JP4529103B2 - 浮遊渚を利用した水循環装置 - Google Patents

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  • Aeration Devices For Treatment Of Activated Polluted Sludge (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地球温暖化ならびに地球環境破壊、省エネルギー等エネルギー資源の枯渇化と地球環境問題等が、大きな課題となっている今日において、クリーンな自然エネルギーを利用して海洋やダム・湖沼等の底層部にある貧酸素水を取水して水面上に揚水し、放水することにより、上層水中での底層水の拡散、混合、或いは外部の新鮮な水と閉鎖性水域等に滞留する滞留水を循環、交換、拡散、ならびに混合し、貧酸素水の改善や、ひいては水質浄化効果を得ること等の分野に関するものである。
【0002】
また、栄養塩のある海洋深層水を海面上に揚水し、上層水と底層水の循環、交換、拡散、或いは混合することにより、上層水に含まれる植物プランクトンを、深海より汲み上げた栄養塩で増殖し、光合成作用を起こさせて、大気中の二酸化炭素の吸収、二酸化炭素の海洋固定、ならびに魚貝類や海藻類等の生物生産の増加等の分野にも関するものである。
【0003】
【従来の技術】
港湾等、外洋から隔離されて一部閉鎖されている閉鎖性水域にあっては、水の流れが緩慢で水面と水底の水が混ざり難いために、水底近傍に形成される層(以下、底層という)に酸素が行き届かず澱みやすい。また、外洋等においては水面近傍に形成される層(以下、上層という)にはプランクトンの成長に欠かせない栄養が乏しくなりがちである。このため、上記のような水域にあっては上層水と底層水を循環、交換、拡散、或いは混合することが望まれる。
【0004】
しかし、底層水は冷水であるために、密度が大きく、せっかく汲み上げてもすぐにもとの位置に沈んでしまう。
そのため、従来では電気モーターや内燃機関等の駆動源を用いて、この深層水(底層水)や、表層水(上層水)を取水して水の循環、交換、拡散、或いは混合するのが一般的であった。
【0005】
一方、自然エネルギーを利用したもので海水等の汲上手段としては、波力を利用して取水する装置で本発明と同一発明人が発明した「海水等の汲上装置」(特公平6−72594号公報)が一般的によく知られている。図20に示すように、この海水等の汲上装置111は、水面S上に浮上し、そのほぼ中心部に汲上管112が設けられ、この管が取水目的の水深まで下げられ、この水底SG近傍の水を波の上下動で浮体113ならびに汲上管112を上下動させることにより、逆止弁114、115、116、117の作用により、底層部にある底層水を、汲上管112から排出管118、119を通り、水面S上に汲み上げるものである。
【0006】
海水等の汲上装置111は、波を利用して作動するものであるために、石油、石炭等の環境汚染等につながるエネルギー源を一切必要とせず、一旦設置した後は、半永久的に作動し続ける非常に優れた汲上装置である。
よって、深海等の栄養塩の多く含まれた深層水(底層水)を水面上に汲み上げる手段として海水等の汲上装置を用いた場合には、非常に安価な費用で、半永久的に深層水(底層水)を水面上に汲み上げ、水の循環、交換、表層水中での深層水の拡散、或いは混合し続けることが期待できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この海水等の汲上装置で汲み上げた水は、冷水でありこの水が水面上で表層水と十分な拡散、混合が行われる機構がないために、せっかく汲み上げた水がすぐにまた、もとの位置に沈降してしまう現象が起こり、水質浄化の処理量や、植物プランクトンの増殖量、光合成作用等における二酸化炭素の吸収量、生物生産の増加量等において装置の性能面や効率面で大きな課題があった。
【0008】
また、海水等の汲上装置は底層水を直上の水面上に汲み上げるのみであって、外部の新鮮な水を、閉鎖性水域等の最奥部で貧酸素水が滞留するこの汚染水域に送水するようなポンプ機能は持ち合わせていないために、ポンプ装置としては片手落ちの部分があり課題があった。
また、この海水等の汲上装置の動力源は、波エネルギーのみであるために、波がないときには全く作動しない現象があるために、年間を通じた安定作動、安定効果といった面からも大きな課題があった。
【0009】
そこで、本発明の目的は上記課題を解決し、簡易な構造で効率良く、人為的操作や化石エネルギー資源等を一切必要とせず、半永久的に深層水(底層水)を汲み上げ、水面上の表層水との循環、拡散、混合し続けることや、外部の新鮮な水と閉鎖性水域等の滞留水を循環、交換、拡散或いは混合することで、地球温暖化防止、ならびに大気中の二酸化炭素濃度の削減、海域の肥沃化、水産資源の増養殖、生物生産の増加、水質の浄化等の面で十分にその効果を発揮することができる浮遊渚を利用した水循環装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、傾斜板の水面下端側の周縁から、上向きに中心部に向かって傾斜した傾斜板を有し、上記中心部で上記傾斜板に開放口を設け、且つ、その下方にタンクが設けられた本体と、該本体の上記傾斜板上に上記中心部から上記傾斜板上を上記下端側の周縁に向かって放射状に立設した、波を収斂するための収斂提とを備え、上記中心部が水面上に出るように上記本体を水面に浮かせ、波の動きに伴って上記中心部から進入する水を利用し、浮遊渚を利用した水循環装置において、
上記開放口から下方に設けられたタンクに、装置外部に連通するノズル部を有し、そのノズル部に接続したフレキシブルホースとを備え、
上記収斂提に区切られた上記傾斜板の上面を遡上して上記開口から上記タンク内に進入した水の水位と本体外部の水の水位差によって上記タンク内の水を装置外部へ送水することを特徴とする浮遊渚を利用して水循環させるとよい。
【0023】
そして、傾斜板の水面下端側の周縁から、上向きに中心部に向かって傾斜した傾斜板を有し、上記中心部で上記傾斜板に開放口を設け、且つ、その下方にタンクが設けられた本体と、該本体の上記傾斜板上に上記中心部から上記傾斜板上を上記下端側の周縁に向かって放射状に立設した、波を収斂するための収斂提とを備え、上記中心部が水面上に出るように上記本体を水面に浮かせ、波の動きに伴って上記中心部から進入する水を利用し、浮遊渚を利用した水循環装置において、
上記開放口から下方に設けられたタンクに、装置外部に連通するノズル部を有し、そのノズル部に接続したフレキシブルホースとを備え、
上記タンクの側壁に穴を開けるとともに、上記傾斜板にも穴を開け、上記穴と穴を管で結び、上記管に上記傾斜板に開けた穴から、上記タンクの側壁に開けた穴の方向にのみ水が流れるようにした逆止弁を設け、
上記収斂提に区切られた上記傾斜板の上面を遡上して、上記傾斜板にあけた穴より上記管を通じて上記逆止弁の作用により、上記タンク内に進入し、上記フレキシブルホースなどを介して、装置外部へ送水されることを特徴とする浮遊渚を利用して水循環させるとよい。
【0024】
そして、傾斜板の水面下端側の周縁から、上向きに中心部に向かって傾斜した傾斜板を有し、上記中心部で上記傾斜板に開放口を設け、且つ、その下方にタンクが設けられた本体と、該本体の上記傾斜板上に上記中心部から上記傾斜板上を上記下端側の周縁に向かって放射状に立設した、波を収斂するための収斂提とを備え、上記中心部が水面上に出るように上記本体を水面に浮かせ、波の動きに伴って上記中心部から進入する水を利用し、浮遊渚を利用した水循環装置において、
上記開放口から下方に設けられたタンクに、装置外部に連通するノズル部を有し、そのノズル部に接続したフレキシブルホースとを備え、
上記タンクは上下に仕切り板で仕切られ、上記タンクの上部室、下部室にすると共に、上記仕切り板に、上記上部室から下部室にのみ水が流れるようにした逆止弁を設け、
上記収斂提に区切られた上記傾斜板の上面を遡上して、上記開口から上記タンクの上部室内に進入した水の水位と、本体外部の水の水位差によって、上記タンク上部室内の水を下部室内に送り、下部室内の水を装置外部へ送水することを特徴とする浮遊渚を利用して水循環させるとよい。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の好適実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1は本発明の装置1Aの縦断面図である。この図の構成を以下に説明する。本発明の装置1Aは、装置本体1を水底SGより係留装置2により係留され水面S上に浮遊状態で設置されている。本装置のほぼ中心部は前記水面Sよりやや上方に突出し、ここを頂点とし、これより末下りに傾斜した傾斜板3が前記中心部より半径方向左右両側に延び、水中に没した後、その末端には溝4が設けられている。
【0026】
装置のほぼ中心部には、タンク5がほぼ鉛直線上に設けられ、前記した傾斜板3の頂点付近に開放口3aを設け、これにタンク5の上部に設けたノズル6を形成し、その上にフランジ部6aと蓋板7が設けられている。タンク5の上部に設けたノズル6とフランジ部6aと蓋板7廻りの詳述は後記するものとする。
【0027】
タンク5の下方にはノズル8が設けられ、これにフレキシブルホース9が、フランジ等を介して取り付けられている。
