JP4204279B2 - アウトカム志向型電子医療記録システム - Google Patents

アウトカム志向型電子医療記録システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、従来の電子カルテに代わる、アセスメントファイルを核とするアウトカム志向型電子医療記録システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
病院における医療記録として、従来から一般的に使用されている診療記録、いわゆるカルテがある。カルテは、医師や看護師が患者を観察して得られた情報を、2号紙といわれる未記入の罫線紙に筆記具で文章として記録したものである。カルテは、患者毎のファイルに入れてキャビネットなどに保管されるが、このような紙による記録および保管方法では、カルテを見たい場合にはキャビネットの所まで行って患者名のファイルを探し、ファイル内からカルテを見つけなければならず手間と時間が掛かる。また、情報を共有する際には、わざわざコピーする必要がある。
【0003】
このような不便さを解消するために、近年では、電子カルテというシステムが提案され、一部実施化されている。
【0004】
医療記録を電子化することにより、情報の共有が容易に行われ、また記録の内容をコンピュータ通信により医療関係者間、病院間で伝送や閲覧が可能になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の電子カルテにおいては、日々の患者状態を記録する医師記録・看護記録は、以前の紙ベースの診療記録内容を、そのままタイピングしてパソコン上に文章として記入しているに過ぎず、その内容はデータ化されていない。そのために、あとから記載内容をデータとして抽出できないのは、紙のカルテとまったく同じである。
【0006】
本発明は、従来の電子化されたカルテの内容が、単に文章の羅列にすぎないことにより、医療そのものの改善につながらなかった経緯を考慮し、医療記録からのデータの収集による医療の標準化、共有化、近代化を図ることのできるアウトカム志向型電子医療記録システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明のアウトカム志向型電子医療記録システムは、疾患の名称および術後の経過日ごとに作成され、前記疾患で治療を受ける患者についての症状と病状の諸達成目標であるアウトカムと、各アウトカム毎に割り当てられるアウトカムコードと、前記アウトカムを選ぶときに検索項目となる分類と、前記経過日における前記アウトカムの達成度合いの評価の基準となる指標であるアセスメントと、各アセスメント毎に割り当てられるアセスメントコードと、前記アセスメントの適正範囲と、各アウトカムを達成すると実行可能になるタスクと、前記アウトカムが使用されているパスのコードである使用パスコードとが電子項目として記述されているアセスメントシートデータを一疾患毎に全経過日分集合したアセスメントクラスデータをさらに各疾患について集合して構成したアセスメントファイルをデータベースとして備えたものである。
【0008】
本発明者らは、課題を解決するための手段として従来の電子カルテで欠如している機能のうち、次の3つの機能に着目した。
▲1▼医師記録・看護記録の標準化(記録されるべき記録を欠かさない)
▲2▼医師記録・看護記録の簡素化(効率的な記録)
▲3▼医師記録・看護記録の定量化(必要な患者情報をデータとして容易に抽出できる)
【0009】
これらの機能を満足するためには、個々の医師や看護師が知識や経験に基づいて行っている診断の判断基準、施すべき医療方法を文字の形で表記することが必要である。さらに、手術や投薬を行ったときに、患者の症状が、日毎に定められた目標通りに改善しているかどうかを診断すること、もし改善されていないときには、どのような原因が想定されるか、それに対してどのような治療を行うかの対策を規定しておくことも必要である。
【0010】
そのような診断の対象となる判断基準を、チェック項目として挙げておれば、従来のカルテのような文章を記述せずに、患者がそのチェック項目に適合しているかどうかをチェックするだけで済む。また、診断の抜けが無くなる。さらに、文章化しないで済むので、記録は簡素化され、しかも定量的に結果を記録することによりデータベース化が容易になる。
【0011】
