JP4203974B2 - ダム用魚道 - Google Patents

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    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/60Ecological corridors or buffer zones

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はダムに付設するのに好適な魚道に関する。なお、「ダム」は水をせき止める作用をなす堰(せき)や堤を含み、水位の高低差の小さなものから大きなものまでを包含したダムである。
【0002】
【従来の技術】
図20は従来のダムの断面図であり、ダムの堤体200は水201をせき止める役割を果たすものであるから、魚202,203はともに堤体200を越えることはできない。産卵のためなどに遡上する遡上魚を考えると、堤体200に次に説明する魚道を付設することが望ましい。
図21は従来の魚道の断面図であり、勾配θ(例えば1/10)の魚道210を設ければ、この魚道210を通ることで魚202,203は堤体200を越えることができる。この様な魚道210を、いつも水が流れていることから「せせらぎ魚道」と呼称することが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図21で堤体200の高さをH、勾配をθとすれば、魚道210の水平長さLは、H/θとなる。例えば、Hが50m、勾配が1/10であれば、水平長さLは、500mとなる。地形の制約があるときにはこの様な長大な魚道210を堤体200の脇に設けることは難しい。
そのときには階段状魚道やスラローム魚道といった特殊な形式の魚道を採用せざるを得ない。この様な特殊な魚道は建設費用が嵩むとともに、それほどコンパクトにはならない。
【0004】
ところで、大量の水を効果的に貯溜するにはHが大きなハイダムが必要となる。高さHが大きいほど魚道が課題となることは上述した通りである。
そこで、本発明の目的はハイダムに好適な新しい形式の魚道を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、堤体の下流側の低水路と上流側のダム湖とを結ぶ魚道であって、この魚道は、低水路に半沈又は沈めた低位チャンバと、この低位チャンバを低水路に連通する入口を遮断する低位ゲートと、前記低位チャンバから立上げた縦管と、この縦管の上部をダム湖の水面下に繋ぐ横管と、横管の出口を塞ぐ高位ゲートと、前記低位チャンバに湖水を供給する注水管及び注水弁と、低位チャンバの水を低水路へ排出する排水管及び排水弁と、前記低位チャンバへ魚を誘導するために空気を吹込む空気吹込み管及び空気弁と、低水路の魚を低位チャンバに呼び込むために低位ゲートを開き、一定時間後閉じ、注水弁を開いて低位チャンバ、縦管及び横管に湖水を注水し、次に高位ゲートを開いて魚をダム湖へ送り出し可能にする一連の動作を実行する制御部と、からなることを特徴としたダム用魚道である。
【0006】
低水路の魚を低位チャンバに呼び込むために低位ゲートを開き、一定時間後閉じ、注水弁を開いて低位チャンバ、縦管及び横管に湖水を注水し、次に高位ゲートを開いて魚をダム湖へ送り出す。
即ち、湖水圧を巧みに利用して、低水路の魚をダム湖に移動する。
【0007】
請求項2は、堤体の下流側の低水路と上流側のダム湖とを結ぶ魚道であって、この魚道は、低水路に半沈又は沈めた低位チャンバと、この低位チャンバを低水路に連通する入口を遮断する低位ゲートと、前記低位チャンバから立上げた縦管と、この縦管の上端をダム湖の水面より上の空間に開口する横管と、前記縦管の上端近傍に湖水を注入する注水装置と、前記低位チャンバに湖水を供給する注水管及び注水弁と、低位チャンバの水を低水路へ排出する排水管及び排水弁と、前記低位チャンバへ魚を誘導するために空気を吹込む空気吹込み管及び空気弁と、低水路の魚を低位チャンバに呼び込むために低位ゲートを開き、一定時間後閉じ、注水弁を開いて低位チャンバ及び縦管に湖水を注水し、次に注水装置で縦管の上端近傍に湖水を注水することで魚をダム湖へ送り出す一連の動作を実行する制御部と、からなることを特徴としたダム用魚道である。
【0008】
低水路の魚を低位チャンバに呼び込むために低位ゲートを開き、一定時間後閉じ、注水弁を開いて低位チャンバ及び縦管に湖水を注水し、次に注水装置で縦管の上端近傍に湖水を注水することで魚をダム湖へ送り出す。
即ち、湖水圧を巧みに利用するとともに、水の不足分は注水装置で補うことで、低水路の魚をダム湖に移動する。
【0009】
