JP4210675B2 - 消弧装置を備えた開閉器 - Google Patents

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Description

本発明は、開路時、固定電極と可動電極との間に発生するアークを消弧する消弧装置を備えた開閉器に関するものである。
本出願人は先行して次のような消弧装置を提案している。即ち、この消弧装置は磁性板通路を有する複数の磁性板と、消弧部材通路を有する複数の消弧部材とを備えている。各磁性板及び各消弧部材は、それぞれ可動電極の移動方向に所定の間隔をおいて交互に配置されている。また、前記磁性板において、前記磁性板通路の最奥部には切欠溝が形成されている。開路時、固定電極から離間した可動電極は磁性板通路及び消弧部材通路を順次通過する。この際、固定電極と可動電極との間に発生したアークは前記磁性板に発生した電磁力により奥方へ駆動され、前記切欠溝に吸引固定(拘束)される。特に小電流域のアークを消弧装置内に拘束することにより、当該アークと消弧部材から発生する消弧性分解ガスとの接触時間が確保される。この結果、小電流域におけるアークの消弧性能の向上が図られる(例えば、特許文献1参照。)。
特願2002−319148号
この種の消弧装置においては、大電流域から小電流域にかけての幅広い領域での遮断性能の確保が望まれており、特に前記磁性板に発生する電磁力が遮断性能に大きく関与している。このため、効率的に且つ安定した電磁力を確保すると共に、励磁電流及び充電電流等の30アンペア以下の小電流域におけるアーク、特に5アンペア以下の微小電流域におけるアークの遮断時間の更なる短縮が望まれていた。
本発明は前記要望を解決するためになされたものであって、その目的は、微小電流域のアークに対する遮断時間の大幅な短縮が図られると共に大電流域から小電流域にかけての幅広い領域に対して安定した電磁力の発生を確保し、遮断性能を安定向上させることができる消弧装置を備えた開閉器を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、本体ケースの両側壁に相毎に相対するように貫通支持された電源側ブッシング及び負荷側ブッシングと、前記電源側ブッシングの内端部に設けられた固定電極と、前記負荷側ブッシングの内端部に回動可能に設けられて前記固定電極に対して接離可能に対応する可動電極とを備えた開閉器において、前記電源側ブッシングの内端部には、磁性体により形成されると共に可動電極を通過可能とした磁性板通路を有する磁性板と、絶縁性を有しアークとの接触により消弧性分解ガスを発生する合成樹脂材料により形成されると共に可動電極を通過可能とした消弧部材通路を有する消弧部材とを可動電極の移動方向に交互に配置し、開路時には固定電極から離間した可動電極を前記磁性板通路及び消弧部材通路を順次通過させるようにした消弧装置を設け、前記可動電極には駆動リンクを作動連結して当該駆動リンクの駆動により前記可動電極が固定電極に対して接離するように構成し、前記各磁性板通路と各消弧部材通路とから可動電極を通過可能とした可動電極通過部を構成し、前記駆動リンクの外周面には、異相間方向に張り出す同相間バリヤを設け、前記同相間バリヤには、開路時において可動電極と固定電極との間に発生したアークを前記可動電極通過部内へ押込むための同相間バリヤに対して直交する送風部材を固定電極側へ突設し、前記送風部材は前記駆動リンクとは別部材とすると共に柔軟性を有する合成樹脂材料により形成し、前記可動電極の駆動に伴って当該送風部材をその基端部において可動電極の移動方向とは反対方向へ撓むようにしたことを要旨とする。
本発明によれば、駆動リンクの駆動による可動電極の開放動作に伴って固定電極と可動電極との間に発生したアークは、駆動リンクに設けられた同相間バリヤに突設された送風部材の移動に伴って発生する風圧により、前記消弧装置における可動電極通過部の奥方への誘導が促進される。また、駆動リンクの駆動に伴って撓んだ送風部材は、時間差をもって原位置(元の状態)に弾性復帰する。このため、送風部材を駆動リンクの駆動に伴って上方へ移動させるだけとした場合に比べて、当該送風部材により発生する風圧が高められる。ひいては、小電流域及び微小電流域のアークはいっそう消弧装置の奥方へ押しやられる。
本発明によれば、微小電流域のアークに対する遮断時間の大幅な短縮が図られると共に大電流域から小電流域にかけての幅広い領域に対して安定した電磁力の発生を確保し、遮断性能を安定向上させることができる。
以下、本発明をダブルブレード型の開閉器の消弧装置に具体化した一実施形態を図1〜図15に従って説明する。
図1に示すように、開閉器11の本体ケース12の互いに対向する両側壁12a,12bには電源側ブッシング13及び負荷側ブッシング14が3相各相毎(図1においては1相分のみ示す。)に互いに対向するように貫通支持されている。電源側ブッシング13の内端部には棒状の固定電極15が突設されており、同固定電極15の先端上部には耐弧メタル16が固定されている。また、電源側ブッシング13の内端(固定電極15の先端側)には消弧装置17が固定用金具18を介して固定されている。この消弧装置17については後に詳述する。負荷側ブッシング14の内端部には導電棒19が突設されており、同導電棒19には軸20を介して可動電極21の基端部が回動可能に支持されている。図2に二点鎖線で示すように、可動電極21は平行平板状の一対の接触刃21a,21bを備えている。
