemical
Publishing Company、New York、1960年)あるいはインドベンゼン・ジクロリド(Barbieri 、J.Chem.Soc.C659 、1968年) 、あるいはメタ過ヨウ素酸ナトリウム(Leonard、J.Org.Chem.27 、282 、1962年) 、あるいは第三ブチルオキシ・クロリド(Walling、J.Org.Chem.32 、1286、1967年) 、あるいは過酸を使用することによりチオエーテルから得られうる。
【0035】
得られたスルホキシド官能基は、次いで過マンガン酸カリウムまたは過酸化水素を用いてスルホン官能基に変換されうる(Heubert、Chem.Comm.1036、1968年およびCurci 、Tetrahedron Lett. 、1749、1963年) 。
【0036】
好ましくは使用される酸化剤は過酸化水素である。反応溶媒は一般に水、アルコールまたは水に混和性である有機溶媒である。反応は温度10〜40℃で行われる。反応は1〜8時間続けられる。
【0037】
本発明による架橋ポリマー化合物は、一般式(I)および一般式(II)の基が、次の一般式(VII) および一般式(VIII):
【化16】
Figure 0004210813
(式中、X、Y、A、R、Lおよびmは、各々一般式(I)および一般式(II)におけるものと同じ意味を有し、式(IX)に記載される”キラル単位”の記号は、多糖類誘導体またはオリゴ糖類誘導体の直鎖状、分枝状または環式結合の配糖体キラル単位であり、「鎖i」および「鎖j」は、式(I)および式(II)の基の各末端におけるキラル単位が、多糖類またはオリゴ糖類内で配糖体ユニットの別々の鎖または別々の結合上に位置しているという事実を印すものと理解される)による多糖類誘導体またはオリゴ糖類誘導体の直鎖状、分枝状または環式結合の配糖体キラル単位に結合されることを特徴とする。
【0038】
実際、高温であっても、極性溶媒中において一般式(VII) 〜(VIII)による架橋ポリマー化合物の証明された不溶性は、多糖類の三次元架橋によってのみ付与されるものである。この架橋は、多糖類誘導体を構成しかつ可溶性特性の画期的な改質を導く別々の鎖間での反応により生じる。
【0039】
予期しないことではあるが、得られた担体物質は、クロロホルム、アセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたはトルエンのような、多糖類のベンゾエート誘導体およびカーバメート誘導体に対して高溶解力を有するあらゆる有機溶媒中において、より詳しくは極性有機溶媒中において、顕著な安定性を有する。
【0040】
同様に意外なことではあるが、これらの担体物質は、前述された溶媒中において80℃を越えうる温度まで安定である。例えば、後述される実施例1により合成された担体物質を用いてindapamide(インダパミド)について実施された選択率(α)に関するテストにより、同様に後述される実施例2により測定される選択係数α(α=80℃での純粋1,2−ジクロロエタンにおいて1.32)が、下記の溶媒の約1000のカラム死容積の通過により影響されないことが示された。
【0041】
【表3】
Figure 0004210813
これらの特性により、80℃を越えうる温度まであらゆる型の極性溶媒を用いる鏡像異性体の分離または調製についてのプロセスにおいて担体物質の使用を検討することが可能になる。このことは、工業的適用については特に有益である。一般式(VII) および一般式(VIII)の化合物の合成は、2段階において実施される:すなわち
・活性化されかつエチレン二重結合を有する多糖類誘導体またはオリゴ糖類誘導体の合成段階と、
・ラジカル・メカニズムによるエチレン二重結合のそれ自体での化学的架橋、あるいは少なくとも2つのエチレン二重結合と、ビス・チオール官能基またはビス・水素化シラン官能基を含む二機能化合物との反応による段階とである。
【0042】
エチレン二重結合を有する活性化誘導体は、下記一般式(Xa)〜(Xk):
【化17】
Figure 0004210813
【化18】
Figure 0004210813
(式中、a) 記号X 、X およびX は、同一または異なって、各々、酸素原子または −NH−基であり、b) 記号R 、R およびR の各々は、独立して
・下記一般式: (CH[R]=CH−)m1A−Y− (XI)(式中、m1は0以外の大きくとも5の整数であり、Rは水素原子または炭素原子数1〜8を有する直鎖状または分枝状、置換または非置換アルキル基であり、Yは単結合、−NH−CO−基、−NH−CS−基または−CO−基であり、Aは単結合、炭素原子数1〜21を有する直鎖状または分枝状アルキレン基、炭素原子数6〜18を有するアリーレン基または炭素原子数7〜40を有するアラルキレン基であり、Xは等しくX 、X またはX である)を有するエチレン基であるか、
・あるいは下記式:A −A −CX − (XII)(式中、X は酸素原子または硫黄原子であり、A は単結合または−NH−基であり、A は炭素原子数6〜24を有するアリール基または炭素原子数7〜36を有するアラルキル基または炭素原子数7〜18を有するアルキルアリール基である)を有する基であるか、
・あるいは水素原子またはNO 基であり、nは5〜20000の整数である)の式(Xa)〜(Xk)のうちの1つを満足させ、各配糖体キラル単位(Xa)〜(Xk)において、記号X 、X およびX の少なくとも1つが酸素原子であり、また多糖類誘導体の鎖の1つを構成する配糖体キラル単位の少なくとも一部において、記号R 、R およびR の少なくとも1つは一般式(XI)の基であり、記号R 、R またはR の少なくとも1つは一般式(XII) の基である。
【0043】
一般式(XI)および一般式(XII) の基において各々が含まれるアリーレン基またはアリール基は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4を含むアルキル基、炭素原子数1〜4を含むアルコキシ基およびニトロ基から選ばれる、同一または異なる、1つまたは複数の原子または基により場合によっては置換されていてもよい。