請求項3は、堤体の下流側の低水路と上流側のダム湖とを結ぶ魚道であって、この魚道は、低水路に半沈又は沈めた低位チャンバと、この低位チャンバを低水路に連通する入口を遮断する低位ゲートと、前記低位チャンバから立上げた縦管と、この縦管の上端をダム湖の水面より上の空間に開口する横管と、低位チャンバに内蔵した密封構造のインナチャンバと、このインナチャンバの内外を連通するためにインナチャンバの下部に開けた通孔と、インナチャンバの上部空間に空気を吹込むインナチャンバ用空気吹込み管及びインナチャンバ用空気弁と、インナチャンバの上部空間に溜まった空気を排出する空気抜き管及び空気抜き弁と、低位チャンバの水を低水路へ排出する排水管及び排水弁と、前記低位チャンバへ魚を誘導するために空気を吹込む空気吹込み管及び空気弁と、低水路の魚を低位チャンバに呼び込むために低位ゲートを開き、一定時間後閉じ、インナチャンバ用空気弁を開いてインナチャンバの水を押出すことにより、低位チャンバの水を縦管及び横管を介してダム湖へ放出して、魚をダム湖へ送り出す一連の動作を実行する制御部と、からなることを特徴としたダム用魚道である。
【0010】
低水路の魚を低位チャンバに呼び込むために低位ゲートを開き、一定時間後閉じ、インナチャンバ用空気弁を開いてインナチャンバの水を押出すことにより、低位チャンバの水を縦管及び横管を介してダム湖へ放出して、魚をダム湖へ送り出す。
即ち、空気圧を巧みに利用して、低水路の魚をダム湖へ移動する。
【0011】
請求項4は、ゲートや各弁を開閉するときに使用する圧縮空気や低位チャンバに吹込む空気などダム用魚道で使用する圧縮空気は、ダムの放流水で水車羽根を廻し、この水車羽根で圧縮機羽根を廻すところの圧縮空気発生装置で発生させることを特徴とする。
【0012】
ダムの放流水で圧縮空気を製造し、この圧縮空気で魚道に係るゲートの開閉及び各種弁の開閉を実施する。
【0013】
請求項5は、低位チャンバ内に、魚を誘導するための音響発振器又は発光ランプを配置したことを特徴とする。
振動波又は光で魚を誘導し、低位チャンバへ集める。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、請求項と図面との対応は次の通りである。
請求項1に係る発明は図1,2,3及び図5,6,7で説明する。
請求項2に係る発明は図8,9,10で説明する。
請求項3に係る発明は図11,12,13,14で説明する。
請求項4に係る発明は図4で説明する。
請求項5に係る発明は図3で説明する。
【0015】
図1は本発明に係る魚道(第1実施例)の斜視図であり、魚道10は、ダムの堤体11の下流側の低水路12と上流側のダム湖13とを結ぶ魚の通り道であって、低水路12に半沈又は沈めた低位チャンバ15と、この低位チャンバ15を低水路12に連通する入口16を遮断する低位ゲート17と、低位チャンバ15から斜め上若しくは真上へ立上げた縦管18と、この縦管18の上部19をダム湖13の水面下に繋ぐ横管21と、横管21の出口を塞ぐ高位ゲート22と、次図で説明する配管類からなる。23,23は縦管18を支える管台である。
【0016】
図2は本発明に係る魚道(第1実施例)の断面図であり、魚道10は、低位チャンバ15、低位ゲート17、縦管18、横管21、高位ゲート22に加えて、低位チャンバ15に湖水を供給する注水管25及び注水弁26と、低位チャンバ15内部の水を低水路12へ排出する排水管27及び排水弁28と、低位チャンバ15へ魚を誘導するために空気を吹込む空気吹込み管29及び空気弁31と、低水路12の魚を低位チャンバ15に呼び込むために低位ゲート17を開き、一定時間後閉じ、注水弁26を開いて低位チャンバ15、縦管18及び横管21に湖水を注水し、次に高位ゲート22を開いて魚をダム湖13へ送り出し可能にする一連の動作を実行する制御部32と、からなる。
【0017】
なお、図示する通りに、横管21はダム湖13の水面下に開口させればよく、具体的にはダム湖13の水面下1〜5m程度の位置に設ける。
水面下5mであれば、高位ゲート22に0.5kg/cm2の水圧が掛る。この水圧が大きいほどバルブアクチエータ(昇降用シリンダ等)の能力を高めなければならない。また、水中にある高位ゲート22を点検する上でも5mが限度である。従って、水面下1〜5mの範囲に横管21を設けることが望ましい。
【0018】
図3は本発明に係る低位チャンバの断面図であり、低位チャンバ15は、床34、前壁35、側壁36,36(手前の36は不図示)、奥壁37及び堤体11に向って上り勾配とした傾斜天井38とからなる小部屋であり、前壁35に入口16を備え、傾斜天井38の堤体11寄り位置に縦管18の下端を結合したものである。
【0019】
更に、床34に注水管25、空気吹込み管29及び排水管27を連結し、加えて音響発振器41を設け、奥壁37の下部に発光ランプ42を設けることで、低位チャンバ15内に、音響発振器41や発光ランプ42を配置したものである。
魚類は光やある種の音に誘導される性質を有するものが少なくない。そこで、発光ランプ42で誘導光を発射し、音響発振器41で誘導振動波を発することができるように工夫した。