一方、図1に示すように、本体ケース12内の下部には、複数のリンク等からなるリンク機構(図示略)を介して本体ケース12の外部の操作ハンドル(図示略)に作動連結された回動軸22が設けられており、当該回動軸22にはレバー23が一体回動可能に固定されている。レバー23の先端には駆動リンク24の一端が回動可能に連結されており、当該駆動リンク24の他端は可動電極21の中央近傍に回動可能に連結されている。従って、前記操作ハンドルが操作されると、可動電極21は前記リンク機構、回動軸22、レバー23及び駆動リンク24を介して軸20を中心に図1に二点鎖線で示す投入位置と同じく実線で示す開放位置との間を移動する。前記駆動リンク24については後に詳述する。
(駆動リンク)
次に、前記駆動リンク24について詳細に説明する。図13に示すように、駆動リンク24は、例えばポリブチレンテレフタレート及びナイロン等の絶縁耐力の大きな合成樹脂材料により形成されている。駆動リンク24の外周面において、固定電極15側の面及び導電棒19側の面にはそれぞれ複数の凹部31が形成されている。これにより、駆動リンク24の可動電極21側の連結部とレバー23側の連結部との間の沿面距離が確保される。
図13及び図14に示すように、駆動リンク24の外周面において、各凹部31が形成された面に対して直交する2つの面には、それぞれ同相間バリヤ32が異相間方向(図14R>4における左右方向)に張り出すように形成されている。また、駆動リンク24及び両同相間バリヤ32,32の固定電極15側側面において、駆動リンク24と可動電極21との連結部寄りには送風部材33が両同相間バリヤ32,32の外側縁間にわたって突設されている。送風部材33は両同相間バリヤ32,32に対して直交するように形成されている。
図1に二点鎖線で示すように、開閉器11の投入状態(閉路状態)において、同相間バリヤ32及び送風部材33はそれぞれ消弧装置17の下方に位置する。また、図1に実線で示すように、開閉器11の開放状態(開路状態)において、同相間バリヤ32は固定電極15と導電棒19との間に位置すると共に、送風部材33は消弧装置17の中央部に対応する。送風部材33が図1に二点鎖線で示す投入位置から同じく実線で示す開放位置に移動することにより、消弧装置17側への風が発生する。この風圧により開路時において固定電極15と可動電極21との間に発生するアークは消弧装置17の奥方に押しやられる。このように、駆動リンク24の長さ、同相間バリヤ32の幅及び送風部材33の位置等が設定されている。
(消弧装置)
次に、前記消弧装置17について詳細に説明する。図3〜図5に示すように、消弧装置17は、磁性体により板状に形成された複数の磁性板110と絶縁性及び消弧性を有する合成樹脂材料により板状に形成された複数の消弧部材120とを備えている。各磁性板110及び各消弧部材120は可動電極21の移動方向に所定の間隔をおいて交互に配置されている。各磁性板110及び各消弧部材120はそれぞれ一対の支持部材130,130間に配置され一括して支持されている。以下、支持部材130、磁性板110及び消弧部材120の順に説明する。
(支持部材)
まず、支持部材130について説明する。図3〜図6に示すように、支持部材130は絶縁性を有する合成樹脂材料又は無機材料により一体形成されており、固定電極15に固定用金具18を介して固定される基部131と同基部131に対して斜状をなす支持部132とを備えている。図5及び図6に示すように、支持部132には、2つを1組とする複数組(本実施形態では8組)の磁性板用支持孔133が同支持部132の長手方向において所定間隔毎に形成されている。また、支持部132において、各組の磁性板用支持孔133の上部にはそれぞれ消弧部材用支持孔134が形成されている。各消弧部材用支持孔134と各組の磁性板用支持孔133とは互いに連通している。そして、消弧部材120及び磁性板110の支持部132への組付け作業時において、後述する消弧部材120の係合突部140を消弧部材用支持孔134へ内側から挿入することにより、同時に磁性板110の突起113を支持部材130に固定可能となっている。
図3に示すように、基部131の上面には傾斜面131aが形成されている。この傾斜面131aには最下層の消弧部材120の側縁部(後述する張出部129)の下面が密接している。支持部132の後ろ側側面には最下層の消弧部材120の前側側縁部(後述する張出部129の前側側縁部)が密接している。これにより、アークIに曝されることによって消弧部材120から発生する消弧性分解ガスの消弧装置17内からの漏洩が抑制される。
また、図6に示すように、基部131の内側面には、絶縁壁135が形成されている。絶縁壁135は両支持部材130,130間に支持された磁性板110及び消弧部材120と平行をなすように形成されている。図15に示すように、絶縁壁135は両支持部材130,130に支持された消弧部材120のうち最下層の消弧部材120の側縁部(後述する張出部129)の一部に重なるように設けられている。これにより、消弧性分解ガスの消弧装置17の両支持部材130,130側への外部漏洩が抑制される。さらに、両支持部材130,130はそれぞれ消弧装置17の前面側(即ち、後述する可動電極通過部αの開口側)に配置されている。両支持部材130,130が消弧装置17の後面から遠ざかった位置に配置されることにより、当該消弧装置17の後方へ放出された消弧性分解ガスの回り込みによる両支持部材130,130の汚損が抑制される。
(磁性板)
