JP4210627B2 - 光記録媒体、記録再生方法及び媒体製造方法 - Google Patents

光記録媒体、記録再生方法及び媒体製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光によって情報を記録する記録型媒体の高密度化技術に関する。特に、トラックピッチを縮小し高記録密度を達成できる媒体構造、記録再生方法及び媒体の製造方法に関する。
記録型の光ディスクでは、クロストーク及びクロスライトを抑制するためにトラックピッチにマージンを設ける。例えば、レーザビームの波長が405nm、光学系の対物レンズの開口数NAが0.85である場合、トラックピッチは320nm以上に設定する。
クロスライト、クロスイレース防止を目的とした媒体構造としては、例えば特許文献1〜2に、トラック間の熱伝導を防ぐために記録材料を溝に埋め込んだ媒体構造が開示されている。また特許文献3には、トラック間の熱伝導を防ぐためにフォトリソグラフィーによって記録材料を加工した媒体構造が開示されている。また特許文献4にはトラック間の熱伝導を防ぐためにランドの端部に突起部を設けた媒体構造が開示されている。
しかし、何れの方法も、媒体構造のディスク面内均一性や形状の再現性に問題がある。また、媒体を加工するためにフォトリソグラフィーなどのプロセスが必要になり、媒体の製造方法が複雑になるため、高価な媒体になってしまう。
上記の他に、本出願人の出願に係る特許文献5には、光記録媒体の導電体材料をライン形状に加工した媒体構造が開示されている。
特開2000−276770号公報 特開2001−236689号公報 特開2001−266405号公報 特開2004−039106号公報 特開2003−228880号公報
記録型光ディスクのような光記録媒体において記録密度を上げるためには、トラックピッチを縮小する必要があり、そのためには、クロスライト、クロスイレース、クロストークを抑制する必要がある。本発明はクロスライト、クロスイレース、クロストークを抑制してトラックピッチを縮小し高記録密度を達成できる構造の光記録媒体、その記録再生方法及び製造方法の提供を目的とする。
上記課題は次の1)〜8)の発明(以下、本発明1〜8という)によって解決される。
1) 基板上に、光照射により発熱する発熱材料、構造体、光照射により発熱し情報が記録される記録材料が少なくとも積層され、該構造体は、シリコン化合物(材料A)と、硫化物材料、セレン化物材料、フッ化物材料、窒化物材料、金属材料、半導体材料の群から選ばれる少なくとも一つの材料(材料B)の混合体材料からなり、かつ構造体が媒体面内において隣接する構造体と完全に分離した状態で設けられていることを特徴とする光記録媒体。
2) 記録材料と発熱材料の間に層間分離材料が積層されていることを特徴とする1)記載の光記録媒体。
3) 発熱材料が少なくともSbとTeを含有し、SbとTeの原子比(Sb/Te)が1〜4の範囲にあることを特徴とする1)又は2)記載の光記録媒体。
4) 構造体が、記録トラックに沿って連続して存在する線形状であることを特徴とする1)〜3)の何れかに記載の光記録媒体。
5) 少なくとも発熱材料、構造体、記録材料がこの順に積層された1)〜4)の何れかに記載の光記録媒体に対し、記録材料側から光を照射して情報を記録することを特徴とする記録方法。
6) 少なくとも発熱材料、構造体、記録材料がこの順に積層された1)〜4)の何れかに記載の光記録媒体に対し、記録材料側から光を照射して情報を記録し、発熱材料側から光を照射して情報を再生することを特徴とする記録・再生方法。
7) 少なくとも構造体、記録材料、層間分離材料、発熱材料がこの順に積層された2)〜4)の何れかに記載の光記録媒体に対し、発熱材料側から光を照射して情報の記録及び再生を行うことを特徴とする記録・再生方法。
8) 発熱材料と構造体形成材料の積層構成に対して光を照射する工程、該構成を湿式エッチング法によりエッチング加工する工程を少なくとも含むことを特徴とする1)〜4)の何れかに記載の光記録媒体の製造方法。
以下、上記本発明について詳しく説明する。
本発明1は、基板上に、光照射により発熱する発熱材料、構造体、光照射により発熱し情報が記録される記録材料を少なくとも積層した構成を有する。
図1(a)に媒体構成の一例の断面図を示す。101は支持基板、102は発熱材料、103は構造体、104は記録材料である。
支持基板には、ガラス、石英などを用いることができる。また、Si、SOI(シリコンオンインシュレーター)などの半導体製造に用いられる基板、Al、不透明ガラス基板などのHDD(ハードディスク)用の基板、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリオレフィン、エポキシ、ビニルエステル、ペット、紫外線硬化樹脂などの樹脂基板を用いることができる。
発熱材料は、照射光を吸収し発熱する機能を有する物質であればよく、例えば、Si、Ge、などの半導体、Bi、Ga、In、Snなどの低融点金属を含むBiTe、BiIn、GaSb、GaP、InP、InSb、InTe、SbSnなどの金属間化合物、C、SiCなどの炭化物、V、Cr、Mn、Fe、Co、CuO、ZnOなどの酸化物、AlN、GaNなどの窒素化合物、SbTeなどの2元系の相変化材料、GeSbTe、InSbTe、BiSbTe、GaSbTeなどの3元系の相変化材料、AgInSbTeなどの4元系の相変化材料を用いることができる。発熱材料の膜厚は2〜100nmである。
発熱材料上に構造体を設ける。構造体は媒体面内において隣接する構造体と完全に分離した状態となるように設ける。
構造体は、シリコン化合物(材料A)と、硫化物材料、セレン化物材料、フッ化物材料、窒化物材料、金属材料、半導体材料の群から選ばれる少なくとも一つの材料(材料B)の混合体材料からなる。材料Aのシリコン化合物としては、SiO、SiONなどを用いることができる。材料Bの硫化物材料としてはZnS、CaS、BaSなど、セレン化物材料としてはZnSe、BaSeなど、フッ化物材料としてはCaF、BaFなど、窒化物材料としてはAlN、GaN、SiNなど、金属材料としてはAg、Al、Auなど、半導体材料としてはSi、Geなどを用いることができる。材料Bには複数の材料を用いてもよい。構造体の高さは、10〜200nmである。
