JP4208073B2 - 焼結用収容構造及び希土類焼結磁石の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、希土類元素を含む希土類焼結磁石を焼結する際に用いられる焼結用収容構造及び希土類焼結磁石の製造方法に関する。
希土類焼結磁石、例えばNd−Fe−B系焼結磁石は、磁気特性に優れていること、主成分であるNdが資源的に豊富で比較的安価であること等の利点を有することから、近年、その需要は益々拡大する傾向にある。このような状況から、Nd−Fe−B系焼結磁石の磁気特性を向上するための研究開発や、品質の高い希土類焼結磁石を製造するための製造方法の改良等が各方面において進められている。
希土類焼結磁石は、基本的には、原料合金を粉砕して得た合金粉末を磁場中でプレス成形して磁石成形体を形成し、この磁石成形体を焼結炉において焼結処理することにより製造される。
ところで、磁石成形体を焼結炉の内部に暴露した状態で焼結処理を行うと、焼結炉の内部に存在する酸素や水蒸気等の不純物ガスが磁石成形体に悪影響を及ぼすことがある。例えば不純物ガスが磁石成形体に吸着すると、吸着部の焼結が抑制され、磁石の変形、寸法不良、焼結密度不足、変色等を引き起こし、歩留まりを低下させる。また、焼結の抑制に起因する特性不良も引き起こす。このため、焼結ケースと呼ばれる密閉型の構造体に磁石成形体を収容し、この状態にて焼結炉内で焼結処理を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
焼結ケースとしては様々な構成のものが提案されているが、例えば、特許文献1記載の発明によれば、磁石成形体を載せる焼結プレートを開口部から水平方向にスライド可能な構成とすることにより、焼結ケースへの磁石成形体の挿入及び取出しが容易となるとされる。また、特許文献2記載の発明によれば、磁石成形体が載せられた焼結用台を底板上に載置した状態で底板上に蓋をかぶせる構成とすることにより、焼結ケースへの磁石成形体の収容及び取出しが容易となるとされている。
特開2000−315611号公報 特開2002−20803号公報
しかしながら、上述のような焼結ケースは密閉型とはいえ、焼結炉内に存在する不純物ガスの焼結ケース内部への流入は避けられず、この結果、焼結ケースを用いない場合と同様に焼結炉内の不純物ガスが磁石成形体に対して様々な悪影響を及ぼし、希土類焼結磁石の品質を低下させ、希土類焼結磁石の歩留まりを低下させるという問題がある。上記特許文献2においては、不純物ガスを吸収するための吸収材料を配置することによって不純物ガスを吸着トラップする技術が開示されているが、このような構成によっても不純物ガスの完全な吸着は困難であり、さらなる改良が求められている。
そこで本発明はこのような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、不純物ガスによる磁石成形体の汚染を抑制することができる焼結用収容構造及び希土類焼結磁石の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述の問題を解決するために検討を重ねた結果、磁石成形体の焼結に際して金属箔が不純物ガスの吸収に極めて有効であることを見出した。
本発明はこのような知見に基づくものであり、希土類元素を含む磁石成形体を焼結する際に用いられる焼結用収容構造であって、複数の前記磁石成形体を載置する底面と前記底面を取り囲む側壁とを備え、上面が開口部となる箱状の容器本体を有し、前記容器本体の開口部がNb箔、Ti箔、白金箔、ステンレス箔から選ばれる1種又は2種以上からなる金属箔で閉塞されるとともに、前記容器本体の底面にNb箔、Ti箔、白金箔、ステンレス箔から選ばれる1種又は2種以上からなる金属箔が敷き詰められていることを特徴とする。
以上のような焼結用収容構造によれば、磁石成形体を収容する容器本体の開口部を金属箔で閉塞することにより、磁石成形体の不純物ガスに対する暴露が防止され、また、構造物の周囲の空間(例えば焼結炉内)に存在する不純物ガスが金属箔により吸着される。このため、構造物内部への不純物ガスの流入が抑制され、不純物ガスによる磁石成形体の汚染が抑制される。この結果、不純物ガスによる磁石成形体の変形や、特性の劣化等の不都合が抑制され、良好な品質の希土類焼結磁石の製造が実現される。
また、本発明に係る焼結用収容構造は、希土類元素を含む磁石成形体を焼結する際に用いられる焼結用収容構造であって、焼結用平板の上に平面状のNb箔及びステンレス箔を敷き、複数の前記磁石成形体が前記金属箔を折り曲げることで包み込まれ、前記金属箔が内側からNb箔、ステンレス箔の順に重ねられた2重構造とされていることを特徴とする。さらには、複数の前記磁石成形体を載置する底面と前記底面の周辺を取り囲む側壁とを備え、上面が開口部となる箱状の容器本体を有し、前記容器本体の底面にNb箔、Ti箔、白金箔、ステンレス箔から選ばれる1種又は2種以上からなる平面状の金属箔を敷き、メッシュ状の板で上下を挟み込まれた前記磁石成形体が、前記金属箔で包み込まれ、前記容器本体内に収容されていることを特徴とする。