次に、磁性板110について説明する。図8に示すように、磁性板110は磁性体によりW字板状に形成されている。本実施形態では、磁性体として、フェライト系ステンレス鋼鋼材を使用している。フェライト系ステンレス鋼鋼材は素材自体に防錆効果を有すると共に電磁力の発生に優れる。磁性板110はフェライト系ステンレス鋼鋼材製の板材をプレスにより打ち抜き、この後、焼鈍することにより形成されている。焼鈍とは、鋼を所定温度に加熱した後、ゆっくり冷却することにより、プレス加工時に加えられた磁性板110の残留応力による歪みを除去することである。
磁性板110の前端縁(負荷側ブッシング14側の側縁)には接触刃21a,21bをそれぞれ通過可能とした一対の磁性板通路111a,111bが所定間隔をおいて形成されている。両磁性板通路111a,111bはそれぞれ後端側(奥)へ向うほど幅(図8における左右方向の長さ)が小さくなるテーパ状に切欠形成されている。磁性板110に発生する電磁力吸引力増大の観点から磁性板通路111a,111bの幅は極力狭くすることが望ましい。
両磁性板通路111a,111bの最奥部にはそれぞれ切欠溝112a,112bが形成されている。両切欠溝112a,112bの幅はそれぞれ磁性板通路111a,111bの幅よりも小さくされている。両切欠溝112a,112bはそれぞれ磁性板通路111a,111bと同じ方向に、即ち奥方(即ち、磁性板110の後端側)へ延出されている。両磁性板通路111a,111bの最奥部と両切欠溝112a,112bとは滑らかに連続している。両切欠溝112a,112bは幅を一定とした平行溝とされている。
磁性板110の両側縁の前端寄りには、それぞれ一対の突起113,113が形成されている。図6及び図7に示すように、両突起113,113は両支持部材130,130の磁性板用支持孔133にそれぞれ内側から係合している。この状態で、突起113の支持部材130外側面からの突出部分を外方からたがね等で打ち込んで塑性変形させることにより、当該突起113の磁性板用支持孔133からの抜け止めが図られる。
(消弧部材)
次に、消弧部材120について説明する。図2及び図4に示すように、消弧部材120は絶縁性を有し、かつアーク熱により消弧性分解ガスを発生する合成樹脂材料(例えば四フッ化エチレン−パーフルオロビニルエーテル共重合体(PFA)等のフッ素樹脂)によりW字板状に形成されている。従って、消弧部材120はアークとの接触により消弧性分解ガス(消弧性ガス)を発生する。
消弧部材120の前端縁(負荷側ブッシング14側の側縁)には接触刃21a,21bをそれぞれ通過可能とした一対の消弧部材通路121a,121bが所定間隔をおいて形成されている。両消弧部材通路121a,121bの最奥部にはそれぞれ奥溝122a,122bが形成されている。奥溝122a,122bは消弧部材通路121a,121bと同様に奥方(即ち、消弧部材120の後端縁側)へ前記切欠溝112a,112bと平行に延びている。また、奥溝122a,122bの幅は消弧部材通路121a,121bの幅よりも小さくされている。
図9に示すように、消弧部材120の裏面において、消弧部材通路121a,121bの互いに対向する内側縁にはそれぞれアーク接触壁123が突設されている。アーク接触壁123の内面は連続したフラット面123aを形成している。アーク接触壁123(厳密には、アーク接触壁123のフラット面123a)は大電流開放時などにおいて当該大電流アークと接触して消弧性分解ガスを発生するアーク接触部材として機能する。
(開放口)
図5、図6及び図9に示すように、各アーク接触壁123の最奥部にはそれぞれ消弧性分解ガスの開放口123bが形成されている。各開放口123bはそれぞれ同列になるように切欠形成されている。消弧部材120がアークに曝されることにより発生した消弧性分解ガスは各開放口123bを通って側方へ逃がされる。
(アーク止壁部)
また、図9に示すように、消弧部材120の裏面において、奥溝122a,122bの互いに対向する内側縁にはそれぞれブロック状の肉厚壁124が形成されている。各肉厚壁124の前端側側面(消弧部材通路121a,121b側の側面)は消弧部材通路121a,121bに面しており、消弧部材通路121a,121bの中心軸に対して直交するように形成されている。このため、微小電流開放時において当該微小電流域のアークIの奥方(消弧部材120の後端側)への移動は、肉厚壁124の前端側側面により規制される。即ち、肉厚壁124の前端側側面は、アークの奥方への移動を規制するアーク止壁部124aとして機能する。換言すれば、両消弧部材通路121a,121bの最奥部にはそれぞれアーク止壁部124aが形成されている。微小電流域のアークIがアーク止壁部124aの付近に滞留することにより、当該アーク止壁部124aはアーク熱により溶け、消弧性分解ガスを発生する。
(間隔保持部材)
図5及び図6に示すように、消弧部材120の表面及び裏面において、各アーク接触壁123のうち最も外側に位置する2つのアーク接触壁123と消弧部材120の外側縁との間にはそれぞれ間隔保持部材125が突出するように形成されている。図3及び図7に示すように、この間隔保持部材125は、支持部材130,130間において消弧部材120と磁性板110とを交互に積層配置したとき、各磁性板110に当接することにより当該各磁性板110の配置間隔を一定に保持する。
また、間隔保持部材125の消弧部材120の裏面からの突出長さは、アーク接触壁123の消弧部材120の裏面からの突出長さよりも大きくされている。このため、間隔保持部材125は、支持部材130,130間において消弧部材120と磁性板110とを交互に積層配置したとき、アーク接触壁123、消弧部材120の表面及び同じく裏面はそれぞれ磁性板110に接触することはない。そして、アーク接触壁123、消弧部材120の表面及び同じく裏面と磁性板110との間には所定の隙間が形成される。換言すれば、アーク接触壁123と消弧部材120の表面及び裏面とがそれぞれ磁性板110に接触しない程度に間隔保持部材125の消弧部材120の表面及び裏面からの突出高さが設定されている。