構造体上に記録材料を積層する。記録材料は、光照射により発熱し情報が記録できる材料であればよく、例えば、Bi、Ga、In、Snなどの低融点金属を含むBiTe、BiIn、GaSb、GaP、InP、InSb、InTe、SbSnなどの金属間化合物材料、SbTeなどの2元系の相変化材料、GeSbTe、InSbTe、BiSbTe、GaSbTeなどの3元系の相変化材料、AgInSbTeなどの4元系材料の相変化材料を用いることができる。記録の形態は、変形などの形状変化、組成の変化、相状態の変化などである。記録材料の膜厚は、2〜50nmである。
図1(b)に媒体構成の他の一例の断面図を示す。図1(a)における支持基板101と発熱材料102の間に熱伝導抑制材料105を設けた構成である。
熱伝導抑制材料は、発熱材料からの熱伝導が抑制できる材料であればよく、例えば、SiO、SiON、SiNなどのシリコン化合物材料、CaF、BaFなどのフッ素化合物材料を用いることができる。また、前記構造体と同様の材料Aと材料Bの混合体材料を用いることができる。熱伝導抑制材料の膜厚は、5〜200nmである。
図1(c)に媒体構成の更に他の一例の断面図を示す。図1(b)における記録材料104上に保護材料106を設けた構成である。
保護材料は、媒体を保護できる材料であればよく、例えば、SiN、SiO、SiON、SiCなどのシリコン化合物を用いることができる。また、前記構造体と同様の材料Aと材料Bの混合体材料を用いることができる。また、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、紫外線硬化樹脂などの透光性樹脂材料を用いることもできる。各材料は単層で保護材料としてもよいし、シリコン化合物を少なくとも含有する混合体材料と、透光性樹脂材料の積層構成の保護材料としてもよい。
保護材料の膜厚は、シリコン化合物を少なくとも含有する混合体材料の場合は10〜100nmであり、透光性樹脂材料の場合は1〜200μmである。
図1では積層順序が、発熱材料/構造体/記録材料になっているが、図2に示すように、記録材料/構造体/発熱材料の積層順序であっても構わない。
材料Aと材料Bの混合体材料は熱伝導率が低いので、この材料を用いた構造体上に光を吸収し発熱する記録材料又は発熱材料を積層することによって、構造体上に熱を局在化することができる。そして熱を局在化させることによって、記録マークの大きさ(幅)を構造体の大きさ(幅)以下に制限することができ、クロスライト及びクロストークを抑制しトラックピッチを縮小することができる。
本発明2は、本発明1の記録材料と発熱材料の間に層間分離材料を積層したことを特徴とする。
図3(a)に媒体構成の一例の断面図を示す。301は支持基板、302は下部発熱材料、303は構造体、304は記録材料、305は層間分離材料、306は上部発熱材料である。
支持基板、発熱材料、構造体、記録材料は、本発明1と同様である。記録材料上に積層された層間分離材料は、記録材料と上部発熱材料の相互拡散を防止する役割を担うものであり、相互拡散が防止できる材料であればよく、例えば、SiO、SiON、SiNなどのシリコン化合物材料を用いることができる。また、前記構造体と同様の材料Aと材料Bの混合体材料を用いることもできる。層間分離材料の膜厚は、5〜200nmである。
下層に配置する下部発熱材料302と、上層に配置する上部発熱材料306は、同じ材料であっても異なる材料であってもよい。
図3(b)に媒体構成の他の一例の断面図を示す。図3(a)における支持基板と下部発熱材料302との間に熱伝導抑制材料307を設けた構成である。熱伝導抑制材料は、本発明1と同じ材料を用いることができる。
図3(c)に媒体構成の更に他の一例の断面図を示す。図3(b)における上部発熱材料306上に保護材料308を設けた構成である。保護材料としては、本発明1と同じ材料を用いることができる。
本発明3は、本発明1又は2における発熱材料の好ましい組成を規定したものである。具体例としては、Sb(70原子%)−Te(30原子%)、Sb(75原子%)−Te(25原子%)、Sb(80原子%)−Te(20原子%)などが挙げられる。また、SbとTeの原子比(Sb/Te)が1〜4の範囲にあるSbTeに加えて、SbTe以外の元素を含んでも構わない。他の元素としては、Ag、In、Ge、Gaなどを用いることができる。具体例としては、Ag−In−Sb(65原子%)−Te(25原子%)、Ag−In−Sb(60原子%)−Te(30原子%)、Ge−Sb(70原子%)−Te(25原子%)、Ga−Sb(70原子%)−Te(25原子%)、Ge−Ga−Sb(65原子%)−Te(25原子%)などが挙げられる。
後述するように、発熱材料はレーザビーム径以下の微小なアパーチャーを媒体に形成するために設ける。アパーチャーは発熱材料を加熱することによって形成する。上記材料を発熱材料とすることによって、微小なアパーチャーが制御性よく高速に形成できる。
本発明4は、本発明1〜3における構造体の形状を、記録トラックに沿って連続して存在する線形状に限定したものである。
図4に媒体の層構造の一部の平面図を示す。即ち、図には発熱材料又は記録材料(図1:102、図2:202、図3:302に対応する)と、発熱材料又は記録材料上に積層された構造体(図1:103、図2:203、図3:303に対応する)を示す。
構造体103、203、303は記録トラックに沿って連続して存在する線形状である。図中の401は構造体の媒体半径方向における周期であり、トラックピッチに相当する。402は構造体の線幅、403はレーザビーム径を示す。
403に示すレーザビーム径は1/eで定義される大きさである。レーザ波長をλ、光学系の対物レンズの開口数をNAとすると、一般に、1/eで定義されるレーザビーム径φはφ=0.82×λ/NAで概算される。以降の説明で示すレーザビーム径は、この式で概算される値である。レーザビーム径φ、構造体の半径方向周期401(トラックピッチ)をTPとすると、トラックピッチは、TP=0.3〜0.8×φに設定する。構造体の線幅402をLWとすると、TP>LWに設定する。つまり、構造体は半径方向において隣接する構造体と完全に分離(分断)された状態になっている。