以上のような焼結用収容構造によれば、やはり、金属箔で磁石成形体全体を包み込むことにより、磁石成形体の不純物ガスに対する暴露が防止され、構造物の周囲の空間(例えば焼結炉内)に存在する不純物ガスが金属箔により吸着される。このため、構造物内部への不純物ガスの流入が抑制され、不純物ガスによる磁石成形体の汚染が抑制される。この結果、不純物ガスによる磁石成形体の変形や、特性の劣化等の不都合が抑制され、良好な品質の希土類焼結磁石の製造が実現される。また、金属箔は安価であり、交換も簡単であるため、従来の焼結ケースを用いる場合に比べて製造コストが大幅に低減される。
さらに、本発明の希土類焼結磁石の製造方法は、希土類元素を含む磁石成形体を焼結する希土類焼結磁石の製造方法であって、複数の前記磁石成形体を載置する底面と前記底面の周辺を取り囲む側壁とを備え、上面が開口部となる箱状の容器本体内の底面にNb箔、Ti箔、白金箔、ステンレス箔から選ばれる1種又は2種以上からなる金属箔を敷き詰めて磁石成形体を収容し、前記容器本体の開口部をNb箔、Ti箔、白金箔、ステンレス箔から選ばれる1種又は2種以上からなる金属箔で閉塞した状態で焼結することを特徴とする。あるいは、希土類元素を含む磁石成形体を焼結する希土類焼結磁石の製造方法であって、焼結用平板の上に平面状のNb箔及びステンレス箔を敷き、複数の前記磁石成形体を金属箔を折り曲げて包み込んだ状態且つ前記金属箔が内側からNb箔、ステンレス箔の順に重ねられた2重構造とされた状態で焼結することを特徴とする。さらには、複数の前記磁石成形体を載置する底面と前記底面の周辺を取り囲む側壁とを備え、上面が開口部となる箱状の容器本体の底面にNb箔、Ti箔、白金箔、ステンレス箔から選ばれる1種又は2種以上からなる平面状の金属箔を敷き、メッシュ状の板で上下を挟み込まれた前記磁石成形体を前記金属箔で包み込み、前記容器本体内に収容した状態で焼結することを特徴とする。
以上のような希土類焼結磁石の製造方法によれば、容器本体の開口部を金属箔で閉塞することにより、あるいは、磁石成形体を金属箔を折り曲げて包み込むことにより、不純物ガスによる磁石成形体の汚染が抑制され、良好な品質の希土類焼結磁石の製造が実現される。
なお、本明細書においては、焼結処理前の焼結前磁石成形体、焼結処理中の焼結中磁石成形体、及び焼結処理終了後の焼結体をまとめて磁石成形体と呼ぶこととする。また、本明細書における焼結とは、希土類焼結磁石を製造するために磁石成形体を加熱処理することであり、化学反応を伴う焼成も含む用語である。
本発明の焼結用収容構造によれば、不純物ガスを吸着し得る金属箔で容器本体の開口部を閉塞することにより、焼結構造物内部へ流入する不純物ガスによる磁石成形体の汚染を抑制して良好な品質の希土類焼結磁石を製造することができ、歩留まりの向上を図ることができる。
また、本発明の焼結用収容構造によれば、磁石成形体を金属箔で包み込んだ構造とすることにより、低コストにて、不純物ガスによる磁石成形体の汚染を抑制して良好な品質の希土類焼結磁石を製造することができ、歩留まりの向上を図ることができる。さらに、軽量な金属箔を構成要素の一部として用いるため、焼結用構造物の重量を低減し、その分の磁石成形体積載量の増加による生産性の向上や、搬送装置の負荷低減による安全性の向上が可能である。
また、本発明の希土類焼結磁石の製造方法によれば、容器本体の開口部を金属箔で閉塞することにより、不純物ガスに起因する磁石成形体の汚染を抑制し、希土類焼結磁石を歩留まりよく製造することができる。さらに、本発明の希土類焼結磁石の製造方法によれば、金属箔で磁石成形体の全体を包み込んだ状態で焼結することにより、不純物ガスに起因する磁石成形体の汚染を抑制し、希土類焼結磁石を歩留まり良く製造することができる。
以下、本発明に係る焼結用収容構造及び希土類焼結磁石の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
希土類焼結磁石は、基本的には、原料合金を粉砕して得た合金粉末を磁場中でプレス成形して磁石成形体を形成し、この磁石成形体を焼結炉において焼結処理、次いで時効処理することにより製造される。本発明の焼結用収容構造(以下、単に焼結用構造物と称する。)は、焼結工程及び時効工程において用いられ、例えば焼結炉内において、希土類焼結磁石の原料である合金粉末を所定形状に成形して得られる磁石成形体を内部に収容した状態で焼結するための構造物であり、磁石成形体と焼結炉等の外部空間とを隔てる手段の少なくとも一部に金属箔を用いる点に特徴がある。以下では、最初に本発明の焼結用収容構造を用いて製造される希土類焼結磁石について説明し、次に、本発明の焼結用収容構造の詳細について説明し、次いで希土類焼結磁石の製造方法の概略について説明することとする。