なお、本明細書において「症状」とは、痛みがあるとか、食欲がないとかの患者の主観的な状況のバロメータであり、「病状」とは、体温とか、脈拍とか、血圧とかの客観的な状況のバロメータである。
【0012】
「アウトカム」とは、治療経過上に設定される患者の諸達成目標である。このアウトカム毎に、「アウトカムコード」が割り当てられ、またアウトカムを選ぶときに検索項目となる「分類」が設定される。分類はさらに、大分類、中分類、小分類に分けることもできる。
【0013】
「アセスメント」とは、観察項目や検査データおよびそれらの適正と考えられる状態や値の組み合わせである。ひとつのアウトカムとそれに関与する単一もしくは複数のアセスメント(図1のb参照)を組み合わせてセットにしたものを「アウトカムユニット」(図1のa参照)と呼ぶ。この管理レベルのアウトカムの中でも、診断名や経過日などを超えて普遍化されたものは、診断名や経過日の違う様々なアセスメントシートデータ上に流用できる。アウトカムには、諸達成目標のみで定義されるものと、その目標を達成した後に実施する作業である「タスク」との組み合わせで設定されるものがある。診断名不詳時には、治療を進めていくために設定される諸達成目標の基本単位ともなりうる。
【0014】
アセスメント毎に、「アセスメントコード」が割り当てられ、前記疾病についての当該経過日におけるアセスメントの「適正範囲」が指示される。
【0015】
「パス」とは、いわゆるクリニカルパスといわれるものであり、その日の治療目標としての、様々な視点からの比較的細かい(日常的かつ具体的な)レベルのアウトカムを明記したものである。このパスを表す「使用パスコード」が用いられる。
【0016】
「アセスメントシートデータ」とは、指定診断名毎の入院後(術後)経過日毎に設定されるアウトカムの集合体である紙ベースのアセスメントシートを電子化したデータであり、プリントアウトすればアセスメントシートとなるし、コンピュータの画面に表示して直接内容を確認し、また必要事項を入力することが出来る。このアセスメントシートデータは、新規診断名のアセスメントシートデータを作成する際に参照することもできる。
【0017】
「アセスメントクラスデータ」とは、一診断名に関するアセスメントシートデータの集合体である。新規診断名に関するアセスメントクラスデータを作成する際に参照することもできる。
【0018】
「アセスメントファイル」とは、定義されているアセスメントクラスデータの集合体であり、総合データベース、すなわち医療専門知識のマスタとなる。
【0019】
このアセスメントファイルは、日常の医療現場で行われている問題解決思考過程をアウトカムとアセスメントに分解して、診療対象となる疾患や治療法ごとに収集してまとめたものである。さまざまな疾患に対する過去の治療の実績から諸達成目標とその指標の組み合わせを抽出し、疾患をこえて整理することにより、人体の観察や診察のための疾患をこえた普遍的法則を明らかにする。これにより医療専門知識データベースであるアセスメントファイルが構築される。前記アウトカムには、アウトカムが達成された場合に行われる診療行為(タスク)を記載してもよい。
【0020】
前記アセスメントシートデータにおけるアウトカムは、前記疾患についての治療開始から退院日までの一連の診療の流れの中で、患者が達成すべき様々な目標として過去の治療の実績から収集されたものであり、アセスメントは、アウトカムが達成されたかどうかについて当該経過日における患者の観察項目および検査データを過去の実績に基づいて定められたものである。
【0021】
症状や病態をある程度細かく分解(部品化)して普遍的な判断基準を見つけていく作業は、意識的でなくとも多くの医療者が日常的に行っている。各医療者が持っているこれらの部品ごとの判断基準は、話し合いによって平均化したり科学的根拠にもとづいて適正化したりすることにより、標準化することが可能である。特に、専門の医師や医療技師等のスタッフが揃った病院、高度化された治療を施す病院には、他の病院などから紹介された、ある程度病名が分かった患者が診療、治療のために来院する。そうすると、その病名の治療記録も蓄積されるため、成功例や当院の医療の問題点が分かってくる。そのような治療実績から評価基準を多数作り、それを標準化する。
【0022】