本発明の装置1A内に原水取水のための動力装置を持たないで、外部の動力により、フレキシブルホース9に原水を送水してくる場合には、後記するタンク5内を上下に仕切る仕切り板は、設ける必要がないものとする。したがって、フレキシブルホース9より送られてきた原水は、タンク5内を上方に進み、タンク5の上部で、傾斜板3の開放口3aの中に設けたノズル6を通り、蓋板7の中央部の開口穴7aの中に設けた放水装置の放水口7bよりあふれ出ることができるものとする。
【0028】
タンク5の外周で前記傾斜板3の下方には、浮力室10が設けられ、その浮力室10の壁11がタンク5の外面や傾斜板3の下面にしっかりと固着され、その前記したタンク5の継ぎ目や、前記傾斜板3の継ぎ目等より、浮力室10内には外部の水が入らないようになっているものとする。ただし、浮力室10内には浮力の調整のためのバラスト水が出入りするノズルや、通気配管ならびにそのポンプ装置等は装置内に設けられているものとする。
【0029】
前記した傾斜板3の末端に設けられた溝4は、傾斜板3側の側壁12と、装置の外周側の側壁13と、底板14とから構成される。溝4部は装置の下方に位置し、波浪等による動揺性等の面で装置全体のおもりとなることから、装置全体の合成重心の位置を低くする役目を果たすと同時に、装置の安定性を保つことができるものとする。
詳述は後記するが、設計条件によっては溝4の側壁12、13、底板14等にはパンチングメタル状の無数の小さな穴を開ける場合もあるものとする。
【0030】
側壁13の上面は反り返るような形状にするか、或いは形鋼等を固着して側壁13は波浪等の影響で変形したり、破壊されないように、補強が十分になされているものとする。側壁13の上部には手摺りポスト15が設けられ、これにバランス浮体16が取付台17等を介して、バンドやロープ等でしっかりと手摺りポスト15に締め付けられているものとする。
設計条件によっては、バランス浮体16は手摺りポスト15を介さないで、側壁13に取付台17等を介して直接または別方式で、間接的に取付ける等しても差し支えないものとする。
【0031】
バランス浮体16は図のように浮体の約半分程度を水面S上に出し、残りの半分は水面下に没する程度に設定され、設置水域に大波等が発生しても装置全体が転倒しないようになっているものとする。
詳述は後記するが、前記傾斜板3の頂点部でほぼ中心部に設けられた傾斜板3の開放口3aの外部より、やや水面S上を装置の外方向両側に延びる収斂堤18の内部にも、浮力室19が設けられているものとする。
【0032】
したがって、本発明の装置1Aは水面S上に設けられたバランス浮体16と、水中で装置の下方に設けた溝4部のおもりと、装置の中心部近くに設けられ、比較的水面近くに位置する浮力室10や、収斂堤18内でほぼ水面上に位置する浮力室19の関係等から、浮心と重心の位置を算出し、装置全体が転倒しないように十分な設計がなされているものとする。
【0033】
また、使用目的、用途等の条件によっては、溝4の内部にマイナスイオン等を発生させる天然石やセラミックス等を入れて、尚一層の水質改善等に役立てることもできるものとする。
また、溝4の中や傾斜板3の端部近くに、人工海藻等を入れて処理目的の送水された原水が傾斜板3の上面を降下し、そこにある上層水と原水の水の循環、交換、拡散、或いは混合したときに、人工海藻の揺らぎ現象や、その抵抗ならびに攪拌作用等で、すぐに装置外部に流出しにくい環境が作られているものとする。したがって外部からの波浪等の進入現象や、海流等の流入現象があっても、この水はある程度装置内に滞留し、前記傾斜板3の上面を行ったり来たりするものとする。
つぎに、作用を述べる。
【0034】
装置の平面的な詳述は、後記するものとして、装置外の動力により、フレキシブルホース9等よりノズル8、タンク5を介して、タンク5の上部で、傾斜板3の開放口3aの中に設けたノズル6を通り、蓋板7の開口穴7aの中に設けられた放水装置の放水口7bより、処理目的の原水が放水されたとする。そうすると、この原水は蓋板7の上面より傾斜板3の上面に飛沫化した状態で落下し、傾斜板3の上面を末下りに装置の外部に流出しようとする。
【0035】
このとき、水面S上では装置の外部よりバランス浮体16の隙間を通過した波が前記収斂堤18にガイドされながら、絞り上げられるような収斂作用の現象で波高を大きくしながら、前記傾斜板3の上面をかけ上がる。この波がその上方より来る処理目的の原水を打ち砕く。装置外部より波浪現象等により進入して来た上層水と、フレキシブルホース9等より送られて来た原水は、水の循環、拡散、或いは混合されながら傾斜板3の上面、すなわち浮遊渚をかけ上がり、そして引いてはまたかけ上がる。この繰り返しにより原水は波に打ち砕かれ、泡立ち、空気に触れ、酸素供給を受けながら後続する原水に送り出され、やがて装置外部へと離れていく。まるで人の手が洗濯板の上で洗濯をしている現象を、自然エネルギーである波が行ってくれるのである。
【0036】
このとき、傾斜板3の上面には、本当は砂や小石が好ましいがこれらはすぐに装置の外部へ流失してしまうために、実際には人工芝や、ゴルフ場等の芝生の上に敷きつめるようなプラスチック成形品、人工海藻等を敷きつめて、送られて来た原水が少しでも長時間傾斜板3の上面や装置内部に留まるように配慮して、原水に少しでも多くの酸素供給や水の循環、拡散、或いは混合作用等が受けられるようにする。 そうすることにより、水の浄化効果や植物プランクトンの増殖、ならびに魚貝類や海藻類等生物生産の増大、大気中の二酸化炭素等の吸収効果が大となる。
【0037】
本発明の装置は、水の循環や拡散、或いは混合には波浪エネルギーを利用している関係上、多少なりとも波のある水域が必要になるが、この波浪が台風や大波時等には、装置全体を転倒させたり、装置を破壊しかねない。このとき、図の構成の説明のところで説明したとおり、装置全体の合成重心の位置をでき得る限り下方に位置させて、常に浮心が重心の上方にあるように設定すれば、装置の転倒は避けられる。
【0038】
装置外周に位置させた溝4の側壁12、13、底板14等にパンチングメタル状の無数の小さな穴をあけることにより、装置の外部から進入してしてくる波浪エネルギーが、この無数の小さな穴を通過することにより、波浪現象によるほぼ規則的な楕円形の軌跡を描く水粒子の運動を破壊し、横波現象等の波圧力や装置の下方向からの揚圧力を低下させること、すなわち、消波効果等があることから、装置全体の安全性、安定性を計ることができる。
【0039】
また、波による水粒子の運動や、海流等の流入作用で、水粒子がこのパンチングメタル状の無数の小さな穴を通過することによって水の循環、拡散、或いは混合作用等の効果も得られる。
【0040】
つぎに、溝4の中にマイナスイオン等を発生させる天然石やセラミックス等を入れることにより、イオン効果や、水質浄化効果のみならず、その石の重量が溝の底板14に作用することから、装置全体の合成重心の位置を低くすることができて、前記した浮心と重心の関係を尚一層強固にし、装置全体の安全性、安定性を計ることができる。
つぎの説明は図2により行う。
【0041】
図2は本発明の装置1Aの図1におけるA−A矢視平面図である。この図の構成を以下に説明する。ただし、図1の説明の部分で説明を行いこの図の説明と重複する部分の説明においてはその説明を省略するものとする。
【0042】
この図において、本発明の装置1Aにおける装置本体1の平面上の外形はほぼ均等な多角形をなすが、設計次第によっては、円形等にしても差し支えないものとする。
この図の装置のほぼ中心部にタンク5と、傾斜板3の開放口3aとタンク5の上部に設けたノズル6、蓋板7およびその蓋板7に設けた開口穴7a、放水口7b等を配置し、これより半径方向にほぼ均等な角度で、均等な長さの収斂堤18が延びる。また、そのそれぞれの収斂堤18で仕切られた中に前記した傾斜板3が挟まれる。
【0043】
この収斂堤18ならびに、傾斜板3の端部に溝4が設けられて、この溝4がリング状の多角形に構成され装置の外形をなす。そしてこの溝4の側壁13の外部には、ある程度の一定の隙間を設けながら、バランス浮体16が装置の全外周にほぼ均等に配置されるものとする。
つぎに、この図の作用を述べる。
【0044】
本装置は、図1の説明の部分でも説明を行ったとおり、水面S上に浮んだ浮遊物体であると同時に、多少なりとも波のある水域に設置されていることから、外部より本装置内に波が進入して来れば本図で見る限り、装置の外形はほぼ均等な円形をなしていることから、波の進入方向はどちらから来てもほぼ同様の作動ができ、ほぼ同様の効果が得られることが予測できる。
【0045】
したがって、たとえば平面図上の左方向から本装置に波が進入してきたとすると、先ず、バランス浮体16に波があたる。バランス浮体16は前記したとおり、ある程度の一定の隙間を保ちながら配置されている関係上、この隙間より波が装置内に入る。この波が溝4を通過し、更に両側が収斂堤18で仕切られた傾斜板3の上面、すなわち浮遊渚に入り、装置の中心部に進むに従い浮遊渚は収斂堤18によって収束されているために、波が絞り上げられるような収斂作用の現象で収斂されて波高が大きくなる。
【0046】
このとき、装置のほぼ中心部に設けられ、タンク5の上部で、傾斜板3の開放口3aの中に設けたノズル6を通り、蓋板7に設けた開口穴7aの中に設けられた放水装置の放水口7bから原水が放水され、傾斜板3を末下りに下ってくる。この原水を前記した収斂堤18によって収斂され、波高の大きくなった波が打ち返し、これを幾度となく繰り返すことによって水の循環、拡散、或いは混合し、酸素吸収効果等を得るものである。
【0047】
大海にポッカリ浮んだ小島のように、大海全体としてはある程度一定の方向に波が進行している場合でも、小島の中に立って小島そのものの波打ち際を見れば全周囲からその小島に波が押し寄せてくる。たとえば、大海の波の進行方向の全く逆方向の下手側においても、波は多少、小波にはなってはいるものの、その側からもその小島に廻り波、返し波のような形でその海岸線に打ち寄せてくる。