図3及び図7に示すように、間隔保持部材125は消弧部材120と磁性板110と交互に積層配置したときに各消弧部材120の両側(図7における左側及び右側)において各磁性板110間を絶縁する絶縁バリヤを兼用する。また、各消弧部材120の間隔保持部材125は、消弧部材120と磁性板110と交互に積層配置したときに各消弧部材120間の両側を閉塞して前方及び後方にそれぞれ開口した空隙S(図7参照)を形成する。
(凹部)
図5及び図9に示すように、消弧部材120の裏面において、アーク接触壁123と間隔保持部材125と消弧部材120の裏面とにより凹部126が形成されている。これにより消弧部材120の側方(消弧部材通路121a,121bの長手方向に対して直交する方向)における沿面距離の増大が図られる。
(上下バリヤ部)
加えて、消弧部材120について説明すると、図9に示すように、消弧部材120の奥溝122a,122bは空隙127a,127bを介して消弧装置17の後方(後端側)へ開口している。消弧部材120において、肉厚壁124の後端側の部位は各磁性板110の上下方向における絶縁を確保するための上下バリヤ部128とされている。図10(a)に示すように、上下バリヤ部128において、アーク接触壁123の後端側には肉厚部128aが形成されている。この肉厚部128aは消弧部材120の後端側へ向かうにつれて肉厚が小さくなるテーパ面128bが形成されている。この構成により、アークによる消耗に対処すると共に消弧性分解ガスの後方への円滑な放出が可能となる。
図2及び図3に示すように、各磁性板110及び各消弧部材120を支持部材130,130間に支持した状態において、各上下バリヤ部128はそれぞれ磁性板110の後端縁から大きく張り出している。これにより、遮断時の消弧性分解ガスを消弧装置17の後方へ円滑に案内可能となっている。また、消弧性分解ガスの消弧装置17内への戻りが抑制され、戻りに起因して磁性板110間の雰囲気が短絡しやすい雰囲気となることが回避される。
(張出部)
図2に示すように、消弧部材120の両側縁における後端側にはそれぞれ張出部129が形成されている。磁性板110及び消弧部材120を両支持部材130,130間に支持した状態において、張出部129が磁性板110の両側縁からそれぞれ突出するように当該張出部129の張出し長さが設定されている。各張出部129により消弧装置17における側部の磁性板110と消弧部材120の積層方向の沿面距離が確保される。
(係合突部)
消弧部材120の両側縁における前端側にはそれぞれ係合突部140が形成されている。図5に示すように、係合突部140の上面と前記張出部129の上面とはそれぞれほぼ同一平面上に位置するように形成されている。両係合突部140,140はそれぞれ両支持部材130,130の消弧部材用支持孔134に内側から係合している。
(係合突部の抜け止め)
図11に示すように、係合突部140において、互いに反対側に位置する短側面の上部には側部抜け止め突部141がそれぞれ形成されている。また、図12に示すように、係合突部140において、互いに反対側(上下)に位置する両長側面のうち、上部に位置する長側面の外側寄りには上部抜け止め突部142が形成されている。係合突部140を消弧部材用支持孔134に内側から挿入する際、当該消弧部材用支持孔134の内面が側部抜け止め突部141の勾配面141a及び上部抜け止め突部142の勾配面142aに案内される。そして、側部抜け止め突部141及び上部抜け止め突部142が消弧部材用支持孔134を通過して、当該側部抜け止め突部141及び上部抜け止め突部142が支持部材130(支持部132)の外側面に係合することにより、係合突部140の消弧部材用支持孔134からの抜け止めが図られている。
(磁性板と消弧部材との位置関係)
図2に示すように、消弧装置17を消弧部材120及び磁性板110の積層方向において平面視したとき、消弧部材120の奥溝122a,122bと磁性板110の切欠溝112a,112bとの位置関係は次のようになっている。即ち、奥溝122a,122b内には磁性板110の切欠溝112a,112bの全体が位置していると共に、当該奥溝122a,122b内の最奥部には磁性板の一部が露出している。また、両消弧部材通路121a,121bの最奥部の内側には磁性板110が内側(消弧部材120の前端側)に露出している。このため、固定電極15と可動電極21との間に発生したアークIはその遮断電流に応じて磁性板110の各露出部位に拘束される。即ち、大電流域及び小電流域のアークIは両奥溝122a,122b内の最奥部に位置(露出)する磁性板110のアーク拘束部γ(後記する)において拘束される。また、微小電流は両消弧部材通路121a,121bの最奥部付近に位置(露出)する磁性板110のアーク固定部150に拘束される。
尚、図2に示すように、本実施形態において、磁性板通路111a,111b及び消弧部材通路121a,121bは可動電極通過部αを構成する。可動電極通過部αより幅を狭くした消弧部材120の奥溝122a,122b及び磁性板110の切欠溝112a,112bはアーク誘導部βを構成する。磁性板110の切欠溝112a,112bの最奥部の平板部のうち消弧部材120の奥溝122a,122b内に露出した部位はアーク拘束部γを構成する。
(実施形態の作用)
次に、前述のように構成された開閉器の消弧装置の作用について説明する。
