JP4209806B2 - 共鳴周波数検出方法、共鳴周波数選択方法、および、共鳴周波数検出装置 - Google Patents

共鳴周波数検出方法、共鳴周波数選択方法、および、共鳴周波数検出装置 Download PDF

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Description

この出願に係る発明は、共鳴空間の共鳴周波数を検出するための共鳴周波数検出方法、その装置 および 検出された共鳴周波数のうちから、ディップフィルタにディップの中心周波数として設定すべき周波数を選択する共鳴周波数選択方法に関する。
共鳴空間の共鳴周波数を検出する必要が生ずる場合がある。例えば、ホールや体育館等にスピーカ等の音響設備を設置し、スピーカからの拡声音を放射するとき、この空間(音響設備が配された拡声空間)の共鳴周波数のために、スピーカからの音楽や話声が聞き取りにくくなることがある。つまり、スピーカからの拡声音に共鳴周波数の成分が多く含まれると、該拡声空間においてこの成分の周波数で共鳴が起こるのである。共鳴音は「ウォンウォン・・・」とか「ファンファン・・・」というように聞こえる。この共鳴音は、本来、スピーカから放射しようとする音ではなく、スピーカからの音楽や話声を聞き取りにくくする。
このことを防止するには、拡声空間における共鳴周波数を検出し、音響設備においてスピーカよりも前段に、この共鳴周波数の成分を減衰させるようなディップフィルタ等を設けるとよい。するとこの拡声空間において共鳴が起こりにくくなり、スピーカからの音楽や話声が聞きやすくなる。このディップフィルタの周波数特性を決定するためには、まず、この拡声空間の共鳴周波数を検出しなければならない。
従来は、音響設備のオペレータや測定者が自らの聴覚に頼ってスピーカの拡声音や共鳴音を聞き分けて共鳴周波数を判断していた。
しかし、このような聞き分けによって共鳴周波数であるか否かを判断するには、ある程度の熟練、経験を要する。また、このような熟練、経験に頼る検出であれば、必ずしも正確な共鳴周波数の検出を行うことはできない。
しかも、ある程度の熟練者であっても、聴覚上で共鳴周波数とフィードバック周波数とを聞き分けるのは困難である。共鳴周波数は、共鳴空間の特徴によって定まる周波数であり、フィードバック周波数は電気音響系を含むフィードバックループの構成によって定まる周波数であるが、聴覚上、両者が似たように聞こえることがあるからである。 そして、これらのことが、拡声空間等に設置される音響設備の自動測定・自動調整のための障害にもなっていた。
本願発明は、経験や熟練を必要とせず、正確に共鳴周波数を検出することができるような、共鳴周波数検出方法およびその装置を提供することを目的とする。特に、共鳴周波数をフィードバック周波数と区別して検出できるような、共鳴周波数検出方法およびその装置を提供することを目的とする。
また、検出された複数の共鳴周波数のうちからディップフィルタにディップの中心周波数として設定すべきものを客観的に選択することができるような共鳴周波数選択方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本願発明にかかる共鳴周波数検出方法は、基本振幅周波数特性を測定する基本工程と、第1振幅周波数特性を測定する第1工程と、第2振幅周波数特性を測定する第2工程とを備え、該基本振幅周波数特性は、共鳴空間に配置されたスピーカから所定の測定用信号を拡声させて、該共鳴空間に配置されたマイクロホンによって受音して得られる振幅周波数特性であり、該第1振幅周波数特性は、該スピーカから、該測定用信号と、該マイクロホンの出力信号を0以上の第1遅延時間で遅延させた第1遅延信号とを拡声させて、該マイクロホンによって受音して得られる振幅周波数特性であり、該第2振幅周波数特性は、該スピーカから、該測定用信号と、該マイクロホンの出力信号を0以上の第2遅延時間で遅延させた第2遅延信号とを拡声させて、該マイクロホンによって受音して得られる振幅周波数特性であり、該第2遅延時間は該第1遅延時間と異なる遅延時間であり、該基本振幅周波数特性と該第1振幅周波数特性と該第2振幅周波数特性とに基づいて、該共鳴空間の共鳴周波数を検出する。測定用信号は、マイクロホンの出力信号と一緒に遅延させてスピーカから拡声させてもよいし、遅延させずにスピーカから拡声させてもよい。
また上記課題を解決するため、本願発明にかかる共鳴周波数検出装置は、音源手段と、信号切換手段と、測定手段とを備え、該音源手段は測定用信号を発生し、該信号切換手段は、該音源手段からの測定用信号と、マイクロホンからの出力信号を入力可能であり、該信号切換手段はその状態を、該測定用信号をスピーカで拡声させるために出力する基本状態と、該測定用信号と、該マイクロホンの出力信号を0以上の第1遅延時間で遅延させた第1遅延信号とを該スピーカで拡声させるために出力する第1状態と、該測定用信号と、該マイクロホンの出力信号を0以上の第2遅延時間で遅延させた第2遅延信号とを該スピーカで拡声させるために出力する第2状態とに切り換え可能であり、該第2遅延時間は該第1遅延時間とは異なる遅延時間であり、該測定手段は該マイクロホンの出力信号から振幅周波数特性を測定可能であり、該測定手段が、該信号切換手段の状態が基本状態に設定されたときに測定した基本振幅周波数特性と、該信号切換手段の状態が第1状態に設定されたときに測定した第1振幅周波数特性との比較 および 該基本振幅周波数特性と、該信号切換手段の状態が第2状態に設定されたときに測定した第2振幅周波数特性との比較に基づいて、共鳴周波数を検出する。測定用信号は、マイクロホンの出力信号と一緒に遅延させてスピーカから拡声させてもよいし、遅延させずにスピーカから拡声させてもよい。
上記の方法・装置において、該第1遅延時間又は該第2遅延時間が0であってもよい。
また上記課題を解決するため、本願発明にかかるもう一つの共鳴周波数検出方法は、基本振幅周波数特性を測定する基本工程と、第1振幅周波数特性を測定する第1工程と、第2振幅周波数特性を測定する第2工程とを備え、該基本振幅周波数特性は、共鳴空間に配置されたスピーカから所定の測定用信号を拡声させて、該共鳴空間に配置されたマイクロホンによって受音して得られる振幅周波数特性であり、該第1振幅周波数特性は、該スピーカから、該測定用信号と、該マイクロホンの出力信号とを拡声させて、該マイクロホンによって受音して得られる振幅周波数特性であり、該第2振幅周波数特性は、該スピーカから、該測定用信号と、該マイクロホンの出力信号の位相を反転させた位相反転信号とを拡声させて、該マイクロホンによって受音して得られる振幅周波数特性であり、該基本振幅周波数特性と該第1振幅周波数特性と該第2振幅周波数特性とに基づいて、該共鳴空間の共鳴周波数を検出する。測定用信号は、マイクロホンの出力信号と一緒に位相反転させてスピーカから拡声させてもよいし、位相反転させずにスピーカから拡声させてもよい。
また上記課題を解決するため、本願発明にかかるもう一つの共鳴周波数検出装置は、音源手段と、信号切換手段と、測定手段とを備え、該音源手段は測定用信号を発生し、該信号切換手段は、該音源手段からの測定用信号と、マイクロホンからの出力信号を入力可能であり、該信号切換手段はその状態を、該測定用信号をスピーカで拡声させるために出力する基本状態と、該測定用信号と、該マイクロホンの出力信号とを該スピーカで拡声させるために出力する第1状態と、該測定用信号と、該マイクロホンの出力信号を位相反転させた位相反転信号とを該スピーカで拡声させるために出力する第2状態とに切り換え可能であり、該測定手段は該マイクロホンの出力信号から振幅周波数特性を測定可能であり、該測定手段が、該信号切換手段の状態が基本状態に設定されたときに測定した基本振幅周波数特性と、該信号切換手段の状態が第1状態に設定されたときに測定した第1振幅周波数特性との比較 および 該基本振幅周波数特性と、該信号切換手段の状態が第2状態に設定されたときに測定した第2振幅周波数特性との比較に基づいて、共鳴周波数を検出する。測定用信号は、マイクロホンの出力信号と一緒に位相反転させてスピーカから拡声させてもよいし、位相反転させずにスピーカから拡声させてもよい。
上記の方法・装置において、該基本振幅周波数特性と該第1振幅周波数特性との差分から、該基本振幅周波数特性に比べて該第1振幅周波数特性の方が振幅が大きいピーク点の周波数を第1群周波数として検出し、該基本振幅周波数特性と該第2振幅周波数特性との差分から、該基本振幅周波数特性に比べて該第2振幅周波数特性の方が振幅が大きいピーク点の周波数を第2群周波数として検出し、該第1群周波数と該第2群周波数とに共通して含まれる周波数を共鳴周波数として検出してもよい。
上記の振幅周波数特性に基づいて共鳴周波数を検出する方法・装置においては、測定用信号は振幅周波数特性を測定するに適した信号であればどのような信号であってもよいが、例えば、正弦波スイープ信号、所定周波数幅内に成分を有し中心周波数がスイープするノイズ信号、又は、ピンクノイズであってもよい。
また上記課題を解決するため、本願発明にかかる共鳴周波数選択方法は、上記した共鳴周波数検出方法によって複数の共鳴周波数を検出し、この検出された複数の共鳴周波数のうちから、ディップフィルタに設定すべきディップの中心周波数を、該第1振幅周波数特性又は該第2振幅周波数特性の振幅レベルの大きなものから選択する。この場合、この選択された複数の共鳴周波数のうちから、ディップフィルタに設定すべきディップの中心周波数を、該第1振幅周波数特性又は該第2振幅周波数特性から該基本振幅周波数特性を差し引いた振幅周波数特性における振幅レベルが大きなものから優先的に選択してもよい。
本願発明によれば、経験や熟練を必要とせず、正確に共鳴周波数を検出することができ、また、ディップフィルタにディップの中心周波数として設定すべき周波数を適切に選択できる。
この出願発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、拡声空間(例えば、コンサートホールや体育館のように共鳴の発生する共鳴空間)40に設置された音響システムの概略構成図である。この音響システムは、音源装置2と、ディップフィルタ4と、アンプ12と、スピーカ13とを備えている。音源装置2は、例えば音楽CDを再生するためのCDプレーヤのような演奏器機であってもよいし、マイクロホンであってもよい。図1では音源装置2を拡声空間40の外側に表しているが、音源装置2は拡声空間40内に設置されていてもよい。例えば、音源装置2は、拡声空間40内に設置されたマイクロホンであってもよい。ディップフィルタ4は、音源装置2の出力信号から特定の周波数の信号成分を除去してアンプ12に送出するためのものである。ディップフィルタ4の出力信号はアンプ12で増幅されてスピーカ13に送出され、拡声空間40においてスピーカ13から拡声される。
この拡声空間40が共鳴周波数を有するとき、スピーカ13からの拡声音に共鳴周波数の成分が多く含まれると、拡声空間40において共鳴が起こり、スピーカ13からの音楽や話声が聞き取りにくくなる。しかし、この音響システムにおいて、ディップフィルタ4に適切な周波数特性を設定すると、スピーカ13からの拡声音の音質を損なうことなく、拡声空間40における共鳴を防止することができる。