なお、音響発振器41と発光ランプ42との両方を配置することが望ましいが、対象とする魚の習性に応じて、効果が大きいと思われる一方のみを配置することは差支えない。
【0020】
以上に述べた通りに低位チャンバ15を床34、壁35〜37及び傾斜天井38からなる箱体にすれば、予め工場で製作することができ、工場で製作した低位チャンバ15をダムサイトへ搬入し、低水路12へ沈めればよいから、現場工事が少なくなり、工期の短縮が図れる。
しかし、床34を低水路12の川床で代用し奥壁37を堤体11の前面で代用することで床34及び奥壁37を省略することもできる。
【0021】
また、図1に示した通りに低位チャンバ15は縦管18の径に比較して、断面積を十分に大きくした。これは遡上魚を集め易くすることを目的としたものである。
しかし、縦管18の下にラッパ管を接続し、このラッパ管に下位ゲート17を付設しても目的を達成することができるので、低位チャンバ15の形状は格別に限定するものではない。
【0022】
図4は本発明に好適な圧縮空気発生装置の原理図であり、ダム湖13には上流の河川から恒常的に水が流れ込む。そこで、流入水に相当する量の水を放流管49を通じて低水路12へ放流することで、ダム湖13の水位を所定のレベルに保つようにしており、従来はこの種の放流水は単に放流管49を通じて放流するだけであった。
一方、図2に示す低位ゲート17及び高位ゲート22を昇降するための空気シリンダと、注水弁26や排水弁28や空気弁31を開閉する空気シリンダと、空気吹込み管29に供給する圧縮空気は必要である。
本発明では、これらの用途に供するために、放流水を巧みに利用して必要な圧縮空気を製造することのできる圧縮空気発生装置50をダムの付属設備に加えたことを特徴とする。
【0023】
具体的には、圧縮空気発生装置50は、水車と圧縮機とを機械的に連結したものであり、例えば、ベース51と、軸受52,52と、軸53と、この軸53の一端に取付けた水車羽根54と、この水車羽根54を囲う水車ケーシング55と、軸53の他端に取付けた圧縮機羽根56と、この圧縮機羽根56を囲う圧縮機ケーシング57と、この圧縮機ケーシング57の入口に取付けたエアフィルタ58と、圧縮機ケーシング57の出側に設置したエアタンク59とからなる。
【0024】
この様な圧縮空気発生装置50を放流管49の途中に割り込ませる。
放流管49の弁を開ければ、ダム湖13の水が水車ケーシング55に流れ込み、水車羽根54を廻して、水車ケーシング55から出て、放流管49を通じて低水路12に至る。ダム湖13の水深が60mであれば、湖底の水圧は水頭60m(6kg/cm2相当)となり、流体は高圧であるほど大きなエネルギーを有する。このエネルギーで水車羽根54が高速で回転することになる。
【0025】
この結果、圧縮機羽根56も高速で回転し、エアフィルタ58を通じて吸入したエアに遠心力を付与し、これに伴なう速度エネルギー(動圧)を圧縮機ケーシング57のデフューザ(巻貝状の環状室)で圧力エネルギー(静圧)に変換することで、連続的に4kg/cm2程度の圧縮空気が製造可能となる。この様にして製造した圧縮空気をエアタンク59に溜め、必要に応じて使用すればよい。
【0026】
なお、水車羽根54と圧縮機羽根56との間に増速機を置き、圧縮機羽根56を1.5〜2.5倍程度増速すれば、6〜8kg/cm2程度のより高圧の圧縮空気を得ることができる。ただし、製造空気量はその分減少する。
【0027】
以上に述べた魚道(第1実施例)の作用を次の図5〜図7にて説明する。
図5(a),(b)は本発明の魚道(第1実施例)の作用説明図(その1)である。
先ず、(a)において圧縮空気を送って低位ゲート17を開く。そして、音響発振器41を作動させて誘導波を発信すると共に発光ランプ42にて誘導光を発射する。加えて空気吹込み管29から空気を吹出す。魚類は振動、光に誘導される性質を有すると共に、富酸素エリアに集る性質を有する。従って、低水路12にいる魚は誘導されて低位チャンバ15に入る。
【0028】
一定時間が経過したら、(b)に示す通りに低位ゲート17を閉じる。この後は発光ランプ42及び音響発振器41は止める。空気吹込みは継続して、低位チャンバ15内の水中溶解酸素を補う。
【0029】
図6(a),(b)は本発明の魚道(第1実施例)の作用説明図(その2)である。
(a)にて、注水弁26を開く。すると、ダム湖13の水(湖水)が注水管25を通じて低位チャンバ15に至り、低位チャンバ15を満たし、次に縦管18を上昇する。この上昇は、連通管原理により、縦管18の水の水面がダム湖13の水面に一致するまで続く。
【0030】
(b)にて、縦管18の水位がダム湖13の水位に一致したら、高位ゲート22を開く。この高位ゲート22の両面(図では左右面)に作用する水圧は同一であるから、高位ゲート22を上昇させるための引揚げ力は小さくなる。従って、高位ゲート22は簡単に開く。この間に、空気吹込み管29から連続して空気を吹込めば、泡が傾斜天井38に沿って縦管18に至り、且つ縦管18を上昇する。魚はこの泡を追うように縦管18を登り、横管21を介してダム湖13に至る。