本発明の焼結用構造物及び希土類焼結磁石の製造方法において、製造対象となる希土類焼結磁石は、希土類元素を主成分とするものである。磁石組成としては、例えば、R−T−B(Rは希土類元素の1種又は2種以上、但し希土類元素はYを含む概念である。TはFeまたはFe及びCoを必須とする遷移金属元素の1種または2種以上であり、Bはホウ素である。)系希土類焼結磁石とする場合、磁気特性に優れた希土類焼結磁石を得るためには、焼結後の磁石組成において、希土類元素Rが20〜40重量%、ホウ素Bが0.5〜4.5重量%、残部が遷移金属元素Tとなるような配合組成とすることが好ましい。ここで、Rは、希土類元素、すなわちY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Yb及びLuから選ばれる1種、または2種以上である。中でも、Ndは、資源的に豊富で比較的安価であることから、主成分をNdとすることが好ましい。また、Dyの含有は異方性磁界を増加させるため、保磁力Hcjを向上させる上で有効である。
あるいは、添加元素Mを加えて、R−T−B−M系希土類焼結磁石とすることも可能である。この場合、添加元素Mとしては、Al、Cr、Mn、Mg、Si、Cu、C、Nb、Sn、W、V、Zr、Ti、Mo、Bi、Ga等を挙げることができ、これらの1種または2種以上を選択して添加することができる。これら添加元素Mの添加量は、残留磁束密度等の磁気特性を考慮して、3重量%以下とすることが好ましい。添加元素Mの添加量が多すぎると、磁気特性が劣化するおそれがある。
また、本発明の焼結用構造物及び希土類焼結磁石の製造方法により、SmCo系希土類焼結磁石や、SmFeN系磁石粉末等を製造することもできる。勿論、これら組成に限らず、希土類焼結磁石として従来公知の組成全般に適用可能であることは言うまでもない。
以下、本発明の焼結用構造物の一例について、図1を参照しながら説明する。図1に示す焼結用構造物1は、長方形の底面2及び底面の周囲を取り囲む側壁3とを有し、上面が開口部となる箱状の本体4を備える。本体4の底面2には、原料の合金粉末を磁場中で成形することによって得られた複数の磁石成形体5が載置される。本体4の開口部は、金属箔6によって覆われ、これにより焼結用構造物1内部の空間が閉塞される。すなわち、焼結用構造物1は、箱状の本体4と、本体4の開口部を閉塞する金属箔6とによって構成され、これら本体4及び金属箔6によって作られる空間に磁石成形体5を収容する。本体4の開口部を金属箔6によって閉塞することで、磁石成形体5の焼結炉への曝露がなく、焼結用構造物1へ流入する不純物ガスによる磁石成形体5の汚染を抑制することができる。ただし、焼結用構造物1の開口部は金属箔6によって閉塞されているものの、完全に密閉されているわけではなく、わずかではあるが焼結炉の不純物ガスが焼結用構造物1内へ流入しようとする。しかし、金属箔6がこの不純物ガスを吸収するので、磁石成形体5への不純物ガスによる汚染を最小限に抑えることができる。
また、本体4の上部空間ほどではないが、本体4の下部空間も磁石成形体5から放出される不純物ガスの影響を受けるため、本体4の底面2が露出しないように底面2に金属箔を敷き詰め、敷き詰めた金属箔上に磁石成形体5を並べることが好ましい。
金属箔6としては、焼結時の最高焼結温度よりも高い融点を持つ金属であれば特に制限なく使用でき、例えばNb箔、Ti箔、白金箔、ステンレス箔等が挙げられる。金属箔6の種類は目的に応じて適宜選択すればよく、例えば価格や入手容易性を勘案するとステンレス箔を用いることが好ましい。また、焼結時には酸素等が放出されることにより、本体4の内壁や他の磁石成形体を汚染するおそれがあるため、酸素吸着性を勘案するとNb箔を用いることが好ましい。
金属箔6の厚みとしては特に制限はないが、0.001mm〜0.2mmの範囲内とすることが好ましく、この範囲とすることにより優れた耐破損性及び充分な不純物ガスの吸着能と、優れたフレキシブル性、ハンドリング性及び低価格を両立することができる。また、金属箔6のより好ましい範囲は0.003mm〜0.1mmであり、さらに好ましい範囲は0.005mm〜0.05mmである。
金属箔6は、1枚の金属箔でもよいが、気密性の向上や使用中の破損の危険性を低減する目的で、金属箔を2重、3重、又はそれ以上重ねて用いてもよい。重ねる金属は、異種でも同種でも構わない。例えば、金属箔6を、酸素吸着性に優れるNb箔を内側に、耐破損性に優れるステンレス箔を外側に配した2重構造とすることにより、焼結時の磁石成形体の酸化防止と、焼結用構造物1の気密性の維持とを両立することができる。
本体4は、磁石成形体を載置可能であれば、箱状に限らず、いかなる形状であってもよい。例えば焼結用構造物1の本体4は、例えば開口部から底面に向かうにつれて幅の広くなる形状であることが好ましく、この形状とすることによって、焼結用構造物1を積み重ねたときに安定し、崩れにくくなる。