本実施形態では、拡声空間40において共鳴周波数を検出し、また、検出された共鳴周波数のうちから、ディップフィルタ4にディップの中心周波数として設定すべき周波数を選択するのであるが、まず最初に図2〜26を参照しつつ、拡声空間40において共鳴周波数を検出する方法・装置を説明する。
図2は、拡声空間(例えば、コンサートホールや体育館)40において振幅周波数特性を測定するためのシステムSaの概略ブロック図である。このシステムSaは、測定用信号を発する音源手段たる発信器11と、この発信器11が発する信号を入力して電力増幅するアンプ12と、このアンプ12の出力信号を入力して拡声するスピーカ13と、スピーカ13が放射する拡声音を受音するマイクロホン14と、マイクロホン14の出力信号を入力する測定器15とを備える。マイクロホン14は騒音計であってもよい。
スピーカ13とマイクロホン14とは、拡声空間40内に配置されている。マイクロホン14は、スピーカ13からの直接音に対して、拡声空間40内における反射音を充分大きなレベルで受音できる位置に配置されている。
発信器11は測定用信号として、周波数が時間的に変化するような正弦波信号を発する。つまり発信器11は、正弦波スイープ信号を発信する。この正弦波スイープ信号では、周波数スイープ中の各時点において正弦波のレベルは一定である。
測定器15は、時間的に中心周波数が変化するようなバンドパスフィルタを有している。このバンドパスフィルタは、発信器11が発信する正弦波スイープ信号の周波数の時間的変化に対応して、中心周波数を時間的に変化させる。よって測定器15は、マイクロホン14の出力信号のレベルをこのバンドパスフィルタを介して検出することにより、その時点における周波数の振幅特性を測定することができる。
図3は、拡声空間40において振幅周波数特性を測定するためのシステムSbの概略ブロック図である。このシステムSbは、図2のシステムSaに、ある信号の合成のための経路を付加しただけのものである。つまり図3のシステムSbは、測定用信号を発する音源手段たる発信器11と、ミキシング装置16と、ミキシング装置16の出力信号を入力してこの信号を電力増幅するアンプ12と、このアンプ12の出力信号を入力して拡声するスピーカ13と、スピーカ13が放射する拡声音を受音するマイクロホン14と、マイクロホン14の出力信号を入力する測定器15とを備える。
スピーカ13とマイクロホン14とは、拡声空間40内において、図2のシステムSaにおけると同一の位置に配置されている。図3のシステムSbにおける、発信器11、アンプ12、スピーカ13、マイクロホン14、測定器15は、図2のシステムSaにおけるこれら器機と同一のものである。
図3のシステムSbが図2のシステムSaと相違する点は、図2のシステムSaでは、アンプ12が発信器11からの信号を入力しているのに対し、図3のシステムSbでは、アンプ12がミキシング装置16からの信号を入力している点である。図3のミキシング装置16は、発信器11からの測定用信号(正弦波スイープ信号)と、マイクロホン14の出力信号とを入力し、これら入力した信号を合成(ミキシング)し、この合成信号(ミキシング信号)を出力する。
図4は、図2のシステムSaによって測定された拡声空間40の振幅周波数特性と、図3のシステムSbによって測定された拡声空間40の振幅周波数特性とを模式的に示す特性図である。図4において実線で示す曲線Caが、図2のシステムSaによる振幅周波数特性であり、破線で示す曲線Cbが、図3のシステムSbによる振幅周波数特性である。
図2のシステムSaも図3のシステムSbも、多数の周波数ポイントにおける振幅値を測定する。例えば測定対象となる周波数範囲において、1/192オクターブ間隔で振幅値を測定する。この多点(多数の周波数ポイント)での測定値を周波数軸上で平滑化せずに、拡声空間40の振幅周波数特性として曲線Ca,Cbに表しても良いし、何らかの方法によって周波数軸上で平滑化して、曲線Ca,Cbに表しても良い。このときの平滑化の方法には種々あるが、例えば移動平均によって平滑化してもよい。例えば、多数の周波数ポイントの測定値に対して周波数軸上で9ポイントの移動平均を施してもよい。なお、曲線Caとして平滑化されたものを用いる場合は、曲線Cbについても平滑化されたものを用いるのが好ましい。この場合にはさらに、曲線Caに関する平滑化の方法と同一の平滑化の方法によって曲線Cbを得ることが好ましい。例えば曲線Caを、周波数軸上での9ポイントの移動平均により得るのであれば、曲線Cbも、周波数軸上での9ポイントの移動平均により得るのが好ましい。
図4の実曲線Caの振幅周波数特性は、アンプ12とスピーカ13とマイクロホン14とによる電気音響系の特性のみならず、拡声空間40の共鳴の特性をも包含するものである。図4の破曲線Cbの振幅周波数特性も、アンプ12とスピーカ13とマイクロホン14とによる電気音響系の特性のみならず、拡声空間40の共鳴の特性をも包含するものであるが、マイクロホン14の出力信号がアンプ12に入力されてスピーカ13から出力されるというフィードバックループにより、拡声空間40の共鳴の特性が実曲線Caの振幅周波数特性よりも大きく強調されて表れている。さらに図4の破曲線Cbの振幅周波数特性には、マイクロホン14の出力信号がアンプ12に入力されてスピーカ13から出力されるというフィードバックループによる特性も含まれている。両曲線(実曲線Caと破曲線Cb)の差から、拡声空間40の共鳴の特性とフィードバックの特性とを知ることができる。
図5に示す周波数特性は、図4の破曲線Cbの特性から実曲線Caの特性を差し引いた特性である。図5の特性曲線Dbにおいて正の方向にピークを示す周波数は、周波数f1、周波数f21 および 周波数f3である。これらの正の方向にピークを示す周波数は、共鳴周波数であるか、または、フィードバック周波数である可能性が高い。拡声空間40における共鳴周波数の数は一のみとは限らず、複数である場合も多い。また、フィードバック周波数の数も一のみとは限らず、複数である場合も多い。周波数f1、f21、f3のうち、1以上の周波数が共鳴周波数であり、1以上の周波数がフィードバック周波数である可能性がある。
ここで言うフィードバック周波数は、図3のシステムSbにおけるフィードバック周波数である。フィードバックループは、マイクロホン14からスピーカ13までの電気系の経路と、スピーカ13からマイクロホン14までの音響系の経路とによって構成される。マイクロホン14は、拡声空間40の音響特性を測定するための測定用マイクロホンである。従って、例えば、拡声空間40に常設されるような電気音響システムにおけるディップフィルタに、このフィードバック周波数をディップ周波数として設定する必要はない。よって、図5における周波数f1、周波数f21および周波数f3のうちのどの周波数が共鳴周波数であるかを知ることが望ましい。つまり、共鳴周波数をフィードバック周波数とは区別して検出することができることが望ましい。そのためには、さらに図6に示すシステムScによって測定を行うことが有効である。
図6は、拡声空間40において振幅周波数特性を測定するためのシステムSc1、Sc2の概略ブロック図であり、(a)にシステムSc1が、(b)にシステムSc2が示されている。このシステムSc1、Sc2は、図3のシステムSbに、ディレイ装置17を付加しただけのものである。
つまり図6のシステムSc1、Sc2は、測定用信号を発する音源手段たる発信器11と、ミキシング装置16と、信号を電力増幅するアンプ12と、このアンプ12の出力信号を入力して拡声するスピーカ13と、スピーカ13が放射する拡声音を受音するマイクロホン14と、マイクロホン14の出力信号を入力する測定器15と、ディレイ装置17とを備える。
スピーカ13とマイクロホン14とは、拡声空間40内において、図2のシステムSaにおけると同一の位置に配置されている。図6のシステムSc1、Sc2における、発信器11、アンプ12、スピーカ13、マイクロホン14、測定器15は、図2のシステムSaにおけるこれら器機と同一のものである。これらの点で、図6のシステムSc1、Sc2は、図3のシステムSbと共通する。
図6のシステムSc1、Sc2が図3のシステムSbと相違する点は次の点である。すなわち、図3のシステムSbでは、ミキシング装置16は、発信器11からの測定用信号(正弦波スイープ信号)と、マイクロホン14の出力信号とを入力し、これら入力した信号を合成(ミキシング)し、この合成信号をアンプ12に送出している。
これに対し、図6(a)のシステムSc1では、発信器11からの測定用信号(正弦波スイープ信号)と、マイクロホン14の出力信号との合成信号を、ディレイ装置17で遅延させてから、アンプ12に入力している。
また、図6(b)のシステムSc2では、ミキシング装置16は、発信器11からの測定用信号(正弦波スイープ信号)と、マイクロホン14の出力信号をディレイ装置17で遅延させた遅延信号とを入力し、これら入力した信号を合成(ミキシング)し、この合成信号をアンプ12に送出している。
いずれのシステム(システムSc1、Sc2)においても、スピーカ13からは、測定用信号と、マイクロホン14の出力信号をディレイ装置17で遅延させた遅延信号とが拡声される。
図7は、図2のシステムSaによって測定された拡声空間40の振幅周波数特性と、図6のシステムSc1またはシステムSc2によって測定された拡声空間40の振幅周波数特性とを模式的に示す特性図である。厳密に言うと、図6(a)のシステムSc1で測定される振幅周波数特性と、図6(b)のシステムSc2で測定される振幅周波数特性は同一ではないが、ここではこれらを区別することなく説明する。
図7において実線で示す曲線Caが、図2のシステムSaによる振幅周波数特性であり、破線で示す曲線Ccが、図6のシステムSc1、Sc2による振幅周波数特性である。
図6のシステムSc1、Sc2も、図2のシステムSaや図3のシステムSbと同様に、多数の周波数ポイントにおける振幅値を測定する。例えば測定対象となる周波数範囲において、1/192オクターブ間隔で振幅値を測定する。この多点(多数の周波数ポイント)での測定値を周波数軸上で平滑化せずに、拡声空間40の振幅周波数特性として曲線Ca,Ccに表しても良いし、何らかの方法によって周波数軸上で平滑化して、曲線Ca,Ccに表しても良い。このときの平滑化の方法には種々あるが、例えば移動平均によって平滑化してもよい。例えば、多数の周波数ポイントの測定値に対して周波数軸上で9ポイントの移動平均を施してもよい。なお、曲線Caとして平滑化されたものを用いる場合は、曲線Ccについても平滑化されたものを用いるのが好ましい。この場合にはさらに、曲線Caに関する平滑化の方法と同一の平滑化の方法によって曲線Ccを得ることが好ましい。
前述したように、実曲線Caの振幅周波数特性は、アンプ12とスピーカ13とマイクロホン14とによる電気音響系の特性のみならず、拡声空間40の共鳴の特性をも包含するものである。