【0031】
なお、低位ゲート17に6kg/cm2程度の水圧が掛り、水洩れが予想されるが、注水弁26を開いたままにしておけば、洩れた分を湖水で補給することができる。低位ゲート17は完全水密構造であればなお好いが、若干リークがあっても問題はない。リークを許容するれば安価なゲートを採用することができるという利点を第1実施例は有する。
【0032】
図7(a),(b)は本発明の魚道(第1実施例)の作用説明図(その3)である。
(a)にて、注水弁26を閉じ、高位ゲート22を閉じ、次に排水弁28を開ける。すると、横管21、縦管18及び低位チャンバ15の水が排水管27を通じて、低水路12に流れ出る。この排水は低位チャンバ15の水位が低水路12の水位と一致するまで続く。この際に、縦管18の上端が開放しているため、ここから空気が入り、縦管の排水が妨げられることはない。
次に、(b)にて排水弁28を閉じ、低位ゲート17を開く。これで、図5(a)に戻り、以降図5→図6→図7→図5→図6→・・・の順で繰り返せばよい。
【0033】
以上に述べた魚道(第1実施例)は、ダム湖の水圧を巧みに利用したものであり、且つ放流水で製造した圧縮空気でバルブ(弁)を開閉するともに、ゲートを昇降すれば、外部から電気エネルギーや化石エネルギーを供給することなく、魚を遡上させることができる。
ただし、この第1実施例は、ダム湖の水位があまり変動しないものに適しており、標準水位と最高水位(大雨増水時など)とに大きな差がある場合には、横管21の位置が定まらず、必ずしも適当とは言えない。そのときには次の第2実施例が有効となる。
【0034】
図8は本発明に係る魚道(第2実施例)の断面図であり、上記第1実施例と共通する要素は符号を流用する。第3実施例以降においても同様。
第2実施例の魚道10B(第1実施例の魚道10と区別するために、B又はCを添える。)は、堤体11の下流側の低水路12と上流側のダム湖13とを結ぶ魚の通路であって、低水路12に半沈又は沈めた低位チャンバ15と、この低位チャンバ15を低水路12に連通する入口16を遮断する低位ゲート17と、低位チャンバ15から立上げた縦管18Bと、この縦管18Bの上端をダム湖13の水面より上方の空間に開口する横管21Bと、縦管18Bの上端近傍に湖水を注入する注水装置60と、低位チャンバ15に湖水を供給する注水管25及び注水弁26と、低位チャンバ15の水を低水路12へ排出する排水管27及び排水弁28と、低位チャンバ15へ魚を誘導するために空気を吹込む空気吹込み管29及び空気弁31と、低水路12の魚を低位チャンバ15に呼び込むために低位ゲート17を開き、一定時間後閉じ、注水弁26を開いて低位チャンバ15及び縦管18Bに湖水を注水し、次に注水装置60で縦管18Bの上端近傍に湖水を注水することで魚をダム湖13へ送り出す一連の動作を実行する制御部32Bと、からなる。
【0035】
第1実施例と異なり、第2実施例は、縦管18Bに横管21Bを曲管形状に連続させたものである。
また、注水装置60は、水ポンプ61、第2注水管62及び弁63とからなる。この水ポンプ61の駆動源は、前記圧縮空気発生装置50(図4参照)で発生した圧縮空気を駆動源としたエジェクタが望ましいが、電動ポンプであってもよい。
また、低位チャンバ15は第1実施例で説明したものと同じであるから、構造説明を省略する。
【0036】
以上の第2実施例に係る魚道の作用を次に説明する。
図9(a)〜(c)は第2実施例に係る魚道の作動説明図(その1)である。
(a)にて、低位ゲート17を開けて魚を呼び込む。発光ランプや音響発生機は省略した。
(b)にて、一定時間経過後、低位ゲート17を閉じる。
(c)にて、注水弁26を開け、注水管25を通じて湖水を低位チャンバ15へ注入する。縦管18Bを満たす水の水位は湖面と同一になるものの、横管21Bに達することはない。そこで、次図を実施する。
【0037】
図10(a),(b)は第2実施例に係る魚道の作動説明図(その2)である。
(a)にて、水ポンプ61を起動し、第2注水管62を介して湖水を縦管18Bの上端に注入する。この注入水は縦管18Bの上端を満たした後、横管21Bを介してダム湖13へ溢れる。これで、低位チャンバ15が湖面に繋がったことになる。空気吹込み管29を通じて空気を吹込めば、魚は泡に誘導され、ダム湖13に至る。
(b)にて、一定時間後、排水弁28を開け、排水管27を通じて水を低水路12へ排出し、低位ゲート17を開ける。これで、図9(a)に戻ったことになる。
【0038】
この第2実施例では湖水圧を巧みに利用していること、高位ゲートが不要であること、ダム湖13の水位が大きく変動しても差支えないことを特徴とする。
ただし、注水装置60(水ポンプ61と第2注水管62と弁63)が必要となる。次の第3実施例では注水装置60を見掛け上、廃止することができる。
【0039】