図1に二点鎖線で示す投入状態において、前記操作ハンドルが開路操作されると、回動軸22を中心としてレバー23が時計方向へ回動する。これに伴って、駆動リンク24は上方へ移動され、可動電極21が軸20を中心に時計方向へ回動する。可動電極21が固定電極15から離間すると、当該固定電極15と可動電極21との間、即ち固定電極15と両接触刃21a,21bとの間にはそれぞれアークI(図8参照)が発生する。
図8に示すように、このアーク柱の周囲には磁性板110の存在により片寄った磁束分布が発生する。右ねじの法則及びフレミング左手の法則に基づいて磁性板110に発生する電磁力により、アークIは常に磁性板110の奥の方(図8における矢印方向)へ駆動され、両磁性板通路111a,111b(図2参照)の最奥部を経て切欠溝112a,112bの奥に集中し固定される。アークIは切欠溝112a,112bの最奥部に集中して固定された状態で引き伸ばされると共に各磁性板110により分断され、陽極・陰極降下及び冷却等が有効に作用して、アーク電圧が急激に高められる。可動電極21が図1に実線で示す開放位置まで移動すると、アークは完全に消弧され開路動作が終了となる。閉路時には前述した開路時とは逆の動作が行われる。
(大電流アークの遮断)
次に、例えば30A(アンペア)を超えるような大電流を遮断する際の消弧装置17の作用を説明する。
磁性板110と消弧部材120とが可動電極21の移動方向に交互に配置されていることにより、アークIは消弧部材120の上下バリヤ部128の上面(表面)及び下面(裏面)に接触しながら磁性板110の奥の方へさらに駆動される。このとき、アーク熱により消弧部材120の上下バリヤ部128の上面、同じく下面及びアーク接触壁123からは消弧性分解ガスが発生し、この消弧性分解ガスにより消弧が促進される。
即ち、大電流アークはエネルギーが大きく各磁性板110に発生する電磁吸引力も強い。このため、大電流域のアークIはアーク固定部150に固定されることなく、一気に切欠溝112a,112bの奥、ひいては消弧部材120の後方側へ駆動され、消弧部材120の上面及び下面に積極的に接触する。また、励磁電流及び充電電流等の小電流アークに比べて発生する熱量も多いので、消弧部材120の上面及び下面からの消弧性分解ガス発生量も十分確保される。また、アーク接触壁123及び肉厚壁124も消弧性分解ガスの発生に貢献する。
消弧部材120は陰性原子の一種であるフッ素を含む合成樹脂(本実施形態では、PFA)により形成されてので、アーク熱により発生した消弧性分解ガスにはアーク中の電子を吸着し易い性質を有する陰性原子の一種であるフッ素原子が含まれている。このフッ素原子がアーク中の電子を吸着することにより消弧性能(電流遮断性能)が高められる。
また、磁性板110と消弧部材120とが可動電極21の移動方向に所定の間隔をおいて交互に配置していることにより、各消弧部材120の内面間に炭化物が連続して付着することが防止される。このため、消弧部材120の内面に連続した炭化面が形成されることがなく、消弧性能の劣化が抑制される。さらに、消弧部材120の裏面には凹部126が形成されており、これにより消弧部材120の側方における沿面距離が十分に確保されている。加えて、消弧部材120の側部には張出部129が形成されているので、アークIが各磁性板110の側方へ回り込むことが抑制され、各磁性板110の両側部間でのアークIの発生が防止される。
前述したように、消弧部材通路121a,121b内で発生した消弧性分解ガス(即ち、上下バリヤ部128の上下両面及びアーク接触壁123から発生した消弧性分解ガス)はアーク接触壁123に案内されながら消弧部材120の後方へ導出される。特に大電流開放時においては、アークIの発生に伴って消弧性分解ガスは主に磁性板110及び消弧部材120の後方へ流れる。この消弧性分解ガスによりアークIが磁性板110及び消弧部材120の後方へ吹き飛ばされ、当該アークIがさらに引き伸ばされる。即ち、磁性板110及び消弧部材120の後方へ流れる消弧性分解ガスによるアーク吹き飛ばし効果により、消弧が促進される。尚、アーク接触壁123の外面はアーク発生部位の陰になるので、消弧性分解ガスに含まれる金属蒸気等が付着しにくくなっている。このため、連続した汚損面が形成されることがなく、各磁性板110間の沿面距離が確保される。
図9に矢印で示すように、消弧部材120の後方へ導出されてきた消弧性分解ガスは大きく開口した前記空隙S(図7参照)を介して消弧装置17の後方へ導かれる。消弧性分解ガスは、消弧部材120の後方だけでなくアーク接触壁123の奥側に形成された開放口123bから側方へ抜け、この後後方に排出される。このため、消弧性分解ガスの排出が円滑に行われ、当該消弧性分解ガスが滞留することなく消弧装置17の後方へ円滑に抜けると共に、消弧装置17の内部には新しい雰囲気ガス(空気)が導入される。
この結果、消弧装置17の奥溝122a,122bの後方における雰囲気の絶縁抵抗が高まり消弧に寄与する。さらに、新たに導入された雰囲気ガス(空気)により磁性板110が冷却され、消弧が促進される。消弧性能を一旦発揮した消弧性分解ガスは金属蒸気や遊離炭素を含んでおり再点弧の原因となるものの、消弧性分解ガスは速やかに磁性板110及び消弧部材120の後方へ導出される。そして、消弧装置17の内部の雰囲気が新しい雰囲気ガス(空気)に入れ替わることにより絶縁回復が図られ、再点弧が防止される。
(小電流アークの遮断)
次に、充電電流及び励磁電流等の例えば30A以下の小電流を遮断する際の消弧装置17の作用を説明する。