本体4の材料としては、一般的な希土類焼結磁石の焼結用ケース等に用いられる材料をいずれも用いることができ、例えばMo、Ti、W、Ir等の高融点金属、アルミナ等のセラミック、カーボン等が挙げられる。磁石成形体5としては、円筒状、棒状等、いかなる形状でもよく、また、粉末状であってもよい。
以上のような図1に示す焼結用構造物1では、磁石成形体5を内部に載置した本体4の開口部を閉塞する蓋として、金属箔6を用いることに大きな特徴がある。焼結時に焼結用構造物1が収容される焼結炉には酸素や水蒸気等の不純物ガスが存在するが、本体4の開口部を金属箔6で閉塞することにより、金属箔6が不純物ガスを吸着して焼結用構造物1への流入を抑制し、焼結用構造物1内部に収容した磁石成形体5の汚染を抑制する。このため、不純物ガスによる磁石成形体5の変形や、特性の劣化等の不都合を抑制し、歩留まり向上を図ることができる。
次に、本発明の焼結用構造物の他の例について、図2を参照して説明する。この図2に示す焼結用構造物10は、箱状の本体4を用いずに、磁石成形体5を金属箔6のみで包み込んでいる点で、図1の焼結用構造物1と異なる。なお、以下では、説明を簡単にするために、図1の焼結用構造物1と同じ部材については同じ符号を付し、ここでは説明は省略する。
この図2に示す焼結用構造物10は、複数の磁石成形体5を金属箔6で包み込んだ構成とされる。焼結用構造物10は、例えば焼結用平板11の上に平面状の金属箔6を敷き、この金属箔6の上に磁石成形体5を載置した後、磁石成形体5を覆うようにして金属箔6を折り曲げて磁石成形体5を包み込むことにより作製される。
図2に示す焼結用構造物10は、金属箔6で磁石成形体5の周囲を包み込むことにより、図1の焼結用構造物1と同様に、焼結用構造物10へ流入しようとする不純物ガスを金属箔6が吸着するため、焼結用構造物10内の磁石成形体5の汚染を抑制する。このため、不純物ガスによる磁石成形体の変形や、特性の劣化等の不都合を抑制し、歩留まり向上を図ることができる。
また、金属箔6は簡単に交換できるので、新品と交換することにより、金属箔6に吸着された不純物ガスに起因する磁石成形体5の汚染を回避し、さらに歩留まりを高めることができる。
また、希土類焼結磁石の従来の焼結ケースは、大型且つ複雑な構造であるため、非常に高価であり、希土類焼結磁石の焼結処理の際に例えば1000℃を上回るような高温加熱処理を行うため、焼結ケースを構成する本体、蓋、ドア部材等が繰り返しの使用によって徐々に変形をきたし、焼結処理後の磁石成形体が取り出し難くなる、磁石成形体の設置が不安定となり焼結中に磁石成形体同士が接触して密着してしまう等の様々な問題を引き起こす。したがって、変形した焼結ケースを新品と交換する必要が生じ、さらなる製造コストの上昇を招くという不都合がある。
これに対して本発明の焼結用構造物10は、磁石成形体5を安価な金属箔6で包み込むだけの極めて簡単な構造であるため、低価格である。また、焼結用構造物10は、汚染や破損の度合いに応じて金属箔6を新しいものと交換する必要があるものの、金属箔6は従来の剛性のある焼結ケースに比べて格段に安価であるため、金属箔6が破損しやすく交換頻度が高いことを考慮しても製造コストを低減することができる。また、金属箔6が破損したり汚染された場合には、新品の金属箔と容易に交換することができ、交換にかかるコストもわずかで済む。
また、焼結用構造物10は、薄く軽量な金属箔6を用いるため、焼結用構造物10の重量を低減し、その分の磁石成形体積載量の増加による生産性の向上や、搬送装置の負荷低減による安全性の向上が可能である。
次に、本発明の焼結用構造物のさらに他の例について、図3を参照して説明する。図3に示す焼結用構造物20は、底面2及び側壁3を有する本体4の内壁を金属箔6で覆った構成とされる。すなわち、焼結用構造物20は、開口部を有する本体4と、本体4の内部に配置されて磁石成形体5を包み込む金属箔6とを備える。
磁石成形体5は、金属箔6上に直接載せられてもよいが、図3に示すようにメッシュ状の板21を介在させることにより、金属箔6との直接の接触を防ぐことができる。また、磁石成形体5上にメッシュ状の板21を配置することにより、磁石成形体5と金属箔6との直接の接触を防ぐことができる。また、この焼結用構造物20では、金属箔6の捲れや浮き等を防止するために、金属箔6の上にMo板22が載せられている。
この焼結用構造物20は、例えばメッシュ状の板21の上に複数の磁石成形体5を載せ、これら磁石成形体5上にさらにメッシュ状の板21を載せ、さらにこれら一対の板21及び複数の磁石成形体5を金属箔6で包み込んだ後に、開口部から本体4内に収容することにより作製することができる。また、焼結用構造物20は、予め金属箔6で内側を覆っておいた本体4に、メッシュ状の板21で上下方向から挟み込むように複数の磁石成形体5を載せ、その後に磁石成形体5及び一対のメッシュ状の板21を覆うように金属箔6を折り曲げてこれらを包み込むことにより作製することもできる。
