JP4209364B2 - 車両用駆動装置 - Google Patents
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Description
次にアイドリングストップを解除してエンジンを始動する際には、回転電機に電流を流して短時間にトルクを発生させる。その時間はおよそ0.5秒以内くらいである。この時間が長くなるとエンジン始動が遅れ、自動車が動く時間が遅れて快適性や安全性を損なうという問題がある。また、始動時間を短くするほど快適性、安全性を向上することができる。始動時間を早くするには短時間に大きな電流を流すことになるので発熱が大きくなる。ここでアイドリング中に十分に冷却されていることが重要になり、回転電機に通電し始めるときの温度を低く抑えるほど大きな電流を流すことが出来るので自動車の快適性を向上できる。アイドリング中の温度をより低くするためにはアイドリング中にも回転電機単独で回転し、ファンによる冷却風で回転電機を冷却することが有効である。
図1はこの発明の実施の形態1による回転電機およびエンジンを搭載した車両用駆動装置を示す概略構成図である。
(a)車両が走行中であり、回転電機2の冷却又は発電を必要とする場合
図1において、車両の走行中は、エンジン1は車両の駆動源となり、クランクシャフト(図示せず)及び回転軸1aを介してエンジン側プーリ1b、伝動ベルト6、回転電機側プーリ2bが回転駆動されている。この時、回転電機用クラッチ3は、ECU10によりON制御されており、回転電機用プーリ2bの回転駆動が、回転軸2aを介して回転電機2のシャフト16に伝達される。
図1において、エンジン1の回転駆動力は、クランクシャフト(図示せず)及び回転軸1aを介してエンジン側プーリ1b、伝動ベルト6、回転電機側プーリ2bに伝達されている。しかしながら、この時、ECU10により回転電機用クラッチ3をOFF制御することにより、回転電機用プーリ2bの回転駆動力が、回転軸2aを介して回転電機2のシャフト16に伝達されない。したがって、回転電機2は停止状態となる。
まず、エンジンのアイドリングストップにおける自動停止制御について説明する。図6はECU10内のCPU11による自動停止又は始動制御の処理手順を示すフローチャートであり、図7は図6におけるエンジンの自動停止条件を示す説明図である。
図1において、エンジン1は停止されており、回転電機2も停止されている。なお、回転電機用クラッチ3は、ECU10によりON制御され、回転電機用プーリ2bと回転電機2の回転軸2aは連結されている。
図1において、エンジン1は停止されているので、エンジン1により回転電機2を回転駆動することはできない。この時、ECU10は回転電機用クラッチ3をOFF制御し、エンジン1の回転軸1aと回転電機2の回転軸2aの連結を解除する。一方、図2において、バッテリ5の直流電力を直流配線8を介してインバータユニット4に給電する。そして、ECU10がインバータモジュール4の各スイッチング素子41をON/OFF制御し、直流電力を三相交流電力に変換する。そして、この三相交流電力を交流配線9を介して回転電機2の電機子巻線24に供給する。これにより、界磁電流制御装置45により界磁電流が供給されている回転子の界磁巻線21の周囲に回転磁界が与えられ、回転子20が回転駆動される。
まず、エンジンのアイドリングストップにおける自動始動制御について説明する。図6はECU10内のCPU11による自動停止又は始動制御の処理手順を示すフローチャートであり、図8は図6におけるエンジンの自動始動条件を示す説明図である。
図9はこの発明の実施の形態2による回転電機およびエンジンを搭載した車両用駆動装置を示す概略構成図である。
まず、エンジン回転時におけるエアコンディショナ等のON/OFFについて説明する。エアコンディショナをONする場合には回転電機用クラッチ3と補機用クラッチ80をONする。この場合、エンジン1の回転トルクにより回転電機2の回転軸は駆動され、さらに伝動ベルト95を介して補機であるコンプレッサ90が回転駆動される。このとき、回転電機用クラッチ3または補機用クラッチ80の少なくともいずれか1つをOFFにすれば、補機であるコンプレッサ90は回転駆動されなく、エアーコンディショナーはOFFとなる。
エンジン停止時においてエアコディショナーをONする場合は、回転電機用クラッチ3をOFF、補機用クラッチ80をONにして、回転電機2を電動機として駆動して、補機であるコンプレッサ90を回転駆動させる。この場合、回転電機用クラッチ3のOFFによりエンジン1とのトルク伝達はない。また、この状態では、回転電機2に搭載されたファンの回転で発生する冷却風により回転電機本体を冷却することができる。
