JP4206172B2 - グローブボックス用リッドロック装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ストライカに係合し得るロックバーがボディに摺動可能に嵌合され、操作ノブの開き側への操作に応じてロックバーを係合解除位置側に作動させる作動位置と、ロックバーに作動力を及ぼすことのない非作動位置との間で直線的に移動する作動レバーの一端部が、シリンダ錠のロータが備える連結軸に連結されるグローブボックス用リッドロック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、かかるリッドロック装置では、作動レバーの一端部をロータが備える連結軸にプッシュナット等で連結して、作動レバーの連結軸からの抜止めを果すようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述のようなプッシュナットを用いたものでは、リッドロック装置の組立時にプッシュナットの組付作業が必要であり、組付作業が煩雑になるだけでなく、プッシュナットの組付代の管理が必要となる。しかもボディは、作動レバーがボディから抜けてしまうのを阻止する構造を有していないので、前記連結軸との連結前に作動レバーをボディ側に組み付けておくことができず、リッドロック装置のうちシリンダ錠のロータを除く部分を組み立ててリッドに取付けておき、最終的にロータをボディのシリンダ部に組込むような組立作業を行なうことができない。
【0004】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、ボディ側で作動レバーを支持しておくことを可能とした上で、連結軸および作動レバーの連結を容易とし、組立作業性を向上したグローブボックス用リッドロック装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、ボックス本体の開口部を開閉可能なリッドに取付けられるボディと;前記ボックス本体側に設けられるストライカに係合する係合位置ならびに前記ストライカとの係合を解除する係合解除位置間での摺動を可能として前記ボディに嵌合されるロックバーと;開閉操作を可能として前記ボディに回動可能に支承される操作ノブと;前記ボディに設けられるシリンダ部に回動可能に嵌合されるとともに連結軸を偏心位置に有するロータを含むシリンダ錠と;前記操作ノブの開き側への操作に応じて前記係合解除位置側に向けての作動力を前記ロックバーに及ぼし得る作動位置ならびに前記操作ノブの開き側への操作にかかわらず前記ロックバーに前記作動力を及ぼすことのない非作動位置間で、前記シリンダ錠の解錠及び鎖錠操作に応じた前記ロータの回動に連動して直線的に移動することを可能として前記連結軸に一端部が連結される作動レバーと;を備えるグローブボックス用リッドロック装置において、前記ボディに、該ボディに基端が直角に連なる軸部の先端に腕部が直角に連設されて成るL字状のフックが設けられ、前記連結軸を挿通、係合せしめる連結孔を一端部に備える作動レバーには、その作動レバーをフックに係合、支持する組立作業時に該フックの腕部を挿通させ得る挿通孔と、前記組立作業の完了状態で前記フックの軸部をガイドするガイド孔とがL字状に連なって設けられ、そのガイド孔による前記軸部のガイドは、前記ロータの前記回動に連動した前記作動レバーの前記作動位置および前記非作動位置間での移動に対応して、該ガイド孔内の限定された移動範囲内でのみ行われることを特徴とする。
【0006】
このような構成によれば、ボディに設けられるフックの腕部を前記組立作業時に作動レバーの挿通孔に挿通し、フックの軸部がガイド孔の中間部に位置するようにボディに対する作動レバーの相対位置を定めることにより、作動レバーをフックに係合、支持することができる。しかも作動レバーの一端部に設けられている連結孔に、ロータの連結軸が、挿通、係合されるので、リッドロック装置のうちシリンダ錠のロータを除く部分を組み立ててリッドに取付けておき、最終的にロータをボディのシリンダ部に組込むようにして、作動レバーおよび連結軸を連結することが可能であり、組立作業性を向上することが可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に示す本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0008】