【0044】
一般式(XI)の基内に含まれるアリーレン基は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4を含むアルキル基、炭素原子数1〜4を含むアルコキシ基およびニトロ基から選ばれる、同一または異なる、1つまたは複数の原子または基により場合によっては置換されていてもよく、好ましくはフェニレン基またはナフチレン基である。一般式(XII) の基内に含まれるアリール基は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4を含むアルキル基、炭素原子数1〜4を含むアルコキシ基およびニトロ基から選ばれる、同一または異なる1つまたは複数の原子または基により場合によっては置換されていてもよく、好ましくはフェニル基またはナフチル基である。
【0045】
一般に本発明による多糖類誘導体は、重合度5〜20000、好ましくは10〜500を有する。
【0046】
一般に本発明による多糖類誘導体は、一般式(Xa)〜(Xk)の配糖体ユニット当たり一般式(XI)の基を0〜3、好ましくは0.05〜2.95含み、かつ一般式(Xa)〜(Xk)の構造単位当たり一般式(XII) の基を0〜3、好ましくは0.05〜2.95含む。
【0047】
一般に本発明による多糖類誘導体は、アミロース、セルロース、キトサンあるいはα、βもしくはγシクロデキストリンから誘導される。
【0048】
本発明によれば、多糖類誘導体は、非保護多糖類に対する、
・下記一般式:
[CH(R)=CH]m1A−Y (XV)
(式中、R、m1およびAは先のように定義され、Y はハロゲン原子(塩素、臭素)、−N=C=O基または−N=C=S基または−CO−Z−基(ここに、Zは一般式(XI)のエチレン基を導入するためにハロゲン原子(塩素、臭素)である)の化合物の作用により、
・および/または下記一般式:
−A −N=C=X (XVI)
(式中、A およびA は先のように定義され、X は酸素原子または硫黄原子である)のイソシアネートまたはイソチオシアネートの作用によるか、
・あるいは下記一般式:
−A −CO−Z (XX)
(式中、A およびA は先のように定義され、Z は一般式(XII) のエチレン基を導入するためにハロゲン原子(塩素、臭素)である)の化合物の
作用により
得られてよい。
【0049】
本発明によれば、一般式(XI)および/または一般式(XII) の基の導入は、対応するアルコールまたはアミンから出発する、エーテル、エステル、アミド、カーバメート、チオカーバメート、ウレアまたはチオウレアの調製に使用される慣行上の条件下に行われる。
【0050】
一般式(XV)、(XVI) または(XX)の試薬の導入順序により、このように改質された多糖類から得られるキラル固定相の鏡像選択特性に影響が及ぼされる。
【0051】
本発明による多糖類誘導体は、多糖類、すなわち一般式(Xa)〜(Xk)において記号で表されているように、その構造内に同じ配糖体キラル単位の繰り返しを有する多糖類から得られる。
【0052】
しかしながら、これら後者の式は、多糖類が、配糖体結合の別々の鎖からなるので、実体の一部のみを表す。鎖の数は、式(Xa)〜(Xk)の数nにより表される配糖体結合の長さのように変化する。式(Xa)〜(Xk)の各々は、多糖の結合のいずれか1つを表しかつ該多糖内の他の結合における鎖の1つを構成する。例えば本発明に含まれるシクロ・マルトヘキソース、ヘプトースおよびオクトース、あるいはα、β、γ−シクロデキストリンの場合は、nが決定されかつ全ての別々の(環式)結合に対して同一である限り、より単純なものである。
【0053】
本発明による多糖類誘導体は、前記表3中に記載された溶媒のような極性有機溶媒に可溶性である。
【0054】
本発明による化学的架橋後、これら多糖類誘導体は、一般式(I)および一般式(II)の新規架橋ポリマーを生じかつこれらの同じ溶媒に完全に不溶性になる。
【0055】
エチレン二重結合を有する多糖類誘導体は、一般式(XI)のエチレン基を含む一般式(Xa)〜(Xk)の化合物により記号で表される。
【0056】
これら基のエチレン官能基は、それ自体において、あるいはチオール官能基または水素化シラン官能基を含む化合物と反応させられる。
【0057】
エチレン二重結合間の反応は、それ自体で公知であり、フリー・ラジカルの添加における中間メカニズムにより行われうる(Advanced Organic Chemistry 、Jerry March 、2nd edition 、Chapter 15、MacGraw-Hill Series in Advanced Chemistry)。フリー・ラジカル開始剤は、一般にベンゾイル過酸化物のような過酸化物あるいはα、α’アゾ・イソブチロニトリルのようなジアゾ化合物である。反応は、20〜200℃の範囲で変化する温度でテトラヒドロフランまたはトルエンのような有機溶媒中において行われる。作用された反応は、下記式の通りである:
【化19】
Figure 0004210813
(式中、記号X、Y、A、Rおよびmは、式(I)および式(II)において記載されている記号と同一であり、m1は、式(XI)におけるように定義される。)式 (XVII) の基は、一般式(I)の基を含む化合物の特別な場合である。
【0058】
チオエーテル結合の形成を生じる、フリー・ラジカル開始剤の存在下でのエチレン二重結合におけるチオール官能基の逆マルコウニコフ(anti-Markovnikov)付加反応は、それ自体で公知である。
【0059】