図6のシステムSc1、Sc2は、マイクロホン14の出力信号を遅延させた遅延信号がアンプ12に入力されてスピーカ13から出力されるというフィードバックループを含む。図7の破曲線Ccの振幅周波数特性には、アンプ12とスピーカ13とマイクロホン14とによる電気音響系の特性が表れているのみならず、拡声空間40の共鳴の特性が実曲線Caの振幅周波数特性よりも大きく強調されて表れている。さらに図7の破曲線Ccの振幅周波数特性には、マイクロホン14の出力信号を遅延させた遅延信号がアンプ12に入力されてスピーカ13から出力されるというフィードバックループにより、このフィードバックによる特性も含まれている。
このように、拡声空間40の共鳴の特性が大きく強調されて表れており、フィードバックによる特性も表れているという点において、図7の破曲線Ccは図4の破曲線Cbと共通する。しかし、図6のシステムSc1、Sc2はディレイ装置17を有するので、図6のシステムSc1、Sc2のフィードバックループの構成は、図3のシステムSbのフィードバックループの構成と同一ではない。よって、図7の破曲線Ccに表れるフィードバックによる特性は、図4の破曲線Cbに表れるフィードバックによる特性と相違する。
図8に示す周波数特性は、図7の破曲線Ccの特性から実曲線Caの特性を差し引いた特性である。図8において正の方向にピークを示す周波数は、周波数f1、周波数f22 および 周波数f3である。これらの正の方向にピークを示す周波数は、共鳴周波数であるか、フィードバック周波数である可能性が高い。
ここで、図5に示す特性と図8に示す特性とを比較する。図5の周波数特性は、周波数f1、周波数f21 および 周波数f3において正の方向にピークを示し、図8の周波数特性は、周波数f1、周波数f22 および 周波数f3において正の方向にピークを示す。周波数f1 および 周波数f3は、両図の周波数特性において共通に正の方向にピークを示す周波数である。周波数f21は、図5の周波数特性においてのみ、正の方向にピークを示す周波数である。周波数f22は、図8の周波数特性においてのみ、正の方向にピークを示す周波数である。
前述したように、図7の破曲線Ccに表れるフィードバックによる特性は、図4の破曲線Cbに表れるフィードバックによる特性と相違する。よって、図5の周波数特性においてフィードバックに起因して正の方向にピークを示す周波数と、図8の周波数特性においてフィードバックに起因して正の方向にピークを示す周波数とは相違すると考えることができる。
一方、拡声空間40の共鳴に起因して正の方向にピークを示す周波数は、図5の周波数特性においても図8の周波数特性においても共通して表れると考えることができる。
以上のことから、周波数f1および周波数f3が拡声空間40の共鳴周波数であり、周波数f21が図3のシステムSbのフィードバックループに基づくフィードバック周波数であり、周波数f22が図6のシステムSc1、Sc2のフィードバックループに基づくフィードバック周波数であると考えることができる。
よって、例えば図1の音響システムにおいて、ディップフィルタ4に対して、周波数f1および周波数f3をディップの中心周波数として設定すればよい。
上述の例では、図3のシステムSbにはディレイ装置が設けられていない。しかし、マイクロホン14の出力信号に0秒の遅延を施してミキシング装置16に送出したと考えることもできる。そうすると、図3のシステムSbと図6のシステムSc1、Sc2の相違は、マイクロホン14の出力信号に対する遅延時間の相違であると考えることもできる。つまり、図3のシステムSbにおいても、図6のシステムSc1、Sc2においても、マイクロホン14の出力信号に対して遅延を施してからミキシング装置16に送出しているのであるが、その遅延時間が図3のシステムSbと図6のシステムSc1、Sc2とで異なると考えることができる。
さらには、図6のシステムSc1、Sc2におけるディレイ装置17が、所定時間範囲において任意に遅延時間を設定できる装置であれば、図3のシステムSbを用いることなく、図6のシステムSc1、Sc2を用いて、共鳴周波数をフィードバック周波数と区別して検出することができる。すなわち、図6のシステムSc1、Sc2における測定を2回行うのである。但し2回の測定において、ディレイ装置17に設定する遅延時間が同一とならないようにしなければならない。例えば、1回目の測定では遅延時間を1m秒とし、2回目の測定では遅延時間を2m秒としてもよい。また例えば、1回目の測定では遅延時間を0m秒とし、2回目の測定では遅延時間を1m秒としてもよい。
図6のシステムSc1、Sc2において、ディレイ装置17に設定する遅延時間を変えると、フィードバックループの構成も変わる。よって、上述したように、図2のシステムSaにおける測定を1回行い、図6のシステムSc1、Sc2における測定を2回行うことによっても、共鳴周波数をフィードバック周波数と区別して検出することができるのである。
なお、1回目の測定と2回目の測定とで、遅延時間にどれだけの差(時間差)を設けるかに関して、次のような方法をとることもできる。つまり、図5において正の方向にピークを示す周波数(例えば周波数1)の周期に一致しない時間差を設けるようにするのである。
例えば、1回目の測定において200Hzがフィードバック周波数であったとする。このような場合、1回目の測定における遅延時間と2回目の測定における遅延時間との時間差を、200Hzの音波の周期である5m秒にすると、2回目の測定においても200Hzがフィードバック周波数となってしまう。そうすると結局、200Hzが共鳴周波数であるのかフィードバック周波数であるのかを判断できなくなる。
よって、1回目の測定によって、共鳴周波数である可能性のある周波数(図5における周波数f1、周波数f21および周波数f3)を検出した後、2回目の測定によってこれら周波数が共鳴周波数であるかフィードバック周波数であるかを判断するためには、1回目の測定における遅延時間と2回目の測定における遅延時間との間に、これら周波数の周期に少なくとも一致しない時間差を設けるようにするのがよい。例えば、これら周波数の周期の4分の1の時間差を設けるようにするとよい。
図9は、本願発明に係る共鳴周波数検出装置の一実施形態たる検出装置201,202を含むシステムSd1、Sd2の概略ブロック図であり、図9(a)に検出装置201、システムSd1が示されており、図9(b)に検出装置202、システムSd2が示されている。
システムSd1、Sd2は、検出装置201,202と、この検出装置201,202が発する信号を入力して電力増幅するアンプ12と、このアンプ12の出力信号を入力して拡声するスピーカ13と、スピーカ13が放射する拡声音を受音するマイクロホン14とを備える。検出装置201,202は、マイクロホン14の出力信号を入力している。スピーカ13とマイクロホン14とは、拡声空間(例えば、コンサートホールや体育館)40内に配置されている。マイクロホン14は、スピーカ13からの直接音に対して、拡声空間40内における反射音を充分大きなレベルで受音できる位置に配置されている。
検出装置201,202は、発信部21と、測定・制御部25と、ミキシング部26と、開閉部27と、遅延時間可変型のディレイ装置28とを備える。発信部21は測定用信号を発する音源手段として機能する。測定・制御部25は、検出装置201,202内の各部を制御する制御手段として機能し、また、周波数特性の測定を行う測定手段としても機能する。また、ディレイ装置28は遅延手段として機能する。また、ミキシング部26と開閉部27とディレイ装置28とで、信号切換手段が構成されている。
このシステムSd1、Sd2では、検出装置201,202において、測定・制御部25が発信部21を制御して、発信部21から測定用信号を出力させる。この測定用信号は、周波数が時間的に変化するような正弦波信号、つまり正弦波スイープ信号である。この正弦波スイープ信号では、周波数スイープ中の各時点において、正弦波のレベルは一定である。
図6(a)の検出装置201においては、ミキシング部26は、発信部21からの信号と、開閉部27からの信号とを合成(ミキシング)して、その合成信号(ミキシング信号)を出力する。この合成信号はディレイ装置28で遅延させてから、アンプ12に入力され、電力増幅されてスピーカ13に入力され、スピーカ13から拡声音として拡声空間40に放射される。拡声空間40内の音はマイクロホン14で受音され、マイクロホン14の出力信号は、検出装置201に入力される。検出装置201においては、このマイクロホン14の出力信号が測定・制御部25と開閉部27とに分岐されて送出される。
一方、図6(b)の検出装置202においては、ミキシング部26は、発信部21からの信号と、開閉部27からの信号とを合成(ミキシング)して、その合成信号(ミキシング信号)を出力する。ミキシング部26の出力信号はアンプ12で電力増幅されてスピーカ13に入力され、スピーカ13から拡声音として拡声空間40に放射される。拡声空間40内の音はマイクロホン14で受音され、マイクロホン14の出力信号は、検出装置202に入力される。検出装置202においては、このマイクロホン14の出力信号が測定・制御部25とディレイ装置28とに分岐されて送出される。ディレイ装置28の出力信号は開閉部27に送出される。
検出装置201,202においては、測定・制御部25は、時間的に中心周波数が変化するようなバンドパスフィルタを有している。このバンドパスフィルタは、発信部21が発信する正弦波スイープ信号の周波数の時間的変化に対応して、中心周波数を時間的に変化させる。よって測定・制御部25は、マイクロホン14の出力信号のレベルをこのバンドパスフィルタを介して検出することにより、その時点における周波数の振幅特性を測定することができる。
測定・制御部25は、開閉部27の開閉を制御することができる。よって、開閉部27を「開」状態にして、発信部21からの測定用信号のみをスピーカ13から拡声させることもできるし、開閉部27を「閉」状態にして、発信部21からの測定用信号と、マイクロホン14の出力信号の遅延信号とをスピーカ13から拡声させることもできる。
また測定・制御部25は、ディレイ装置28に少なくとも2通りの遅延時間を設定することができる。
例えば、ディレイ装置28の遅延時間を、0m秒と1m秒のいずれか一方に任意に設定することができるようにしてもよいし、1m秒と2m秒のいずれか一方に任意に設定することができるようにしてもよい。また、0m秒、1m秒および2m秒のうちのいずれかに任意に設定することができるようにしてもよい。
図9のシステムSd1、Sd2において、開閉部27を「開」状態にすれば、図2のシステムSaが測定したと同様の振幅周波数特性を測定することができる。
開閉部27を「閉」状態にし、ディレイ装置28の遅延時間を0m秒に設定すれば、図3のシステムSbが測定したと同様の振幅周波数特性を測定することができる。
開閉部27を「閉」状態にし、ディレイ装置28の遅延時間を0以外の所定時間(例えば1m秒)に設定すれば、図6のシステムSc1、Sc2のディレイ装置17に該所定時間(例えば1m秒)を遅延時間として設定して測定したときと同様の振幅周波数特性を測定することができる。