本発明5は、本発明1〜4の光記録媒体への記録方法に係るものであり、少なくとも発熱材料、構造体、記録材料がこの順に積層された構成に対して、記録材料側から光を照射して情報を記録することを特徴とする。
図5に、図1(a)に示す構成の光記録媒体を例にして記録方法を示す。光記録媒体は半径方向の断面図で示している。501は光の照射方向である。レーザ光を用いる場合、その波長は370〜780nmであり、好ましくは400〜410nmである。光学系における対物レンズの開口数NAは、0.5〜2であり、好ましくは、0.8〜0.9である。レーザ光は、構造体103、記録材料104の積層構成に対して、記録材料側から照射し、記録材料に対して情報を記録する。
図6、図7に記録状態を示す。図6は従来の媒体に記録した場合、図7は本発明1の媒体に本発明5の方法で記録した場合である。
図6により従来の媒体の記録状態を説明する。
60は媒体の断面図と温度分布を示す。601は記録材料を示す。記録材料は薄膜状であり、媒体面内において分離されていない。602は記録マークを示す。矢印は、媒体半径方向の記録マークの大きさ(以降、“記録マーク幅”と記載)を示す。603はレーザ照射時の記録材料の温度分布を示す。媒体半径方向の温度分布である。604は記録温度、605はレーザビーム径を示す。記録材料の温度分布は、レーザビームの強度分布を反映し、ガウシアン分布になる。記録温度604以上に昇温した部分が記録マークになる。
61はレーザ光照射方向から見た媒体の平面図であり、記録状態を示す。611は記録マーク、612はレーザビーム径、613は記録マーク幅、614はトラック方向におけるマークの大きさ(以降、“記録マーク長”と記載)、615はトラックピッチ、616はトラック方向における記録マークの周期(以降、“記録周期”と記載)を示す。
62は記録マークを形成する際のレーザパワーの変調方法を示す。62に示すように、記録マークを形成する際にはレーザパワーレベルを変える。621は記録パルス幅、622は記録パワーレベル、623はバイアスパワーレベルを示す。パルス幅621を短くすることによって、トラック方向における温度分布を制御し、マーク長614を短くすることができる。60に示す通り、媒体半径方向における温度分布は、レーザビームの強度分布に従う。よって、マーク幅613はマーク長614程には短くできない。
図に示すように、従来媒体では、記録マーク611は半径方向に拡がった状態になる。記録マークの重なり(クロスライト)を避けるため、トラックピッチ615に余裕を持たせる必要があるので、トラックピッチ615は、マーク幅613以下にはできない。
図7により本発明1の媒体に本発明5の方法で記録した場合の記録状態を説明する。
70は媒体の断面図と温度分布を示す。102は発熱材料、103は構造体、104は記録材料、702は記録マーク、702の両側の矢印は記録マーク幅を示す。703はレーザ照射時の記録材料の温度分布を示す。媒体半径方向の温度分布である。704は記録温度、705はレーザビーム径、501はレーザ光の照射方向を示す。
記録材料104は、構造体103上に積層され、構造体の形状が記録材料に転写された状態になっている。記録材料に微細な構造が形成されることから、面内での熱拡散が制限される。レーザビーム中心の構造体上が特に昇温する。図示の通り、構造体に習った温度分布になる。記録温度704以上に昇温した部分が記録マークになる。
71はレーザ光照射側から見た媒体の平面図であり、記録状態を示す。710は構造体を示す。構造体の形状が記録材料に転写された状態になっている。711は記録マーク、712はレーザビーム径、713は記録マークの幅、714は記録マーク長、715はトラックピッチ、716は記録周期、717は構造体の幅を示す。
72は記録マークを形成する際のレーザパワーの変調方法を示す。72に示すように、記録マークを形成する際には、レーザパワーレベルを変える。721は記録パルス幅、722は記録パワーレベル、723はバイアスパワーレベルを示す。記録パルス幅721を短くすることによって、トラック方向における温度分布を制御し、マーク長714を短くすることができる。70に示す通り、媒体半径方向における温度分布は、構造体に習い、特にレーザビーム中心の構造体上が高温になる。記録温度704以上の部分が記録マークになることから、マーク幅713の半径方向への拡がりは、構造体の幅717以下に制限される。従って、記録マーク711はトラック方向、半径方向ともに短くできる。記録マーク幅713が縮小できることから、トラックピッチ715は狭く設定できる。
本発明6は、本発明1〜4の光記録媒体への記録・再生方法に係るものであり、少なくとも発熱材料、構造体、記録材料がこの順に積層された構成に対して、記録材料側から光を照射して情報を記録し、発熱材料側から光を照射して情報を再生することを特徴とする。つまり、記録時の光照射方向と、再生時の光照射方向を変える。
図8に、図1(a)に示す構成の光記録媒体を例にして記録・再生方法を示す。光記録媒体は断面図で示している。801は記録の際の光照射方向である。光は発熱材料102、構造体103、記録材料104の積層構成に対して記録材料側から照射し、記録材料に対して情報を記録する。802は再生の際の光照射方向である。光は、発熱材料側から構造体の中心に対して照射する。レーザ光を用いる場合の波長は370〜780nmであり、好ましくは400〜410nmである。光学系における対物レンズの開口数NAは、0.5〜2であり、好ましくは、0.8〜0.9である。
記録方法は本発明5と同じであり、記録状態は図7に示した通りである。
次に、再生方法及び再生状態について説明する。
図9に再生状態を示す。
90は媒体断面図と温度分布、102は発熱材料、103は構造体、104は記録材料、901は記録マーク、902は発熱材料の透過率変化部分、903はレーザ照射時の発熱材料の温度分布を示す。媒体半径方向の温度分布である。904は発熱材料の透過率変化温度、905はレーザビーム径、802はレーザ光の照射方向を示す。発熱材料はレーザ光を吸収し発熱する。温度分布は、レーザビームの強度分布を反映し、ガウシアン分布になる。高温部分では、発熱材料の光学定数が変化し、レーザビーム径905内に高透過率部分902が形成される。