【0048】
この現象を本発明装置に取り入れ、どの方向から入射してくる波でも、効率良く収斂堤18で区切られた傾斜板3の上面、すなわち浮遊渚に有効に取り入れ、次々と送られてくる原水を効率良く処理し、やがて後続する原水に押し出されて、処理水は装置外部へ送り出される。
【0049】
つぎに、他の実施の形態を添付図面に基づいて述べる。
【0050】
図3に示す本発明の装置1Bは、前記した図1、図2のものに原水取水用動力源を本装置内に組み込んだ形式のものである。
本図の構成を以下に説明するが、既に説明を行った図1、図2の説明と重複する部分の説明においてはその説明を省略するものとする。
【0051】
先ず、装置のほぼ中心部に設けたタンク5の中ほどに、仕切り板20を設け、これより下部を下部室21、上部を上部室22とする。
【0052】
傾斜板3の端部に設けた溝4の中には、波力ポンプ23が設けられている。波力ポンプ23の本体は、波の上下動を敏感に応答するフロート24と、この応答を素早くキャッチするために、フロート24に直結したシリンダ25と、このシリンダ25に相応し、これと相対的往復動を生じさせるためのシリンダの内部に設けたピストン26と、ピストン26を支持し、ピストンとシリンダの相対的往復動の際生じる、すなわちポンプ作用によりシリンダ内の原水が出入りする管、中空ピストン管27で構成される。
【0053】
つぎに、波力ポンプ23の配管系について説明をする。管の一方は前記した中空ピストン管27に接続し、他の一方は前記タンク5の下部室21に接続した管28に、タンク5の下部室21から波力ポンプ23への片方向にのみ原水を流すようにした逆止弁29と、管28から分岐し、且つ、波力ポンプ23から押し出された水が、前記タンク5の上部室22に送られるように逆止弁29の手前に接続した管30に、この原水が常にその一定方向にのみ流れるようにした逆止弁31が、図のように接続されている。
【0054】
中空ピストン管27は、溝4の底板14等にしっかりと固着されるか、或いは中空ピストン管27の中間部にフレキシブルホース等を用いて柔軟性を持たせる等して、波力ポンプ23のフロート24ならびに、シリンダ25の作動に波圧等による衝撃力的な支障がきたさないものとする。また、管28、逆止弁29、管30、逆止弁31等の配管系は、装置本体にコンパクトに組み込まれ、大波時等の装置の動揺にも十分に耐えられるように、装置本体にサポート等で、しっかりと固着されているものとする。
【0055】
したがって、波力ポンプ23の作動、すなわち、シリンダ25の往復動で、シリンダ25内のポンプ室が圧縮、膨張(吸引)作用を引き起こすと、常にタンク5の下部室21内にある原水が逆止弁29、31の作用により、タンク5の上部室22内に送られる仕組みになっているものとする。
【0056】
水面S上よりやや上部に突き出した収斂堤18の上部には、架台32が設けられると同時に、装置のほぼ中心部であるタンク5の上方に風車33が設けられている。風車の動力伝達機構である駆動軸34は、装置のほぼ中心部を風車の取付け台35の中まで下りてきて、その端部にプーリー36が固着されているものとする。
【0057】
一方、タンク5の中ほどに設けた、仕切り板20に穴があけられ、この穴にポンプ37が差し込まれる。ポンプ37の下端には逆止弁38、サクションストレーナー39が設けられ、タンク5の下部室21の底板等にサポート等を介して、しっかりと固着されているものとする。また、ポンプ37は仕切り板20等にもしっかりと固着されると同時に、ポンプ37が作動すれば、タンク5の下部室21内の原水が上部室22内へ送られ、更にその上部のタンク5の上部で、傾斜板3の開放口3aの中に設けたノズル6を通り、蓋板7の開口穴7aの中に設けられた放水装置62Aの放水口7bより放水されるものとする。
【0058】
ポンプ37の駆動軸40は、タンク5の上部室22を上方に延び、傾斜板3を貫通して収斂堤18内部の浮力室19を貫通し、その上の架台32を通過して、風車の取付け台35内に入り、ここで軸の端部にプーリー41が取付けられる。
前記したプーリー36とプーリー41は互に向き合い、同じ高さに設けられ、Vベルト42等の伝達機構を介して、風車33より伝達される回転が、駆動軸34より駆動軸40に伝えられるものとする。したがってこのとき、発電装置等を介さないで直接動力伝達を行うものとする。
【0059】
このとき、駆動軸40の外側には保護管43が設けられ、台風や大波時等の波圧や波による水の飛沫水が、駆動軸40の回転に、支障をきたさないようになっているものとする。
また、駆動軸40と保護管43は、収斂堤18の内部に設けた浮力室19を通過するために、この部分の水漏れ対策等は十分に考慮し、浮力室19内に水が入らないような対策がとられているものとする。
【0060】
また、タンク5の中ほどに設けた仕切り板20に、前記した穴とは別に穴44があけられ、この穴の上部にポンプ45が設けられると共に、このポンプ45の吸込管46がこの穴44に差し込まれ、その下端には逆止弁47、サクションストレーナー48が順次接続され、タンク5の下部室21の底板にサポート等を介してしっかりと固着されている。ポンプ45も仕切り板20等にしっかりと締め付けられると同時に、ポンプ45が作動すれば、タンク5の下部室21内の原水が上部室22に送られ、更にその上部のタンク5の上部で、傾斜板3の開放口3aの中に設けたノズル6を通り、蓋板7の開口穴7aの中に設けられた放水装置62Aの放水口7bより放水されるものとする。
【0061】
ポンプ45の駆動軸49はタンク5の上部室22を上方に進み、傾斜板3を貫通して、収斂堤18内部の浮力室19を貫通し、その上の架台32の上方まで延ばし、ここでポンプ45の駆動モーター50に接続する。
【0062】
このとき、駆動軸49の外側には保護管51が設けられ、台風や大波時等の波圧や波による水の飛沫水が、駆動軸49の回転に、支障をきたさないようになっているものとする。以下保護管51における説明は前記した保護管43の説明とほぼ同様であり、その説明の繰り返しはしない。
【0063】
一方、収斂堤18の上部に設けた架台32の上面には、ソーラーパネル52が設けられ、このパネルにケーブル53の片方が、他の片方はポンプ45の駆動モーター50に接続されて、ソーラーパネル52に発生した電力で駆動モーター50を廻して、ポンプ45が駆動され作動するものとする。ケーブル53の途中には漏電防止装置や、自動制御装置等種々の回路や、安全装置等が組み込まれているものとする。
つぎに、作用を述べる。
【0064】
水面S上に波が発生し、波力ポンプ23が作動を始めたとすると、タンク5の下部室21内の原水が管28を通り、逆止弁29、31の作用により管30を通り、上部室22に送られる。更に、この上方のタンク5の上部で、傾斜板3の開放口3aの中に設けたノズル6を通り、蓋板7の開口穴7aの中に設けられた放水装置62Aの放水口7bより放水される。
【0065】
このとき、タンク5の下部室21内では上記原水が上部室22を通じて放水されたために負圧状態となり、この原水を補うために、タンク5に設けたノズル8、フレキシブルホース9等を介して、取水目的の場所から使用目的の水、すなわち原水を取水する。この繰り返しにより原水は、蓋板7の開口穴7aの中に設けられた放水装置62Aの放水口7bより放水される。放水された原水のその後の作用の説明は、図1、図2の説明の部分で説明を行ったものとほぼ同様であり、その説明の繰り返しはしない。
【0066】
また、水面Sのやや上方に風が吹き、風車33が回転を始めたとすると、前記した駆動軸34、プーリー36、Vベルト42、プーリー41、駆動軸40等でこれに連結したポンプ37が駆動され作動を始める。したがって、タンク5の下部室21内の原水が、サクションストレーナー39より逆止弁38を通り、ポンプ37を介して上部室22内を上に昇り、更にその上部のタンク5の上部で、傾斜板3の開放口3aの中に設けたノズル6を通り、蓋板7の開口穴7aの中に設けられた放水装置62Aの放水口7bより放水される。
以下、下部室21への原水取水、上部室22より蓋板7の開口穴7aの中に設けられた放水装置62Aの放水口7bから、放水された原水のその後の作用の説明は、前記したものとほぼ同様でありその説明の繰り返しはしない。
【0067】
つぎに、ソーラーパネル52よりポンプ45を作動させて送水するシステムにおいても、前記した風車33を利用したものや、波力ポンプ23を利用したものと比べ、その動力源のとり方が異なるだけで、他はこれらとほぼ同様であるためにその説明の繰り返しはしない。
つぎの説明は図4により行う。
【0068】
図4は本発明の装置1Bにおける図3のB−B矢視平面図である。この図の構成を以下に説明する。ただし、これまでの図1、図2、図3の説明の部分で説明を行ったものと重複する部分の説明においては省略するものとする。
【0069】
この図と前記した図2の説明と相違する部分は、溝4の中で前記した収斂堤18のほぼ延長線上に波力ポンプ23が置かれていることと、装置のほぼ中心部にポンプの駆動軸40とその保護管43が、また、これとほぼ勝手反対方向に別形式ではあるが、これと同様にポンプの駆動軸49とその保護管51が配置されていることである。
つぎに、この図の作用を述べる。
【0070】
前記したとおりこれまでの図の説明と重複する部分の説明は省略し、相違する部分だけの説明を行う。
水面S上に発生した波が本発明の装置1Bに到来し、バランス浮体16の隙間より波が入射し、波力ポンプ23に当たる。このとき波力ポンプ23は、平面的にほぼ円形をなしている関係上、波力ポンプ23に当った入射波はその入射線の中心線より波力ポンプ23の両側に分割され、収斂堤18で区切られた傾斜板3の上面、すなわち浮遊渚のそれぞれの部屋に入射する。