図3に示す焼結用構造物20は、図1の焼結用構造物1と同様に、金属箔6が不純物ガスを吸着するため、焼結用構造物20内部に収容した磁石成形体5の汚染を抑制する。このため、不純物ガスによる磁石成形体の変形や、特性の劣化等の不都合を抑制し、歩留まり向上を図ることができる。
また、金属箔なしで本体4のような焼結ケースを用いて焼結を繰り返すと、焼結ケースの内側が不純物ガスによって汚染され、磁石成形体に影響を及ぼすおそれがある。これに対して、図3の焼結用構造物20は、本体4の内側が金属箔6で覆われているので、容易に新品と交換することができ、磁石成形体5の汚染をより一層抑制し、さらに歩留まりを高めることができる。
また、本発明の焼結用構造物20は、磁石成形体5を安価な金属箔6で包み込むだけの簡単な構造であるため、極めて低価格である。また、焼結用構造物10は、汚染や破損の度合いに応じて金属箔6を新しいものと交換する必要があるものの、金属箔6は従来の焼結ケースに比べて格段に安価であるため、金属箔6が破損しやすく交換頻度が高いことを考慮しても製造コストを低減することができる。また、金属箔6が破損したり汚染された場合には、新品の金属箔と容易に交換することができ、交換にかかるコストもわずかですむ。
また、焼結用構造物20によれば、薄く軽量な金属箔6を用いるため、焼結用構造物20の重量を低減し、その分の磁石成形体積載量の増加による生産性の向上や、搬送装置の負荷低減による安全性の向上が可能である。
次に、本発明のさらに他の例について、図4を参照して説明する。図4に示す焼結用構造物30は、底面2及び側壁3を有する本体4の内壁が金属箔6で覆われるとともに、本体4の開口部が例えばMoからなる蓋体31によって閉塞されている。図4においては、メッシュ状の板21の上に複数の磁石成形体5を並べたものを4段積層し、さらにメッシュ状の板21を重ねたものを、金属箔6が包み込んでいる。なお、積層数や磁石成形体5の個数についてはこれに限定されない。
以上のような焼結用構造物30は、図1の焼結用構造物1と同様に、金属箔6が不純物ガスを吸着するため、焼結用構造物10内部に収容した磁石成形体5の汚染を抑制する。このため、不純物ガスによる磁石成形体の変形や、特性の劣化等の不都合を抑制し、歩留まり向上を図ることができる。
また、金属箔なしで本体4のような焼結ケースを用いて焼結を繰り返すと、焼結ケースの内側が不純物ガスによって汚染され、磁石成形体に影響を及ぼすおそれがある。これに対して、図4の焼結用構造物30は、本体4の内側が金属箔6で覆われているので、容易に新品と交換することができ、磁石成形体5の汚染をよりいっそう抑制し、さらに歩留まりを高めることができる。
また、本発明の焼結用構造物20は、磁石成形体5を安価な金属箔6で包み込むだけの簡単な構造であるため、極めて低価格である。また、焼結用構造物10は、汚染や破損の度合いに応じて金属箔6を新しいものと交換する必要があるものの、金属箔6は従来の焼結ケースに比べて格段に安価であるため、金属箔6が破損し易く交換頻度が高いことを考慮しても製造コストを低減することができる。また、金属箔6が破損したり汚染された場合には、新品の金属箔と容易に交換することができ、交換に要するコストも僅かなもので済む。また、金属箔6は簡単に交換できるので、新品と交換することにより、磁石成形体5の汚染をよりいっそう抑制し、さらに歩留まりを高めることができる。
また、焼結用構造物20によれば、薄く軽量な金属箔6を用いるため、焼結用構造物20の重量を低減し、その分の磁石成形体積載量の増加による生産性の向上や、搬送装置の負荷低減による安全性の向上が可能である。
なお、本発明の焼結用構造物としては、図1〜図4に示す構造に限定されず、磁石成形体を包み込む部材の一部に金属箔を用いていればよく、例えば金属等からなる平板上に磁石成形体を載せた状態で、磁石成形体を平板と金属箔とで挟み込み、金属箔を平板の周縁に折り込んで、平板と金属箔とで作る空間に磁石成形体を収容する構造であっても構わない。
次に、以上のような焼結用構造物を用いた希土類焼結磁石の製造方法について説明する。希土類焼結磁石を製造するには、例えば粉末冶金法が採用される。以下、希土類焼結磁石の粉末冶金法による製造方法について説明する。
図5は、粉末冶金法による希土類焼結磁石の製造プロセスの一例を示すものである。この製造プロセスは、基本的には、合金化工程101、粗粉砕工程102、微粉砕工程103、磁場中成形工程104、焼結・時効工程105、加工工程106、及び表面処理工程107とにより構成される。なお、酸化防止のために、焼結後までの各工程は、ほとんどの工程を真空中、あるいは不活性ガス雰囲気中(窒素雰囲気中、Ar雰囲気中等)で行う。
合金化工程101では、原料となる金属、あるいは合金を磁石組成に応じて配合し、真空あるいは不活性ガス、例えばAr雰囲気中で溶解し、鋳造することにより合金化する。鋳造法としては、溶融した高温の液体金属を回転ロール上に供給し、合金薄板を連続的に鋳造するストリップキャスト法(連続鋳造法)が生産性等の観点から好適であるが、本発明はそれに限ったものではない。原料金属(合金)としては、純希土類元素、希土類合金、純鉄、フェロボロン、さらにはこれらの合金等を使用することができる。凝固偏析を解消すること等を目的に、必要に応じて溶体化処理を行ってもよい。溶体化処理の条件としては、例えば真空またはAr雰囲気下、700〜1500℃領域で1時間以上保持する。