図1〜図13は本発明の一実施例を示すものであり、図1はグローブボックスの正面図、図2は図1の2−2線に沿って示すリッドおよびリッドロック装置の拡大断面図、図3は図2の3−3線矢視方向から見たリッドロック装置の背面図、図4はリッドロック装置を正面側斜め下から見た分解斜視図、図5はリッドロック装置を背面側斜め上から見た斜視図、図6はリッドロック装置を背面側斜め下から見た分解斜視図、図7は図2の7−7線拡大断面図、図8は図2の8−8線拡大断面図、図9は図3の9−9線拡大断面図、図10は図9の10−10線断面図、図11は操作ノブを開き側に操作した状態での図2に対応した断面図、図12は図11の12−12線矢視方向から見たリッドロック装置の背面図、図13は作動レバーが非作動位置にある状態での図12に対応した図である。
【0009】
先ず図1において、乗用車両の車室内前部に配置されるインストルパネル15に、該インストルパネル15と一体であるボックス本体16と、ボックス本体16の開口部を開閉可能なリッド17とで構成されるグローブボックス18が、助手席19の前方に位置するようにして設けられる。
【0010】
リッド17およびボックス本体16間には、リッド17の閉鎖状態を維持するリッドロック装置20が設けられており、該リッドロック装置20は、リッド17の正面に臨んで配置されるシリンダ錠21を解錠状態にキー操作している状態での操作ノブ22の操作により、リッド17の閉鎖状態を解除するように作動する。
【0011】
図2において、リッド17は、その正面側の表板17aと、該表板17aとの間に間隔をあけた背面側の裏板17bとを有して合成樹脂により中空状に形成される。裏板17bの上部には、ボックス本体16側に設けられるストライカ23を挿脱可能に挿入させる挿入口24が設けられ、表板17aには、シリンダ錠21の一部を配置せしめるとともに、操作ノブ22を開閉操作可能に収容せしめる収容凹部25が設けられる。
【0012】
図3〜図6を併せて参照して、リッドロック装置20は、合成樹脂により形成されてリッド17に取付けられるボディ26と、前記ストライカ23に係合することを可能として前記ボディ26に摺動可能に嵌合されるロックバー27と、ボディ26に開閉操作可能として支承される前記操作ノブ22と、前記シリンダ錠21が備えるロータ28に一端が連結される作動レバー29とを備える。
【0013】
ボディ26はリッド17に収納されるものであり、ボディ26の両側に設けられる貫通孔30,31にそれぞれ挿通されるボルト(図示せず)がリッド17の裏板17bに螺合されることにより、ボディ26がリッド17に固定される。
【0014】
ボディ26には、挿入口24へのストライカ23の挿入方向32とほぼ直交する方向に延びる摺動孔33が設けられており、この摺動孔33の一端開口部は、リッド17にボディ26が取付けられた状態で前記挿入孔24の内方に配置される。
【0015】
またボディ26には、挿入口24から進入してくるストライカ23に対向する対向壁部34と、該対向壁部34にほぼ直角に連なって前記摺動孔33の一端開口部に対向する支持壁部35とが設けられ、対向壁部34には、進入してくるストライカ23に当接して該ストライカ23のボディ26への進入端を規制するゴム製のストッパ36が装着される。
【0016】
図7において、摺動孔33は、ほぼ四角形の横断面形状を有するように形成されており、摺動孔33の内面形状に対応した横断面形状を有するロックバー27が摺動孔33に摺動可能に嵌合される。しかもロックバー27には、ストライカ23の挿入方向32とほぼ直交する平面内で外側方に突出する一対の突条38,38が軸方向全長にわたって一体に設けられており、摺動孔33の内面には、それらの突条38,38を摺動可能に嵌合せしめる一対のガイド溝39,39が設けられる。
【0017】
また図8で示すように、摺動孔33の一端開口部に対向する支持壁部35の内面には、摺動孔33から突出したロックバー27の一端を収容する凹所40が設けられており、この凹所40の内面には、ストライカ23の挿入口24からの離脱方向とは逆方向から前記各突条38,38の一端部に当接する支持面41,41が形成される。
【0018】
ボディ26には、前記摺動孔33の他端を塞ぐ合成樹脂製のカバー42が装着される。このカバー42は、摺動孔33の他端を塞ぐ平板状のカバー主部42aと、ボディ26の正面側および背面側にそれぞれ2つずつ弾発的に接触するようにしてカバー主部42aに直角に連設される4つの係合部42b,42b…と、カバー主部42aの内面中央から突出する突部42cとを一体に備えるものであり、各係合部42b,42b…に係合孔43,43が設けられる。
【0019】