例えば、Rosiniらは、Tetrahedron Lett. 26、3361-3364 、1985年において、チオエーテル結合を介するキナ(cinchona)アルカロイドの固定について記載している。最近では、Tambute らは、New J. Chem.13; 625-637 1989年において、同じ技術を用いるチロシン誘導体の固定について記載している。もっと最近では、Caude らは、J.Chromatogr.550、357-382 、1991年に彼らの研究の成果を発表し化学的安定性の点でチオエーテル共有結合の利点を示した。
【0060】
一般式(XI)の基を含むエチレン化合物は、下記一般式:
HS−W −W −W −SH (XIII)
(式中、W 、W およびW は、一般式(IIIa)(IIIb)または(IIIc)の化合物のものと同一である記号を表す)のビスチオール化合物の存在下に、例えばトルエン、クロロホルムまたはテトラヒドロフランのような溶媒に可溶化される。
【0061】
好ましいビスチオールは、エタン・ジチオールまたはブタン・ジチオールのような商業的に入手可能な化合物から選ばれる。反応は、例えばベンゾイル過酸化物のようなフリー・ラジカル開始剤の存在下に温度20〜110℃で行われる。作用された化学反応は、下記式の通りである:
【化20】
Figure 0004210813
(式中、X、Y、AおよびRは、式(II)において記載されている記号と同一の記号である。すなわち一般式(XVIII) の基は、一般式(II)(式中、Lは一般式(IIIa)の基であり、該一般式(IIIa)の基は、次いで酸化により一般式(IIIb)または一般式(IIIc)の基に変換される)の基の特別な場合を表す)。
【0062】
水素化シランによるエチレン二重結合のヒドロシリレーション(hydrosilylation) は、それ自体で公知でありかつ珪素・炭素結合を創造するために使用される。例えば、Stuurman、H.W.は、Chromatopgraphia [sic]、25巻、No.4、1988年4 月、265 〜271 頁において、共有結合によりシリカゲルに結合されたヒドロシリレート・キニーネをベースとした固定相の使用を介する鏡像異性体の分離について記載している。
【0063】
ヒドロシリレーションによる重合は、それ自体で公知でありかつJ.Chromatogr. 、1992年、594 、283 〜290 に記載されている。この反応において、ヒドロシランまたはヒドロシロキサンが使用されている。これは、次の一般式により表される:
【化21】
Figure 0004210813
(式中、R は上記で定義される一般式(VI)の基であり、R は上記で定義される一般式(IV)の基におけるものと同じ意味を有する)。
【0064】
反応は次の通りである:
【化22】
Figure 0004210813
一般式(XIX) の基は、一般式(II)(式中、Lは一般式(IV)の基である)の基の特別な場合を表す。
【0065】
ヒドロシリレーション反応は溶媒中において行われる。例えばトルエン、ジオキサン、クロロホルム、テトラヒドロフランまたはこれら溶媒の混合物である該溶媒は、ヒドロシリレーションに対して不活性である。金属触媒は、反応速度を促進させるために必要である。該金属触媒は、例えば白金錯体またはロジウム錯体である。好ましい金属錯体は、ヘキサクロロ白金酸である。好ましい水素化シランは、1,1,4,4,−テトラメチル・ジシリル・エチレンまたは1,1,3,3,−テトラメチル・ジシロキサンのようなビス・水素化シランである。反応温度は、50〜180℃の範囲で変化する。好ましい温度は100℃である。
【0066】
本発明による架橋ポリマー化合物は、有機溶媒中におけるその不溶性特性に関して、架橋がポリマーの鎖間において行われること、また鎖間結合が一般式(I)または一般式(II)の基を含むことに因るものである。
【0067】
架橋ポリマーの一般構造は、一般式(VII) または一般式(VIII)により表されてよい。ここにおいて、一般式(IX)のキラル単位記号は、一般式(Xa)〜(Xk)の多糖類誘導体またはオリゴ糖類誘導体の鎖の配糖体キラル単位であり、該一般式(Xa)〜(Xk)は一般式(XI)のエチレン基を有し、これらエチレン基は、次いで、それ自体において、あるいは一般式(I)および一般式(II)の基により表されることができる、一般式(XVII)、一般式(XVIII) および一般式(XIX) の基の形成を生じるために一般式(XIII)のビス・チオールまたは一般式(XIV) のビス水素化シランと反応させられる。
【0068】
元は可溶性であった前記多糖類誘導体の極性有機溶媒中におけるその後の不溶性化により確証される、多糖類誘導体の鎖間の架橋は、一般式(VII) および一般式(VIII)において、一般式(IX)の2つの記号「キラル単位」が、お互いに別々の鎖iと鎖jとに所属するものとして示されることにより印される。
【0069】
本発明による新規架橋ポリマーは、次の2つの異なる方法により担体物質として成形されてよい:すなわち
・本質的に前記新規架橋ポリマーを含む球状物からなる担体物質と、
・前記新規架橋ポリマーを80%未満の割合で含む市販の多孔質保持体からなる担体物質とである。
【0070】
本質的に前記新規架橋ポリマーを含む球状物からなる担体物質は、次の2つの段階において得られる:
a) 一般式(Xa)〜(Xk)の多糖類誘導体は、例えばトルエン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,4−ジオキサンまたはメシチルオキシドのような極性有機溶媒に可溶化される。好ましい溶媒はメシチルオキシドである。濃度は有機溶媒10〜50mlについて誘導体(Xa)〜(Xk)の1gである。好ましい濃度は30mlについて1gである。この溶液は、イオン性、アニオン性またはカチオン性界面活性剤、および炭素原子数16以上を含むヒドロキシレート・ポリマー型エマルジョン安定剤を含む10〜200mlの水溶液に注がれる。
【0071】
好ましい界面活性剤はアニオン界面活性剤である。後者のものとしてはドデシル硫酸ナトリウムがある。炭素原子数16以上を含むヒドロキシレート・ポリマーとしては、ポリビニル・アルコールが好ましい。
【0072】