合金はほぼ最終磁石組成である単一の合金を用いても、最終磁石組成になるように、組成の異なる複数種類の合金を混合しても良い。混合は合金・原料粗粉・原料微粉のどの工程でもよいが、混合性から合金での混合が望ましい。
粗粉砕工程102では、先に鋳造した原料合金の薄板、あるいはインゴット等を、粒径数十μm程度になるまで粉砕する。粉砕手段としては、スタンプミル、ジョークラッシャー、ブラウンミル等を用いることができる。粗粉砕性を向上させるために、水素を吸蔵させた後、粗粉砕を行うことが効果的である。
前記粗粉砕工程102は、複数の粉砕手段を組み合わせた複数工程により構成することも可能である。粗粉砕工程102は、例えば水素粉砕工程と、機械的粗粉砕工程の2工程とすることができる。水素粉砕工程は、鋳造した原料合金に水素を吸蔵させ、相によって水素吸蔵量が異なることを利用して、自己崩壊的に粉砕する工程である。これにより、粒径数mm程度の大きさに粉砕することができる。機械的粗粉砕工程は、先にも述べたようなブラウンミル等の機械的手法を利用して粉砕する工程であり、前記水素粉砕工程により数mm程度の大きさに粉砕された原料合金粉を、粒径数十μm程度になるまで粉砕する。水素粉砕工程を行う場合、機械的粗粉砕工程は省略することも可能である。
前述の粗粉砕工程102が終了した後、通常、粗粉砕した原料合金粉に粉砕助剤を添加する。粉砕助剤としては、例えば脂肪酸系化合物等を使用することができるが、特に、脂肪酸アミドを粉砕助剤として用いることで、良好な磁気特性を有する希土類焼結磁石を得ることができる。粉砕助剤の添加量としては、0.03〜0.4重量%とすることが好ましい。この範囲内で粉砕助剤を添加した場合、焼結後の残留炭素の量を低減することができ、希土類焼結磁石の磁気特性を向上させる上で有効である。
粗粉砕工程102の後、微粉砕工程103を行うが、この微粉砕工程103は、例えばジェットミルを使用して行われる。微粉砕の際の条件は、用いる気流式粉砕機に応じて適宜設定すればよく、原料合金粉を平均粒径が1〜10μm程度、例えば3〜6μmとなるまで微粉砕する。ジェットミルは、高圧の不活性ガス(例えば窒素ガス)を狭いノズルより開放して高速のガス流を発生させ、この高速のガス流により粉体の粒子を加速し、粉体の粒子同士の衝突や、ターゲットあるいは容器壁との衝突を発生させて粉砕する方法である。ジェットミルは、一般的に、流動層を利用するジェットミル、渦流を利用するジェットミル、衝突板を用いるジェットミル等に分類される。
微粉砕工程103の後、磁場中成形工程104において、原料合金微粉を磁場中にて成形する。具体的には、微粉砕工程103にて得られた原料合金微粉を電磁石を配置した金型内に充填し、磁場印加によって結晶軸を配向させた状態で磁場中成形する。磁場中成形は、縦磁場成形、横磁場成形のいずれであってもよい。この磁場中成形は、例えば800〜1500kA/mの磁場中で、130〜160MPa前後の圧力で行えばよい。
次に焼結・時効工程105において、焼結及び時効処理を実施する。すなわち、原料合金微粉を磁場中成形後、磁石成形体を真空または不活性ガス雰囲気中(窒素雰囲気中、Ar雰囲気中等)で焼結する。焼結温度は、組成、粉砕方法、粒度と粒度分布の違い等、諸条件により調整する必要があるが、例えば1000〜1150℃で5時間程度焼結すればよく、焼結後、急冷することが好ましい。焼結後、得られた焼結体に時効処理を施すことが好ましい。この時効処理は、得られる希土類焼結磁石の保磁力Hcjを制御する上で重要な工程であり、例えば不活性ガス雰囲気中あるいは真空中で時効処理を施す。時効処理としては、2段時効処理が好ましく、1段目の時効処理工程では、800℃前後の温度で1〜3時間保持する。次いで、室温〜200℃の範囲内にまで急冷する第1急冷工程を設ける。2段目の時効処理工程では、550℃前後の温度で1〜3時間保持する。次いで、室温まで急冷する第2急冷工程を設ける。600℃近傍の熱処理で保磁力Hcjが大きく増加するため、時効処理を一段で行う場合には、600℃近傍の時効処理を施すとよい。
前記焼結・時効工程105の後、加工工程106及び表面処理工程107を行う。加工工程106は、所望の形状に機械的に成形する工程である。表面処理工程107は、得られた希土類焼結磁石の酸化を抑えるために行う工程であり、例えばメッキ被膜や樹脂被膜を希土類焼結磁石の表面に形成し、これにより、希土類焼結磁石を得ることができる。
本発明では、以上の製造プロセスの焼結・時効工程105において、上述の焼結用構造物を用いる。すなわち、磁場中成形工程104において成形した磁石成形体を上記の焼結用構造物内部に収容した状態で焼結炉に搬入し、焼結・時効工程105を行う。焼結炉には、複数の焼結用構造物を搬入してもよく、また、異なる種類の焼結用構造物を並べたり、積み重ねたりしてもよい。積み重ねる場合には、焼結用構造物同士を直接積み重ねてもよく、例えばスペーサ等を介在させて焼結用構造物間に適度な隙間を作るようにして積み重ねてもよい。