図11は本発明に係る魚道(第3実施例)の断面図であり、魚道10Cは、堤体11の下流側の低水路12と上流側のダム湖13とを結ぶ魚の通路であって、低水路12に半沈又は沈めた低位チャンバ15Cと、この低位チャンバ15Cを低水路12に連通する入口を遮断する低位ゲート17Cと、低位チャンバ15Cから立上げた縦管18Bと、この縦管18Bの上端をダム湖13の水面より上の空間に開口する横管21Bと、低位チャンバ15Cに内蔵した密封構造のインナチャンバ65と、このインナチャンバ65の内外を連通するためにインナチャンバ65の下部に開けた通孔(図12で説明する。)と、インナチャンバ65の上部空間に空気を吹込むインナチャンバ用空気吹込み管67及びインナチャンバ用空気弁68と、インナチャンバ65の上部空間に溜まった空気を排出する空気抜き管71及び空気抜き弁72と、低位チャンバ15Cの水を低水路12へ排出する排水管27及び排水弁28と、低位チャンバ15Cへ魚を誘導するために空気を吹込む空気吹込み管29及び空気弁31と、低水路12の魚を低位チャンバ15Cに呼び込むために低位ゲート17Cを開き、一定時間後閉じ、インナチャンバ用空気弁68を開いてインナチャンバ65の水を押出すことにより、低位チャンバ15Cの水を縦管18B及び横管21Bを介してダム湖13へ放出して、魚をダム湖13へ送り出す一連の動作を実行する制御部32Cと、からなる。
【0040】
図12は第3実施例の低位チャンバの断面図であり、低位チャンバ15Cは、床34と、前壁35と、側壁36,36(手前の36は不図示)と、比較的低い天井39と、低位ゲート17Cと、インナチャンバ65と、このインナチャンバ65の下部に開けた通孔66・・・(・・・は複数個を示す。以下同様。)と、インナチャンバ65の空気を抜く空気抜き管71及び空気抜き弁72と、インナチャンバ65に空気を吹込むインナチャンバ用空気吹込み管67及びインナチャンバ用空気弁68と、からなる。なお、この第3実施例では低位ゲート17Cは水密性能の高い構造のものを使用する。
【0041】
以上の構成からなら第3実施例の作用を説明する。
図13(a),(b)は第3実施例の作用説明図(その1)である。
(a)にて、低位ゲート17Cを開き、魚を呼び込む。並行して、空気抜き弁72を開いて、インナチャンバ65を排気可能状態にする。この結果、溜まっていた空気が抜けて、インナチャンバ65は満水になる。
一定時間経過後に、(b)にて低位ゲート17Cを閉じ、空気抜き弁72を閉じる。
【0042】
図14(a),(b)は第3実施例の作用説明図(その2)である。
(a)にて、インナチャンバ用空気弁68を開き、インナチャンバ用空気吹込み管67を介して圧縮空気をインナチャンバ65に吹込む。吹込んだ空気がインナチャンバ65の内部上部に溜まり、その分だけ、水を通孔66を通じてインナチャンバ65外へ押出す。この押出された水が低位チャンバ15Cの水に加わることで、低位チャンバ15Cが満水になり、続いて縦管18Bを満たし始める。
【0043】
この実施例で使用する圧縮空気は湖水の水深が60mであれば、少なくとも7kg/cm2、好ましくは10kg/cm2の高圧空気を使用する。6kg/cm2未満では圧力に余裕がなく、次の(b)が円滑に実行できないからである。
【0044】
(b)は、インナチャンバ65の水を十分に押出した状態を示し、このときに縦管18Bが満水となり且つ横管21Bから水が湖水へ溢れでる。予め空気吹込み管29で空気を吹込めば気泡で魚が誘導され、水と共に魚が横管21Bから湖水に至ることになる。次に排水弁28を開いて、横管21B及び縦管18Bの水を低水路12へ排出して、図13(a)に戻す。
【0045】
この第3実施例は、インナチャンバ65を内蔵するため低位チャンバ15Cの構造がやや複雑になる。しかし、図8で示した注水管25、注水弁26及び注水装置60が不要となり、魚道は全体としてコンパクトになり見栄えが良くなる。
この第3実施例及び先に述べた第2実施例は「遡上」に好適な魚道であり、魚をダム湖13から低水路12へ戻す魚道ではない。そこで、下流側へ魚を移動する技術を次に説明する。なお、ダム湖13から低水路12へ戻すことを「降河」と呼ぶことにする。
【0046】
図15は降河用魚送装置の斜視図(参考図)であり、降河用魚送装置80は、密閉容器であるベッセル81と、ベッセル81の天井に設けた開口82及びこの開口82を塞ぐシャッタ83と、魚を集めるためにベッセル81の天井に立てた網フェンス84及びガイドフェンス85,85と、フェンス84,85,85を湖面に半沈させ、ベッセル81を沈めるごとくにレベルを保つフロート86,86及びアンカ87・・・と、網フェンス84へ魚を追込むために水流を発生させるスプレーパイプ88と、吸引パイプ89から水を吸込み、加圧してスプレーパイプ88へ送る循環ポンプ90と、シャッタ83を開け、一定時間経過後に閉じ、ベッセル81の上部にエア供給管91を通じて圧縮空気を吹込んでベッセル81内の水及び魚を魚送管92を通じて高所へ送り出す一連の動作を実行する制御部93と、その他の配管類からなる。