【0071】
しかるに、波力ポンプ23はポンプ作用を行いながら浮遊渚に波が進入するときの案内役をすることになる。したがって最も効率良く案内役をするためには、傾斜板3の上面、すなわち浮遊渚に入射する波の邪魔にならないように、収斂堤18の延長線上に波力ポンプ23を設けて、入射波を両側に分割しながらそのまま浮遊渚に受け入れることが効率のよい作動となる。
【0072】
ポンプの駆動軸40とその保護管43ならびに、ポンプの駆動軸49とその保護管51には、傾斜板3の上面、すなわち浮遊渚で収斂され、強力な衝撃力を持つ大波等がこれに当るために、その安全対策は十分に考慮しなくてはならない。
つぎの説明は図5により行う。
【0073】
図5は本発明の装置1A、1Bにおける図2、図4のC−C矢視縦断面図である。この図の構成を以下に説明する。ただし、これまでの既に図の説明のところで説明を行ったものと、重複する部分の説明に関しては、その説明の繰り返しはしない。
【0074】
その半分近くを水面S上面に突き出し、残り下半分あまりを水中に没した収斂堤18は、収斂堤の側壁54a、54bと山形をなした天板55と、底板56とからなる。これらの側壁54a、54b、天板55、底板56は箱状に一体化され、その内部には補強骨等が設けられて、波圧に耐えられるようにすると同時に、この内部が空洞化され、浮力室19としての役目を果たしているものとする。
つぎに、この図の作用を述べる。
【0075】
傾斜板3と隣り合わせの傾斜板3の仕切り目に設けられた収斂堤18と、隣り合わせの収斂堤18の間に入射した波は、収斂堤18の作用により収斂する。収斂堤18は、波を収斂させるための案内板としての作用上の役目を果たすと共に、その内部が浮力室19となっているために、装置を水面S上に浮上させ浮力のバランスをとっている。
つぎの説明は図6、図7により行う。
【0076】
図6は本発明の装置1B(図4)における装置の中心部付近の拡大図である。図7は同じく本発明の装置1B(図3)における装置の中心部付近の拡大図であって、且つ、図6のD−D矢視縦断面図である。この図6、図7の構成を以下に説明する。ただし、これまでの図の説明の部分で説明を行った部分と重複する部分の説明においてはこれまでと同様に省略するものとする。
【0077】
詳述は後記するが図6、図7の中心部で且つ、そのタンク5の上部で、傾斜板3の開放口3aの中に設けたノズル6の中には自在継手61が設けられ、この自在継手に支持され、蓋板7の開口穴7aの中に設けられた放水装置62Aは、ほぼ鉛直に起立している。放水装置62Aの上部にはその放水口7bがほぼ水平に設けられ、これより原水が放水されるものとする。
つぎに、この図の作用を以下に説明する。
【0078】
詳述は後記するが本発明の装置1A、1Bの装置全体が波浪、風圧、海流等で傾いた場合においても放水装置62Aおよび放水口7bは自在継手61と、放水装置62Aの自重やおもりの作用によりほぼ鉛直に放水できるようになっているものである。
つぎの説明は図8、図9により説明を行う。
【0079】
図8は図2、図4、図6のほぼ中心部に記載したタンク5の上部で、傾斜板3の開放口3aの中に設けたノズル6の付近における拡大平面図である。図9は図8のE−E矢視縦断面図である。この図の構成を以下に説明する。ただし、これまでの図の説明の部分で説明を行ったものと重複する部分の説明においては省略するものとする。
【0080】
本発明の装置1A、1Bにおけるほぼ中心部の傾斜板3の頂点部で開放口3aの中に、タンク5の上部に設けたノズル6部に自在継手61を介して放水装置62Aが設けられている。タンク5の上部に設けたノズル6の上面にはフランジ6aが設けられ、その上に蓋板7が載せられボルト等で締め付けられているものとする。また、ノズル6は傾斜板3の開放口3aの折り返し部と、ボルト等で締め付けるか、或いは上記フランジ6a部を、収斂堤18に設けた締め付け金具等と、ボルト等で締め付けられるものとする。蓋板7のほぼ中央部には開口穴7aが設けられ、これに放水装置62Aが通されている。
【0081】
自在継手61(ユニバーサル機構)は、具体的には、放水装置62Aの外周を環状に囲むリング体63の径方向内方と外方とにそれぞれ平面視十字状に交叉するように外軸64を突き出させると共に、内軸65の軸受穴66が設けられたリング体63を形成する。内軸65は放水装置62Aより突き出させた軸であり、これと前記した軸受穴66は回転可能となっている。
【0082】
リング体63に突き出した外軸64は、前記蓋板7の下面に前記リング体63を挟むような形でサドル67が固着されている。前記外軸64はサドル67にあけられた軸受穴68に通され回転可能になっている。
【0083】
放水装置62Aは平面上で十字状もしくは、その中心部より数枚の仕切り板69が、ほぼ均等な角度でほぼ均等な長さに半径方向に延び、平面円周上360゜がこの数枚の仕切り板69でほぼ均等に区切られるものとする。
縦断面において前記した仕切り板69の中間よりやや上方に、前記した内軸65が前後両側に設けられ、これが前記した軸受穴66に通され回転可能になっている。
【0084】
仕切り板69は蓋板7に設けた開口穴7aを貫通し、その上方にリング70を固着し、更にその上方まで延びて止まる。リング70は数枚の仕切り板69の外周を束ねるような形で、それぞれの仕切り板69の外周とリング70の内面が固着されているものとする。リング70の外面と蓋板7の上面には、フレキシブルカバー71が設けられ、タンク5の上部で、傾斜板3の開放口3aの中に設けたノズル6内を更に送水されて来た原水は、このフレキシブルカバー71の継ぎ目や、リング70、蓋板7等の接続部から水が漏れないようになっているものとする。
【0085】
したがって、送水されて来た原水がタンク5ならびにタンク5の上部で、傾斜板3の開放口3aの中に設けたノズル6を上方に進み、リング70の上面より溢れ出るこの口の部分を放水口7bとすると共に、この放水口7bの上面はほぼ水平に保たれるものとする。この放水口7bは前記した仕切り板69で、平面円周上をほぼ均等な角度で数分割していることから、この各々の区切られた放水口7bから放水された原水は、他の区切られた隣の部屋の方より溢れ出る事ができないように、前記した仕切り板69の上面は、リング70の上面よりもやや上方まで延びているものとする。
【0086】
仕切り板69の下端には軸72、おもり73が図のように順次固着されているものとする。
したがって、放水装置62Aの合成重心の位置は、自在継手61の支持点すなわち、外軸64ならびに内軸65の中心線の高さよりも、かなり低位置に設定されているものとする。
つぎに、作用を述べる。
【0087】
台風や大波時等には横波による波圧や、揚圧力、その他風圧力等が風車や本装置に作用するなどして、装置が大きく傾く事が予測される。このとき、放水装置62Aの合成重心の位置は、自在継手で支持される支持点の位置よりもかなり低位置にあるために、放水装置62Aはほぼ鉛直性を保つことができる。
【0088】
しかるに、送水されて来た原水がタンク5の上部で傾斜板3の開放口3aの中に設けたノズル6を上方に進み放水口7bより放水される場合において、このとき放水口7bの上面はほぼ水平に保たれていることと、仕切り板69により、ほぼ均等な角度で、数分割されているために、放水口7bより溢れ出る原水の量は、平面上の全円周にほぼ均等に配水される。この効果は装置全体の平面上における全周囲の収斂堤18で区切られた傾斜板3の上面、すなわち浮遊渚にほぼ均等に配水される。したがって、浮遊渚への入射波の種々の条件等により多少の違いはあるものの、本装置の全周囲において水の拡散、混合が公平に行われることとなり、装置全体としては非常に効率の良い装置となる。
つぎの説明は図10により行う。
【0089】
図10は図9における放水装置62Aとは別形式の放水装置62Bを示す装置の縦断面図である。本図の構成を以下に説明する。ただし、これまでの図の説明の部分で説明を行ったものと重複する部分の説明は省略するものとする。
【0090】
本発明の放水装置62Bの仕切り板69は、タンク5の上部で、傾斜板3の開放口3aの中に設けたノズル6の中に設けられると同時に、前記ノズル6の上部に設けた蓋板7のほぼ中心部にあけた開口穴7aを貫通し、その上方にリング70が設けられ、更にそのやや上方まで延びて止まっている。仕切り板69の上端には吊り装置74が設けられ、しかもこれがビーム75等に取付けられている。吊り装置74に関しては、ごく一般的なチェーンや、ワイヤー、ロープ等を用いて差し支えないために、その詳述は行わないものとする。
【0091】
リング70およびフレキシブルカバー71、仕切り板69、放水口7b、軸72、おもり73等の詳述は、これまでの図8、図9説明の部分で説明を行ったものとほぼ同様であるためにその説明の繰り返しはしない。
つぎに、この図の作用を以下に説明する。
【0092】
本発明の装置1A、1Bが台風や大波等の影響により、装置が大きく傾いた場合でも、放水装置62Bは上方のビーム75より吊り装置74を介して吊り下げられているために、ほぼ鉛直性を保つことができる。したがって、以後の説明はこれまでの説明の部分で行った説明とほぼ同様であるために、その説明の繰り返しはしない。
つぎの説明は図11、図12により行う。
【0093】
図11は放水口を傾斜板3に設けた場合の本発明の装置1A、或いは1Bにおける装置の一例を示す平面図である。図12は図11におけるF−F矢視縦断面図であり、本発明の装置1Aの形式に用いた場合の説明図である。