91はレーザ光照射側から見た媒体の平面図であり、再生状態を示す。910は発熱材料、911は記録マーク、912はレーザビーム径、915はトラックピッチ、916は記録周期、917はレーザビームの進行方向、918は高透過率部分を示す。記録周期が短くなると、符号間干渉により記録マークに対応する周期信号が観測できなくなる。一般的に、周期信号が観測できなくなる周期は、レーザ光の波長をλ、光学系の対物レンズの開口数NAとした場合、λ/2NAで概算される。以降の説明ではλ/2NAの周期を“解像限界”と記載する。記録周期916は、解像限界以下である。発熱材料を設け、発熱材料側から再生することによって、レーザビーム径内の一部において高透過率部分918を形成する。以降の説明では、この発熱材料に形成される高透過率部分を“アパーチャー”と記載する。発熱材料にアパーチャー918が形成されることによって、トラック方向に隣接するマークからの符号間干渉が低減でき、解像限界以下の記録マークからの周期信号が検出できるようになる。
92には、発熱材料910の温度と光透過率の関係を示す。加熱によって光学特性が変化し、透過率が上がる材料を発熱材料とする。特に、温度に対して透過率が非線形に変化する材料が好ましい、このような材料を発熱材料とすることによって、透過率変化温度921をしきい値として、レーザビーム径内の温度分布に従い高透過率部分(アパーチャー)が形成できる。発熱材料にアパーチャー918を形成するには、レーザパワーを上げ発熱材料を加熱する必要がある。発熱材料102の熱で記録材料104が加熱されると、記録マーク901が変化するか消失してしまう。しかし、構造体103が存在することによって、発熱材料から記録材料への熱伝導が抑制されるので、記録マーク901への熱的な影響なく、発熱材料にアパーチャーを形成することができる。
図10に、図2に示す構成の光記録媒体を例にして、記録・再生方法を示す。図1(a)の媒体の材料の積層順序は発熱材料/構造体/記録材料であるのに対して、図2の構成は逆順の記録材料/構造体/発熱材料である。このような構成の場合にも、記録材料側から光を照射して情報を記録し、発熱材料側から光を照射して記録情報を再生することができる。1001は記録の際の光照射方向であり、1002は再生の際の光照射方向である。
図11に記録状態を示す。
110は媒体の断面図と温度分布を示す。202は記録材料、203は構造体、204は発熱材料、1001はレーザ光の照射方向、1101は記録マークを示す。1102は記録材料の温度分布を示す。1103は記録温度を示す。記録温度1103以上に昇温した部分が記録マークになる。
111はレーザ光照射側から見た媒体の平面図である。1111は記録マーク、1112はレーザビーム径、1113はマーク幅、1114はマーク長、1115はトラックピッチ、1116は記録周期を示す。
112はレーザパワーの変調方法を示す。1121は記録パルス長、1122は記録パワーレベル、1123はバイアスパワーレベルを示す。図2に示す構成の光記録媒体の場合、記録材料202は構造体203の下層にあるため、記録材料は構造体の影響を受けない。よって、記録状態は従来の媒体構成と同様になる。つまり、記録マーク1111は半径方向に拡がった状態になっている。トラックピッチ1114を狭くした場合、図示の通り隣接トラック間のマークが重なった記録状態になる。
図12に再生状態を示す。
120は媒体断面図と発熱材料の温度分布を示す。202は記録材料、203は構造体、204は発熱材料を示す。1201は記録マーク、1002はレーザ光照射方向、1205はレーザビーム径、1202は発熱材料の温度分布、1204は透過率変化温度を示す。発熱材料204が構造体203上に積層され、構造体の形状が発熱材料に転写された状態になっている。発熱材料に微細な構造が形成されることから、面内での熱拡散が制限される。レーザビーム中心の構造体上が特に昇温する。図示の通り、構造体に習った温度分布になる。
121はレーザ光照射方向から見た媒体の平面図である。1210は発熱材料、1211は記録マーク、1212はレーザビーム径、1215はトラックピッチ、1216は記録周期、1217はレーザビーム進行方向、1218は発熱材料に形成されたアパーチャー、1219は記録マークの重なり部分(クロスライト)を示す。1202に示す通り、ビーム中心付近の構造体上が高温になる。発熱材料に形成されるアパーチャー1218は、温度分布に対応して構造体上のみに形成され矩形に近い状態になる。アパーチャーは再生トラック上のみに形成され、隣接トラックはマスクされた状態になる。よってクロスライト部分1219の信号は検出されない。図2に示す構成の光記録媒体の場合、記録マークは半径方向に拡がりクロスライトが起こる状態になるが、本発明6の方法により発熱材料側から再生することによって、クロスライト部分の不要な信号を除去でき、クロスライトの影響を低減できるので信号品質が向上する。
本発明7は、本発明2〜4の光記録媒体への記録・再生方法に係るものであり、情報を記録する際には、少なくとも構造体、記録材料、層間分離材料、発熱材料の順に積層された構成に対して、発熱材料側から光を照射して構造体上の記録材料に情報を記録し、情報を再生する際にも、発熱材料側から光を照射することを特徴とする。
図13に、図3(a)に示す構成の光記録媒体を例にして、記録・再生方法を示す。光記録媒体は、断面図で示している。1301は記録及び再生の際の光照射方向である。光は、構造体303、記録材料304、層間分離材料305、上部発熱材料306という積層構成に対して上部発熱材料側から照射し、記録材料に対して情報を記録する。再生の際にも、同様に上部発熱材料側から光を照射して記録情報を再生する。レーザ光を用いる場合の波長は370〜780nmであり、好ましくは400〜410nmである。光学系における対物レンズの開口数NAは、0.5〜2であり、好ましくは、0.8〜0.9である。
図14は本発明2の媒体に本発明7の方法で記録した場合の記録状態を示す。