ドデシル硫酸ナトリウムの濃度は、0.1〜5重量%の範囲で変化する。好ましい濃度は0.7重量%である。ポリビニル・アルコールの濃度は0.1〜10%の範囲で変化する。好ましい濃度は、分子量13000〜23000を有するポリビニル・アルコールに対して1%である。
【0073】
2つの相は、撹拌されている間に乳化される。撹拌速度は10〜3000回転/分の範囲で変化する。好ましい速度は500回転/分である。次いでエマルジョンは、有機溶媒を除去するために該有機溶媒の沸点より上で加熱される。好ましい温度は95℃である。
【0074】
式(Xa)〜(Xk)のポリマー誘導体を本質的に含む球状物が得られる。これら球状物は、0.1〜300μmの範囲で変化する直径を有する。その形状は略球状形態である。好ましい球状物の直径は、3〜40μmの範囲で変化しかつエマルジョンの撹拌速度に依存する。得られた球状物の比表面積は1〜600m /gの範囲で変化する。好ましい比表面積は20〜80m /gである。
【0075】
b) 一般式(Xa)〜(Xk)の多糖類誘導体を本質的に含む球状物は、それらが不溶性である有機溶媒または水性溶媒、例えば水、直鎖状または分枝状アルカンあるいはアルコール中に懸濁される。好ましい有機溶媒はヘキサンおよびヘプタンである。前記多糖類誘導体中の球状物の濃度は、1/2〜1/1000重量/容積の範囲で変化する。好ましい濃度は1/10である。次いで架橋剤が溶媒還流に伴って添加される。この架橋剤は一般式(XIII)または一般式(XIV) の化合物から選ばれる。好ましい架橋剤は、エタン・ジチオール、ブタン・ジチオール、1,1,4,4,−テトラメチル・ジシリル・エチレンまたは1,1,3,3,−テトラメチル・ジシロキサンである。
【0076】
架橋剤としてのフリー・ラジカル開始剤の添加は、一般式(I)の架橋化合物を得るために必要である。フリー・ラジカル開始剤の量は、球状物の出発重量に対して0.1〜5重量%の範囲で変化する。好ましい量は1%である。
【0077】
式(Xa)〜(Xk)の化合物中に含まれる反応性エチレン二重結合を有する一般式(XI)の基の数に対して計算される、一般式(XIII)または一般式(XIV) の化合物の量は、化学量論〜化学量論の10倍の範囲で変化するものである。好ましい量は化学量論の4倍に相当する量である。
【0078】
好ましいフリー・ラジカル開始剤はベンゾイル過酸化物である。一般式(XIII)の化合物の使用は、逆マルコウニコフ(anti-Markovnikov)の付加反応を促進するためにフリー・ラジカル開始剤の使用も必要とする。フリー・ラジカル開始剤の量は使用される式(XIII)の化合物の量の0.1〜5重量%の範囲で変化する。好ましい量は1%である。好ましいフリー・ラジカル開始剤は、ベンゾイル過酸化物である。反応温度は30〜100℃の範囲で変化する。好ましい温度は80℃である。反応は12時間〜5日間続く。好ましい期間は24時間である。
【0079】
懸濁液は濾過され、次いで一般式(Xa)〜(Xk)の多糖類誘導体が溶解できる極性有機溶媒中において1/1〜1/100(重量/容積)比で、好ましくは10ml当たり1gで洗浄される。好ましい溶媒はテトラヒドロフランである。このようにして非架橋化合物(Xa)〜(Xk)が除去される。
【0080】
本質的に前記新規架橋ポリマーを含む球状物からなる担体物質が得られる。
【0081】
新規架橋ポリマーを80%未満の割合で含む市販の多孔質保持体からなる担体物質は、次のように得られてよい:
a) 一般式(Xa)〜(Xk)の多糖類誘導体は、例えばトルエン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタンまたは1,4−ジオキサンのような極性有機溶媒に可溶化される。好ましい溶媒はテトラヒドロフランである。濃度は、有機溶媒10〜50mlに対して化合物(Xa)〜(Xk)の1gである。好ましい濃度は30ml中において1gである。粉末状固体形態の市販多孔質保持体が添加される。その粒子直径は1〜300μmの範囲で変化する。好ましい直径は3〜30μmである。その細孔直径は30〜10000オングストロームの範囲で変化する。好ましい直径は300オングストロームである。多孔質保持体の化学的な種類は多様であり、かつシリカゲル、アルミナ、ジルコニア、炭素、ジビニルベンゼン・ポリスチレンまたは多糖類のような無機性または有機性であってよい。好ましい保持体はシリカゲルである。保持体の量に対する一般式(Xa)〜(Xk)の化合物の量は、1〜80%の範囲でする。好ましい量は20%である。次いで得られた懸濁液は、減圧下にあるいは常圧で温度20〜150℃で気化される。好ましい温度は80℃である。
【0082】
b) 一般式(Xa)〜(Xk)の化合物を80%未満の割合で含む多孔質保持体が、有機溶媒または水性溶媒中に懸濁化される。これら溶媒は、一般式(Xa)〜(Xk)の化合物を可溶化されないことを特徴とする。これら溶媒は、例えば水、直鎖状または分枝状アルカンあるいはアルコールであってよい。好ましい有機溶媒はヘキサンおよびヘプタンである。一般式(Xa)〜(Xk)の化合物を含む多孔質保持体の重量に対する溶媒の量は、保持体の重量に対して容積で1〜100倍である。好ましい量は10倍である。次いで架橋剤が溶媒還流に伴って添加される。この架橋剤は、一般式(XIII)または一般式(XIV) の化合物から選ばれる。好ましい架橋剤は、エタン・ジチオール、ブタン・ジチオール、1,1,3,3,−テトラメチル・ジシロキサンまたは1,1,4,4,−テトラメチル・ジシリル・エチレンである。
【0083】
架橋剤としてのフリー・ラジカル開始剤の添加は、一般式(I)の化合物を得るために必要である。フリー・ラジカル開始剤の量は、一般式(Xa)〜(Xk)の化合物の重量に対して0.1〜5重量%の範囲で変化する。好ましい量は1%である。
【0084】