この両図の構成を以下に説明する。ただしこれまでの説明の部分で説明を行った部分と重複する部分の説明に関しては、その説明を省略するものとする。
【0094】
装置のほぼ中心部に設けたタンク5の天井部で、上記中心部を頂点にし、これより末下りに傾斜する傾斜板3の上方に穴81があけられている。また、タンク5の内部を上下に仕切る仕切り板20aには逆止弁86aが設けられている。したがって、上記タンク5に送水されて来た原水がタンク5の下部室21aから逆止弁86aを介して上部室22aの上方に進み、上記傾斜板3の上方にあけた穴81より、上記傾斜板3の上面、すなわち浮遊渚に溢れ出ることができるものとする。
【0095】
傾斜板3の上面、すなわち浮遊渚上の収斂された波が、傾斜板3の開放口3aより、越波してタンク5の上部室22aに入ったとしても、逆止弁86aが働き下部室21aにまでその水が到達することはないように、逆止弁86aが設けられているものとする。タンク5内に設けた仕切り板20aには下部室21aと上部室22aを僅かに流通させるための孔87が設けられているものとする。
【0096】
また、タンク5の側壁にも穴82があけられ、この穴82に管83の片方が通されると共に、この管がこれより、タンク5の半径方向でやや末上りに延びている。装置のほぼ中心部より左右両側末下りに傾斜する傾斜板3にあけられた穴84に、前記延出した管83の端部が通され固着されている。また、この端部には管の拡幅部83′が設けられ拡幅形状になっているものとする。
前記した穴82に通された管83は、タンク5の内部で上部室22a内に入り、そこで下方に曲げられ、仕切り板20を通過して下部室21a内に入り、その下端に逆止弁85が設けられ、その下部を連通口90とする。
【0097】
タンク5の側壁に設けた穴82と傾斜板3に設けた穴84は、管83に十分に固着させて、浮力室10内への水漏れ等の事故が起こらないようになっているものとする。管83の下端に設けた逆止弁85は、タンク5内で下部室21a内の原水が傾斜板3の上面に出る方向にのみ、原水を流せるように設定されているものとする。
つぎに、この図の作用を以下に説明する。
【0098】
タンク5の下方に設けたノズル8より原水が送られて来て、この原水がタンク5内で下部室21aの内部を上方に向って上昇し、逆止弁86aを押し開けて上部室22aに入り、装置外部の水面Sと上部室22a内の水面SSがほぼ釣り合ったとする。
タンク5内の水面SSと装置外部の水面Sがほぼ釣り合った状態においては、原水は連通口90より逆止弁85を押し開け管83内に原水を充満させるか、或いは傾斜板3の上面より装置外部の水がこの管83内に流れ込むかで、どちらにせよ管83内はそのどちらかの水で充満する。
【0099】
一方、傾斜板3の上面すなわち浮遊渚では、装置外部より進入した波が、収斂堤18で収斂され波高が増幅された波が打ち寄せている。波による水粒子がほぼ楕円形に近い軌跡を描きながら寄せ波、引き波運動をし、傾斜板3の上面を行ったり来たり、吸引、圧縮作用を繰り返す。
傾斜板3に設けた穴84部が吸引されたときには、管83およびタンク5内で下部室21a内の原水は連通口90より逆止弁85を開けて吸引され、傾斜板3の上面に流れ出る。
【0100】
穴84部に圧縮作用が生じた場合には、この水は圧縮され、前述とは逆流しようとするが、逆止弁85が働いて管83内の水は逆流することができない。
以上の作用により、タンク5内で上部室22a内の原水の水面SSと装置外部の水面Sがほぼ同じ程度であっても、波浪条件によっては原水を傾斜板3の上面、すなわち、浮遊渚の上面に引き出すことができる。このとき、管83の端部に管の拡幅部83′を設け、拡幅状態にして傾斜板3に接続した場合には、傾斜板3に設けた穴84部が波から受ける吸引面積が大きくなることから、管83内の原水の吸引効果が大きくなる。
【0101】
現実には海洋や、ダム、湖沼等で原水を取水するための動力源を必要とする場合には、自然エネルギーに頼らざるを得ない。しかし自然エネルギー(太陽光、風力、波力等)は、希薄性、散逸性であってその変動幅が大きいために、安定して大量のエネルギーを取り出すことは困難である。
したがって、原水取水のためのポンプの揚程をでき得る限り低く設定したもので、あまり取水エネルギーを必要としなくても稼働できる装置が、今後の商業化段階において重要なポイントとなる。
【0102】
送水条件によっては原水がタンク5内で上部室22aの内部を更に上昇し、タンク5内で上部室22aの天井部に設けた穴81まで来ると、その後はこの穴81から傾斜板3の上面に溢れ出る。当然のことながら、このときには前記した管83からも水頭差の関係から逆止弁85を押し開け、傾斜板3の上面に流れ出ているものとする。また、原水の流れが止まった場合においても、逆止弁86aは閉じるが、仕切り板20aに設けた孔87の作用で、タンク5の下部室21a内と上部室22aの圧力はほぼ均圧化されると同時に、僅かではあるが逆流等の原水の流通はあるものとする。
【0103】
当然のことながら、このときタンク5内の上部室22a内の水面SSが、浮遊渚上の水面Sよりも高所にあるならば、渚上の波の吸引作用による管83内の水の流れは流れ易くなる。また、設計条件によっては仕切り板20aや逆止弁86を撤去し、タンク5内の上部室22aと下部室21aの区別をなくすることもある。傾斜板3の上面に出た水のその後の作用の説明は、これまでに行ったものとほぼ同様であるために、その説明の繰り返しはしない。
つぎの説明は図13により説明を行う。
【0104】
図13は図11のF−F矢視縦断面図であって、本発明の装置1Bの形式に用いた場合の装置の内部に設けた種々のポンプ駆動により、原水を取水する場合の一例を示すものである。本図の構成を以下に説明する。ただし、これまでの図の説明のところで、説明を行ったものと重複する部分の説明に関しては省略するものとする。
【0105】
装置のほぼ中心部に設けたタンク5の内部に仕切り板20が設けられ、その仕切り板の下部を下部室21、また、その上部を上部室22とし、前記した風力、波力、太陽光発電等により送水ポンプが駆動され、その原水が前記した下部室21から上部室22に送られる過程の装置の構成および作用の説明は、これまでに説明を行ったものとほぼ同様であり、その説明の繰り返しはしない。
【0106】
つぎに、仕切り板20の上部の上部室22を二つの部屋に細区分し、その仕切り板を88とする。前記仕切り板20の上部でこの仕切り板20と、仕切り板88に囲まれた部屋を前記通り上部室22とし、仕切り板88より上部の部屋を最上部室22′とする。
【0107】
仕切り板20にはノズルが設けられ、これに盲フランジ89と、これとは別のノズルに逆止弁86が設けられている。タンク5の下部室21内の原水は逆止弁86を押し開けて上部室22内には行けるが、その逆流は逆止弁86の作用によりできないものとする。また、仕切り板88には逆止弁86′が設けられ、上部室22内の原水は逆止弁86′を押し開けて最上部室22′に送られるが、その逆流は逆止弁86′が働いてできないものとする。
【0108】
仕切り板88にはタンク5の上部室22と最上部室22′の間を原水が僅かに流通させるための孔87′が設けられるものとする。タンク5の下部室21内の原水が前記した駆動装置等により、上部室22に送られ、更に逆止弁86′を押し開けた原水が更に上昇し、最上部室22′の天井部、すなわち、タンク5の天井部であり、前記傾斜板3の上方にあけた穴81より溢れ出るときのその水面をSS′とする。
【0109】
タンク5の側壁にあけた穴82と、傾斜板3にあけた穴84を結ぶ管83およびその拡幅部の説明は、これまでに説明を行ったものとほぼ同様であり、その説明の繰り返しはしない。ただしこの管83はタンク5の内部で上部室22内において下方に曲げられ、この部屋の中でその下端に逆止弁85′と連通口90′が設けられている。また、この連通口90′の直下の仕切り板20にはノズルが設けられ、これに盲フランジ89がボルト等で締め付けられている。
つぎに、この図の作用を以下に説明する。
【0110】
前記した風力、波力、太陽光等による駆動装置が作動し、タンク5の下部室21内の原水が上部室22に送られ、更に逆止弁86′を押し開けて最上部室22′に入り、その水面がSS′に達したとする。したがって、当然のことながら一方では、水の水頭差の理論により、この原水は連通口90′より逆止弁85′開けて管83から傾斜板3の上面に放水されると同時に、穴81からも傾斜板3の上面にも放水される。また、前記同様に傾斜板3の上面の波が、開放口3aより越波してタンク5の最上部室22′に入ったとしても、逆止弁86′が働き上部室22までは到達できない。
傾斜板3の上面に出た水のその後の作用の説明は、これまでに説明を行ったものとほぼ同様であるために、その説明の繰り返しはしない。
つぎに、図14、図15により説明を行う。
【0111】
図14、図15に示す本発明の装置1Cはこれまでに説明したものとは水の流れを反対に使用し、本装置で得られた圧力水を本装置に接続したフレキシブルホース等を介して装置外部に送水することにより、本装置から送られる新鮮な水と、閉鎖性水域等の貧酸素化した滞留水との水の循環、交換、或いは上層水を底層水中に押し入れて上下の水の置換等を行うことにより、上層水中に含まれる酸素を底層水に供給する、全く新しい別形式のものである。
【0112】
図14は本発明の装置1Cの縦断面図であり、図15は図14のG−G矢視平面図である。
本図の構成を以下に説明するが、これまでに既に説明を行いこれと重複する部分の説明に関しては、その説明を省略するものとする。
これまでの説明では、フレキシブルホース9等より送られて来る水を「原水」と表示してきたが、以後の説明においては、原水以外の水も流れることがあるために「水」の表示で説明を行うものとする。