このようにして測定された振幅周波数特性から、フィードバック周波数とは区別して、拡声空間40の共鳴周波数を検出することができることは、前述したとおりである。測定された振幅周波数特性から共鳴周波数を検出するための演算は、すべて測定・制御部25によってなされる。
以上では、システムSd1、Sd2において、ディレイ装置28の遅延時間を0m秒と0以外の所定時間(例えば1m秒)に設定して共鳴周波数と検出する手順を説明した。しかし、システムSd1、Sd2において、ディレイ装置28の遅延時間を0以外の第1の遅延時間(例えば1m秒)と0以外の第2の遅延時間(例えば2m秒)に設定して共鳴周波数を検出することもできる。要は遅延時間を2通りに切り換えることができればよいのである。そして、この2通りの遅延時間のうちの一方が0m秒であってもよいし、両方が0以外の時間であってもよいのである。
図10は、図9の検出装置201,202におけるディレイ装置28として採用することのできる構成の例を示す図である。図9のディレイ装置28(遅延時間可変型のディレイ装置)として、図10(a)のようなディレイ装置28aを採用してもよいし、図10(b)のようなディレイ装置28bを採用してもよい。
図10(a)のディレイ装置28aは、切換スイッチ29と、遅延時間が0以外の所定時間(例えば1m秒)に固定されたディレイ素子50とを備える。切換スイッチ29を切換制御することにより、ディレイ装置28aの遅延時間を0m秒と、該所定時間(例えば1m秒)とに切り換えることができる。
図10(b)のディレイ装置28bは、遅延時間を所定時間範囲で任意に設定できるディレイ素子51を備える。ディレイ素子51の遅延時間を、例えば0m秒と1m秒とに切り換え制御するようにしてもよいし、例えば1m秒と2m秒とに切り換え制御するようにしてもよい。
以上、拡声空間40に配置されたマイクロホン14の出力信号に遅延を施すことによって、共鳴周波数をフィードバック周波数から区別して検出する装置・方法を説明した。
次に、拡声空間40に配置されたマイクロホン14の出力信号の位相を反転させることによって、共鳴周波数をフィードバック周波数から区別して検出する装置・方法を説明する。
図11は、拡声空間40において振幅周波数特性を測定するためのシステムSe1、Se2の概略ブロック図であり、図11(a)にはシステムSe1が示されており、図11(b)にはシステムSe2が示されている。
このシステムSe1、Se2は、図3のシステムSbに、位相反転装置19を付加しただけのものである。つまり図11のシステムSe1、Se2は、測定用信号を発する音源手段たる発信器11と、ミキシング装置16と、信号を電力増幅するアンプ12と、このアンプ12の出力信号を入力して拡声するスピーカ13と、スピーカ13が放射する拡声音を受音するマイクロホン14と、マイクロホン14の出力信号を入力する測定器15と、入力信号の位相を反転させて出力する位相反転装置19とを備える。
スピーカ13とマイクロホン14とは、拡声空間40内において、図2のシステムSaにおけると同一の位置に配置されている。図11のシステムSe1、Se2における、発信器11、アンプ12、スピーカ13、マイクロホン14、測定器15は、図2のシステムSaにおけるこれら器機と同一のものである。これらの点で、図11のシステムSe1、Se2は、図3のシステムSbと共通する。
図11のシステムSe1、Se2が図3のシステムSbと相違する点は次の点である。すなわち、図3のシステムSbでは、ミキシング装置16は、発信器11からの測定用信号(正弦波スイープ信号)と、マイクロホン14の出力信号とを入力し、これら入力した信号を合成(ミキシング)してからアンプ12に送出している。
これに対し、図11(a)のシステムSe1では、ミキシング装置16は、発信器11からの測定用信号(正弦波スイープ信号)と、マイクロホン14の出力信号との合成信号を、位相反転装置19に入力して位相反転させてから、アンプ12に送出している。
また図11(b)のシステムSe2では、ミキシング装置16は、発信器11からの測定用信号(正弦波スイープ信号)と、マイクロホン14の出力信号を入力した位相反転装置19の出力信号とを入力し、これら入力した信号を合成(ミキシング)し、この合成信号をアンプ12に送出している。
いずれのシステム(システムSe1、Se2)においても、スピーカ13からは、測定用信号と、マイクロホン14の出力信号の位相を反転させた位相反転信号とが拡声される。
図12は、図2のシステムSaによって測定された拡声空間40の振幅周波数特性と、図11のシステムSe1、Se2によって測定された拡声空間40の振幅周波数特性とを模式的に示す特性図である。厳密に言うと、図11(a)のシステムSe1で測定される振幅周波数特性と、図11(b)のシステムSe2で測定される振幅周波数特性は同一ではないが、ここではこれらを区別することなく説明する。図12において実線で示す曲線Caが、図2のシステムSaによる振幅周波数特性であり、破線で示す曲線Ceが、図11のシステムSe1、Se2による振幅周波数特性である。
図11のシステムSe1、Se2も、図2のシステムSaや図3のシステムSbと同様に、多数の周波数ポイントにおける振幅値を測定する。例えば測定対象となる周波数範囲において、1/192オクターブ間隔で振幅値を測定する。この多点(多数の周波数ポイント)での測定値を周波数軸上で平滑化せずに、拡声空間40の振幅周波数特性として曲線Ca,Ceに表しても良いし、何らかの方法によって周波数軸上で平滑化して、曲線Ca,Ceに表しても良い。このときの平滑化の方法には種々あるが、例えば移動平均によって平滑化してもよい。例えば、多数の周波数ポイントの測定値に対して周波数軸上で9ポイントの移動平均を施してもよい。なお、曲線Caとして平滑化されたものを用いる場合は、曲線Ceについても平滑化されたものを用いるのが好ましい。この場合にはさらに、曲線Caに関する平滑化の方法と同一の平滑化の方法によって曲線Ceを得ることが好ましい。
前述したように、実曲線Caの振幅周波数特性は、アンプ12とスピーカ13とマイクロホン14とによる電気音響系の特性のみならず、拡声空間40の共鳴の特性をも包含するものである。
図11のシステムSe1、Se2は、マイクロホン14の出力信号の位相反転信号がアンプ12に入力されてスピーカ13から出力されるというフィードバックループを含む。よって、図12の破曲線Ceの振幅周波数特性には、アンプ12とスピーカ13とマイクロホン14とによる電気音響系の特性が表れているのみならず、拡声空間40の共鳴の特性が実曲線Caの振幅周波数特性よりも大きく強調されて表れている。さらに図12の破曲線Ceの振幅周波数特性には、マイクロホン14の出力信号の位相反転信号がアンプ12に入力されてスピーカ13から出力されるというフィードバックループにより、このフィードバックによる特性も含まれている。
このように、拡声空間40の共鳴の特性が大きく強調されて表れており、フィードバックによる特性も表れているという点において、図12の破曲線Ceは図4の破曲線Cbと共通する。しかし、図11のシステムSe1,Se2は位相反転装置19を有するため、図11のシステムSe1、Se2のフィードバックループの構成は、図3のシステムSbのフィードバックループの構成と同一ではない。よって、図12の破曲線Ceに表れるフィードバックによる特性は、図4の破曲線Cbに表れるフィードバックによる特性と相違する。
図13に示す周波数特性は、図12の破曲線Ceの特性から実曲線Caの特性を差し引いた特性である。図13において正の方向にピークを示す周波数は、周波数f1、周波数f23 および 周波数f3である。これらの正の方向にピークを示す周波数は、共鳴周波数であるか、フィードバック周波数である可能性が高い。
ここで、図5に示す特性と図13に示す特性とを比較する。図5の周波数特性は、周波数f1、周波数f21 および 周波数f3において正の方向にピークを示し、図13の周波数特性は、周波数f1、周波数f23 および 周波数f3において正の方向にピークを示す。周波数f1 および 周波数f3は、両図の周波数特性において共通に正の方向にピークを示す周波数である。周波数f21は、図5の周波数特性においてのみ、正の方向にピークを示す周波数である。周波数f23は、図13の周波数特性においてのみ、正の方向にピークを示す周波数である。
図11のシステムSe1、Se2のフィードバックループの構成は、図3のシステムSbのフィードバックループの構成と異なる。よって、図12の破曲線Ceに表れるフィードバックによる特性は、図4の破曲線Cbに表れるフィードバックによる特性と相違する。よって、図5の周波数特性においてフィードバックに起因して正の方向にピークを示す周波数と、図13の周波数特性においてフィードバックに起因して正の方向にピークを示す周波数とは相違すると考えることができる。
一方、拡声空間40の共鳴に起因して正の方向にピークを示す周波数は、図5の周波数特性においても図13の周波数特性においても共通して表れると考えることができる。
以上のことから、周波数f1および周波数f3が拡声空間40の共鳴周波数であり、周波数f21が図3のシステムSbのフィードバックループに基づくフィードバック周波数であり、周波数f23が図11のシステムSe1、Se2のフィードバックループに基づくフィードバック周波数であると考えることができる。
よって、例えば図1の音響システムにおいて、ディップフィルタ4に対して、周波数f1および周波数f3をディップの中心周波数として設定すればよい。
図14は、本願発明に係る共鳴周波数検出装置の一実施形態たる検出装置301,302を含むシステムSf1、Sf2の概略ブロック図であり、図14(a)には検出装置301、システムSf1が示されており、図14(b)には検出装置302、システムSf2が示されている。
このシステムSf1、Sf2は、検出装置301,302と、この検出装置301,302が発する信号を入力して電力増幅するアンプ12と、このアンプ12の出力信号を入力して拡声するスピーカ13と、スピーカ13が放射する拡声音を受音するマイクロホン14とを備える。検出装置301,302は、マイクロホン14の出力信号を入力している。スピーカ13とマイクロホン14とは、拡声空間(例えば、コンサートホールや体育館)40内に配置されている。マイクロホン14は、スピーカ13からの直接音に対して、拡声空間40内における反射音を充分大きなレベルで受音できる位置に配置されている。
検出装置301,302は、発信部21と、測定・制御部25と、ミキシング部26と、開閉部27と、切換スイッチ31と位相反転装置32とを備える。発信部21は測定用信号を発する音源手段として機能する。測定・制御部25は、検出装置301,302内の各部を制御する制御手段として機能し、また、周波数特性の測定を行う測定手段としても機能する。また、位相反転装置32が位相反転手段として機能する。また、ミキシング部26と開閉部27と切換スイッチ31と位相反転装置32とで、信号切換手段が構成されている。
このシステムSf1、Sf2では、検出装置301,302において、測定・制御部25が発信部21を制御して、発信部21から測定用信号を出力させる。この測定用信号は、周波数が時間的に変化するような正弦波信号、つまり正弦波スイープ信号である。この正弦波スイープ信号では、周波数スイープ中の各時点において、正弦波のレベルは一定である。