一般式(Xa)〜(Xk)の化合物中に含まれる反応性エチレン二重結合を有する一般式(XI)の基の数に対して計算される、一般式(XIII)または一般式(XIV) の化合物の量は、化学量論〜化学量論の10倍の範囲で変化してもよい。好ましい量は化学量論の4倍に相当する。一般式(XIV) の化合物の使用は、一般式(XIV) の化合物の重量に対して0.05〜1重量%の範囲で変化する量の金属触媒の使用を必要とする。好ましい量は0.2%である。好ましい金属触媒はヘキサクロロ白金酸である。
【0085】
反応懸濁液は30〜150℃に加熱される。好ましい温度は80℃である。反応は12時間〜5日間続く。好ましい期間は24時間である。
【0086】
懸濁液は濾過され、次いで一般式(Xa)〜(Xk)の多糖類誘導体が溶解できる極性有機溶媒中において1/1〜1/100(重量/容積)比で、好ましくは10ml当たり1gで洗浄される。好ましい溶媒はテトラヒドロフランである。このようにして非架橋化合物(Xa)〜(Xk)が除去される。このようにして一般式(I)および一般式(II)の化合物を80%未満の割合で含む市販の多孔質保持体からなる担体物質が得られる。
【0087】
一般式(Xa)〜(Xk)の多糖類誘導体の調製は、それ自体で公知であり、かつ例えば国際特許出願WO−A−95/18833においてOliverosにより記載されている。
【0088】
多糖類はエステル化される。多糖類のカーバメートまたはチオカーバメートは、多糖類と、酸塩化物、イソシアネートまたはイソチオシアネートとを反応させることにより各々得られる。
【0089】
酸塩化物およびイソシアネートには反応しない不活性溶媒が使用される。反応は、一般にエステル化反応においては第三アミンのような触媒、例えば4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンの存在下に、またカーバメートおよびチオカーバメートを得るための反応の場合には、ルイス塩基、例えば第三アミン、あるいはルイス酸、例えばジブチル・スズ・ジラウレートのようなスズの誘導体の存在下に行われる。
【0090】
これらを得るための好ましい方法において、ピリジンまたはキノリンのような第三・塩基型有機溶媒におけるエステル化反応あるいはカーバメート製造反応の実施が伴われる。好ましい酸塩化物またはイソシアネートは、特にフェニル型のアリール基を含んでいてもよく、かつ置換されていてもよい。好ましい置換基は、ハロゲン、およびメチレン基もしくはエチレン基である。
【0091】
【発明の実施の形態】
次の実施例は、本発明を例証するが、何らその範囲を限定するものではない。[ 実施例1]
グルコース単位3.1mMを含む(Merck 社により市販されている)天然セルロース0.5gを、トルエン15cm 中に懸濁化した。共沸蒸留によりセルロースを乾燥状態まで脱水した後に、ピリジン40cm を添加した。溶媒15cm の蒸留および冷却後、10−ウンデセノイル・クロリド1.32g(6.5mM)を添加した。混合物を還流下に1時間加熱し、試料を取り出した。その分析(C=67.55%、H=9.27%)により、置換度が1.8であることが示された。次いで3,5−ジメチル・フェニル・イソシアネート0.850g(5.6mM)を添加した。混合物を還流下に一晩加熱した。ガラス濾過器No.2上での熱間濾過後、反応混合物をメタノール100cm に注いだ。濾過後、沈殿物をピリジンの最小量中に溶解させた。溶液をガラス濾過器No.2上において濾過した。濾液をエタノール/水(容積で1/1)混合物に注いだ。濾過およびメタノールで洗浄後、下記の特性を有する生成物を得た:
・元素分析:C=68.58%、H=8.67%、N=2.12%。
【0092】
・置換度:1.8(ウンデセノイル)、0.9(3,5−ジメチル−フェニル−カーバメート)。
【0093】
【化23】
Figure 0004210813
を有する一般式(Xd)の化合物を得た。
【0094】
この化合物は、参照物Xd−E1とされた。
【0095】
化合物Xd−E1の4gをメシチルオキシド80ml中に溶解した。得られた溶液をそのままに保って、4つの部分に分割した。この溶液は参照物SOL(Xd−E1)とされた。
【0096】
化合物Xd−E1の1g、すなわち上記溶液SOL(Xd−E1)の20mlを、分子量13000〜23000を有するポリビニル・アルコール1重量%を含むドデシル硫酸ナトリウムの予め調製しかつ撹拌した水溶液0.7重量%に注いだ。2つの相を、500回転/分の機械撹拌により、室温で30分間乳化した。
【0097】
次いで反応混合物を、メシチルオキシドの還流に付した。メシチルオキシドを、常圧でゆっくり蒸留した。冷却後、懸濁液を濾過し、次いで水で洗浄した。粉体を乾燥させた。得られた球状物の多分散性を走査電子顕微鏡により検査した。サイズは1〜22μmであり、大半においては8〜18μmであった。
【0098】
こうして得られた球状物を、トルエン4ml中に懸濁化した。反応混合物を、トルエンの還流に付した。エタン・ジチオール60mlおよびベンゾイル過酸化物10mgを添加した。還流を24時間維持した。ベンゾイル過酸化物10mgを3時間毎に添加した。懸濁液を冷却し、濾過し、次いでテトラヒドロフランおよびエタノールで洗浄した。球状物を減圧下に60℃で24時間乾燥させた。
【0099】
次いで100×4.6mmのHPLCカラムを、これら球状物で満たした。カラムをHPLC装置に導入した。最初のテストを、90/10でのヘプタン/イソプロパノール混合物中において行った。得られた成果を、図1に示した。
【0100】
次いで2番目のテストを、純粋クロロホルム中において行った。
【0101】
テスト溶質: 2,2,2−;トリフルオロ−1−(9−アンスリル)エタノール
カラム: 100×4.6mm
流量: 1ml/mm
U.V.検出:254nm、To1.2mm
得られた容量係数および選択係数は、次の通りであった:
k’1=14.7−k’2=21.8−α=1.5(図2参照)。
【0102】
[ 実施例2]