【0113】
装置のほぼ中心部で水面Sのやや上方を頂点とし、これより半径方向左右両側に延び、末下りに傾斜した傾斜板3の頂点部に開放口3aを設け、その下方にタンク5が設けられている。タンク5はタンク5を上下に仕切る仕切り板20を堺とし、これより下部を下部室21、上部を上部室22とする。
【0114】
水面S上の波が本装置内に進入し、傾斜板3の上面、すなわち浮遊渚を昇って来た波は越波現象により、前記した傾斜板3の頂点近くの開放口3aより、タンク5の上部室22に進入することができると同時に、この水が上部室22を満水状態にしたものとする。また、このとき傾斜板3の開放口3aの高さは水面Sよりある程度高く設定されているものとする。
【0115】
つぎに、波力ポンプ23の配管系においては、管の一方は前記した波力ポンプ23の中空ピストン管27に接続し、他の一方は前記したタンク5の下部室21に接続した管28に、タンク5の下部室21から波力ポンプ23への片方向にのみ水を流すようにした逆止弁29と、管28から分岐し、且つ、波力ポンプ23から押し出された水が、前記タンク5の上部室22に送られるように逆止弁29の手前に接続した管30に、この水が常にその一定方向にのみ流れるようにした逆止弁31が、図のように接続されている。
【0116】
このとき、タンク5の下部室21と上部室22に接続される管28と管30には、そのタンク5の近くで管28には弁57aが、管30には弁57bがそれぞれ設けられている。
管28に接続し、弁57aの下流側(逆止弁29側)から管58aが分岐し、途中に弁57cを介して、その端部は管30に設けた弁57bの下流側(タンク5の上部室22側)に接続されている。
一方、管30に設けた弁57bの上流側(逆止弁31側)から分岐した管58bは、弁57dを介して、その端部は管28に設けた弁57aの上流側(タンク5の下部室21側)に接続されている。
【0117】
したがって、弁57aと弁57bを開き、弁57cと弁57dが閉じているときには、波力ポンプ23が作動すると、タンク5の下部室21内の水が上部室22に送ることができるもので、これはこれまでの説明のときと変わりはない。
つぎに、弁57aと弁57bを閉じ、弁57cと弁57dを開けているときには、波力ポンプ23が作動すると、前回とは反対にタンク5の上部室22内の水が下部室21内に送ることができるものとする。
【0118】
つぎに、詳述は後記するが、タンク5内の上部室22と、下部室21に設けたポンプ102aの駆動軸40aは、このポンプより上方に延び、風車の取付け台35の中でクラッチ59aを介して前記したものとほぼ同様のプーリー41aが設けられている。
前記したものとほぼ同様のプーリー41aと、プーリー36、Vベルト42等の関係は、図3の説明の部分で説明を行ったものとほぼ同じであり、その説明の繰り返しはしない。
【0119】
そして、駆動軸40aにクラッチ59aが設けられることにより、クラッチ59aの切り換えで駆動軸40aは正転、反転どちらの回転方向にも回転することができるものとする。
すなわち、この駆動軸40aにより駆動されるポンプ102aも当然のことながら正転、反転どちらの回転方向にも回転することができるものとする。
【0120】
つぎに、詳述は後記するが、これと同様にタンク5内の上部室22と、下部室21に設けたポンプ102bの駆動軸49aの上方にも、クラッチ59bが設けられ、その上部にポンプ102bの駆動モーター50aが接続されるものとする。クラッチ59bを設けることによる本発明の装置1Cにおける機構の構成の説明は、前記したクラッチ59aのときの説明とほぼ同様であり、その説明の繰り返しはしない。
つぎに、この図の作用を以下に説明する。
【0121】
水面S上に波が発生し、この波が本発明の装置1Cの中に進入してきたとする。収斂堤18で仕切られた傾斜板3の上面、すなわち浮遊渚にこの波が入ると、この波は装置の中心部に向って進むにつれて収斂堤18で収斂され、波高が大きくなって傾斜板3、すなわち浮遊渚をかけ上がり、そして最後に越波した形で傾斜板3に設けた開放口3aよりその水がタンク5の上部室22に入る。
【0122】
このとき前記したとおり、傾斜板3の上面に設けた開放口3aの上端は、水面Sよりもある程度高く設定されていることから、タンク5の上部室22内の水には水面Sに比べ水頭差が生じている。したがって、この越波現象だけを考慮しても、ポンプ装置としての機能は十分に備えられ、閉鎖性水域等に滞留する貧酸素水等との、水の循環、交換等も行えるものとする。
【0123】
つぎに、波力ポンプ23の配管系で弁57aと弁57bを閉じ、弁57cと弁57dを開いて波力ポンプ23を運転した場合には、前記したとおりタンク5の上部室22内の水は下部室21内に送られる。
このとき、上部室22内の水には前記説明したとおり、水面Sよりもある程度の水頭差が生じていることから、この水頭差は負荷抵抗等を減少させる結果となるために、波力ポンプ23の差動や送水量等の面で有利な展開となる。
【0124】
つぎに、風車33の回転が駆動軸34からプーリー36、Vベルト42、プーリー41a等に伝えられ、クラッチ59aの切り換えにより、駆動軸40aが回転し、ポンプ102aが作動し、タンク5の上部室22内の水が、下部室21内に送られるときにも、前記説明したとおり、上部室22内の水には水面Sよりもある程度の水頭差が生じていることから、風車33ならびにポンプ102aの回転や送水量等の面でも、負荷抵抗等を減少させる結果となることから更に有利となる。
【0125】
つぎに、ソーラーパネル52により発生した電力で、駆動モーター50aを回転させて、クラッチ59bを介してポンプ102bを作動させて、タンク5の上部室22内の水を下部室21内に送るときにも、前記した風車33の説明の場合とほぼ同様であり、その説明の繰り返しはしない。
【0126】
タンク5の上部室22から下部室21に強制的に送られた水は、下部室21の下端に設けられたノズル8ならびにフレキシブルホース9等を介して、送水目的の場所まで送られる。
このとき、波力ポンプ23や、風車33、ソーラーパネル52等の動力源に頼らず、浮遊渚の越波現象による水頭差のみで送水する場合には、仕切り板20に大きな穴をあけるか、或いはこの仕切り板20を撤去するか、またはタンク5の上部室22から下部室21の方向にのみ流れることのできる逆止弁等を設けてもよい。
つぎの説明は図16、図17、図18により行う。
【0127】
図16は図15における装置1Cのほぼ中心部の拡大平面図である。図17は図14の本発明の装置1Cにおける装置のほぼ中心部の拡大縦断面図であり、また、図16のH−H矢視縦断面図である。図18は図17のI−I矢視平面図である。この図の構成を以下に説明する。ただし、これまでに既に説明を行い、これと重複する部分の説明に関しては、その説明を省略するものとする。
【0128】
図17において、波力ポンプ23より水が出入りする管28と管30に関しては、タンク5の下部室21に管28が、上部室22に管30がそれぞれ接続されている。このそれぞれの管に弁57a、57b、57c、57dと管58a、58bが図のように接続されている。これらそれぞれの管の接続と弁の切り換え手順、操作等の詳細な説明は前記したのでその説明の繰り返しはしない。
【0129】
タンク5の上部室22より仕切り板20に穴101aをあけ、この穴101aにポンプ102aが挿入され、その下方にフィルター103aが設けられている。ポンプ102aの駆動軸40aがクラッチ等の操作により正転、反転を行った場合には、当然のことながらポンプ102aは正転、反転を行い、フィルター103aはサクションストレーナーにもなり、或いはポンプ吐出口での保護網の役目を果すとができるものとする。
【0130】
ポンプ102aとフィルター103aはボルト等で一体化され、仕切り板20やタンク5の下部室21の底板等にしっかりと固着されるものとする。ポンプ102aの上部では、駆動軸40aが上方に延び、前記したクラッチ59a、プーリー41a、Vベルト42、プーリー36、駆動軸34等を介して風車33に連結されている。
【0131】
図18におけるタンク5の上部室22において、ポンプ102aの上部ノズル104aには分岐管105aが設けられ、その片方には逆止弁106aが設けられている。逆止弁106aはポンプ102aから水が吐出する方向にのみ弁が開き、その逆流はできないものとする。
分岐管105aの前記片方に対する他の片方には逆止弁107a、フィルター108aが図のように設けられている。逆止弁107aはポンプ102aに水が吸い込む方向のみに開き、その逆流はできないものとする。
【0132】
つぎに、図17において前記同様にタンク5の上部室22より仕切り板20に穴101bをあけ、この穴101bにポンプ102bが挿入され、その下方にフィルター103bが設けられている。ポンプ102bの駆動軸49aがクラッチ等の操作により正転、反転を行った場合には、前回同様にポンプ102bは正転、反転を行い、フィルター103bはサクションストレーナーにもなり、或いはポンプ吐出口での保護網の役目を果すことができるものとする。
【0133】
ポンプ102bとフィルター103bはボルト等で一体化され、仕切り板20やタンク5の下部室21の底板等にしっかりと固着されるものとする。ポンプ102bの上部では駆動軸49aが上方に延び、前記したクラッチ59bを介して駆動モーター50aに連結されている。
以後の説明は104aが104bに、105aが105bに、106aが106bに、107aが107bに、108aが108bに変わるだけであるために、その説明の繰り返しはしない。