このようにして標準化された部品を予め組み合わせて、ひとつの診療プランを作成することができる。これは現在試行されているクリニカルパスの目指すところとも合致する。これらの部品を集めたアセスメントファイルを、医療専門知識のデータベースとして、アウトカム志向型電子医療記録システムを構築する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は腹腔鏡下胆嚢摘出術の術後1日目の紙ベースのアセスメントシートを示す。このアセスメントシート1は、疾患名と術後の経過日の記載欄2と、アウトカム記載欄3と、アセスメント記載欄4と、分類記載欄5が設けられている。
【0024】
アウトカム記載欄3と、アセスメント記載欄4の記載は、術後の経過日が進むにつれて内容が異なっていく。アウトカム記載欄3には、アウトカムの他に、アセスメントが達成された場合に行われるべき診療行為(タスク)も併記されている。
【0025】
このアセスメントシートを電子化するときの電子入力項目を図2に示す。各項目の内容は次の通りである。
【0026】
(1)大分類
アウトカムを選ぶときに検索しやすいような分類である。アウトカムコードの前にもう一つ中分類を作ることもあり得る。
大分類を作ることにより検索が容易になる。
【0027】
(2)アウトカムコード
ひとつのアウトカムにひとつのアウトカムコードを作る。大分類・中分類で束ねることができるので、診療科ごとまたはパスごとに違っても良い。一つひとつのアウトカムのコーディングは、あまりルールで縛らずに行うことができ、作るときに楽である。
【0028】
(3)アウトカム
疾患の名称および術後の経過日ごとに、前記疾患で治療を受ける患者についての症状と病状の諸達成目標である。
【0029】
(4)アセスメントコード
ひとつのアセスメントにひとつのアセスメントコードをつける。
【0030】
(5)アセスメント
ひとつのアウトカムを評価するために必要な患者観察項目(おもに看護師による観察)と検査(採血検査やレントゲン検査、心電図など)を複数個あげる。
【0031】
(6)アセスメントの適正範囲
アセスメント項目の適正範囲はアセスメントと分けておく。
【0032】
(7)タスク
あるアウトカムを達成すると実行可能になるタスクを挙げる。必ずしもすべてのアウトカムにタスクは付随しない。また、すべてのタスクに達成すべきアウトカムが規定されるわけではない。タスクのコーディングも前記と同様に大分類を作って電子的に処理する。
【0033】
(8)使用パスコード
そのアウトカムが使用されているパスのコード(パスの種類、日数)をあげる。ほとんどが複数になるはずである。
【0034】
電子化したアセスメントシートは、その前段階として日めくり式パスの効率的な作成を可能にする(下記日めくり式パスビルダー)。さらに、その延長として標準化されていない診療方法に対する日めくり式パスの効率的な作成を可能にする(下記汎用日めくり式パスビルダー)。本発明における電子カルテは、さらにその延長として完成するものである。
【0035】
A.日めくり式パスビルダー
たくさんの日めくり式パスを作ると、アセスメントファイルに多くのデータが蓄積される。次に別の日めくり式パスを作る時、まずはアウトカムの組み合わせを決める。アセスメントファイル内に同一のアウトカムが入力されていれば、そのアウトカムに対する観察項目は容易に抽出することができる。入力されていないアウトカムは、追加入力していく。図3は日めくり式パスとアセスメントファイルとの関係を示す説明図である。
【0036】
このようにして、クリニカルパスの種類が増えてくれば、アウトカムを決めるだけで、観察項目はほとんどすべて自動抽出されるようになる。パスが3種類ぐらいでもかなりのアウトカムが集まる。
【0037】
すなわち、日めくり式パス作成をサポートする日めくり式パスビルダーになる。核となるデータベースを、ユーザーである医師、看護師自身が作り上げるものであるため、比較的安価なコストでソフト化することが可能である。
【0038】
B.汎用日めくり式パスビルダー
通常、クリニカルパスは、標準化したものをあらかじめ作っておいて使用している。そのため、標準化したクリニカルパスの適応をはずれた患者の記録は、従来の2号紙を用いて行われている。しかし、アセスメントファイルの電子化が進めば.、これらクリニカルパス適応外の患者の記録も、容易に日めくり式パスの形で作ることが可能になる。
【0039】