SOL(Xd−E1)として参照されかつ化合物Xd−E1の1gを含む実施例1の溶液20mlを、分子量13000〜23000を有するポリビニル・アルコール1.5重量%を含むドデシル硫酸ナトリウム撹拌水溶液1重量%に注いだ。2つの相を、800回転/分の機械撹拌により、室温で30分間乳化した。次いで反応混合物を、メシチルオキシドの還流に付した。メシチルオキシドを常圧で蒸発させた。冷却後、懸濁液を濾過し、次いで水で洗浄した。粉体を乾燥させた。球状物の直径を、レーザー粒度測定(Malvern Mastersizer Micro) により測定した。直径の分布を図3に示した。
【0103】
こうして得られた球状物を、50/50のトルエン/ヘプタン混合物(4ml/4ml)中に懸濁化した。テトラメチル・ジシリル・エチレン300mgとヘキサクロロ白金酸50mgとを添加した。反応混合物を48時間還流させた。懸濁液を冷却し、濾過し、次いでテトラヒドロフランおよびエタノールで洗浄した。球状物を60℃で減圧下に24時間乾燥させた。
【0104】
次いで100×4.6mmのHPLCカラムを、これら球状物で満たした。カラムをHPLC装置に導入した。最初の一連のテストを、90/10/0.1でのヘプタン/イソプロパノール/ジエチルアミン混合物中において行った。得られた成果を図4に示した。
【0105】
次いでテストを、80℃で純粋1,2−ジクロロエタン中においてインダパミドについて行った。
【0106】
得られた成果は次の通りであった:
k’1=7.3−k’2=9.7−α=1.3(図5参照)。
【0107】
[ 実施例3]
SOL(Xd−E1)として参照されかつ化合物Xd−E1の1gを含む実施例1の溶液20mlを、分子量13000〜23000を有するポリビニル・アルコール1.5重量%を含むドデシル硫酸ナトリウム撹拌水溶液1重量%に注いだ。2つの相を、800回転/分の機械撹拌により、室温で30分間乳化した。次いで反応混合物を50℃に加熱した。メシチルオキシドを、水流ポンプの真空下(10〜50mmHg)に蒸発させた。冷却後、懸濁液を濾過し、次いで水で洗浄した。粉体を乾燥させた。
【0108】
こうして得られた球状物を、50/50でのトルエン/ヘプタン混合物(4ml/4ml)中に懸濁させた。反応混合物を5日間還流させた。ベンゾイル過酸化物10mgを、6時間毎に添加した。懸濁液を濾過し、次いでテトラヒドロフランおよびエタノールで洗浄した。球状物を60℃で減圧下に24時間乾燥させた。球状物の外観を走査電子顕微鏡(SEM)により検査した。球状物の直径は1〜50μmの範囲で変化した。
【0109】
次いで100×4.6mmのHPLCカラムを、これら球状物で満たした。カラムをHPLC装置に導入した。最初の一連のテストを、90/10でヘプタン/イソプロパノール混合物中において行った(図6を参照)。
【0110】
次いで2回目のテストを、純粋クロロホルム中において行った(図7の成果を参照)。
【0111】
[ 実施例4]
実施例1でSOL(Xd−E1)として参照されかつ化合物Xd−E1の1gに対応する溶液20mlを撹拌した。粒度10μmおよび細孔直径300オングストロームのシリカゲル5gを添加した。懸濁液を室温で1時間均質化した。メシチルオキシドを常圧で蒸発させた。得られた粉体を60℃で減圧下に乾燥させた。次いでこの粉体を、50/50でのヘプタン/トルエン混合物40ml中において取り上げて、還流させた。エタン・ジチオール200μlを添加した。反応混合物を、48時間還流させた。懸濁液を、濾過し、テトラヒドロフランで洗浄し、次いでエタノールで洗浄した。粉体を乾燥させた(乾燥重量6g)。
【0112】
先の粉体3gを、250×4.6mmのHPLCカラム内に配置した。カラムをHPLC装置に導入した。
【0113】
テストを、次の条件下に行った:
テスト溶質: 非ラセミ2,2,2−トリフルオロ−1−(9−アンスリル)エタノール
カラム: Xd−E1−250×4.6mm
λ:254nm−O.D.=0.1−流量=1ml/分
移動相: 純粋クロロホルム
進行割合: 2mm/分
得られた容量係数および選択率は、次の通りであった:
k’1=2.0−k’2=3.7−α=1.8
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の最初のテストの結果を示すHPLCクロマトグラムである。
【図2】 実施例1の2番目のテストの結果を示すHPLCクロマトグラムである。
【図3】 レーザー粒度測定により測定した球状物の直径の分布を示すグラフである。
【図4】 実施例2の最初のテストの結果を示すHPLCクロマトグラムである。
【図5】 実施例2の2番目のテストの結果を示すHPLCクロマトグラムである。
【図6】 実施例3の最初のテストの結果を示すHPLCクロマトグラムである。
【図7】 実施例3の2番目のテストの結果を示すHPLCクロマトグラムである。

Claims (26)

  1. 三次元網目構造における架橋ポリマー化合物において、該化合物が、下記一般式(I)または一般式(II):
    Figure 0004210813
    (式中、Xは酸素原子または−NH基であり、mは0以外の大きくとも5の整数であり、Rは水素原子または炭素原子数1〜8を有する直鎖状または分枝状、置換または非置換アルキル基であり、Yは−NH−CO−基、−NH−CS−基または−CO−基であり、Aは単結合、炭素原子数1〜21を有する直鎖状または分枝状アルキレン基、炭素原子数6〜18を有するアリーレン基または炭素原子数7〜40を有するアラルキレン基であり、Lは下記一般式(IIIa)のビス・チオエーテル基、下記一般式(IIIb)のビス・スルホキシド基、または下記一般式(IIIc)のビス・スルホン基、または下記一般式(IV)のビス・シラン基である:
    Figure 0004210813
    (これらの式中、Sは硫黄原子であり、Oは酸素原子であり、Siは珪素原子であり、W およびW は、同一または異なって、各々、炭素原子数1〜21を有する直鎖状または分枝状アルキレン基、炭素原子数6〜18を有するアリーレン基または炭素原子数7〜40を有するアラルキレン基であり、W は単結合、W 、酸素原子、硫黄原子または下記式(V)の対称ジエステルであり、