また、組成や添加物が異なるような異種類の磁石成形体を1つの焼結炉で同時に焼結する場合も、磁石成形体を種類ごとに焼結用構造物に収容することにより、異なる種類の磁石の影響を受けることなく焼結することができる。さらに、組成や添加物が異なるような異なる種類の磁石成形体を1つの焼結炉で交互に焼結する場合も、磁石の種類ごとに金属箔を交換するだけで、異なる種類の磁石成形体の影響を受けることなく焼結することができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施例について、実験結果に基づいて説明する。なお、本発明が以下の実施例の記載に限定されるものでないことは言うまでもない。
<実施例1>
本実施例では、以下のように棒状のSmCo磁石を製造した。
先ず、粉末冶金法により、Sm25重量%、Fe15重量%、Cu5重量%、Zr2重量%、残部Coからなる組成を持つ、縦40mm、横15mm、高さ20mmのSmCo系棒状磁石成形体を成形した。
焼結用収納構造としては、図3に示す構造の焼結用構造物を用いた。この焼結用構造物の本体としては、肉厚2.0mmのMo製ケースを用いた。また、金属箔としては、厚さ0.01mmのステンレス箔及びNb箔を、Nb箔を内側に、ステンレス箔を外側に配して重ね合わせたものを用いた。
この金属箔で、Mo製ケースの底面及び内側側面を覆った。次に、焼結用構造物の底面金属箔の上に、Mo製の#24、線径0.35mmのメッシュ板を載せ、メッシュ板の上に磁石成形体を重なり合わないように並べて配置した。配置された磁石成形体の上に、底面に敷いたものと同様のメッシュ板を載せ、2重とされた金属箔(ステンレス箔及びNb箔)を上側メッシュ板の上に折り込んだ。さらに、別の2重とされた金属箔をかぶせ、完全に磁石成形体及びメッシュ板を包み込んだ。これら磁石成形体及びメッシュ板を包み込んだ金属箔上に、Mo板を載せた。
この状態で、焼結炉内で焼結し、時効処理を行って実施例1の希土類磁石を得た。焼結は、焼結温度1200℃とし、真空中において2時間焼結し、その後焼結温度1150℃で1時間焼結した。その後、時効処理を行った。
焼結及び時効終了後、折り込んだ金属箔を端部から丁寧に剥がし、焼結後の希土類焼結磁石及び金属箔の内外表面を目視にて観察した。その結果、焼結後の希土類磁石には変色や変形等は認められなかった。また、希土類磁石の磁気特性を測定したところ、Brは1130(mT)、Hcjは850(kA/m)、(BH)maxは240(kJ/m3)と良好であった。また、金属箔の内外表面には、いずれにもわずかな変色が認められた。これは、焼結中に発生した不純物ガスが吸着した結果と考えられる。
<比較例1>
焼結用構造物に金属箔を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にしてSmCo系棒状磁石を作製した。この結果、変形等の外観不良が全体の15%に発生した。また、不良品の磁気特性は、Br=1115(mT)、Hcj=400(kA/m)、(BH)max=215(kJ/m3)であった。
<実施例2>
実施例2では、円筒状のNdFeB磁石を製造した。
先ず、粉末冶金法により、Nd30重量%、Dy3重量%、Fe65重量%、B1重量%、Co1重量%からなる組成を持つ、直径10mm、厚さ10mmのNdFeB系円筒状磁石成形体を成形した。
焼結用構造物としては、図4に示す構造の焼結用構造物を用いた。この焼結用構造物の本体は肉厚2.0mmのMo製である。また、金属箔は、厚さ0.01mmのステンレス箔を用い、本体内側の底面及び側面を覆った。
次に、焼結用構造物の底面金属箔の上に、Mo製の#24、線径0.35mmのメッシュ板を載せ、メッシュ板の上に磁石成形体を重なり合わないように並べて配置した。配置された磁石成形体の上に、底面に敷いたものと同様のメッシュ板を載せ、さらにこの上に磁石成形体を並べて配置した。同様にして、メッシュ板上に載せられた磁石成形体を4段設置し、最上段の磁石成形体上にメッシュ板を載せた。次に、最上部のメッシュ板上にステンレス箔を被せ、磁石成形体及びメッシュ板全体をステンレス箔で覆い、余った端部をメッシュ板上部に折り込むことにより、磁石成形体及びメッシュ板を包み込み、Mo製の蓋体で蓋をした。
この状態で、焼結炉内で焼結し、時効処理を行って実施例2の希土類磁石を得た。焼結は、焼結温度1100℃とし、真空中において2時間焼結し、その後焼結温度800℃で1時間焼結した。その後、550℃、2.5時間、時効処理を行った。