エンジンの始動(アイドリングストップ状態から再始動も含む)は、回転電機用クラッチ3をONした状態で、回転電機2を電動機として駆動することにより実施される。すなわち、実施の形態1で説明したと同様、ECU10は、まず回転電機用クラッチ3をON制御し、エンジン1の回転軸1aと回転電機2の回転軸2aの連結を行う。一方、図2において、バッテリ5から直流配線8を介して直流電力がインバータユニット4に給電される。そして、ECU10はインバータモジュール4の各スイッチング素子41をON/OFF制御し、直流電力が三相交流電力に変換される。そして、この三相交流電力が交流配線9を介して回転電機2の電機子巻線24に供給される。これにより、界磁電流制御装置45により界磁電流が供給されている回転子の界磁巻線21の周囲に回転磁界が与えられ、回転子20が回転駆動される。そして、この回転子20の回転動力が、回転軸2a、回転電機用クラッチ3、回転電機用プーリ2a、ベルト6、エンジン側プーリ1b、回転軸1aを介してエンジン1に伝達されて、エンジン1が始動する。
2 回転電機、2a,2c 回転電機の回転軸、3 回転電機用クラッチ、
4 インバータユニット、5 バッテリ、6,95 伝動ベルト、7 温度センサ、
10 ECU、20 回転子、21 界磁巻線、22 電機子、24 電機子巻線、
28 ファン、80 補機用クラッチ、90 補機、90a 補機の回転軸。
Claims (8)
- エンジンと、バッテリと、上記エンジンの始動時に上記バッテリの電力により駆動されて上記エンジンを始動する回転電機と、上記回転電機内部を冷却するファンと、上記エンジンの回転軸と上記回転電機の回転軸との間に設けられ、上記エンジンおよび上記回転電機の間で回転駆動力を伝達する回転伝達機構と、上記回転電機と上記回転伝達機構の間に設けられ、上記回転電機と上記回転伝達機構との間の回転伝達を連結又は解除する回転電機用クラッチとを備え、
上記エンジンの停止時において、上記回転電機用クラッチにより上記回転電機と上記回転伝達機構との間の回転伝達を解除し、上記回転電機を上記バッテリにより回転駆動して、上記回転電機の内部を冷却することを特徴とする車両用駆動装置。 - 上記回転電機の内部に、上記エンジンの始動時に上記バッテリの直流電力を交流電力に変換して上記回転電機に供給するとともに、上記エンジンの始動後は上記回転電機で発生する交流電力を直流電力に変換して上記バッテリを充電するインバータユニットを配設したことを特徴とする請求項1に記載の車両用駆動装置。
- 上記エンジンの停止時は、上記エンジンのアイドリングストップ制御における停止時であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用駆動装置。
- 上記回転電機の内部の温度を検出する温度センサを設け、上記温度センサの検出出力が所定値を超える場合、上記回転電機を上記バッテリにより回転駆動して、上記回転電機の内部を冷却することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用駆動装置。
- エンジンと、バッテリと、上記エンジンの始動時に上記バッテリの電力により駆動されて上記エンジンを始動する回転電機と、上記回転電機内部を冷却するファンと、上記エンジンの回転軸と上記回転電機の回転軸との間に設けられ、上記エンジンおよび上記回転電機の間で回転駆動力を伝達する回転伝達機構と、上記回転電機と上記回転伝達機構の間に設けられ、上記回転電機と上記回転伝達機構との間の回転伝達を連結又は解除する回転電機用クラッチと、補機と、上記補機の回転軸と上記回転電機の回転軸との間に設けられ、上記補機および上記回転電機の間で回転駆動力を伝達する第2の回転伝達機構と、上記第2の回転伝達機構における回転伝達を連結又は解除する補機用クラッチを備え、
上記エンジンの停止時において、上記回転電機用クラッチにより上記回転電機と上記回転伝達機構との間の回転伝達を解除するとともに、上記補機用クラッチにより第2の回転伝達機構における回転伝達を解除し、上記回転電機を上記バッテリにより回転駆動して、上記回転電機の内部を冷却することを特徴とする車両用駆動装置。 - 上記回転電機の内部に、上記エンジンの始動時に上記バッテリの直流電力を交流電力に変換して上記回転電機に供給するとともに、上記エンジンの始動後は上記回転電機で発生する交流電力を直流電力に変換して上記バッテリを充電するインバータユニットを配設したことを特徴とする請求項5に記載の車両用駆動装置。
- 上記エンジンの停止時は、上記エンジンのアイドリングストップ制御における停止時であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の車両用駆動装置。
- 上記回転電機の内部の温度を検出する温度センサを設け、上記温度センサの検出出力が所定値を超える場合、上記回転電機を上記バッテリにより回転駆動して、上記回転電機の内部を冷却することを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の車両用駆動装置。
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