ミキシング部26は、発信部21からの信号と、開閉部27からの信号とを合成(ミキシング)して、その合成信号(ミキシング信号)を出力する。アンプ12に入力された信号は電力増幅されてスピーカ13に入力され、スピーカ13から拡声音として拡声空間40に放射される。拡声空間40内の音はマイクロホン14で受音され、マイクロホン14の出力信号は、検出装置301,302に入力される。
図14(a)の検出装置301においては、このマイクロホン14の出力信号が測定・制御部25と、開閉器27に分岐されて送出される。また、ミキシング部26の出力信号が、位相反転装置32と、切換スイッチ31とに分岐されて送出される。位相反転装置32の出力信号も切換スイッチ31に送出される。そして、切換スイッチ31からの信号がアンプ12に入力される。
図14(b)の検出装置302においては、マイクロホン14の出力信号が測定・制御部25と、位相反転装置32と、切換スイッチ31とに分岐されて送出される。位相反転装置32の出力信号は切換スイッチ31に送出される。切換スイッチ31は開閉部27に接続されている。そして、ミキシング部26の出力信号がアンプ12に入力される。
検出装置301,302の測定・制御部25は、時間的に中心周波数が変化するようなバンドパスフィルタを有している。このバンドパスフィルタは、発信部21が発信する正弦波スイープ信号の周波数の時間的変化に対応して、中心周波数を時間的に変化させる。よって測定・制御部25は、マイクロホン14の出力信号のレベルをこのバンドパスフィルタを介して検出することにより、その時点における周波数の振幅特性を測定することができる。
測定・制御部25は、開閉部27の開閉を制御することができる。よって、開閉部27を「開」状態にして、発信部21からの測定用信号のみをスピーカ13から拡声させることもできるし、開閉部27を「閉」状態にして、発信部21からの測定用信号とマイクロホンの出力信号とをスピーカ13から拡声させることもできる。
また測定・制御部25は、切換スイッチ31の状態を制御することができる。よって、マイクロホン14の出力信号を位相を反転させずにスピーカ13から拡声させるか、マイクロホン14の出力信号を位相反転装置32を通過させることによってその位相を反転させてからスピーカ13から拡声させるかを選択できる。
開閉部27を「開」状態にすれば、図2のシステムSaが測定したと同様の振幅周波数特性を測定することができる。
開閉部27を「閉」状態にし、かつ、マイクロホン14の出力信号を位相反転させることなくスピーカ13から拡声させるように切換スイッチ31の状態を設定すると、図3のシステムSbが測定したと同様の振幅周波数特性を測定することができる。
開閉部27を「閉」状態にし、かつ、マイクロホン14の出力信号を位相反転させてからスピーカ13から拡声させるように切換スイッチ31の状態を設定すると、図11のシステムSe1、Se2が測定したと同様の振幅周波数特性を測定することができる。
このようにして測定された振幅周波数特性から、フィードバック周波数とは区別して、拡声空間40の共鳴周波数を検出することができることは、前述したとおりである。測定された振幅周波数特性から共鳴周波数を検出するための演算は、すべて測定・制御部25によってなされる。
以上、拡声空間40に配置されたマイクロホン14からの出力信号の位相を反転させることによって、共鳴周波数をフィードバック周波数から区別して検出する装置・方法を説明した。
上記した装置・方法(図1〜図14を参照しつつ説明した装置・方法)では、発信器又は発信部が測定用信号としての正弦波スイープ信号を発信するようにした。しかし、測定用信号としては、正弦波スイープ信号に限らず種々の信号を用いることができる。例えば、所定周波数幅内に成分を有するノイズ信号であって、その中心周波数がスイープするような信号を用いることもできる。この場合、該周波数幅は1/3オクターブ以下とするのが好ましい。また1/6オクターブ以下とするのがより好ましい。また、測定用信号として例えばピンクノイズを用いることもできる。この場合はもちろん、測定器(測定手段)は、時間的に中心周波数が変化するようなバンドパスフィルタを有する必要はない。
次に、拡声空間に配置されたスピーカから、基準周波数信号を出力することにより、共鳴周波数を検出する装置・方法を説明する。
図15は、拡声空間(例えば、コンサートホールや体育館)40において共鳴周波数を検出するためのシステムおよび検出装置(共鳴周波数検出装置)の概略ブロック図である。
図15のシステムSgは、測定用信号を発する音源手段たる発信器111と、この発信器111が発する信号を入力して電力増幅するアンプ12と、このアンプ12の出力信号を入力して拡声するスピーカ13と、スピーカ13が放射する拡声音を受音するマイクロホン14と、マイクロホン14の出力信号を入力する測定・制御部115とを備える。マイクロホン14は騒音計であってもよい。測定・制御部115は、発信器111を制御する。つまり、発信器111が出力する測定用信号の周波数や、測定用信号の時間間隔を制御することができる。測定・制御部115は、マイクロホン14の出力信号の減衰特性を測定する測定手段としても機能する。発信器111と測定・制御部115とによって、検出装置400が構成されている。
スピーカ13とマイクロホン14とは、拡声空間40内に配置されている。マイクロホン14は、スピーカ13からの直接音に対して、拡声空間40内における反射音を充分大きなレベルで受音できる位置に配置されている。
システムSgの発信器111が出力する測定用信号は、基準周波数信号が断続的に複数回繰り返される信号である。ここでの基準周波数信号とは、特定周波数の正弦波信号又は特定周波数を中心とした所定周波数幅内に成分を有する信号である。特定周波数を中心とした所定周波数幅内に成分を有する信号とは、例えば、200Hzを中心に1/3オクターブ幅の周波数成分を有するノイズ信号などである。このような基準周波数信号を用いると、暗騒音等のノイズの影響を受けにくくなり、信頼性の高い測定が可能となる。
図16は、上述した測定用信号の信号レベルを時間軸上に表した図である。例えば特定周波数である200Hzの正弦波が、0.1秒間持続して出力され、その後0.9秒の時間間隔を置いて再度0.1秒間持続して出力され、さらに0.9秒の時間間隔を置いて再度0.1秒間持続して出力される。つまり、1秒間隔で断続的に3回、0.1秒間持続する200Hzの正弦波が出力されるのである。
なお、図16に示すように、この実施例では、0.1秒間持続する200Hzの正弦波が、等時間間隔で複数回出力されるようにしているが、必ずしも等時間間隔で出力する必要はない。例えば、所定時間持続する特定周波数の正弦波が、ランダムな時間間隔で複数回出力されるようにしてもよい。
図17は、マイクロホン14で測定された音圧レベルを時間軸上に表した図である。図16に示す測定用信号に同期するように、1秒間隔で3つのピーク点が生じている。しかし、音圧レベルの減衰は早い。このように拡声空間において音圧レベルの減衰が早い場合は、測定用信号の特定周波数(200Hz)は共鳴周波数ではないと考えられる。
図18は、250Hzの特定周波数を有する測定用信号を図15のシステムSgのスピーカ13から出力させたときに、マイクロホン14で測定される音圧レベルを時間軸上に表した図である。発信器111から、250Hzを特定周波数とする基準周波数信号が、0.1秒間持続して出力され、その後0.9秒の時間間隔を置いて再度0.1秒間持続して出力され、さらに0.9秒の時間間隔を置いて再度0.1秒間持続して出力される。つまり、1秒間隔で断続的に3回、0.1秒間持続する250Hzの正弦波が出力される。
図18から理解されるように、拡声空間40内で測定された音圧レベルにおいて、測定用信号に同期するように、1秒間隔で3つのピーク点が生じている。音圧レベルの減衰は緩やかである。このように拡声空間40において音圧レベルの減衰が緩やかである場合は、測定用信号の特定周波数(250Hz)が拡声空間40の共鳴周波数である可能性があると考えられる。
このように、拡声空間40における音圧レベルの減衰特性から共鳴周波数を判断するのであれば、基準周波数信号を必ずしも複数回スピーカ13から放射する必要はない。例えば数秒間持続する基準周波数信号を1回だけスピーカ13から放射し、拡声空間40内における音圧レベルの減衰特性から共鳴周波数を判断することもできる。例えば、所定速度よりもゆっくりと減衰するか否かによって判断することもできる。
また、拡声空間40における音圧レベルの減衰が緩やかであるか急速であるかを判断するには、例えば、図18のように音圧レベルを時間軸上に表した図上において、その音圧レベル曲線で囲まれたエリアの面積を算出することにより判断してもよい。つまり、その面積が小さければ音圧レベルの減衰が急速であり、その面積が大きければ音圧レベルの減衰が緩やかであると判断するのである。
図19は、300Hzの特定周波数を有する測定用信号を図15のシステムSgのスピーカ13から出力させたときに、マイクロホン14で測定される音圧レベルを時間軸上に表した図である。発信器111から、300Hzを特定周波数とする基準周波数信号が、0.1秒間持続して出力され、その後0.9秒の時間間隔を置いて再度0.1秒間持続して出力され、さらに0.9秒の時間間隔を置いて再度0.1秒間持続して出力される。つまり、1秒間隔で断続的に3回、0.1秒間持続する300Hzの正弦波が出力される。
図19から理解されるように、拡声空間40内で測定された音圧レベルにおいて、測定用信号に同期するように、1秒間隔で3つのピーク点が生じている。音圧レベルの減衰は緩やかである。しかも、1回目のピークからの減衰よりも2回目のピークからの減衰の方が緩やかであり、2回目のピークからの減衰よりも3回目のピークからの減衰の方が緩やかである。このように、減衰が段々と緩やかになるのは、前回に出力された拡声音のエネルギーが次の拡声音が出力されるまで拡声空間40内に十分に残っているためであると考えられる。このような場合は、測定用信号の特定周波数(300Hz)が拡声空間40の共鳴周波数である可能性が高いと考えられる。
測定・制御部115によって、測定用信号の特定周波数を徐々に変化させながら、拡声空間40の音圧レベルの減衰過程の状態を判断することにより、拡声空間40の共鳴周波数を検出することができる。測定用信号の特定周波数を徐々に変化させる形態の一つとして、例えば、特定周波数を48分の1オクターブづつ段階的に上昇させるような形態を採用することができる。
図20は、拡声空間(例えば、コンサートホールや体育館)40において共鳴周波数を検出するためのシステムおよび検出装置(共鳴周波数検出装置)の概略ブロック図である。
図20のシステムShも、図15のシステムSgと同様に、測定用信号を発する音源手段たる発信器111と、アンプ12と、このアンプ12の出力信号を入力して拡声するスピーカ13と、スピーカ13が放射する拡声音を受音するマイクロホン14と、マイクロホン14の出力信号を入力する測定・制御部115とを備える。測定・制御部115は、発信器111が出力する測定用信号の周波数や、測定用信号の時間間隔を制御することができる。測定・制御部115は、マイクロホン14の出力信号の減衰特性を測定する測定手段としても機能する。