【0047】
図16(a)〜(c)は降河用魚送装置の作用説明図(参考図)である。
(a)において、魚を網フェンス84に追込み、ベッセル81の内部に設けてある音響発信器41で振動波を発信し、発光ランプ42を点灯し、シャッタ83を開ける。網フェンス84に近づいた魚は音響及び光に誘導され、開口82を通じてベッセル81に入る。
【0048】
(b)において、シリンダに圧縮空気を供給してシャッタ83を閉じ、且つエア供給管91でベッセル81に圧縮空気を吹込む。この吹込みにより、ベッセル81内部の水の水位が下り、その分だけ水が魚送管92を通じて排出される。この水と共に魚は強制的にベッセル81外へ出る。
(c)において、魚送管92の先を堤体11を越えさせ、縦管18に差込めば、ダム湖13の魚を縦管18へ戻すことができる。
【0049】
この後、(b)に戻って、弁94,95を開き、弁95から空気を排出しつつ、弁94を通じて、湖水をベッセル81に注入する。注入が終ったら、弁94,95を閉じる。これで図16(a)の状態に戻すことができる。すなわち、(a),(b)を繰り返すことにより間欠的に魚を降河させることができる。
【0050】
図17は総合的魚道システムの斜視図(参考図)であり、総合的魚道システム100は、ダム湖13と低水路12とを区切る堤体11自身又は堤体11の近傍に設けた、水位がダム湖13の水面より上位となる上段池101並びに水位がダム湖13の水面より下位となる中段池102と、これら上段池101と中段池102とを結ぶ傾斜水路(スラローム水路やせせらぎ水路を含む)103と、上段池101に魚及び水を送る降河用魚送装置80(詳細は図15参照)と、上段池101の底をダム湖13に連通し、上段池101の水及び魚を残らずダム湖13へ落とす上段池ドレーン管104と、低水路12に半沈又は沈めた図3記載の低位チャンバ15と、この低位チャンバ15を低水路12に連通する入口を遮断する低位ゲート17と、低位チャンバ15から立上げた縦管18Bと、この縦管18Bの上端を中段池102の水面より上の空間に開口する横管21Bと、低位チャンバ15に湖水を供給する注水管(図18に示す符号25)及び注水弁(図18に示す符号26)と、低位チャンバ15の水を低水路12へ排出する排水管及び排水弁(図18に示す符号27,28)と、低位チャンバ15へ魚を誘導するために空気を吹込む空気吹込み管及び空気弁(図18に示す符号29,31)と、中段池102の水及び魚を残らず低水路12へ落とす中段池ドレーン管105とからなる。
【0051】
なお、107は小川であり、この小川107の注水で傾斜水路103に常に流れを造る。中段池102における余剰水はオーバフロー水路108を通じて低水路12へ流す。従って、上段池101及び中段池102が溢れる心配はない。109は魚止めネットである。
【0052】
図18は総合的魚道システムの作用説明図(参考図)(その1)であり、注水管25及び注水弁26で低位チャンバ15に注水すること、排水管27及び排水弁28にて低位チャンバ15の水を低水路12へ排出すること、及び空気吹込み管29及び空気弁31にて低位チャンバ15へ空気を吹込むことは、第2実施例で説明した通りである。ただし、中段池102がダム湖13より十分下位にあるので、注水管25を通じて低位チャンバ15に湖水を送ると、この湖水は縦管18Bの上端より上まで上昇する力があり、この結果、水は横管21Bから中段池102に出る。即ち、図8で示した注水装置60や図11で示したインナチャンバ65は不要となる。その他の排水管27、排水弁28、空気吹込み管29及び空気弁31の作用は既述の通りであるからここでは説明を省略する。
【0053】
図18において、低位チャンバ15、縦管18B及び横管21Bを通じて、矢印(1)の通りに、低水路12の魚を中段池102へ移送する。中段池102の魚は傾斜水路103を矢印(2)の通りに自力で遡上する。矢印(1),(2)により上段池101に魚が集ることが期待できる。
そこで、一定時間経過したら、第1ドレーン弁111を開いて上段池ドレーン管104を通じて、上段池101の溜まり水を全量ダム湖13へ落とす(矢印(3))。これで、上段池101の魚も全てダム湖13に移動したことになる。
【0054】
図19は総合的魚道システムの作用説明図(参考図)(その2)であり、降河用魚送装置80にて矢印(4)の通りにダム湖13の魚を上段池101へ移す。降河を目指す魚であれば上段池101から傾斜水路103を通って中段池102へ移動する(矢印(5))。
一定時間毎に、第2ドレーン弁112を開いて中段池ドレーン管105を通じて、中段池102の溜まり水を魚と共に全量低水路12へ落とす(矢印(6))。矢印(4)(6)でダム湖13の魚を低水路12へ移すことができる。
【0055】
すなわち、図18は遡上作用図、図19は降河作用図であり、この双方向の作用を達成できる図17に示した総合的魚道システム100は水位高低差の大きなダム(ハイダム)に好適であると言える。