140は媒体の断面図及び温度分布を示す。302は下部発熱材料、303は構造体、304は記録材料、305は層間分離材料、306は上部発熱材料、1401は記録マーク、1401の両側の矢印は記録マーク幅、1402はレーザ照射時の媒体の温度分布を示す。媒体半径方向の温度分布である。1403は記録温度、1404は上部発熱材料の透過率変化温度、1405はレーザビーム径、1301はレーザ光の照射方向を示す。記録材料304及び上部発熱材料306は構造体303上に積層され、構造体の形状が記録材料及び上部発熱材料に転写された状態になっている。記録材料及び上部発熱材料に微細な構造が形成されることから、面内での熱拡散が制限される。レーザビーム中心の構造体上が特に昇温する。図示の通り、構造体に習った温度分布になる。記録温度1403以上に昇温した部分が記録マークになる。その際に、上部発熱材料温度も昇温し、レーザビーム径1405程度の部分が透過率変化温度以上になっている。
141はレーザ光照射側から見た媒体の平面図であり、記録状態を示す。
142は記録マークを形成する際のレーザパワーの変調方法を示す。1410は上部発熱材料を示す。構造体の形状が上部発熱材料に転写された状態になっている。1411は記録マーク、1412(点線)はレーザビーム径、1413は記録マーク幅、1414は記録マーク長、1415はトラックピッチ、1416は記録周期、1417は構造体の幅、1418(実線)は、高透過率部分を示す。142に示すように、マークを形成する際にはレーザパワーレベルを変える。1421は記録パルス幅、1422は記録パワー、1423はバイアスパワーを示す。記録パルス幅1421を短くすることによって、トラック方向における温度分布を制御し、マーク長1414を短くすることができる。1402に示す通り、媒体半径方向における温度分布は、構造体に習い、特にレーザビーム中心の構造体上が高温になる。マーク幅1413の半径方向への拡がりは、構造体の幅1417以下に制限される。従って、記録マーク1411はトラック方向、半径方向ともに短くできる。記録マーク幅1413が縮小できることから、トラックピッチ1415を狭く設定できる。また、上部発熱材料の高透過率部分1418はレーザビーム径1412程度まで拡がることから、記録に対して上部発熱材料は影響を与えない。つまり上部発熱材料が記録材料上にあることによる記録感度の低下は起こらない。
図15に再生状態を示す。
150は媒体断面図と媒体の温度分布を示す。302は下部発熱材料、303は構造体、304は記録材料、305は層間分離材料、306は上部発熱材料を示す。1501は記録マーク、1301はレーザ光照射方向、1505はレーザビーム径、1502は媒体の温度分布、1504は上部発熱材料の透過率変化温度を示す。上部発熱材料306は構造体303上に積層され、構造体の形状が上部発熱材料に転写された状態になっている。上部発熱材料に微細な構造が形成されることから、面内での熱拡散が制限される。レーザビーム中心の構造体上が特に昇温し、図示の通り構造体に習った温度分布になる。図14の1402に示したように、記録の際にはパワーレベルを上げることから、レーザビーム径程度の部分が透過率変化温度以上になる。1502に示すように、再生の際のパワーレベルは低いことから、構造体上のみが透過率変化温度以上になる。
151はレーザ光照射方向からみた媒体の平面図である。1510は上部発熱材料、1511は記録マーク、1512はレーザビーム径、1515はトラックピッチ、1517はレーザビーム進行方向を示す。1516は記録周期であり解像限界以下である。1518は上部発熱材料に形成されたアパーチャーを示す。1502に示す通り、ビーム中心付近の構造体上が高温になる。上部発熱材料に形成されるアパーチャーは、温度分布に対応して構造体上のみに形成され、矩形に近い状態になる。上部発熱材料にアパーチャー1518が形成されることによって、トラック方向の隣接マークからの符号間干渉が低減でき、解像限界以下の記録マークからの周期信号が検出できるようになる。また、アパーチャーは、構造体に習って矩形に近い形状になり再生トラック上のみに形成される。隣接トラックはマスクされた状態になりクロストークが抑制できる。上部発熱材料にアパーチャー1518を形成するには、レーザパワーを上げ上部発熱材料を加熱する必要がある。上部発熱材料306の熱で記録材料304が加熱されると、記録マーク1501が変化するか消失してしまう。しかし層間分離材料305が存在することによって、上部発熱材料から記録材料への熱伝導が抑制され、記録マーク1501への熱的な影響がなく、上部発熱材料にアパーチャーを形成することができる。
本発明2の光記録媒体に対して、本発明7の方法で記録・再生することによって、トラック方向における符号間干渉が低減できることから線密度を上げることができる。また、記録マーク幅が縮小できること、クロストークが抑制できることからトラックピッチを狭く設定できる。線密度を上げることができ、かつ、トラックピッチも狭くできることから、大幅に記録密度を上げることができる。
本発明8は、本発明1〜4の光記録媒体の製造方法に係るものである。構造体の形成に際し、発熱材料と構造体形成材料の積層構成に対して光を照射する工程、該構成を湿式エッチング法によりエッチング加工する工程を少なくとも含むことを特徴とする。
図16には図1(b)に示す媒体を例として製造方法を示す。
160は第1の成膜工程を示す。101は支持基板、105は熱伝導抑制材料、102は発熱材料、1601は構造体形成用材料を示す。本工程では前記各材料を積層する。
161は光照射工程を示す。1611は光の照射方向、1612は光照射による変化部分を示す。光照射によって構造体形成材料1601の一部が変化する。変化の形態は、材料密度の変化、結晶状態の変化、組成の変化などである。
162はエッチング工程を示す。エッチングは湿式エッチング法で行う。1621はエッチング溶液を示す。光照射後の媒体をエッチング溶液に浸漬する。
163はエッチング後の状態を示す。エッチング処理によって、光照射による変化部分1612のみが残り構造体103となる。
164は第2の成膜工程を示す。構造体を形成した媒体上に記録材料104を積層する。
以上のように、本製造方法では、光照射と溶液エッチングによって簡便かつ安価に構造体を形成することができる。
光は通常レーザ光を用いる。レーザ光源としては、波長157nm程度のF2レーザ、波長193nm程度のArFレーザ、波長248nm程度のKrFレーザなどを用いることができる。また、レーザ光源としてはGaN系などの半導体を用いる。半導体レーザの波長は、370〜780nm、好ましくは、390〜410nmである。光学系における対物レンズの開口数NAは、0.5〜2であり、好ましくは、0.8〜0.9である。半導体レーザの場合は、光ディスクの記録・再生装置が転用できる。レーザ光の照射は大気中で行ってもよい。また、媒体を密閉容器に設置し、そこに窒素、酸素、水蒸気、アルゴン、水素などのガスを導入し、雰囲気ガス中でレーザ光を媒体に照射しても構わない。また、媒体を真空容器に設置して、真空中でレーザ光を媒体に照射しても構わない。