    Figure 0004210813
    は炭素原子数1〜5を有する直鎖状または分枝状アルキル基または水素であり、またR は下記式(VI):
    Figure 0004210813
    (式中、R は(CHn2または酸素であり、n1は0〜3000の範囲で変化し、n2は0〜10の範囲で変化する)の基であり、一般式(I)および一般式(II)の基中に各々含まれるアリーレン基は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4を含むアルキル基、炭素原子数1〜4を含むアルコキシ基およびニトロ基から選ばれる、同一または異なる、1つまたは複数の原子または基により置換されていてもよい。)の基を含み、
    一般式(I)および一般式(II)の基が、下記一般式(VII) および一般式(VIII):
    Figure 0004210813
    (式中、X、Y、A、R、Lおよびmは各々上記と同じ意味を有し、記号、一般式(IX)
    Figure 0004210813
    は、多糖類誘導体またはオリゴ糖類誘導体の直鎖状、分枝状または環式結合の配糖体キラル単位であり、「鎖i」および「鎖j」は、式(I)および式(II)の基の各末端におけるキラル単位が、多糖類またはオリゴ糖類内で配糖体ユニットの別々の鎖または別々の結合上に位置していることを印す)により、多糖類誘導体またはオリゴ糖類誘導体の直鎖状、分枝状または環式結合の配糖体キラル単位に結合され
    一般式 (IX) の配糖体キラル単位が、
    Figure 0004210813
    Figure 0004210813
    (式中、 a) 記号X 、X およびX は、同一または異なって、各々、酸素原子または −NH−基であり、 b) 記号R 、R およびR の各々は、独立して
    ・下記一般式: (CH[R]=CH−) m1 A−Y− (XI) (式中、m1は0以外の大きくとも5の整数であり、Rは水素原子または炭素原子数1〜8を有する直鎖状または分枝状、置換または非置換アルキル基であり、Yは−NH−CO−基、−NH−CS−基または−CO−基であり、Aは単結合、炭素原子数1〜21を有する直鎖状または分枝状アルキレン基、炭素原子数6〜18を有するアリーレン基または炭素原子数7〜40を有するアラルキレン基であり、Xは等しくX 、X またはX である)を有するエチレン基であるか、
    あるいは下記式:A −A −CX (XII) (式中、X は酸素原子または硫黄原子であり、A は単結合または−NH−基であり、A は炭素原子数6〜24を有するアリール基または炭素原子数7〜36を有するアラルキル基または炭素原子数7〜18を有するアルキルアリール基である)を有する基であるか、
    ・あるいは水素原子またはNO 基であり、nは5〜20000の整数である)の式 (Xa) (Xk) のうちの1つを満足させ、各配糖体キラル単位 (Xa) (Xk) において、記号X 、X およびX の少なくとも1つが酸素原子であり、また多糖類誘導体の鎖の1つを構成する配糖体キラル単位の少なくとも一部において、記号R 、R およびR の少なくとも1つは一般式 (XI) の基であり、記号R 、R またはR の少なくとも1つは一般式 (XII) の基である、多糖類誘導体またはオリゴ糖類誘導体の少なくとも1つの配糖体キラル単位であることを特徴とする、架橋ポリマー化合物。
  2. 極性有機溶媒中に不溶性であることを特徴とする、請求項1記載の架橋ポリマー化合物。
  3. 請求項1において定義される一般式(VII) および一般式(VIII)の化合物が、請求項において定義される多糖類誘導体またはオリゴ糖類誘導体のそれ自体におけるあるいは下記一般式:
    Figure 0004210813
    (式中、S、Si、W 、W 、W 、R およびR は請求項1と同じ意味を有する)の化合物における反応により得られることを特徴とする、請求項記載の架橋ポリマー化合物。
  4. 請求項1において定義される一般式(VII) および一般式(VIII)の化合物が、請求項において定義される一般式(XI)のエチレン基と請求項において定義される一般式(XIII)および一般式(XIV) の化合物との反応により得られることを特徴とする、請求項記載の架橋ポリマー化合物。
  5. 一般式(IX)の配糖体キラル単位が、請求項において定義される多糖類誘導体またはオリゴ糖類誘導体の異なる鎖上または別々の配糖体結合上に位置することを特徴とする、請求項1記載の架橋ポリマー化合物。
  6. 一般式(IIIb)および一般式(IIIc)の基が、一般式(IIIa)の基を含む化合物の酸化反応により得られることを特徴とする、請求項1〜のうちのいずれか1項記載の架橋ポリマー化合物。
  7. 一般式(XI)および一般式(XII) の基にそれぞれ含まれるアリーレン基またはアリール基は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4を含むアルキル基、炭素原子数1〜4を含むアルコキシ基およびニトロ基から選ばれる、同一または異なる、1つまたは複数の原子または基により置換される、請求項1〜6のうちいずれか1項記載の架橋ポリマー化合物。
  8. アリール基が、フェニル基またはナフチル基であり、および/またはアリーレン基が、フェニレン基またはナフチレン基であることを特徴とする、請求項記載の架橋ポリマー化合物。
  9. 重合度が、5〜2000であることを特徴とする、請求項1〜8のうちいずれか1項記載の架橋ポリマー化合物。
  10. 構造単位毎に一般式(XI)の基を0.05〜2.95、構造単位毎に一般式(XII) の基を0.05〜2.95含むことを特徴とする、請求項7〜9のうちいずれか1項記載の架橋ポリマー化合物。