検出装置500は、発信器111と、測定・制御部115と、ミキシング装置116とで構成されている。
図20のシステムShが図15のシステムSgと相違する点は、図20のシステムShでは、発信器111からの測定用信号とマイクロホン14の出力信号とがミキシング装置116でミキシング(合成)され、この合成信号がアンプ12に送出される点である。ミキシング装置116は、信号出力手段として機能する。このようなフィードバックループを設けると、拡声空間40の共鳴がより強調されて測定されることは、前述したとおりである。
図20のシステムShによっても、図15のシステムSgと同様に、拡声空間40の共鳴周波数を検出することができる。しかも、図15のシステムSgを使用したときよりも、より明確に共鳴周波数を検出できる。
図21は、拡声空間(例えば、コンサートホールや体育館)40において共鳴周波数を検出するためのシステムおよび検出装置(共鳴周波数検出装置)の概略ブロック図であり、図21(a)はシステムSi1、検出装置601を示し、図21(b)はシステムSi2、検出装置602を示す。
図21のシステムSi1、Si2も、図15のシステムSgと同様に、測定用信号を発する音源手段たる発信器111と、アンプ12と、このアンプ12の出力信号を入力して拡声するスピーカ13と、スピーカ13が放射する拡声音を受音するマイクロホン14と、マイクロホン14の出力信号を入力する測定・制御部115とを備える。測定・制御部115は、発信器111が出力する測定用信号の周波数や、測定用信号の時間間隔を制御することができる。測定・制御部115は、マイクロホン14の出力信号の減衰特性を測定する測定手段としても機能する。
図21(a)のシステムSi1においては、検出装置601は、発信器111と、測定・制御部115と、ミキシング部116と、ディレイ装置128とで構成される。発信器111からの測定用信号と、検出装置601が入力したマイクロホン14の出力信号とが、ミキシング部116で合成され、その合成信号がディレイ装置128を介して、検出装置601から出力される。検出装置601の出力信号はアンプ12に送出される。また、検出装置601が入力したマイクロホン14の出力信号は、測定・制御部115とミキシング部116とに分岐して送出される。
図21(b)のシステムSi2においては、検出装置602は、発信器111と、測定・制御部115と、ミキシング部116と、ディレイ装置128とで構成される。発信器111からの測定用信号と、ディレイ装置128の出力信号がミキシング部116で合成され、その合成信号が検出装置601から出力される。検出装置601が入力したマイクロホン14の出力信号は、ディレイ装置128と測定・制御部115とに分岐して送出される。
図21のシステムSi1、Si2が図15のシステムSgと相違する点は、図21のシステムSi1、Si2では、スピーカ13から、発信器111からの測定用信号が拡声されるとともに、ディレイ装置128を通過したマイクロホン14の出力信号が拡声される点である。このようなフィードバックループを設けると、拡声空間40の共鳴がより強調されて測定されることは、前述したとおりである。なお、システムSi1、Si2の検出装置601,602においては、ミキシング部116とディレイ装置128とで、信号出力手段が構成されている。
ディレイ装置128は、測定・制御部115によって制御される。すなわち、測定・制御部115は、ディレイ装置128の遅延時間を所定時間範囲内において任意に設定できる。例えば、ディレイ装置128は、ディレイ装置128の遅延時間を0m秒に設定することもできるし、1m秒に設定することもできるし、2m秒に設定することもできる。
このシステムSi1、Si2による測定においても、発振器111から、例えば特定周波数である250Hzの正弦波を、0.1秒間持続して出力させ、その後0.9秒の時間間隔を置いて再度0.1秒間持続して出力させ、さらに0.9秒の時間間隔を置いて再度0.1秒間持続して出力させるようにしてもよい。つまり、1秒間隔で断続的に3回、0.1秒間持続する250Hzの正弦波を出力させるのである。
図22は、上記のような測定用信号を検出装置601,602の発振器111から出力させたときに、マイクロホン14で測定される音圧レベルを時間軸上に表した図である。ただし、このときにはディレイ装置128の遅延時間を0m秒に設定している。
図22から理解されるように、音圧レベル曲線には、測定用信号に同期するように、1秒間隔で3つのピーク点が生じている。音圧レベルの減衰は緩やかである。このように拡声空間において音圧レベルの減衰が緩やかである場合は、測定用信号の特定周波数(250Hz)が拡声空間40の共鳴周波数である可能性があると考えられる。しかし、この特定周波数(250Hz)が、共鳴周波数ではなく、フィードバック周波数である可能性もある。特定周波数(250Hz)が、フィードバック周波数であったとしても、音圧レベルの減衰は緩やかになる。
そこで、この特定周波数(250Hz)が共鳴周波数であるのかフィードバック周波数であるのかを判断するために、ディレイ装置128の遅延時間を変化させながら、同様の測定を行う。発振器111は、0.1秒間持続する250Hzの正弦波を断続的に3回出力するのであるが、1回目の出力に同期させて拡声空間40の音圧レベルを測定するときにはディレイ装置128の遅延時間を例えば0m秒に設定し、2回目の出力に同期させて拡声空間40の音圧レベルを測定するときにはディレイ装置128の遅延時間を例えば1m秒に設定し、3回目の出力に同期させて拡声空間40の音圧レベルを測定するときにはディレイ装置128の遅延時間を例えば2m秒に設定するのである。
共鳴周波数は拡声空間40の特徴のみによって定まるのであるから、フィードバックループの構成が変化しても変化しない。特定周波数(250Hz)が共鳴周波数であれば、ディレイ装置128の遅延時間を変化させても、拡声空間40内で測定される音圧レベルの減衰の速度は変化しない。
しかしフィードバック周波数は、フィードバックループの構成が変化すると変化する。ディレイ装置128の遅延時間を変化させると、フィードバックループの構成が変化する。よって、特定周波数(250Hz)が、ディレイ装置128の遅延時間を0m秒に設定したときのフィードバック周波数であれば、ディレイ装置128の遅延時間を変化させると、拡声空間40内で測定される音圧レベルの減衰の速度も変化する。
図23は、上記のようにディレイ装置128の遅延時間を変化させながら、上記のような測定用信号を発振器111から出力させたときに、マイクロホン14で測定される音圧レベルを時間軸上に表した図である。厳密に言うと、図21(a)のシステムSi1で測定される音圧レベル曲線と、図21(b)のシステムSi2で測定される音圧レベル曲線は同一ではないが、ここではこれらを区別することなく説明する。
図23から理解されるように、音圧レベル曲線には、測定用信号に同期するように、1秒間隔で3つのピーク点が生じている。発振器111からの1回目の出力に対応する拡声空間40の音圧レベルは緩やかに減衰している。2回目の出力に対応する拡声空間40の音圧レベルは比較的速く減衰している。3回目の出力に対応する拡声空間40の音圧レベルはやや緩やかに減衰している。
このように、ディレイ装置128の遅延時間を変化させることによって、拡声空間40の音圧レベルの減衰の速度が変化しているので、測定用信号の特定周波数(250Hz)は、共鳴周波数ではないと判断することができる。
測定・制御部115によって、測定用信号の特定周波数を徐々に変化させながら、拡声空間40の音圧レベルの減衰過程の状態を上記のように判断することにより、拡声空間40の共鳴周波数をフィードバック周波数と区別して検出することができる。
図24は、拡声空間(例えば、コンサートホールや体育館)40において共鳴周波数を検出するためのシステムおよび検出装置(共鳴周波数検出装置)の概略ブロック図であり、図24(a)にはシステムSj1、検出装置701が示されており、図24(b)にはシステムSj2、検出装置702が示されている。
図24のシステムSj1、Sj2も、図15のシステムSgと同様に、測定用信号を発する音源手段たる発信器111と、アンプ12と、このアンプ12の出力信号を入力して拡声するスピーカ13と、スピーカ13が放射する拡声音を受音するマイクロホン14と、マイクロホン14の出力信号を入力する測定・制御部115とを備える。測定・制御部115は、発信器111が出力する測定用信号の周波数や、測定用信号の時間間隔を制御することができる。測定・制御部115は、マイクロホン14の出力信号の減衰特性を測定する測定手段としても機能する。
図24(a)の検出装置701は、音源手段としての発信器111と、測定・制御部115と、ミキシング部116と、切換スイッチ131と位相反転装置132とを備える。この検出装置701においては、マイクロホン14の出力信号が、測定・制御部115と、ミキシング部116とに分岐されて送出される。ミキシング部116には発信器111からの測定用信号も入力される。ミキシング部116でマイクロホン14の出力信号と発信器111からの測定用信号とが合成され、この合成信号が、位相反転装置132と、切換スイッチ131とに分岐されて送出される。位相反転装置132の出力信号も切換スイッチ131に送出される。そして、切換スイッチ131からの信号がアンプ12に送出される。
図24(b)の検出装置702は、音源手段としての発信器111と、測定・制御部115と、ミキシング部116と、切換スイッチ131と位相反転装置132とを備える。この検出装置702においては、マイクロホン14の出力信号が、測定・制御部115と、位相反転装置132と、切換スイッチ131とに分岐されて送出される。位相反転装置132の出力信号は切換スイッチ131に送出される。切換スイッチ31の出力信号は、ミキシング部116に送出される。ミキシング部116には発信器111からの測定用信号も入力される。ミキシング部116で発信器111からの測定用信号と切換スイッチ131からの信号とが合成され、この合成信号がアンプ12に送出される。
システムSj1、Sj2においては、スピーカ13から、測定用信号が拡声される。また、スピーカ13からは、マイクロホン14の出力信号が、または、このマイクロホン14の出力信号を位相反転させた位相反転信号が拡声される。なお、システムSj1、Sj2の検出装置701,702においては、ミキシング部116と切換スイッチ131と位相反転装置132とで、信号出力手段が構成されている。
スピーカ13から、マイクロホン14の出力信号を位相反転させずに拡声させるか、位相反転させてから拡声させるかは、切換スイッチ131を切り換えることにより選択できる。切換スイッチ131は、測定・制御部115によって制御される。よって測定・制御部115は、スピーカ13から、マイクロホン14の出力信号を位相反転させずに拡声させるか、位相反転させてから拡声させるかを選択できる。