【0056】
尚、縦管18,18Bは実施例の様に堤体11の外壁に沿わせた斜めの管のほか、堤体11に埋め込んだ埋設管、堤体11に空洞形成したトンネルの何れであってもよい。
【0057】
また、低位ゲート17,17C自体に排水弁28を組込み、排水管27を低位ゲート17,17Cに一体化することもできる。
【0058】
さらに又、堤体11前後の水位差が小さい場合には、入口16を閉じる低位ゲート17,17Cで排水弁28を兼ねさせることもできる。この場合には、入口16が排水管27を兼ねる。従って、排水管27及び排水弁28は独立して設けること、他の部材に兼用させることの何れであってもよい。
【0059】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、低位チャンバと、縦管と、横管と、湖水を低位チャンバに注入する注水管及び注水弁と、制御部でダム用魚道を構成し、低水路の魚を低位チャンバに呼び込むために低位ゲートを開き、一定時間後閉じ、注水弁を開いて低位チャンバ、縦管及び横管に湖水を注水し、次に高位ゲートを開いて魚をダム湖へ送り出すようにしたものであって、湖水圧を巧みに利用して、低水路の魚をダム湖に移動させることができるものである。
縦管を上昇する水に連れて魚を低水路から高所のダム湖へ移動するので、魚にダメージを与えることなく、円滑に遡上させることができる。魚道は全体として縦長の構成となるため、ハイダムに容易に設置できる且つ魚道のコンパクト化が達成できる。
【0060】
請求項2は、低位チャンバと、縦管と、横管と、縦管上部に注水する注水装置と、湖水を低位チャンバに注入する注水管及び注水弁と、制御部でダム用魚道を構成し、低水路の魚を低位チャンバに呼び込むために低位ゲートを開き、一定時間後閉じ、注水弁を開いて低位チャンバ及び縦管に湖水を注水し、次に注水装置で縦管の上端近傍に湖水を注水することで魚をダム湖へ送り出すものであって、湖水圧を巧みに利用するとともに、水の不足分は注水装置で補うことで、低水路の魚をダム湖に移動させることができるものである。
縦管を上昇する水に連れて魚を低水路から高所のダム湖へ移動するので、魚にダメージを与えることなく、円滑に遡上させることができる。魚道は全体として縦長の構成となるため、ハイダムに容易に設置できる且つ魚道のコンパクト化が達成できる。
【0061】
請求項3は、低位チャンバと、縦管と、横管と、低位チャンバの水を押上げるためのインナチャンバ及びインナチャンバ用空気吹込み管並びにインナチャンバ用空気弁と、制御部でダム用魚道を構成し、低水路の魚を低位チャンバに呼び込むために低位ゲートを開き、一定時間後閉じ、インナチャンバ用空気弁を開いてインナチャンバの水を押出すことにより、低位チャンバの水を縦管及び横管を介してダム湖へ放出して、魚をダム湖へ送り出すものであって、空気圧を巧みに利用して、低水路の魚をダム湖へ移動させることができるものである。
縦管を上昇する水に連れて魚を低水路から高所のダム湖へ移動するので、魚にダメージを与えることなく、円滑に遡上させることができる。魚道は全体として縦長の構成となるため、ハイダムに容易に設置できる且つ魚道のコンパクト化が達成できる。
【0062】
請求項4では、ダムの放流水で圧縮空気を製造し、この圧縮空気で魚道に係るゲートの開閉及び各種弁の開閉を実施する。
一般にゲートの開閉及び各種弁の開閉のための圧縮空気はモータを駆動源とするコンプレッサで製造するので、電気費が嵩む。この点、請求項4によれば、ダムの放流するで圧縮空気を製造するので、電気が不要となり、外から電気を買う必要がなくなり、運転費の削減が図れる。
【0063】
請求項5は、低位チャンバ内に、魚を誘導するための音響発振器又は発光ランプを配置したことを特徴とし、振動波又は光で魚を誘導し、低位チャンバへ集めるようにしたので、低位チャンバに効果的に魚を集めることができ、魚の移動を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る魚道(第1実施例)の斜視図
【図2】 本発明に係る魚道(第1実施例)の断面図
【図3】 本発明に係る低位チャンバの断面図
【図4】 本発明に好適な圧縮空気発生装置の原理図
【図5】 本発明の魚道(第1実施例)の作用説明図(その1)
【図6】 本発明の魚道(第1実施例)の作用説明図(その2)
【図7】 本発明の魚道(第1実施例)の作用説明図(その3)
【図8】 本発明に係る魚道(第2実施例)の断面図
【図9】 第2実施例に係る魚道の作動説明図(その1)
【図10】 第2実施例に係る魚道の作動説明図(その2)
【図11】 本発明に係る魚道(第3実施例)の断面図
【図12】 第3実施例の低位チャンバの断面図
【図13】 第3実施例の作用説明図(その1)
【図14】 第3実施例の作用説明図(その2)
【図15】河用魚送装置の斜視図(参考図)