つぎに、この図の作用を以下に説明する。
【0134】
駆動軸40aと駆動軸49aにおける正転、反転の回転方向においては、どちらの回転方向を正転とし、その反対方向を反転とするかの特別な規定は設けていないために、例えば、右回転をしてポンプ102a、102bが作動し、タンク5の下部室21内の水が上部室22に送られるような回転を正転と仮定する。
【0135】
本装置の動力源となる風車33の回転や、ソーラーパネル52等に電力が発生し、クラッチ59a、59b等の操作で駆動軸40aと駆動軸49aは正転し、タンク5の下部室21内の水は、上部室22内に強制的に送られるとする。このとき、フィルター103a、103bはサクションストレーナーの役目を果し、異物やゴミ等がポンプ102a、102b内に入るのを防止する。
【0136】
つぎに、図18におけるタンク5の上部室22内では、ポンプ102a、102bの上部ノズル104a、104bではポンプから水が吐出する方向に流れる。このとき、分岐管105a、105b等で水の流れは分けられるが、実際には逆止弁106a、106bは開く方向に働き、逆止弁107a、107bは閉じる方向に働くために、ポンプの吐出水は逆止弁106a、106bの方向に流れる。このとき、逆止弁106a、106bから流れ出た水は、タンク5の上部室22内で吐出しているだけであるために、上部室22内の水面は上昇し、やがて傾斜板3の開放口3a等より放水される。
【0137】
つぎに、クラッチ59a、59bを操作して駆動軸40aと駆動軸49aは左回転、すなわち反転したとする。このときには、当然のことながらポンプ102a,102bは反転し、タンク5の上部室22内の水は下部室21内に送られる。したがって、上部室22内の水はフィルター108a、108bより吸い込まれ、逆止弁107a、107bを開けて分岐管105a、105bよりポンプの上部ノズル104a、104bを通り、ポンプ102a、102bに吸い込まれる。このとき、逆止弁106a、106bは閉じたままである。
【0138】
上記ポンプに吸い込まれた水は図17においてポンプ102a、102bを下方に進み、フィルター103a、103bよりタンク5の下部室21内に吐出する。吐出された水は下部室21に設けられたノズル8よりフレキシブルホース9等を介して目的地まで送水することにより、閉鎖性水域等の貧酸素化した滞留水等と、本装置から送られてくる新鮮な水の循環、交換を行うことができる。
つぎの説明は図19により行う。
【0139】
図19は図12、図13に示すものとは別形式で、本発明の装置1Cにおける装置に用いた場合のほぼ中心部の拡大縦断面図である。この図の構成を以下に説明する。ただし、これまでの図の説明のところで、説明を行ったものと重複する部分の説明に関しては省略するものとする。
【0140】
装置のほぼ中心部に設けたタンク5の内部に仕切り板20が設けられ、その仕切り板の下部を下部室21、また、その上部を上部室22とし、風力、波力、太陽光発電等によりその各々の送水ポンプが駆動されると同時に、浮遊渚上面の水が越波現象等により、傾斜板3の開放口3aを介して、その上部室22から下部室21に送られる過程の装置の構成およびその作用の説明は、これまでに説明を行ったものとほぼ同じであるためにその説明の繰り返しはしない。
【0141】
つぎに、図13の説明では、仕切り板20の上部の上部室22を細区分するために、仕切り板88を設けて逆止弁86′を設けたが、この逆止弁86′を取り除く。つぎに、仕切り板20に設けた逆止弁86を前回とは反対方向に向けて、上部室22内の水は、下部室21内には行けるがその逆流はできないように設定し、その逆止弁を86bとする。
【0142】
また、傾斜板3にあけた穴84とタンク5の側壁にあけた穴82を結ぶ管83が、タンク5の内部、すなわち上部室22に入って逆止弁85bが設けられている。図13の説明では、タンク5の上部室22内の水が傾斜板3の上面に出る方向に流れるように逆止弁85′を設定されていたが、この図ではその逆止弁を反対に向けて傾斜板3の上面からタンク5の上部室22内へ、或いは傾斜板3の上面から下部室21へ直接流れるように、仕切り板20に設けたノズルに取り付けられた盲フランジ89等を撤去し、ジョイント91等を新たに挿入して接続されている。
つぎに、この図の作用を以下に説明する。
【0143】
水面S上に波が発生し、その波が本発明の装置に進入し、この波が収斂堤18で収斂された傾斜板3、すなわち浮遊渚の上面をかけ上がり、その越波した波が傾斜板3の開放口3aよりタンク5の最上部室22′内に入る。このとき、前回の説明のときに設けた逆止弁86′は、今回においてはとりはずされているために、この水はすぐに上部室22内に進むことができる。ここで、水域全体の水面S(送水しようとする閉鎖性水域等の水面も同じであるから)と越波して進入したタンク5の上部室22、或いは最上部室22′内の水面Seとでは前記説明を行ったとおり水頭差が生じていることから、この水は逆止弁86bを押し開け下部室21内に入る。下部室21内に入ったこの水は、フレキシブルホース9等を介して装置外部の閉鎖性水域等の目的地まで送水され、水の循環、交換、ならびに置換等が行われる。
【0144】
つぎに、傾斜板3、すなわち浮遊渚の上面では、本装置に進入し、収斂され、波高の大きくなった波が打ち寄せられている。すなわち、波が打ち上げられて来る寄せ波のときには、その水で管83内の水は圧縮され浮遊渚から管83を通り、タンク5の上部室22、或いは下部室21へ逆止弁85bを開けて押し入る。このとき、タンク5の上部室22内の水面Seをやや押し上げる方向に働くか、或いはフレキシブルホース9内へ押し込む方向に働くかは、その都度の設計条件や波浪条件によるものとする。また、それとは反対に引き波のときには、管83内の水は波の吸引力等により浮遊渚上面に引き出されようとするが、逆止弁85bが働いて流れ出ることができない。
【0145】
すなわち、このケースにおいても、浮遊渚上面の水はタンク5の上部室22、或いは下部室21に入りフレキシブルホース9等を介して装置外部へ送水することができる。
【0146】
無限に繰り返される波打ち現象を越波による方法と、寄せ波、引き波による現象を最大限に取り入れるには、前記した風力、波力、太陽光発電等による動力源も併設し、タンク5の上部室22内の水をいち早く強制的に下部室21内に送り、上部室22内の水面Seをでき得る限り低くすることにより、その負荷抵抗が減少することから、これらを取り入れやすくなる。したがって上記の行程によりその水は、フレキシブルホース9等を介して送水目的の閉鎖性水域等の湾奥部等に送られ、本装置から送られてくる新鮮な水と湾奥部等に滞留する貧酸素化した滞留水の水の循環、交換が行えることとなる。
【0147】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、つぎのような優れた効果を奏する。
【0148】
(1)請求項1に記載の発明によれば、送水されて来る原水を波のエネルギーを有効に利用して上層水との循環、拡散、混合させることができることから、海洋やダム、湖沼等における貧酸素水の改善、水質浄化、植物プランクトンの増殖、ならびに魚貝類や海藻類等生物生産の増大、大気中の二酸化炭素等の吸収効果が大となる。
【0149】
(2)請求項2に記載の発明によれば、装置のほぼ中心部に設けたタンクの外周で傾斜板3の下方に浮体を設け、バラスト水を出し入れすることにより、装置全体の浮沈を比較的簡単に調整することができる。
【0150】
(3)請求項3に記載の発明によれば、収斂堤の内部を浮力室にすることにより、装置全体の浮体装置としての浮力効果の増大と、装置の安定性の効果を大にすることができる。
【0151】
(4)請求項4に記載の発明によれば、装置の外周部に溝を設けることにより、装置内に処理水の滞留時間が延長されることから、処理時間が延長され、上層水中における原水の拡散、混合効果が大となるばかりでなく、水の循環効果や装置の安定性が計れる。
【0152】
(5)請求項5に記載の発明によれば、装置のほぼ中心部に設けたタンクを上下に区切り、その下部室内の水を上部室内に送水し、更にその上方の放水口より放水すると、装置外部より原水の送水動力が得られない場合でも、本装置内に設けた波力ポンプや、風力、太陽光発電等の動力源等を有効に利用して装置を運転することができる。
【0153】
(6)請求項6に記載の発明によれば、収斂堤のほぼ延長線上に波力ポンプを設けることにより、このポンプが収斂堤で区切られた各々の傾斜板の上面、すなわち各々の浮遊渚に波が進入するときの案内役を務めることができると同時に、水を送ることができるために、装置全体の性能面での効果を上昇させることができる。
【0154】
(7)請求項7に記載の発明によれば、装置全体が傾いた場合でも放水装置に自在継手を設けることにより、放水口の上面はほぼ水平に、且つ、放水装置はほぼ鉛直に設けられるために、本発明の装置全体の平面上におけるどの方向にも、原水を公平に配水することができる。
【0155】
(8)請求項8に記載の発明によれば、装置全体が傾いた場合でも、放水装置に吊り装置を設けることにより、放水口の上面はほぼ水平に、且つ、放水装置はほぼ鉛直に設けられるために、本発明の装置全体の平面上におけるどの方向にも、原水を公平に配水することができる。
【0156】
(9)請求項9に記載の発明によれば、放水口に仕切り板状の整流板を設けることにより、本発明の装置全体の平面上におけるどの方向にも、原水を公平に区分けし、配水することができる。
【0157】
(10)請求項10に記載の発明によれば、タンク5内で上部室内の天井部である傾斜板3に穴をあけることにより、原水取水のためのポンプ揚程を低く設定することができるために、性能面での送水効果が大きくなる。