システムSj1、Sj2もフィードバックループを含むのであるが、このようなフィードバックループを設けると拡声空間40の共鳴がより強調されて測定されることは、前述したとおりである。
マイクロホン14の出力信号を位相反転させずにスピーカ13から拡声させるように切換スイッチ131を設定したときと、マイクロホン14の出力信号を位相反転させてからスピーカ13から拡声させるように切換スイッチ131を設定したときとでは、フィードバックループの構成が異なる。
このシステムSj1、Sj2による測定においても、発振器111から、例えば特定周波数である250Hzの正弦波を、0.1秒間持続して出力させ、その後0.9秒の時間間隔を置いて再度0.1秒間持続して出力させ、さらに0.9秒の時間間隔を置いて再度0.1秒間持続して出力させるようにしてもよい。つまり、1秒間隔で断続的に3回、0.1秒間持続する250Hzの正弦波を出力させるのである。
図25は、システムSj1、Sj2において、上記のような測定用信号を発振器111から出力させたときに、マイクロホン14で測定される音圧レベルを時間軸上に表した図である。ただしこのときには、マイクロホン14の出力信号を位相を反転させずにスピーカ13から拡声させることができるように、切換スイッチ131の状態が設定されている。
図25から理解されるように、音圧レベル曲線には、測定用信号に同期するように、1秒間隔で3つのピーク点が生じている。音圧レベルの減衰は緩やかである。
前述したように、拡声空間において音圧レベルの減衰が緩やかである場合は、測定用信号の特定周波数(250Hz)が拡声空間40の共鳴周波数である可能性があると考えられるが、この特定周波数(250Hz)が、共鳴周波数ではなく、フィードバック周波数である可能性もある。特定周波数(250Hz)が、フィードバック周波数であったとしても、音圧レベルの減衰は緩やかになる。
そこで、この特定周波数(250Hz)が共鳴周波数であるのかフィードバック周波数であるのかを判断するために、切換スイッチ131を切り換えながら、同様の測定を行う。発振器111は、0.1秒間持続する250Hzの正弦波を断続的に3回出力するのであるが、例えば、1回目の出力に同期して拡声空間40の音圧レベルを測定するときには、マイクロホン14の出力信号を位相を反転させずにスピーカ13で拡声することができる状態に切換スイッチ131を設定し、2回目の出力に同期して拡声空間40の音圧レベルを測定するときには、マイクロホン14の出力信号を位相反転装置132で位相反転させてからスピーカ13で拡声することができる状態に切換スイッチ131を設定し、3回目の出力に同期して拡声空間40の音圧レベルを測定するときには、マイクロホン14の出力信号を位相を反転させずにスピーカ13で拡声することができる状態に切換スイッチ131を設定する。
前述したように、共鳴周波数は拡声空間40の特徴のみによって定まるのであり、フィードバックループの構成が変化しても変化しない。特定周波数(250Hz)が共鳴周波数であれば、フィードバックループの構成が変化しても拡声空間40の音圧レベルの減衰の速度は変化しない。
しかし、前述したとおり、フィードバック周波数は、フィードバックループの構成の変化によって変化する。マイクロホン14の出力信号を位相反転させないようなフィードバックループと、マイクロホン14の出力信号を位相反転させるようなフィードバックループとは、その構成が異なる。よって、特定周波数(250Hz)が、マイクロホン14の出力信号を位相反転させないようなフィードバックループに起因するフィードバック周波数であれば、フィードバックループの構成を、マイクロホン14の出力信号を位相反転させるようなものに変化させると、拡声空間40の音圧レベルの減衰の速度も変化する。
図26は、システムSj1、Sj2において、切換スイッチ131を切り換えながら、上記のような測定用信号を発振器111から出力させたときに、マイクロホン14で測定された音圧レベルを時間軸上に表した図である。厳密に言うと、図24(a)のシステムSj1で測定される音圧レベル曲線と、図24(b)のシステムSj2で測定される音圧レベル曲線は同一ではないが、ここではこれらを区別することなく説明する。
図26から理解されるように、音圧レベル曲線には、測定用信号に同期するように、1秒間隔で3つのピーク点が生じている。発振器111からの1回目の出力に同期して拡声空間40の音圧レベルを測定したとき、音圧レベルは緩やかに減衰している。2回目の出力に同期して拡声空間40の音圧レベルを測定したとき、音圧レベルは急速に減衰している。3回目の出力に同期して拡声空間40の音圧レベルを測定したとき、音圧レベルは緩やかに減衰している。
このように、マイクロホン14の出力信号を位相反転させてスピーカ13で拡声させるか、位相反転させずにスピーカ13で拡声させるかによって、拡声空間40の音圧レベルの減衰の速度が変化しているので、測定用信号の特定周波数(250Hz)は、共鳴周波数ではないと判断することができる。
測定・制御部115によって、測定用信号の特定周波数を徐々に変化させながら、拡声空間40の音圧レベルの減衰過程の状態を上記のように判断することにより、拡声空間40の共鳴周波数をフィードバック周波数と区別して検出することができる。
以上、図1〜26を参照しつつ、拡声空間40における共鳴周波数を検出するための種々の装置・方法を説明した。
次に、このようにして検出された共鳴周波数のうちから、ディップフィルタ4(図1参照)にディップの中心周波数として設定すべき周波数を選択する方法を説明する。
先に、図2のシステムSaと図3のシステムSbとを用いた測定により、図4に示すような周波数特性と図5に示すような周波数特性とが得られることを説明した。さらに、図5の特性曲線Dbにおいて正の方向にピークを示す周波数である、周波数f1、周波数f21 および 周波数f3が、共鳴周波数であるか、フィードバック周波数である可能性が高いということを説明した。
以下、説明を簡明にするために、これらの周波数(周波数f1、周波数f21 および 周波数f3)の全てが共鳴周波数であることを前提として、ディップフィルタ4(図1参照)にディップの中心周波数として設定すべき周波数をどのようにして選択するかを説明する。
まず、周波数f1、周波数f21 および 周波数f3の内から所定数の周波数を、ディップフィルタ4に除去周波数として設定すべきディップの中心周波数の候補として選ぶ。
具体的には、これら周波数の内から、図4における曲線Cbの振幅レベルが大きなものから順番に、候補の周波数を選ぶ。
図27は、図4から曲線Cbのみを取り出した特性図である。図27においては縦軸、横軸とも対数軸であり、縦軸は振幅レベルを横軸は周波数を示す。図27の曲線Cbでは、周波数f21における振幅レベルが最も大きく、f3における振幅レベルがその次に大きく、f1における振幅レベルがその次に大きい。ここで、候補として選ぶ周波数の数を「3」とするのであれば、周波数f1、周波数f21、周波数f3のすべてが、候補の周波数となる。また、候補として選ぶ周波数の数を「2」とするのであれば、周波数f21、周波数f3が候補の周波数となる。
そして、図27の曲線Cbの振幅レベルの大きさに基づく優先順位によって、ディップフィルタ4に設定すべきディップの中心周波数を決定してもよい。よって、図1のディップフィルタ4に設定すべきディップの数が、例えば「2」であれば、周波数f21と周波数f3とを、ディップフィルタ4のディップの中心周波数として設定する。また例えば、図1のディップフィルタ4に設定すべきディップの数が「1」であれば、周波数f21のみをディップフィルタ4のディップの中心周波数として設定する。
このように、図27の曲線Cbの振幅レベルの大きさに基づく優先順位によって、ディップフィルタ4に設定すべきディップの中心周波数を最終的に決定してもよいが、図27の曲線Cbの振幅レベルの大きさに基づく優先順位によってディップフィルタ4に設定すべき複数のディップの中心周波数の候補を選んだ上で、さらに図5の曲線Dbにおける振幅レベルの大きさに基づいて、候補(ディップフィルタに設定すべきディップの中心周波数の候補)の順位を付け替えても良い。
今、図27の曲線Cbの振幅レベルの大きさに基づく選択によって、周波数f1、周波数f21、周波数f3のすべてが候補の周波数となっているとする。次に、これら候補の周波数(周波数f1,f21,f3)に候補の順位を付け替える。順位は、図5の振幅周波数特性曲線Dbにおける振幅レベルが大きいものから高く付けるようにする。周波数f1,f21,f3のうち、図5の曲線Dbにおける振幅レベルが最も大きいのは周波数f3であり、その次に振幅レベルが大きいのは周波数f21であり、その次に振幅レベルが大きいのは周波数f1である。よって、周波数f3が第1候補の周波数となり、周波数f21が第2候補の周波数となり、周波数f1が第3候補の周波数となる。
図1のディップフィルタ4に設定すべきディップの数が、例えば「2」であれば、周波数f3と周波数f21とを、ディップフィルタ4のディップの中心周波数として設定する。また例えば、図1のディップフィルタ4に設定すべきディップの数が「1」であれば、周波数f3のみをディップフィルタ4のディップの中心周波数として設定する。
このようにして、経験や熟練を必要とせず、ディップフィルタ4に設定すべきディップの中心周波数を客観的に選択することができる。そうすることによって、図1の拡声空間40における共鳴を有効に防止することができる。
なお、図27の曲線Cbの振幅レベルの大きさに基づく優先順位によってディップフィルタ4に設定すべき複数のディップの中心周波数の候補を選んだ上で、さらに図5の曲線Dbにおける振幅レベルの大きさに基づいて、候補(ディップフィルタに設定すべきディップの中心周波数の候補)の順位を付け替えたのは次の理由による。すなわち、図27の曲線Cbは拡声空間40の共鳴による特性のみならず、電気音響系(アンプ12、スピーカ13、マイクロホン14等からなる系)の振幅周波数特性をも包含しており、拡声空間40の共鳴の特性のみならず、電気音響系の振幅周波数特性にも大きく依存した特性となっている。これに対して図5の曲線Dbは、拡声空間40の共鳴による特性が顕著に表れており、電気音響系の振幅周波数特性の影響は小さい。よって、図5の曲線Dbにおける振幅レベルの大きさに基づいてディップフィルタ4に設定すべきディップの中心周波数を最終的に決定した方が、拡声空間40の共鳴防止のためにはより効果的なのである。
ディップフィルタに設定すべきディップの数や検出された共鳴周波数の数がより多数である場合にも、上記の共鳴周波数選択方法は有効である。例えば、検出された共鳴周波数が200以上ある場合に、図27の曲線Cbにおいて振幅レベルの大きなものから120の周波数を候補として残し、残りの周波数は候補から除外するようにしてもよい。そしてさらに、この120の周波数に対して図5の曲線Dbにおける振幅レベルの大きさに基づいて候補の順位を付け替え、付け替えられた順位において上位の8位までの周波数をディップフィルタにディップの中心周波数として設定するようにしてもよい。
以上、図1〜27に基づいて、本願発明の実施形態を説明した。