具体的には、ある患者のその日の記録画面(日めくり式パス型のテンプレート)を作るにあたり、まず、複数のスタッフ(いわゆるチーム)で、その日のアウトカムを決めることになる。アウトカムが決まれば、観察項目はアセスメントファイルを参照することにより、自動的に組み合わされてその日の記録画面(テンプレート)ができることになる。看護師は、その画面に従って患者観察を実行して記録していくことになる。
【0040】
問題点として、毎朝話し合ってアウトカムを設定することの煩雑さが懸念される。しかし、慢性的な経過をたどる患者の場合は、アウトカムの補正も、3日〜1週間単位で必要なことが多く、それほど負担にはならないと思われる。一方、合併症などにより、予定外の急激な変化が起こっている場合は、むしろスタッフ間での細かな意思の疏通が必要であるため、例え煩雑であっても、最低1日に1回はアウトカムの相互確認をすることは欠かせない。
【0041】
アウトカムの共通認識は、チーム医療の必須項日であり、こういったことを習慣づけることは診療レベルの底上げに繋がり、ひいては患者にとっても大きなメリットをもたらすことになる。
【0042】
C.電子カルテ
図4は、完成されたアウトカム志向型電子医療記録システムの概念図である。
【0043】
汎用日めくり式パスの運用が軌道に乗れば、標準化したクリニカルパスを用いることのできない患者も含めて、すべての患者に同じ形式の記録を提供することが可能になる。また、当院の前記日めくり式パスの入力方式は、バリアンス(アセスメントの適正範囲から外れた病状、症状)に関する記録も含めて、既にキーボード入力に適した形になっている。つまり、日めくり式パスとアセスメントシートそのものが、電子診療録(電子カルテ)のためのコンピュータープログラムの青写真といえる。電子化することにより、様々なデータを容易に抽出したり、様々なサブシステムと効率よく連動させることが可能になる。システムの核となるアセスメントファイルを充実させることにより、汎用日めくり式パスの対象患者の記録テンプレートを、効率よく作成することができる。
【0044】
図5は本発明の実施形態におけるアウトカム志向型電子医療記録システムの処理の流れを示すフローチャートである。なお、ここに示すシステム利用の流れは、基本的な一例を示す。患者の状態や治療現場の緊急や状況によって、人の動き、システム操作などの組み合わせはいくつかのパターンを持つ。
【0045】
以下、各ステップについて説明する。
ステップS100
医師、看護師が患者の病状、症状の観察を行う。
ステップS110
患者の病状、症状から診断名がつく場合はステップS120に、つかない場合はステップS210に進む。なお、「診断名」とは、アセスメントファイルにおける「使用パスコード」のパスの種類に相当する。
ステップS120
その診断名があるかどうか本システムを検索して問い合わせる。
ステップS130
診断名がある場合はステップS140に進み、ない場合はステップS210に進む。
ステップS140
指定診断名のアセスメントクラスからm日分のパス(日めくり)をシステム上で作成する。ここで「m」は、治療開始(入院)から治療終了(退院)までの日数である。この処理は、後述の図6に示す手順で行われる。
ステップS150
m日目の治療の実施とシステムへの記録を行う。
ステップS160
バリアンスがあるかどうか確認する。バリアンスがあればステップS170に進む。なければステップS180に飛ぶ。
ステップS170
バリアンスへの対処と記録を行う。
ステップS175
バリアンスの逸脱がなければステップS180に進む。逸脱があれば、それまでの診断名に基づいたパスの使用を中止してステップS210に移行し、パスを新たに作り直す。
ステップS180
一日が終了していなければステップS150からS170の工程を繰り返す。一日が終了すればステップS190に進む。
ステップS190
アウトカム、クリティカルインディケーターの達成確認と記録を行う。
ステップS195
バリアンスの逸脱がなければステップS200に進む。逸脱があれば、それまでの診断名に基づいたパスの使用を中止してステップS210に移行し、パスを新たに作り直す。
ステップS200
患者が転帰に該当するかどうかで処理を分ける。転帰でなければ、予定したm日以降のパスに進むため、ステップS150に戻る。転帰であれば、終了する。ここで「転帰」とは、診療を終了する理由が退院(自宅への退院)、転院、転科、死亡などのうちのいずれかをいう。
ステップS210
ステップS110で診断名がつかない場合、およびステップS130で診断名がない場合は、病状、症状から直近のアウトカムを決定する。