湿式エッチング法としては、酸水溶液、アルカリ水溶液、有機溶剤などに浸漬する方法を用いることができる。例えば、フッ化水素酸(HF)水溶液を用いることができる。
本発明によれば、クロスライト、クロスイレース、クロストークを抑制してトラックピッチを縮小し高記録密度を達成できる構造の光記録媒体、その記録再生方法及び製造方法を提供できる。
更に、本発明8の製造方法を用いれば、本発明1〜4の光記録媒体を簡便かつ安価に製造できる。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。
◆実施例1(本発明1、4、5、8に対応)
◇図1(b)に示す構成の媒体を、図16に示す製造方法で作製した。
第1の製造工程160において、厚さ0.6mmのポリカーボネ−ト基板101上に、スパッタリング法により各層を積層した。熱伝導抑止材料105は、膜厚50nmのZnS−SiOであり、スパッタリングターゲット組成はZnS(80モル%)−SiO(20モル%)である。発熱材料102は膜厚10nmのGeであり、スパッタリングターゲット組成はGe(100原子%)である。1601は構造体を形成するための膜厚40nmのZnS−SiOであり、スパッタリングターゲット組成はZnS(80モル%)−SiO(20モル%)である。
次に、レーザ照射工程161において、矢印1611の方向からレーザ光を照射した。レーザ光の波長は405nmであり、集光した対物レンズのNAは0.85である。レーザパワーは1.6mWで一定とした。レーザ光照射の際に媒体を回転させて、線形状の変化部分を螺旋状に形成した。
次に、エッチング工程162において、媒体をエッチング溶液1621に10秒間浸漬した。エッチング溶液は、フッ化水素酸(HF)水溶液である。溶液比は、HF:HO=1:10である。163はエッチング後の状態を示し、103は形成したZnS−SiO構造体である。構造体の高さは40nmである。
最後に、第2の成膜工程164において、スパッタリング法により記録材料を積層した。記録材料104は、膜厚20nmのGeSbTeであり、スパッタリングターゲット組成はGe(22原子%)−Sb(22原子%)−Te(56原子%)である。
◇上記のようにして作製した媒体の構造体の形状は、図4に示す通りである。この図はレーザ照射方向から見た平面図であり、102が発熱材料のGe、103が構造体のZnS−SiOである。構造体は記録トラック方向に連続した線形状であり、各寸法は次の通りである。
・トラックピッチ401;220nm
・構造体(ZnS−SiO)幅402;130nm
・記録レーザビーム径403;390nm
・レーザビーム径とトラックピッチの比;TP/φ=0.56
◇記録状態は図7に示す通りである。
70は媒体断面図である。102は発熱材料のGe、103は構造体のZnS−SiO、104は記録材料のGeSbTeである。
71はレーザ照射方向からみた媒体平面図である。711は記録マークであり、記録材料にアモルファス状態のマークを形成したものである。各寸法は次の通りである。
・レーザビーム径712;390nm(記録レーザ波長;405nm、対物レンズ
NA;0.85)
・記録マーク幅713;70nm
・記録マーク長714;100nm
・トラックピッチ715;220nm
・記録周期716;300nm
・構造体(ZnS−SiO)幅717;130nm
72にレーザパワーの変調方法を示す。各設定値は次の通りである。
・記録パルス長721;14nsec(記録線速度;3.5m/sec)
・記録パワーレベル;2.5mW
・バイアスパワーレベル;0.1mW
本実施例では、トラックピッチ220nmにおいてマーク幅70nmでの記録ができている。原理的には、100nm以下のトラックピッチも可能であり、従来の媒体に対してトラックピッチを大幅に縮小できる。
◆比較例1
◇実施例1と同様の方法で構造体の無い従来の光記録媒体を作製した。即ち、積層構成は、ポリカーボネート基板(厚さ0.6mm)/ZnS−SiO(膜厚50nm)/記録材料;GeSbTe(膜厚20nm)である。
◇記録状態は図6に示す通りである。
60は媒体断面図である。601は記録材料のGeSbTeである。
61はレーザ照射方向からみた媒体平面図である。611は記録マークであり、記録材料にアモルファス状態のマークを形成したものである。各寸法は次の通りである。
・レーザビーム径612;390nm(記録レーザ波長;405nm、対物レンズ
NA;0.85)
・記録マーク幅613;340nm
・記録マーク長614;120nm
・トラックピッチ615;340nm(縮小限界≒記録マーク幅)
・記録周期616;300nm
62にレーザパワーの変調方法を示す。各設定値は次の通りである。
・記録パルス長621;14nsec(記録線速度;3.5m/sec)
・記録パワーレベル622;4.5mW
・バイアスパワーレベル623;0.1mW
上記のように、本比較例では記録マーク幅が340nmになるため、トラックピッチを340nm以下に縮小することはできない。
◆実施例2(本発明1、4、6に対応)
◇図2に示す積層構成の媒体を、実施例1と同様の方法で作製した。実施例1とは積層順序が逆であり、基板にはガラスを用いた。即ち、支持基板201;ガラス基板(厚み0.6mm)/記録材料202;BiIn(膜厚20nm)/構造体203;ZnS−SiO(高さ40nm)/発熱材料204;Ge(膜厚10nm)という積層構成である。
構造体の形状は図4に示す通りである。202が記録材料のBiIn、203が構造体のZnS−SiOである。構造体は記録トラック方向に連続した線形状であり、各寸法は次の通りである。
・トラックピッチ401;300nm
・構造体(ZnS−SiO)幅402;200nm
・記録レーザビーム径403;510nm
・レーザビーム径とトラックピッチの比;TP/φ=0.59
◇記録状態は図11に示す通りである。