【0158】
(11)請求項11に記載の発明によれば、傾斜板の途中に穴をあけ管等を用いて原水の放水口を水面Sよりやや下方に設けることにより、波の水粒子の運動による吸引、圧縮作用(寄せ波、引き波作用)における吸引作用の有効利用と、放水口を低くしたことで、原水取水のためのポンプ揚程を、更に低くすることができるために、取水効果が更に大きくなる。
【0159】
(12)請求項12に記載の発明によれば、管83の端部で傾斜板3の接続部を拡幅状態にすることにより、傾斜板3に設けた穴84を大きくすることができ、そのために波の接触面積が大きくなることから、波から受ける吸引作用の面積が大となり、取水効果が大きくなる。
【0160】
(13)請求項13記載の発明によれば、傾斜板の頂点近くの中心部に開放口を設けることにより、浮遊渚を上昇して来た波が、上記開放口より越波してタンク内に入り、外部の水面よりも水頭差を高くすることができるために、この機能だけででも、ポンプ装置としての役目を十分に果すことができる。
【0161】
(14)請求項14記載の発明によれば、傾斜板の途中に穴をあけ、装置のほぼ中心部に設けたタンクと管等で結び、これに逆止弁を取り付けて、傾斜板上面の水を圧入してタンク方向にのみ流すことにより、寄せ波時の水圧で浮遊渚上の水をタンク内に押し込むことができるために、この機能だけででも、ポンプ装置としての役目を十分に果すことができる。
【0162】
(15)請求項15記載の発明によれば、装置のほぼ中心部に設けたタンクを上下に仕切り、波力ポンプや、風力、太陽光発電等の動力源を用いて、タンクの上部室内の水を下部室内に強制的に送水することにより、ポンプの送水効果を尚一層大きくするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適実施の形態を示す装置1Aの縦断面図である。
【図2】図1におけるA−A矢視平面図である。
【図3】本発明の好適実施の形態を示す装置1Bの縦断面図である。
【図4】図3におけるB−B矢視平面図である。
【図5】図2および図4におけるC−C矢視縦断面図である。
【図6】本発明の好適実施の形態を示す装置1B(図4)における装置の中心部付近の拡大図である。
【図7】本発明の好適実施の形態を示す装置1B(図3)における装置の中心部付近の拡大図であって、且つ、図6におけるD−D矢視縦断面図である。
【図8】図2、図4、図6における装置のほぼ中心部に記載したタンク5の上部に設けたノズル6の付近における拡大平面図である。
【図9】図8におけるE−E矢視縦断面図である。
【図10】図8におけるE−E矢視縦断面図であって、吊り装置を用いた放水装置62Bの縦断面図である。
【図11】本発明の装置の放水口を傾斜板3に設けた場合の、本発明の装置1A或いは1Bにおける装置の一例を示す部分拡大平面図である。
【図12】図11におけるF−F矢視縦断面図であって、本発明の装置1Aにおける装置の外部に設けたポンプ駆動により、原水が送られてくる場合、或いは波の吸引作用により原水が吸い出される場合の一例を示す部分拡大縦断面図である。
【図13】図11におけるF−F矢視縦断面図であって、図12の場合とは別形式の、本発明の装置1Bにおける装置の内部に設けた種々のポンプ駆動により、原水を取水する場合、或いは波の吸引作用により原水が吸い出される場合の一例を示す部分拡大縦断面図である。
【図14】本発明の好適実施の形態を示す装置1Cの縦断面図である。
【図15】図14のG−G矢視平面図である。
【図16】図15における装置中心部の拡大平面図である。
【図17】図14の装置中心部の拡大縦断面図であって、また図16のH−H矢視縦断面図である。
【図18】図17のI−I矢視平面図である。
【図19】図12、図13に示すものとは別形式で、本発明の装置1Cの装置における中心部の一例を示す縦断面図である。
【図20】本発明とは別形式の水循環装置における海水等の汲上装置の縦断面図である。
【符号の説明】
1A 本発明の装置 1B 本発明の装置
1C 本発明の装置
1 装置本体 2 係留装置
3 傾斜板(浮遊渚) 3a 開放口
4 溝 5 タンク
6 ノズル 6a フランジ部
7 蓋板 7a 開口穴
7b 放水口 8 ノズル
9 フレキシブルホース 10 浮力室
11 壁 12、13 側壁
14 底板 15 手摺りポスト
16 バランス浮体 17 取付台
18 収斂堤 19 浮力室
20、20a 仕切り板 21、21a 下部室
22、22a 上部室 22′ 最上部室
23 波力ポンプ 24 フロート
25 シリンダ 26 ピストン
27 中空ピストン管 28 管
29 逆止弁 30 管
31 逆止弁 32 架台
33 風車 34 駆動軸
35 取付け台 36 プーリー
37 ポンプ 38 逆止弁
39 サクションストレーナー 40、40a 駆動軸
41、41a プーリー 42 Vベルト
43、43a 保護管 44 穴
45 ポンプ 46 吸込管
47 逆止弁 48 サクションストレーナー
49、49a 駆動軸 50、50a 駆動モーター
51、51a 保護管 52 ソーラーパネル
53 ケーブル 54a、54b 収斂堤の側壁
55 天板 56 底板
57a、57b、57c、57d弁
58a、58b 管 59a、59b クラッチ
61 自在継手 62A、62B 放水装置
63 リング体 64 外軸
65 内軸 66 軸受穴
67 サドル 68 軸受穴
69 仕切り板 70 リング
71 フレキシブルカバー 72 軸
73 おもり 74 吊り装置
75 ビーム 81、82 穴
83 管 83′ 管の拡幅部
84 穴
85、85′、85b、86、86′、86a、86b 逆止弁
87、87′ 孔 88 仕切り板
89 盲フランジ 90、90′ 連通口
91 ジョイント
101a、101b 穴 102a、102b ポンプ
103a、103b フィルター
104a、104b ノズル 105a、105b 分岐管
106a、106b、107a、107b 逆止弁
108a、108b フィルター
111 海水等の汲上装置 112 汲上管
113 浮体
114、115、116、117 逆止弁
118、119 排出管
S 水面 SS 上部室22内の水面
SS′ 最上部室22′内の水面 Se 水面
SG 水底

Claims (3)

  1. 傾斜板の水面下端側の周縁から、上向きに中心部に向かって傾斜した傾斜板を有し、上記中心部で上記傾斜板に開放口を設け、且つ、その下方にタンクが設けられた本体と、該本体の上記傾斜板上に上記中心部から上記傾斜板上を上記下端側の周縁に向かって放射状に立設した、波を収斂するための収斂提とを備え、上記中心部が水面上に出るように上記本体を水面に浮かせ、波の動きに伴って上記中心部から進入する水を利用し、浮遊渚を利用した水循環装置において、
    上記開放口から下方に設けられたタンクに、装置外部に連通するノズル部を有し、そのノズル部に接続したフレキシブルホースとを備え、
    上記収斂提に区切られた上記傾斜板の上面を遡上して上記開口から上記タンク内に進入した水の水位と本体外部の水の水位差によって上記タンク内の水を装置外部へ送水することを特徴とする浮遊渚を利用した水循環装置。
  2. 傾斜板の水面下端側の周縁から、上向きに中心部に向かって傾斜した傾斜板を有し、上記中心部で上記傾斜板に開放口を設け、且つ、その下方にタンクが設けられた本体と、該本体の上記傾斜板上に上記中心部から上記傾斜板上を上記下端側の周縁に向かって放射状に立設した、波を収斂するための収斂提とを備え、上記中心部が水面上に出るように上記本体を水面に浮かせ、波の動きに伴って上記中心部から進入する水を利用し、浮遊渚を利用した水循環装置において、
    上記開放口から下方に設けられたタンクに、装置外部に連通するノズル部を有し、そのノズル部に接続したフレキシブルホースとを備え、
    上記タンクの側壁に穴を開けるとともに、上記傾斜板にも穴を開け、上記穴と穴を管で結び、上記管に上記傾斜板に開けた穴から、上記タンクの側壁に開けた穴の方向にのみ水が流れるようにした逆止弁を設け、
    上記収斂提に区切られた上記傾斜板の上面を遡上して、上記傾斜板にあけた穴より上記管を通じて上記逆止弁の作用により、上記タンク内に進入し、上記フレキシブルホースなどを介して、装置外部へ送水されることを特徴とする浮遊渚を利用した水循環装置。
  3. 傾斜板の水面下端側の周縁から、上向きに中心部に向かって傾斜した傾斜板を有し、上記中心部で上記傾斜板に開放口を設け、且つ、その下方にタンクが設けられた本体と、該本体の上記傾斜板上に上記中心部から上記傾斜板上を上記下端側の周縁に向かって放射状に立設した、波を収斂するための収斂提とを備え、上記中心部が水面上に出るように上記本体を水面に浮かせ、波の動きに伴って上記中心部から進入する水を利用し、浮遊渚を利用した水循環装置において、
    上記開放口から下方に設けられたタンクに、装置外部に連通するノズル部を有し、そのノズル部に接続したフレキシブルホースとを備え、
    上記タンクは上下に仕切り板で仕切られ、上記タンクの上部室、下部室にすると共に、上記仕切り板に、上記上部室から下部室にのみ水が流れるようにした逆止弁を設け、
    上記収斂提に区切られた上記傾斜板の上面を遡上して、上記開口から上記タンクの上部室内に進入した水の水位と、本体外部の水の水位差によって、上記タンク上部室内の水を下部室内に送り、下部室内の水を装置外部へ送水することを特徴とする浮遊渚を利用した水循環装置。
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