ステップS220
n日目のパス(日めくり)のアウトカムをシステムに作成する。この処理は、後述の図7に示す手順で行われる。
ステップS230
n日目の治療の実施とシステムへの記録を行う。
ステップS240
バリアンスがあるかどうか確認する。バリアンスがあればステップS250に進む。なければステップS260に飛ぶ。
ステップS250
バリアンスへの対処と記録を行う。
ステップS255
バリアンスの逸脱がなければステップS260に進む。逸脱があれば、それまでのパスの使用を中止してステップS210に戻る。
ステップS260
一日が終了していなければステップS230からS250の工程を繰り返す。一日が終了すればステップS270に進む。
ステップS270
アウトカム、クリティカルインディケーターの達成確認と記録を行う。
ステップS280
患者が転帰に該当するかどうかで処理を分ける。転帰でなければ、予定したm日以降のパスに進むため、ステップS210に戻る。転帰であれば、終了する。
【0046】
図6は、図5のステップS140において指定診断名はあるが既存のアセスメントクラスが無い場合に、類似した既存のアセスメントクラスから新しいアセスメントクラスを作成する手順を示すフローチャートである。このフローチャートでは、人の操作とシステムの処理とを分けて記載している。
ステップS290
診断名が特定できたときの日めくりパス(「日めくり式パス」と同じ。)新規生成機能を呼び出す。
ステップS292
システム側では、日めくりパス新規生成の画面を表示し、指定診断名の入力を促す。
ステップ294
ステップS120において問い合わせた確定診断名を入力する。
ステップS300
指定した診断名を持つアセスメントクラスをアセスメントファイルデータベースより取得する。検索に際しては、使用パスコードのうち、パスの種類で検索する。アセスメントファイルデータベースからは、使用パスコードのうち、パスの種類で集合させたもの(アセスメントクラス)を出力する。なお、ステップS290において、ステップS120で確定した診断名をステップ292で自動的に引き継ぎ、ステップS292の入力とステップ294の処理をスキップして、ステップS300へ移行することもある。
ステップS310
i日目のアセスメントシートの読み込みを行う。ここで、iは1日目からx日目(退院予定日)の各日を表す。
ステップS320
日めくりパスのi日目分の新規作成を行う。
ステップS330
i日目のアセスメントシートからj個目のアウトカムユニットを読む。ここでjは1個目からy個目(アウトカム数)のそれぞれを表す。
ステップS340
i日目の日めくりパスへj個目のアウトカムをセットする。
ステップS350
j個目のアウトカムユニットからk個目のアセスメントエレメントを読む。ここでkは1個目からz個目(アセスメント数)のそれぞれを表す。
ステップS360
k個目のアセスメントエレメントをi日目の日めくりパス上のアセスメント欄(T検査、処置、(タスク)、H患者状態、F機能、K知識・教育)にセットする。ステップS350とS360は、アセスメントの数zだけ繰り返す。また、ステップS330からS360は、アウトカムの数yだけ繰り返す。
ステップS370
i日目の日めくりパスの新規作成を完了する。ステップS310からS370は、アセスメントシートの数xだけ繰り返す。
ステップS372
作成内容の確認と日めくりパス登録指示を行う。
ステップS374
日めくりパスを日めくりパスデータベースに格納する。
【0047】
図7は、図5のステップS220のn日目のパス(日めくり)のアウトカムをシステムに作成する手順を示すフローチャートである。
ステップS380
診断名が特定できないときの(汎用)日めくりパス新規生成機能を呼び出す。
ステップS382
システム側では、日めくりパス新規生成の画面表示を行い、アウトカムの設定を促す。
ステップS384
アウトカム検索機能を呼び出す。
ステップS386
アウトカム検索の画面表示を行う。
ステップS388
アウトカム候補をアウトカムコードあるいは名称で指定する。
ステップS390
アウトカム候補に基づいてアセスメントファイルデータベースに検索処理を行い、検索結果を集合させたもの(アウトカムユニット)を出力および表示する。
ステップS392
アウトカム検索結果からアウトカムユニットを確定する。なお、一度に検索されるアウトカムは、1件のときもあれば複数のときもある。
ステップS400