110は媒体断面図である。202は記録材料のBiIn、203は構造体のZnS−SiO、204は発熱材料Geである。
111はレーザ照射方向からみた媒体平面図である。1111は記録マークであり、記録材料BiInに変質状態(構造体ZnS−SiOとBiIn間での元素の相互拡散)のマークを形成したものである。各寸法は次の通りである。
・レーザビーム径1112;390nm(記録レーザ波長;405nm、対物レンズ
NA;0.65)
・記録マーク幅1113;400nm
・記録マーク長1114;150nm
・トラックピッチ1115;300nm
・記録周期1116;350nm
112にはレーザパワーの変調方法を示す。各設定値は次の通りである。
・記録パルス長1121;16nsec(記録線速度;3.5m/sec)
・記録パワーレベル1122;8mW
・バイアスパワーレベル1123;1mW
◇再生状態、再生結果は図12に示す通りである。
120は媒体断面図である。202は記録材料のBiIn、203は構造体のZnS−SiO、204は発熱材料のGeである。
121はレーザ照射方向からみた媒体平面図である。1211は記録マークであり、BiInに記録した変質マークを再生したものである。各寸法・設定値は次の通りである。
・レーザビーム径1212;510nm(記録レーザ波長;405nm、対物レンズ
NA;0.65)
・トラックピッチ1215;300nm
・記録周期1216;350nm
・再生パワー;1.4mW
121はレーザ照射方向からみた媒体の平面図である。発熱材料1210であるGeにアパーチャー1213が形成されることによって、再生トラックからの信号のみが検出できる。マークの重なり部分(クロスライト)1219はマスクされた状態になる。本発明6の方法で再生することによって、クロスライトが起こっても再生信号への影響が低減できる。
◆実施例3(本発明2、3、4、7に対応)
◇図3(b)に示す層構成の媒体を、実施例1と同様の方法で作製した。層構成は次の通りである。
・支持基板301;ポリカーボネート(厚み0.6mm)
・熱伝導抑制材料307;ZnS−SiO(膜厚50nm)
・下部発熱材料302;Ge(膜厚10nm)
・構造体303;ZnS−SiO(高さ40nm)
・記録材料304;GeSbTe(膜厚20nm)
・層間分離材料305;SiON(膜厚50nm)
・上部発熱材料306;AgInSbTe(膜厚20nm)
◇構造体の形状は図4に示す通りである。302が発熱材料のGe、303が構造体のZnS−SiOである。構造体は記録トラック方向に連続した線形状であり、各寸法は次の通りである。
・トラックピッチ401;160nm
・構造体(ZnS−SiO)幅402;90nm
・記録レーザビーム径403;390nm
・レーザビーム径とトラックピッチの比;TP/φ=0.41
◇記録状態は図14に示す通りである。
140は媒体断面図である。302は発熱材料のGe、303は構造体のZnS−SiO、304は記録材料のGeSbTe、305は層間分離材料SiON、306は発熱材料AgInSbTeである。
141はレーザ照射方向からみた媒体平面図である。1411は記録マークであり、記録材料GeSbTeに変形(変質)状態のマークを形成したものである。各寸法は次の通りである。
・レーザビーム径1412;390nm(記録レーザ波長;405nm、対物レンズ
NA;0.85)
・記録マーク幅1413;60nm
・記録マーク長1414;70nm
・トラックピッチ1415;160nm
・記録周期1416;200nm
・構造体(ZnS−SiO)幅1417;90nm
142にレーザパワーの変調方法を示す。各設定値は次の通りである。
・記録パルス長1421;10nsec(記録線速度3.5m/sec)
・記録パワーレベル1422;2.5mW
・バイアスパワーレベル1423;0.1mW
◇再生状態、再生結果は図15に示す通りである。
150は媒体断面図である。302は発熱材料のGe、303は構造体のZnS−SiO、304は記録材料のGeSbTe、305は層間分離材料ZnS−SiO、306は発熱材料AgInSbTeである。
151はレーザ照射方向からみた媒体平面図である。1511は記録マークであり、GeSbTeに記録した変形マークを再生したものである。各寸法・設定値は次の通りである。
・レーザビーム径1512;390nm(記録レーザ波長;405nm、対物レンズ
NA;0.85)
・トラックピッチ1515;160nm
・記録周期1516;200nm
・再生パワー;0.8mW
151はレーザ光照射方向からみた媒体の平面図である。発熱材料1510であるAgInSbTeにアパーチャー151が形成されることによって、トラック方向の符号間干渉、及びクロストークが低減でき、解像限界以下である200nm周期の記録マークからの周期信号が検出できる。CNR(Career to Noise Ration)は42dBであり、高い信号強度で観測できる。トラックピッチ160nm、最短記録周期200nmから概算される記録密度は55Gbit/inである。現在、波長405nmのレーザにより実用化されているシステムの記録密度は18Gbit/in(25GB/φ120mm)であるから、本実施例の媒体構成、記録・再生方法によって、従来システムに対して約3倍の高密度化を図ることができる。
本発明1の媒体構成の一例を示す断面図。図1(a)は基本的媒体構成例、図1(b)は熱伝導抑制材料を積層した例、図1(c)は更に保護材料を積層した例。 図1(a)の媒体構成の積層順序を変えた例を示す断面図。 本発明2の媒体構成の一例を示す断面図。図2(a)は基本的媒体構成例、図2(b)は熱伝導抑制材料を積層した例、図2(c)は更に保護材料を積層した例。 本発明4の媒体のの層構造の一部の平面図。 本発明5の記録方法を説明する図。 従来の媒体の記録状態を示す図。 本発明1の媒体に対し本発明5の方法で記録した状態を示す図。 本発明6の記録・再生方法を説明する図。 本発明1の媒体に対し本発明6の方法で記録した状態を示す図。 本発明6の記録・再生方法を説明する別の図。 本発明1の媒体に対し本発明6の方法で記録した状態を示す図。 本発明1の媒体に対し本発明6の方法で再生した状態を示す図。 本発明7の記録・再生方法を説明する図。 本発明2の媒体に対し本発明7の方法で記録した状態を示す図。 本発明2の媒体に対し本発明7の方法で再生した状態を示す図。 本発明8の製造方法を説明する図。