一方、ボディ26には、各係合孔43,43…に係合する係合爪45,45…が突設されており、カバー42は、各係合部42b,42b…の係合孔43,43…に係合爪45,45…を係合するようにしてボディ26に弾発係合される。しかもボディ26のリッド17への取付け時に、各係合部42b,42b…のうちの少なくとも1つ、この実施例では、各係合部42b,42b…のうちリッド17の裏板17bに対向する2つの係合部42b,42bが、リッド17における裏板17bの内面でボディ26との弾発係合を維持する側に押さえられる。
【0020】
カバー42におけるカバー主部42aおよびロックバー27の他端間にはコイル状のばね46が設けられ、このばね46が発揮するばね力により、ロックバー27が、その一端部を摺動孔33の一端から突出させる方向に付勢される。しかもばね46のカバー42側の端部には、カバー42が備える突部42cがばね46の位置決めのために嵌合される。
【0021】
ロックバー27の一端部において、挿入口24に進入してくるストライカ23に対向する側には傾斜面47が形成されており、ばね46のばね力により摺動孔33の一端からロックバー27の一端部が突出している状態で、挿入口24からストライカ23が進入してくると、該ストライカ23が前記傾斜面47に当接してロックバー27をばね46のばね力に抗して押し下げることになり、ストライカ23がロックバー27の一端部を乗り越えたときに、ロックバー27がばね46のばね力によってストライカ23に係合するように突出作動することになる。すなわち、ロックバー27は、摺動孔33から一端部を突出せしめてストライカ23に係合する係合位置と、ストライカ23との係合を解除するようにして摺動孔33内に収納される係合解除位置との間で、摺動孔33内を摺動することになる。
【0022】
摺動孔33を相互間に挟む2箇所でボディ26の正面側には、リッド17の表板17aに設けられている収容凹部25内に突入するようにして一対のブラケット48,49が突設されており、両ブラケット48,49で支持される支軸50で、操作ノブ22の上部内面に設けられる複数の支持部51,51…が回動可能に支持される。また操作ノブ22の内面には規制板52が突設されており、該規制板52は、図2で示すように、操作ノブ22の閉じ状態でボディ26の下面に当接し、操作ノブ22の閉じ側への回動端を規制する。
【0023】
さらに操作ノブ22の内面上部における幅方向中央部には、略L字状の係合板部53が、ボディ26側に突出するようにして一体に設けられ、この係合板部53は、操作ノブ22のボディ26への組付時には、ブラケット48および摺動孔33間に対応する位置に配置される。
【0024】
ボディ26には、シリンダ錠21のロータ28を回動可能に嵌合せしめる円筒状のシリンダ部54が、ブラケット49および貫通孔31間に配置されるようにして一体に設けられており、シリンダ部54のうちリッド17の収容凹部25に臨む部分は合成樹脂から成るシリンダカバー55で覆われる。而して該シリンダカバー55は、ボディ26に設けられた複数の係合爪56…に、シリンダカバーー55に設けられた係合孔57…を弾発係合するようにして、ボディ26に装着される。
【0025】
ロータ28は、シリンダカバー55の前面に設けられた円形の開口部58に前端を臨ませてシリンダ部54に嵌合され、ロータ28の後端はシリンダ部54の後端よりも突出される。しかもロータ28の後端面において該ロータ28の軸線から偏心した位置には、連結軸59が設けられる。
【0026】
作動レバー29は、シリンダ錠21におけるロータ28の後端面に一部を摺接させてボディ26の背面に対向する平板状のレバー主部29aと、該レバー主部29aに一端を連設させて略L字状に形成される連結腕部29bとを一体に有して、合成樹脂により形成される。しかも連結腕部29bは、ボディ26の背面側に配置されるレバー主部29aからボディ26の正面側に回り込むように配置されており、ボディ26には、連結腕部29bを貫通せしめるようにしてボディ26の正面および背面間を結ぶ連絡孔60が設けられる。
【0027】
図9および図10を併せて参照して、作動レバー29のレバー主部29aに対向する部分でボディ26の背面には、該ボディ26に基端が直角に連なる軸部61aの先端に腕部61bが直角に連設されて成るL字状のフック61が一体に設けられる。一方、作動レバー29のレバー主部29aには、フック61の腕部61bを組立作業時に挿通させ得る挿通孔63と、組立作業の完了状態でフック61の軸部61aをガイドするガイド孔62とがL字状に連なって設けられる。
【0028】
前記レバー主部29aには、前記ガイド孔62と平行に延びる長孔64が設けられており、長孔64およびガイド孔62間でレバー主部29aには、該レバー主部29aの他の部分よりも薄肉とした弾性変形部65が設けられる。