【図16】河用魚送装置の作用説明図(参考図)
【図17】合的魚道システムの斜視図(参考図)
【図18】合的魚道システムの作用説明図(参考図)(その1)
【図19】合的魚道システムの作用説明図(参考図)(その2)
【図20】 従来のダムの断面図
【図21】 従来の魚道の断面図
【符号の説明】
10,10B,10C…魚道、11…堤体、12…低水路、13…ダム湖、15,15C…低位チャンバ、16…低位チャンバの入口、17,17C…低位ゲート、18,18B…縦管、21,21B…横管、22…高位ゲート、25…注水管、26…注水弁、27…排水管、28…排水弁、29…空気吹込み管、31…空気弁、32,32B,32C…魚道の制御部、41…音響発振器、42…発光ランプ、50…圧縮空気発生装置、53…軸、54…水車羽根、56…圧縮機羽根、60…注水装置、61…水ポンプ、65…インナチャンバ、66…通孔、67…インナチャンバ用空気吹込み管、68…インナチャンバ用空気弁、80…降河用魚送装置、81…ベッセル、82…ベッセルの開口、83…シャッタ、84…網フェンス、85…ガイドフェンス、86…フロート、87…アンカ、91…エア供給管、92…魚送管、93…降河用魚送装置の制御部、100…総合的魚送システム、101…上段池、102…中段池、103…傾斜水路、104…上段池ドレーン管、105…中段池ドレーン管、111…第1ドレーン弁、112…第2ドレーン弁。

Claims (5)

  1. 堤体の下流側の低水路と上流側のダム湖とを結ぶ魚道であって、この魚道は、低水路に半沈又は沈めた低位チャンバと、この低位チャンバを低水路に連通する入口を遮断する低位ゲートと、前記低位チャンバから立上げた縦管と、この縦管の上部をダム湖の水面下に繋ぐ横管と、横管の出口を塞ぐ高位ゲートと、前記低位チャンバに湖水を供給する注水管及び注水弁と、低位チャンバの水を低水路へ排出する排水管及び排水弁と、前記低位チャンバへ魚を誘導するために空気を吹込む空気吹込み管及び空気弁と、低水路の魚を低位チャンバに呼び込むために低位ゲートを開き、一定時間後閉じ、注水弁を開いて低位チャンバ、縦管及び横管に湖水を注水し、次に高位ゲートを開いて魚をダム湖へ送り出し可能にする一連の動作を実行する制御部と、からなることを特徴としたダム用魚道。
  2. 堤体の下流側の低水路と上流側のダム湖とを結ぶ魚道であって、この魚道は、低水路に半沈又は沈めた低位チャンバと、この低位チャンバを低水路に連通する入口を遮断する低位ゲートと、前記低位チャンバから立上げた縦管と、この縦管の上端をダム湖の水面より上の空間に開口する横管と、前記縦管の上端近傍に湖水を注入する注水装置と、前記低位チャンバに湖水を供給する注水管及び注水弁と、低位チャンバの水を低水路へ排出する排水管及び排水弁と、前記低位チャンバへ魚を誘導するために空気を吹込む空気吹込み管及び空気弁と、低水路の魚を低位チャンバに呼び込むために低位ゲートを開き、一定時間後閉じ、注水弁を開いて低位チャンバ及び縦管に湖水を注水し、次に注水装置で縦管の上端近傍に湖水を注水することで魚をダム湖へ送り出す一連の動作を実行する制御部と、からなることを特徴としたダム用魚道。
  3. 堤体の下流側の低水路と上流側のダム湖とを結ぶ魚道であって、この魚道は、低水路に半沈又は沈めた低位チャンバと、この低位チャンバを低水路に連通する入口を遮断する低位ゲートと、前記低位チャンバから立上げた縦管と、この縦管の上端をダム湖の水面より上の空間に開口する横管と、低位チャンバに内蔵した密封構造のインナチャンバと、このインナチャンバの内外を連通するためにインナチャンバの下部に開けた通孔と、インナチャンバの上部空間に空気を吹込むインナチャンバ用空気吹込み管及びインナチャンバ用空気弁と、インナチャンバの上部空間に溜まった空気を排出する空気抜き管及び空気抜き弁と、低位チャンバの水を低水路へ排出する排水管及び排水弁と、前記低位チャンバへ魚を誘導するために空気を吹込む空気吹込み管及び空気弁と、低水路の魚を低位チャンバに呼び込むために低位ゲートを開き、一定時間後閉じ、インナチャンバ用空気弁を開いてインナチャンバの水を押出すことにより、低位チャンバの水を縦管及び横管を介してダム湖へ放出して、魚をダム湖へ送り出す一連の動作を実行する制御部と、からなることを特徴としたダム用魚道。
  4. ゲートや各弁を開閉するときに使用する圧縮空気や低位チャンバに吹込む空気などダム用魚道で使用する圧縮空気は、ダムの放流水で水車羽根を廻し、この水車羽根で圧縮機羽根を廻すところの圧縮空気発生装置で発生させることを特徴とした請求項1、請求項2又は請求項3記載のダム用魚道。
  5. 前記低位チャンバ内に、魚を誘導するための音響発振器又は発光ランプを配置したことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載のダム用魚道。
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