図2に示すように、消弧部材通路121a,121b内には磁性板通路111a,111bの全てが露出しているので、アークIは消弧部材120に邪魔されることなく、可動電極21の回動に伴う遠心力と磁性板110に発生する電磁力の吸引作用とにより、磁性板110(厳密には、磁性板通路111a,111b)の奥へ円滑に駆動される。また、切欠溝112a,112bの幅は磁性板通路111a,111bの幅よりもいっそう小さくされているので、切欠溝112a,112bには磁性板通路111a,111bよりも強力な電磁吸引力が発生し、励磁電流アークや充電電流アークは当該切欠溝112a,112bの奥に吸引される。
小電流域のアークIのエネルギーは大電流アークエネルギーより少なく、遮断時における消弧性分解ガス発生量は大電流開放時に比べて低下する。しかし、この小電流域のアークIは前記アーク誘導部βにより消弧装置17の最奥部に位置するアーク拘束部γに速やかに移行され、当該アーク拘束部γにおいて固定される。即ち、当該アーク拘束部γはアークスポットとなる。小電流域のアークIが、アーク拘束部γの周囲に位置する消弧部材120の肉厚壁124(図9参照)及び肉厚部128a(図10(a)参照)にそれぞれ接触することにより、当該肉厚壁124及び肉厚部128aからの消弧性分解ガスの放出が円滑に行われる。このアーク拘束部γで発生した消弧性分解ガスがアーク誘導部βで発生した消弧性分解ガスに加わることにより、消弧部材120の奥溝122a,122b内の消弧性分解ガス圧力が高められる。この圧力の高められた消弧性分解ガスに小電流域のアークIが接触することにより、当該アークIは消弧される。
(微小電流アークの遮断)
次に、例えば小電流域において、5A以下の微小電流を遮断する際の消弧装置17の作用を説明する。
微小電流アークはエネルギーが非常に少なく、各磁性板110に発生する電磁力も弱い。このため、遮断要素として、微小電流アークに見合った消弧性分解ガスの安定した発生が必要となる。微小電流アークは、可動電極の回動に伴う遠心力と、少ないながらも磁性板110に発生する磁束とにより磁性板110(厳密には、切欠溝112a,112b)の奥へ円滑に駆動される。この際、駆動リンク24における送風部材33の開放方向への移動に伴って発生する風圧の助けもあり、微小電流域のアークIは消弧装置17(可動電極通過部α)の奥方に押しやられる。この微小電流域のアークIはアーク止壁部124aにより奥方への移動が規制されると共に、アーク固定部150において固定される。このため、消弧部材通路121a,121bの最奥部(アーク固定部150の周辺)におけるアーク固定時間が確保される。この結果、微小電流域のアークIとアーク止壁部124aとの接触時間が確保され、エネルギーの少ない微小電流アークであっても当該アーク止壁部124aから消弧性分解ガスが安定して発生する。ひいては、消弧装置17の遮断特性が安定する。
これらの消弧性分解ガスは、消弧部材120の奥溝122a,122b内に滞留することはなく、アーク接触壁123の奥側に形成された開放口123bから速やかに側方へ抜け、そして消弧装置17の後方から外部に排出される(図9参照)。このため、金属蒸気等を含んだ古い消弧性分解ガス等が消弧部材通路121a,121b及び奥溝122a,122bの奥に滞留することが抑制され、常に新鮮な消弧性能の高い消弧性分解ガスが供給される。このため、消弧性分解ガスの入れ替わりがスムーズになり、再点弧が抑制される。
このように、本実施形態の消弧装置17によれば、微小電流域のアークIに対する遮断時間の大幅な短縮が図られる。また、大電流域から小電流域にかけての幅広い領域に対して安定した電磁力の発生が確保され、遮断性能が安定向上する。
(実施形態の効果)
(1)磁性板通路111a,111bの最奥部には当該111a,111bよりも幅を小さくした切欠溝112a,112bを形成することにより開路時に固定電極15と可動電極21との間に発生したアークIを奥方へ誘導するアーク誘導部βを構成した。また、アーク誘導部βの奥方延長線上には当該アーク誘導部βにより誘導されたアークIを固定するアーク拘束部γを設けた。このため、特に小電流遮断時において小電流域のアークIに対して消弧性分解ガスを有効に発生させることができる。ひいては、速やかに小電流の遮断を完了することができる。
また、消弧部材通路121a,121bの最奥部には当該消弧部材通路121a,121bと直交するアーク止壁部124aを形成すると共に当該アーク止壁部124aの中央からさらに奥へ向うようにアーク押込み用の奥溝122a,122bを形成した。そして、消弧部材120のアーク止壁部124a周辺において、磁性板110を内側に、即ち消弧部材通路121a,121b内に露出させた。このため、微小電流遮断時において、アークエネルギーの不足に起因して、微小電流域のアークIはアーク止壁部124aにより奥方への駆動が規制されると共に、アーク固定部150に拘束される。このため、微少電流域のアークIは消弧部材120のアーク止壁部124a周辺に滞留し、当該アークIと消弧部材120との接触時間が確保される。消弧性分解ガスの発生が積極的に促され、この消弧性分解ガスにより微小電流域のアークIは消弧される。
さらに、アーク接触壁123における奥方には開放口123bを形成し、消弧部材通路121a,121bを側方へ開放させるようにした。このため、アーク止壁部124aの周辺における消弧性分解ガスは開放口123bを通って消弧部材120(消弧装置17)の側方へ円滑に排出される。アーク接触壁123周辺における消弧性ガスの滞留が抑制されると共に、新鮮な消弧性ガスがアーク接触壁123周辺に供給される。従って、消弧装置17の奥方への駆動力が小さい微小電流域のアークIを速やかに消弧することができる。