【0029】
フック61の腕部61bに対向する側で前記弾性変形部65には、ガイド孔62と平行に延びるガイド溝66と、該ガイド溝66の両端を連ならせた一対の凹部67,68とが形成され、ガイド溝66の深さは、両凹部67,68の深さよりも浅く設定される。
【0030】
フック61の腕部61bには、前記ガイド溝66および両凹部67,68に嵌合し得る突起69が突設され、該突起69には、レバー主部29aの一部がロータ28後端面に摺接していることにより前記弾性変形部65が押付けられる。
【0031】
作動レバー29の一端部であるレバー主部29aには連結孔70が設けられており、シリンダ錠21におけるロータ28が備える連結軸59が該連結孔70に挿通、係合される。これにより、シリンダ錠21のキー操作によるロータ28の回動に応じて作動レバー29が直線的に作動することになる。すなわちシリンダ錠21が解錠状態にあるときに突起69を凹部67に嵌合せしめる作動位置(図3で示す位置)と、シリンダ錠21が鎖錠状態にあるときに突起69を凹部68に嵌合せしめる非作動位置との間で、作動レバー29が直線的に作動する。而して作動位置および非作動位置間での直線的な移動時に作動レバー29のガイド溝66内を前記突起69が摺動することになり、フック61の軸部61aをガイドするガイド孔62も、作動位置および非作動位置間での作動レバー29の直線的な移動を許容するように形成される。
【0032】
ボディ26の正面側で前記摺動孔33に対応する部分には、該摺動孔33の内面を外部に開放するスリット71が、摺動孔33の軸線方向に延びて設けられており、ロックバー27の他端に直角に連設される係合突部72が、前記スリット71から外部に突出される。一方、作動レバー29が備える連結腕部29bは、前記係合突部72の上方に配置されており、該連結腕部29bの中間部下面には、前記係合突部72に上方から嵌合、当接する押圧凹部73が設けられる。この押圧凹部73は、作動レバー29の作動位置および非作動位置間での移動にかかわらず前記係合突部72に嵌合可能とすべく、作動レバー29の移動方向に沿って比較的長く形成される。
【0033】
また連結腕部29bの他端には、操作ノブ22に設けられている係合板部53に下方から当接可能な受け部74が設けられており、この受け部74は、作動レバー29が作動位置にある状態では係合板部53に下方から当接可能であるが、作動レバー29が非作動位置にある状態では係合板部53に下方から当接する位置から退避することになる。したがって作動レバー29が作動位置にある状態で操作ノブ22を開き側に操作したときには、図11および図12で示すように、係合板部53が受け部74に上方から当接して押圧することにより、作動レバー29が突起69の凹部67への嵌合部を支点として下方に回動し、ロックバー27の係合突部72に嵌合している押圧凹部73からロックバー27に、該ロックバー27が係合解除位置側に向けて作動せしめる作動力が作用することになる。これにより、ロックバー27のストライカ23との係合が解除され、リッド17を開放操作することができる。
【0034】
一方、作動レバー29が非作動位置にある状態で操作ノブ22を開き側に操作したときには、図13で示すように、係合板部53が受け部74に上方から当接することはなく、操作ノブ22の開き側の操作が空振りとなり、ロックバー27に作動レバー29から係合解除位置側に向けての作動力が作用することない。すなわち、ロックバー27のストライカ23との係合は解除されず、リッド17を開放操作することはできない。
【0035】
ところで、作動レバー29は、その作動位置で凹部67への突起69の嵌合部を支点として回動するのであるが、ロータ28の連結軸59を挿通、係合せしめている連結孔70は、前記支点まわりの作動レバー29の回動を許容するように、たとえば前記支点を中心とする円弧状に形成されている。また連結孔70は、この実施例では、作動レバー29におけるレバー主部29aの側面に開放しているのであるが、閉じた形状に連結孔70が形成されていてもよい。
【0036】
次にこの実施例の作用について説明すると、ロックバー27をストライカ23に係合する方向のばね力を発揮すばね46を、ロックバー27との間に介在せしめてボディ26に装着されるカバー42が合成樹脂から成るものであり、該カバー42が備える複数の係合部42b,42b…がボディ26に弾発係合されるので、カバー42のボディ26への装着が容易となり、リッドロック装置20の組立作業性を向上することができる。
【0037】