i日目における日めくりパスの新規作成を行う。
ステップS410
i日目のアセスメントシートからj個目のアウトカムユニットを読む。ここでjは1個目からy個目(アウトカム数)のそれぞれを表す。
ステップS420
i日目の日めくりパスへj個目のアウトカムをセットする。
ステップS430
j個目のアカウントユニットからk個目のアセスメントエレメントを読む。ここでkは1個目からz個目(アセスメント数)のそれぞれを表す。
ステップS440
k個目のアセスメントエレメントをi日目の日めくりパス上のアセスメント欄(T検査、処置、(タスク)、H患者状態、F機能、K知識・教育)にセットする。ステップS430とS440は、アセスメントの数zだけ繰り返す。また、ステップS410からS440は、アウトカムの数yだけ繰り返す。
次いで、日めくり式パスにその日のタスクを読み込む。
ステップS450
i日目の日めくりパスの新規作成を完了する。
ステップS460
作成内容の確認と日めくりパス登録指示を行う。なお、アウトカムが不足している場合、ステップS384に戻る。
ステップS470
日めくりパスを日めくりパスデータベースに格納する。
【0048】
図8は、検索処理の具体例を示すフローチャートである。以下に、各ステップを説明する。
ステップS500
診断名検索機能を呼び出す。
ステップS510
検索画面を表示する。
ステップS520
診断名候補(キーワード)入力と検索手段を設定する。なお、一度に検索される診断名は1件のときもあれば、複数のときもある。
ステップS530
システム側で、検索処理および結果表示を行う。ここで、検索対象は、▲1▼アセスメントファイルのうち使用パスコードで診断名が特定できるもの、▲2▼ビュー表、テーブル、ファイルなど、▲1▼を別の集合データとしたものとすることができる。
ステップS540
検索手段を選択する。一致検索のときはステップS550に進み、あいまい検索のときはステップS590に進む。
ステップS550
アセスメントファイルデータベースに対して問い合わせ処理を行う。
ステップS560
問い合わせに対する該当データがあるかどうか判断する。
ステップS570
データがないときは、「診断名がみつからない」旨のメッセージ(ステップS575)を出力する。
ステップS580
データがあるときは、「診断名がみつかった」旨のメッセージ(ステップS585)を表示する。
ステップS590
あいまい検索による問い合わせ処理をアセスメントファイルデータベースに対して行う。あいまい検索には、前方一致検索、後方一致検索、部分一致検索、正規表現検索などがある。
ステップS600
データがないときはステップS570に移行する。データがあるときは、ステップS610に進む。
ステップS610
結果一覧表示を行う。
ステップS620
一覧の中から、診断名を見つける。
【0049】
図9は治療記録(ステップS150、S230)、バリアンス記録(ステップS170、S250)、アウトカム、クリティカルインディケータの記録(ステップS190、S270)を含む電子カルテの記録手順を示すフローチャートである。以下、各ステップについて説明する。
ステップS700
治療記録機能の呼び出しを行う。
ステップS710
システムは、治療記録画面を表示する。
ステップS720
当該患者の日めくりパスの検索条件を入力する。
ステップS730
システムは、日めくりパスデータベースから読み出された当該患者の日めくりパスを表示する。
ステップS740
医師、看護師による治療の実施を行う。
ステップS750
医師、看護師は、記録内容の入力と保存を指示する。
ステップS760
システムは、日めくりパスデータベースに入力された内容を保存処理する。
このようにして、本発明のアウトカム志向型電子医療記録システムを用いて看護、医療データの記録、アセスメントファイルのデータベース化を図ることができる。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、アセスメントシートの集合体であるアセスメントファイルを電子化してデータベースを構築することにより、標準化された日毎の医師・看護記録の作成を効率的に行うことができる。標準化された日毎の医師・看護記録は、選択方式やチェック方式での電子入力形式がほとんどであるため、記録は簡素化される。さらに、予め設定された項目別に結果が定量的に入力されるため、記録をデータ化することができる。