焼結及び時効終了後、ステンレス箔及びメッシュ板を取り除き、焼結後の希土類焼結磁石及びステンレス箔の内外表面を目視にて観察した。その結果、焼結後の希土類磁石には変色や変形等は認められなかった。また、希土類磁石の磁気特性を測定したところ、Brは1305(mT)、Hcjは1420(kA/m)、(BH)maxは320(kJ/m3)と良好であった。また、金属箔の内外表面には、いずれにもわずかな変色が認められた。これは、焼結中に発生した不純物ガスが吸着した結果と考えられる。
<比較例2>
焼結用構造物に金属箔を用いなかったこと以外は、実施例2と同様にしてNdFeB系円筒状磁石を作製した。この結果、変形等の外観不良が全体の35%に発生した。また、不良品の磁気特性は、Br=1260(mT)、Hcj=1050(kA/m)、(BH)max=255(kJ/m3)であった。
本発明を適用した焼結用収容構造の一例であり、(a)は金属蓋を外した状態の平面図、(b)は断面図である。 本発明を適用した焼結用収容構造の他の例を示す断面図である。 本発明を適用した焼結用収容構造のさらに他の例を示す断面図である。 本発明を適用した焼結用収容構造のさらに他の例を示す断面図である。 希土類焼結磁石の製造プロセスの一例を示すフローチャートである。
符号の説明
1 焼結用構造物、2 底面、3 側壁、4 本体、5 磁石成形体、6 金属箔

Claims (11)

  1. 希土類元素を含む磁石成形体を焼結する際に用いられる焼結用収容構造であって、
    複数の前記磁石成形体を載置する底面と前記底面を取り囲む側壁とを備え、上面が開口部となる箱状の容器本体を有し、前記容器本体の開口部がNb箔、Ti箔、白金箔、ステンレス箔から選ばれる1種又は2種以上からなる金属箔で閉塞されるとともに、
    前記容器本体の底面にNb箔、Ti箔、白金箔、ステンレス箔から選ばれる1種又は2種以上からなる金属箔が敷き詰められていることを特徴とする焼結用収容構造。
  2. 希土類元素を含む磁石成形体を焼結する際に用いられる焼結用収容構造であって、
    焼結用平板の上に平面状のNb箔及びステンレス箔を敷き、
    複数の前記磁石成形体が前記金属箔を折り曲げることで包み込まれ、前記金属箔が内側からNb箔、ステンレス箔の順に重ねられた2重構造とされていることを特徴とする焼結用収容構造。
  3. 希土類元素を含む磁石成形体を焼結する際に用いられる焼結用収容構造であって、
    複数の前記磁石成形体を載置する底面と前記底面の周辺を取り囲む側壁とを備え、上面が開口部となる箱状の容器本体を有し、前記容器本体の底面にNb箔、Ti箔、白金箔、ステンレス箔から選ばれる1種又は2種以上からなる平面状の金属箔を敷き、メッシュ状の板で上下を挟み込まれた前記磁石成形体が、前記金属箔で包み込まれ、前記容器本体内に収容されていることを特徴とする焼結用収容構造。
  4. 前記金属箔が、Nb箔及び/又はステンレス箔であることを特徴とする請求項1または3記載の焼結用収容構造。
  5. 前記金属箔が、内側からNb箔、ステンレス箔の順に重ねられた2重構造であることを特徴とする請求項4記載の焼結用収容構造。
  6. 前記金属箔の厚みが0.001mm〜0.2mmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の焼結用収容構造。
  7. 前記金属箔の厚みが0.003mm〜0.1mmであることを特徴とする請求項6記載の焼結用収容構造。
  8. 前記金属箔の厚みが0.005mm〜0.05mmであることを特徴とする請求項7記載の焼結用収容構造。
  9. 希土類元素を含む磁石成形体を焼結する希土類焼結磁石の製造方法であって、
    複数の前記磁石成形体を載置する底面と前記底面の周辺を取り囲む側壁とを備え、上面が開口部となる箱状の容器本体内の底面にNb箔、Ti箔、白金箔、ステンレス箔から選ばれる1種又は2種以上からなる金属箔を敷き詰めて磁石成形体を収容し、前記容器本体の開口部をNb箔、Ti箔、白金箔、ステンレス箔から選ばれる1種又は2種以上からなる金属箔で閉塞した状態で焼結することを特徴とする希土類焼結磁石の製造方法。
  10. 希土類元素を含む磁石成形体を焼結する希土類焼結磁石の製造方法であって、
    焼結用平板の上に平面状のNb箔及びステンレス箔を敷き、複数の前記磁石成形体を金属箔を折り曲げて包み込んだ状態且つ前記金属箔が内側からNb箔、ステンレス箔の順に重ねられた2重構造とされた状態で焼結することを特徴とする希土類焼結磁石の製造方法。
  11. 希土類元素を含む磁石成形体を焼結する希土類焼結磁石の製造方法であって、
    複数の前記磁石成形体を載置する底面と前記底面の周辺を取り囲む側壁とを備え、上面が開口部となる箱状の容器本体の底面にNb箔、Ti箔、白金箔、ステンレス箔から選ばれる1種又は2種以上からなる平面状の金属箔を敷き、メッシュ状の板で上下を挟み込まれた前記磁石成形体を前記金属箔で包み込み、前記容器本体内に収容した状態で焼結することを特徴とする希土類焼結磁石の製造方法。
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