しかもリッドロック装置20のリッド17への組付状態では、カバー42が備える複数の係合部42b,42b…の少なくとも1つ、この実施例では2つが、ボディ26との弾発係合を維持する側にリッド17の内面で押さえられる。したがってリッド17の内面で押さえられた部分では係合部42bのボディ26への弾発係合状態が不所望に解除されることはなく、カバー42のボディ26への装着状態を確実に維持することができる。
【0038】
またストライカ23の挿入方向32とほぼ直交する平面内に配置されてロックバー27に一体に設けられる一対の突条38,38が、摺動孔33の内面に設けられた一対のガイド溝39,39に摺動可能に嵌合され、摺動孔33の一端開口部に対向してボディ26に設けられる支持壁部35に、ストライカ23の挿入口24からの離脱方向とは反対側から両突条38,38の一端部に当接し得る支持面41,41が形成されている。したがって係合位置にあるロックバー27の一端部にストライカ23が係合したリッド17の閉鎖状態でリッド17に開放方向の外力が加わったときには、ロックバー27の一端部は支持壁部35の支持面41,41に当接して支持され、またロックバー27の摺動孔33に対応する部分では一対の突条38,38のガイド溝39,39への嵌合によって支持されており、ストライカ23のロックバー27への係合部の両側で該ロックバー27がボディ26で支持されることになる。これにより、ボディ26の肉厚増大によって支持強度を高めることが不要であり、ボディ26の大型化、大重量化を避けつつ、ロックバー27を充分な支持強度で支持することが可能となる。
【0039】
さらにボディ26には、ボディ26に基端が直角に連なる軸部61aの先端に腕部61bが直角に連設されて成るL字状のフック61が設けられており、シリンダ錠21のロータ28が偏心して備える連結軸59を挿通、係合せしめる連結孔70を一端部に備える作動レバー29には、フック61の軸部61aをガイドするガイド孔62と、フック61の腕部61bを挿通させ得る挿通孔63とがL字状に連なって設けられている。したがって、フック61の腕部61bを作動レバー29の挿通孔63に挿通し、フック61の軸部61aがガイド孔62の中間部に位置するようにボディ26に対する作動レバー29の相対位置を定めることにより、作動レバー29をフック61に係合、支持することができる。
【0040】
しかも作動レバー29の一端部に設けられている連通孔70に、ロータ28の連結軸59が、挿通、係合されるので、リッドロック装置20のうちシリンダ錠21のロータ28を除く部分を組み立ててリッド17に取付けておき、最終的にロータ28をボディ26のシリンダ部54に組込むようにして、作動レバー29および連結軸59を連結することが可能であり、組立作業性を向上することが可能となる。
【0041】
また合成樹脂から成る作動レバー29のレバー主部29aには、該作動レバー29の作動位置および非作動位置にそれぞれ対応した一対の凹部67,68と、それらの凹部67,68よりも浅くして両凹部67,68間を結ぶガイド溝66とが形成された弾性変形部65が設けられ、フック61の腕部61bすなわちボディ26側に設けられて両凹部67,68間にわたるガイド溝66内での摺動を可能とした突起69を前記弾性変形部65に押付けるようにして、作動レバー29が配置されている。
【0042】
したがって、ロータ28の回動に応じて作動レバー29が作動位置および非作動位置間で移動する際に突起69がガイド溝66内を摺動することになるが、ガイド溝66は凹部67,68よりも浅く形成されており、作動位置および非作動位置間での作動レバー29の作動途中では、突起69が弾性変形部65を撓ませつつガイド溝66内を摺動するので、作動レバー29および突起69の摩擦力が比較的大きくなる。このため、シリンダ錠21を、非作動位置に対応した鎖錠位置ならびに作動位置に対応した解錠位置間でキー操作する際の途中の操作力が比較的大きくなるが、前記鎖錠位置および解錠位置に達したときには、突起69が凹部67,68にそれぞれ嵌合することによりキーに作用する反力が急激に低減することになり、シリンダ錠21のキー操作に節度感が得られることになる。 しかも節度感を得るにあたって、一対の凹部67,68およびガイド溝66が形成される弾性変形部65を作動レバー29に設けるとともに、ボディ26側に突起69を設けるだけであり、部品点数の増加を回避した簡単な構造でキー操作に節度感を得ることが可能となる。
【0043】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。