このようにして、医療記録からのデータの収集による医療の標準化、共有化、近代化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 紙ベースのアセスメントシートの例を示す表面図である。
【図2】 アセスメントシートを電子化するときの電子入力項目を示す表である。
【図3】 日めくり式パスとアセスメントファイルとの関係を示す説明図である。
【図4】 完成されたアウトカム志向型電子医療記録システムの概念図である。
【図5】 本発明の実施形態におけるアウトカム志向型電子医療記録システムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】 図5のフローチャートにおける「診断名あり」の場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】 図5のフローチャートにおける「診断名なし」の場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】 検索処理の具体例を示すフローチャートである。
【図9】 電子カルテの記録手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
a アウトカムユニット
b アセスメント
1 アセスメントシート
2 疾患名と術後の経過日の記載欄
3 アウトカム記載欄
4 アセスメント記載欄
5 分類記載欄

Claims (1)

  1. 疾患の名称および術後の経過日ごとに作成され、前記疾患で治療を受ける患者についての症状と病状の諸達成目標であるアウトカムと、
    各アウトカム毎に割り当てられるアウトカムコードと、
    前記アウトカムを選ぶときに検索項目となる分類と、
    前記経過日における前記アウトカムの達成度合いの評価の基準となる指標であるアセスメントと、
    各アセスメント毎に割り当てられるアセスメントコードと、
    前記アセスメントの適正範囲と、各アウトカムを達成すると実行可能になるタスクと、
    その日の治療目標として前記アウトカムが使用されている日めくり式パスにおける診断名、日数を表すコードである使用パスコードと
    が電子項目として記述されているアセスメントシートデータを一疾患毎に全経過日分集合したアセスメントクラスデータをさらに各疾患について集合して構成したアセスメントファイル
    をデータベースとして備え、
    患者の病状、症状から判断された診断名が前記データベースにおける使用パスコードにあるか否かを検索する手段と、
    前記診断名が前記使用パスコードにある場合の日めくり式パス新規生成機能呼び出し操作に基づいて、日めくり式パス新規生成画面を表示する手段と、
    前記日めくり式パス新規生成画面の指定診断名の欄に確定診断名が入力されたときにその指定診断名を持つアセスメントクラスを前記アセスメントファイルのデータベースより前記アセスメントクラスデータとして出力する手段と、
    前記出力されたアセスメントクラスデータに基づいて、当該指定診断名の疾患についての治療開始から治療終了までの各日の前記アセスメントシートデータの読み込みを前記データベースより行う手段と、
    前記読み込んだ各日のアセスメントシートデータからのアウトカムおよびアセスメントに基づいて、各日分の日めくり式パスを作成する手段と、
    前記日めくり式パスの各項目への入力画面表示し、入力があったときは入力内容をデータとしてシステムに記録する手段と、
    バリアンスの逸脱があったときまたは前記診断名が前記使用パスコードにないときの汎用日めくり式パス新規生成機能呼び出し操作に基づいて、汎用日めくり式パス新規生成画面を表示する手段と、
    前記汎用日めくり式パス新規生成画面のアウトカム検索画面において指定されたアウトカム候補に基づいて、前記アセスメントファイルデータベースに検索処理を行い、検索結果を集合させたものを出力および表示する手段と、
    前記アウトカムの検索結果から選択されたものを、当日の日めくり式パスのアウトカムとしてシステムに記録する手段と、
    記録された日めくり式パスを前記アセスメントシートデータとして保存する手段と、
    を有するアウトカム志向型電子医療記録システム。
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