(2)一般的に、磁性体としては鉄材が多く使用される。しかし、この場合、錆びに対するメッキ加工が必要である。また、アーク熱によるメッキの剥離問題を考慮する必要がある。本実施形態では、磁性体として、素材自体に防錆効果を有すると共に電磁力の発生に優れるフェライト系ステンレス鋼鋼材を使用している。このため、磁性板110へのメッキ加工が不要であり、アーク熱によるメッキの剥離問題を考慮する必要もない。
(3)可動電極21には駆動リンク24を作動連結して当該駆動リンク24の駆動により前記可動電極21が固定電極15に対して接離するように構成した。また、磁性板通路111a,111bと消弧部材通路121a,121bとから可動電極21を通過可能とした可動電極通過部αを構成した。そして、駆動リンク24の可動電極通過部α側には、開路時において可動電極21と固定電極15との間に発生したアークIを可動電極通過部内へ押込むための送風部材33を設けるようにした。このため、駆動リンク24の開路動作に伴って送風部材33は上方へ移動する。これにより、アークIを可動電極通過部α内に押込む方向へ風圧が発生する。この風圧により例えば微小電流アークの可動電極通過部α奥方への駆動力が補われる。そして、微小電流アークの安定化が図られ、遮断性能を安定させることができる。また、遮断性能を向上させることができる。
(4)送風部材33を駆動リンク24と一体形成するようにした。また、駆動リンク24には同相間バリヤ32を一体形成するようにした。このため、部品点数を低減させることができる。また、本体ケース12内における省スペース化が図られる。
(5)基部131の上面には傾斜面131aが形成されている。この傾斜面131aには最下層の消弧部材120の側縁部(後述する張出部129)の下面が密接している。基部131の後ろ側側面には最下層の消弧部材120の前側側縁部が密接している。これにより、消弧性ガスの消弧装置17内からの漏洩が抑制される。このため、消弧装置17の外部に漏出した消弧性分解ガスにより支持部材130の表面が汚損して磁性板110の突起113間が同電位となることはなく、支持部材130の表面において突起113間をアークIが導通し、遮断不能となることもない。従って、遮断性能を向上させることができる。
(6)また、基部131の内側面には絶縁壁135を形成した。この絶縁壁135は最下層の消弧部材120の張出部129に重なるように(即ち、オーバラップするように)設けた。これにより、消弧性ガスの消弧装置17内からの漏洩をいっそう抑制することができる。
(7)両支持部材130,130はそれぞれ消弧装置17の前面側(可動電極通過部αの開口側)配置するようにした。このため、アークIの消弧が円滑に行われる。
(8)消弧部材の側方には取付け用の係合突部140を設け、当該係合突部140の先端部には当該係合突部140の抜け止め防止手段を設けた。具体的には、係合突部140の前後方向において、互いに反対側に位置する短側面の上部には側部抜け止め突部141をそれぞれ形成した。また、係合突部140の上下方向において、互いに反対側に位置する両長側面のうち、上部に位置する長側面の外側寄りには上部抜け止め突部142を形成した。このため、支持部材130の消弧部材用支持孔134に係合突部140を嵌めるだけで、側部抜け止め突部141及び上部抜け止め突部142が支持部材130の表面における消弧部材用支持孔134周縁部に係合し、当該係合突部140の支持部材130からの抜け止めが図られる。
(9)磁性板110及び突起113を支持部材130の磁性板用支持孔133に差し込んだ後、当該支持部材130の外側からたがねで磁性板110の突起113を打ち、塑性変形させることにより、磁性板110の支持部材130からの抜け止めが図られる。このため、磁性板110の突起113の抜け止め構造を別途設ける必要はない。従って、構成が複雑になることはない。
<他の実施形態>
尚、前記実施形態は以下のように変更して実施してもよい。
・図16に示すように、最下層の消弧部材120のアーク接触壁123を下方に延設することにより細隙壁151を形成するようにしてもよい。このようにすれば、開路時において接触刃21a,21bはそれぞれ細隙壁151間に挟まれることにより細隙効果が得られ、遮断性能をいっそう向上させることができる。各細隙壁151は、消弧部材120のうち最下層の消弧部材120における消弧部材通路121a,121bの周縁に設けられた細隙消弧手段を構成する。
・また、図16に示すように、最下層の消弧部材120において、下面側の間隔保持部材125を下方に延長することにより被覆壁152を形成し、当該被覆壁152により支持部材130の基部131内面を覆うようにしてもよい。このようにすれば、基部131内面の汚損が抑制される。
・本実施形態では、絶縁壁135を片側一つずつ設けるようにしたが、図6に二点鎖線で示すように、片側2つずつ、3つずつ又はそれ以上の絶縁壁135を設けるようにしてもよい。このようにすれば、消弧部材120における側方への沿面距離を確保することができる。
・本実施形態では、アーク接触壁123に開放口123bを形成することにより消弧部材通路121a,121bを側方へ開放するようにしたが、アーク接触壁123を省略するようにしてもよい。また、消弧部材120において、消弧部材通路121a,121b間の部位を省略するようにしてもよい。即ち、消弧部材通路は一つとする。このようにしても、金属蒸気等を含んだ古い消弧性分解ガスは消弧部材通路の側方へ抜ける。そして、常に新鮮な消弧性分解ガスが供給されるので、遮断性能を向上させることができる。