上記実施形態では、音響設備が配される拡声空間における共鳴周波数の検出に、本願発明の共鳴周波数検出方法およびその装置を適用する例を示したが、本願発明の共鳴周波数検出方法およびその装置はこのような拡声空間のみならず、共鳴周波数検出が必要となるあらゆる空間(拡声空間)に適用できる。例えば、液体タンク内の液体充填量を知るために、該タンクにおいて液体で充たされない空間の容積を、共鳴周波数を検出することによって測定する技術にも適用できる。
本願発明によれば、経験や熟練を必要とせず、正確に共鳴周波数を検出することができ、また、ディップフィルタにディップの中心周波数として設定すべき周波数を適切に選択できる。よって、例えば電気音響の技術分野において有益である。
拡声空間(例えば、コンサートホールや体育館)に設置された音響システムの概略構成図である。 拡声空間(例えば、コンサートホールや体育館)において振幅周波数特性を測定するためのシステムの概略ブロック図である。 拡声空間において振幅周波数特性を測定するためのシステムの概略ブロック図である。 図2のシステムによって測定された拡声空間の振幅周波数特性と、図3のシステムによって測定された拡声空間の振幅周波数特性とを模式的に示す特性図である。 図4の破曲線Cbの特性から実曲線Caの特性を差し引いた周波数特性図である。 拡声空間において振幅周波数特性を測定するためのシステムの概略ブロック図である。 図2のシステムによって測定された拡声空間の振幅周波数特性と、図6のシステムによって測定された拡声空間の振幅周波数特性とを模式的に示す特性図である。 図7の破曲線Ccの特性から実曲線Caの特性を差し引いた周波数特性図である。 本願発明に係る共鳴周波数検出装置の一実施形態たる検出装置を含むシステムの概略ブロック図である。 図9の検出装置におけるディレイ装置として採用することのできる構成の例を示す図である。 拡声空間において振幅周波数特性を測定するためのシステムの概略ブロック図である。 図2のシステムによって測定された拡声空間の振幅周波数特性と、図11のシステムによって測定された拡声空間の振幅周波数特性とを模式的に示す特性図である。 図12の破曲線Ceの特性から実曲線Caの特性を差し引いた周波数特性図である。 本願発明に係る共鳴周波数検出装置の一実施形態たる検出装置を含むシステムの概略ブロック図である。 拡声空間(例えば、コンサートホールや体育館)において共鳴周波数を検出するためのシステムの概略ブロック図である。 測定用信号の信号レベルを時間軸上に表した図である。 マイクロホンで測定された音圧レベルを時間軸上に表した図である。 マイクロホンで測定される音圧レベルを時間軸上に表した図である。 マイクロホンで測定される音圧レベルを時間軸上に表した図である。 拡声空間(例えば、コンサートホールや体育館)において共鳴周波数を検出するためのシステムの概略ブロック図である。 拡声空間(例えば、コンサートホールや体育館)において共鳴周波数を検出するためのシステムの概略ブロック図である。 マイクロホンで測定される音圧レベルを時間軸上に表した図である。 マイクロホンで測定される音圧レベルを時間軸上に表した図である。 拡声空間(例えば、コンサートホールや体育館)において共鳴周波数を検出するためのシステムの概略ブロック図である。 マイクロホンで測定される音圧レベルを時間軸上に表した図である。 マイクロホンで測定された音圧レベルを時間軸上に表した図である。 図4から曲線Cbのみを取り出した特性図である。
符号の説明
11 発信器
12 アンプ
13 スピーカ
14 マイクロホン
15 測定器
16 ミキシング装置
17 ディレイ装置
19 位相反転装置
21 発信部
25 測定・制御部
26 ミキシング部
27 開閉部
28 ディレイ装置
31 切換スイッチ
32 位相反転装置
40 拡声空間
111 発信器
115 測定・制御部
116 ミキシング装置
128 ディレイ装置
131 切換スイッチ
132 位相反転装置
201,202,301,302,400,500,601,602,701,702 検出装置

Claims (12)

  1. 基本振幅周波数特性を測定する基本工程と、第1振幅周波数特性を測定する第1工程と、第2振幅周波数特性を測定する第2工程とを備え、
    該基本振幅周波数特性は、共鳴空間に配置されたスピーカから所定の測定用信号を拡声させて、該共鳴空間に配置されたマイクロホンによって受音して得られる振幅周波数特性であり、
    該第1振幅周波数特性は、該スピーカから、該測定用信号と、該マイクロホンの出力信号を0以上の第1遅延時間で遅延させた第1遅延信号とを拡声させて、該マイクロホンによって受音して得られる振幅周波数特性であり、
    該第2振幅周波数特性は、該スピーカから、該測定用信号と、該マイクロホンの出力信号を0以上の第2遅延時間で遅延させた第2遅延信号とを拡声させて、該マイクロホンによって受音して得られる振幅周波数特性であり、
    該第2遅延時間は該第1遅延時間と異なる遅延時間であり、
    該基本振幅周波数特性と該第1振幅周波数特性と該第2振幅周波数特性とに基づいて、該共鳴空間の共鳴周波数を検出する、共鳴周波数検出方法。
  2. 該第1遅延時間又は該第2遅延時間が0である、請求項1記載の共鳴周波数検出方法。
  3. 基本振幅周波数特性を測定する基本工程と、第1振幅周波数特性を測定する第1工程と、第2振幅周波数特性を測定する第2工程とを備え、
    該基本振幅周波数特性は、共鳴空間に配置されたスピーカから所定の測定用信号を拡声させて、該共鳴空間に配置されたマイクロホンによって受音して得られる振幅周波数特性であり、
    該第1振幅周波数特性は、該スピーカから、該測定用信号と、該マイクロホンの出力信号とを拡声させて、該マイクロホンによって受音して得られる振幅周波数特性であり、
    該第2振幅周波数特性は、該スピーカから、該測定用信号と、該マイクロホンの出力信号の位相を反転させた位相反転信号とを拡声させて、該マイクロホンによって受音して得られる振幅周波数特性であり、
    該基本振幅周波数特性と該第1振幅周波数特性と該第2振幅周波数特性とに基づいて、該共鳴空間の共鳴周波数を検出する、共鳴周波数検出方法。
  4. 該基本振幅周波数特性と該第1振幅周波数特性との差分から、該基本振幅周波数特性に比べて該第1振幅周波数特性の方が振幅が大きいピーク点の周波数を第1群周波数として検出し、
    該基本振幅周波数特性と該第2振幅周波数特性との差分から、該基本振幅周波数特性に比べて該第2振幅周波数特性の方が振幅が大きいピーク点の周波数を第2群周波数として検出し、
    該第1群周波数と該第2群周波数とに共通して含まれる周波数を共鳴周波数として検出する、請求項1乃至3のいずれか一の項に記載の共鳴周波検出方法。
  5. 該測定用信号が、正弦波スイープ信号、所定周波数幅内に成分を有し中心周波数がスイープするノイズ信号、又は、ピンクノイズである、請求項1乃至4のいずれか一の項に記載の共鳴周波数検出方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一の項に記載の共鳴周波数検出方法によって複数の共鳴周波数を検出し、この検出された複数の共鳴周波数のうちから、ディップフィルタに設定すべきディップの中心周波数を、該第1振幅周波数特性又は該第2振幅周波数特性の振幅レベルの大きなものから選択する、共鳴周波数選択方法。
  7. 請求項6記載の共鳴周波数選択方法によって複数の共鳴周波数を選択し、この選択された複数の共鳴周波数のうちから、ディップフィルタに設定すべきディップの中心周波数を、該第1振幅周波数特性又は該第2振幅周波数特性から該基本振幅周波数特性を差し引いた振幅周波数特性における振幅レベルが大きなものから優先的に選択する、共鳴周波数選択方法。
  8. 音源手段と、信号切換手段と、測定手段とを備え、
    該音源手段は測定用信号を発生し、
    該信号切換手段は、該音源手段からの測定用信号と、マイクロホンからの出力信号を入力可能であり、
    該信号切換手段はその状態を、該測定用信号をスピーカで拡声させるために出力する基本状態と、該測定用信号と、該マイクロホンの出力信号を0以上の第1遅延時間で遅延させた第1遅延信号とを該スピーカで拡声させるために出力する第1状態と、該測定用信号と、該マイクロホンの出力信号を0以上の第2遅延時間で遅延させた第2遅延信号とを該スピーカで拡声させるために出力する第2状態とに切り換え可能であり、
    該第2遅延時間は該第1遅延時間とは異なる遅延時間であり、
    該測定手段は該マイクロホンの出力信号から振幅周波数特性を測定可能であり、
    該測定手段が、該信号切換手段の状態が基本状態に設定されたときに測定した基本振幅周波数特性と、該信号切換手段の状態が第1状態に設定されたときに測定した第1振幅周波数特性との比較 および 該基本振幅周波数特性と、該信号切換手段の状態が第2状態に設定されたときに測定した第2振幅周波数特性との比較に基づいて、共鳴周波数を検出する、共鳴周波数検出装置。
  9. 該第1遅延時間又は該第2遅延時間が0である、請求項記載の共鳴周波数検出装置。
  10. 音源手段と、信号切換手段と、測定手段とを備え、
    該音源手段は測定用信号を発生し、
    該信号切換手段は、該音源手段からの測定用信号と、マイクロホンからの出力信号を入力可能であり、
    該信号切換手段はその状態を、該測定用信号をスピーカで拡声させるために出力する基本状態と、該測定用信号と、該マイクロホンの出力信号とを該スピーカで拡声させるために出力する第1状態と、該測定用信号と、該マイクロホンの出力信号を位相反転させた位相反転信号とを該スピーカで拡声させるために出力する第2状態とに切り換え可能であり、
    該測定手段は該マイクロホンの出力信号から振幅周波数特性を測定可能であり、
    該測定手段が、該信号切換手段の状態が基本状態に設定されたときに測定した基本振幅周波数特性と、該信号切換手段の状態が第1状態に設定されたときに測定した第1振幅周波数特性との比較 および 該基本振幅周波数特性と、該信号切換手段の状態が第2状態に設定されたときに測定した第2振幅周波数特性との比較に基づいて、共鳴周波数を検出する、共鳴周波数検出装置。
  11. 該測定手段は、該基本振幅周波数特性と該第1振幅周波数特性との差分から、該基本振幅周波数特性に比べて該第1振幅周波数特性の方が振幅が大きいピーク点の周波数を第1群周波数として検出し、
    該基本振幅周波数特性と該第2振幅周波数特性との差分から、該基本振幅周波数特性に比べて該第2振幅周波数特性の方が振幅が大きいピーク点の周波数を第2群周波数として検出し、
    該第1群周波数と該第2群周波数とに共通して含まれる周波数を共鳴周波数として検出する、請求項乃至10のいずれか一の項に記載の共鳴周波検出装置。
  12. 該測定用信号が、正弦波スイープ信号、所定周波数幅内に成分を有し中心周波数がスイープするノイズ信号、又は、ピンクノイズである、請求項乃至11のいずれか一の項に記載の共鳴周波数検出装置。
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