【0044】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ボディに設けられるフックの腕部を組立作業時に作動レバーの挿通孔に挿通し、フックの軸部がガイド孔の中間部に位置するようにボディに対する作動レバーの相対位置を定めることにより、作動レバーをフックに係合、支持することができる。しかも作動レバーの一端部に設けられている連結孔に、ロータの連結軸が、挿通、係合されるので、リッドロック装置のうちシリンダ錠のロータを除く部分を組み立ててリッドに取付けておき、最終的にロータをボディのシリンダ部に組込むようにして、作動レバーおよび連結軸を連結することが可能であり、組立作業性を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 グローブボックスの正面図である。
【図2】 図1の2−2線に沿って示すリッドおよびリッドロック装置の拡大断面図である。
【図3】 図2の3−3線矢視方向から見たリッドロック装置の背面図である。
【図4】 リッドロック装置を正面側斜め下から見た分解斜視図である。
【図5】 リッドロック装置を背面側斜め上から見た斜視図である。
【図6】 リッドロック装置を背面側斜め下から見た分解斜視図である。
【図7】 図2の7−7線拡大断面図である。
【図8】 図2の8−8線拡大断面図である。
【図9】 図3の9−9線拡大断面図である。
【図10】 図9の10−10線断面図である。
【図11】 操作ノブを開き側に操作した状態での図2に対応した断面図である。
【図12】 図11の12−12線矢視方向から見たリッドロック装置の背面図である。
【図13】 作動レバーが非作動位置にある状態での図12に対応した図である。
【符号の説明】
16・・・ボックス本体
17・・・リッド
20・・・リッドロック装置
21・・・シリンダ錠
22・・・操作ノブ
23・・・ストライカ
26・・・ボディ
27・・・ロックバー
28・・・ロータ
29・・・作動レバー
54・・・シリンダ部
59・・・連結軸
61・・・フック
61a・・軸部
61b・・腕部
62・・・ガイド孔
63・・・挿通孔
70・・・連結孔
Claims (1)
- ボックス本体(16)の開口部を開閉可能なリッド(17)に取付けられるボディ(26)と;前記ボックス本体(16)側に設けられるストライカ(23)に係合する係合位置ならびに前記ストライカ(23)との係合を解除する係合解除位置間での摺動を可能として前記ボディ(26)に嵌合されるロックバー(27)と;開閉操作を可能として前記ボディ(26)に回動可能に支承される操作ノブ(22)と;前記ボディ(26)に設けられるシリンダ部(54)に回動可能に嵌合されるとともに連結軸(59)を偏心位置に有するロータ(28)を含むシリンダ錠(21)と;前記操作ノブ(22)の開き側への操作に応じて前記係合解除位置側に向けての作動力を前記ロックバー(27)に及ぼし得る作動位置ならびに前記操作ノブ(22)の開き側への操作にかかわらず前記ロックバー(27)に前記作動力を及ぼすことのない非作動位置間で、前記シリンダ錠(21)の解錠及び鎖錠操作に応じた前記ロータ(28)の回動に連動して直線的に移動することを可能として前記連結軸(59)に一端部が連結される作動レバー(29)と;を備えるグローブボックス用リッドロック装置において、
前記ボディ(26)に、該ボディ(26)に基端が直角に連なる軸部(61a)の先端に腕部(61b)が直角に連設されて成るL字状のフック(61)が設けられ、
前記連結軸(59)を挿通、係合せしめる連結孔(70)を一端に備える作動レバー(29)には、その作動レバー(29)をフック(61)に係合、支持する組立作業時に該フック(61)の腕部(61b)を挿通させ得る挿通孔(63)と、前記組立作業の完了状態で前記フック(61)の軸部(61a)をガイドするガイド孔(62)とがL字状に連なって設けられ、
そのガイド孔(62)による前記軸部(61a)のガイドは、前記ロータ(28)の前記回動に連動した前記作動レバー(29)の前記作動位置および前記非作動位置間での移動に対応して、該ガイド孔(62)内の限定された移動範囲内でのみ行われることを特徴とするグローブボックス用リッドロック装置。
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JP20702999A JP4206172B2 (ja) | 1999-07-22 | 1999-07-22 | グローブボックス用リッドロック装置 |
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