・本実施形態では、一つのアーク接触壁123に一つの開放口123bを設けるようにしたが、一つのアーク接触壁123に2つ、3つ又はそれ以上の開放口123bを形成するようにしてもよい。このようにしても、消弧生分解ガスを側方へ逃がすことができる。
・本実施形態では、送風部材を駆動リンクと一体形成するようにしたが、送風部材と駆動リンクとを互いに組立て可能とした別部材としてもよい
・本実施形態では、磁性板110と消弧部材120とを可動電極21の移動方向に交互に配置するようにしたが、次のようにしてもよい。即ち、各消弧部材120を省略し、複数枚の磁性板110を可動電極21の移動方向に一定間隔をおいて配置することにより磁性板式消弧装置を構成するようにしてもよい。この場合、各磁性板110の磁性板通路111a,111bは可動電極通過部αを構成する。可動電極21は可動電極通過部αを各磁性板110と直交する方向において通過する。
・本実施形態では、送風部材33を駆動リンク24と一体形成するようにしたが、次のようにしてもよい。即ち、送風部材33を駆動リンク24とは別部材とする。そして、柔軟性を有する合成樹脂材料(ゴム材を含む)により前記送風部材33を形成し、可動電極の駆動に伴って当該送風部材33をその基端部(駆動リンク24固定側)において可動電極21の移動方向とは反対方向へ撓むようにしてもよい。このようにすれば、駆動リンク24の駆動に伴って撓んだ送風部材33は、時間差をもって原位置(元の状態)に弾性復帰する。このため、送風部材33を駆動リンク24の駆動に伴って上方へ移動させるだけとした場合に比べて、当該送風部材33により発生する風圧が高められる。ひいては、小電流域及び微小電流域のアークIはいっそう消弧装置17の奥方へ押しやられる。
・本実施形態では、消弧装置17をダブルブレード型の一点切りの開閉器11に使用したが、シングルブレード型の1点切りの開閉器に使用してもよい。またダブルブレード型又はシングルブレード型の2点切りの開閉器に使用してもよい。この場合、電源側ブッシング13及び負荷側ブッシング14の内端にそれぞれ消弧装置17を配置し、この両消弧装置に対して、2枚又は1枚のZ字形の接触刃からなる可動電極を回転操作して二箇所の固定電極に対して開閉を行う構造が採用される。このようにしても、本実施形態における(1)〜(9)と同様の作用効果を得ることができる。
・本実施形態では、電源側ブッシング13の内端に固定電極15及び消弧装置17を設けると共に、負荷側ブッシング14の内端に可動電極21を回動可能に支持するようにしたが、次のようにしてもよい。即ち、電源側ブッシング13の内端に可動電極21を回動可能に支持すると共に、負荷側ブッシング14の内端に固定電極15及び消弧装置17を設けるようにしてもよい。このようにしても、本実施形態における(1)〜(9)と同様の作用効果を得ることができる。
本実施形態における開閉器の正断面図。 本実施形態における消弧装置の平面図。 本実施形態における消弧装置の正面図。 本実施形態における消弧装置のA矢視図。 本実施形態における消弧装置の分解斜視図。 本実施形態における消弧装置の分解斜視図。 本実施形態における消弧装置のB矢視図。 本実施形態における磁性板の平面図。 本実施形態における消弧部材の下面図。 (a)は図9の1−1線断面図、(b)は、同じく2−2線断面図。 図3におけるC部拡大図。 図9における3−3線断面図。 本実施形態における駆動リンクの正面図。 本実施形態における駆動リンクの側面図。 本実施形態における消弧部材の要部下面図。 別の実施形態における消弧装置の要部側面図。
符号の説明
11…開閉器、12…本体ケース、12a,12b…側壁、13…電源側ブッシング、
14…負荷側ブッシング、15…固定電極、17…消弧装置、21…可動電極、
24…駆動リンク、33…送風部材、110…磁性板、111a,111b…磁性板通路、120…消弧部材、121a,121b…消弧部材通路、α…可動電極通過部。

Claims (1)

  1. 本体ケースの両側壁に相毎に相対するように貫通支持された電源側ブッシング及び負荷側ブッシングと、前記電源側ブッシングの内端部に設けられた固定電極と、前記負荷側ブッシングの内端部に回動可能に設けられて前記固定電極に対して接離可能に対応する可動電極とを備えた開閉器において、
    前記電源側ブッシングの内端部には、磁性体により形成されると共に可動電極を通過可能とした磁性板通路を有する磁性板と、絶縁性を有しアークとの接触により消弧性分解ガスを発生する合成樹脂材料により形成されると共に可動電極を通過可能とした消弧部材通路を有する消弧部材とを可動電極の移動方向に交互に配置し、開路時には固定電極から離間した可動電極を前記磁性板通路及び消弧部材通路を順次通過させるようにした消弧装置を設け、
    前記可動電極には駆動リンクを作動連結して当該駆動リンクの駆動により前記可動電極が固定電極に対して接離するように構成し、
    前記各磁性板通路と各消弧部材通路とから可動電極を通過可能とした可動電極通過部を構成し、
    前記駆動リンクの外周面には、異相間方向に張り出す同相間バリヤを設け、前記同相間バリヤには、開路時において可動電極と固定電極との間に発生したアークを前記可動電極通過部内へ押込むための同相間バリヤに対して直交する送風部材を固定電極側へ突設し
    前記送風部材は前記駆動リンクとは別部材とすると共に柔軟性を有する合成樹脂材料により形成し、前記可動電極の駆動に伴って当該送風部材をその基端部において可動電極の移動方向とは反対方向へ撓むようにした開閉器。
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