符号の説明
101 支持基板
102 発熱材料
103 構造体
104 記録材料
105 熱伝導抑制材料
106 保護材料
201 支持基板
202 記録材料
203 構造体
204 発熱材料
301 支持基板
302 下部発熱材料
303 構造体
304 記録材料
305 層間分離材料
306 上部発熱材料
307 熱伝導抑制材料
308 保護材料
401 トラックピッチ
402 構造体の線幅
403 レーザビーム径
501 記録時の光照射方向
60 媒体断面図及び温度分布
601 記録材料
602 記録マーク
603 記録材料温度
604 記録温度
605 レーザビーム径
61 記録状態平面図
611 記録マーク
612 レーザビーム径
613 マーク幅
614 マーク長
615 トラックピッチ
616 記録周期
62 レーザパワー変調方法
621 記録パルス
622 記録パワーレベル
623 バイアスパワーレベル
70 媒体断面図及び温度分布
702 記録マーク
703 記録材料温度
704 記録温度
705 レーザビーム径
71 記録状態平面図
710 構造体
711 記録マーク
712 レーザビーム径
713 マーク幅
714 マーク長
715 トラックピッチ
716 記録周期
717 構造体幅
72 レーザパワー変調方法
721 記録パルス
722 記録パワーレベル
723 バイアスパワーレベル
801 記録時の光照射方向
802 再生時の光照射方向
90 媒体断面図及び温度分布
901 記録マーク
902 高透過率部分
903 発熱材料温度
904 透過率変化温度
905 レーザビーム径
91 再生状態平面図
910 発熱材料
911 記録マーク
912 レーザビーム径
913 マーク幅
915 トラックピッチ
916 記録周期
917 ビーム移動方向
918 高透過率部分
92 発熱材料の温度と透過率
921 透過率変化温度
1001 記録時の光照射方向
1002 再生時の光照射方向
110 媒体断面図
1101 記録マーク
1102 記録材料温度
1103 記録温度
111 記録状態平面図
1111 記録マーク
1112 レーザビーム径
1113 マーク幅
1114 マーク長
1115 トラックピッチ
1116 記録周期
112 レーザパワー変調方法
1121 記録パルス
1122 記録パワーレベル
1123 バイアスパワーレベル
120 媒体断面図及び温度分布
1201 記録マーク
1202 発熱材料温度
1204 透過率変化温度
1205 レーザビーム径
121 再生状態平面図
1210 発熱材料
1211 記録マーク
1212 レーザビーム径
1215 トラックピッチ
1216 記録周期
1217 レーザビームの進行方向
1218 高透過率部分
1219 マークの重なり(クロスライト)
1301 記録・再生時の光照射方向
140 媒体断面図及び温度分布
1401 記録マーク
1402 媒体温度
1403 記録温度
1404 透過率変化温度
1405 レーザビーム径
141 記録状態平面図
1410 発熱材料
1411 記録マーク
1412 レーザビーム径
1413 マーク幅
1414 マーク長
1415 トラックピッチ
1416 記録周期
1417 構造体幅
1418 高透過率部分
142 レーザパワー変調方法
1421 記録パルス
1422 記録パワーレベル
1423 バイアスパワーレベル
150 媒体断面図及び温度分布
1501 記録マーク
1502 媒体温度
1504 透過率変化温度
1505 レーザビーム径
151 再生状態平面図
1510 発熱材料
1511 記録マーク
1512 レーザビーム径
1515 トラックピッチ
1516 記録周期
1517 レーザビームの進行方向
1518 高透過率部分
160 第1の成膜工程
1601 構造体形成用材料
161 光照射工程
1611 光照射方向
1612 変化部分
162 エッチング工程
1621 エッチング溶液
163 エッチング後の状態
164 第2の成膜工程

Claims (8)

  1. 基板上に、光照射により発熱する発熱材料、構造体、光照射により発熱し情報が記録される記録材料が少なくとも積層され、該構造体は、シリコン化合物(材料A)と、硫化物材料、セレン化物材料、フッ化物材料、窒化物材料、金属材料、半導体材料の群から選ばれる少なくとも一つの材料(材料B)の混合体材料からなり、かつ構造体が媒体面内において隣接する構造体と完全に分離した状態で設けられていることを特徴とする光記録媒体。
  2. 記録材料と発熱材料の間に層間分離材料が積層されていることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  3. 発熱材料が少なくともSbとTeを含有し、SbとTeの原子比(Sb/Te)が1〜4の範囲にあることを特徴とする請求項1又は2記載の光記録媒体。
  4. 構造体が、記録トラックに沿って連続して存在する線形状であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の光記録媒体。
  5. 少なくとも発熱材料、構造体、記録材料がこの順に積層された請求項1〜4の何れかに記載の光記録媒体に対し、記録材料側から光を照射して情報を記録することを特徴とする記録方法。
  6. 少なくとも発熱材料、構造体、記録材料がこの順に積層された請求項1〜4の何れかに記載の光記録媒体に対し、記録材料側から光を照射して情報を記録し、発熱材料側から光を照射して情報を再生することを特徴とする記録・再生方法。
  7. 少なくとも構造体、記録材料、層間分離材料、発熱材料がこの順に積層された請求項2〜4の何れかに記載の光記録媒体に対し、発熱材料側から光を照射して情報の記録及び再生を行うことを特徴とする記録・再生方法。
  8. 発熱材料と構造体形成材料の積層構成に対して光を照射する工程、該構成を湿式エッチング法によりエッチング加工する工程を少なくとも含むことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の光記録媒体の製造方法。
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