  11. 請求項1〜10のうちのいずれか1項記載の架橋ポリマー化合物を調製する方法であって、請求項において定義される少なくとも1つの活性化された多糖類誘導体またはオリゴ糖類誘導体が、極性有機溶媒中に溶解され、その手順が、多糖類誘導体の鎖の間に三次元網目構造を創造するために、フリー・ラジカル開始剤の作用による、一般式(XI)のエチレン基自体における反応において、この三次元網目構造が、一般式(I)の基を含むことを特徴とする反応を含むことを特徴とする、架橋ポリマー化合物の調製方法。
  12. 請求項1〜10のうちのいずれか1項記載の架橋ポリマー化合物を調製する方法であって、請求項1において定義される少なくとも1つの活性化された多糖類誘導体またはオリゴ糖類誘導体が、極性有機溶媒中に溶解され、その手順が、多糖類誘導体の鎖の間に三次元網目構造を創造するために、フリー・ラジカル開始剤の存在下での一般式(XI)のエチレン基と、一般式(XIII)のビス・スルフヒドリル化合物との反応において、この三次元網目構造が、一般式(II)の基を含み、該一般式(II)において、記号Lは一般式(IIIa)のビス・チオエーテル基であり、一般式(IIIa)の基は前記化合物中に存在する硫黄量に対して十分な量の酸化剤を添加することにより、一般式(IIIb) または一般式(IIIc)の基に続いて転換されうることを特徴とする反応を含むことを特徴とする、架橋ポリマー化合物の調製方法。
  13. 請求項1〜10のうちのいずれか1項記載の架橋ポリマー化合物を調製する方法であって、請求項において定義される少なくとも1つの活性化された多糖類誘導体またはオリゴ糖類誘導体が、極性有機溶媒中に溶解され、その手順が、多糖類誘導体の鎖の間に三次元網目構造を創造するために、金属触媒の存在下での一般式(XI)のエチレン基と、一般式(IV)のビス水素化シランとの反応において、この三次元網目構造が、一般式(II)の基を含み、該一般式(II)において、記号Lが一般式(IV)のビス・シランであることを特徴とする反応を含むことを特徴とする、架橋ポリマー化合物の調製方法。
  14. 請求項1〜10のうちのいずれか1項記載の化合物を本質的に含むことを特徴とする担体物質。
  15. 球状物形態であることを特徴とする、請求項14記載の担体物質。
  16. 請求項1〜10のうちのいずれか1項記載の化合物を80%未満の割合で含むことを特徴とする、請求項14記載の担体物質。
  17. 無機または有機の市販多孔質の保持体(support)から得られることを特徴とする、請求項16記載の担体物質。
  18. 請求項において定義される多糖類誘導体またはオリゴ糖類誘導体が、極性有機溶媒中に溶解され、次いで球状物形態で沈降され、次いで前記球状物が、一般式(XI)のエチレン基の、それ自体における反応によるか、あるいは一般式(XIII)または一般式(XIV) の化合物との反応によりその場において(in situ) 架橋され、請求項1〜10のいずれか1項記載の架橋ポリマー化合物を本質的に含む担体物質の球状物を得るようにすることを特徴とする、本質的に架橋ポリマー化合物を含む請求項14または15記載の担体物質を調製する方法。
  19. 多糖類またはオリゴ糖類誘導体が極性有機溶媒中に溶解され、得られた有機溶液がアニオン界面活性剤とエマルジョン安定剤とを含む水溶液に注がれ、得られたエマルジョンが、有機溶媒を除去するために加熱されることを特徴とする、沈降球状物形態での請求項15記載の担体物質を調製する方法。
  20. 極性有機溶媒がメシチルオキシドであり、アニオン界面活性剤が硫酸ドデシルナトリウムであり、エマルジョン安定剤が16より多い炭素原子数を有するポリヒドロキシレート誘導体であることを特徴とする、請求項19記載の調製方法。
  21. 球状物が、サイズ0.1〜300μmおよび比表面積10〜100m /gを有することを特徴とする、請求項19または20記載の調製方法。
  22. 多糖類誘導体の沈降球状物が、フリー・ラジカル開始剤の作用による、一般式(XI)のエチレン基の、それ自体における反応によるか、あるいは一般式(XIII)または一般式(XIV) の化合物との反応によりその場において(in situ) 架橋されて、架橋ポリマー化合物が、極性有機溶媒に不溶性である担体物質を構成する球状物形態で得られ、担体物質の球状物が、サイズ0.1〜300μmおよび比表面積10〜100m /gを有することを特徴とする、請求項19〜21のうちのいずれか1項記載の調製方法。
  23. 多糖類誘導体またはオリゴ糖類誘導体を含む有機溶媒溶液が、市販の粉体状多孔質保持体に添加され、媒質が溶媒を蒸発するために加熱され、多糖類誘導体またはオリゴ糖類誘導体を含む得られた粉体が溶媒中に懸濁され、前記化合物は該溶媒に不溶性であり、媒質は還流され、フリー・ラジカル開始剤または一般式(XIII)もしくは一般式(XIV) の化合物のような架橋剤が添加され、反応後、懸濁液が濾過されかつ極性有機溶媒中において洗浄され、多糖類誘導体またはオリゴ糖類誘導体は、これらを除去するために該有機溶媒に可溶性であることを特徴とする、請求項16または17記載の担体物質を調製する方法。
  24. 市販の粉体状多孔質保持体が無機酸化物またはポリスチレン・ジビニルベンゼンであり、該市販の粉体状多孔質保持体が、粒子直径1〜300μmおよび細孔直径30〜10000オングストロームを有することを特徴とする、請求項23記載の調製方法。
  25. 液体クロマトグラフィーまたはガス・クロマトグラフィーまたは超臨界クロマトグラフィーの手段、あるいは電気泳動または電気クロマトグラフィーの手段を用いる鏡像異性体の調製および分離における請求項14〜17のうちのいずれか1項記載の担体物質を使用する方法。
  26. 極性有機溶媒を使用する液体クロマトグラフィーまたはガス・クロマトグラフィーまたは超臨界クロマトグラフィーの手段を用いる鏡像異性体の調製および分離における請求項14〜17のうちのいずれか1項記載の担体物質を使用する方法。
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