JP4203897B2 - 打楽器 - Google Patents

Description

本発明は、音板の２つの取付位置の片方又は両方の左右を、夫々カットし、そこに音板保持穴・音板保持具を設けて音板を保持した、楽器に関する。

２つの支点を持つ棒の振動を利用したこの種の楽器は、音板を枠木・響板に固定する場合、其の支点位置に上面より穴を穿ち、緩衝材を用いて作られた座板・鋲・釘等で柔かく固定されていた。

従来の方式は、音板取付部分における音板と、枠木・響板と、緩衝材のフエルト・ゴム等との間に、音板の自重により消音効果が生じ、打撃によって生じた振動が、十分振動する事が出来ず、余音の少ない味気のない音になっているので、その欠点を解決しようとしたものである。

音板の取付部分を左右よりカットし、そこに音板保持穴を穿ち、緩衝材のフエルト・ゴム等をはさみつつ、音板保持用のワイヤーロープ又は紐を通し、それを音板保持具で保持して組上げ、問題点を解決している。

上述のように、発明による音板の保持する構造は、音板を保持するワイヤーロープ等と接する面を非常に小さくする事が出来、振動を妨げる要素が減り、十分余音が得られる。又、音板の節の部分のカットで、十分音量も得られる。

以下、本発明の実施の形態を図１〜図６に基づいて説明する。

図において、１は音源となる音板。１ａは音板の側面を、左右よりカットを施したもの。１ｂは音板のカット部分の横より穿たれた音板穴。２は音板穴１ｂに通された音板１の保持用のワイヤーロープ・紐等。３は音板取付用枠台。共鳴ボックス・響板等を用いる事もある。４は２のワイヤーロープ・紐等を用いて音板１を保持する音板保持具。５は緩衝材のフエルト等。６は音板取付ネジ。７は取付ネジ６にはめられたゴム管。

以下、２支点持つ棒の振動において、１支点のみ実施した場合を記載して見るに、この場合、第１図の側面図により、左支点を本発明案に、右支点を従来の取付方法を用いた時を考えて見るに、左支点は音板１とそれを保持するワイヤーロープ・紐等２との接触面は細線で表せる程度で、右支点の接触面は音板１と音板取付枠台３との間にあるフエルト等５の面積全体で受ける事になり、明らかに振動を阻害する要素が異なり、片方だけ本案を用いても顕著に余音の差が表れる。

本発明の実施例は上述の如き構成よりなるもので、音板１を柔かく無理なく保持する事が出来、余音ある美しい音が得られる。又音量を損なう事なく、音板組上寸法を短く出来るこの構造は、音源幅に制約を受ける有鍵楽器製造には本当の強みである。

音源を平形に置いた場合の平面図 図１の側面図におけるＡ−Ａ線断面図の拡大図。 音源を堅形に置いた場合の正面図 図３におけるＢ−Ｂ線断面図の拡大図 音源一部カットの場合の平形に置いた場合の１音源の平面図の拡大図 図５における側面図。

符号の説明

１ 音板
１ａ カット部
１ｂ 音板穴
２ 紐
３ 枠台
４ 音板保持具
５ フエルト
６ 音板取付ネジ
７ ゴム管

Claims (2)

1. ２つの取付位置を持つ音板の、少なくとも一方の取付位置の側面全体を左右より、カットし、そこに音板連結材の紐・ワイヤーロープ等が通る穴を穿ち、又其のカットに対応する音板の間の隙間に、音板保持具を、音板取付枠台又は共鳴ボックスに取付け、緩衝材のフエルト等を挟みながら、連結材で音律順に組み上げたところを特徴とする、打楽器。
2. ２つの取付位置を持つ音板の、少なくとも一方の取付位置の側面を下部から上部に向け、且つ上部の側面を残してカットし、そこに音板連結材の紐・ワイヤーロープ等が通る穴を穿ち、又其のカットに対応する音板の間の隙間に配置される音板保持具を、音板取付枠台又は共鳴ボックスに取付け、緩衝材のフエルト等を挟みながら連結材で、音律順に組み上げたところを特徴とする打楽器。

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